JP2013117292A - トルクコンバータ - Google Patents

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    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/246Details relating to one way clutch of the stator

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Abstract

【課題】軸方向長さを抑制した、複数のステータが配置されたトルクコンバータを提供する。
【解決手段】トルクコンバータ10のステータ16は、回転軸線O方向に並設された第1ステータ17と第2ステータとから構成される。第1ステータ17の第1ハブ17dの内周面に回転軸線O方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチプレート41と、第2ステータ18の第2ハブ18dの外周面に回転軸線O方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチディスク42とが回転軸線O方向に交互に配置されて構成され、第1ステータ17を第2ステータ18に対して一方向のみの回転を許容する第1ワンウェイクラッチ40を備える。さらに、第2ハブ18dの内周面と第2ステータ18より半径方向内側に固定された固定軸31との間に配置され、第2ステータ18を固定軸31に対して一方向のみの回転を許容する第2ワンウェイクラッチ50を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のステータが配置されたトルクコンバータに関する。
昨今、燃費向上を目的として、クルーズ走行時のエンジン回転数抑制と、登坂、発進性能の向上とを両立して満たすために、自動変速機の多段化によるレシオレンジの拡大が進んでいる。しかしながら、自動変速機本体のレシオレンジの拡大だけでは、コストや重量増加の観点から対応できない場合がある。
そこで、トルクコンバータの特に低速度比域のトルク比を増加させて、レシオレンジを拡大することが望まれている。また、クルーズ走行時等のトルクコンバータの滑り損失を低減するために、特に高速度比域の容量係数を増加することが望まれている。このような背景から、トルクコンバータには、高トルク比と高容量とを両立させた性能が要求されている。
このような要求を満たすために、複数のステータを配置して、速度比域に応じて、タービンランナからの作動油の流れの向きをステータで適切に変えることが可能なトルクコンバータが提案されている。例えば、特許文献1には、低速度比域の高トルク比と高速度比域の高容量とを両立させるために、2つのステータをそれぞれ別個のワンウェイクラッチを介して回転不動な固定軸に連結させたトルクコンバータが開示されている。
実開昭62−100365号公報
しかしながら、上記特許文献1のトルクコンバータでは、各ステータのワンウェイクラッチがトルクコンバータの軸方向に並べて配置されているので、トルクコンバータの軸方向長さが長くなる。そのため、トルクコンバータを含む自動変速機全体の軸方向長さが長くなり、自動変速機全体の重量が増加するという課題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、軸方向長さを抑制した、複数のステータが配置されたトルクコンバータを提供することを目的とする。
本発明は、ポンプインペラに入力された回転力を、前記ポンプインペラとタービンランナとステータとの間を循環する流体を伝達媒体として、前記タービンランナに伝達するトルクコンバータであって、前記ステータは、前記タービンランナ側に配置される第1ステータと前記ポンプインペラ側に配置される第2ステータとが前記ポンプインペラの回転軸線方向に並設することにより構成され、前記第1ステータは、前記第2ステータ側に突出する環状の第1突出部を有し、前記第2ステータは、前記第1突出部よりも半径方向内側に、前記第1ステータ側に突出する環状の第2突出部を有し、当該トルクコンバータは、さらに、前記第1突出部の内周面に前記回転軸線方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチプレートと、前記第2突出部の外周面に前記回転軸線方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチディスクとが前記回転軸線方向に交互に配置されて構成され、前記第1ステータを前記第2ステータに対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第1ワンウェイクラッチ、及び、前記第2突出部の内周面と前記第2ステータより半径方向内側に固定された固定部材との間に配置され、前記第2ステータを前記固定部材に対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第2ワンウェイクラッチを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1ワンウェイクラッチを構成するクラッチプレートが第1突出部に、クラッチディスクが第2突出部にそれぞれ取り付けられている。これにより、第1ワンウェイクラッチと第2ワンウェイクラッチとは前記回転軸線を中心として同心円状に配置され、且つ、第1ワンウェイクラッチは第2ワンウェイクラッチの外周側に配置される。
従って、2つのワンウェイクラッチを軸方向に並べた上記特許文献1に記載されたトルクコンバータと比較して、トルクコンバータの軸方向長さを減少させることが可能となる。
また、本発明において、前記第1ステータを前記タービンランナ側へ押圧する押圧部材を備えたことが好ましい。
この場合、使用頻度が高いカップリングレンジ状態にて第1ステータと第2ステータとの回転差がなくなったとき、押圧部材で第1ステータをタービンランナ側へ押圧することにより、クラッチプレートとクラッチディスクとが非接触となるので、第1ワンウェイクラッチで発生する引き摺りトルクが非常に小さくなる。これにより、第1ワンウェイクラッチでの動力損失は少なくなり、伝達効率が良好となる。
本発明の実施形態に係るトルクコンバータの上半分を示す断面図。 図1の第1及び第2ワンウェイクラッチの周辺を示す拡大断面図。 速度比とトルク比及び容積係数との関係を示すグラフ。 作動油の流れとステータブレードに作用する力との関係を説明する図であり、(a)は低速度比域、(b)は中速度比域、(c)は高速度比域をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態に係るトルクコンバータ10について説明する。
図1に示すように、トルクコンバータ10は、3種の羽根車、すなわちポンプインペラ12、タービンランナ14及びステータ16と、フロントカバー21とを備えている。ポンプインペラ12、タービンランナ14及びステータ16によって作動油を循環させる環状経路が形成されている。
トルクコンバータ10は、さらに、2つのワンウェイクラッチ40,50と、タービンランナ14とフロントカバー21との間に配置されたロックアップクラッチ22とを備えている。
ポンプインペラ12は、図示しないエンジンの出力が伝達される図示しない駆動軸(エンジンクランクシャフト)に連結された図示しないフライホイールに取り付けられている。
タービンランナ14は、ポンプインペラ12に対向して配置されており、ポンプインペラ12の環状流体吐出口に近接して配置された環状流体流入口を有し変速機構に結合されている。ステータ16は、タービンランナ14からポンプインペラ12に流入する作動油の流れを偏向する。
ポンプインペラ12は、椀状に形成された外側のポンプシェル12a、内側のポンプコアリング12b、及び基端部がポンプコアリング12bに取り付けられた複数のポンプブレード12cから構成されている。
ポンプシェル12aの外周端は、回転軸線Oに沿って回転する前記駆動軸に連結されたフロントカバー21に取り付けられている。そして、ポンプシェル12aの内周端は、ポンプハブ13に固定されている。これにより、ポンプインペラ12は、環状に形成され、回転軸線Oに沿って回転するように構成されている。なお、ポンプハブ13内には、出力軸30が回転軸線Oを中心として回転可能に配置されている。
タービンランナ14は、椀状に形成された外側のタービンシェル14a、内側のタービンコアリング14b、及び基端部がタービンコアリング14bに取り付けられた複数のタービンブレード14cから構成されている。
タービンシェル14aの内周端は、リベット23によってタービンハブ15に固定されている。タービンハブ15は出力軸30に結合されており、タービンランナ14は出力軸30と一体に回転する。
ステータ16は、ポンプインペラ12とタービンランナ14との間に挟まれるように配置されている。
ステータ16は、トルクコンバータ10の軸方向に並んで配置される第1ステータ(1段目ステータ)17と第2ステータ(2段目ステータ)18とから構成されている。なお、トルクコンバータ10の軸方向は、回転軸線Oが延びる方向であり、以下、単に「軸方向」ともいう。
第1ステータ17は、内側の第1シェル側リング17a、外側の第1コア側リング17b、及び、基端部が第1シェル側リング17aに取り付けられた複数の第1ステータブレード17cから構成されている。
第2ステータ18も、第1ステータ17と同様に構成されている。第2ステータ18は、内側の第2シェル側リング18a、外側の第2コア側リング18b、及び、基端部が第2シェル側リング18aに取り付けられた複数の第2ステータブレード18cから構成されている。
各ステータブレード17c,18cは、それぞれシェル側リング17a,18aの外周面に固定され、半径方向外方に延びている。
図4(a)も参照して、第1ステータブレード17cは、翼形状の断面を有しており、タービンランナ14側端は丸みを帯びた頭部に、ポンプインペラ12側端は細長い尾部になっている。第1ステータブレード17cの表面(図4(a)における下面)は湾曲凹形状に、背面(図4(a)における上面)は湾曲凸形状にそれぞれ形成されている。
第2ステータブレード18cは、細長い概略長方形状の断面を有しており、タービンランナ14側端とポンプインペラ12側端とはともに丸みを帯びている。第2ステータブレード18cの表面は若干湾曲凹形状に、背面は若干湾曲凸形状にそれぞれ形成されている。
なお、第2ステータブレード18cの出口角度α2は、第1ステータブレード17cの出口角度α1より大きく設定されている。なお、出口角度とは、ステータブレード17c,18cの肉厚の中心を結ぶ中心線の出口側端における接線と、回転軸線Oに平行な線O1とがなす角度である。
第1ステータ17は、第1ワンウェイクラッチ40を介して第2ステータ18に支持されている。一方、第2ステータ18は、第2ワンウェイクラッチ50を介して図示しないハウジングにより回転不能に支持された固定軸31に支持されている。
第1ワンウェイクラッチ40と第2ワンウェイクラッチ50とは回転軸線Oを中心として同心円状に配置されている。そして、第1ワンウェイクラッチ40は第2ワンウェイクラッチ50の外周側に配置されている。
図2に示すように、第1ワンウェイクラッチ40は、第1ステータ17に作用する反力に応じて軸方向に作動する摩擦式クラッチであり、クラッチプレート41とクラッチディスク42とが軸方向に交互に配置されて構成されている。
第1シェル側リング17aには、第2ステータ18側へ軸方向に突出する突出部である第1ハブ17dが形成されている。そして、第1ハブ17dにクラッチプレート41が軸方向のみに移動可能に取り付けられている。実施形態では、第1ハブ17dの内周側に形成されたスプラインに、各クラッチプレート41の外周側に形成されたスプラインを係合させることによって、第1ハブ17dに複数のクラッチプレート41が取り付けられている。
第2シェル側リング18aには、第1ハブ17dよりも半径方向内側にて第1ステータ17側へ軸方向に突出する第2ハブ18dが形成されている。そして、第2ハブ18dにクラッチディスク42が軸方向のみに移動可能に取り付けられている。実施形態では、第2ハブ18dの外周側に形成されたスプラインに、各クラッチディスク42の内周側に形成されたスプラインが係合させることによって、第2ハブ18dに複数のクラッチディスク42が取り付けられている。
なお、実施形態では、第1ハブ17dにクラッチプレート41が、第2ハブ18dにクラッチディスク42がそれぞれ取り付けられている。ただし、これとは逆に、第1ハブ17dにクラッチディスク42を、第2ハブ18dにクラッチプレート41をそれぞれ取り付けてもよい。
さらに、第1ステータ17と第2ステータ18との間には、第1シェル側リング17aをタービンランナ14側へ押圧する押圧部材43が配置されている。ここでは、押圧部材43は、皿ばね等の周知のばねからなる付勢部材である。ただし、押圧部材43は、制御装置に接続された油圧装置などから構成してもよい。
第2ワンウェイクラッチ50は、固定軸31にスプライン嵌合された内輪51と、内輪51の周囲に配置された外輪52と、内輪51と外輪52との間に設けられた係合体53とから構成されている。そして、外輪52は第2ステータ18に固定されている。実施形態では、外輪52の外周側に形成されたスプラインに、第2ステータ18の第2ハブ18dの内周側に形成されたスプラインを嵌合させることによって、第2ハブ18dに外輪52が固定されている。
さらに、ポンプハブ13と第2シェル側リング18aとの軸方向間には第1スラストベアリング24が配置されている。また、タービンハブ15と第1シェル側リング17aとの軸方向間には第2スラストベアリング25が配置されている。
(トルクコンバータの作動)
以上のように構成されたトルクコンバータ10において、車両速度が所定の値に達するなどの条件を満たす場合には、図示しない油圧装置を作動させてロックアップクラッチ22をオンさせることにより、ポンプインペラ12とタービンランナ14とは直結状態に保持され、前記図示しない駆動軸の動力は直接自動変速機側に伝達される。
一方、ロックアップクラッチ22がオフ(ロックアップ解除)されているときには、フロントカバー21とタービンランナ14との間のトルク伝達は、ポンプインペラ12とタービンランナ14との間の流体伝達によって行われる。
駆動軸が回転してフロントカバー21が回転すると、これに取り付けられたポンプシェル12aも同時に回転する。このポンプインペラ12の回転によって、作動油に図1に矢印で示す流れが生じ、この流れがステータ16を介して伝達されてタービンランナ14が回転する。そして、このタービンランナ14の回転と一体に出力軸30も回転し、この出力軸30に接続された図示しない変速機の入力軸が回転駆動する。
ポンプインペラ12からタービンランナ14に流れる作動油はタービンランナ14を回転させた後、ステータ16に向う。ステータ16を通過する際、作動油はステータブレード17c,18cに当接して向きが変えられ、ポンプインペラ12に戻される。
作動油の流れによってタービンランナ14はトルクを発生させ、このトルクがタービンハブ15及び出力軸30を介して図示しない変速機構の入力軸に伝達される。この動作中、ステータ16は作動油の流れの向きを変え、ポンプインペラ12からタービンランナ14に伝達されるトルクを増幅させる働きをする。なお、作動油がポンプインペラ12とタービンランナ14との間を循環するトルクの伝達媒体に該当する。
トルクコンバータ10の運転状態に応じて発生した旋回流によって、作動油はタービンランナ14からステータ16に流れ込む。そして、この作動油は、第1及び第2ステータブレード17c,18cに当接し、これらに沿って流れ、ポンプインペラ12に流れ込む。
タービンランナ14からステータ16へ流れ込む作動油の流入角度は、速度比e、すなわちタービンランナ14とポンプインペラ12との速度比に大きく依存し、速度比eが低いほど、作動油によってステータ16に発生するスラスト力は大きくなる。
ここでは、図3に示すように、速度比eの高低に応じて3つの領域R1〜R3に分けて、各領域におけるトルクコンバータ10の作動を説明する。
(低速度比域)
速度比eが例えば0〜0.3程度の低速度比域R1では、図4(a)に示すように、タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油の速度V1はスラスト成分が大きい。このため、この作動油の流れによって第1ステータブレード17cには大きなスラスト力S1が発生する。
そして、このスラスト力S1は、このスラスト力S1と逆向きの押圧部材43の押圧力Pよりも大きい。第1ステータ17は第2ステータ18の方向に移動可能に構成されているが、押圧力Pに勝るスラスト力S1が推力となって、第1ステータ17は第2ステータ18側に移動した状態となっている。
これにより、第1ワンウェイクラッチ40のクラッチプレート41とクラッチディスク42とが摩擦係合して、第1ステータ17が第2ステータ18に対して移動不可能に係止される。この時、第2ステータ18は第2ワンウェイクラッチ50によって停止状態にあり、第1ステータ17も停止状態が維持される。
タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油によって、第1及び第2ステータブレード17c,18cには半径方向外方向(図4(a)における上方向)に力が発生する。しかし、第1及び第2ステータ17,18は回転不可能であり静止した状態が維持されるので、前記力の反力として、第1及び第2ステータ17,18に半径方向外方向にトルクT1が発生する。
ステータブレード17c,18cに当接して流れの向きを変えられた作動油は、ポンプインペラ12へと流れ込み、ポンプインペラ12の回転を後押しする。このように、低速度比域R1では、トルク増大作用が行われ、トルク比Kは高くなる。
(中速度比域)
速度比eが大きくなるに従ってタービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油の速度V2のスラスト方向の成分は小さくなり、この作動油の流れによって第1ステータブレード17cに発生するスラスト力S1は小さくなる。そして、速度比eが例えば0.3程度〜0.8程度の中速度比域R2になると、図4(b)に示すように、このスラスト力S2が押圧部材43の押圧力Pより小さくなる。このとき、第1ステータ17はフロントカバー21側へと移動し、第1ワンウェイクラッチ40による第1ステータ17と第2ステータ18との係合は解除される。
なお、押圧部材43が皿ばね等のばねからなる場合、第1ワンウェイクラッチ40による係合の解除はばねの付勢力である押圧力Pとスラスト力S1との大小に応じて定まるので、解除時の応答性が良好であり、固定状態にある第1ステータ17がスムーズに回転を開始する。また、回転する第1ステータ17による第1ワンウェイクラッチ40での引き摺りトルクも小さい。
タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油は第1ステータブレード17cの背面に当接して第1ステータ17を回転させようとする力が作用する。そして、第1ワンウェイクラッチ40による係合は解除されているので、第1ステータ17は自由に、図4(b)の白抜き矢印方向に回転する。
一方、この時点でも第2ステータ18は依然として停止状態にある。タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油によって、第2ステータブレード18cには半径方向外方向に力が発生する。しかし、第2ステータ18は第2ワンウェイクラッチ50の係合により回転不可能であって静止した状態が維持されるので、前記力の反力として、第2ステータ18には半径方向外方向にトルクT2が発生する。
(高速度比域)
さらに速度比eが大きくなると、タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油の速度V3のスラスト方向の成分はさらに小さくなる。そして、速度比eが例えば0.8程度〜1の高速度比域R3になると、図4(c)に示すように、高速回転するタービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油は第2ステータブレード18cの背面に当接して第2ステータ18を回転させる。これにより、第2ワンウェイクラッチ50の係合は解除され、第2ステータ18も図4(c)の白抜き矢印方向に回転する。
特に、速度比eが1、すなわちトルクコンバータ10がカップリング状態に近付くと、第1ステータ17と第2ステータ18との回転差はなくなり、第1ステータ17の第1ハブ17dに係合されているクラッチプレート41と第2ステータ18の第2ハブ18dに係合されているクラッチディスク42との回転差は小さくなる。よって、引き摺りトルクは非常に小さくなるので、動力損失は少なく、伝達効率は良好となる。
また、第2ステータブレード18cの入口角度は、タービンランナ14からステータ16に流れ込む作動油の流入角度とほぼ一致するように設定されている。そのため、作動油は第2ステータブレード18cにほとんど衝突しないで滑らかに流れ剥離などが発生しないので、有効流路面積が減少しない。よって、高速度比域R3で高い容量係数τを得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステータ16は2つのステータ17,18から構成する場合について説明したが、ステータを3つ以上のステータから構成してもよい。また、第2ワンウェイクラッチ50の形式は限定されず、ラチェット式、スプラグ式、ローラ式等のワンウェイクラッチであってもよい。
以上説明したように、第1ワンウェイクラッチ40と第2ワンウェイクラッチ50とは回転軸線Oを中心として同心円状に配置され、且つ、第1ワンウェイクラッチ40は第2ワンウェイクラッチ50の外周側に配置されている。
具体的には、第1シェル側リング17aから第2ステータ18側に突出する第1ハブ17dに取り付けられたクラッチプレート41と、第2シェル側リング18aから第1ステータ17側に突出する第2ハブ18dに取り付けられたクラッチディスク42とから構成されている。そして、第2ワンウェイクラッチ50は、固定軸31にスプライン嵌合された内輪51と、第2ハブ18dに固定された外輪52と、内輪51と外輪52との間に設けられた係合体53とから構成されている。
これにより、2つのワンウェイクラッチを軸方向に並べた上記特許文献1に記載されたトルクコンバータと比較して、トルクコンバータの軸方向長さを減少させることが可能となる。
また、第1ワンウェイクラッチ40は、第1ステータ17に作用する反力に応じて軸方向に作動する摩擦式クラッチであり、クラッチプレート41とクラッチディスク42とが軸方向に交互に配置することにより構成されている。
そのため、高速度比域R3において第1ステータ17と第2ステータ18との回転差はなくなると、第1ステータ17の第1ハブ17dに係合されているクラッチプレート41と第2ステータ18の第2ハブ18dに係合されているクラッチディスク42との回転差は小さくなり、引き摺りトルクが非常に小さくなる。よって、第1ワンウェイクラッチ40での動力損失は少なく、伝達効率は良好となる。
さらに、第1ワンウェイクラッチ40は、トルクコンバータ10の運転状態に応じた旋回流により第1ステータ17に発生するスラスト力S1の大きさに基づいて、第1ステータ17の係合又は解除を行う。
よって、第1ステータ17の係合又は解除を行うために、特別な油路を設ける必要がなく、上記特許文献1に図示された従来のワンウェイクラッチと比較して部品点数を削減することができる。従って、トルクコンバータ10のコストを抑制することが可能となる。
10…トルクコンバータ、 12…ポンプインペラ、 12a…ポンプシェル、 12b…ポンプコアリング、 12c…ポンプブレード、 13…ポンプハブ、 14…タービンランナ、 14a…タービンシェル、 14b…タービンコアリング、 14c…タービンブレード、 15…タービンハブ、 16…ステータ、 17…第1ステータ、 17a…第1シェル側リング、 17b…第1コア側リング、 17c…第1ステータブレード、 17d…第1ハブ(第1突出部)、 18…第2ステータ、 18a…第2シェル側リング、 18b…第2コア側リング、 18c…第2ステータブレード、 18d…第2ハブ(第2突出部)、 21…フロントカバー、 22…ロックアップクラッチ、 30…出力軸、 31…固定軸(固定部材)、 40…第1ワンウェイクラッチ、 41…クラッチプレート、 42…クラッチディスク、 43…押圧部材、 50…第2ワンウェイクラッチ、 51…内輪、 52…外輪、 53…係合体。

Claims (2)

  1. ポンプインペラに入力された回転力を、前記ポンプインペラとタービンランナとステータとの間を循環する流体を伝達媒体として、前記タービンランナに伝達するトルクコンバータであって、
    前記ステータは、前記タービンランナ側に配置される第1ステータと前記ポンプインペラ側に配置される第2ステータとが前記ポンプインペラの回転軸線方向に並設することにより構成され、
    前記第1ステータは、前記第2ステータ側に突出する環状の第1突出部を有し、
    前記第2ステータは、前記第1突出部よりも半径方向内側に、前記第1ステータ側に突出する環状の第2突出部を有し、
    当該トルクコンバータは、さらに、前記第1突出部の内周面に前記回転軸線方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチプレートと、前記第2突出部の外周面に前記回転軸線方向にのみ移動可能に取り付けられたクラッチディスクとが前記回転軸線方向に交互に配置されて構成され、前記第1ステータを前記第2ステータに対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第1ワンウェイクラッチ、及び、
    前記第2突出部の内周面と前記第2ステータより半径方向内側に固定された固定部材との間に配置され、前記第2ステータを前記固定部材に対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第2ワンウェイクラッチを備えたことを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 前記第1ステータを前記タービンランナ側へ押圧する押圧部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
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