JP2024073043A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度の上昇を抑制し、良好な生産性を得つつ、優れた低燃費性を付与できるゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬することを特徴とするゴム組成物の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、自動車の低燃費性の要求や電気自動車の発展の影響で、末端変性ポリマーなどの変性ポリマー、微粒子シリカなどを含む配合の開発が進められているが、微粒子シリカは粒子径が小さいため、ゴムへの分散が困難で、かつ配合ゴム粘度も高くなり、生産性が悪化するという問題がある。また、配合粘度が上昇することで、混練りの際の分散が悪くなり、低燃費性にも悪影響を及ぼすという問題もある。
本発明は、前記課題を解決し、粘度の上昇を抑制し、良好な生産性を得つつ、優れた低燃費性を付与できるゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、
前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬することを特徴とするゴム組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬することを特徴とするゴム組成物の製造方法であるので、粘度の上昇を抑制し、良好な生産性を得つつ、優れた低燃費性を付与できる。
本発明は、変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、前記平均一次粒子径17nm以下のシリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬する方法である。
シリカ配合ゴムにおいて、シリカと効果的に反応するために変性ポリマーが用いられているが、反応性が高い変性基と微粒子シリカの分散に時間を要することに相まって、微粒子シリカと反応する前にポリマー同士で分子会合(ポリマーカップリング)してしまい、配合粘度が上昇する問題が発生する。また、シランカップリング剤が存在すると変性基が反応することで、この分子会合が促進され、更に粘度が上昇しやすくなる。そして、配合粘度が上昇することで、混練りの際の分散が悪くなり、低燃費性の指標であるtanδにも悪影響を及ぼしている。
一方、本発明において上記の効果が得られるメカニズムは明らかではないが、微粒子シリカの全量及びシランカップリング剤の全量を混錬した後、変性ポリマーを混錬する製造方法によれば、変性ポリマーを混錬機に投入、混錬する前に、微粒子シリカがシランカップリング剤と十分に反応し分散することで、変性ポリマーの分子会合が防止されるため、粘度の上昇が抑制され、それにより、良好な生産性を得つつ、ゴム組成物に優れた低燃費性が付与されたものと考えられる。
従って、本発明の製造方法によれば、粘度の上昇を抑制し、良好な生産性を確保しつつ、優れた低燃費性を付与できると推察される。
先ず、本発明で使用する各成分について説明する。
(ゴム成分)
本発明では、ゴム成分として、変性ポリマーが使用される。
変性ポリマーは、変性基を有するポリマーであれば特に限定されず、例えば、骨格を形成するポリマーを官能基で変性した変性ポリマーが挙げられる。
変性ポリマーの骨格を形成するポリマー(非変性ポリマー)は特に限定されず、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴム、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなどの公知のゴムが挙げられる。また、骨格を形成するポリマーは、水素添加BR、水素添加SBRなどの水素添加されたポリマーでもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましい。
変性ジエン系ゴムなどの変性ポリマーとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するポリマーが挙げられる。例えば、ポリマーの少なくとも一方の末端を上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ポリマー(末端に上記官能基を有する末端変性ポリマー);主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ポリマー;主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ポリマー(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ポリマー);分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ポリマー等が挙げられる。なかでも、少なくとも一方の末端が変性剤で変性されたポリマーが望ましい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の変性ポリマーの含有量(変性ジエン系ポリマーなどの変性ポリマーの総量)は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
骨格を形成するイソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NRなどが挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等が挙げられる。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴムなども使用可能である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
製造されるゴム組成物が変性ポリマーとして変性イソプレン系ゴムを含有する場合、ゴム成分100質量%中の変性イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
骨格を形成するBRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRは、シス含量が90質量%以上のハイシスBRを含むことが好ましい。該シス含量は、95質量%以上がより好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
製造されるゴム組成物が変性ポリマーとして変性BRを含む場合、ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。該スチレン含有量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内にすることで、より効果が得られる傾向がある。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、H-NMR測定によって測定できる。
SBRのビニル結合量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。該ビニル結合量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。上記範囲内にすることで、より効果が得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
製造されるゴム組成物が変性ポリマーとして変性SBRを含む場合、ゴム成分100質量%中の変性SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
製造されるゴム組成物は、上記変性ポリマー以外に、非変性ポリマーを含むことが望ましい。
非変性ポリマーは特に限定されず、例えば、前述の変性ポリマーの骨格を形成するポリマーが挙げられる。
製造されるゴム組成物が非変性ポリマーとしてイソプレン系ゴム(非変性)を含有する場合、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム(非変性)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
製造されるゴム組成物が非変性ポリマーとしてBR(非変性)を含む場合、ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
製造されるゴム組成物が非変性ポリマーとしてSBR(非変性)を含む場合、ゴム成分100質量%中のSBR(非変性)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(充填剤)
本発明では、充填剤として、平均一次粒子径17nm以下のシリカ(以下、「微粒子シリカ」ともいう)が使用される。
シリカの平均粒子径は、好ましくは16nm以下、より好ましくは15nm以下、更に好ましくは14nm以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは6nm以上、より好ましくは9nm以上、更に好ましくは10nm以上である。上記範囲内の微粒子シリカであっても、本発明の方法を用いることで、粘度の上昇を抑制し、優れた低燃費性を付与できる傾向がある。
なお、本明細書において、シリカの平均粒子径の測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察が用いられる。具体的には、シリカ粒子を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、粒子の形状が球形の場合には球の直径を粒子径とし、針状又は棒状の場合には短径を粒子径とし、不定型の場合には中心部からの平均粒子径を粒子径とし、微粒子100個の粒径の平均値を平均粒子径とする。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、微粒子シリカ(平均一次粒子径17nm以下のシリカ)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは75質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物は、微粒子シリカ以外のシリカを含んでもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、微粒子シリカ及びそれ以外のシリカの合計含有量(シリカの総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは75質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、使用可能なシリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのシリカのほか、もみ殻などのバイオマス材料を原料としたシリカを用いても良い。
シリカ以外に使用可能な充填剤としては、例えば、シリカ以外の無機充填剤、カーボンブラックが挙げられる。シリカ以外の無機充填剤としては、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。カーボンブラックの原料は、リグニン、植物油等のバイオマス材料であってもよい。また、カーボンブラックの製造方法は、ファーネス法等の燃焼によるものであってもよいし、水熱炭化(HTC)によるものであってもよい。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、90m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、充填剤の含有量(シリカ、カーボンブラック等の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは80質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは85質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(シランカップリング剤)
本発明では、シランカップリング剤が使用される。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、ゴム分野で公知のものが使用可能であり、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、該ゴム組成物中に含まれるシリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、また、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
(可塑剤)
本発明では、可塑剤が使用されることが望ましい。
可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、例えば、液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)等が挙げられる。
使用可能な液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)としては特に限定されず、オイル、液状ポリマー(液状樹脂、液状ジエン系ポリマーなど)などが挙げられる。なかでも、オイルが望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、MES(Mild Extract Solvated)、DAE(Distillate Aromatic Extract)、TDAE(treated Distillate Aromatic Extract)、TRAE(treated Residual Aromatic Extract)、RAE(residual Aromatic Extract)などのパラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましい。またライフサイクルアセスメントの観点から上記したオイルとして、ゴム混合機やエンジンなどで用いられた潤滑油や調理店で使用された廃食用油を精製したものを用いても良い。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
液状樹脂としては、テルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、これらの水素添加物も使用可能である。
液状ジエン系ポリマーとしては、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。また、これらの水素添加物も使用可能である。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、液体可塑剤の含有量(オイル、液状樹脂、液状ジエン系ポリマーなどの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
使用可能な上記樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)としては、例えば、常温(25℃)で固体状態の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。また、樹脂は、水素添加されていてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、芳香族ビニル重合体、石油樹脂、テルペン系樹脂が好ましい。
上記樹脂の軟化点は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。上限は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、115℃以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速走行時の操縦安定性が改善される傾向がある。
なお、上記樹脂の軟化点は、JIS K6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。前記した樹脂の軟化点は通常、樹脂のガラス転移温度より50℃±5℃高い値となる。
上記芳香族ビニル重合体は、芳香族ビニルモノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、α-メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂が挙げられ、具体的には、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)、α-メチルスチレンの単独重合体(α-メチルスチレン樹脂)、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、スチレンと他のモノマーの共重合体などが挙げられる。
上記クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
上記クマロン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロンを含む樹脂である。
上記インデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む樹脂である。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるポリマー等の公知のものを使用できる。なかでも、酸触媒で反応させることにより得られるもの(ノボラック型フェノール樹脂など)が好ましい。
上記ロジン樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、これらの水素添加物に代表されるロジン系樹脂等が挙げられる。
上記石油樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、これらの水素添加物などが挙げられる。なかでも、DCPD樹脂、水素添加DCPD樹脂が好ましい。
上記テルペン系樹脂は、テルペンを構成単位として含むポリマーであり。例えば、テルペン化合物を重合して得られるポリテルペン樹脂、テルペン化合物と芳香族化合物とを重合して得られる芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。また、これらの水素添加物も使用できる。
上記ポリテルペン樹脂は、テルペン化合物を重合して得られる樹脂である。該テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオールなどが挙げられる。
上記ポリテルペン樹脂としては、上述したテルペン化合物を原料とするピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、ピネン/リモネン樹脂などが挙げられる。なかでも、ピネン樹脂が好ましい。ピネン樹脂は、通常、異性体の関係にあるα-ピネン及びβ-ピネンの両方を含んでいるが、含有する成分の違いにより、β-ピネンを主成分とするβ-ピネン樹脂と、α-ピネンを主成分とするα-ピネン樹脂とに分類される。
上記芳香族変性テルペン樹脂としては、上記テルペン化合物及びフェノール系化合物を原料とするテルペンフェノール樹脂や、上記テルペン化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンスチレン樹脂などが挙げられる。また、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンフェノールスチレン樹脂も使用できる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。また、スチレン系化合物としては、スチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、カルボキシル基を有し、芳香族ビニルモノマー成分とアクリル系モノマー成分とを共重合して得られる、スチレンアクリル樹脂等のスチレンアクリル系樹脂などが挙げられる。なかでも、無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂を好適に使用できる。
上記無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂とは、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42-45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
上記アクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(2エチルヘキシルアクリレート等のアルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
上記アクリル系樹脂を構成する芳香族ビニルモノマー成分としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルが挙げられる。
また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニルと共に、他のモノマー成分を使用してもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物が上記樹脂を含有する場合、上記樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、上記可塑剤の含有量(上記液体可塑剤、上記樹脂などの合計含有量)は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業等の製品を使用できる。
(他のベース練り材料)
本発明におけるゴム組成物は、他の材料(老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸など)を含んでもよい。
老化防止剤としては、従来公知のアミン系老化防止剤等を使用でき、具体的には、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンアミン系老化防止剤等が挙げられる。本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2~8質量部である。
酸化亜鉛、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用できる。本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、酸化亜鉛、ステアリン酸の含有量は、それぞれ、ゴム成分100質量部に対して、0.5~8質量部、1~10質量部が好ましい。
(加硫系材料)
本発明では、加硫系材料が使用されることが望ましい。
加硫系材料として、例えば、加硫剤、加硫促進剤などが挙げられる。
加硫剤としては特に限定されず、例えば、硫黄などが挙げられる。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。なお、硫黄の含有量も同様の範囲が望ましい。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、ベンゾチアゾール系加硫促進剤が好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。
(その他の成分)
本発明の製造方法により得られるゴム組成物には、前記成分以外にも、他の配合剤を適宜配合してもよい。
次に、本発明の製造方法における各工程などについて説明する。
変性ポリマーを含むゴム成分、微粒子シリカ及びシランカップリング剤を含む本発明のゴム組成物の製造方法では、該ゴム組成物の製造に使用される微粒子シリカの全量と、該ゴム組成物の製造に使用されるシランカップリング剤の全量とを少なくとも混錬した後、該ゴム組成物の製造に使用される変性ポリマーが混錬される。
このような本発明の製造方法の好適な形態として、例えば、
前記微粒子シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混練する第1ベース練り工程と、
前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第2ベース練り工程と、
前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び前記加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む製造方法(以下、製造方法1ともいう)が挙げられる。
<製造方法1>
(第1ベース練り工程)
上記製造方法1の第1ベース練り工程では、微粒子シリカの全量と、シランカップリング剤の全量とを混練し、第1混練物を得る。第1ベース練り工程で、予め、微粒子シリカ、シランカップリング剤を混練することで、微粒子シリカの分散性を確保できる。
混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。第1ベース練り工程の混練温度は、シリカ分散性などの観点から、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。該混練温度の上限は、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。混練時間は特に限定されず、所望の分散性が得られるように適宜調整すればよく、例えば、1~10分間混練すればよい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程では、微粒子シリカの全量(本発明の製造方法に使用される微粒子シリカの全量)、シランカップリング剤の全量(本発明の製造方法に使用されるシランカップリング剤の全量)が混錬されるが、該工程で混練される微粒子シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を3~25質量部混練することが好ましく、5~20質量部混練することがより好ましく、8~15質量部混練することが更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製造方法1の第1ベース練り工程では、ゴム成分として、上記変性ポリマーは混錬されないが、上記非変性ポリマーを混錬することが望ましい。非変性ポリマーのなかでも、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程で非変性ポリマーを混錬する場合、本発明の製造方法に使用される非変性ポリマー全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、非変性ポリマーとして、イソプレン系ゴム、BR、SBRを混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程では、上記微粒子シリカ以外の他の充填剤(微粒子シリカ以外のシリカ、カーボンブラックなど)を混錬することが望ましい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程で他の充填剤を混錬する場合、本発明の製造方法に使用される他の充填剤全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、カーボンブラックを混錬する場合も同様の範囲が望ましい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程では、上記可塑剤を混錬することが望ましい。可塑剤のなかでも、オイルが好ましい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程で可塑剤を混錬する場合、本発明の製造方法に使用される可塑剤全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、可塑剤として、オイルを混錬する場合も同様の範囲が望ましい。
なお、第1ベース練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよく、例えば、上記酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスなど混錬してもよい。
上記製造方法1の第1ベース練り工程で、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスを混錬する場合、本発明の製造方法に使用される酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスのそれぞれの全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
(第2ベース練り工程)
上記製造方法1の第2ベース練り工程では、第1ベース練り工程で得られた第1混練物と、上記変性ポリマーとを混練し、第2混練物を得る。作製された第1混練物と、変性ポリマーとを混練することで、粘度の上昇を抑制し、優れた低燃費性を付与できる。
混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。第2ベース練り工程の混練温度は、シリカ分散性などの観点から、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。該混練温度の上限は、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。混練時間は特に限定されず、所望の分散性が得られるように適宜調整すればよく、例えば、1~10分間混練すればよい。
上記製造方法1の第2ベース練り工程では、変性ポリマーが混練されるが、粘度上昇の抑制などの観点から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物に使用される変性ポリマー全量100質量%中、第2ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、変性ポリマーとして、変性イソプレン系ゴム、変性BR、変性SBRを混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
なお、第2ベース練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。
(仕上げ練り工程の前に実施可能な他の工程)
上記製造方法1は、仕上げ練り工程を行う前に、第1ベース練り工程及び第2ベース練り工程以外の他の工程を含んでもよい。他の工程としては、例えば、第1ベース練り工程の前、第1ベース練り工程及び第2ベース練り工程の間、第2ベース練り工程の後に実施する1以上の混練工程が挙げられる。なお、第1ベース練り工程及び第2ベース練り工程の間に他の工程を実施する場合、第2ベース練り工程では、当該他の工程により得られた混練物が第1混練物として使用される。また、第2ベース練り工程の後に他の工程を実施する場合、仕上げ練り工程では、当該他の工程により得られた混練物が第2混練物として使用される。
他の工程の具体例としては、例えば、第2ベース練り工程で得られた第2混練物を混練機から排出し、再度これを混練機に投入し、再混練する再混練工程(リミル)が挙げられる。混練方法は、第2ベース練り工程と同様の方法を使用できる。再混練工程の混練時間は、1~8分が好ましく、混練温度は、130~160℃が好ましい。
(仕上げ練り工程)
上記製造方法1の仕上げ練り工程では、第2ベース練り工程で得られた第2混練物と、加硫剤とを混練する。混練方法としては特に限定されず、例えば、オープンロール等の公知の混練機を用いることができる。また、混練時間は、0.5~15分が好ましく、混練温度は、40~80℃が好ましい。
上記製造方法1の仕上げ練り工程では、硫黄などの加硫剤が混練されるが、本発明の製造方法に使用される加硫剤全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、加硫剤として硫黄を混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
上記製造方法1の仕上げ練り工程では、加硫促進剤を混練することが望ましい。
上記製造方法1の仕上げ練り工程で加硫促進剤を混練する場合、本発明の製造方法に使用される加硫促進剤全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
上記製造方法1の仕上げ練り工程では、通常、第2混練物、加硫剤、加硫促進剤が混練されるが、第1、第2ベース練り工程において、通常ベース練りで混練する材料の一部を混練していない場合、その材料も適宜混練してもよい。
また、本発明の製造方法の好適な形態として、例えば、
前記微粒子シリカの一部及び前記シランカップリング剤を混練する第1ベース練り工程と、
前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記微粒子シリカの残部を混練する第2ベース練り工程と、
前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第3ベース練り工程と、
前記第3ベース練り工程で得られた第3混練物、及び前記加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む製造方法(以下、製造方法2ともいう)が挙げられる。
<製造方法2>
(第1ベース練り工程)
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、微粒子シリカの一部と、シランカップリング剤とを混練し、第1混練物を得る。第1ベース練り工程で、予め、微粒子シリカ、シランカップリング剤を混練することで、微粒子シリカの分散性を確保できる。
混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。第1ベース練り工程の混練温度は、シリカ分散性などの観点から、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。該混練温度の上限は、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。混練時間は特に限定されず、所望の分散性が得られるように適宜調整すればよく、例えば、1~10分間混練すればよい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、微粒子シリカの一部(本発明の製造方法に使用される微粒子シリカの一部)が混錬されるが、本発明の製造方法に使用される微粒子シリカ全量100質量%中、第1ベース練り工程で70質量%以上を混練することが好ましく、80質量%以上を混練することがより好ましく、90質量%以上を混練することが更に好ましく、また、99質量%以下を混錬することが好ましく、97質量%以下を混錬することがより好ましく、95質量%以下を混錬することが更に好ましい。
上記製造方法2において、シランカップリング剤(本発明の製造方法に使用されるシランカップリング剤)は、全量を第1ベース練り工程で混練しても、第1、第2ベース練り工程等で分割混練してもよいが、シリカの分散性を確保する観点から、本発明の製造方法に使用されるシランカップリング剤全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、微粒子シリカの一部、シランカップリング剤の一部又は全部が混錬されるが、該工程で混練されるシリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を3~25質量部混練することが好ましく、5~20質量部混練することがより好ましく、8~15質量部混練することが更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、ゴム成分として、上記変性ポリマーは混錬されないが、上記非変性ポリマーを混錬することが望ましい。非変性ポリマーのなかでも、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程で非変性ポリマーを混錬する場合、本発明の製造方法に使用される非変性ポリマー全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、非変性ポリマーとして、イソプレン系ゴム、BR、SBRを混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、上記微粒子シリカ以外の他の充填剤(微粒子シリカ以外のシリカ、カーボンブラックなど)を混錬することが望ましい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程で他の充填剤を混錬する場合、本発明の製造方法に使用される他の充填剤全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、カーボンブラックを混錬する場合も同様の範囲が望ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程では、上記可塑剤を混錬することが望ましい。可塑剤のなかでも、オイルが好ましい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程で可塑剤を混錬する場合、本発明の製造方法に使用される可塑剤全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、可塑剤として、オイルを混錬する場合も同様の範囲が望ましい。
なお、第1ベース練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよく、例えば、上記酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスなど混錬してもよい。
上記製造方法2の第1ベース練り工程で、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスを混錬する場合、本発明の製造方法に使用される酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスのそれぞれの全量100質量%中、第1ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
(第2ベース練り工程)
上記製造方法2の第2ベース練り工程では、第1ベース練り工程で得られた第1混練物と、微粒子シリカの残部とを混練し、第2混練物を得る。第2ベース練り工程で、予め、微粒子シリカを混練することで、微粒子シリカの分散性を確保できる。
混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。第2ベース練り工程の混練温度は、シリカ分散性などの観点から、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。該混練温度の上限は、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。混練時間は特に限定されず、所望の分散性が得られるように適宜調整すればよく、例えば、1~10分間混練すればよい。
上記製造方法2の第2ベース練り工程では、微粒子シリカの残部(本発明の製造方法に使用される微粒子シリカのうち、第1ベース練り工程で混錬していない残りの微粒子シリカ)が混錬されるが、本発明の製造方法に使用される微粒子シリカ全量100質量%中、第2ベース練り工程で1質量%以上を混練することが好ましく、3質量%以上を混練することがより好ましく、5質量%以上を混練することが更に好ましく、また、30質量%以下を混錬することが好ましく、20質量%以下を混錬することがより好ましく、10質量%以下を混錬することが更に好ましい。
なお、第2ベース練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。
(第3ベース練り工程)
上記製造方法2の第3ベース練り工程では、第2ベース練り工程で得られた第2混練物と、上記変性ポリマーとを混練し、第3混練物を得る。作製された第2混練物と、変性ポリマーとを混練することで、粘度の上昇を抑制し、優れた低燃費性を付与できる。
混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。第2ベース練り工程の混練温度は、シリカ分散性などの観点から、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。該混練温度の上限は、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。混練時間は特に限定されず、所望の分散性が得られるように適宜調整すればよく、例えば、1~10分間混練すればよい。
上記製造方法2の第3ベース練り工程では、変性ポリマーが混練されるが、粘度上昇の抑制などの観点から、本発明の製造方法に使用される変性ポリマー全量100質量%中、第3ベース練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、変性ポリマーとして、変性イソプレン系ゴム、変性BR、変性SBRを混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
なお、第3ベース練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。
(仕上げ練り工程の前に実施可能な他の工程)
上記製造方法2は、仕上げ練り工程を行う前に、第1ベース練り工程、第2ベース練り工程及び第3ベース練り工程以外の他の工程を含んでもよい。他の工程としては、例えば、第1ベース練り工程の前、第1ベース練り工程及び第2ベース練り工程の間、第2ベース練り工程及び第3ベース練り工程の間、第3ベース練り工程の後に実施する1以上の混練工程が挙げられる。なお、第1ベース練り工程及び第2ベース練り工程の間に他の工程を実施する場合、第2ベース練り工程では、当該他の工程により得られた混練物が第1混練物として使用される。第2ベース練り工程及び第3ベース練り工程の間に他の工程を実施する場合、第3ベース練り工程では、当該他の工程により得られた混練物が第2混練物として使用される。また、第3ベース練り工程の後に他の工程を実施する場合、仕上げ練り工程では、当該他の工程により得られた混練物が第3混練物として使用される。
他の工程の具体例としては、例えば、第3ベース練り工程で得られた第3混練物を混練機から排出し、再度これを混練機に投入し、再混練する再混練工程(リミル)が挙げられる。混練方法は、第3ベース練り工程と同様の方法を使用できる。再混練工程の混練時間は、1~8分が好ましく、混練温度は、130~160℃が好ましい。
(仕上げ練り工程)
上記製造方法2の仕上げ練り工程では、第3ベース練り工程で得られた第3混練物と、加硫剤とを混練する。混練方法としては特に限定されず、例えば、オープンロール等の公知の混練機を用いることができる。また、混練時間は、0.5~15分が好ましく、混練温度は、40~80℃が好ましい。
上記製造方法2の仕上げ練り工程では、硫黄などの加硫剤が混練されるが、本発明の製造方法に使用される加硫剤全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。なお、加硫剤として硫黄を混錬する場合もそれぞれ同様の範囲が望ましい。
上記製造方法2の仕上げ練り工程では、加硫促進剤を混練することが望ましい。
上記製造方法2の仕上げ練り工程で加硫促進剤を混練する場合、本発明の製造方法に使用される加硫促進剤全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
上記製造方法2の仕上げ練り工程では、通常、第3混練物、加硫剤、加硫促進剤が混練されるが、第1、第2、第3ベース練り工程において、通常ベース練りで混練する材料の一部を混練していない場合、その材料も適宜混練してもよい。
上記製造方法1、2などの本発明の製造方法は、通常、以降の工程として以下の工程が実施される。
(以降の工程)
上記製造方法1、2の仕上げ練り工程で得られた混練物(未加硫ゴム組成物)を、トレッド、サイドウォールなどの部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造できる。製造されたタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等に好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
末端変性SBR:JSR(株)製のHPR850(スチレン含有量27.5質量%、ビニル結合量:59.0質量%)
SBR(非変性):住友化学工業(株)製のSBR1502(スチレン含有量:23.5質量%)
BR(非変性):BR730(JSR社製、シス含有量:95質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP吸収量:115ml/100g)
微粒子シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラシル9100GR(平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:EVONIK-DEGUSSA製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH-24(アロマ系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油社製の椿
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学社製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄社製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
〔実施例及び比較例〕
(ベース練り工程)
1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表1中のベース練りの項目に記載の材料を混練し混練物を得た。表1中、X-1、X-2、X-3は、この順に、各材料を項目毎に投入して混練したことを意味している。各項目の混練物の排出温度、混練時間は以下のとおりである。
X-1(第1ベース練り工程):混練温度140℃、混練時間(表1に記載)
X-2(第2ベース練り工程):混練温度140℃、混練時間(表1に記載)
X-3(第3ベース練り工程):混練温度140℃、混練時間(表1に記載)
(再混練工程(リミル))
得られた混練物をバンバリーミキサーに投入して再度混練する工程を2回行い、再混練物を得た。表1中、X-4、X-5は、この順に、再混練したことを意味している。各再混練の条件は、以下のとおりである。
X-4(再混練工程):混練温度140℃、混練時間(表1に記載)
X-5(再混練工程):混練温度140℃、混練時間(表1に記載)
(仕上げ練り工程)
オープンロールを用いて、再混練工程で得られた再混練物に、表1中の仕上げ練りの項目に記載の材料を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
(加硫工程)
仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、加硫ゴム組成物の30℃tanδ、生産性について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
<ムーニー粘度(ML1+4、130℃)>
未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300:2001-1に従い、(株)島津製作所製のムーニー粘度計(SMV-300)を使用して、130℃で1分間予熱したのち、4分間測定してムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定した。なお、ムーニー粘度の目標値は、76以下である。
<粘弾性測定(30℃tanδ)>
GABO社製のイプレクサーを用いて、周波数10Hz、初期歪10%、動歪1%、温度30℃の条件下において、加硫ゴム組成物のtanδを測定した。なお、30℃tanδの目標値は、0.23以下である。
<生産性>
上記の製造工程による1時間当たりの生産量(kg/h)を測定した。
Figure 2024073043000001
実施例では、低ムーニー粘度、低30℃tanδが得られ、ムーニー粘度及び30℃tanδの目標値を達成できた。また、生産性にも優れていた。
これは、実施例1、2では、変性SBRの投入前に微粒子シリカがシランカップリング剤と十分に反応し分散することで、変性SBRの分子会合が抑制され、それにより、変性SBRを投入したステージで粘度が大きく低下したものと推測される。
一方、比較例1は、微粒子シリカ、シランカップリング剤と同時に変性SBRを投入したため、分子会合が発生し、粘度が低下しにくくなったものと推測される。
比較例2、3は、変性SBRをX-2(第2ベース練り工程)、X-3(第3ベース練り工程)でそれぞれ投入しているが、微粒子シリカも一緒に投入したため、シリカの分散に時間を要し、その間に変性SBRの分子会合が発生したものと推測される。
本発明(1)は、変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、
前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
本発明(2)は、前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混練する第1ベース練り工程と、
前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第2ベース練り工程と、
前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む本発明(1)記載のゴム組成物の製造方法。
本発明(3)は、前記シリカの一部及び前記シランカップリング剤を混練する第1ベース練り工程と、
前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記シリカの残部を混練する第2ベース練り工程と、
前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第3ベース練り工程と、
前記第3ベース練り工程で得られた第3混練物、及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む本発明(1)又は(2)記載のゴム組成物の製造方法である。
本発明(4)は、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が40~100質量部、オイルの含有量が10質量部以下であり、前記シリカ100質量部に対するシランカップリング剤の含有量が5~20質量部である本発明(1)~(3)のいずれかとの任意の組合せのゴム組成物の製造方法である。
本発明(5)は、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量%中の前記変性ポリマーの含有量が10~40質量%である本発明(1)~(4)のいずれかとの任意の組合せのゴム組成物の製造方法である。

Claims (5)

  1. 変性ポリマーを含むゴム成分、平均一次粒子径17nm以下のシリカ、及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、
    前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混錬した後、前記変性ポリマーを混錬することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記シリカの全量及び前記シランカップリング剤の全量を混練する第1ベース練り工程と、
    前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第2ベース練り工程と、
    前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記シリカの一部及び前記シランカップリング剤を混練する第1ベース練り工程と、
    前記第1ベース練り工程で得られた第1混練物、及び前記シリカの残部を混練する第2ベース練り工程と、
    前記第2ベース練り工程で得られた第2混練物、及び前記変性ポリマーを混練する第3ベース練り工程と、
    前記第3ベース練り工程で得られた第3混練物、及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程とを含む請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が40~100質量部、オイルの含有量が10質量部以下であり、前記シリカ100質量部に対するシランカップリング剤の含有量が5~20質量部である請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量%中の前記変性ポリマーの含有量が10~40質量%である請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
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