JP2013118404A - 加工形状の予測方法、加工条件の決定方法、加工量予測方法、加工形状予測システム、加工条件決定システム、加工システム、加工形状予測計算機プログラム、加工条件決定計算機プログラム、プログラム記録媒体、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

加工形状の予測方法、加工条件の決定方法、加工量予測方法、加工形状予測システム、加工条件決定システム、加工システム、加工形状予測計算機プログラム、加工条件決定計算機プログラム、プログラム記録媒体、及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工条件が与えられたとき、正確に対応する加工形状を予測可能な加工形状の予
測方法を提供する。
【解決手段】ステップS11において、補正係数を含んだモデル式、すなわち所定の加工
条件に対応して決定される加工形状のモデル式を作成する。次に、ステップS12におい
て、簡単な加工条件を設定し、加工を実施する。続いて、ステップS13において加工形
状を計測する。そして、ステップS14において、モデル式で計算される加工形状が実際
に得られた加工形状に近くなるように、補正係数を同定する。その後は、ステップS15
で同定されたモデル式を使用して、与えられた加工条件に対応する加工形状を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研削、研磨等の加工において、所定の加工条件を与えた場合に加工される形
状を予測する加工形状の予測方法、加工条件の決定方法、加工量予測方法、加工形状の予
測システム、加工形状決定システム、加工システム、加工形状予測計算機プログラム、加
工条件決定計算機プログラム及びこれらのプログラムを記憶したプログラム記録媒体、及
び半導体デバイスの製造方法に関するものである。なお、本明細書中でいう加工とは、研
磨、研削等の機械加工をいう。
半導体集積回路の高集積化、微細化に伴って、半導体製造プロセスの工程は、増加し複
雑になってきている。これに伴い、半導体デバイスの表面は、必ずしも平坦ではなくなっ
てきている。半導体デバイスの表面における段差の存在は、配線の段切れ、局所的な抵抗
の増大等を招き、断線や電気容量の低下をもたらす。また、絶縁膜では耐電圧劣化やリー
クの発生にもつながる。
一方、半導体集積回路の高集積化、微細化に伴って、光リソグラフィに用いられる半導
体露光装置の光源波長は、短くなり、半導体露光装置の投影レンズの開口数、いわゆるN
Aは、大きくなってきている。これにより、半導体露光装置の投影レンズの焦点深度は、
実質的に浅くなってきている。焦点深度が浅くなることに対応するためには、今まで以上
に半導体デバイスの表面の平坦化が要求されている。
具体的に示すと、半導体プロセスにおいては図10に示すような平坦化技術が必須にな
ってきている。ウエハ11上に半導体デバイス14、SiOからなる層間絶縁膜12、
Alからなる金属膜13が形成されている。図10(a)は半導体デバイスの表面の層間
絶縁膜12を平坦化する例である。図10(b)は半導体デバイスの表面の金属膜13を
研磨し、いわゆるダマシン(damascene)を形成する例である。
このような半導体デバイス表面を平坦化する方法としては、化学的機械的研磨(Chemic
al Mechanical Polishing又はChemical Mechanical Planarization、以下ではCMPと称
す)技術が広く行われている。現在、CMP技術はウエハの全面を平坦化できる唯一の方
法である。
CMPはウエハの鏡面研磨法を基に発展している。図11は、CMPに用いる研磨(平
坦化)装置の概略構成図である。研磨装置は研磨部材15、研磨対象物保持部(以下、研
磨ヘッドと称すことがある)16、および研磨剤供給部18から構成されている。そして
、研磨ヘッド16には、研磨対象物であるウエハ17が取り付けられ、研磨剤供給部18
は、研磨剤(スラリー)19を供給する。研磨部材15は、定盤20の上に研磨体(以下
、研磨パッドと称すことがある)21を貼り付けたものである。
ウエハ17は研磨ヘッド16により保持され、回転させながら揺動して、研磨部材15
の研磨体21に所定の圧力で押し付けられる。研磨部材15も回転させ、ウエハ17との
間で相対運動を行わせる。この状態で、研磨剤19が研磨剤供給部18から研磨体21上
に供給され、研磨剤19は研磨体21上で拡散し、研磨部材15とウエハ17の相対運動
に伴って研磨体21とウエハ17の間に入り込み、ウエハ17の被研磨面を研磨する。即
ち、研磨部材15とウエハ17の相対運動による機械的研磨と、研磨剤19の化学的作用
が相乗的に作用して良好な研磨が行われる。
図12は、別の研磨装置を示す概要図である。本研磨装置においては、研磨ヘッド16
が下側にあり、その上にウエハ17がチャックされている。そして、研磨体21はウエハ
17より小径であり、上方に設けられた研磨定盤20に貼り付けられている。すなわち、
研磨体21は研磨定盤20と共に回転させながら揺動して、ウエハ17に所定の圧力で押
し付けられる。研磨ヘッド16とウエハ17も回転させ、研磨体21との間で相対運動を
行わせる。この状態で、研磨剤19が研磨剤供給部18からウエハ17上に供給され、研
磨剤19はウエハ17上で拡散し、研磨部材15とウエハ17の相対運動に伴って研磨体
21とウエハ17の間に入り込み、ウエハ17の被研磨面を研磨する。
ところが、研磨すべきウエハの種類は非常に多く、それぞれの種類に応じた独自の研磨
条件(レシピ)を設定しなければならない。
たとえば、Cuダマシン等の複数の層構造にわたる研磨に対しては、通常1次研磨でC
uを研磨し、2次研磨でTaを研磨する。この際には研磨剤と研磨対象物の違いにより、
同一研磨条件でもその均一性は大きく変わるものである。したがって、その都度研磨条件
を用意する必要があるという煩雑さを持っている。更に、メタル研磨の場合には、研磨剤
以外に過酸化水素水のような、酸化剤を添加する必要があるが、同一研磨剤についてもそ
の添加剤の量により研磨プロファイルが変化するので、これらの研磨剤の種類、添加剤、
研磨対象物が変わると全ての場合について、研磨条件を変えなければならない。
研磨条件としては、研磨液の種類や、研磨パッドの種類、及び研磨ヘッドと研磨部材の
回転速度、研磨ヘッドの揺動速度、研磨ヘッドの押し付け圧力等があり、研磨ヘッドと研
磨部材の回転速度、研磨ヘッドの揺動速度、研磨ヘッドの押し付け圧力については、時間
の関数となったり、研磨ヘッド位置の関数となったりする。
ウエハの種類に応じた研磨条件を設定する方法として、従来は、経験に基づいてトライ
アルアンドエラーによる試験的研磨を行うことにより、目的の加工形状が得られる研磨条
件を見つけ出す方法が採用されており、この試験的研磨に多数のウエハを使用し、長時間
をかけて研磨条件の決定を行っていた。
又、ウエハの種類が特定されて、標準的な研磨条件を見つけ出すことができたとしても
、実際に研磨されるウエハの研磨前の表面形状は、製作ロットごとに異なっている。その
ために、製作ロットごとに、さらに試験的研磨を行って、研磨条件の微調整を行う必要が
ある。しかし、このように製作ロットごとの微調整を行っても、ロット内でのばらつきに
は対応できないという問題点が残る。
従来の、研磨されるウエハより研磨体の方が大きい研磨装置はウエハ直径の増大に伴っ
て、装置自体が大きくなるという問題があり、また、研磨パッド等のように交換が必要な
消耗部品の交換作業が、その大きさゆえに非常に困難であるという欠点を持っていた。ま
た、研磨前のウエハの表面に成膜むらに基づく凹凸がある場合に、これらに適切に対応し
て表面を平坦に研磨することは非常に困難であった。さらに、初期膜厚形状が成膜プロセ
スによってM字型やW字型等になっているウエハにおいて、残膜を均一な形状に研磨する
要求が生じる場合がある。従来の研磨装置では、このような要求に対応することが困難で
あった。
このような問題点を解決する研磨装置として、最近、図12に示すような、研磨ウエハ
よりも小さい研磨体による研磨装置が開発され使用されるようになってきている。この研
磨装置は研磨体が小型であることから、研磨装置における研磨部を小型化することができ
るという利点を持っている。また、消耗部品の交換についても小型であることゆえに、作
業自体は非常に簡易となる。
そして、この研磨ウエハよりも小さい研磨体による研磨装置においては、ウエハ上の各
部分における研磨体の存在確率を変えることにより、自在に研磨プロファイルを変えるこ
とが可能である。よって、研磨前のウエハの表面に凹凸がある場合に対応することができ
る。
しかしながら、このような細かな調整が可能であるということは、研磨条件をより細か
く決定しなければならないことを意味する。すなわち、研磨条件の種類が増えると同時に
複雑化し、研磨条件の決定回数が増えると共に、一つの研磨条件を決定するためにより多
くのウエハと時間を要することになる。又、細かな調整が必要でない場合においても、研
磨体が小さいために、従来の大きな研磨体を使用した研磨装置に比べて、研磨条件が複雑
になるという状態には変わりは無い。
すなわち、小径パッドを用いた研磨の場合には、回転以外にパッドのウエハ面上におけ
る存在確率を変えるために、可変速の揺動を加えたり、ウエハエッジにおける研磨速度の
上昇を抑えるために、荷重を低下させるといった荷重制御を行う必要がある。よって、こ
れらの制御が加わることにより、研磨条件が飛躍的に複雑になるのである。
このように、研磨条件を決定するのに長時間を要することの一つの解決策として、シミ
ュレーションにより研磨条件を決定する方法が開発されている。しかしながら、研磨工程
においては、研磨体が弾性変形したり、また研磨体と研磨対象物間の研磨剤の流れが複雑
であったり、更には研磨時における摩擦熱が発生したりするために、全体の研磨工程を数
式化することが困難であり、汎用性のある数式モデルが得られていないのが現状である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、研削、研磨等の加工において、
所定の加工条件を与えた場合に加工される形状を予測する加工形状の予測方法、加工条件
の決定方法、加工量予測方法、加工形状の予測システム、加工形状決定システム、加工シ
ステム、加工形状予測計算機プログラム、加工条件決定計算機プログラム及びこれらのプ
ログラムを記憶したプログラム記録媒体、及び半導体デバイスの製造方法を提供すること
を課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、被加工物を加工する加工条件によって決定さ
れる加工形状を予測するシミュレーションモデルであって、当該シミュレーションモデル
中に補正係数を含むものを作成し、簡単な加工条件で加工を行った際の実際の加工形状に
、前記シミュレーションモデルによって求められた加工形状が近くなるように前記補正係
数を決定し、補正係数が決定された前記シミュレーションモデルを使用して、与えられた
加工条件に対応する加工条件を予測することを特徴とする加工条件の予測方法(請求項1
)である。
前述のように、汎用性のあるシミュレーションモデルを得ることは困難であるが、一方
、加工条件と加工形状の間には、ある程度一般的な式で表すことができる関係がある場合
がある。例えば、CMP研磨の場合には、一般的には研磨レートはプレストンの式で表さ
れる。しかし、実際にはこのような関係式を当てはめようとすると誤差が生じる場合が多
い。そこで、本手段においては、これらの加工条件と加工形状との関係を示すシミュレー
ションモデルであって、シミュレーションモデル中に補正係数を含むものを作成しておき
、簡単な加工条件で加工を行った際の実際の加工形状に、シミュレーションモデルによっ
て求められた加工形状が近くなるように前記補正係数を決定することにより、このシミュ
レーションモデルを同定するようにしている。
なお、「簡単な加工条件で加工」を行うとは、シミュレーションモデル中に、研磨中に
変動するパラメータを含むような場合に、そのパラメータを一定の条件に保って加工を行
う等、シミュレーションモデル中において、ある条件を所定条件とし、加工を簡単なもの
とすることを言う。
シミュレーションモデルが同定された後は、そのシミュレーションモデルを使用して加
工条件が与えられたときの加工形状を正確に決定することができる。
なお、前記補正係数は、一通りでなく、簡単な加工条件を何種類も用意しておき、これ
ら加工条件毎に前記補正係数を定め、実際の加工に際しては、前記簡単な加工条件によっ
て決定された補正係数のうち、実施の加工形状に近くなる補正係数を使用するようにして
もよい。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、加工方法が、研磨
体と研磨対象物との間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相対移
動させることにより当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とするもの(請求項
2)である。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、前記シミュレーシ
ョンモデルが、前記研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体の回
転速度、前記研磨対象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の半径
方向位置、前記研磨剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数とす
る関数を含むことを特徴とするもの(請求項3)である。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第2の手段又は第3の手段であって、前
記シミュレーションモデルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴とする
ものである。
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記研磨剤の使用
効率が、前記研磨体の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数により
決定されることを特徴とするもの(請求項5)である。
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手段から第5の手段のうちいずれ
かの加工形状の予測方法により、要素となる加工条件と当該加工条件で加工を行ったとき
に得られる加工形状要素の関係を予め求めておき、当該加工形状要素の組み合わせが目的
とする所定の形状に近くなるような、前記要素となる加工条件の組み合わせを求め、その
組み合わせを加工条件とすることを特徴とする加工条件の決定方法(請求項6)である。
本手段においては、前記第1の手段から第5の手段のうちいずれかを利用して、要素と
なる加工条件と当該加工条件で加工を行ったときに得られる加工形状要素の関係を予め求
めておく。そして、目標とする加工形状が与えられたとき、前記加工形状要素の組み合わ
せによって得られる加工形状が、前記目的とする加工形状に近くなるような加工形状要素
の組み合わせを求める。
ここで、「加工形状に近くなる」と言うのは、加工形状が、その許容差範囲内に入るこ
とをいう。又、「加工形状」とは、最終的に得られる加工形状のみを指すものではなく、
どのような初期形状からどのような最終形状に加工するかというような(すなわち、どの
位置をどの程度研磨するかというような)、初期形状と最終形状の組み合わせを含む概念
であり、被加工物位置毎の加工量に対応する量である。
加工条件を決定するパラメータとしては、加工量、加工量の均一性、残膜厚の均一性、
目標形状との類似度、目標形状との差分の2乗和、目標形状との差分に位置による重みを
つけて、位置に対して積分した値等があり、また、これらのいくつかを組み合わせて評価
してもよい。
加工形状要素の組み合わせが目的とする加工形状に近くなるような組み合わせを求める
方法としては、例えば、乱数を発生させて、それに基づき要素となる加工条件の組み合わ
せを求め、その加工条件の組み合わせによって得られる加工形状要素の組み合わせ(重み
付けされた和)により全体としての加工形状を求め、加工形状が許容差内に入る組み合わ
せが得られたらそれを採用するようにする方法が考えられる。
又、要素となる加工条件によって得られる加工形状要素を関数化しておき、最小二乗法
を利用して要素となる加工条件の組み合わせを求めてもよい。すなわち、要素となる加工
条件に重みをつけて加え合わせた加工条件で得られる関数化された加工形状と、目的とす
る加工形状との差を、最小二乗法で最小にするように、前記重みを決定する。
本手段によれば、目標とする加工形状が複雑なものであっても、要素となる単純な加工
形状の組み合わせとして対応する加工条件を決定することができるので、従来のような人
間の勘に頼ってトライアルアンドエラーにより加工条件を決定する方法に比して、簡単な
シミュレーションにより加工条件を求めることができる。従って、試験加工に必要な被加
工物の数が少なくて済むと共に、調整時間を大幅に短縮することができる。又、複雑な加
工形状が必要とされる場合においても、加工条件を適切に決定できるので、加工精度が向
上する。
前記課題を解決するための第7の手段は、弾性的性質をもつ研磨体を研磨対象物に押圧
しながら相対運動させ、前記研磨対象物を研磨加工する加工装置についての加工量を予測
する加工量予測方法であって、加工量予測計算に使用される前記押圧力と前記研磨体の変
形量とを関連づける係数を、前記研磨体と前記研磨対象物の接触相対速度、前記研磨体の
回転数、前記研磨対象物の回転数の少なくともいずれかを独立変数とする関数で近似して
求めることを特徴とする加工量予測方法(請求項7)である。
弾性的性質をもつ研磨体を研磨対象物に押圧しながら相対運動させ、研磨対象物を研磨
加工する加工装置についての加工量を予測する加工量予測方法においては、研磨体の形状
、研磨対象物の形状、研磨体と研磨対象物との間の圧力、研磨剤の種類、研磨剤の供給量
、研磨体の弾性値、研磨体と研磨対象物の接触相対速度、研磨体の回転数、研磨対象物の
回転数等、種々のパラメータを加工量を決定する因子(パラメータ)として仮定し、計算
値を実測値にフィッティングさせるような計算を行うこと等により加工量を予測する。
その際、加工量に影響を与える因子として特に重要なものが、押圧力と研磨体の変形量
とを関連づける係数である。これは、実際の研磨が、研磨対象物と弾性体である研磨体と
の接触面で行われるためである。従来は、この係数を決定する方法として、オフラインで
研磨体に圧力を印加し、そのときの研磨体の変形値からこの係数を求めていた。
しかし、発明者等の考察の結果、この係数としてこの静的な実験で求めたものを使用す
ると、計算値を実測値にフィッティングさせる際に誤差が大きくなることが見いだされた
。発明者等の考察によれば、この理由は以下のようなものである。すなわち、研磨体は、
研磨中においては、研磨圧力による垂直方向の変形のみならず、研磨対象物面との摩擦に
よりせん断方向の力を受けることから3次元的に変形する。したがって、従来の係数の測
定における値とは大きく異なり、3次元的な変形が生じ、垂直方向への変形は静的な測定
によって求められたものに比べると小さいものとなる。よって、オフラインで測定された
係数とは異なるものとなる。
このせん断方向の力は、研磨における研磨体と研磨対象物の接触相対速度、研磨体の回
転数、研磨対象物の回転数に大きくかかわるものであり、従って、研磨体の弾性率はこれ
らに大きく依存する。
本手段においては、加工量予測計算に使用される押圧力と研磨体の変形量とを関連づけ
る係数を、研磨体と研磨対象物の接触相対速度、研磨体の回転数、研磨対象物の回転数の
少なくともいずれかを独立変数とする関数で近似して求めるようにしているので、研磨体
の弾性値を実際の研磨状態における弾性値と近い値として加工量の予測を行うことができ
、よって、加工量の予測を正確にすることができる。
なお、本手段に関わらず、各手段及び請求項において関数で近似するというのは、必ず
しも数学的な式として表すことを意味するものではなく、テーブル化してそれをルックア
ップするような方法をも含むものである。
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段である加工量予測方法であっ
て、前記押圧力と前記研磨体の変形量とを関連づける係数がヤング率であり、前記接触相
対速度、前記研磨体の回転数、前記研磨対象物の回転数の少なくとも一つを独立変数とす
る関数が、前記接触相対速度、前記研磨体の回転数、前記研磨対象物の回転数のそれぞれ
の上昇に伴い、前記ヤング率が大きく(前記研磨体が硬く)なるような関数であることを
特徴とするもの(請求項7)である。
研磨中における前記せん断方向の力の大きさは、接触相対速度、研磨体の回転数、研磨
対象物の回転数がそれぞれ大きくなれば大きくなる。よって、研磨体のヤング率は、これ
らの大きさが大きくなれば大きく(すなわち、研磨体が硬く)なる。即ちヤング率が大き
くなる。よって、本手段は、研磨体の弾性値をこの方向に沿って近似しているので、研磨
体の弾性値を実際の研磨状態における弾性値と近い値として加工量の予測を行うことがで
き、よって、加工量の予測を正確にすることができる。
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第7の手段又は第8の手段である加工量
予測方法であって、前記関数が、表面に段差を設けた前記研磨対象物を研磨し、そのとき
の研磨量の実測データにフィッティグすることによって求められたものであることを特徴
とするもの(請求項9)である。
前記第7の手段又は第8の手段において、前記関数値を実測データにフィッティングさ
せるための実験を行う際、研磨対象物の表面が平坦であると、研磨体の弾性変形量が小さ
く、近似できる範囲が狭いものとなる。本手段においては、表面に段差を設けた研磨対象
物を研磨し、そのときの研磨量の実測データにフィッティグするようにしているので、広
い範囲の研磨体の弾性変形量について、データのフィッティングを行うことができる。
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第7の手段又は第8の手段であって、
前記関数が、前記研磨対象物の表面より凹んだ表面を有するリテーナリングを前記研磨対
象物を取り囲むように設置した状態で、前記研磨対象物を研磨し、そのときの研磨量の実
測データにフィッティグすることによって求められたものであることを特徴とするもの(
請求項10)である。
本手段においては、研磨対象物の表面より凹んだ表面を有するリテーナリングを研磨対
象物を取り囲むように設置した状態で、研磨対象物を研磨し、そのときの研磨量の実測デ
ータにフィッティグする。よって、研磨体は、研磨対象物とリテーナリングの間の段差の
ある部分で大きく弾性変形することになる。よって、広い範囲の研磨体の弾性変形量につ
いて、データのフィッティングを行うことができる。
前記課題を解決するための第11の手段は、被加工物を加工する加工条件によって決定
される加工形状を予測する加工形状予測システムであって、加工条件を入力する手段と、
被加工物を加工する加工条件によって決定される加工形状を予測するシミュレーションモ
デルであって、当該シミュレーションモデル中に補正係数を含むものを記憶するモデル記
憶手段と、当該シミュレーションモデル記憶手段中に入力された加工条件によって加工さ
れた実際の加工形状を入力する加工形状入力手段と、当該加工条件に対応して前記シミュ
レーションモデルによって予測される形状が、前記加工形状入力手段によって入力された
実際の加工形状に近くなるように、前記補正係数を決定する補正係数決定手段とを有する
ことを特徴とする加工形状予測システム(請求項11)である。
前記課題を解決するための第12の手段は、前記第11の手段であって、加工方法が、
研磨体と研磨対象物との間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相
対移動させることにより当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とするもの(請
求項12)である。
前記課題を解決するための第13の手段は、前記第12の手段であって、前記シミュレ
ーションモデルが、前記研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体
の回転速度、前記研磨対象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の
半径方向位置、前記研磨剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数
とする関数を含むことを特徴とするもの(請求項13)である。
前記課題を解決するための第14の手段は、前記第11の手段又は第12の手段であっ
て、前記シミュレーションモデルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴
とするもの(請求項14)である。
前記課題を解決するための第15の手段は、前記第14の手段であって、前記研磨剤の
使用効率が、前記研磨体の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数に
より決定されることを特徴とするもの(請求項15)である。
これら第11の手段から第15の手段によれば、前記第1の手段から第5の手段をそれ
ぞれ実行することができる。
前記課題を解決するための第16の手段は、前記第11の手段から第15の手段のいず
れかの加工形状予測システムを含み、目的とする加工形状を入力する手段と、要素となる
加工条件と当該加工条件で加工を行ったときに得られる加工形状要素の関係を予め求めて
記憶しておく加工条件要素記憶手段と、当該加工形状要素の組み合わせが目的とする所定
の形状に近くなるような、前記要素となる加工条件の組み合わせを求め、その組み合わせ
を加工条件とする加工条件決定手段とを有することを特徴とする加工条件決定システム(
請求項16)である。
本手段によれば、前記第6の手段を実行することができる。
前記課題を解決するための第17の手段は、工具と被加工物との間に砥粒を介在させた
状態で、前記工具と前記被加工物とを相対移動させることより前記被加工物を加工する加
工装置を用いた加工システムであって、加工後の前記被加工物の目標表面形状を入力する
手段と、前記第6の手段である加工条件の決定方法を用いて加工条件を決定する手段、又
は前記第16の手段である加工条件決定システムと、決定された加工条件に従うように前
記加工装置を制御する手段とを有することを特徴とする加工システム(請求項17)であ
る。
本手段においては、加工条件を、前記第6の手段である加工条件の決定方法を用いて加
工条件を決定する手段、又は前記第16の手段である加工条件決定システムを有している
ので、前記第6の手段、又は前記第16の手段の説明で述べたような作用効果が得られる
前記課題を解決するための第18の手段は、被加工物を加工する加工条件によって決定
される加工形状を予測するシミュレーションモデルを記述した計算機プログラムであって
、当該シミュレーションモデル中には補正係数が含まれ、所定の条件で加工を行った場合
に実際に加工された形状を入力し、前記シミュレーションモデルにより予測された形状が
、入力された形状に近くなるように、前記補正係数を決定する処理プロセスを有する加工
形状予測計算機プログラム(請求項18)である。
前記課題を解決するための第19の手段は、前記第18の手段であって、加工方法が、
研磨体と研磨対象物との間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相
対移動させることにより当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とするもの(請
求項19)である。
前記課題を解決するための第20の手段は、前記第19の手段であって、前記シミュレ
ーションモデルが、前記研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体
の回転速度、前記研磨対象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の
半径方向位置、前記研磨剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数
とする関数を含むことを特徴とするもの(請求項20)である。
前記課題を解決するための第21の手段は、前記第19の手段又は第20の手段であっ
て、前記シミュレーションモデルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴
とするもの(請求項21)である。
前記課題を解決するための第22の手段は、前記第21の手段であって、前記研磨剤の
使用効率が、前記研磨体の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数に
より決定されることを特徴とするもの(請求項22)である。
これら、第18の手段から第22の手段によれば、計算機により前記第1の手段から第
5の手段を、それぞれ実行させることができる。
前記課題を解決するための第23の手段は、前記第18の手段から第22の手段のいず
れかの加工形状予測計算機プログラムを含み、要素となる加工条件と当該加工条件で加工
を行ったときに得られる加工形状要素の関係を予め求めて記憶しておき、当該加工形状要
素の組み合わせが目的とする所定の形状に近くなるような、前記要素となる加工条件の組
み合わせを求め、その組み合わせを加工条件とする処理プロセスを有することを特徴とす
る加工条件決定計算機プログラム(請求項23)である。
本手段によれば、前記第6の手段を計算機により実行させることができる。
前記課題を解決するための第24の手段は、前記第18の手段から第23の手段である
加工形状予測計算機プログラム、加工条件決定計算機プログラムのうち少なくとも一つを
記録したプログラム記録媒体(請求項24)である。
本手段によれば、それぞれのプログラムを記憶させ、計算機により実行させることがで
きる。
前記課題を解決するための第25の手段は、前記第17の手段である加工システムを使
用し、ウエハを加工する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法(請求
項25)である。
本手段においては、調整のため使用されるウエハの数が少なくなるので歩留が向上する
のみならず、加工時間が全体として短縮されるのでスループットが向上する。さらに加工
精度が向上するので、精密なウエハを製造することができ、露光転写プロセスにおける歩
留が向上する。
以上説明したように、本発明によれば、研削、研磨等の加工において、所定の加工条件
を与えた場合に加工される形状を予測する加工形状の予測方法、加工条件の決定方法、加
工量予測方法、加工形状の予測システム、加工形状決定システム、加工システム、加工形
状予測計算機プログラム、加工条件決定計算機プログラム及びこれらのプログラムを記憶
したプログラム記録媒体、及び半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の1例である加工形状の予測方法の概要を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の1例である加工条件の決定方法の概要を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の1例である加工形状決定システムの概要を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の1例である加工システムの概要を示すブロック図である。 研磨における研磨剤の流れをモデル化して示す図である。 半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。 研磨体の弾性率に実測値を使用して研磨量を計算した場合と、弾性率を補正して使用した場合における、研磨量計算値の実測値との比較を示す第1の図である。 研磨体の弾性率に実測値を使用して研磨量を計算した場合と、弾性率を補正して使用した場合における、研磨量計算値の実測値との比較を示す第2の図である。 実際の研磨量と、研磨剤の効率を考慮して計算によって求めた研磨量を比較して示す図である。 半導体プロセスにおける平坦化技術の例を示す図である。 CMPに用いる研磨(平坦化)装置の概略構成図である。 CMPに用いる他の研磨(平坦化)装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態の例を説明する。この実施の形態で取り上げる例はCMP装
置による研磨であり、使用するCMP研磨装置は、図11や図12に示したものと変わる
ところはない。
前述したように、CMP研磨における研磨量を表す最も基本的な式は以下に示されるプ
レストンの式である。
R=k*V*P*T …(1)
ここで、Rは研磨レート、Vは研磨体と研磨対象物との相対速度、Pは研磨体の押し付け
圧力、Tは研磨時間であり、kは定数である。
しかしながら、特に研磨条件が高速の場合や、研磨剤が少ない場合など、その際の形状
は上式から得られる形状と実際の研磨形状はかけ離れたものになる場合が多い。よって、
高速研磨時には相対速度Vの代わりに以下のV’を用いることにする。
V’=1−exp(−gV) …(2)
ここに、gは速度補正係数である。
また、研磨体の半径方向に対して、研磨剤の供給排出に応じた実効的な研磨効率の違い
を示す研磨体実効確率Prを
Figure 2013118404
として導入する。ここで、rは、研磨体の半径方向位置、routは研磨体の外径、aは
研磨体補正係数である。
そして、プレストンの式(1)の代わりに
R=k*V’*P*T*Pr …(4)
を使用する。研磨体又は研磨対象物の揺動、研磨体と研磨対象物との相対回転速度、研磨
体と研磨対象物との相対位置により、研磨対象物の各部分が受ける(4)式で計算される
研磨レートRは刻々変化するので、微小時間単位毎に(4)式を使用して研磨対象物の各
部分が受ける研磨レートRを計算し、これらを足し合わせて、最終的に研磨対象物の各部
分が受ける研磨量のシミュレーション値とする。
以上述べたように、(4)式は、補正係数k、g、aを含む。よって、これらの値を同
定するために、簡単な研磨条件を設定して研磨を行い、その結果得られる研磨対象物の各
部分における研磨量を測定する。そして、例えば最小二乗法を利用して、研磨対象物の各
部分における実際の研磨量と前述のシミュレーションにより得られる磨対象物の各部分が
受ける研磨量との差が最小になるように補正係数k、g、aを計算する。
一度補正係数k、g、aが決定されると、(4)式が決定されるので、複雑な研磨条件
が与えられた場合の研磨量を、(4)式を研磨対象物の各部分に当てはめることによって
研磨対象物の各部分の研磨量、研磨形状を求めることができる。
以上の実施の形態においては、研磨レートを決定する変数としてV、P、T、Prを用
いたが、研磨体押し付け圧Pを、研磨体位置の関数値としてもよく、また、研磨剤流量を
変数として加えてもよい。また、研磨対象物の半径方向位置を変数として加えてもよい。
そして、これらの変数には、補正係数を導入し、実際の研磨によりこの変数の値を同定す
る。
以上のようにして、研磨条件が与えられたときにその研磨条件で決定される研磨量(研
磨形状)がシミュレーションで決定できるようになると、要素となる研磨条件と当該研磨
条件で研磨を行ったときに得られる研磨形状の関係を予め求めておくことが可能になる。
よって、要素となる研磨条件として、基本的な研磨条件を定め、そのときの研磨形状を求
めておく。そして、目的とされる研磨形状が定まったとき、それに近い研磨形状を与える
要素となる研磨条件の組み合わせを求める。そして、その組み合わせの研磨条件で研磨を
行うことにより、目的とする研磨形状を得ることができる。
簡単化のために1次元(x方向)の研磨を考える。要素となる研磨条件がN個あるとし
、i番目の研磨条件で単位時間研磨を行ったときの研磨対象物の各部分の研磨量をf(x
,i)とする。目的とする研磨量をG(x)とすると、
Figure 2013118404
で計算されるSが最小となるようにcを決定する。ただし、(5)式の積分範囲は、研
磨対象物の研磨すべき領域である。また、cは重みを示す係数で、各要素となる研磨条
件を施す時間に相当する。(5)式は最小二乗法であるので、連立方程式
Figure 2013118404
を解くことにより、計算できる。(5)式が数値計算でしか求まらない場合、(6)式が
解析的に解けない場合は、数値計算法により方程式を解けばよい。
以上説明した事項を、図1、図2のフローチャートにまとめて示す。
これらの条件には、それぞれ補正係数が存在するため、適切な係数の値を見つけ出す必
要がある。そのために条件としてシンプルな条件の下で研磨を行い、そこで得られた形状
と、上記の各種係数をふったシミュレーション値で最も一致性の良いものから、各種補正
係数を決定する。
この補正係数を用いて、探索範囲となる条件でシミュレーションを行うことにより、実
際の研磨に即した研磨形状の予測が可能になる。
図1においては、まず、ステップS11において、補正係数を含んだモデル式、すなわ
ち所定の加工条件に対応して決定される加工形状のモデル式を作成する。次に、ステップ
S12において、簡単な加工条件を設定し、加工を実施する。続いて、ステップS13に
おいて加工形状を計測する。
そして、ステップS14において、モデル式で計算される加工形状が実際に得られた加
工形状に近くなるように、補正係数を同定する。その後は、ステップ15において、同定
されたモデル式を使用して、与えられた加工条件に対応する加工形状を推定する。
図2は、目的とする加工形状が与えられた場合に、それを実現する加工条件を決定する
フローを示すものであり、その前提として、ステップS21において、図1に示したよう
な手順により、要素となる加工条件に対応するシミュレーションモデルを作成しておく。
そして、目的とする加工形状が与えられたとき、ステップS22でそれを数値化する。次
に、ステップS23で、目的とする加工形状に近い加工形状が得られる、要素となる加工
形状の組み合わせを計算により決定する。
図3は、本発明の実施の形態の1例である加工形状決定システムの概要を示すブロック
図であり、この加工形状決定システムは、本発明の実施の形態である加工形状推定システ
ムを含んでいる。
加工形状推定システムのモデル記憶手段には、加工条件入力手段から入力された加工条
件に対して加工形状を決定するシミュレーションモデルが記憶されている。このシミュレ
ーションモデルは、初期の状態においては未定である補正係数を含んでいる。入力されて
いる加工条件のうち、単純な加工条件に対応するものを選定し、その条件で加工を行う。
例えば、入力されている加工条件が、いろいろなパラメータを含んでいるとき、そのパラ
メータを時間的に変動させることなく一定としたような加工条件を設定して加工を行う。
そして、そのとき得られた加工形状を、加工形状入力手段を介して加工形状推定システム
に入力する。
すると、補正係数決定手段がシミュレーションにより、実際の加工形状に近いシミュレ
ーション加工形状を与える補正係数を決定し、モデル記憶手段に記憶されているシミュレ
ーションモデルを確定する。その後は、加工条件入力手段から与えられる加工条件に対応
してシミュレーションを行い、予想される加工形状を出力する。
図3に示される加工形状決定システムは、要素となる加工条件について、このようにし
て決定された加工条件に対して加工形状を決定するシミュレーションモデルを、加工条件
要素記憶手段の中に記憶している。要素となる加工条件としては、その組み合わせにより
なるべく多くの加工形状が得られるように選定されたなるべく単純な加工条件が、複数選
ばれる。
目的加工形状入力手段から目的加工形状が入力されると、加工条件決定手段が、前述の
ような手法により、その目的加工形状に近い加工形状を与える要素となる加工条件の組み
合わせを出力する。
本発明の加工形状の予測方法、加工条件の決定方法は、前述のようなアルゴリズムを使
用すれば、計算機により実行することができる。この場合、これら加工形状の予測方法、
加工条件の決定方法は計算機プログラムとして記述することができる。このプログラムを
計算機プログラム記憶媒体に記憶しておけば、パソコン等を使用して加工形状の予測、加
工条件の決定ができるので、それを使用して人間が加工装置に指令を与え、目標とする加
工を行うことができる。又、図3に示すような加工条件決定システムを計算機で構成する
ことができ、そのときは、その計算機のプログラム記憶媒体に、このようなプログラムを
記憶させておくことができる。
さらに、図4に示す加工システムのように、加工条件決定手段から出力された加工条件
を人間を介さずに直接加工装置制御手段へ入力し、加工装置制御手段が、その加工条件が
実現されるように加工装置を制御するようにしてもよい。なお、図4においては、加工条
件決定手段から出力される加工条件が加工装置制御手段に入力され、加工装置制御手段が
加工装置を制御する部分以外は図3と同様である。
ところで、(1)式で示されるプレストンの式において、kは研磨剤に依存する値で、
圧力、速度に対して一定の値、つまり、比例定数であるとされており、今までの議論にお
いては、定数として扱ってきた。しかしながら、図12に示すような研磨装置において、
研磨剤19を研磨体21を通して供給するようにした場合、研磨体21から供給された研
磨剤19は、研磨体21の回転に従って研磨体21の外部へ排出され、また、研磨対象物
であるウエハ17の回転によって、研磨に寄与する系の外部へ排出される。この研磨剤1
9の排出は、研磨装置の形態に大きく依存するものであり、図12のように小径パッドの
ような研磨装置においては、その研磨剤の供給、排出の影響は非常に大きい。
この研磨における研磨剤の流れの模式図を図5に示す。図5は研磨体を通して供給され
た研磨剤のある時間における状態を示したものである。研磨開始状態において、1(丸枠
)に示すように、研磨ヘッドの研磨剤供給口から研磨体21、研磨対象物17の界面に研
磨剤19が供給される。そして、研磨時間が進行すると、研磨体21の揺動にしたがって
、1(丸枠)で供給された研磨剤19の一部が、2(丸枠)に示すように研磨の系の外部
に排出される。
ここで排出されずに残った研磨剤19は、3(丸枠)に示すように研磨対象物17上に
回転による遠心力によって拡散する。そして、3(丸枠)に示すように研磨対象物17上
に広がった研磨剤19は、研磨対象物19の回転に伴う遠心力によって、4(丸枠)に示
すように研磨の系の外部に排出される。この4(丸枠)のプロセスで排出されなかった一
部の研磨剤19は、再び1(丸枠)に示す研磨体21と研磨対象物17の界面に導入され
ようとするが(5(丸枠)→1(丸枠))、研磨剤の流れに波状のうねりが生じ、一部は
、6(丸枠)に示すように、そのまま研磨の系の外部に排出される。
このように、単位時間あたり供給される研磨剤の量を1としたとき、2(丸枠)のよう
な状態で研磨の系外に排出される研磨剤量は、研磨体の遠心力に比例するとし、
A*V
でモデル化する。ここでAは定数、Vは研磨体の回転数である。
また、2(丸枠)のような状態で研磨の系外に排出される研磨剤量は、研磨対象物の遠
心力に比例するとし、
B*V
でモデル化する。ここでBは定数、Vは研磨対象物の回転数である。
さらに、6(丸枠)のような状態で研磨の系外に排出される研磨剤量は、研磨体と研磨
対象物の速度差に比例するとし、
C*|V−V
でモデル化する。ここにCは定数である。
すると、単位時間当たり系外に排出される流量は、
(A*V +B*V +C*|V−V|)
となり、
W={1−(A*V +B*V +C*|V−V|)}
だけの流量が排出されずに研磨の系内に残ることになる。
これが研磨剤の使用効率であると考えることができる。この使用効率は、スラリーの供
給量に応じて、回転数の関数として表される。残った研磨剤が循環使用されると考えると
、単位時間当たり1だけ研磨剤を供給すると、
1/(1−W)
だけの研磨剤を供給していることと同じになる。このWを決定する定数A、B、Cは、研
磨レシピによって変わるので、同じだけ研磨剤を供給しても、実際に研磨に使用されてい
る研磨剤の量は、研磨レシピによって変わることになる。
そこで、(4)式の代わりに、
R=k*V’*P*T*Pr/(1−W) …(4’)
を採用すれば、研磨剤の使用効率を考慮したシミュレーションが可能になる。
以下、本発明の加工システムを使用した半導体デバイスの製造方法について説明する。
図6は、半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。半導体デバイス製造
プロセスをスタートして、まずステップS200で、次に挙げるステップS201〜S2
04の中から適切な処理工程を選択する。選択に従って、ステップS201〜S204の
いずれかに進む。
ステップS201はウエハの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はC
VD等によりウエハ表面に絶縁膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウエ
ハ上に電極を蒸着等の工程で形成する電極形成工程である。ステップS204はウエハに
イオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
CVD工程もしくは電極形成工程の後で、ステップS205に進む。ステップS205
はCMP工程である。CMP工程では本発明による加工システムにより、層間絶縁膜の平
坦化や、半導体デバイスの表面の金属膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が
行われる。
CMP工程もしくは酸化工程の後でステップS206に進む。ステップS206はフォ
トリソ工程である。フォトリソ工程では、ウエハへのレジストの塗布、露光装置を用いた
露光によるウエハへの回路パターンの焼き付け、露光したウエハの現像が行われる。更に
次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後
レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング
工程である。
次にステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステ
ップS200に戻り、先のステップを繰り返して、ウエハ上に回路パターンが形成される
。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
<実施例1>
研磨パッドがウエハよりも小さい小径パッドである図12に示すような研磨装置を用い
て研磨を行った。研磨パッドは外形170mm、内径60mmのドーナツ型のものを用い
、200mmφの熱酸化膜ウエハを研磨した。ウエハの周囲にはリテーナを置き、その表
面高さはウエハ表面から−15μmとした。使用スラリーは、SS25(キャボットIL
Dスラリー)であった。
補正式としては、研磨パッド半径方向の存在確率を示す式として、
Figure 2013118404
を用いた。ここで、rは研磨パッドの半径方向位置、routは、研磨パッド外径、r
は研磨パッド内径、a、b、dは補正係数である。
この補正式を用いて、
R=k*P*V*T*Pr …(8)
として、研磨量Rを算出した、k、P、V、Tは、(1)式と同じ意味の変数である。補
正係数を変化させて算出した研磨量と、実施の研磨量が最良の一致をみる補正係数を最小
二乗法で算出したところ、a=240、b=0.2、d=0.3を得た。
これらの係数を用いて、研磨形状を均一にする条件を探索した。その結果、研磨パッド
回転数100rpm、ウエハの回転数100rpm、研磨パッドの揺動スタート位置25
mm、揺動ストローク40mmであった。
この条件で研磨を行ったところ、シミュレーションで求めた研磨形状と、実研磨形状の
一致度は良く、研磨量の3%に相当する値が、研磨量のばらつきの1σに相当した。この
一連の条件出しに使用したウエハは1枚であり、その所要時間は計算のみで1分、研磨、
計測作業も含めると約30分であった。
<実施例2>
実施例1と同じ研磨装置を用いて研磨を行った。研磨パッドは外形170mm、内径6
0mmのドーナツ型のものを用い、200mmφの熱酸化膜ウエハを研磨した。ウエハの
周囲にはリテーナを置き、その表面高さはウエハ表面から−15μmとした。使用スラリ
ーは、SS25(キャボットILDスラリー)であった。
補正係数導出研磨条件として、研磨パッド回転数100rpm、ウエハ回転数100r
pm、パッドとウエハの中心間距離を23mmとして、揺動なしの条件にて研磨を行った
補正係数導出研磨条件として、研磨パッド回転数100rpm、ウエハ回転数100r
pm、パッドとウエハの中心間距離を23mmとして、揺動なしの条件にて研磨を行った
補正式として、高速時には相対速度V’を非線型な式として、
V’=1−exp(−gV) …(2)
(gは速度補正係数)とし、また、研磨剤の供給排出に応じた実効的な研磨パッド位置の
研磨効率の違いをしめす研磨体実効確率Prを、
Figure 2013118404
とした。ここで、rは、研磨体の半径方向位置、routは研磨体の外径、aは研磨体補
正係数である。
この補正式を用いて、
R=k*V’*P*T*Pr …(4)
に代入し、補正係数を変化させて算出した研磨量と、実施の研磨量が最良の一致をみる補
正係数を最小二乗法で算出したところ、a=50、g=15であった。
これらの係数を用いて、研磨形状を均一にする条件を探索した。その結果、研磨パッド
回転数100rpm、ウエハの回転数100rpm、研磨パッドの揺動スタート位置25
mm、揺動ストローク40mmであった。
この条件で研磨を行ったところ、シミュレーションで求めた研磨形状と、実研磨形状の
一致度は良く、研磨量の3%に相当する値が、研磨量のばらつきの1σに相当した。この
一連の条件出しに使用したウエハは1枚であり、その所要時間は計算のみで1分、研磨、
計測作業も含めると約30分であった。
<比較例1>
実施例に用いた研磨装置を用い、シミュレーションによる推定を使用せず、従来のよう
に人間の経験と勘により、研磨形状を均一にする条件を探索した。その結果、研磨量の3
%に相当する値が、研磨量のばらつきの1σに相当するという、実施例と同じ研磨条件を
見つけることができた。しかし、この条件を見つけるまでに20枚のウエハを使用し、所
要時間は3時間であった。
<比較例2>
最も一般的な研磨の式である下記のプレストンの式によるシミュレーションを行った。
R=k*P*V*t
このシミュレーションで、研磨均一性が最良な条件を抽出し、その条件にて研磨を行った
。その結果、研磨量の10%に相当する値が、研磨量のばらつきの1σに相当し、シミュ
レーションとは全くかけ離れた形状となった。
<実施例3>
研磨体回転数と研磨対象物回転数をパラメータとして研磨体のヤング率を計算する式を
作り、この式に基づいて決定されたヤング率を使用して研磨量の計算を行い、実測値との
誤差を求めた。
研磨装置としては株式会社ニコン製NPS2301を用い、8インチウエハ上に膜厚1
.5μmの銅薄膜を形成したものを研磨対象物として用いた。研磨体としては外径170
mm、内径60mmのドーナツ型のロデール・ニッタ製IC1400を用いた。ウエハ回
転速度は500rpm、研磨体回転速度は150rpmとし、加工圧力として19.8k
Paを加えた。研磨中、研磨剤としてフジミ製PL7101を100mL/min供給し
た。また、研磨体を5〜55mmの範囲に亘って40mm/secの速度で揺動(往復運
動)させた。加工時間は、0.5minとした。このとき、研磨体のヤング率として、計
算により求まった4.41kPa/μmを使用した。
図7にその結果を示す。図7において実線で示されたデータがウエハ半径方向の加工量
計算値であり、四角で示されたものが実測値である。両者は非常に良く一致していること
が分かる。
<比較例3>
研磨体回転数と研磨対象物回転数をパラメータとして研磨体のヤング率を計算する式を
作り、この式に基づいて決定されたヤング率を使用して研磨量の計算を行い、実測値との
誤差を求めた。このときの研磨条件は実施例3に示したものと同じである。ただし、研磨
体のヤング率としては、オフラインで実測により求められた値である1.47kPa/μ
mを使用した。この計算結果を図7において破線で示す。図7を見ると分かるように、実
測データである四角の値と、中央部において大きな乖離が見られる。
<実施例4>
研磨体回転数と研磨対象物回転数をパラメータとして研磨体のヤング率を計算する式を
作り、この式に基づいて決定されたヤング率を使用して研磨量の計算を行い、実測値との
誤差を求めた。このとき、実施例3におけるウエハの周りに、外径325mm、内径20
1.5mmで、ウエハ面と20μmの段差(ウエハ面に対して凹み)を有するリテーナを
設置し、実施例3と同じ条件で研磨を行い、研磨量の計算値と実測値を求めた。このとき
、研磨体のヤング率として、計算により求まった4.41kPa/μmを使用した。その
結果を図8に示す。図8において実線で示されたデータがウエハ半径方向の加工量計算値
であり、四角で示されたものが実測値である。両者は非常に良く一致していることが分か
る。
<比較例4>
研磨体回転数と研磨対象物回転数をパラメータとして研磨体のヤング率を計算する式を
作り、この式に基づいて決定されたヤング率を使用して研磨量の計算を行い、実測値との
誤差を求めた。研磨は実施例4と同じ条件で行い、計算値を求めるに当たっては、研磨体
のヤング率として、オフラインで実測により求められた値である1.47kPa/μmを
使用した。この計算結果を図8において破線で示す。図8を見ると分かるように、実測デ
ータである四角の値と、中央部及び周辺部において大きな乖離が見られる。
<実施例5>
研磨パッドがウエハよりも小径パッドである図12に示すような研磨装置を用いて研磨
を行った。研磨パッドは外形170mm、内径60mmのドーナツ型のものを用い、20
0mmφのCuウエハを研磨した。研磨剤はフジミ社製PL7102使用し、研磨体を通
して100ml/minの流量を供給した。
研磨パッド回転数は、100、300、500rpmの3条件、研磨対象物であるウエ
ハの回転数は、100、200、300、−100、−200、−300rpmの6条件
とし、これらを組み合わせた18条件(サンプル)で研磨を行った。このときの揺動条件
はスタートポジション20mm、揺動幅は50mm、荷重は190g/cmとした。ま
た、研磨時間は60秒とした。
これらの18条件における、研磨体の回転速度(Head sp)、ウエハの回転速度(Wa
fer sp)を表1に示す。
これらの18条件について、単純なプレストンの式による研磨量(体積)を計算した。
さらに実際に研磨した研磨量(体積)を測定し、(研磨量)/(計算による研磨量)を求
めた。その結果を図9に白抜きの棒グラフで示す。図9において横軸はサンプル番号(1
〜18)を示し、縦軸は、(研磨量)/(計算による研磨量)をサンプル番号4で規格化
した値を示す。もし、プレストンの式が成り立つのであれば、(研磨量)/(計算による
研磨量)=1となるはずであるが、各サンプルにおいて、この値は1を大きく外れている
(表1にPolishとして示す)。これは、実際の研磨がプレストンの式では表されないこと
を示している。
そこで、前記(4’)式を用いて、フィッティグ計算を行ったところ、Wを計算する式
においてA=0.006、B=0.040、C=0.040とすることにより、最小二乗
法における最適フィッティングができた。フィッティングにより求まった各係数を用いて
研磨量を計算により求めた。この研磨量のことを「補正計算による研磨量」と称する。
図9に、(補正計算による研磨量)/(計算による研磨量)を、サンプル番号4で規格
化した値を、灰色の棒グラフで示す。「計算による研磨量」は、前記プレストンの式を用
いて求めた研磨量のことである。分母が同じであるので、図9の白抜きの棒グラフと灰色
の棒グラフとの差は、実際の研磨量と補正計算による研磨量の差を示す。これらは、非常
に良く一致していることが分かる。よって、研磨剤の効率を考慮した本実施例によれば、
研磨量を正確にシミュレーションすることができる。なお、表1に、Fittingとして、灰
色の棒グラフの値を示す。
Figure 2013118404
11…ウエハ、12…層間絶縁膜、13…金属膜、14…半導体デバイス、15…研磨部
材、16…研磨対象物保持部(研磨ヘッド)、17…ウエハ、18…研磨剤供給部、19
…研磨剤(スラリー)、20…定盤、21…研磨体(研磨パッド)

Claims (25)

  1. 被加工物を加工する加工条件によって決定される加工形状を予測するシミュレーション
    モデルであって、当該シミュレーションモデル中に補正係数を含むものを作成し、簡単な
    加工条件で加工を行った際の実際の加工形状に、前記シミュレーションモデルによって求
    められた加工形状が近くなるように前記補正係数を決定し、補正係数が決定された前記シ
    ミュレーションモデルを使用して、与えられた加工条件に対応する加工形状を予測するこ
    とを特徴とする加工形状の予測方法。
  2. 請求項1に記載の加工形状の予測方法であって、加工方法が、研磨体と研磨対象物との
    間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相対移動させることにより
    当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とする加工形状の予測方法。
  3. 請求項2に記載の加工形状の予測方法であって、前記シミュレーションモデルが、前記
    研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体の回転速度、前記研磨対
    象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の半径方向位置、前記研磨
    剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数とする関数を含むことを
    特徴とする加工形状の予測方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の加工形状の予測方法であって、前記シミュレーションモ
    デルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴とする加工形状の予測方法。
  5. 請求項4に記載の加工形状の予測方法であって、前記研磨剤の使用効率が、前記研磨体
    の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数により決定されることを特
    徴とする加工形状の予測方法。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の加工形状の予測方法により、要素と
    なる加工条件と当該加工条件で加工を行ったときに得られる加工形状要素の関係を予め求
    めておき、当該加工形状要素の組み合わせが目的とする所定の形状に近くなるような、前
    記要素となる加工条件の組み合わせを求め、その組み合わせを加工条件とすることを特徴
    とする加工条件の決定方法。
  7. 弾性的性質をもつ研磨体を研磨対象物に押圧しながら相対運動させ、前記研磨対象物を
    研磨加工する加工装置についての加工量を予測する加工量予測方法であって、加工量予測
    計算に使用される前記押圧力と前記研磨体の変形量とを関連づける係数を、前記研磨体と
    前記研磨対象物の接触相対速度、前記研磨体の回転数、前記研磨対象物の回転数の少なく
    ともいずれかを独立変数とする関数で近似して求めることを特徴とする加工量予測方法。
  8. 請求項7に記載の加工量予測方法であって、前記押圧力と前記研磨体の変形量とを関連
    づける係数がヤング率であり、前記接触相対速度、前記研磨体の回転数、前記研磨対象物
    の回転数の少なくとも一つを独立変数とする関数が、前記接触相対速度、前記研磨体の回
    転数、前記研磨対象物の回転数のそれぞれの上昇に伴い、前記ヤング率が大きく(前記研
    磨体が硬く)なるような関数であることを特徴とする加工量予測方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の加工量予測方法であって、前記関数が、表面に段差を設
    けた前記研磨対象物を研磨し、そのときの研磨量の実測データにフィッティグすることに
    よって求められたものであることを特徴とする加工量予測方法。
  10. 請求項7又は請求項8に記載の加工量予測方法であって、前記関数が、前記研磨対象物
    の表面より凹んだ表面を有するリテーナリングを前記研磨対象物を取り囲むように設置し
    た状態で、前記研磨対象物を研磨し、そのときの研磨量の実測データにフィッティグする
    ことによって求められたものであることを特徴とする加工量予測方法。
  11. 被加工物を加工する加工条件によって決定される加工形状を予測する加工形状予測シス
    テムであって、加工条件を入力する手段と、被加工物を加工する加工条件によって決定さ
    れる加工形状を予測するシミュレーションモデルであって、当該シミュレーションモデル
    中に補正係数を含むものを記憶するモデル記憶手段と、当該シミュレーションモデル記憶
    手段中に入力された加工条件によって加工された実際の加工形状を入力する加工形状入力
    手段と、当該加工条件に対応して前記シミュレーションモデルによって予測される形状が
    、前記加工形状入力手段によって入力された実際の加工形状に近くなるように、前記補正
    係数を決定する補正係数決定手段とを有することを特徴とする加工形状予測システム。
  12. 請求項11に記載の加工形状予測システムであって、加工方法が、研磨体と研磨対象物
    との間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相対移動させることに
    より当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とする加工形状予測システム。
  13. 請求項12に記載の加工形状予測システムであって、前記シミュレーションモデルが、
    前記研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体の回転速度、前記研
    磨対象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の半径方向位置、前記
    研磨剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数とする関数を含むこ
    とを特徴とする加工形状予測システム。
  14. 請求項11又は請求項12に記載の加工形状予測システムであって、前記シミュレーシ
    ョンモデルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴とする加工形状予測シ
    ステム。
  15. 請求項14に記載の加工形状予測システムであって、前記研磨剤の使用効率が、前記研
    磨体の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数により決定されること
    を特徴とする加工形状予測システム。
  16. 請求項11から請求項15のうちいずれか1項に記載の加工形状予測システムを含み、
    目的とする加工形状を入力する手段と、要素となる加工条件と当該加工条件で加工を行っ
    たときに得られる加工形状要素の関係を予め求めて記憶しておく加工条件要素記憶手段と
    、当該加工形状要素の組み合わせが目的とする所定の形状に近くなるような、前記要素と
    なる加工条件の組み合わせを求め、その組み合わせを加工条件とする加工条件決定手段と
    を有することを特徴とする加工条件決定システム。
  17. 工具と被加工物との間に砥粒を介在させた状態で、前記工具と前記被加工物とを相対移
    動させることより前記被加工物を加工する加工装置を用いた加工システムであって、加工
    後の前記被加工物の目標表面形状を入力する手段と、請求項6に記載の加工条件の決定方
    法を用いて加工条件を決定する手段、又は請求項16に記載の加工条件決定システムと、
    決定された加工条件に従うように前記加工装置を制御する手段とを有することを特徴とす
    る加工システム。
  18. 被加工物を加工する加工条件によって決定される加工形状を予測するシミュレーション
    モデルを記述した計算機プログラムであって、当該シミュレーションモデル中には補正係
    数が含まれ、所定の条件で加工を行った場合に実際に加工された形状を入力し、前記シミ
    ュレーションモデルにより予測された形状が、入力された形状に近くなるように、前記補
    正係数を決定する処理プロセスを有する加工形状予測計算機プログラム。
  19. 請求項18に記載の加工形状予測計算機プログラムであって、加工方法が、研磨体と研
    磨対象物との間に研磨剤を介在させた状態で、当該研磨体と研磨対象物とを相対移動させ
    ることにより当該研磨対象物を研磨する研磨であることを特徴とする加工形状予測計算機
    プログラム。
  20. 請求項19に記載の加工形状予測計算機プログラムであって、前記シミュレーションモ
    デルが、前記研磨体が前記研磨対象物の所定位置に存在する時間、前記研磨体の回転速度
    、前記研磨対象物の回転速度、前記研磨体の半径方向位置、前記研磨対象物の半径方向位
    置、前記研磨剤の流量、前記研磨体の局所荷重のうち、少なくとも1つを変数とする関数
    を含むことを特徴とする加工形状予測計算機プログラム。
  21. 請求項19又は請求項20に記載の加工形状予測計算機プログラムであって、前記シミ
    ュレーションモデルが、研磨剤の使用効率を変数とする関数を含むこと特徴とする加工形
    状予測計算機プログラム。
  22. 請求項21に記載の加工形状予測計算機プログラムであって、前記研磨剤の使用効率が
    、前記研磨体の回転速度、前記研磨対象物の回転速度を変数として含む関数により決定さ
    れることを特徴とする加工形状予測計算機プログラム。
  23. 請求項18から請求項22のうちいずれか1項に記載の加工形状予測計算機プログラム
    を含み、要素となる加工条件と当該加工条件で加工を行ったときに得られる加工形状要素
    の関係を予め求めて記憶しておき、当該加工形状要素の組み合わせが目的とする所定の形
    状に近くなるような、前記要素となる加工条件の組み合わせを求め、その組み合わせを加
    工条件とする処理プロセスを有することを特徴とする加工条件決定計算機プログラム。
  24. 請求項18から請求項23のうちいずれか1項に記載の加工形状予測計算機プログラム
    、加工条件決定計算機プログラムのうち少なくとも一つを記録したプログラム記録媒体。
  25. 請求項17に記載の加工システムを使用し、ウエハを加工する工程を有することを特徴
    とする半導体デバイスの製造方法。
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