JP2013116940A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】Eを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】チッ素吸着比表面積が100〜600m/g、圧縮試料オイル吸収量が100〜180ml/100g、900℃での揮発分量が0.5質量%以下であるカーボンブラック(1)を含むタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、高性能タイヤのドライ路面におけるグリップ性能の向上を図るために、ゴム(特に、トレッドゴム)のtanδを高くすることが行われてきた。ゴムのtanδを高くする方法として、微粒子カーボンブラック等を配合する方法が採られてきた(例えば、特許文献1)。しかし、この方法では、tanδは高くなるものの、Eも高くなるため、ゴムが硬くなってしまい、グリップ性能の向上には限界があった。
他にも、tanδを高くするために、カーボンブラックの表面活性を低下させる方法が知られている。しかし、Eを低減しつつ、tanδを高くする点については改善の余地がある。
特開2001−81239号公報
本発明は、前記課題を解決し、Eを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定のカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物のEを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、チッ素吸着比表面積が100〜600m/g、圧縮試料オイル吸収量が100〜180ml/100g、900℃での揮発分量が0.5質量%以下であるカーボンブラック(1)を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物は、900℃での揮発分量が0.5質量%を超え、圧縮試料オイル吸収量が100〜200ml/100gであるカーボンブラック(2)を含むことが好ましい。
上記カーボンブラック(1)の1500℃での揮発分量が1.0質量%以下であることが好ましい。
上記カーボンブラック(1)のJIS K 6220−1に準拠して測定したpHが6.0〜12.0であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(1)の含有量が15〜65質量%、カーボンブラック(2)の含有量が35〜85質量%であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、高性能タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、特定のカーボンブラックを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、ゴム組成物のEを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くできるため、ドライ路面におけるグリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、チッ素吸着比表面積、圧縮試料オイル吸収量、900℃での揮発分量が特定範囲のカーボンブラック(1)を含む。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、グリップ性能と耐久性(破壊特性)のバランスが良好であるという理由から、SBRが好ましい。
SBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等が挙げられる。
SBRの結合スチレン量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、ゴム組成物のtanδは向上するものの、Eも高くなることで、結果的にグリップ性能が低下するおそれがある。また、SBRの結合スチレン量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。15質量%未満であると、ゴム組成物のEは低下するものの、tanδも同様に低下するため、結果的にグリップ性能が低下するおそれがある。なお、結合スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBR(固形分)の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、充分なtanδが得られず、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明では、カーボンブラック(1)が使用される。カーボンブラック(1)を配合することによって、ゴム組成物のEを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できる。
カーボンブラック(1)のチッ素吸着比表面積(NSA)は100m/g以上、好ましくは150m/g以上である。100m/g未満では、グリップ性能に必要なtanδを発現することができない。また、該チッ素吸着比表面積は600m/g以下、好ましくは450m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。600m/gを超えると、tanδは向上するものの、Eが高くなりすぎることで、グリップ性能を充分に発揮できない。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラック(1)の圧縮試料オイル吸収量(COAN)は、100ml/100g以上、好ましくは120ml/100g以上である。100ml/100g未満では、分散性が低下し、充分な補強性が確保しにくくなり、耐久性(破壊特性)が低下する。また、該COANは、180ml/100g以下、好ましくは170ml/100g以下、より好ましくは150ml/100g以下である。180ml/100gを超えると、ゴムの粘度が高くなりすぎ、加工性が大きく劣り、充分にカーボンブラックを分散させることが困難になる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのCOANは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。なお、使用したオイルはジブチルフタレート(フタル酸ジブチル)である。
カーボンブラック(1)の900℃での揮発分量は、0.5質量%以下、好ましくは0.46質量%以下である。0.5質量%を超えると、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できない。また、該揮発分量の下限は、特に限定されない。
なお、本明細書において、カーボンブラックの揮発分量は、JIS K6221(1994)に準拠した測定方法によって求められる。
カーボンブラック(1)の1500℃での揮発分量は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下である。1.0質量%を超えると、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できないおそれがある。また、該揮発分量の下限は、特に限定されない。
カーボンブラック(1)のJIS K 6220−1に準拠して測定したpHは、好ましくは6.0以上、より好ましくは7.0以上、更に好ましくは8.5以上である。pHが6.0未満であると、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できないおそれがある。該pHは、好ましくは12.0以下、より好ましくは11.0以下である。12.0を超えると、加硫速度や架橋密度などの加硫に悪影響を与えるおそれがある。
カーボンブラック(1)の製造方法としては、ファーネス法やチャンネル法等の従来から公知の方法が用いられるが、以下に示すファーネス法が好ましい。
ファーネス法(オイルファーネス法)は、例えば特開2004−43598号公報、特開2004−277443号公報などのように、反応炉内に高温燃焼ガス流を発生させる燃焼帯域、高温燃焼ガス流に原料炭化水素を導入して原料炭化水素を熱分解反応によりカーボンブラックに転化させる反応帯域、及び反応ガスを急冷して反応を停止する反応停止帯域を有する装置を用いるプロセスであって、燃焼条件、高温燃焼ガス流速、反応炉内への原料油の導入条件、カーボンブラック転化から該反応停止までの時間等の諸条件を制御することによって種々の特性のカーボンブラックを製造することができる。
燃焼帯域では、高温燃焼ガスを形成させるため、酸素含有ガスとして空気、酸素またはそれらの混合物とガス状または液体の燃料炭化水素を混合燃焼させる。燃料炭化水素としては、一酸化炭素、天然ガス、石炭ガス、石油ガス、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用される。燃焼は、燃焼温度が1400℃〜2000℃の範囲となるように制御されるのが好ましい。
反応帯域では、燃焼帯域で得られた高温燃焼ガス流に並流又は横方向に設けたバーナーから原料炭化水素を噴霧導入し、原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転化させる。好ましくは、ガス流速が100〜1000m/sの範囲の高温燃焼ガス流に、原料油を1本以上のバーナーにより導入する。原料油は、2本以上のバーナーにより分割し導入することが好ましい。また、反応効率を向上させる為に反応ゾーンに絞り部を設けることが好ましい。絞り部の絞り部径/絞り部上流域径の比は、0.1〜0.8が好ましい。
原料炭化水素としては、アントラセン等の芳香族炭化水素、クレオソート油等の石炭系炭化水素、EHEオイル(エチレン製造時の副性油)、FCCオイル(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油が使用される。
反応停止帯域では、高温反応ガスを1000〜800℃以下に冷却する為、水スプレー等が行われる。原料油を導入してからの反応停止までの時間は2〜100m秒が好ましい。冷却されたカーボンブラックは、ガスから分離回収された後、造粒、乾燥等の公知のプロセスをとることができる。
上記ファーネス法により得られたカーボンブラックは、さらに、酸素を流通しない条件下(無酸素雰囲気下(例えば、水素などの還元雰囲気下、窒素などの不活性ガス雰囲気下))で800〜2000℃(好ましくは900〜1200℃)で熱処理され、上記カーボンブラック(1)が得られる。なお、熱処理を行う前に、上記ファーネス法により得られたカーボンブラックを硝酸、過酸化水素、オゾン、重クロム酸塩等により酸化処理を行ってもよい。熱処理保持時間は、1〜6時間が好ましい。酸素を流通しない条件下で熱処理を行うことにより、カーボンブラック粒子表面の官能基の一部(特に、カルボキシル基、ヒドロキシル基)が揮散、消失する。ここで、900℃での揮発分量が上記範囲内となるように熱処理を行うことにより、カーボンブラックの表面活性がほどよく低下し、ゴム組成物のEを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くできる。
本発明では、カーボンブラックとして、カーボンブラック(1)と共に、カーボンブラック(2)を配合することが好ましい。カーボンブラック(1)を配合することによって、ゴム組成物のEを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を充分に向上できる。しかし、その一方で、ゴム組成物の破壊特性が低下し、耐久性が低下する懸念があるが、更にカーボンブラック(2)を配合することにより、破壊特性の低下を抑制できる。このように、カーボンブラック(1)と共に、カーボンブラック(2)を配合することにより、耐久性(破壊特性)と、ドライ路面におけるグリップ性能をバランスよく向上できる。
カーボンブラック(2)の圧縮試料オイル吸収量(COAN)は、100ml/100g以上、好ましくは120ml/100g以上である。100ml/100g未満では、分散性が低下し、充分な補強性が確保しにくくなり、耐久性(破壊特性)が低下するおそれがある。また、該COANは、200ml/100g以下、好ましくは180ml/100g以下、より好ましくは160ml/100g以下である。200ml/100gを超えると、ゴム組成物の300%伸張時応力(M300)は向上するものの、tanδが低下してしまい、グリップ性能が悪化するおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのCOANは、JIS K6217−4に準拠して測定される。
カーボンブラック(2)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは200m/g以上である。100m/g未満では、充分なtanδが得られず、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、該チッ素吸着比表面積は、好ましくは350m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。350m/gを超えると、tanδは向上するが、Eが高くなりすぎることでグリップ性能が低下するおそれがある。また、モジュラスも低下するため、耐久性(破壊特性)も悪化するおそれがある。
カーボンブラック(2)の900℃での揮発分量は、好ましくは0.5質量%を超え、より好ましくは1.0質量%以上である。0.5質量%以下では、充分な補強性を確保することが困難になる可能性がある。
カーボンブラック(2)の900℃での揮発分量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。5質量%を超えると、充分なtanδを確保することが困難になる可能性がある。
なお、カーボンブラック(2)は、上記ファーネス法により製造できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上、更に好ましくは70質量部以上である。50質量部未満では、充分なグリップ性能、耐久性(破壊特性)を得ることができないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。200質量部を超えると、カーボンブラックの分散が困難となり、補強性を確保することが困難となり、耐久性(破壊特性)が低下するおそれがある。
カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(1)の含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。15質量%未満であると、充分なtanδが得られず、グリップ性能を充分に向上することが困難となるおそれがある。該含有量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である。65質量%を超えると、補強性が充分ではなく、耐久性(破壊特性)を確保することが困難となるおそれがある。
カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(2)の含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。35質量%未満であると、補強性が充分ではなく、耐久性(破壊特性)を確保することが困難となるおそれがある。該含有量は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。85質量%を超えると、充分なtanδが得られず、グリップ性能を充分に向上することが困難となるおそれがある。
本発明のゴム組成物は、樹脂を含有することが好ましい。樹脂を配合することにより、ゴム組成物のガラス転移温度を高温側にシフトさせることで、tanδの向上を得ることができ、グリップ性能を向上できる。
樹脂としては、石油系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン樹脂、キシレン樹脂、ロジン、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。
なかでも、ポリマーとの相溶性が良好であるという理由から、石油系樹脂(特に、芳香族系石油樹脂)、クマロン・インデン樹脂が好ましい。
樹脂の軟化点は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。樹脂の軟化点が50℃未満では、tanδの向上が充分に得ることができないおそれがある。また、樹脂の軟化点は、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。樹脂の軟化点が180℃をこえると、ゴムに溶けることが困難になり、破壊核となるおそれがある。
なお、樹脂の軟化点は、環球法(JIS K2207)により測定した値である。
樹脂を配合する場合、樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましい。樹脂の含有量が5質量部未満では、tanδの向上効果が充分に得られないおそれがある。また、樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。樹脂の含有量が30質量部をこえると、Eが高くなりすぎることで、グリップ性能の低下が生じ、特に低温時のグリップ性能が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、オイルを含有することが好ましい。オイルを配合することにより、tanδを維持したまま、Eを下げることができるため、グリップ性能を向上できる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いても良い。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。なかでも、ゴムとの相溶性と、tanδを維持することができるという理由から、芳香族系プロセスオイルが好ましい。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。30質量部未満では、ゴムを軟化する作用(軟化作用)が小さく、Eを低下させる効果が小さくなるおそれがある。また、オイルの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、充分な軟化作用は得られるが、補強性の大幅な低下が生じ、耐久性(破壊特性)が低下するおそれがある。なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として好適に用いられ、特に高性能タイヤとして好適に用いられる。本発明により得られる空気入りタイヤは、ドライ路面におけるグリップ性能に優れている。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライ路面におけるグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
製造例1〜8
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径1100mm、長さ1700mmの燃焼帯域、該燃焼帯域から連接され、周辺から原料ノズルを貫通接続した内径175mm、長さ1050mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径400mm、長さ3000mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック反応炉を用い、燃料油にD重油、及び原料炭化水素(原料油)にクレオソート油を使用し、表1に示す各条件によりカーボンブラックを製造した。
さらに、製造例5〜8では、表1に示す条件により製造したカーボンブラックに対して、酸素を流通しない条件下(窒素ガス雰囲気下)で表1に示す条件により熱処理を行った。
各製造例により得られたカーボンブラックの各種特性を表2に示した。なお、各特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例1〜4により得られたカーボンブラックは、本発明におけるカーボンブラック(2)に相当し、製造例5〜8により得られたカーボンブラックは、本発明におけるカーボンブラック(1)に相当する。
Figure 2013116940
Figure 2013116940
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、結合スチレン量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラックa:製造例1により得られたカーボンブラック
カーボンブラックb:製造例2により得られたカーボンブラック
カーボンブラックc:製造例3により得られたカーボンブラック
カーボンブラックd:製造例4により得られたカーボンブラック
カーボンブラックe:製造例5により得られたカーボンブラック
カーボンブラックf:製造例6により得られたカーボンブラック
カーボンブラックg:製造例7により得られたカーボンブラック
カーボンブラックh:製造例8により得られたカーボンブラック
老化防止剤6C:フレキシス(株)製のサントフレックス13(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD))
老化防止剤224:フレキシス(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260
樹脂:新日本石油(株)製の日石ネオポリマー140(石油系レジン(芳香族系石油樹脂)、軟化点145℃)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜12及び比較例1〜4
表3に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表3に示す。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数20Hzの条件下で、80℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率Eおよび損失正接tanδ)を測定した。
tanδが高いほど、ドライ路面におけるグリップ性能に優れることを示す。Eが低いほど、ゴムが柔らかく、ドライ路面におけるグリップ性能に優れることを示す。
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。なお、M300が大きいほど、破壊特性(耐久性)に優れることを示す。
(実車評価(グリップ評価))
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(ドライ路面)を8周走行し、比較例1のタイヤのグリップ性能を2.6点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能に優れることを示す。
Figure 2013116940
表3より、チッ素吸着比表面積、圧縮試料オイル吸収量、900℃での揮発分量が特定範囲のカーボンブラック(1)を含む実施例では、Eを充分に低減しつつ、tanδを充分に高くでき、ドライ路面におけるグリップ性能を向上できた。特に、カーボンブラック(1)を50質量%以上含む実施例1〜6,8は、ドライ路面におけるグリップ性能に優れていた。カーボンブラック(1)と、圧縮試料オイル吸収量が所定範囲のカーボンブラック(2)とを併用した実施例5〜12では、破壊特性(耐久性)と、ドライ路面におけるグリップ性能のバランスに優れていた。一方、カーボンブラック(1)が未配合の比較例は、実施例に比べて、Eが高く、tanδが低く、ドライ路面におけるグリップ性能が劣っていた。

Claims (9)

  1. チッ素吸着比表面積が100〜600m/g、圧縮試料オイル吸収量が100〜180ml/100g、900℃での揮発分量が0.5質量%以下であるカーボンブラック(1)を含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 900℃での揮発分量が0.5質量%を超え、圧縮試料オイル吸収量が100〜200ml/100gであるカーボンブラック(2)を含む請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記カーボンブラック(1)の1500℃での揮発分量が1.0質量%以下である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記カーボンブラック(1)のJIS K 6220−1に準拠して測定したpHが6.0〜12.0である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(1)の含有量が15〜65質量%、カーボンブラック(2)の含有量が35〜85質量%である請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  9. 高性能タイヤである請求項8記載の空気入りタイヤ。
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