JP2013120333A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニップ圧を切り替えるための検知部が故障しても、簡単な構成にて通常時と同じニップ圧を保持する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、偏芯カム62の回動方向に対して加圧位置EPの下流側にて、回転中心から外周面までの距離が加圧位置EPと略同じ位置に形成され、コロ61に係合可能である凹部62aからなる係合部を備える。偏芯カム62が加圧位置EPにあることを検知する検知部84の故障によって検知部84から検知信号が出力されなくなった場合、モーター72が第1の方向にさらに回転するので、偏心カム62が加圧位置EPからさらに回動する。偏心カム62が加圧位置EPからさらに回動しても、停止手段によって、凹部62aにコロ61が係合した状態で偏芯カム62が停止させられることで、ニップ部Nは加圧位置EPにある通常時と同じ加圧状態となる。
【選択図】図4C

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、加熱部材と加圧部材とのニップ圧を変更可能な定着器を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、画像形成装置には、像担持体から記録媒体上に転写されたトナー像を定着するための定着器が備えられている。この定着器としては、互いに当接して回転する加熱ローラー及び加圧ローラーを備えたローラー方式、また、加熱部材として無端状の定着ベルトを使用するベルト方式等が知られている。例えば、ローラー方式の定着器は、加熱ローラーと該加熱ローラーに圧接される加圧ローラーとにより形成されるニップ部で記録媒体上に担持されたトナー像を加熱及び加圧して記録媒体に定着している。
上記のような定着器においては、加熱部材の温度とニップ部のニップ圧は記録媒体へのトナー定着性を考慮し設定される。しかし、普通紙等のシート状の記録媒体へのトナー定着性を考慮して設定した加熱・加圧の条件下で、それとは種類の異なる封筒などの記録媒体上のトナー像を定着させる場合、その記録媒体にシワが発生しやすい。そこで、トナー像を定着する記録媒体の種類に応じてニップ圧を可変にした定着器がある。また、記録媒体のジャム処理のためにニップ圧を解除することがあり、さらに、画像形成時以外は常に加圧を解除しておき、加熱部材と加圧部材の相互圧接による加熱部材及び加圧部材の変形を防止している。
このようなニップ圧を変更或いは解除するために、例えば特許文献1、2に記載の定着器は、レバー部材を手動操作することで、加圧部材と加熱部材とを互いに圧接させる付勢部材の付勢力に抗して、加圧部材と加熱部材との圧接力を解除又は緩和している。
また、ニップ圧を変更するために、例えば、特許文献3に記載の定着器は、ニップ圧の状態を検知するセンサーと、ニップ圧可変部材を駆動させるモーターと用いている。ジャムが発生した場合、センサーがニップ圧の状態を検知し、その検知結果に基づいてモーターがニップ圧可変部材を駆動させ、ニップ圧を解除させている。
特開平8−328406号公報(段落[0060]〜[0063]、第3図) 特開2003−186340号公報(段落[0020]〜[0021]、第1図) 特開2010−26447号公報(段落[0027]〜[0028]、第3図)
しかしながら、上述した特許文献1、2では、ニップ圧を変更するために手動にてレバー部材を操作しなくてはならず、ニップ圧可変の操作が煩雑となるという不都合があった。また、特許文献3では、ニップ圧の状態を検知するためにセンサーを設けているが、センサーが故障し、センサーによってニップ圧が検知することができなくなると、モーターがニップ圧可変部材を駆動し続けることがある。特に、加圧側においてニップ圧可変部材が駆動し続けると、ニップ圧可変部材による大きな負荷が加圧部材と加熱部材にかかることになり、加圧部材と加熱部材が破損するという不都合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ニップ圧を切り替えるための検知部が故障しても、簡単な構成にて通常時と同じニップ圧を保持する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の発明は、加熱手段によって加熱される加熱部材と該加熱部材に圧接される加圧部材とにより形成されるニップ部で未定着トナー像を担持した記録媒体を挟持して、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する画像形成装置において、
回転中心から外周面までの距離が夫々異なり前記ニップ部を加圧した状態に対応する加圧位置と前記ニップ部の圧力を解除または緩和した減圧状態に対応する減圧位置とに選択配置される偏芯カムにコロが当接することで前記ニップ部を加圧状態及び減圧状態に切り替え可能なニップ圧切り替え機構と、前記偏芯カムを加圧位置側へ回動させる第1の方向と、該第1の方向の逆方向であって前記偏芯カムを減圧位置側へ回動させる第2の方向とに回転可能なモーターと、該モーターによって回転する検知片と該検知片の通過を検知する検知センサーとを有し、前記偏芯カムが加圧位置にあることを検知する検知部と、前記モーターを第1の方向或いは第2の方向に回転駆動させるとともに、前記検知部によって前記偏芯カムが加圧位置にあることが検知され前記検知部から検知信号が入力されたとき、前記モーターの回転駆動を停止させる制御部と、前記偏芯カムの減圧位置から加圧位置への回動方向に対して加圧位置の下流側にて、回転中心から外周面までの距離が加圧位置と略同じである係合位置に形成され、前記コロに係合可能である凹部からなる係合部と、前記偏芯カムが加圧位置を越えて係合位置へ回動したとき、前記凹部にコロが係合した状態で前記偏芯カムを停止させる停止手段と、を備えることを特徴としている。
また、第2の発明では、上記の画像形成装置において、前記モーターの回転駆動力を前記偏芯カムに伝達するギア列に配設され所定歯数の歯欠け部を有する歯欠けギアと、該歯欠けギアと噛合可能であるモーター側ギアと、該モーター側ギアが第1或いは第2の方向の一方向に回転したときに前記歯欠けギアの歯欠け部が前記モーター側ギアに対して離間する方向に前記歯欠けギアを付勢する復帰スプリングと、を前記停止手段として備え、前記モーター側ギアが第1或いは第2の方向の他方向に回転すると、前記歯欠けギアの歯欠け部以外の部分が前記モーター側ギアと噛合することで、前記歯欠けギアが回転し、前記偏芯カムを回転させ、前記モーター側ギアが一方向に回転して前記歯欠けギアの歯欠け部が前記モーター側ギアに対向したとき、前記コロが前記凹部に係合するとともに、前記歯欠けギアは前記復帰スプリングに付勢されるとともに歯欠け部にて前記モーター側ギアと噛合不能となることを特徴としている。
また、第3の発明では、上記の画像形成装置において、前記偏芯カムが減圧位置から加圧位置まで回動する第1の時間と、前記偏芯カムが加圧位置から係合位置まで回動する第2の時間とを保存する記憶部を更に備え、前記停止手段として、前記制御部は、画像形成の開始に関する開始信号を入力すると前記モーターを第1の方向に回転駆動させ、前記第1の時間の経過後、前記検知部から前記検知信号が入力されない場合、前記第2の時間だけ前記モーターを第1の方向にさらに回転駆動させた後、停止させることを特徴としている。
また、第4の発明では、上記の画像形成装置において、前記制御部は、前記モーターを第2の方向に回転駆動させているときに前記検知部から検知信号が入力された場合、前記モーターの第2の方向への回転を停止させないことを特徴としている。
また、第5の発明では、上記の画像形成装置において、前記制御部は、画像形成の終了に関する終了信号を入力すると、前記モーターを第2の方向に回転駆動させ、前記終了信号の入力から所定時間経過後に、前記モーターの第2の方向の回転駆動を停止させることを特徴としている。
第1の発明によれば、偏芯カムが減圧位置に到着するまでモーターが第2の方向に回転すると、ニップ部が減圧状態となる一方、モーターが第1の方向に回転し偏芯カムが加圧位置に到着すると、検知部からの検知信号に基づいて、モーターの回転が停止しニップ部が加圧状態となる。モーターの回転方向を第1の方向或いは第2の方向に切り替えることで、ニップ圧が簡単に切り替わる。また検知部において定着処理時の熱による破損や揮発ガス等による検知不良が発生し、検知部から検知信号が出力されなくなった場合、モーターが第1の方向にさらに回転するので、偏心カムが加圧位置からさらに回動する。偏心カムが加圧位置からさらに回動しても、停止手段によって、凹部にコロが係合した状態で偏芯カムが停止させられることで、ニップ部は、偏心カムが加圧位置にある通常時と同じ加圧状態となる。このように、検知部が故障してもニップ部は所定のニップ圧で確実に加圧され、定着処理を実行することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図 第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着器を示す断面図 第1実施形態に係る定着器を示す斜視図 第1実施形態に係る定着器のニップ圧切り替え機構の減圧状態を示す側面図 第1実施形態に係る定着器のニップ圧切り替え機構の加圧状態を示す側面図 第1実施形態に係る定着器のニップ圧切り替え機構のオーバーラン状態を示す側面図 第1実施形態に係る偏芯カムのカムプロファイルを示す図 第1実施形態に係る定着器の駆動部の加圧状態を示す斜視図 第1実施形態に係る定着器の駆動部の減圧状態を示す斜視図 第1実施形態に係る歯欠けギアの加圧側でのオーバーラン状態(a)と減圧側でのオーバーラン状態(b)とを示す図 第2実施形態に係る画像形成装置の制御部とその周辺を示すブロック図 第2実施形態に係るニップ圧切り替え時のモーターの制御を示すフローチャート 第2実施形態に係る検知部の故障モードにおけるモーターの制御を示すフローチャート
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、胴内排紙方式の画像形成装置の全体構成を示す図である。画像形成装置1の下部には、カセットタイプの用紙給紙部10が配設されている。用紙給紙部10は上下2段の給紙カセット10a、10bを有し、給紙カセット10a、10bには印刷前の用紙が積載して収容されている。給紙カセット10a、10bに収容された用紙は、選択された給紙カセット10a(10b)から用紙ピックアップローラー10d(10e)により1枚ずつ繰り出され、繰り出された用紙は用紙搬送路11へと送り出される。
画像形成装置1の右側面には、手差しトレイ10cが配設されている。手差しトレイ10cは、給紙カセット10a、10bと異なるサイズの用紙を載置可能である。手差しトレイ10cに載置された用紙は用紙搬送路11へと送り出される。
用紙搬送路11は、用紙給紙部10の左方にて装置本体2の上下方向に延設される。用紙給紙部10から送り出された用紙が、用紙搬送路11上方のレジストローラー対12に搬送される。レジストローラー対12は、用紙にトナー像を転写するタイミングと同期をとって、画像形成部3に向けて用紙を送り出す。
画像形成装置1の上部には原稿読取装置6が配設され、原稿読取装置6の上面には、プラテン(原稿押さえ)24が開閉可能に設けられ、さらに、プラテン24上には原稿搬送装置27が付設されている。原稿のコピーを行う場合、原稿搬送装置27に載置された原稿が1枚ずつ分離されて原稿読取部に送り出され、原稿読取装置6によって原稿の画像データが読み取られる。
画像形成装置1の略中央部には、画像形成部3が配設されている。画像形成部3は、像担持体である感光体5を備え、さらに感光体5の周辺にその回転方向(図中の矢印A方向)に沿って順に、帯電部4と、露光ユニット7と、現像部8と、転写ローラー19、及びクリーニング部18を備える。現像部8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。クリーニング部18は、ブレードやブラシ或いは研磨ローラー等のクリーニング部材を有し、クリーニング部材によって感光体5の表面に残留するトナーを剥ぎ取り、回収する。
感光体5の表面が帯電部4によって所定の極性および電位で一様に帯電されると、 露光ユニット7は、原稿読取装置6によって読み取られた原稿の画像データに基づいて、感光体5上に原稿画像の静電潜像を形成する。
現像部8は、帯電したトナーを感光体5の表面に供給し、感光体5上の静電潜像を現像してトナー像を形成する。感光体5上のトナー像は転写ローラー19によって用紙上に転写される。トナー像が転写された用紙は、用紙搬送路11の上方に配設される定着器13へと搬送される。用紙にトナー像が転写された後、感光体5の表面に残留するトナーがクリーニング部18によってクリーニングされて回収され、さらに図示しない除電装置によって感光体5の表面の残留電荷が除去される。
定着器13は、加熱ローラー131と加圧ローラー132とを有し、トナー像が転写された用紙を加熱ローラー131及び加圧ローラー132によって加圧加熱し、用紙上のトナー像を溶融定着させる。トナー像が定着された用紙は、用紙搬送路11において右上方に搬送され排出ローラー対20によって排出部である胴内排紙部17に排出される。
定着器13と排出ローラー対20との間の用紙搬送路11から分岐して反転搬送路16が設けられる。反転搬送路16は、用紙の一方の面にトナー像が定着された後、必要に応じて用紙の他方の面にもトナー像を形成するときに用いられるものであり、定着器13の上方から定着器13の周りを覆い、さらに用紙搬送路11と装置本体2の側面2aとの間を下方に延設され、レジストローラー対12の近傍の用紙搬送路11に合流している。
両面印刷を行う場合には、一方の面にトナー像が定着された用紙は、胴内排紙部17に排出させる途中において、用紙搬送路11と反転搬送路16との分岐部を用紙の後端が通過したタイミングで排出ローラー対20を逆回転させる。これによって、用紙がスイッチバックされ、用紙の印刷面が表裏逆向きにされた状態で反転搬送路16に送られ、反転搬送路16から再び用紙搬送路11のレジストローラー対12に搬送される。その後、画像形成部3にて用紙の他方の面にもトナー像が転写されると、用紙は定着器13によって定着処理され胴内排紙部17に排出される。
図2は定着器13周辺を示す断面図であり、図1の画像形成装値1の裏面側から見たものである。定着器13は、加熱部材である加熱ローラー131と、加圧部材である加圧ローラー132とを備え、その他に、誘導加熱部133と温度センサー134を備え、これらの部材は定着部を構成する。
定着器13は、電磁誘導加熱方式の熱源を用いた定着方式であり、加熱ローラー131の外周に対向して配設される誘導加熱部133と、加熱ローラー131表面の温度を検知するサーミスター等からなる温度センサー134と、を備え、また、誘導加熱部133及び温度センサー134は装置本体2に固定保持され、一方、加熱ローラー131及び加圧ローラー132は装置本体2に回転可能に保持されている。
加熱ローラー131は、円筒型ステンレスからなる基材131aと、加圧ローラー132に圧接するニップ部Nへ弾性と離型性の向上のためにシリコンゴムスポンジからなる弾性層131dとを備え、基材131aと弾性層131dとの間に、基材側から順に断熱層131bと誘導発熱層131cを備える。
加圧ローラー132は、アルミニウム製の芯金からなる基材132aと、ニップ部Nへ弾性を付与するために基材132a上に形成されるシリコンゴムからなる弾性層132bと、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させるために弾性層132bの表面を覆うフッ素樹脂チューブからなる離型層132cとを備える。
加熱ローラー131はモーター等の駆動源(図略)によって回転駆動させられ、加圧ローラー132は加熱ローラー131に対してその中心方向に加圧する。これにより、加熱ローラー131が加圧ローラー132に圧接し、加熱ローラー131が回転すると、加圧ローラー132がニップ部Nにおいて同方向に従動回転する。
温度センサー134は、加熱ローラー131表面において軸方向の中央部の通紙領域と、通紙可能領域よりも用紙幅が小さいA4タテ等の用紙が通紙された時に非通紙領域となる軸方向の両端部とに対向するように配置され、夫々の領域の温度を検知する。温度センサー134にて検知された温度に基づいて、誘導加熱部133の電力が制御され、加熱ローラー131表面が所定の温度に保持される。
誘導加熱部133は、電磁誘導により加熱ローラー131を加熱するものであり、加熱ローラー131の軸方向(長手方向)に延びて、加熱ローラー131の外周の一部を囲うように対向して配設され、励磁コイル133aとボビン133bと磁性体コア133cとを備える。
励磁コイル133aは、磁性体コア133cの中央部の周りを加熱ローラー131の軸方向に周回するように巻回され、ボビン133b上に取り付けられる。また励磁コイル133aは、図示しない電源に接続されていて、電源から供給される高周波電流により磁束を発生させる。誘導加熱部133から発せられる磁束は、図2の紙面に平行な方向に導かれ、加熱ローラー131の誘導発熱層131cを貫通する。誘導発熱層131cの磁束の周りには渦電流が生じ、渦電流が流れることで、誘導発熱層131c内の電気抵抗によってジュール熱が発生し、加熱ローラー131が加熱されることになる。
加熱ローラー131が所定の温度に加熱されるように、誘導加熱部133は温度センサー134の検知する温度に基づいて制御される。加熱ローラー131が加熱され所定の温度に昇温すると、ニップ部Nで挟持された用紙Pが加熱されるとともに、加圧ローラー132にて加圧されることにより、用紙P上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
図3は定着器13を示す斜視図である。定着器13は、前述の加熱ローラー131、加圧ローラー132等からなる定着部30の他に、加圧機構50と、ニップ圧切り替え機構60と、ニップ圧切り替え機構60を駆動する駆動部70と、を備える。
加熱ローラー131及び加圧ローラー132は軸方向の両端側で回転可能に支持される。加圧ローラー132の軸方向の両端側には加圧機構50(図3の右側の加圧機構50は不可視)及びニップ圧切り替え機構60が夫々配設される。右側のニップ圧切り替え機構60の近傍には駆動部70が配設される。
加圧機構50は、加熱ローラー131と加圧ローラー132とを圧接させ、圧接するニップ部N(図2参照)でニップ圧を発生させるものであり、第1アーム部材51と、第2アーム部材52と、弾性部材53とを備え、加圧ローラー132の軸方向両端側に一対配設される。
ニップ圧切り替え機構60は、加圧機構50に設けた弾性部材53の付勢力を可変にするものであり、偏芯カム62と、偏芯カム62に当接、係合するコロ61と、回転連結軸63とを備える。偏芯カム62及びコロ61は加圧ローラー132の軸方向の両端側に一対配設される。回転連結軸63は両側の偏芯カム62と一体に設けられる。
駆動部70は、第1の方向と、第1の方向の逆方向である第2の方向とに回転可能なモーター72と、モーター72によって回転させられるギア列81と、検知部84とを備える。
モーター72の回転駆動力はギア列81を介してニップ圧切り替え機構60に伝達される。即ち、駆動部70の第1及び第2の方向の回転駆動力は、ニップ圧切り替え機構60に設けた右側の偏芯カム62と、回転連結軸63を介して左側の偏芯カム62とに伝達される。一対の偏芯カム62の回動によって、加圧機構50に設けた両側の弾性部材53の付勢力が切り替えられることになる。モーター72が第1の方向に回転し偏芯カム62が加圧位置まで回動すると、加圧機構50に設けた弾性部材53の付勢力が比較的に大きくなり、ニップ部Nは加圧状態になる。一方、モーター72が第2の方向に回転し偏芯カム62が減圧位置まで回動すると、加圧機構50に設けた弾性部材53の付勢力が比較的に小さくなり、ニップ部Nは減圧状態になる。このように、モーター72の回転方向を第1の方向或いは第2の方向に切り替えることで、ニップ部Nを加圧状態と減圧状態に簡単に切り替えることができる。
検知部84は、モーター72の第1の方向への回転によって偏芯カム62が加圧位置に到着したことを検知するものである。検知部84によって偏芯カム62が加圧位置に到着したことが検知されたとき、モーター72は第1の方向への回転を停止してニップ部Nが加圧状態に保持される。
図4A〜図4Cは加圧機構50及びニップ圧切り替え機構60の構成を示す側面図である。図4Aは減圧状態を示し、図4Bは加圧状態を示し、さらに図4Cは加圧側のオーバーラン状態を示すものである。図5は偏芯カム62のカムプロファイルを示す図である。
図4Aに示すように、第1アーム部材51は鉄等の金属板で所定の形状に形成される。第1アーム部材51の略中央部には、加圧ローラー132が回転可能に軸支されている。第1アーム部材51の下部には、装置本体に固設された支軸54に嵌装する孔が形成され、第1アーム部材51は、支軸54を中心として左右方向に揺動自在に保持される。第1アーム部材51の上部には、左方向に延びる固定軸55の一端が固設され、また、固定軸55を固設する部分から左側に延在して形成される第1当接部51aが形成される。第1当接部51aは平板状をなし、第1当接部51aには固定軸55の他端が固設される。固定軸55には弾性部材53が巻装され、第1当接部51aには弾性部材53の一端が当接している。
第2アーム部材52は鉄等の金属板で所定の形状に形成される。第2アーム部材52の右側部には、平板状をなす第2当接部52aが形成される。第2当接部52aは、第1アーム部材51の第1当接部51aに対向するとともに、固定軸55に対して左右方向に移動可能であるように、固定軸55を貫通させる孔を有する。また、第2当接部52aには弾性部材53の他端が当接している。
弾性部材53は、ニップ部Nにニップ圧を付与するためのものであり、圧縮コイルスプリングからなり、縮小した状態でその両端部を第1当接部51aと第2当接部52aに当接している。このため、第1当接部51aには左方向の付勢力が作用し、第2当接部52aには右方向の付勢力が作用し、弾性部材53によって第1当接部51aと第2当接部52aとは互いに離間する方向に付勢されることになり、加圧ローラー132が加熱ローラー131に圧接する。
また、第2アーム部材52は、第2当接部52aから左側に延びて形成され、その左端部には円筒状のコロ61が回転可能に取り付けられる。
コロ61には偏芯カム62が当接する。偏芯カム62は、回転連結軸63(図3も参照)の回転中心の周りに回転可能であり、その回転中心から外周縁までの距離が周上において異なるように形成されている。
図5では、偏芯カム62のカムプロファイルを回動角方向に展開したグラフで示す。グラフの横軸には偏芯カム62の回動角(単位:°)をとり、グラフの縦軸にはカム面の回転中心からの距離(単位:mm)をとっている。偏芯カム62のカム面には、減圧位置DPと加圧位置EPと係合位置FPとが設けられる。減圧位置DPではニップ部Nを減圧状態にし、加圧位置EPではニップ部Nを加圧状態にする。係合位置FPは、偏芯カム62が加圧位置EPからオーバーラン回動した場合、偏芯カム62にコロ61が係合する位置である。加圧位置EPは、減圧位置DPに対して略120°回動した位置に設けられ、加圧位置EPの回転中心からの距離は、減圧位置DPの回転中心からの距離に対して大きくなるように設定されている。減圧位置DPから加圧位置EPに至るカムプロファイルは、回転中心からの距離が滑らかに増加するように形成されている。係合位置FPは、加圧位置EPに対して略30°さらに回動した位置に設けられる。係合位置FPの回転中心からの距離は、加圧位置EPの回転中心からの距離と略同じに設定されている。加圧位置EPから係合位置FPに至るカムプロファイルは、回転中心からの距離が滑らかに増加した後減少するように形成されている。
偏芯カム62が回転連結軸63を介してモーター72を含む駆動部70によって回動させられると、偏芯カム62のカムプロファイルに応じて、減圧位置DPでコロ61に当接し図4Aに示す減圧状態となり、また加圧位置EPでコロ61に当接し図4Bに示す加圧状態となる。さらに、偏芯カム62が加圧位置EPからオーバーラン回動した場合、係合位置FPでコロ61に対向し図4Cに示す状態となる。
図4Cに示すように、偏芯カム62には係合部である凹部62aが形成される。凹部62aは、偏芯カム62の減圧位置DPから加圧位置EPへの回動方向(図4A〜図4Cの矢印B方向、モーター72の第1の回転方向)に対して、加圧位置EPの下流側近傍(回動角で略30°離れた位置)に形成される。凹部62aは、コロ61の外周面の半径と略同じ円弧状に凹んで形成され、凹部62aの底部の回転中心からの距離は、加圧位置EPの回転中心からの距離と略同じに設定されている。従って、偏芯カム62が加圧位置EPから矢印B方向にさらに回動(オーバーラン回動)して、凹部62aにコロ61が係合したとき、偏芯カム62が加圧状態にある場合(図4Bの状態)と同じニップ圧がニップ部Nに作用することになる。
図4Aに示す減圧位置DPでコロ61に当接している場合には、第2アーム部材52の第2当接部52aと第1アーム部材51の第1当接部51aとの間隔は、所定の距離にあり、弾性部材53は所定量だけ伸長している。一方、図4Bに示す加圧位置EPでコロ61に当接している場合には、図4Aの状態に対して、第2アーム部材52は、左方向に変位し、第2当接部52aと第1当接部51aとの間隔は小さくなり、弾性部材53は縮小している。
従って、弾性部材53による付勢力は、図4Bの状態では図4Aの状態に対して大きくなり、これにともなって、ニップ部Nのニップ圧は図4Bの状態では図4Aの状態に対して大きくなる。尚、ニップ部Nのニップ圧が大きくなるために、第1アーム部材51は支軸54を中心として左方向に僅かに回転移動する。
偏芯カム62の減圧位置DP及び加圧位置EPは、その回転中心に対して略120°位相のずれた位置に配置されていることで、偏芯カム62は、図4Aの状態から略120°だけB方向に回転すると、加圧位置EPでコロ61に当接して図4Bの状態となる。一方、偏芯カム62は、図4Bの状態から略120°だけC方向に回転すると、減圧位置DPでコロ61に当接して図4Aの状態に戻る。
さらに偏芯カム62が図4Bの状態から略30°だけB方向に回転すると、凹部62aにコロ61が係合して図4Cの状態となる。図4Cに示すように、凹部62aにコロ61が係合した場合、第2アーム部材52の第2当接部52aには、弾性部材53によって矢印A方向の比較的に強い付勢力が作用することになり、弾性部材53によって偏芯カム62はコロ61に係合した状態で保持される。ニップ部Nでの減圧状態と加圧状態との切り替えは、偏芯カム62の減圧位置DPと加圧位置EPの回動範囲で実行される。しかし、偏芯カム62が加圧位置EPからオーバーラン回動した場合、係合位置FPにおいて凹部62aにコロ61が係合する。この状態ではニップ部Nのニップ圧は加圧位置EPと同じ加圧状態にある。尚、減圧位置DPと加圧位置EPの位相角は、120°限らず、適宜設定すればよく、また加圧位置EPと係合位置FPの位相角は、30°に限らず、加圧位置EPの近傍の位置で適宜設定すればよい。
偏芯カム62を正逆回転させるために、駆動部70が設けられる。図6〜図8は駆動部70の構成に示す図であり、図6は駆動部70の加圧状態を示す斜視図であり、図7は駆動部の減圧状態を示す斜視図であり、また、図8は歯欠けギアの加圧側でのオーバーラン状態(a)と歯欠けギアの減圧側でのオーバーラン状態(b)を示す図である。尚、図6、図7は便宜上、一部のギアをギア列から取り外して示している。
図6に示すように、駆動部70は、モーター72と、モーターギア73と、ギア列74〜80と、復帰スプリング82と、検知部84と、検知部84の検知信号を入力しモーター72の回転駆動を制御する制御部101とを備える。
モーター72は例えばDCモーターからなり台板71に取り付けられる。モーター72が後述のモーター駆動回路によって第1の方向及び第2の方向に回転させられると、ギア列74〜80及び回転連結軸63を介して偏芯カム62がB方向またはC方向(図4A〜図4C参照)に回動する。モーター72の回転軸にはウオームからなるモーターギア73が取り付けられる。
ギア列74〜80は、モーターギア73に噛合するホイールからなる第1ギア74と、平歯車からなる第2ギア75、第3ギア76及び第4ギア77と、平歯車からなり所定歯数の歯欠け部78aを有する歯欠けギア78と、平歯車からなる第5ギア79及び第6ギア80とを有し、モーター72の回転駆動力を第1〜第4ギア74〜77、歯欠けギア78、第5ギア79、第6ギア80へと順次伝達していく。
第1及び第2ギア74、75は一体に回転軸に設けられ、台板71に回転可能に支持される。第3ギア76は第2ギア75に噛合し第4ギア77と一体に設けられる。第3及び第4ギア76、77は回転連結軸63から延びる回転軸63aに回転可能に支持される。歯欠けギア78はモーター側ギアである第4ギア77に噛合し、第5ギア79と一体に設けられるとともに台板71に回転可能に支持される。第6ギア80は第5ギア79と噛合し回転軸63aに一体に設けられる。
モーター72が第1の方向に回転するとギア列74〜80は図6の状態になり、この状態からモーター72が所定の回数だけ第2の方向に回転するとギア列74〜80は図7の状態に変わる。図6に示す状態は、加圧状態、つまり偏芯カム62が加圧位置EPでコロ61に当接している状態(図4B参照)である。図7に示す状態は、減圧状態、つまり偏芯カム62が減圧位置DPでコロ61に当接している状態(図4A参照)である。
検知部84は、モーター72によって回動させられる偏芯カム62が加圧位置EPにあることを検知するものであり、検知片85と検知センサー86とを有する。
検知片85は第6ギア80に一体に取り付けられる。第6ギア80は回転連結軸63を介して偏芯カム62と一体に設けられるために、検知片85は偏芯カム62と一体に回動する。検知センサー86は台板71に取り付けられ断面視コ字状に形成される。また、検知センサー86は、コ字状の一方から光を射出する発光部と、コ字状の他方に設けられ発光部から射出した光を受光する受光部とを有する。検知片85は、検知センサー86の発光部と受光部96aとの間を回動可能に配置され、また、偏芯カム62が加圧位置EPでコロ61に当接したとき、検知センサー86に対向するように配置される。従って、偏芯カム62が回動し、偏芯カム62が加圧位置EPでコロ61に当接したとき(加圧状態)、検知センサー86の発光部からの光が検知片85によって遮られて、受光部が発光部からの光を受光しなくなることによって、検知部84は検知信号を制御部101に出力する。
制御部101は、マイクロコンピュータとRAM、ROM等の記憶素子等で構成され、記憶素子に設定されたプログラムに従って、モーター駆動回路103を介してモーター72を第1の方向または第2の方向に回転駆動させ、また検知部84から検知信号を入力したとき、モーター72の第1の方向の回転駆動を停止させる。
検知部84が定着処理時の熱による破損或いは揮発ガス等によって故障し、検知片85が検知センサー86に対向しているにもかかわらず、検知部84から検知信号が出力されなくなった場合、モーター72は第1の方向に回転し続け、これによって、偏芯カム62は加圧位置EP(図4A〜図4C参照)を越えてオーバーランし、さらに矢印B方向(図4A〜図4C参照)に回転し続け、ニップ部Nでは加圧状状態と減圧状態を繰り返す誤動作が発生する。
図4A〜図4Cに示すように、偏芯カム62の加圧位置EPに対して矢印B方向の下流側に凹部62aを設けておくことで、偏芯カム62が加圧位置EPからオーバーラン回動した場合、凹部62aとコロ61の係合によって、係合位置FPではニップ部Nは加圧位置EPと同じ加圧状態に保持される。
また、偏芯カム62のオーバーラン回動を停止させるために、図6に示すように、ギア列74〜80には停止手段である歯欠けギア78と第4ギア77及び復帰スプリング82を設けて、凹部62aにコロ61が係合した状態で偏芯カム62が停止するようにしている。
加圧状態にあるギア列74〜80では、歯欠けギア78は、その歯欠け部78aの右端部近傍の歯車が第4ギア77の歯車が噛合しているが、偏芯カム62が矢印B方向(図4A〜図4C参照)に所定角度(例えば30°)だけオーバーラン回動し、凹部62aにコロ61が係合したとき、歯欠け部78aの右端部が第4ギア77に対向するように、配置設定される。詳しくは図8(a)に示すように、第4ギア77は、歯欠けギア78における歯欠け部78aの右端部の歯部78bに噛み合うように、歯欠け部78aに対向している。
また、図6に示す加圧状態からモーター72が第2の方向へ所定の回数だけ回転すると、第6ギア80が120°回転するように、つまり、コロ61との当接位置が偏芯カム62の加圧位置EPから減圧位置DPに切り替わるように(図4A〜図4C参照)、ギア列74〜80の減速比が設定される。また、前記のギア列74〜80の減速比において、モーター72が所定の回数だけ第2の方向へ回転すると、図7に示すように、歯欠けギア78は、その歯欠け部78aの左端部近傍の歯車が第4ギア77の歯車に噛合し減圧状態となるが、偏芯カム62が矢印C方向に所定角度(例えば30°)だけオーバーラン回動したとき、歯欠け部78aの左端部が第4ギア77に対向するように、歯欠け部78aは所定の歯数に設定される。詳しくは図8(b)に示すように、第4ギア77は、歯欠けギア78における歯欠け部78aの左端部の歯部78cに噛み合うように、歯欠け部78aに対向している。
図6に戻り、復帰スプリング82は、第6ギア80と台板71との間に掛けられるコイルスプリングからなり、第6ギア80及び第5ギア79を介して、歯欠けギア78に付勢力を付与している。図6に示す状態では、復帰スプリング82は第6ギア80を時計回り方向に付勢している、この状態からモーター72が第2の方向に回転すると、復帰スプリング82は、図7に示すように第6ギア80を反時計回り方向に付勢している。図6及び図7における復帰スプリング82の各付勢力は、第6ギア80及び第5ギア79を介して、歯欠けギア78に作用する。図8(a)に示す加圧位置EP側でオーバーラン回動した場合には、歯欠けギア78にはF1方向の付勢力が作用し、一方、図8(b)に示す減圧位置DP側でオーバーラン回動した場合には、歯欠けギア78にはF2方向の付勢力が作用する。
従って、図8(a)に示すように、モーター72の第1の方向への回転によって第4ギア77が矢印D方向に回転し、第4ギア77が歯欠けギア78の歯部78bに噛合して歯欠け部78aに対向している状態において、第4ギア77が矢印D方向にさらに回転(オーバーラン回転)すると、歯欠けギア78には第4ギア77によって時計回り方向への回転駆動力が伝達される。しかし、歯欠けギア78には、復帰スプリング82によって、上記回転駆動力の逆方向の付勢力も作用する。このため、歯欠けギア78の歯欠け部78aが第4ギア77に対向した状態で、歯欠けギア78は空転することになる。このように、モーター72がさらに第1の方向へオーバーラン回転しても、歯欠けギア78は空転するために、後段のギア列及び回転連結軸63を介して偏芯カム62(図4A〜図4C参照)は回動することなく、偏芯カム62の凹部62aにコロ61が係合し、ニップ部Nは加圧位置EPと同じ加圧状態を保持する。このように、検知部84が故障してもニップ部Nは加圧状態のニップ圧で確実に加圧され、定着処理を実行することができる。
図8(b)の状態では、第4ギア77が歯欠けギア78の歯部78cに噛合して歯欠け部78aに対向している。この状態において、モーター72が第2の方向へ回転し、第4ギア77も矢印E方向にさらに回転(オーバーラン回転)すると、歯欠けギア78には第4ギア77によって反時計回り方向への回転駆動力が伝達される。しかし、歯欠けギア78には、復帰スプリング82によって、上記回転駆動力の逆方向の付勢力も作用し、歯欠けギア78の歯欠け部78aが第4ギア77に対向した状態で、歯欠けギア78は空転することになる。このように、モーター72が第2の方向へオーバーラン回転しても、歯欠けギア78は空転するために、後段のギア列及び回転連結軸63を介して偏芯カム62(図4A〜図4C参照)は回動することなく、矢印方向C(図4A〜図4C参照)に対して偏芯カム62の減圧位置DPの下流側の位置でコロ61に当接し、減圧状態に近い状態を保持する。
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る画像形成装置の制御部101とその周辺を示すブロック図である。第1実施形態では、偏芯カム62のオーバーラン回動を停止させるために、ギア列に歯欠けギア78及び復帰スプリング82を設ける構成を示したが、第2実施形態では制御部101によってモーター72の駆動時間を制御することで、偏芯カム62のオーバーラン回動を停止させている。第1実施形態と異なる、制御部101の構成について主に説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
制御部101には、モーター72を駆動させるモーター駆動回路103と、検知部84と、画像形成開始スイッチ105と、画像形成終了スイッチ106と、記憶部107と、印刷モード等の操作及びその表示が行われる操作パネル104が接続される。
制御部101は、マイクロコンピュータとRAM、ROM等の記憶素子及び計時部等で構成され、記憶素子に設定されたプログラムに従って入出力を制御し、計時部の計時に従ってモーター72の駆動時間等を制御する。具体的には、制御部101は、検知部84から入力される検知信号と、画像形成開始スイッチ105及び画像形成終了スイッチ106から入力される信号、及び操作パネル104から入力される信号に基づいて、また記憶部107に保存されているデータを参照して、モーター72が第1の方向または第2の方向に所定の時間だけ回転するようにモーター駆動回路103を制御する。モーター72を駆動制御することで、定着処理時に定着器13を加圧状態に保持し、定着処理が実行されていない時には定着器13を減圧状態に保持し、さらに検知部84が故障した時にはニップ圧切り替え機構60(偏芯カム62)を所定の位置で停止させる。
画像形成開始スイッチ105は、画像形成部3に向けて用紙を搬送する搬送路に設けられる用紙検知センサーからなる。用紙が画像形成開始スイッチ105を通過すると、画像形成開始スイッチ105は制御部101に開始信号を出力する。検知部84が故障しているとき、この開始信号はモーター72の回転停止に用いられる。
画像形成終了スイッチ106は、定着処理された用紙が搬送される搬送路に設けられる用紙検知センサーからなる。用紙が画像形成終了スイッチ106を通過すると、画像形成終了スイッチ106は制御部101に終了信号を出力する。この終了信号はモーター72を減圧状態で停止させるために用いられる。
記憶部107は、偏芯カム62が減圧位置DPから加圧位置EPまで回動する第1の時間EDTと、加圧位置EPから係合位置FPまで回動する第2の時間DFTを保存する。第1の時間EDTのデータは加圧状態及び減圧状態への切り替えに用いられ、また第2の時間DFTのデータは、検知部84が故障したとき、モーターの回転を停止するために用いられる。
制御部101は、図10に示すフローチャートに基づいてニップ圧を切り替えるためにモーター72の駆動を制御し、また図11に示すフローチャートに基づいて検知部84の故障に対応してモーター72の駆動を制御する。
図10に示すように、画像形成装置1の電源がオンされたとき、定着器13は減圧状態にあり、操作パネル104から印刷の指示が行われる。ステップ1では、用紙給紙部10から用紙が用紙搬送路に搬送され、画像形成開始スイッチ105が用紙の通過を検知し、制御部101に開始信号が入力される。
ステップ2では、制御部101は、開始信号の入力に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第1の方向に回転駆動させる。
ステップ3では、モーター72の回転によって偏芯カム62が減圧位置DPから加圧位置EPに向かって回動するとともに、検知片85が検知センサー86に対向する加圧位置EPに到着する。制御部101は検知部84から検知信号を入力する。
ステップ4では、制御部101は、検知信号の入力に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72の回転駆動を停止させる。偏芯カム62は加圧位置EPでコロ61に当接していることで、定着器13は加圧状態に保持される。この状態において、画像形成部3によって用紙にトナー像が形成され、定着器13によって用紙上のトナー像が定着される。
ステップ5では、定着処理された用紙が用紙搬送路に搬送され、画像形成終了スイッチ106は用紙の通過を検知し、制御部101は画像形成終了スイッチ106から終了信号を入力する。
ステップ6では、制御部101は、終了信号の入力に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第2の方向に回転駆動させる。
ステップ7では、記憶部107に保存された第1の時間EDTを参照するとともに、終了信号の入力からの時間を計時し、終了信号の入力時から第1の時間EDTだけ経過すると、ステップ8では、モーター駆動回路103を介してモーター72の回転駆動を停止させる。定着処理の終了後、偏芯カム62は減圧位置DPでコロ61に当接していることで、定着器13は減圧状態に保持される。
図11に示すように検知部84の故障モードにおいて、ステップ1では、用紙給紙部10から用紙が用紙搬送路に搬送され、画像形成開始スイッチ105が用紙の通過を検知し、制御部101に開始信号が入力される。
ステップ2では、制御部101は、開始信号の入力に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第1の方向に回転駆動させる。モーター72の回転によって偏芯カム62が減圧位置DPから加圧位置EPに向かって回動する
検知部84が故障していると、回動する偏芯カム62が加圧位置EPに到着しても検知信号が制御部101に入力されることがない。そこで、ステップ3では、停止手段として、制御部101は、記憶部107に保存された第1の時間EDTを参照し、開始信号の入力から計時した時間と第1の時間EDTとを比較する。第1の時間EDTを経過しても、検知部84から検知信号が入力されない場合、開始信号の入力時から、第1の時間EDTと第2の時間DFTとを合算した時間だけ経過すると、ステップ4では、モーター駆動回路103を介してモーター72の回転駆動を停止させる。これによって、偏芯カム62は係合位置FPに到着し、偏芯カム62の凹部62aにコロ61が係合する。この状態では加圧位置EPと同じニップ圧であり、定着器13は加圧状態に保持され、定着器13によって用紙上のトナー像を定着することができる。
偏芯カム62の凹部62aにコロ61が係合している状態(図11のステップ4)で、検知部84の故障が直り、検知部84から検知信号が出力可能となった場合、例えば操作パネル104からリセット信号が制御部101に入力される。制御部101は、リセット信号に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第2の方向に回転駆動させる。このとき、偏芯カム62は係合位置FPから加圧位置EPを経由し減圧位置DPに回動し、加圧位置EPにおいて、検知片85が検知センサー86に対向するが、制御部101は、リセット信号が入力されている場合、検知部84からの検知信号を受け付けない。検知信号の替わりに記憶部107の第1の時間EDTと第2の時間DFTだけモーター駆動回路103を介してモーター72を回転駆動させた後、モーター72の回転駆動を停止させる。このように制御することで、通常の定着終了時と同様に、偏芯カム62が減圧位置DPでコロ61に当接する位置まで回動し、定着器13は減圧状態に保持される。
尚、上記第2実施形態において、検知部84の故障が直り、検知部84から検知信号が出力可能となった場合、制御部101がリセット信号等に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第2の方向に回転駆動させ、そして、検知片85が加圧位置EPで検知センサー86に対向しても、制御部101が検知部84からの検知信号を受け付けない構成は、第1実施形態にも適用することができる。
また、上記第2実施形態において、通常のニップ圧切り替えモードで加圧状態から減圧状態に切り替えるために、制御部101への終了信号の入力に基づいてモーター駆動回路103を介してモーター72を第2の方向に回転駆動させ、所定時間経過後にモーター72の回転駆動を停止させる構成は、第1実施形態にも適用することができる。
また、上記第1及び第2実施形態では、ローラー方式の定着装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、加熱部材として無端状の定着ベルトを使用するベルト方式や、加熱部材は固定支持された加熱体と、この加熱体に密着して摺動する耐熱性フィルムとを有し、加熱体と加圧ローラーとを耐熱性フィルムを介して圧接させる方式の定着装置に適用してもよい。また、熱源にヒーターを用いてもよく、さらに加熱部材側に加圧機構を設けるようにしてもよい。
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に利用することができ、特に、加熱部材と加圧部材とのニップ圧を変更可能な定着器を備えた画像形成装置に利用することができる。
1 画像形成装置
13 定着器
131 加熱ローラー(加熱部材)
132 加圧ローラー(加圧部材)
133 誘導加熱部(加熱手段)
30 定着部
50 加圧機構
51 第1アーム部材
52 第2アーム部材
53 弾性部材
60 ニップ圧切り替え機構
61 コロ
62 偏芯カム
62a 凹部(係合部)
63 回転連結軸
70 駆動部
72 モーター
73 モーターギア
77 第4ギア(モーター側ギア、停止手段)
78 歯欠けギア(停止手段)
78a 歯欠け部
81 ギア列
82 復帰スプリング(停止手段)
84 検知部
85 検知片
86 検知センサー
101 制御部
103 モーター駆動回路
104 操作パネル
105 画像形成開始スイッチ
106 画像形成終了スイッチ
107 記憶部
DP 減圧位置
EP 加圧位置
FP 係合位置

Claims (5)

  1. 加熱手段によって加熱される加熱部材と該加熱部材に圧接される加圧部材とにより形成されるニップ部で未定着トナー像を担持した記録媒体を挟持して、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する画像形成装置において、
    回転中心から外周面までの距離が夫々異なり前記ニップ部を加圧した状態に対応する加圧位置と前記ニップ部の圧力を解除または緩和した減圧状態に対応する減圧位置とに選択配置される偏芯カムにコロが当接することで前記ニップ部を加圧状態及び減圧状態に切り替え可能なニップ圧切り替え機構と、
    前記偏芯カムを加圧位置側へ回動させる第1の方向と、該第1の方向の逆方向であって前記偏芯カムを減圧位置側へ回動させる第2の方向とに回転可能なモーターと、
    該モーターによって回転する検知片と該検知片の通過を検知する検知センサーとを有し、前記偏芯カムが加圧位置にあることを検知する検知部と、
    前記モーターを第1の方向或いは第2の方向に回転駆動させるとともに、前記検知部によって前記偏芯カムが加圧位置にあることが検知され前記検知部から検知信号が入力されたとき、前記モーターの回転駆動を停止させる制御部と、
    前記偏芯カムの減圧位置から加圧位置への回動方向に対して加圧位置の下流側にて、回転中心から外周面までの距離が加圧位置と略同じである係合位置に形成され、前記コロに係合可能である凹部からなる係合部と、
    前記偏芯カムが加圧位置を越えて係合位置へ回動したとき、前記凹部にコロが係合した状態で前記偏芯カムを停止させる停止手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記モーターの回転駆動力を前記偏芯カムに伝達するギア列に配設され所定歯数の歯欠け部を有する歯欠けギアと、
    該歯欠けギアと噛合可能であるモーター側ギアと、
    該モーター側ギアが第1或いは第2の方向の一方向に回転したときに前記歯欠けギアの歯欠け部が前記モーター側ギアに対して離間する方向に前記歯欠けギアを付勢する復帰スプリングと、を前記停止手段として備え、
    前記モーター側ギアが第1或いは第2の方向の他方向に回転すると、前記歯欠けギアの歯欠け部以外の部分が前記モーター側ギアと噛合することで、前記歯欠けギアが回転し、前記偏芯カムを回転させ、
    前記モーター側ギアが一方向に回転して前記歯欠けギアの歯欠け部が前記モーター側ギアに対向したとき、前記コロが前記凹部に係合するとともに、前記歯欠けギアは前記復帰スプリングに付勢されるとともに歯欠け部にて前記モーター側ギアと噛合不能となることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記偏芯カムが減圧位置から加圧位置まで回動する第1の時間と、前記偏芯カムが加圧位置から係合位置まで回動する第2の時間とを保存する記憶部を更に備え、
    前記停止手段として、前記制御部は、画像形成の開始に関する開始信号を入力すると前記モーターを第1の方向に回転駆動させ、前記第1の時間の経過後、前記検知部から前記検知信号が入力されない場合、前記第2の時間だけ前記モーターを第1の方向にさらに回転駆動させた後、停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記モーターを第2の方向に回転駆動させているときに前記検知部から検知信号が入力された場合、前記モーターの第2の方向への回転を停止させないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、画像形成の終了に関する終了信号を入力すると、前記モーターを第2の方向に回転駆動させ、前記終了信号の入力から所定時間経過後に、前記モーターの第2の方向の回転駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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