JP2004031843A - 発光ダイオ−ド - Google Patents
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Abstract
【課題】分光特性を有する発光ダイオ−ドにおいて、製造工程を簡単化すると共に歩留りを高め、かつ、光利用効率を向上させること。
【解決手段】透明体31に蛍光体32を混入させた分光部材33と半導体発光素子34とを別々に構成すると共に、これら半導体発光素子34と分光部材33とを所定の間隔をおいて配置し、さらに、半導体発光素子34が放射する光線を透過し、かつ、蛍光体32が放射する光線のうち、半導体発光素子側に向かう光線を反射して前方向に進行させる光学薄膜51を分光部材33に塗布した構成としてある。
【選択図】 図3
【解決手段】透明体31に蛍光体32を混入させた分光部材33と半導体発光素子34とを別々に構成すると共に、これら半導体発光素子34と分光部材33とを所定の間隔をおいて配置し、さらに、半導体発光素子34が放射する光線を透過し、かつ、蛍光体32が放射する光線のうち、半導体発光素子側に向かう光線を反射して前方向に進行させる光学薄膜51を分光部材33に塗布した構成としてある。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体を半導体発光素子で照射して所望の色光を得る発光ダイオ−ドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体からなる発光素子で蛍光体を照射し所望の色光を得る構成の発光ダイオ−ドは既に知られている。
例えば、青色系の半導体発光素子で黄色発光の蛍光体を照射して白色光を得る発光ダイオ−ド、或いは、紫色系の半導体発光素子でRGB3種類の蛍光体を照射して白色光を得る発光ダイオ−ドがある。
【0003】
図8、図9は白色発光ダイオ−ドの従来例を示す簡略図である。
図8に示す白色発光ダイオ−ド10は、半導体発光素子11の照射面に蛍光体12を塗布した構成となっている。
図9に示す白色発光ダイオ−ド20は、蛍光体22を混入させた砲弾型の透明樹脂23で半導体発光素子21を封止した構成となっている。
【0004】
上記したような発光ダイオ−ドは、それらを多数個配置し電気制御によって点滅させる構成とした大型ディスプレイのバックライトとして既に実現しているが、昨今では、照明用光源として利用することが開発されている。
【0005】
具体的には、上記した砲弾型の白色発光ダイオ−ド20を多数個配置して蛍光灯の代替え品を目指すことが試みられている。
発光ダイオ−ドは、蛍光灯に比べ寿命が長いこと、消費電力が少ないことなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示したような発光ダイオ−ドは、半導体発光素子上に蛍光体を塗布するため、製造工程が複雑となることにより、製品の歩留りが悪い。
言換えれば、半導体からなる発光素子と蛍光体とが異種材料でできているために製造が複雑な工程となる。
【0007】
図9に示した発光ダイオ−ドは、蛍光体を分散した砲弾型の透明樹脂によって半導体発光素子を封止してあるため、ダイオ−ド形態が大きくなる。
【0008】
この結果、発光ダイオ−ドを多数個配置して照明用光源とする場合、ダイオ−ドの組付けスペ−スが大きくなり、照明用光源として大型化する。
また、このような樹脂封止型の発光ダイオ−ドは、温度上昇や紫外線による樹脂の劣化や変形が生ずる。
【0009】
さらに、上記したような発光ダイオ−ドは、半導体発光素子の光線が蛍光体に照射されると、蛍光体が光を吸収し、吸収した光の波長とは異なる波長の光を発生するが、この光が前方と後方とに放射されるために、後方に放射された光線が半導体発光素子によって遮蔽されて損失となり、光の利用効率が低い。
【0010】
本発明は上記した実情にかんがみ、所望の分光特性を得ることができる発光ダイオ−ドにおいて、製造を簡単化すると共に歩留りを高め、かつ、光の利用効率を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発明として、半導体からなる発光素子で蛍光体を照射し所望の分光特性を得る発光ダイオ−ドにおいて、前記発光素子と前記蛍光体とを分離して配置する構成としたことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0012】
また、第2の発明としては、第1の発明の発光ダイオ−ドにおいて、前記発光素子と蛍光体との間に、空気、不活性ガス、真空などの介在物を設けたことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0013】
上記した第1、第2の発明によれば、半導体発光素子と蛍光体とを分離して配置したので、半導体発光素子と蛍光体とを別々に生産することができ、製造工程が簡単化され、製造コストの点で有利となる。
【0014】
第3の発明としては、第1または第2の発明の発光ダイオ−ドにおいて、蛍光体は、前記発光素子から放射される光線に対し透明な媒体中に混入し、若しくは、前記発光素子側と反対となるその媒体の表面に施し、さらに、前記発光素子側となる前記媒体の表面には、前記発光素子から放射される波長の光線を透過し、蛍光体から発光される波長の光線を反射する光学薄膜を施して構成したことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0015】
この第3の発明によれば、蛍光体から発光素子側に放射される光線が光学薄膜によって反射されてダイオ−ド正面側に向かう。
この結果、蛍光体から発光素子側に放射される光線が有効に利用できることから、光の利用効率を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は第1の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ド30の構成図である。
本実施形態は、ガラスまたは樹脂などの透明体31の中に蛍光体32を分散(混入)させて形成した分光部材(波長変換部材)33を半導体発光素子34とは別体に構成する。
【0017】
そして、分光部材33は半導体発光素子34に対して所定の間隔離し、当該発光素子34の光線放射方向位置に配置した構成としてある。
【0018】
このように構成した発光ダイオ−ド30は、半導体発光素子34から放射された波長λ1の光線L1が分光部材33に入射すると、その光線L1の一部が蛍光体32によって吸収され、その他の光線L1が分光部材33を透過する。
【0019】
蛍光体32は光線L1を吸収することによって波長λ2の光線L2を射出し、この光線L2が光線L1と共に放射される。
この結果、波長λ1、λ2の光線L1、L2が放射され、所望の分光特性の色光を得ることができる。
例えば、光線L1が青色光で、光線L2が黄色光であれば、白色光となる。
【0020】
図2は第1の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ド40の構成図である。
本実施形態では、ガラスまたは樹脂などの透明体41の表面に蛍光体42を塗布した分光部材43を半導体発光素子44とは別体に構成してある。
【0021】
そして、この分光部材43は半導体発光素子44に対して所定の間隔離し、当該発光素子44の光線放射方向位置に配置した構成としてある。
【0022】
このように構成した発光ダイオ−ド40は、上記し第1実施形態の発光ダイオ−ド30と同様に、波長λ1の光線L1と波長λ2の光線L2とを放射し、所望の分光特性の色光を得ることができる。
【0023】
上記した発光ダイオ−ド30、40は、半導体発光素子(34、44)と分光部材(33、43)とを別々に製造することができるので、特に、半導体発光素子の歩留りが向上する。
なお、分光部材(33、43)は平面形状でも曲面形状のものでもよく、また、蛍光体42はスパッタ法や蒸着法などによって透明体41に施すようにすることもできる。
【0024】
また、第2の発明を実施する場合には、半導体発光素子と分光部材との間に、空気、不活性ガス、真空などの介在物を設けるが、その他に、例えば、アルコ−ルなどの流体を設けるようにしてもよい。
【0025】
図3は、第3発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ド50の構成図である。
本実施形態は、上記した分光部材31に光学薄膜51を設けたことが特徴となっており、その他は図1に示す発光ダイオ−ド30と同構成としてある。
【0026】
光学薄膜51は、半導体発光素子34から放射する波長λ1の光線L1を透過し、蛍光体32から放射する波長λ2の光線L2を反射する光学薄膜で、分光部材33の半導体発光素子側の面上に塗布してある。
なお、光学薄膜51については、スパッタ法や蒸着法によっても施すことができる。
【0027】
例えば、青色発光の半導体発光素子34と、黄色発光の分光部材(蛍光体)33を備える場合には、青色発光の光線L1を透過し、黄色発光の光線L2を反射する光学薄膜51を備える。
【0028】
図4は、上記のように構成した発光ダイオ−ド50の動作説明図である。
図示するように、半導体発光素子34の光線L1が光学薄膜を透過して分光部材33に入射すると、分光部材33を通って発光ダイオ−ドの前方に放射される光線L1と蛍光体32によって吸収される光線L1が生ずる。
【0029】
そして、蛍光体32が光線L1を吸収することにより、蛍光体32から波長λ2の光線L2が放射されるが、このように放射される光線L2は各方向に放射されるため、半導体発光素子側に放射される光線L2が光学薄膜51によって反射され、発光ダイオ−ドの前方向に進行する。
この結果、蛍光体32より放射される光線L2を効果的に利用し発光効率を高めることができる。
【0030】
図5は、第3発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ド60の構成図である。
本実施形態は、上記した分光部材43に光学薄膜61を設けたことが特徴となっており、その他は図2に示す発光ダイオ−ド40と同構成としてある。
【0031】
このように構成した発光ダイオ−ド60は、図6に示す動作説明図より分かる通り、半導体発光素子側に向かう蛍光体42の光線L2(波長λ2)が光学薄膜61によって反射され、発光ダイオ−ドの前方向に進行するから、光の利用効率を向上させることができる。
【0032】
図7は、本発明を実施した具体例を示す発光ダイオ−ド70の構成図である。図示するように、半導体発光素子71を凹面鏡72の内部に配置すると共に、凹面鏡72の上部に分光部材73が設けてある。
【0033】
凹面鏡72は、半導体発光素子71の光線L1(波長λ1)の全てを分光部材73に入射させるように、傾斜側面を設けたものとなっている。
また、分光部材73は、光学薄膜74を設けて図3に示したものと同様のものとなっているが、蛍光体を透明体に塗布した分光部材に光学薄膜を設けた図5と同様のものであってもよい。
【0034】
この具体例の発光ダイオ−ド70によれば、半導体発光素子71の側面、背面から放射される光線L1は凹面鏡72より反射され、半導体発光素子71の前方向に進行する。
そして、分光部材73が半導体発光素子71と離れていることから、全ての光線L1が分光部材73に入射する。
【0035】
また、既に述べたように、蛍光体より半導体発光素子側に放射される光線L2(波長λ2)が光学薄膜74によって反射される。
この結果、半導体発光素子71から放射されるあらゆる方向の光線L1と、蛍光体から放射される全ての光線L2を発光ダイオ−ドの前方向に導くことができ、高い光利用効率の発光ダイオ−ドとなる。
【0036】
ちなみに、図8に従来例として示した発光ダイオ−ド10のように、蛍光体12が半導体発光素子11面に塗布されたものでは、凹面鏡72で反射された光線L1が蛍光体12に入射しないために所望の分光特性の色光を得ることができない。
【0037】
また、図9に従来例として示した発光ダイオ−ド20のように、蛍光体22が透明樹脂23に分散されたものでは、蛍光体22から半導体発光素子側に放射される光線L2は照明光として利用することができない。
【0038】
【発明の効果】
以上した通り、本発明では、半導体からなる発光素子と蛍光体とを分離して配置する構成としたので、これら発光素子と蛍光体とを別々に製造することができる。
この結果、分光特性を有する発光ダイオ−ドの製造工程が簡単となると共に歩留りを向上させることができる。
【0039】
また、蛍光体から発光素子側に向かって放射される光線を発光ダイオ−ドの前方向に反射させる光学薄膜を備えたので、光利用効率の高い発光ダイオ−ドとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図2】第1の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図3】第3の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図4】図3に示した発光ダイオ−ドの動作説明図である。
【図5】第3の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図6】図5に示した発光ダイオ−ドの動作説明図である。
【図7】第3の発明を実施した具体例を示す発光ダイオ−ドの構成図である。
【図8】半導体発光素子面に蛍光体を塗布した構成の従来の発光ダイオ−ドを示す構成図である。
【図9】蛍光体を混入した透明樹脂で半導体発光素子を封止した従来の発光ダイオ−ドを示す構成図である。
【符号の説明】
30、40、50、60 発光ダイオ−ド
31、41 透明体
32、42 蛍光体
33、43 分光部材
34、44 半導体発光素子
51、61 光学薄膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体を半導体発光素子で照射して所望の色光を得る発光ダイオ−ドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体からなる発光素子で蛍光体を照射し所望の色光を得る構成の発光ダイオ−ドは既に知られている。
例えば、青色系の半導体発光素子で黄色発光の蛍光体を照射して白色光を得る発光ダイオ−ド、或いは、紫色系の半導体発光素子でRGB3種類の蛍光体を照射して白色光を得る発光ダイオ−ドがある。
【0003】
図8、図9は白色発光ダイオ−ドの従来例を示す簡略図である。
図8に示す白色発光ダイオ−ド10は、半導体発光素子11の照射面に蛍光体12を塗布した構成となっている。
図9に示す白色発光ダイオ−ド20は、蛍光体22を混入させた砲弾型の透明樹脂23で半導体発光素子21を封止した構成となっている。
【0004】
上記したような発光ダイオ−ドは、それらを多数個配置し電気制御によって点滅させる構成とした大型ディスプレイのバックライトとして既に実現しているが、昨今では、照明用光源として利用することが開発されている。
【0005】
具体的には、上記した砲弾型の白色発光ダイオ−ド20を多数個配置して蛍光灯の代替え品を目指すことが試みられている。
発光ダイオ−ドは、蛍光灯に比べ寿命が長いこと、消費電力が少ないことなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示したような発光ダイオ−ドは、半導体発光素子上に蛍光体を塗布するため、製造工程が複雑となることにより、製品の歩留りが悪い。
言換えれば、半導体からなる発光素子と蛍光体とが異種材料でできているために製造が複雑な工程となる。
【0007】
図9に示した発光ダイオ−ドは、蛍光体を分散した砲弾型の透明樹脂によって半導体発光素子を封止してあるため、ダイオ−ド形態が大きくなる。
【0008】
この結果、発光ダイオ−ドを多数個配置して照明用光源とする場合、ダイオ−ドの組付けスペ−スが大きくなり、照明用光源として大型化する。
また、このような樹脂封止型の発光ダイオ−ドは、温度上昇や紫外線による樹脂の劣化や変形が生ずる。
【0009】
さらに、上記したような発光ダイオ−ドは、半導体発光素子の光線が蛍光体に照射されると、蛍光体が光を吸収し、吸収した光の波長とは異なる波長の光を発生するが、この光が前方と後方とに放射されるために、後方に放射された光線が半導体発光素子によって遮蔽されて損失となり、光の利用効率が低い。
【0010】
本発明は上記した実情にかんがみ、所望の分光特性を得ることができる発光ダイオ−ドにおいて、製造を簡単化すると共に歩留りを高め、かつ、光の利用効率を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発明として、半導体からなる発光素子で蛍光体を照射し所望の分光特性を得る発光ダイオ−ドにおいて、前記発光素子と前記蛍光体とを分離して配置する構成としたことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0012】
また、第2の発明としては、第1の発明の発光ダイオ−ドにおいて、前記発光素子と蛍光体との間に、空気、不活性ガス、真空などの介在物を設けたことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0013】
上記した第1、第2の発明によれば、半導体発光素子と蛍光体とを分離して配置したので、半導体発光素子と蛍光体とを別々に生産することができ、製造工程が簡単化され、製造コストの点で有利となる。
【0014】
第3の発明としては、第1または第2の発明の発光ダイオ−ドにおいて、蛍光体は、前記発光素子から放射される光線に対し透明な媒体中に混入し、若しくは、前記発光素子側と反対となるその媒体の表面に施し、さらに、前記発光素子側となる前記媒体の表面には、前記発光素子から放射される波長の光線を透過し、蛍光体から発光される波長の光線を反射する光学薄膜を施して構成したことを特徴とする発光ダイオ−ドを提案する。
【0015】
この第3の発明によれば、蛍光体から発光素子側に放射される光線が光学薄膜によって反射されてダイオ−ド正面側に向かう。
この結果、蛍光体から発光素子側に放射される光線が有効に利用できることから、光の利用効率を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は第1の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ド30の構成図である。
本実施形態は、ガラスまたは樹脂などの透明体31の中に蛍光体32を分散(混入)させて形成した分光部材(波長変換部材)33を半導体発光素子34とは別体に構成する。
【0017】
そして、分光部材33は半導体発光素子34に対して所定の間隔離し、当該発光素子34の光線放射方向位置に配置した構成としてある。
【0018】
このように構成した発光ダイオ−ド30は、半導体発光素子34から放射された波長λ1の光線L1が分光部材33に入射すると、その光線L1の一部が蛍光体32によって吸収され、その他の光線L1が分光部材33を透過する。
【0019】
蛍光体32は光線L1を吸収することによって波長λ2の光線L2を射出し、この光線L2が光線L1と共に放射される。
この結果、波長λ1、λ2の光線L1、L2が放射され、所望の分光特性の色光を得ることができる。
例えば、光線L1が青色光で、光線L2が黄色光であれば、白色光となる。
【0020】
図2は第1の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ド40の構成図である。
本実施形態では、ガラスまたは樹脂などの透明体41の表面に蛍光体42を塗布した分光部材43を半導体発光素子44とは別体に構成してある。
【0021】
そして、この分光部材43は半導体発光素子44に対して所定の間隔離し、当該発光素子44の光線放射方向位置に配置した構成としてある。
【0022】
このように構成した発光ダイオ−ド40は、上記し第1実施形態の発光ダイオ−ド30と同様に、波長λ1の光線L1と波長λ2の光線L2とを放射し、所望の分光特性の色光を得ることができる。
【0023】
上記した発光ダイオ−ド30、40は、半導体発光素子(34、44)と分光部材(33、43)とを別々に製造することができるので、特に、半導体発光素子の歩留りが向上する。
なお、分光部材(33、43)は平面形状でも曲面形状のものでもよく、また、蛍光体42はスパッタ法や蒸着法などによって透明体41に施すようにすることもできる。
【0024】
また、第2の発明を実施する場合には、半導体発光素子と分光部材との間に、空気、不活性ガス、真空などの介在物を設けるが、その他に、例えば、アルコ−ルなどの流体を設けるようにしてもよい。
【0025】
図3は、第3発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ド50の構成図である。
本実施形態は、上記した分光部材31に光学薄膜51を設けたことが特徴となっており、その他は図1に示す発光ダイオ−ド30と同構成としてある。
【0026】
光学薄膜51は、半導体発光素子34から放射する波長λ1の光線L1を透過し、蛍光体32から放射する波長λ2の光線L2を反射する光学薄膜で、分光部材33の半導体発光素子側の面上に塗布してある。
なお、光学薄膜51については、スパッタ法や蒸着法によっても施すことができる。
【0027】
例えば、青色発光の半導体発光素子34と、黄色発光の分光部材(蛍光体)33を備える場合には、青色発光の光線L1を透過し、黄色発光の光線L2を反射する光学薄膜51を備える。
【0028】
図4は、上記のように構成した発光ダイオ−ド50の動作説明図である。
図示するように、半導体発光素子34の光線L1が光学薄膜を透過して分光部材33に入射すると、分光部材33を通って発光ダイオ−ドの前方に放射される光線L1と蛍光体32によって吸収される光線L1が生ずる。
【0029】
そして、蛍光体32が光線L1を吸収することにより、蛍光体32から波長λ2の光線L2が放射されるが、このように放射される光線L2は各方向に放射されるため、半導体発光素子側に放射される光線L2が光学薄膜51によって反射され、発光ダイオ−ドの前方向に進行する。
この結果、蛍光体32より放射される光線L2を効果的に利用し発光効率を高めることができる。
【0030】
図5は、第3発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ド60の構成図である。
本実施形態は、上記した分光部材43に光学薄膜61を設けたことが特徴となっており、その他は図2に示す発光ダイオ−ド40と同構成としてある。
【0031】
このように構成した発光ダイオ−ド60は、図6に示す動作説明図より分かる通り、半導体発光素子側に向かう蛍光体42の光線L2(波長λ2)が光学薄膜61によって反射され、発光ダイオ−ドの前方向に進行するから、光の利用効率を向上させることができる。
【0032】
図7は、本発明を実施した具体例を示す発光ダイオ−ド70の構成図である。図示するように、半導体発光素子71を凹面鏡72の内部に配置すると共に、凹面鏡72の上部に分光部材73が設けてある。
【0033】
凹面鏡72は、半導体発光素子71の光線L1(波長λ1)の全てを分光部材73に入射させるように、傾斜側面を設けたものとなっている。
また、分光部材73は、光学薄膜74を設けて図3に示したものと同様のものとなっているが、蛍光体を透明体に塗布した分光部材に光学薄膜を設けた図5と同様のものであってもよい。
【0034】
この具体例の発光ダイオ−ド70によれば、半導体発光素子71の側面、背面から放射される光線L1は凹面鏡72より反射され、半導体発光素子71の前方向に進行する。
そして、分光部材73が半導体発光素子71と離れていることから、全ての光線L1が分光部材73に入射する。
【0035】
また、既に述べたように、蛍光体より半導体発光素子側に放射される光線L2(波長λ2)が光学薄膜74によって反射される。
この結果、半導体発光素子71から放射されるあらゆる方向の光線L1と、蛍光体から放射される全ての光線L2を発光ダイオ−ドの前方向に導くことができ、高い光利用効率の発光ダイオ−ドとなる。
【0036】
ちなみに、図8に従来例として示した発光ダイオ−ド10のように、蛍光体12が半導体発光素子11面に塗布されたものでは、凹面鏡72で反射された光線L1が蛍光体12に入射しないために所望の分光特性の色光を得ることができない。
【0037】
また、図9に従来例として示した発光ダイオ−ド20のように、蛍光体22が透明樹脂23に分散されたものでは、蛍光体22から半導体発光素子側に放射される光線L2は照明光として利用することができない。
【0038】
【発明の効果】
以上した通り、本発明では、半導体からなる発光素子と蛍光体とを分離して配置する構成としたので、これら発光素子と蛍光体とを別々に製造することができる。
この結果、分光特性を有する発光ダイオ−ドの製造工程が簡単となると共に歩留りを向上させることができる。
【0039】
また、蛍光体から発光素子側に向かって放射される光線を発光ダイオ−ドの前方向に反射させる光学薄膜を備えたので、光利用効率の高い発光ダイオ−ドとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図2】第1の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図3】第3の発明の第1実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図4】図3に示した発光ダイオ−ドの動作説明図である。
【図5】第3の発明の第2実施形態として示した発光ダイオ−ドの構成図である。
【図6】図5に示した発光ダイオ−ドの動作説明図である。
【図7】第3の発明を実施した具体例を示す発光ダイオ−ドの構成図である。
【図8】半導体発光素子面に蛍光体を塗布した構成の従来の発光ダイオ−ドを示す構成図である。
【図9】蛍光体を混入した透明樹脂で半導体発光素子を封止した従来の発光ダイオ−ドを示す構成図である。
【符号の説明】
30、40、50、60 発光ダイオ−ド
31、41 透明体
32、42 蛍光体
33、43 分光部材
34、44 半導体発光素子
51、61 光学薄膜
Claims (3)
- 半導体からなる発光素子で蛍光体を照射し所望の分光特性を得る発光ダイオ−ドにおいて、
前記発光素子と前記蛍光体とを分離して配置する構成としたことを特徴とする発光ダイオ−ド。 - 請求項1に記載した発光ダイオ−ドにおいて、
前記発光素子と蛍光体との間に、空気、不活性ガス、真空などの介在物を設けたことを特徴とする発光ダイオ−ド。 - 請求項1または2に記載した発光ダイオ−ドにおいて、
蛍光体は、前記発光素子から放射される光線に対し透明な媒体中に混入し、若しくは、前記発光素子側と反対となるその媒体の表面に施し、
さらに、前記発光素子側となる前記媒体の表面には、前記発光素子から放射される波長の光線を透過し、蛍光体から発光される波長の光線を反射する光学薄膜を施して構成したことを特徴とする発光ダイオ−ド。
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