JP2013120735A - 光源装置 - Google Patents

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寛 片山
Kazuhiro Tsuchida
和弘 土田
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Abstract

【課題】光源装置の小型化および高輝度化を図る。
【解決手段】光源装置1は、1つの半導体レーザ3に内蔵した3つ(複数)のLDチップ34〜36が発するレーザ光を1つの集光レンズ4によって集光することによって、それぞれ対応する蛍光体52〜54を個別に励起する。LDチップ34〜36の発光点と蛍光体52〜54とが集光レンズ4を介して互いに光学的に共役関係をなすように、蛍光体52〜54は対応するレーザ光の集光位置に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザを光源として備えた光源装置に関し、特に光源と波長が異なる光を高輝度で出射可能な光源装置に関するものである。
近年、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる光源装置の研究が盛んになってきている。例えば、特許文献1,2は、このような光源装置を開示している。
〔特許文献1の光源装置〕
図7(a)は、特許文献1に記載された光源装置の構成を示す水平断面図である。図7(b)は、図7(a)の光源装置における他の光照射部の構成を示す平面図である。
特許文献1に開示された光源装置は、自動車のヘッドライトのような高輝度の蛍光発光を得ることを目的として、複数の励起光源(LEDまたはLD)の出射光を1つの蛍光体に照射して蛍光体を励起する。
具体的には、図7(a)に示すように、光源装置100において、1つの蛍光体101によって、光照射部102から照射される光に応じて、その光と異なる波長の光が発生する。この光は、リフレクタ103によって、前方に反射されて、さらに投影レンズ104を透過して前方の照射方向に照射される。光照射部102においては、複数のLEDモジュール106からの光をそれぞれに対応して設けられた集光レンズ107によって、蛍光体101に集光させる。
図7(b)に示すように、光照射部102は、光源としてLEDモジュール106の代わりに、複数の半導体レーザモジュール108を用いてもよい。半導体レーザモジュール108を用いることにより、さらに高い輝度で蛍光体101を発光させることができる。
〔特許文献2の光源装置〕
図8(a)は、特許文献2に記載された光源装置の構成を示す平面図である。図8(b)は、図8(a)の光源装置におけるカラーホイールの構成を示す断面図である。
図8(a)に示す光源装置200は、投射型表示装置(プロジェクタ)として構成されている。
この光源装置200において、光源のLED201からの紫外光は、カラーホイール202に入射する。図8(b)に示すように、カラーホイール202は、モータ208により回転可能な透明基板209と、透明基板209の入射側で紫外光を透過して可視光を反射する可視光反射膜210と、射出側に塗布形成された蛍光体層211とから構成される。蛍光体層211は、円弧状に分割された3つの領域に、それぞれ赤、緑、青の蛍光体が塗布されている。
紫外光は、この蛍光体層211により、カラー表示に必要な赤、緑、青の可視光に波長変換される。この可視光は、リレーレンズ203、反射ミラー204を経た後、プリズム205を介して空間光変調器206で光変調され、投写レンズ207によりスクリーン上に拡大投射される。光源装置200は、このようにカラーホイール202を蛍光発光させることにより、投影表示に必要な3原色を得ている。
特許4124445号公報(2008年7月23日発行) 特開2004−341105号公報(2004年12月2日公開)
〔特許文献1の光源装置の問題点〕
特許文献1に開示された光源装置100には、下記のような問題がある。
〈LED光源〉
図7(a)に示すように、光照射部102の励起光源としてLEDモジュール106を用いた場合、LEDモジュール106内のLEDチップ(半導体発光素子)の数を増すことによって、蛍光体101に照射する励起光の光量を大きくすることができる。あるいは、LEDチップの面積を広げることによっても、励起光の光量を大きくすることができる。これにより、ヘッドライトに必要な高輝度を得ることが可能となる。しかしながら、このために、LEDチップ数の増加やLEDチップの大面積化が必要となるので、光源装置の大型化が避けられないという問題がある。
また、LEDチップからの出射光は指向性が低いため、蛍光体101を効率良く励起するには、集光レンズ107が、励起光源となるLEDモジュール106と蛍光体101との間にそれぞれ必要となり、光源装置100の大型化が避けられない。
〈半導体レーザ光源〉
図7(b)に示すように、光照射部102の励起光源として半導体レーザモジュール108を用いた場合、より高い輝度を得ることができる。一般に、半導体レーザは、LEDよりも光出力が大きく、LEDよりも指向性が高いため、図7(b)に示す光照射部102のように複数の半導体レーザモジュール108を用いることにより、LEDモジュール106を用いた図7(a)に示す光照射部102よりも光量が増大するので、高輝度化を図ることができる。
しかしながら、現状の蛍光体励起用の半導体レーザは、寿命確保の必要からTO−CANパッケージ内に封止して設ける必要がある。現状のTO−CANパッケージとしてはφ5.6mmまたはφ3.3mmが標準的なサイズとなっている。このため、図7(b)に示す光照射部102を用いても、半導体レーザモジュール108そのものの小型化に限界があるので、図7(a)に示す光照射部102を用いた場合と同様、光源装置100の大型化が避けられない。
また、一般に、半導体レーザは、LEDよりも指向性が高いとは言え、蛍光体を効率良く励起するには、LED励起と同様に集光レンズによってレーザ光を蛍光体に集光させることが必要となる。このため、図7(b)に示す光照射部102においても、集光レンズ107を設ける必要があり、図7(a)に示す光照射部102を用いた場合と同様、光源装置100の大型化が避けられない。
〔特許文献2の光源装置の問題点〕
一方、特許文献2に開示された光源装置200には、下記のような問題がある。
この光源装置200においても、蛍光発光の輝度を上げるためには励起光源となるLEDモジュール201の光量を大きくする必要がある。しかしながら、光源装置200は、励起光源としてLEDモジュール201を用いているので、光源装置100と同様と同様の理由により、大型化が避けられない。これは、前述のように、LEDモジュール201の代わりに半導体レーザモジュールを用いても同様である。
また、光源装置200は、光源装置100と異なる下記のような問題がある。
(1)カラーホイール202を回転駆動するには、モータ208をはじめとした回転機構が必要であることから、光源装置200の小型化が難しい。
(2)カラーホイール202における励起光の照射位置に蛍光体層211を円弧状に形成する必要があり、コストダウンに支障がある。
(3)カラーホイール202の回転による機械的な騒音が避けられない。
〔小型化と輝度の向上との関係〕
従来の光源装置100,200は、輝度を向上させるには大型化が避けられず、小型化を図ろうとすると輝度を向上させることができない。このように、従来の光源装置100,200では、小型化と輝度の向上とがトレードオフの関係にあるので、これらを両立させることができなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化および高輝度化を実現することができる光源装置を提供することにある。
本発明に係る光源装置は、上記の課題を解決するために、互いに分離されて配置され、レーザ光によって励起されて互いに異なる波長の蛍光光を発生する複数の蛍光体と、前記蛍光体をそれぞれ個別に励起するレーザ光を発生するように、互いに独立して発光制御される半導体レーザチップを単一のパッケージに収容した半導体レーザと、各半導体レーザチップが発生するレーザ光を集束する集光レンズとを備え、前記半導体レーザおよび前記蛍光体が、前記半導体レーザチップの発光点と前記蛍光体とが前記集光レンズを介して共役関係をなすように配置されていることを特徴としている。
上記の構成では、半導体レーザにおいて、各半導体レーザチップで発生したレーザ光は、広がりながら放射されるが、集光レンズによって集束され、それぞれに対応する蛍光体に励起光として集光される。これにより、各蛍光体は蛍光光を放射する。
また、光源装置は、上記のように構成されることにより、次の(1),(2)のように大型化することなく高輝度な光源装置を実現することができる。
(1)LEDよりも光出力が大きい半導体レーザを励起光源とすることによって、輝度の向上を図ることができる。
(2)1つのレーザ光源が複数の蛍光体を励起するのではなく、1つのレーザ光源が1つの蛍光体のみを励起することによって、輝度の向上を図ることができる。
(3)蛍光体ごとに励起光強度を制御することができる。これにより、光源装置から放射される可視光の色味調整が容易になる。例えば、光源装置を照明用の光源として使用する場合、調色可能な照明装置として使用することができる。
前記光源装置は、前記蛍光体の近傍において前記蛍光体より前記半導体レーザに近い位置に配置され、レーザ光を透過する一方、前記蛍光体で発生した蛍光光を反射する第1光学フィルタを備えていることが好ましい。
上記の構成では、第1光学フィルタにより、レーザ光が効率良く蛍光体に照射される一方、蛍光体で発生した蛍光光のうち半導体レーザ側へ放射される蛍光光が反射されて光源装置の外部に放射される。したがって、蛍光発光に寄与する励起光が増加するとともに、蛍光光の損失が低減されるので、放射する蛍光光の輝度を向上させることができる。
前記光源装置において、前記蛍光体より前記半導体レーザから遠い位置に、外部に取り出される全ての光束が通過するように配置され、レーザ光を反射する一方、前記蛍光体で発生した蛍光光を透過する第2光学フィルタを備えていることが好ましい。
上記の構成では、第2光学フィルタにより、蛍光体を透過したレーザ光が外部へ放射されることを阻止できる。これは、眼のレーザ光に対する安全性を確保するアイセーフティの観点から好ましい。また、第2光学フィルタにより、蛍光体を透過したレーザ光が反射されるので、当該レーザ光を再度蛍光体に戻して励起に再利用することができる。これにより、蛍光体による可視光への変換効率が高まり、より高い輝度を得ることができる。
前記光源装置は、前記蛍光体より前記半導体レーザから遠い位置に、外部に取り出される全ての光束が通過するように配置され、レーザ光を反射する一方、前記蛍光体で発生した蛍光光を透過する第2光学フィルタを備えていることが好ましい。あるいは、前記光源装置は、前記半導体レーザ、前記集光レンズおよび前記蛍光体を収容するハウジングと、前記第2光学フィルタが設けられ、前記ハウジングにおける光の取り出し部を気密封止する透明部材とを備えていることが好ましい。
これにより、光取り出し部からの水分や不純物の浸入が回避されるので、水分や不純物に起因する蛍光体の劣化を防止することができる。
前記光源装置は、前記集光レンズにより集束されるレーザ光を前記蛍光体に向けて反射するとともに、前記蛍光体から放射される蛍光光を透過する光学素子を備えていることが好ましい。
これにより、集光レンズからのレーザ光を直接ではなく、光学素子によって反射される構成によっても、前述の光源装置と同様に、高輝度を維持しながら大型化およびコストアップを抑えることができる。
本発明に係る光源装置は、上記のように構成されることにより、光源装置の小型化および高輝度化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。 図1の光源装置における光学系の設計例を示す図である。 実施形態1における比較例に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。 (a)は本発明の実施形態2に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図であり、(b)は当該光源装置における蛍光部の構成を示す拡大断面図である。 実施形態3に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。 実施形態4に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。 (a)は従来の光源装置の構成を示す水平断面図であり、(b)は(a)の光源装置における他の光照射部の構成を示す平面図である。 (a)は、従来の他の光源装置の構成を示す平面図であり、(b)は(a)の光源装置におけるカラーホイールの構成を示す断面図である。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1について、図1〜図3を参照して以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。
〔光源装置の構成〕
図1に示すように、光源装置1は、ハウジング2と、半導体レーザ3と、集光レンズ4と、蛍光部5とを備えている。
〈ハウジングの構成〉
ハウジング2は、半導体レーザ3、集光レンズ4および蛍光部5を保持する保持部材であり、本体部21、半導体レーザ保持部22、レンズ保持部23および放射開口部24によって構成されている。
本体部21は、筒状に形成されている外装部である。この本体部21は、外光の入射を遮断するとともに、蛍光部5(後述する透明部材51)で反射される半導体レーザ3からの一部のレーザ光の外部への放射を遮断する。
半導体レーザ保持部22は、半導体レーザ3を保持する部分であり、本体部21の一方の端部に設けられている。この半導体レーザ保持部22は、半導体レーザ3の配置スペースを確保するための開口22aを有している。
レンズ保持部23は、集光レンズ4を保持する部分であり、本体部21の中間位置に設けられている。
放射開口部24は、蛍光部5を保持する部分であり、外部に可視光を放射する蛍光部5へ励起光を入射させるための開口24aを有している。この放射開口部24は、本体部21の他方の端部に設けられている。
〈半導体レーザの構成〉
半導体レーザ3は、ステム31、キャップ32、ガラス窓33、LD(Laser Diode)チップ34〜36、複数のリードピン37およびヒートシンク38を有している。この半導体レーザ3は、TO−CANタイプのパッケージ構造によって形成されている。
ステム31は、基台となる部分であり、一方の端面に、キャップ32およびヒートシンク38が固定されている。ステム31の直径は、一般の半導体レーザのサイズであるφ5.6mmまたはφ3.3mmである。また、ステム31は、リードピン37が配置されるための複数の貫通穴31aを有している。リードピン37は、それぞれ貫通穴31aに挿通された状態で、ガラス封入によってステム31に固定されている。
半導体レーザ3は、ステム31のキャップ32およびヒートシンク38が配置された端面の外周縁部で半導体レーザ保持部22に固着されている。
ヒートシンク38には、LDチップ34〜36(半導体レーザチップ)がハイブリッドまたはモノリシックの形態で実装されている。これらのLDチップ34〜36は、それぞれ、後述する緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53、青発光蛍光体54に照射するためのレーザ光を発生するように、独立して発光制御される。各LDチップ34〜36の発振波長は、それぞれ励起する緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53、青発光蛍光体54の発光波長より短波長である。
なお、複数のレーザ光を出射する半導体レーザは、既に光ディスク用レーザで実用化されており、隣り合う2つのレーザ発光点間の距離は100μm前後から数100μmである。
キャップ32は、LDチップ34〜36およびヒートシンク38を含む各種の部品を収容する外装部材であり、金属材料(例えば鉄−ニッケル−コバルト合金)によって形成されている。また、キャップ32には、LDチップ34〜36から出射されるレーザ光を透過させるためのガラス窓33が、低融点ガラスによって封着されている。これにより、LDチップ34〜36は、半導体レーザパッケージ内に高気密状態で封止される。
〈集光レンズの構成〉
集光レンズ4は、LDチップ34〜36から出射されるレーザ光をそれぞれに対応する緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53、青発光蛍光体54が配置された位置に集光するレンズである。この集光レンズ4は、前述のレンズ保持部23に保持されており、後述する光学系の設計例によって決定される位置に配置されている。
〈蛍光部の構成〉
蛍光部5は、レーザ光によって励起されて蛍光光を発生する部分であり、透明部材51、緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54を有している。
透明部材51は、樹脂、ガラスなどの透明材料によって形成される透光性基材である。この透明部材51は、一方の表面(図では内側表面)における外周端縁で、放射開口部24における開口24aの周辺に固着されている。
また、透明部材51の他方の表面(図では外側表面)に蛍光体としての緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54が設けられている。緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54は、互いに分離されて配置され、それぞれ封止材に分散されることによって透明部材51上に蛍光層を形成している。
上記の封止材としては、一般的な封止材に用いられる無機ガラスが用いられる。また、封止材としては、上記の無機ガラスに限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスやシリコーン樹脂などの樹脂材料であってもよい。ただし、耐熱性を考慮すれば、封止材はガラスであることが好ましい。
緑発光蛍光体52は、当該緑発光蛍光体52を励起するためのLDチップ34からのレーザ光が集光される位置に配置されている。また、赤発光蛍光体53は、当該赤発光蛍光体53を励起するためのLDチップ35からのレーザ光が集光される位置に配置されている。さらに、青発光蛍光体54は、当該青発光蛍光体54を励起するためのLDチップ36からのレーザ光が集光される位置に配置されている。これにより、LDチップ34〜36から出射されるレーザ光が、それぞれに対応する緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53、青発光蛍光体54を個別に励起する。
緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53、青発光蛍光体54としては、例えば、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の4元素を含有するサイアロン系の蛍光体が用いられる。サイアロンとは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に置換され、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素(Si)に、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、希土類元素などを固溶させて作ることができる。このサイアロン蛍光体は、他の蛍光体と比べて波長幅の狭いシャープな蛍光を得ることができる。また、サイアロン蛍光体は、励起光が広い波長領域をカバーするため、特に紫外領域の励起光に対して高い量子効率を示すので、紫外線励起による照明装置の素材としても好適に用いることができる。
なお、以降の説明では、緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54に共通して言及する場合は、単に蛍光体52〜54と称する。
〈光学系の配置〉
半導体レーザ3(レーザ光の発光点)および蛍光部5は、集光レンズ4を介して共役関係をなすように配置されている。共役関係とは、光学系における物体と像との関係であるので、LDチップ34〜36の発光点が物点となり、集光レンズ4による集光点が像点となる。
〔光源装置における光学系の設計例〕
ここで、光源装置1における光学系の設計例について説明する。図2は、その設計例を示す図である。
図2に示すように、ここでは、光源(LDチップ)としてLDチップ34,35を例示し、蛍光体として緑発光蛍光体52および赤発光蛍光体53を例示する。
光学系における2つのLDチップ34,35、集光レンズ4および2つの蛍光体52,53の配置に関して、幾何光学の公式から式(1)に示す関係が成り立つ。
D=mL …(1)
式(1)において、D、L、mはそれぞれ以下のパラメータを表している。
D : 蛍光体間距離
L : LDチップの発光点間距離
m : 集光レンズの横倍率
また、集光レンズの配置位置については、式(2)の関係が成り立つ。
(1/La)+(1/Lb)=1/f …(2)
式(2)において、f、La、Lbはそれぞれ以下のパラメータを表している。
f : 集光レンズの焦点距離
La : LDチップと集光レンズとの間の距離
Lb : 集光レンズと蛍光体との間の距離
さらに、集光レンズについては、式(3)および式(4)の関係が成り立つ。
r=a*tanθ …(3)
NA=sinθ …(4)
式(3)および式(4)において、r、NA、θはそれぞれ以下のパラメータを表している。
r : 集光レンズの半径
NA : 集光レンズの開口数(半導体レーザ側)
θ : レーザ光の広がりの半角
一例として、一般的な半導体レーザの放射角(広がり角)から、NA=0.4、r=2.5mm、L=100μm、D=500μmとすると、式(1)〜式(4)により、f=4.75mm、La=5.7mm、Lb=28.5mmが得られる。
上記のように、LDチップ34,35の発光点と蛍光体52,53は、1つの集光レンズ4を介して光学的に結合されるのみであるが、発光点間距離Lや蛍光体間距離Dなどは、上記の式(1)〜式(4)が成り立つ範囲であれば容易に設計可能である。
〔光源装置による蛍光光の放射〕
続いて、光源装置1における蛍光光の放射について説明する。
半導体レーザ3において、各LDチップ34〜36で発生したレーザ光は、広がりながら放射されるが、集光レンズ4によって集束され、それぞれに対応する緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54に励起光として集光される。
これにより、緑発光蛍光体52は緑色の蛍光光を放射し、赤発光蛍光体53は赤色の蛍光光を放射し、青発光蛍光体54は青色の蛍光光を放射する。これらの蛍光光は、混合されることにより、それぞれの発光量に応じた色の可視光となる。
〔光源装置の効果〕
以上のように、光源装置1は、半導体レーザ3の単一のパッケージ内に3つ(複数)のLDチップ34〜36を収容し、各LDチップ34〜36が発するレーザ光によって、それぞれ対応する蛍光体52〜54を個別に励起する。つまり、1つのレーザ光が1つの蛍光体を励起する。また、光源装置1は、複数のLDチップ34〜36からのレーザ光を1つの集光レンズ4によって集光する。また、蛍光体52〜54は、それぞれのレーザ光の集光位置に配置されている(LDチップ34〜36の発光点と蛍光体52〜54とが集光レンズ4を介して互いに光学的に共役関係となる配置)。さらに、LDチップ34〜36は独立して発光制御される。
光源装置1は、上記のように構成されることにより、次の(1)〜(4)の効果が得られる。これにより、大型化することなく高輝度な光源装置1を実現することができる。
(1)LEDよりも光出力が大きい半導体レーザ3を励起光源とすることによって、輝度の向上を図ることができる。
(2)1つのレーザ光源が複数の蛍光体を励起するのではなく、1つのレーザ光源が1つの蛍光体のみを励起することによって、輝度の向上を図ることができる。
(3)レーザ光の集光位置に蛍光体を配置することにより、必要な蛍光体の量が極めて少量で足りるので、蛍光体材料のコストおよび蛍光部5の大型化を抑えることができる。
(4)蛍光体ごとに励起光強度を制御することができる。これにより、光源装置1から放射される可視光の色味調整が容易になる。例えば、光源装置1を照明用の光源として使用する場合、調色可能な照明装置として使用することができる。
〔比較例〕
本実施形態の比較例について説明する。この比較例は、従来の複数の集光レンズを有する構成を光源装置1の光学系保持構造に適用した例である。
図3は、本比較例に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。
〈光源装置の構成〉
図3に示すように、光源装置300は、3つの光源ユニット301,311,321によって構成されている。
光源ユニット301,311,321は、それぞれ、ハウジング302,312,322に、半導体レーザ303,313,323、集光レンズ304,314,324および蛍光部305,315,325が保持されるように構成されている。このように、光源ユニット301,311,321は、基本的には光源装置1と同様に構成されている。半導体レーザ303,313,323は、TO−CANパッケージの封止構造を有している。
ただし、光源ユニット301,311,321は、半導体レーザ303,313,323および蛍光部305,315,325の構成が、半導体レーザ3および蛍光部5の構成と異なっている。
半導体レーザ303,313,323は、それぞれ内部に1つずつのLDチップ3031,3131,3231が実装されている。また、蛍光部305,315,325は、それぞれ、透明部材3051,3151,3251上に、赤発光体蛍光体3052、緑発光体蛍光体3152、青発光体蛍光体3252が設けられている構成である。
〈比較例と実施形態との比較〉
上記のように構成される光源装置300においては、半導体レーザ303,313,323が、それぞれ1つのLDチップ3031,3131,3231のみを搭載している。このため、光源ユニット301,311,321は、少なくとも、TO−CANパッケージのサイズ(φ5.6mmまたはφ3.3mm)を確保するための領域を必要とする。しかも、光源装置300は、光源装置1と同程度の輝度の蛍光光を得るために、赤発光体蛍光体3052、緑発光体蛍光体3152、青発光体蛍光体3252ごとに、上記のような光源ユニット301,311,321を構成する必要がある。また、各光源ユニット301,311,321には、それぞれ半導体レーザ303,313,323と集光レンズ304,314,324とが内蔵されており、部品点数が多くなる。このため、光源装置300の大型化およびコストアップが避けられない。
これに対し、光源装置1は、1つのハウジング2に、半導体レーザ3、集光レンズ4および蛍光部5が1つずつ設けられる構成である。しかも、半導体レーザ3は、3つのLDチップ34〜36を搭載している。したがって、光源装置1は、光源装置300と比べて、同じ輝度を維持しながら、大幅に小型化および低価格化を図ることができる。
[実施形態2]
本発明に係る実施形態2について、図4を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、適宜、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
図4(a)は、本実施形態に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。図4(b)は、当該光源装置における蛍光部の拡大図である。
〔光源装置の構成〕
図4(a)に示すように、光源装置11は、前述の光源装置1と同様、ハウジング2と、半導体レーザ3と、集光レンズ4とを備えているが、蛍光部5に代えて蛍光部6を備えている。
蛍光部6は、図4(b)に示すように、レーザ光を受けて蛍光光を発生する部分であり、透明部材61、緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63、青発光蛍光体64および光学膜65を有している。
透明部材61は、樹脂、ガラスなどの透明材料によって形成される平板状の透光性基材であり、前述の透明部材51と同様にしてハウジング2に固着されている。また、透明部材61の表面に蛍光体としての緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63および青発光蛍光体64が設けられている。
緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63および青発光蛍光体64は、互いに分離されて配置され、それぞれ封止材に分散されることによって透明部材61上に蛍光層を形成している。また、緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63および青発光蛍光体64は、それぞれ、前述の緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54と同様の材料で構成され、蛍光部5で用いられる封止材と同様な材料の封止材によって封止されている。
なお、以降の説明では、緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63および青発光蛍光体64に言及する場合は、適宜、蛍光体62〜64と称する。
光学膜65(第1光学フィルタ)は、レーザ光の波長を有する光を選択的に透過する一方、レーザ光の励起によって蛍光体62〜64で発生した蛍光光を選択的に反射する膜であり、透明部材61の表面に形成されている。このように、光学膜65は、蛍光体62〜64の近傍において、蛍光体62〜64より半導体レーザ3に近い位置に配置されている。
一般的に、レーザ光で蛍光体を蛍光発光させる場合、蛍光体を励起する励起光には波長400nm帯の近紫外光を用い、蛍光体にはRGB(3原色)の波長で蛍光発光する材料が用いられる。このため、光学膜65については、近紫外光と青色光との間に遷移領域を持つ透過率および反射率が得られるように分光特性設計を行なう。
このような分光特性を有する光学膜65として機能する膜については、一般に入手が可能な光学フィルタを利用することができる。このような光学フィルタとして知られているのが、短い波長帯の光を透過する一方、長い波長帯の光を透過させないショートパスフィルタが挙げられる。ショートパスフィルタとしては、例えば、エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社より提供されているTSショートパスフィルタ(425NM 12.5MM NT64−592)が利用できる。このTSショートパスフィルタは、透過帯が250nm〜410nmであり、透過阻止帯が445nm〜510である。
〔光源装置による蛍光光の放射〕
続いて、光源装置11における蛍光光の放射について説明する。
半導体レーザ3からのレーザ光が集光レンズ4によって集束されて、それぞれ対応する緑発光蛍光体62、赤発光蛍光体63および青発光蛍光体64に励起光として集光される。これにより、緑発光蛍光体62は緑色の蛍光光を放射し、赤発光蛍光体63は赤色の蛍光光を放射し、青発光蛍光体64は青色の蛍光光を放射する。
蛍光部6においては、光学膜65が励起光に対して反射防止膜として作用するので、集束される励起光は、光学膜65によって透明部材61の表面での反射が抑えられ、透明部材61を透過して蛍光体62〜64に到達する。一方、蛍光体62〜64の励起により発生した蛍光光は、ほぼ全方位に放射される。このうち、半導体レーザ3側へ放射される蛍光光は、可視光に対して反射膜として作用する光学膜65で反射され、透明部材61および蛍光体62〜64を経て光源装置11の外部に放射される。
〔光源装置の効果〕
光源装置11は、光学膜65を有する蛍光部6を備えている。
光学膜65は、励起光に対して反射防止膜として作用するので、透明部材61の表面での反射を抑えて、効率良く蛍光体62〜64に励起光を照射することができる。一方、光学膜65は、可視光に対して反射膜として作用するので、蛍光体62〜64で発生した蛍光光のうち半導体レーザ3側へ放射される蛍光光を反射して光源装置11の外部に放射することができる。
したがって、蛍光発光に寄与する励起光が増加するとともに、蛍光光の損失が低減されるので、光源装置1と比べて、放射する蛍光光の輝度を向上させることができる。
[実施形態3]
本発明に係る実施形態3について、図5を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1,2における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、適宜、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。
〔光源装置の構成〕
図5に示すように、光源装置12は、前述の光源装置11と同様、半導体レーザ3と、集光レンズ4と、蛍光部6とを備えているが、ハウジング2に代えてハウジング7を備えている。また、光源装置12は励起光反射部8を備えている。
なお、光源装置12は、蛍光部6に代えて光源装置1に設けられている蛍光部5を備えていてもよい。
また、光源装置12においても、半導体レーザ3(レーザ光の発光点)および蛍光部6は、集光レンズ4を介して共役関係をなすように配置されている。これにより、LDチップ34〜36の発光点が物点となり、集光レンズ4による集光点が像点となる。
〈ハウジングの構成〉
ハウジング7は、半導体レーザ3、集光レンズ4、蛍光部6および励起光反射部8を保持する保持部材であり、本体部71、半導体レーザ保持部72、レンズ保持部73、中間開口部74および放射開口部75によって構成されている。
本体部71は、筒状に形成されている外装部である。この本体部71は、外光の入射を遮断するとともに、蛍光部6(透明部材61)で反射される一部のレーザ光の外部への放射を遮断する。
半導体レーザ保持部72は、半導体レーザ3を保持する部分であり、本体部71の一方の端部に設けられている。この半導体レーザ保持部72は、半導体レーザ3の配置スペースを確保するための開口72aを有している。
レンズ保持部73は、集光レンズ4を保持する部分であり、本体部71の中間位置に設けられている。
中間開口部74は、蛍光部6を保持する部分であり、蛍光部6へ励起光を入射させるための開口74aを有している。この放射開口部74は、レンズ保持部73と放射開口部75との間に設けられている。
放射開口部75は、励起光反射部8を保持する部分であり、外部に可視光を透過させるように励起光反射部8へ蛍光部6からの光を入射させるための開口75aを有している。この放射開口部75は、本体部71の他方の端部に設けられている。
〈励起光反射部の構成〉
励起光反射部8は、励起光を反射させる一方で蛍光光を透過させる部分であり、透明部材81および光学膜82を有している。この励起光反射部8は、蛍光部6からの全ての光束が光学膜82に到達する(外部に取り出される全ての光束が通過する)ように配置されている。
透明部材81は、樹脂、ガラスなどの透明材料によって形成される平板状の透光性基材である。この透明部材81は、光取り出し部となるハウジング7の端部を気密封止するように、一方の表面(図では内側表面)における外周端縁で、放射開口部75における開口75aの周辺に封着されている。
具体的には、透明部材81は、TO−CAN型半導体レーザの封止に用いられているキャップガラスと同様の方法で封着される(前述の半導体レーザ3におけるガラス窓33の封着方法)。これにより、光取り出し部がTO−CAN型半導体レーザと同様の高い気密性で封止される。あるいは、透明部材81は、接着剤により高気密に封止されてもよい。
また、透明部材81の表面に光学膜82が設けられている。光学膜82(第2光学フィルタ)は、レーザ光を選択的に反射する一方、レーザ光の励起によって蛍光発光した可視光を選択的に透過する膜であり、透明部材81における表面に形成されている。このように、光学膜82は、蛍光体62〜64より半導体レーザ3から遠い位置に配置されている。
このような分光特性を有する光学膜82として機能する膜については、一般に入手が可能な光学フィルタを利用することができる。このような光学フィルタとして知られているのが、長い波長帯の光を透過する一方、短い波長帯の光を透過させないロングパスフィルタが挙げられる。ロングパスフィルタとしては、例えば、エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社より提供されているTSロングパスフィルタ(425NM 12.5MM NT64−616)が利用できる。このTSショートパスフィルタは、透過帯が445nm〜2000nmであり、透過阻止帯が200nm〜405である。
〔光源装置による蛍光光の放射〕
続いて、光源装置12における蛍光光の放射について説明する。
半導体レーザ3からのレーザ光が集光レンズ4によって集束されて、蛍光体62〜64に励起光として集光される。これにより、蛍光体62〜64から、それぞれ緑色、赤色、青色の蛍光光が放射される。これらの蛍光光は、さらに励起光反射部8を透過して、光源装置12の外部に放射される。
また、蛍光部6においては、蛍光体62〜64に照射された励起光の一部が、蛍光に寄与することなく蛍光体62〜64を透過してしまう。しかしながら、励起光反射部8においては、光学膜82が励起光に対して反射膜として作用するので、蛍光部6を透過した励起光は、蛍光部6側に反射されて外部に放射されることはない。この反射された励起光によって、蛍光部6に戻されることによって、蛍光部6で蛍光光が発生する。そして、この蛍光光は、励起光反射部8を透過して、光源装置12の外部に放射される。
〔光源装置の効果〕
〈可視光の輝度向上〉
光源装置12は、光学膜82を有する励起光反射部8を備えている。
光学膜82は、可視光を選択的に透過するが、励起光を選択的に反射するので、蛍光部6を透過した近紫外光である励起光が外部へ放射されることを阻止できる。これは、眼のレーザ光に対する安全性を確保するアイセーフティの観点から好ましい。
また、蛍光部6を透過した励起光を光学膜82で反射することにより、当該励起光を再度蛍光部6に戻して励起に再利用することができる。これにより、蛍光部6による可視光への変換効率が高まり、より高い輝度を得ることができる。
さらに、光源装置12は、前述の光源装置11と同様、蛍光部6を備えている。これにより、前述のように、透明部材61の表面での励起光の反射を抑えて、効率良く蛍光体62〜64による励起発光に寄与する励起光を増加させることができる。一方、発生した蛍光光のうち半導体レーザ3側へ放射される蛍光光を反射して光源装置11の外部に放射することができる。したがって、蛍光発光に寄与する励起光が増加するとともに、蛍光光の損失が低減されるので、光源装置11と同様、放射する蛍光光の輝度を向上させることができる。
〈気密性の向上〉
一般に、蛍光体は、空気中の水分や不純物によって蛍光光への変換効率が低下するなどの劣化が発生する場合がある。このため、蛍光体を密閉封止して、空気中の水分や不純物による劣化を防ぐことが望ましい。
そこで、光源装置12では、光取り出し部となるハウジング7の端部側を励起光反射部8の透明部材81により全面を塞いでいる。これにより、光取り出し部からの水分や不純物の浸入が回避されるので、蛍光部6における蛍光体62〜64の劣化を防止することができる。
なお、光取り出し部以外のハウジング7の密閉は、ハウジング7と、半導体レーザ3、集光レンズ4および蛍光部6とのそれぞれの接合部を、前述のキャップガラスの封止方法で封止したり、接着剤で塞いだりといった手法で実現することができる。したがって、ハウジング7の全体における不純物の侵入を防止することができる。
[実施形態4]
本発明に係る実施形態4について、図6を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、適宜、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る光源装置の構成を示す光軸方向に沿った断面図である。
〔光源装置の構成〕
図6に示すように、光源装置13は、前述の光源装置1と同様、半導体レーザ3と、集光レンズ4とを備えている。また、光源装置13は、蛍光部9と、波長選択ミラー10とを有している。さらに、光源装置13は、図示はしないが、半導体レーザ3、集光レンズ4、蛍光部9および波長選択ミラー10がハウジングに保持されている。このハウジングは、前述の光源装置12のハウジング7と同様に、透明部材81によって気密封止されていてもよい。
また、光源装置13においても、半導体レーザ3(レーザ光の発光点)および蛍光部6は、集光レンズ4を介して共役関係をなすように配置されている。これにより、LDチップ34〜36の発光点が物点となり、集光レンズ4による集光点が像点となる。
〈蛍光部の構成〉
蛍光部9は、レーザ光(励起光)を受けて蛍光光を発生する部分であり、蛍光体保持部材91、緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94を有している。この蛍光部9は、波長選択ミラー10から反射されるレーザ光が緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94に集光される位置に配置されている。
蛍光体保持部材91は、可視光を反射する材料および形状によって形成される反射性基材である。その材料としては、例えば、表面を鏡面に仕上げた金属製の部材が用いられる。この蛍光体保持部材91は、光入射側の表面に蛍光体としての緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94が設けられている。
緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94は、互いに分離されて配置され、それぞれ封止材に分散されることによって蛍光体保持部材91上に蛍光層を形成している。また、緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94は、それぞれ、前述の緑発光蛍光体52、赤発光蛍光体53および青発光蛍光体54と同様の材料で構成され、蛍光部5で用いられる封止材と同様な材料の封止材によって封止されている。
なお、以降の説明では、緑発光蛍光体92、赤発光蛍光体93および青発光蛍光体94に言及する場合は、適宜、蛍光体92〜94と称する。
〈波長選択ミラーの構成〉
波長選択ミラー10(光学素子)は、集光レンズ4によって集光される半導体レーザ3からの励起光(波長405nm)を蛍光部9へ向けて反射するとともに、蛍光部9から放射される蛍光光(可視光)を透過させるミラーである。図6においては、波長選択ミラー10が励起光をほぼ直角に反射する構成が示されているが、波長選択ミラー10が励起光を反射する角度については直角に限定されず、鋭角であっても鈍角であってもよい。
〔光源装置による蛍光光の放射〕
続いて、光源装置13における蛍光光の放射について説明する。
半導体レーザ3からの励起光が集光レンズ4によって集束されると、波長選択ミラー10に反射されて蛍光体92〜94に集光される。これにより、蛍光体92〜94から、それぞれ緑色、赤色、青色の蛍光光が放射される。これらの蛍光光のうち波長選択ミラー10側に放射される蛍光光は、さらに波長選択ミラー10を透過して、光源装置13の外部に放射される。
また、蛍光体92〜94から蛍光体保持部材91側に放射される蛍光光は、蛍光体保持部材91によって反射される。この反射光のうち波長選択ミラー10側に向かう蛍光光は、波長選択ミラー10を透過して光源装置13の外部に放射される。
〔光源装置の効果〕
光源装置13は、蛍光部9および波長選択ミラー10を備えている。また、光源装置13は、蛍光体92〜94が、それぞれの励起光の集光位置に配置されている(LDチップ34〜36の発光点と蛍光体92〜94とが集光レンズ4を介して互いに光学的に共役関係となる配置)。
これにより、集光レンズ4からの励起光を直接ではなく、波長選択ミラー10によって反射される構成によっても、前述の光源装置1と同様に、高輝度を維持しながら大型化およびコストアップを抑えることができる。
また、波長選択ミラー10によって、励起光の進行方向を変更するので、半導体レーザ3からの励起光の出射方向と異なる方向に蛍光光を放射することができる。これにより、半導体レーザ3のリードピン37の方向と蛍光光の放射方向とが異なるため、これに適した光源装置13の実装形態に適用することができる。
さらに、蛍光体保持部材91が表面を鏡面に仕上げた金属製の部材で構成されることにより、蛍光体92〜94の放熱性を向上させることができる。
[付記事項]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る光源装置は、小型化および高輝度化が可能であるので、照明機器などに好適に利用できる。
1 光源装置
2 ハウジング
3 半導体レーザ
4 集光レンズ
5 蛍光部
6 蛍光部
7 ハウジング
8 励起光反射部
9 蛍光部
10 波長選択ミラー(光学素子)
34 LDチップ(半導体レーザチップ)
35 LDチップ(半導体レーザチップ)
36 LDチップ(半導体レーザチップ)
51 透明部材
52 緑発光蛍光体(蛍光体)
53 赤発光蛍光体(蛍光体)
54 青発光蛍光体(蛍光体)
61 透明部材
62 緑発光蛍光体(蛍光体)
63 赤発光蛍光体(蛍光体)
64 青発光蛍光体(蛍光体)
65 光学膜(第1光学フィルタ)
81 透明部材
82 光学膜(第2光学フィルタ)
91 蛍光体保持部材
92 緑発光蛍光体(蛍光体)
93 赤発光蛍光体(蛍光体)
94 青発光蛍光体(蛍光体)

Claims (6)

  1. 互いに分離されて配置され、レーザ光によって励起されて互いに異なる波長の蛍光光を発生する複数の蛍光体と、
    前記蛍光体をそれぞれ個別に励起するレーザ光を発生するように、互いに独立して発光制御される半導体レーザチップを単一のパッケージに収容した半導体レーザと、
    各半導体レーザチップが発生するレーザ光を集束する集光レンズとを備え、
    前記半導体レーザおよび前記蛍光体は、前記半導体レーザチップの発光点と前記蛍光体とが前記集光レンズを介して共役関係をなすように配置されていることを特徴とする光源装置。
  2. 前記蛍光体の近傍において前記蛍光体より前記半導体レーザに近い位置に配置され、レーザ光を透過する一方、前記蛍光体で発生した蛍光光を反射する第1光学フィルタを備えていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記蛍光体より前記半導体レーザから遠い位置に、外部に取り出される全ての光束が通過するように配置され、レーザ光を反射する一方、前記蛍光体で発生した蛍光光を透過する第2光学フィルタを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 前記半導体レーザ、前記集光レンズおよび前記蛍光体を収容するハウジングと、
    前記ハウジングにおける光の取り出し部を気密封止する透明部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  5. 前記半導体レーザ、前記集光レンズおよび前記蛍光体を収容するハウジングと、
    前記第2光学フィルタが設けられ、前記ハウジングにおける光の取り出し部を気密封止する透明部材とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
  6. 前記集光レンズにより集束されるレーザ光を前記蛍光体に向けて反射するとともに、前記蛍光体から放射される蛍光光を透過する光学素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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