JP2023066057A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高荷重時のウェット性能に優れた重荷重用タイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備えた重荷重用タイヤであって、ゴム成分中の総スチレン量(S)、トレッドのネガティブ率(N)が、下記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤ。(1)1.0質量%<S≦12.0質量%(2)N≦25%(3)S/N≧0.04【選択図】なし

Description

本開示は、重荷重用タイヤに関する。
トラック、バスなどの重荷重車では、積載などを行う為、通常のタイヤに比べ高荷重状態にあり、かつ慣性の影響も受けやすい。そのため、高荷重状態でのウェット性能の向上が望まれている。
本開示は、前記課題を解決し、高荷重時のウェット性能に優れた重荷重用タイヤを提供することを目的とする。
本開示は、ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備えた重荷重用タイヤであって、
ゴム成分中の総スチレン量(S)、トレッドのネガティブ率(N)が、下記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤである。
(1)1.0質量%<S≦12.0質量%
(2)N≦25%
(3)S/N≧0.04
本開示は、ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備えた重荷重用タイヤであって、ゴム成分中の総スチレン量(S)、トレッドのネガティブ率(N)が、前記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤであるので、高荷重時のウェット性能に優れている。
本開示は、ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備え、かつ該ゴム成分中の総スチレン量(S)、該トレッドのネガティブ率(N)が前記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤである。
前記重荷重用タイヤで前述の効果が得られる理由は、以下のように推察される。
ゴムの構成単位(モノマー単位)としてスチレンを少量ゴム中に配合すると共に、樹脂成分を配合することで、スチレンと樹脂成分の間に相互作用が生じる。そして、スチレンを少量としていることで、ゴムの柔軟性を維持しつつ、高荷重状態で変形が加わった際に樹脂とスチレン部の間でエネルギーロスが大きく発生すると考えられる。
更に、ネガティブ率を25%以下とすることで、接地した際の面積を大きくすることができるため、トレッド面全体で大きなエネルギーロスを発生させることが可能となる。そのため、高荷重状態において良好なウェット性能が得られると考えられる。
一方、ネガティブ率が25%以下においても、ネガティブ率が大きい状態では、接地面積が小さくなり、トレッド面全体でのエネルギーロスを得にくくなるが、S/N≧0.04の関係を満たすように調整し、スチレン量が大きくなるようにすることで、良好な高荷重時のウェット性能が得られると考えられる。
以上の作用により、高荷重時のウェット性能に優れた重荷重用タイヤを提供できると推察される。
このように、前記タイヤは、式(1)「1.0質量%<S≦12.0質量%」、式(2)「N≦25%」、式(3)「S/N≧0.04」の構成にすることにより、高荷重時のウェット性能に優れたタイヤを提供するという課題(目的)を解決するものである。すなわち、式(1)、(2)、(3)の構成は課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、高荷重時のウェット性能に優れたタイヤを提供することであり、そのための解決手段として前記パラメーターを満たすような構成にしたものである。
本開示は重荷重用タイヤであるが、重荷重用タイヤとは、最大負荷能力が1400kg以上のものを指す。ここで、最大負荷能力とはそのタイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定める最大負荷能力であり、例えば、JATMA規格(日本自動車タイヤ協会規格)であれば、ロードインデックス(LI)に基づく最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。
重荷重用タイヤとしては、特に限定されず、例えば、空気入りタイヤ、ソリッドタイヤ、エアレスタイヤ等が挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。
重荷重用タイヤは、例えば、重荷重用の空気入りタイヤ、タイヤの内部に加圧された空気が充填されない非空気式タイヤ等の様々なタイヤに用いることができる。重荷重用タイヤとしては、例えば、例えば、トラック用、バス用タイヤなどが挙げられる。
重荷重用タイヤにおける前記トレッドは、ゴム成分と、樹脂とを含むトレッド用ゴム組成物により構成される。
前記ゴム組成物において、ゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーであり、アセトンにより抽出されないポリマー成分がゴム成分に該当する。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
前記ゴム組成物において、ゴム成分中の総スチレン量(S)は、下記式(1)を満たす。
(1)1.0質量%<S≦12.0質量%
Sの上限は、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。Sの下限は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上、更に好ましくは4.0質量%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、ゴム成分中の総スチレン量は、ゴム成分全量中に含まれるスチレン部の合計含有量(単位:質量%)であり、Σ(各ゴム成分の含有量×各ゴム成分中のスチレン量/100)で算出できる。例えば、ゴム成分100質量%中、スチレン量40質量%のSBRが85質量%、スチレン量25質量%のSBRが5質量%、スチレン量0質量%のBRが10質量%である場合、ゴム成分中の総スチレン量は、35.25質量%(=85×40/100+5×25/100+10×0/100)である。
ゴム成分中の総ビニル量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは4.0質量%以上、更に好ましくは4.5質量%以上であり、また、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは11.0質量%以下、更に好ましくは9.0質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、ゴム成分中の総ビニル量は、ゴム成分全質量を100とするときに、当該ゴム成分に含まれるSBR及びBRにおけるブタジエン部のビニル結合の合計含有量(単位:質量部)であり、Σ(各ゴム成分の含有量×各ゴム成分全質量に対する当該ゴム成分中のブタジエン部のビニル結合量の割合[質量%])で算出できる。例えば、ゴム成分100質量部中、スチレン量:40質量%、ビニル量:30質量%のSBRが85質量部、スチレン量:20質量%、ビニル量:20質量%のSBRが5質量部、ビニル量:10質量%のBRが10質量部である場合、ゴム成分中の総ビニル量は、17.1質量部(=85×(100[質量%]-40[質量%])×30[質量%]+5×(100[質量%]-20[質量%])×20[質量%]+10×10[質量%])である。
なお、各ゴム成分中のスチレン量、ビニル量は、核磁気共鳴(NMR)法によって測定できる。
また、ゴム成分中の総スチレン量、総ビニル量について、本明細書の実施例では、上述の計算式に沿って算出しているが、例えば、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置(Py-GC/MS)等により、タイヤから分析してもよい。
ゴム成分としては特に限定されず、タイヤ分野で公知のものを使用できる。例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンスブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、イソプレン系ゴム、SBRを配合することが好ましく、更にBRも配合することがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。市販品としては、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。
SBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは26質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRのビニル量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは24質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、特に好ましくは42質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、上述のSBRのスチレン量は、SBRが1種である場合、当該SBRのスチレン量を意味し、複数種である場合、平均スチレン量を意味する。
SBRの平均スチレン量は、{Σ(各SBRの含有量×各SBRのスチレン量)}/全SBRの合計含有量で算出でき、例えば、ゴム成分100質量%中、スチレン量40質量%のSBRが85質量%、スチレン量25質量%のSBRが5質量%である場合、SBRの平均スチレン量は、39.2質量%(=(85×40+5×25)/(85+5))である。
また、上述のSBRのビニル量はSBR中におけるブタジエン部の総質量を100とした時のビニル結合の割合であり(単位:質量%)、ビニル量[質量%]+シス量[質量%]+トランス量[質量%]=100[質量%]となる。SBRが1種である場合、当該SBRのビニル量を意味し、複数種である場合、平均ビニル量を意味する。
SBRの平均ビニル量は、Σ{各SBRの含有量×(100[質量%]-各SBRのスチレン量[質量%])×各SBRのビニル量[質量%]}/Σ{各SBRの含有量×(100[質量%]-各SBRのスチレン量[質量%])}で算出でき、例えば、ゴム成分100質量部中、スチレン量40質量%、ビニル量30質量%のSBRが75質量部、スチレン量25質量%、ビニル量20質量%のSBRが15質量部、残り10質量部がSBR以外である場合、SBRの平均ビニル量は、28質量%(={75×(100[質量%]-40[質量%])×30[質量%]+15×(100[質量%]-25[質量%])×20[質量%])}/{75×(100[質量%]-40[質量%])+15×(100[質量%]-25[質量%])}である。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中、SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴム及びSBRの合計含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上で、100質量%でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
BRを配合することで、高荷重時のウェット性能がより向上する。
このような効果が得られる理由は、BRを少量含むことで、微小変形領域で柔軟性が高まり、ウェット路面にも追従しやすくなるためであると推察される。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR150B、LG Chem社製のBR1280等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(希土類系BR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
BRのシス量(シス含量)は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、上述のBRのシス量は、BRが1種である場合、当該BRのシス量を意味し、複数種である場合、平均シス量を意味する。
BRの平均シス量は、{Σ(各BRの含有量×各BRのシス量)}/全BRの合計含有量で算出でき、例えば、ゴム成分100質量%中、シス量:90質量%のBRが20質量%、シス量:40質量%のBRが10質量%である場合、BRの平均シス量は、73.3質量%(=(20×90+10×40)/(20+10))である。
ゴム成分100質量%中、BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分は、オイルで伸展された油展ゴム、樹脂で伸展された樹脂伸展ゴムであってもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、油展ゴムが好ましい。
なお、油展ゴムに使用されるオイル、樹脂伸展ゴムに使用される樹脂は、後述の可塑剤で説明したものと同様である。また、油展ゴム中のオイル分、樹脂伸展ゴム中の樹脂分は特に限定されないが、通常、ゴム固形分100質量部に対して10~50質量部程度である。
ゴム成分は、変性により、シリカ等の充填材と相互作用する官能基が導入されていてもよい。
上記官能基としては、例えば、ケイ素含有基(-SiR(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基、アルコキシ基など)、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、ケイ素含有基が好ましく、-SiR(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基(好ましくは炭素数1~6の炭化水素基(より好ましくは炭素数1~6のアルキル基))又はアルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基))であり、Rの少なくとも一つが水酸基)がより好ましい。
上記官能基を導入する化合物(変性剤)の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記ゴム組成物は、充填剤を含むことが望ましい。
前記ゴム組成物において、充填剤の含有量(総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは60質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
充填剤としては、例えば、無機充填剤が挙げられる。
前記ゴム組成物において、無機充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは55質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
無機充填剤としては、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカが好ましい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカの原料は、水ガラス(珪酸ソーダ)であってもよいし、もみ殻等のバイオマス材料であってもよい。市販品としては、EVONIK社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカの平均粒子径は、好ましくは24nm以下、より好ましくは17nm以下、更に好ましくは16nm以下、特に好ましくは15nm以下であり、また、好ましくは6nm以上、より好ましくは9nm以上、更に好ましくは12nm以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、シリカの平均粒子径の測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察が用いられる。具体的には、シリカ粒子を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、粒子の形状が球形の場合には球の直径を粒子径とし、針状又は棒状の場合には短径を粒子径とし、不定型の場合には中心部からの平均粒径を粒子径とし、微粒子100個の粒径の平均値を平均粒子径とする。
前記ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは55質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム組成物において、充填剤100質量%中のシリカ含有率は、好ましくは20質量%以上であることが望ましい。
このような効果が得られる理由は、シリカはカーボンブラックより微小変形領域で柔軟性が高く、ウェット路面にも追従しやすいためであると推察される。
前記充填剤100質量%中のシリカ含有率は、好ましくは33質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは92質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られると同時に、良好な耐久性も維持できる観点から、特に、前記ゴム組成物において、充填剤100質量%中のシリカ含有率が50質量%以上で、かつ平均粒子径15nm以下のシリカを含むことが望ましい。
このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。
前述のとおり、シリカはカーボンブラックより微小変形領域で柔軟性が高く、ウェット路面にも追従しやすいため、シリカの配合比率が高い方がウェット性能は向上する。一方、シリカ比率をカーボンブラック比率以上にすると、ライフ(耐久性)が著しく低下する傾向があるが、微粒子径のシリカを用いることで、優れたウェット路面への追従性が得られると共に、耐久性も維持されると推察される。
無機充填剤以外に使用可能な充填剤としては、例えば、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。カーボンブラックの原料は、リグニン、植物油等のバイオマス材料であってもよい。また、カーボンブラックの製造方法は、ファーネス法等の燃焼によるものであってもよいし、水熱炭化(HTC)によるものであってもよい。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックのセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)比表面積は、好ましくは110m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは130m/g以上であり、また、好ましくは200m/g以下、より好ましくは160m/g以下、更に好ましくは140m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのCTAB比表面積は、JIS K6217-3:2001に準拠して測定される値である。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、特に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、可塑剤を含有する。
本明細書において、可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)、固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ゴム組成物において、可塑剤の含有量(液体可塑剤及び固体可塑剤の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、可塑剤の含有量には、ゴム(油展ゴム)、硫黄(オイル含有硫黄)に含まれるオイルの量も含まれる。
液体可塑剤としては、オイル、液状ポリマー(液状樹脂、液状ジエン系ポリマー等)、テレビン油等の天然物由来の精油、エステル系可塑剤、等が挙げられる。固形可塑剤としては、25℃で固形(固体)のタイヤ業界で通常用いられるような固体樹脂類、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ゴム組成物において、液体可塑剤(好ましくはオイル)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、特に好ましくは0質量部である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
液体可塑剤としては、オイル、液状ポリマー、液状樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、パラフィン系プロセスオイルが好ましい。なお、ライフサイクルアナリシスの観点から、ゴム混合用ミキサーや自動車エンジンなどで使用されたあとの潤滑油や廃食油などを適宜用いても良い。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
液状樹脂としては、例えば、25℃で液状のテルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C5C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
上記液状樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、25℃で液状の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。
液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、サートマー社、(株)クラレ等の製品を使用できる。
固体可塑剤としては、タイヤ配合物として、通常用いられる固体樹脂(レジン)を使用できる。具体的には、テルペン系樹脂、ロジン樹脂などの天然由来の樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂(レジン)などが挙げられる。これらの固体樹脂は、水素添加物(水素添加された固体樹脂)であってもよい。固体可塑剤は、1種でも2種以上の混合物でもよく、また、樹脂自体が複数の由来のモノマー成分を共重合したものでもよい。なかでも、高荷重時のウェット性能の観点から、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物がより好ましく、スチレン系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物が更に好ましい。
このような効果が得られる理由は、テルペン系樹脂、ロジン樹脂などの天然由来の樹脂と異なり、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物などを用いることで、ゴム成分中のスチレン部と相互作用がしやすいためであると推察される。
前記ゴム組成物において、固体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
固体状のスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いた固体状ポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。上記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1-ブテン、1-ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。なかでも、固体状のα-メチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレン単独重合体、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましい。
ジシクロペンタジエン系樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、ジシクロペンタジエンを含む樹脂であり、樹脂100質量%中のジシクロペンタジエン由来単位の含有量が50質量%以上のポリマーが挙げられる。具体的には、ジシクロペンタジエン系樹脂としては、石油のC5留分から抽出されたシクロペンタジエンを二量体化したジシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂が挙げられる。ジシクロペンタジエン系樹脂は、水添ジシクロペンタジエン系樹脂(水素添加されたジシクロペンタジエン系樹脂)でもよい。
C5系樹脂としては、ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主成分(50質量%以上、好ましくは80質量%以上)とする脂肪族系石油樹脂などが挙げられる。C9系樹脂としては、ナフサ分解によって得られるC9留分中のビニルトルエンを主成分(50質量%以上、好ましくは80質量%以上)とする芳香族系石油樹脂などが挙げられる。C5/C9系樹脂としては、C5留分中のオレフィン、ジオレフィン類及びC9留分中のビニルトルエンを主成分(50質量%以上、好ましくは80質量%以上)とする樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、上記他の単量体との共重合樹脂であってもよい。
固体可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
ここで、前記ゴム組成物は、上述の可塑剤として、樹脂(前記液状樹脂、固体樹脂)を含む。
該樹脂のなかでも、固体樹脂が好ましく、25℃で固体の天然由来の樹脂以外の固体樹脂が好ましく、25℃で固体のスチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物がより好ましく、25℃で固体のスチレン系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物が更に好ましい。
前記樹脂の軟化点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下、特に好ましくは120℃以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、前記樹脂(レジン)の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記ゴム組成物において、前記樹脂(好ましくは前記固体樹脂、より好ましくは25℃で固体のスチレン系樹脂、25℃で固体のC5/C9系樹脂、25℃で固体のジシクロペンタジエン系樹脂、及び25℃で固体のこれらの水素添加物)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。なお、25℃で固体のスチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂ジシクロペンタジエン系樹脂及びこれらの水素添加物の合計量も同様の範囲が望ましい。また、これらのそれぞれの含有量も同様の範囲が望ましい。
上記ゴム組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。市販されているものとしては、例えば、エボニックデグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、また、好ましくは16質量部以下、より好ましくは14質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含有してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3.5質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に架橋剤として用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは1.8質量部以上であり、また、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは2.8質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3.5質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは7.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、上記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、上述の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは85~110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。加硫時間は、通常5~15分である。
上記ゴム組成物は、トレッド(特に、走行時に路面に接する部分(キャップトレッド))に使用される。
本開示の重荷重用タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを得る。
前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有する前記ゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該トレッドのネガティブ率(N(%))が下記式(2)を満たす。
(2)N≦25%
Nの上限は、好ましくは20%以下、より好ましくは17%以下、更に好ましくは15%以下である。Nの下限は、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、更に好ましくは10%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、ネガティブ率(トレッド部の接地面内におけるネガティブ率)は、接地面の全面積に対する、接地面内の全溝面積の割合であり、以下の方法で測定される。
本明細書において、上記タイヤが空気入りタイヤの場合、ネガティブ率は、正規リム、正規内圧、正規荷重条件下における接地形状から計算される。非空気入りタイヤの場合、正規内圧を必要とせずに、同様に測定できる。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”を意味する。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”を意味する。
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めているそれぞれの最大荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”の最大荷重を意味する。
接地形状は、正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることで得られる。
タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。すなわち、5回、接地形状を得る。
5つの接地形状について、タイヤ軸方向の最大長さの平均値をL、軸方向に直交する方向の長さの平均値をWとする。
ネガティブ率(%)は、[1-{厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)}]×100(%)で計算される。
ここで、長さや面積の平均値は、5つの値の単純平均である。式中のL×Wは、接地形状を得た際の主溝、横溝による空白部を繋ぎ合わせて得られる仮想面の面積を意味する。
前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有するゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該ゴム成分中の総スチレン量(S(質量%))、該トレッドのネガティブ率(N(%))が下記式(3)を満たす。
(3)S/N≧0.04
S/Nの下限は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上である。Nの上限は、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.40以下、更に好ましくは0.35以下、特に好ましくは0.30以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られる観点から、前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有する前記ゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該ゴム組成物中のシリカの含有量(質量部)、該ゴム成分中の総スチレン量(S)が下記式を満たすことが望ましい。
シリカの含有量/S≧7
このような効果が得られる理由は、スチレン部との相互作用は樹脂との間だけでなく、シリカとの間にも生じるため、高荷重状態で変形が加わった際に樹脂とスチレン部との間でエネルギーロスを大きく発生させることが可能となるであると推察される。
前記シリカの含有量/Sの下限は、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは11以上である。前記シリカの含有量/Sの上限は、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られる観点から、前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有する前記ゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該ゴム組成物中のシリカの含有量(質量部)、該トレッドのネガティブ率(N(%))が下記式を満たすことが望ましい。
シリカの含有量/N≧0.5
このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。
スチレン部との相互作用は樹脂との間だけでなく、シリカとの間にも生じるため、高荷重状態で変形が加わった際にシリカとスチレン部との間でエネルギーロスを大きく発生させることが可能となること、ネガティブ率が25%以下の範囲でも大きい場合においても、シリカ比率を一定以上高めることで、上記エネルギーロスを大きくさせることができることにより、高荷重状態において良好なウェット性能が得られると考えられる。
前記シリカの含有量/Nの下限は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上である。前記シリカの含有量/Nの上限は、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5.0以下、特に好ましくは4.5以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られる観点から、前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有するゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該ゴム組成物中の樹脂の含有量(質量部)、該ゴム成分中の総スチレン量(S(質量%))が下記式を満たすことが望ましい。
樹脂の含有量/S≧1.0
このような効果が得られる理由は、樹脂の量をスチレン量より多くすることにより、スチレンの周りに樹脂が集まり、相互作用を生じやすくさせることが可能になる為と考えられる。
前記樹脂の含有量/Sの下限は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.7以上、更に好ましくは1.8以上、特に好ましくは1.9以上である。前記樹脂の含有量/Sの上限は、好ましくは8.0以下、より好ましくは6.0以下、更に好ましくは4.0以下、特に好ましくは3.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
効果がより良好に得られる観点から、前記重荷重用タイヤは、ゴム成分と樹脂とを含有するゴム組成物から作製されたトレッドを備え、該ゴム組成物中の樹脂の含有量(質量部)、該トレッドのネガティブ率(N(%))が下記式を満たすことが望ましい。
樹脂の含有量/N≧0.40
このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。
このような効果が得られる理由は、樹脂の量をスチレン量より多くすることにより、スチレンの周りに樹脂が集まり、相互作用を生じやすくさせることが可能になる為と考えられる。
前記樹脂の含有量/Nの下限は、好ましくは0.45以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.55以上、特に好ましくは0.60以上である。前記樹脂の含有量/Nの上限は、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.80以下、特に好ましくは0.70以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
実施例に基づいて、本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
(ゴム成分)
NR:TSR20
SBR1:Versalis社製のEuroprene SOL R C2525(スチレン量:26質量%、ビニル含有量24質量%)
SBR2:JSR(株)製のHPR840(スチレン量:10質量%、ビニル量:42質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(ビニル量:1質量%、シス量:97質量%)
(ゴム成分以外の薬品)
カーボンブラック:N134(CTAB比表面積:135m/g)
シリカ1:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(平均粒子径:17nm)
シリカ2:エボニックデグッサ社製のウルトラシル9100GR(平均粒子径:15nm)
樹脂1:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4150(β-ピネン樹脂)
樹脂2:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4401(スチレンα-メチルスチレン樹脂(スチレンとα-メチルスチレンとの共重合体))
樹脂3:Cray Valley社製のRicon340(C5/C9樹脂)
樹脂4:エクソンモビール社製のPR120(水添ジシクロペンタジエン樹脂、軟化点120℃)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表1、2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で30分間プレス加硫して試験用タイヤ(重荷重用タイヤ、サイズ:11R22.5)を得た。得られた試験用タイヤを用いて下記評価を行い、結果を表1、2に示した。
また、下記評価において、指数を計算する際の評価基準は以下のとおりである。
表1、2:比較例6
<高荷重時のウェット性能>
試験用タイヤをトラックの前後輪に装着し、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求め、下記計算式により基準比較例を100とした時の指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、高荷重時のウェット性能(高荷重時のウェットブレーキ性能)に優れることを示す。
(高荷重時のウェット性能指数)=(基準比較例の制動距離)/(各タイヤの制動距離)×100
Figure 2023066057000001
Figure 2023066057000002
表1、2より、実施例は、高荷重時のウェット性能が優れていた。
本開示(1)は、ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備えた重荷重用タイヤであって、
ゴム成分中の総スチレン量(S)、トレッドのネガティブ率(N)が、下記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤである。
(1)1.0質量%<S≦12.0質量%
(2)N≦25%
(3)S/N≧0.04
本開示(2)は、樹脂が、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物からなる群より選択される少なくとも1種である本開示(1)記載の重荷重用タイヤである。
本開示(3)は、トレッドが、充填剤100質量%中のシリカ含有率が20質量%以上である本開示(1)又は(2)記載の重荷重用タイヤである。
本開示(4)は、トレッドが、充填剤100質量%中のシリカ含有率が50質量%以上で、かつ平均粒子径15nm以下のシリカを含む本開示(1)~(3)のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
本開示(5)は、トレッドが、シリカの含有量、ゴム成分中の総スチレン量(S)が下記式を満たす本開示(1)~(4)のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
シリカの含有量/S≧7
本開示(6)は、トレッドが、シリカの含有量、トレッドのネガティブ率(N)が下記式を満たす本開示(1)~(5)のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
シリカの含有量/N≧0.5
本開示(7)は、トレッドが、樹脂の含有量、ゴム成分中の総スチレン量(S)が下記式を満たす本開示(1)~(6)のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
樹脂の含有量/S≧1.0
本開示(8)は、トレッドが、樹脂の含有量、該トレッドのネガティブ率(N)が下記式を満たす本開示(1)~(7)のいずれかに記載の重荷重用タイヤである。
樹脂の含有量/N≧0.45

Claims (8)

  1. ゴム成分と、樹脂とを含有するトレッドを備えた重荷重用タイヤであって、
    ゴム成分中の総スチレン量(S)、トレッドのネガティブ率(N)が、下記式(1)~(3)を満たす重荷重用タイヤ。
    (1)1.0質量%<S≦12.0質量%
    (2)N≦25%
    (3)S/N≧0.04
  2. 樹脂は、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、及びこれらの水素添加物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. トレッドは、充填剤100質量%中のシリカ含有率が20質量%以上である請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
  4. トレッドは、充填剤100質量%中のシリカ含有率が50質量%以上で、かつ平均粒子径15nm以下のシリカを含む請求項1~3のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
  5. トレッドは、シリカの含有量、ゴム成分中の総スチレン量(S)が下記式を満たす請求項1~4のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
    シリカの含有量/S≧7
  6. トレッドは、シリカの含有量、トレッドのネガティブ率(N)が下記式を満たす請求項1~5のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
    シリカの含有量/N≧0.5
  7. トレッドは、樹脂の含有量、ゴム成分中の総スチレン量(S)が下記式を満たす請求項1~6のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
    樹脂の含有量/S≧1.0
  8. トレッドは、樹脂の含有量、該トレッドのネガティブ率(N)が下記式を満たす請求項1~7のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
    樹脂の含有量/N≧0.45
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