JP2023070642A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェットグリップ性能に優れたタイヤを提供する。【解決手段】トレッドを備えたタイヤであって、前記トレッドは、ゴム成分と、シリカと、下記式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比が60%以上であるタイヤ。[化1]TIFF2023070642000009.tif21156(式(I)中、R1は、炭化水素基を表す。R2、R3は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、又は-(AO)n-H基(nは1以上の整数を表し、R2、R3の各nは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。AOは、同一又は異なって、炭素数2以上のオキシアルキレン基を表す。)を表し、R2、R3のうち少なくとも1つが-(AO)n-H基である。)【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤに関する。
近年、安全性等の観点から、自動車用タイヤのグリップ性能を改善することが望まれ、特にウェットグリップ性能の改善が望まれている。
本発明は、前記課題を解決し、ウェットグリップ性能に優れたタイヤを提供することを目的とする。
本発明によれば、トレッドを備えたタイヤであって、前記トレッドは、ゴム成分と、シリカと、上記式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比が60%以上であるタイヤであるので、ウェットグリップ性能を向上できる。
本発明は、トレッドを備えたタイヤであって、前記トレッドがゴム成分とシリカと前記式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比が60%以上であるタイヤである。
上記タイヤで前述の効果が得られる理由は、以下のように推察される。
式(I)で表される化合物は、親水性のアミンに炭化水素(アルキル)基が繋がった構造であり、それにより、式(I)で表される化合物の炭化水素基がゴム成分とよく相溶し、物理的にも良く絡み合うため、トレッド外に流出しにくくなっていると考えられる。
また、式(I)で表される化合物は、シリカの親水基と水素結合を形成してシリカを疎水化することで、ゴム組成物中にシリカ及び該化合物を均一に分散できると考えられる。
更に、シリカ及び式(I)で表される化合物は、親水部を有するため、トレッドが湿潤路面に接地した際に親水部が凝着力を発生しグリップ力を向上させると考えられる。
加えて、本発明のタイヤは、ランド比が大きい構造で、接地する面積が大きくなることで、均一に分散したシリカ及び式(I)で表される化合物の親水部が湿潤路面とよく接触し、その結果、親水部と湿潤路面の接触面積が増加することで、ウェットグリップ性能が向上したと考えられる。
以上の作用により、本発明のタイヤは、式(I)で表される化合物とタイヤ構造との組合せによって、相乗的にウェットグリップ性能が向上したものと推察される。
式(I)で表される化合物は、親水性のアミンに炭化水素(アルキル)基が繋がった構造であり、それにより、式(I)で表される化合物の炭化水素基がゴム成分とよく相溶し、物理的にも良く絡み合うため、トレッド外に流出しにくくなっていると考えられる。
また、式(I)で表される化合物は、シリカの親水基と水素結合を形成してシリカを疎水化することで、ゴム組成物中にシリカ及び該化合物を均一に分散できると考えられる。
更に、シリカ及び式(I)で表される化合物は、親水部を有するため、トレッドが湿潤路面に接地した際に親水部が凝着力を発生しグリップ力を向上させると考えられる。
加えて、本発明のタイヤは、ランド比が大きい構造で、接地する面積が大きくなることで、均一に分散したシリカ及び式(I)で表される化合物の親水部が湿潤路面とよく接触し、その結果、親水部と湿潤路面の接触面積が増加することで、ウェットグリップ性能が向上したと考えられる。
以上の作用により、本発明のタイヤは、式(I)で表される化合物とタイヤ構造との組合せによって、相乗的にウェットグリップ性能が向上したものと推察される。
このように、前記タイヤは、トレッドを、ゴム成分とシリカと式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比60%以上という構成にすることにより、ウェットグリップ性能を改善するという課題(目的)を解決するものである。すなわち、「ランド比が60%以上」というパラメーターは課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、ウェットグリップ性能を改善することであり、そのための解決手段として当該パラメーターを満たす構成にしたものである。
前記タイヤにおいて、トレッドのランド比は、60%以上であり、好ましくは63%以上、より好ましくは65%以上、より更に好ましくは68%以上、より更に好ましくは70%以上、特に好ましくは71%以上である。前記ランド比の上限は、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下、更に好ましくは82%以下、特に好ましくは80%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、上記タイヤが空気入りタイヤの場合、ランド比は、正規リム、正規内圧、正規荷重条件下における接地形状から計算される。非空気入りタイヤの場合、正規内圧を必要とせずに、同様に測定できる。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば ”Design Rim”、或いはETRTOであれば”Measuring Rim”を意味する。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば”INFLATION PRESSURE”を意味する。
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めているそれぞれの最大荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば”LOAD CAPACITY”の最大荷重を意味する。
接地形状は、正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることで得られる。
タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。すなわち、5回、接地形状を得る。
5つの接地形状について、タイヤ軸方向の最大長さの平均値をL、軸方向に直交する方向の長さの平均値をWとする。
ランド比は、厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)×100(%)で計算される。
ネガティブ率(%)は、[1-{厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)}]×100(%)で計算される。
ここで、長さや面積の平均値は、5つの値の単純平均である。式中のL×Wは、接地形状を得た際の主溝、横溝による空白部を繋ぎ合わせて得られる仮想面の面積を意味する。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば ”Design Rim”、或いはETRTOであれば”Measuring Rim”を意味する。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば”INFLATION PRESSURE”を意味する。
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めているそれぞれの最大荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば”LOAD CAPACITY”の最大荷重を意味する。
接地形状は、正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることで得られる。
タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。すなわち、5回、接地形状を得る。
5つの接地形状について、タイヤ軸方向の最大長さの平均値をL、軸方向に直交する方向の長さの平均値をWとする。
ランド比は、厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)×100(%)で計算される。
ネガティブ率(%)は、[1-{厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)}]×100(%)で計算される。
ここで、長さや面積の平均値は、5つの値の単純平均である。式中のL×Wは、接地形状を得た際の主溝、横溝による空白部を繋ぎ合わせて得られる仮想面の面積を意味する。
本発明のタイヤにおいて、トレッドは、ゴム成分と、シリカと、前記式(I)で表される化合物とを含むトレッド用ゴム組成物で構成される。
前記ゴム組成物は、ゴム成分を含む。
前記ゴム組成物において、ゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーである。
前記ゴム組成物において、ゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーである。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分としては特に限定されず、タイヤ分野で公知のものを使用できる。例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンスブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより良好に得られる観点から、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、BRを含むことがより好ましく、BR及びSBRを含むことが更に好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
ゴム組成物がイソプレン系ゴムを含む場合、ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR150B、LG Chem社製のBR1280等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(希土類系BR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
BRのシス量(シス含量)は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、BRのシス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ゴム組成物がBRを含む場合、ゴム成分100質量%中、BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。市販品としては、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。
SBRのスチレン含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは23.5質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上、最も好ましくは36質量%以上である。該スチレン含量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、1H-NMR測定により算出される。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、1H-NMR測定により算出される。
スチレン含量が高いSBR(例えば、スチレン含量25質量%以上のSBR)を用いることで、式(I)で表される化合物をトレッド外に抜けにくくすることができると考えられ、これにより、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
SBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは23質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。該ビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ゴム組成物がSBRを含む場合、ゴム成分100質量%中、SBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム組成物がSBR及び/又はBRを含む場合、ゴム成分100質量%中、SBR及びBRの合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上で、100質量%でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRやBRを多量に含む場合(例えば、SBR及びBRの合計含有量が70質量%以上)、炭化水素基と絡みやすいスチレン単位やビニル単位が多く含まれることになり、それにより、式(I)で表される化合物をトレッド外に抜けにくくすることができると考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
ゴム成分は、オイルで伸展された油展ゴム、樹脂で伸展された樹脂伸展ゴムであってもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、油展ゴムが好ましい。
なお、油展ゴムに使用されるオイル、樹脂伸展ゴムに使用される樹脂は、後述の可塑剤で説明したものと同様である。また、油展ゴム中のオイル分、樹脂伸展ゴム中の樹脂分は特に限定されないが、通常、ゴム固形分100質量部に対して10~50質量部程度である。
なお、油展ゴムに使用されるオイル、樹脂伸展ゴムに使用される樹脂は、後述の可塑剤で説明したものと同様である。また、油展ゴム中のオイル分、樹脂伸展ゴム中の樹脂分は特に限定されないが、通常、ゴム固形分100質量部に対して10~50質量部程度である。
ゴム成分は、変性により、シリカ等の充填材と相互作用する官能基が導入されていてもよい。
上記官能基としては、例えば、ケイ素含有基(-SiR3(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基、アルコキシ基など)、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、ケイ素含有基が好ましく、-SiR3(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基(好ましくは炭素数1~6の炭化水素基(より好ましくは炭素数1~6のアルキル基))又はアルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基))であり、Rの少なくとも一つが水酸基)がより好ましい。
上記官能基としては、例えば、ケイ素含有基(-SiR3(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基、アルコキシ基など)、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、ケイ素含有基が好ましく、-SiR3(Rは、同一又は異なって、水素、水酸基、炭化水素基(好ましくは炭素数1~6の炭化水素基(より好ましくは炭素数1~6のアルキル基))又はアルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基))であり、Rの少なくとも一つが水酸基)がより好ましい。
上記官能基を導入する化合物(変性剤)の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記ゴム組成物は、充填剤として、シリカを含有する。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカの原料は、水ガラス(珪酸ソーダ)であってもよいし、もみ殻等のバイオマス材料であってもよい。市販品としては、エボニックデグッサ社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカの原料は、水ガラス(珪酸ソーダ)であってもよいし、もみ殻等のバイオマス材料であってもよい。市販品としては、エボニックデグッサ社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは120m2/g以上、より好ましくは150m2/g以上、更に好ましくは160m2/g以上である。該N2SAは、好ましくは200m2/g未満、より好ましくは195m2/g以下、更に好ましくは185m2/g以下である。また、該シリカのN2SAの下限又は上限は、175m2/gでもよい。
なお、本明細書において、シリカのN2SAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
なお、本明細書において、シリカのN2SAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
前記ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは55質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは65質量部以上、最も好ましくは90質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカの含有量を多くした場合(例えば、60質量部以上)、ゴム中のシリカの親水部が増加し、それにより、路面との凝着力が増すと考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
シリカ以外に使用可能な充填剤としては、例えば、シリカ以外の無機充填剤、カーボンブラックが挙げられる。シリカ以外の無機充填剤としては、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。カーボンブラックの原料は、リグニン、植物油等のバイオマス材料であってもよい。また、カーボンブラックの製造方法は、ファーネス法等の燃焼によるものであってもよいし、水熱炭化(HTC)によるものであってもよい。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、日鉄カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、100m2/g以上が好ましく、120m2/g以上がより好ましく、140m2/g以上が更に好ましく、142m2/g以上が特に好ましい。また、上記N2SAは、200m2/g以下が好ましく、180m2/g以下がより好ましく、160m2/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
カーボンブラックの含有量を多くした場合(例えば、10質量部以上)、炭化水素基とよく相溶する式(I)で表される化合物を加えることで、該化合物を抜けにくくすることができると考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
前記ゴム組成物において、充填剤の含有量(シリカ、カーボンブラック等の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは60質量部以上、より更に好ましくは70質量部以上、より更に好ましくは80質量部以上、特に好ましくは90質量部以上、最も好ましくは95質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは115質量部以下、特に好ましくは105質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、下記式(I)で表される化合物を含む。なお、式(I)で表される化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(式(I)中、R1は、炭化水素基を表す。R2、R3は、同一若しくは異なって、水素原子(-H)、炭化水素基、又は-(AO)n-H基(nは1以上の整数を表し、R2、R3の各nは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。AOは、同一又は異なって、炭素数2以上のオキシアルキレン基を表す。)を表し、R2、R3のうち少なくとも1つが-(AO)n-H基である。)
R1~R3の炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素基が好ましい。炭化水素基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは12以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは22以下、特に好ましくは20以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基等が挙げられる。なかでも、上記炭素数のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、炭素数3~8のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、炭素数6~10のものが好ましく、具体的には、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、トリル(tolyl)基、キシリル(xylyl)基、ナフチル基等が挙げられる。なお、トリル基及びキシリル基におけるベンゼン環上のメチル基の置換位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置でもよい。
R2、R3の-(AO)n-H基(nは1以上の整数を表し、R2、R3の各nは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)のAOは、同一又は異なって、炭素数2以上のオキシアルキレン基を表す。該炭素数は、好ましくは3以上であり、上限は特に限定されないが、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
オキシアルキレン基AO中のアルキレン基Aは、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
効果がより好適に得られるという理由から、AOは、炭素数2~3のオキシアルキレン基(オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO))に分岐鎖R4(R4は、炭化水素基を表す。)が結合した基であることが好ましく、-(AO)n-H基は、下記式(A)、(B)で表される基であることがより好ましく、下記式(A)で表される基であることが更に好ましい。また、分岐鎖R4は、酸素原子に隣接する炭素原子に結合していることが好ましい。
(式(A)、(B)中、R4は、炭化水素基を表す。nは-(AO)n-H基のnと同様である。)
効果がより好適に得られるという理由から、AOは、炭素数2~3のオキシアルキレン基(オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO))に分岐鎖R4(R4は、炭化水素基を表す。)が結合した基であることが好ましく、-(AO)n-H基は、下記式(A)、(B)で表される基であることがより好ましく、下記式(A)で表される基であることが更に好ましい。また、分岐鎖R4は、酸素原子に隣接する炭素原子に結合していることが好ましい。
R4の炭化水素基は、R1~R3の炭化水素基と同様の基が挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。炭化水素基(好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくはアルキル基)の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
(AO)nが2種以上のオキシアルキレン基を含む場合、オキシアルキレン基の配列はブロックでもランダムでもよい。
nは、AOの付加モル数を表す。nは、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは3以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
式(I)において、R2、R3のうち少なくとも1つが-(AO)n-H基であるが、R2、R3の全てが-(AO)n-H基であることがより好ましい。すなわち、上記式(I)で表される化合物は、下記式(I-1)で表される化合物であることが更に好ましい。これにより、効果がより好適に得られる傾向がある。
(式(I-1)中、n1、n2が1以上の整数(nと同様の整数)を表す点以外は、式(I)と同様である。)
式(I)、式(I-1)において、AOの付加モル数の合計(n1+n2)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、好ましくは40以下、より好ましくは32以下、更に好ましくは20以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは6以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノール類(式(I)中、R2:-(CH2CH2)x-H、R3:-(CH2CH2)y-H)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(I-1)で表される化合物の具体例としては、例えば、POE(2)オクチルアミン、POE(4)デシルアミン、POE(2)ドデシルアミン、POE(5)ドデシルアミン、POE(15)ドデシルアミン、POE(2)テトラデシルアミン、POE(2)ヘキサデシルアミン、POE(2)オクタデシルアミン、POE(20)オクタデシルアミン、POE(2)オクタデセニルアミンなども挙げられる。なお、POE(m)は、ポリオキシエチレンが平均mモル付加していることを示す。これらの市販品として、花王(株)製のアミート102(POE(2)ドデシルアミン)、アミート105(POE(5)ドデシルアミン)、アミート302(POE(2)オクタデシルアミン)、アミート320(POE(20)オクタデシルアミン)などを使用できる。
式(I)で表される化合物としては上記市販品等を使用してもよく、またこれら市販品等とは別に製造したものを用いてもよい。製造方法としては例えば、多価アミン化合物に対してアルキレンオキサイドを、触媒存在下もしくは触媒を用いずに作用させることが考えられるが、この方法に限定されるものではない。
前記ゴム組成物において、式(I)で表される化合物の含有量(2種以上を併用する場合は合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、より更に好ましくは2.0質量部以上、より更に好ましくは3.0質量部以上、特に好ましくは4.0質量部以上、最も好ましくは5.0質量部以上である。また、該含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。化合物の含有量が上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、シランカップリング剤を含有することが望ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系;等があげられる。市販されているものとしては、例えば、エボニックデグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、操縦安定性、低燃費性能が良好に得られる観点から、スルフィド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系;等があげられる。市販されているものとしては、例えば、エボニックデグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、操縦安定性、低燃費性能が良好に得られる観点から、スルフィド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤が好ましい。
前記ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは8質量部以上、より更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは16質量部以下、より好ましくは14質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、可塑剤として、樹脂を含有することが望ましい。
樹脂としては、公知のものを使用できるが、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂及びこれらの水添物からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が望ましい。
樹脂としては、公知のものを使用できるが、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂及びこれらの水添物からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が望ましい。
C5系樹脂は、C5留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC5留分を、AlCl3、BF3等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。C5留分には、通常、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテン等のオレフィン系炭化水素;2-メチル-1,3-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,2-ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素;等が含まれる。
C5/C9系樹脂は、C5留分及びC9留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油由来のC5留分とC9留分とを、AlCl3、BF3等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。
なお、本明細書において、C5/C9系樹脂は、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
なお、本明細書において、C5/C9系樹脂は、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
C9系樹脂は、C9留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC9留分を、AlCl3、BF3等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。C9留分の具体例としては、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、γ-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、インデン等が挙げられる。C9系樹脂は、C9留分と共に、C8留分であるスチレン等、C10留分であるメチルインデン、1,3-ジメチルスチレン等、更にはナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p-tert-ブチルスチレン等をも原料として用い、これらのC8~C10留分等を混合物のまま、例えばフリーデルクラフツ型触媒により共重合して得られるものであってもよい。
なお、本明細書において、C9系樹脂は、スチレン系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
なお、本明細書において、C9系樹脂は、スチレン系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
クマロンインデン系樹脂は、クマロン及びインデンを構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、クマロン及びインデンの共重合体の他、クマロン及びインデンとこれらと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、スチレン系単量体1種を単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、スチレン、α-メチルスチレンがより好ましい。
効果をより良好に得るため、スチレン系樹脂は、α-メチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレン単独重合体、スチレンとα-メチルスチレンとの共重合体等)が好ましく、スチレンα-メチルスチレン樹脂(スチレンとα-メチルスチレンとの共重合体))がより好ましい。
テルペン系樹脂は、テルペン化合物(テルペン系単量体)を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、テルペン化合物1種を単独で重合した単独重合体、2種以上のテルペン化合物を共重合した共重合体の他、テルペン化合物及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
テルペン化合物は、(C5H8)nの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C10H16)、セスキテルペン(C15H24)、ジテルペン(C20H32)等に分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
効果をより良好に得るため、テルペン系樹脂は、テルペン化合物の単独重合体(ポリテルペン樹脂)、テルペン化合物とスチレン系単量体との共重合体が好ましく、テルペン化合物とスチレン系単量体との共重合体がより好ましい。また、テルペン化合物とスチレン系単量体との共重合体は、テルペン化合物とスチレンとの共重合体(テルペンスチレン樹脂)であることが好ましい。
なお、本明細書において、テルペンスチレン樹脂のように、テルペン化合物及びスチレン系単量体を構成モノマーとして含むポリマーは、スチレン系樹脂ではなく、テルペン系樹脂として取り扱う。
なお、本明細書において、テルペンスチレン樹脂のように、テルペン化合物及びスチレン系単量体を構成モノマーとして含むポリマーは、スチレン系樹脂ではなく、テルペン系樹脂として取り扱う。
シクロペンタジエン系樹脂は、シクロペンタジエン系単量体を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、シクロペンタジエン系単量体1種を単独で重合した単独重合体、2種以上のシクロペンタジエン系単量体を共重合した共重合体の他、シクロペンタジエン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
シクロペンタジエン系単量体としては、例えば、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジシクロペンタジエンが好ましい。すなわち、シクロペンタジエン系樹脂は、ジシクロペンタジエン(DCPD)を構成モノマーとして含むポリマー(DCPD系樹脂)であることが好ましく、水添DCPD系樹脂がより好ましい。
樹脂は、効果がより良好に得られる観点から、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂を含むことが好ましい。
樹脂、特にスチレン系樹脂、テルペン系樹脂を用いることで、コンパウンドのTgが上がり、tanδ(エネルギーロス)が上昇すると考えられる。従って、ウェットグリップ性能が向上したものと推察される。
前記ゴム組成物において、樹脂の含有量(総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、スチレン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、テルペン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上述の樹脂は、常温(25℃)で固体の固体樹脂であってもよいし、常温(25℃)で液状の液状樹脂であってもよい。効果をより良好に得るため、樹脂は、少なくとも、固体樹脂を含むことが好ましい。
上記樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上、より更に好ましくは90℃以上であり、また、好ましくは180℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは125℃以下である。
なお、本開示において、レジンの軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
なお、本開示において、レジンの軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記ゴム組成物において、固体樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、液状樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下で、0質量部でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上述の樹脂の市販品としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
樹脂以外の可塑剤としては、例えば、液状ポリマー、オイル(油展ゴム中のオイル分を含む)等を使用することができる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、オイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。また、これら以外にも、ライフサイクルアセスメントの観点から、ゴム加工用ミキサーやエンジンなどの潤滑油として使用された後のオイルや、調理店で使用された後の廃食用油を精製して得たオイルを適宜用いても良い。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、ENEOS(株)、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは35質量部以上、更に好ましくは37.5質量部以上、より更に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは45質量部以上である。上限は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、可塑剤の含有量(樹脂、オイル等の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは45質量部以上、更に好ましくは47.5質量部以上、より更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは55質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは70質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含有してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下、特に好ましくは3.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に架橋剤として用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に架橋剤として用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは2.8質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは7質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、上記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~200質量部が好ましい。
前記ゴム組成物は、例えば、上述の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80~110℃(より好ましくは85~110℃)である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。加硫時間は、通常5~15分である。
効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム組成物は、前記樹脂を含み、かつ、前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量(質量部)が下記式を満たすことが望ましい。
樹脂の含有量×シリカの含有量≧500
樹脂の含有量×シリカの含有量の下限は、好ましくは550以上、より好ましくは650以上、更に好ましくは800以上、特に好ましくは900以上である。上限は、好ましくは1500以下、より好ましくは1300以下、更に好ましくは1200以下、特に好ましくは1100以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂の含有量×シリカの含有量≧500
樹脂の含有量×シリカの含有量の下限は、好ましくは550以上、より好ましくは650以上、更に好ましくは800以上、特に好ましくは900以上である。上限は、好ましくは1500以下、より好ましくは1300以下、更に好ましくは1200以下、特に好ましくは1100以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂の含有量×シリカの含有量が高い場合(例えば、650を超える場合)、親水基を持つシリカの量と樹脂の量との積が所定以上となり、それにより、路面とのシリカ凝着の増加によるウェットグリップ性能の向上効果と、樹脂の配合によるウェットグリップ性能の向上効果とによる相乗効果が得られやくなったものと考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム組成物は、前記樹脂を含み、かつ、前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)、前記ゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)が下記式を満たすことが望ましい。
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量≧10.0
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量の下限は、好ましくは15.0以上、より好ましくは15.5以上、更に好ましくは18.0以上、より更に好ましくは20.0以上、より更に好ましくは30.0以上、特に好ましくは40.0以上、最も好ましくは50.0以上である。上限は、好ましくは100.0以下、より好ましくは80.0以下、更に好ましくは60.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量≧10.0
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量の下限は、好ましくは15.0以上、より好ましくは15.5以上、更に好ましくは18.0以上、より更に好ましくは20.0以上、より更に好ましくは30.0以上、特に好ましくは40.0以上、最も好ましくは50.0以上である。上限は、好ましくは100.0以下、より好ましくは80.0以下、更に好ましくは60.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量が高い場合(例えば、15.0を超える場合)、親水部を持つ該化合物の量と樹脂の量との積が所定以上となり、それにより、親水部と湿潤路面の接触面積が増加することで、親水部の増加によるウェットグリップ性能の向上効果と、樹脂の配合によるウェットグリップ性能の向上効果とによる相乗効果が得られやくなったものと考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
本発明のタイヤにおいて、前記ゴム組成物は、トレッド(特に、走行時に路面に接する部分(キャップトレッド))に使用される。
本発明のタイヤにおけるトレッドは、効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たすことが望ましい。
シリカの含有量×ランド比>3000
シリカの含有量×ランド比は、3300以上が好ましく、3500を超えることがより好ましく、3850以上が更に好ましく、3900以上がより更に好ましく、4000を超えることがより更に好ましく、4095以上がより更に好ましく、4400以上がより更に好ましく、4615以上がより更に好ましく、5000を超えることがより更に好ましく、5200以上がより更に好ましく、5670以上がより更に好ましく、6000を超えることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、シリカの含有量×ランド比は、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、7000以下が更に好ましく、6300以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカの含有量×ランド比>3000
シリカの含有量×ランド比は、3300以上が好ましく、3500を超えることがより好ましく、3850以上が更に好ましく、3900以上がより更に好ましく、4000を超えることがより更に好ましく、4095以上がより更に好ましく、4400以上がより更に好ましく、4615以上がより更に好ましく、5000を超えることがより更に好ましく、5200以上がより更に好ましく、5670以上がより更に好ましく、6000を超えることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、シリカの含有量×ランド比は、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、7000以下が更に好ましく、6300以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカの含有量×ランド比が高い場合(例えば、4000を超える場合)、親水基を持つシリカの量と、路面との接触面積との積が所定以上となり、それにより、路面とのシリカ凝着の増加とランド比の増加とによる相乗効果が得られやくなったものと考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
本発明のタイヤにおけるトレッドは、効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たすことが望ましい。
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比>100
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比は、110を超えることが好ましく、120以上がより好ましく、120を超えることが更に好ましく、126以上がより更に好ましく、130を超えることがより更に好ましく、135を超えることがより更に好ましく、140以上がより更に好ましく、142以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、式(I)で表される化合物の含有量×ランド比は、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、360以下が更に好ましく、240以下がより更に好ましく、210以下がより更に好ましく、200以下がより更に好ましく、180以下がより更に好ましく、170以下がより更に好ましく、160以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比>100
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比は、110を超えることが好ましく、120以上がより好ましく、120を超えることが更に好ましく、126以上がより更に好ましく、130を超えることがより更に好ましく、135を超えることがより更に好ましく、140以上がより更に好ましく、142以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、式(I)で表される化合物の含有量×ランド比は、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、360以下が更に好ましく、240以下がより更に好ましく、210以下がより更に好ましく、200以下がより更に好ましく、180以下がより更に好ましく、170以下がより更に好ましく、160以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比が高い場合(例えば、130を超える場合)、親水部を持つ該化合物の量と、路面との接触面積との積が所定以上となり、それにより、親水部と湿潤路面の接触面積が増加することで、親水部の増加とランド比の増加とによる相乗効果が得られやくなったものと考えられる。従って、ウェットグリップ性能が顕著に向上したものと推察される。
前記タイヤは、単層構造のトレッド、多層構造のトレッドのいずれを備えたタイヤでもよい。
前記多層構造のトレッドは、キャップトレッド(トレッドの最表面に配されたゴム層)及びベーストレッド(キャップトレッドのタイヤ半径方向内側に隣接して配されたゴム層)からなる2層構造トレッド、2層以上の任意の多層構造のトレッドが挙げられる。
前記多層構造のトレッドは、キャップトレッド(トレッドの最表面に配されたゴム層)及びベーストレッド(キャップトレッドのタイヤ半径方向内側に隣接して配されたゴム層)からなる2層構造トレッド、2層以上の任意の多層構造のトレッドが挙げられる。
多層構造のトレッドを備えたタイヤの場合、効果がより好適に得られる観点から、多層構造のトレッドを構成する各ゴム層が前記化合物を含むものでもよい。特に、キャップトレッド及びベーストレッドからなる2層構造トレッドの場合、キャップトレッド及びベーストレッドの両方のゴム層が前記化合物を含むことが望ましい。
前記2層構造トレッドの場合、効果がより好適に得られる観点から、キャップトレッド中の式(I)で表される化合物の含有量(キャップトレッド中のゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部))、ベーストレッド中の式(I)で表される化合物の含有量(ベーストレッド中のゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部))が、下記式を満たすことが望ましい。
キャップトレッド中の式(I)で表される化合物の含有量>ベーストレッド中の式(I)で表される化合物の含有量
キャップトレッド中の式(I)で表される化合物の含有量>ベーストレッド中の式(I)で表される化合物の含有量
前記2層構造トレッドの場合、キャップトレッドを構成するキャップトレッド用ゴム組成物は、前記式(I)で表される化合物の含有量(2種以上を併用する場合は合計含有量)が、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、より更に好ましくは2.0質量部以上、より更に好ましくは3.0質量部以上、特に好ましくは4.0質量部以上、最も好ましくは5.0質量部以上である。また、該含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
前記2層構造トレッドの場合、ベーストレッドを構成するベーストレッド用ゴム組成物は、前記式(I)で表される化合物の含有量(2種以上を併用する場合は合計含有量)が、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上である。また、該含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下、特に好ましくは1.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを得る。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを得る。
上記タイヤ(空気入りタイヤ等)は、乗用車用タイヤ;トラック・バス用タイヤ;二輪車用タイヤ;高性能タイヤ;スタッドレスタイヤ及び低温路面向けタイヤ等の冬用タイヤ;サイド補強層を備えるランフラットタイヤ;スポンジ等の吸音部材をタイヤ内腔に備える吸音部材付タイヤ;パンク時に封止可能なシーラントをタイヤ内部又はタイヤ内腔に備える封止部材付タイヤ;センサや無線タグ等の電子部品をタイヤ内部又はタイヤ内腔に備える電子部品付タイヤ等に使用可能であり、乗用車用タイヤに好適である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:TSR20
SBR1:旭化成(株)製のタフデン3830(スチレン量36質量%、ビニル量23質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
SBR2:JSR(株)製のSBR1502(スチレン量23.5質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR360L(シス1,4結合量98%)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9H(N2SA142m2/g)
シリカ:エボニック・デグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA175m2/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
化合物1:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールHT/14(上記式(I-1)で表される化合物)
化合物2:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールT/15(上記式(I-1)で表される化合物)
化合物3:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールC/15(上記式(I)(上記式(I-1))で表される化合物)
化合物4:花王(株)製のアミート102(POE(2)ドデシルアミン、上記式(I-1)で表される化合物)
樹脂1:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4150(β-ピネン樹脂、β-ピネン含有量98質量%以上、Mw2350、Mn830)
樹脂2:アリゾナケミカル社製のSYLVARES SA85(αメチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体)、軟化点85℃)
樹脂3:ヤスハラケミカル社製のYSレジンTO125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点125℃)
樹脂4:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C90(クマロンインデン樹脂、軟化点90℃)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH-70S(アロマ系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックFR
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
ワックス:日本精蝋(株)製のOzoace0355
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン(DPG))
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
SBR1:旭化成(株)製のタフデン3830(スチレン量36質量%、ビニル量23質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
SBR2:JSR(株)製のSBR1502(スチレン量23.5質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR360L(シス1,4結合量98%)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9H(N2SA142m2/g)
シリカ:エボニック・デグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA175m2/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
化合物1:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールHT/14(上記式(I-1)で表される化合物)
化合物2:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールT/15(上記式(I-1)で表される化合物)
化合物3:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のリポノールC/15(上記式(I)(上記式(I-1))で表される化合物)
化合物4:花王(株)製のアミート102(POE(2)ドデシルアミン、上記式(I-1)で表される化合物)
樹脂1:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4150(β-ピネン樹脂、β-ピネン含有量98質量%以上、Mw2350、Mn830)
樹脂2:アリゾナケミカル社製のSYLVARES SA85(αメチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体)、軟化点85℃)
樹脂3:ヤスハラケミカル社製のYSレジンTO125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点125℃)
樹脂4:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C90(クマロンインデン樹脂、軟化点90℃)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH-70S(アロマ系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックFR
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
ワックス:日本精蝋(株)製のOzoace0355
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン(DPG))
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
各表に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して試験用タイヤ(乗用車用タイヤ、サイズ:205/70R15)を得た。
得られた試験用タイヤを用いて下記評価を行い、結果を各表に示した。
各表に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して試験用タイヤ(乗用車用タイヤ、サイズ:205/70R15)を得た。
得られた試験用タイヤを用いて下記評価を行い、結果を各表に示した。
また、下記評価において、指数を計算する際の評価基準は以下のとおりである。
表1、2:比較例10
表1、2:比較例10
(ウェットグリップ性能)
試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、湿潤路面で実車走行し、時速100km/hでABS無しでブレーキを踏み、停止するまでに要した停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、湿潤路面で実車走行し、時速100km/hでABS無しでブレーキを踏み、停止するまでに要した停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
各表より、実施例は、比較例に比べ、ウェットグリップ性能が優れていた。
本発明(1)は、トレッドを備えたタイヤであって、
前記トレッドは、ゴム成分と、シリカと、下記式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比が60%以上であるタイヤである。
(式(I)中、R1は、炭化水素基を表す。R2、R3は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、又は-(AO)n-H基(nは1以上の整数を表し、R2、R3の各nは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。AOは、同一又は異なって、炭素数2以上のオキシアルキレン基を表す。)を表し、R2、R3のうち少なくとも1つが-(AO)n-H基である。)
前記トレッドは、ゴム成分と、シリカと、下記式(I)で表される化合物とを含み、かつランド比が60%以上であるタイヤである。
本発明(2)は、前記トレッドが、前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が70質量%以上である本発明(1)記載のタイヤである。
本発明(3)は、前記トレッドが、スチレン含量が25質量%以上であるスチレンブタジエンゴムを含む本発明(1)又は(2)記載のタイヤである。
本発明(4)は、前記トレッドが、前記ゴム成分100質量部に対して、前記シリカを60質量部以上含む本発明(1)~(3)のいずれかに記載のタイヤである。
本発明(5)は、前記トレッドが、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10質量部以上含む本発明(1)~(4)のいずれかに記載のタイヤである。
本発明(6)は、前記トレッドが、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たす本発明(1)~(5)のいずれかに記載のタイヤである。
シリカの含有量×ランド比>4000
シリカの含有量×ランド比>4000
本発明(7)は、前記トレッドが、ブタジエンゴムを含む本発明(1)~(6)のいずれかに記載のタイヤである。
本発明(8)は、前記トレッドが、スチレン系樹脂及びテルペン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む本発明(1)~(7)のいずれかに記載のタイヤである。
本発明(9)は、前記トレッドが、樹脂を含み、かつ前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)及び前記シリカの含有量(質量部)が下記式を満たす本発明(1)~(8)のいずれかに記載のタイヤである。
樹脂の含有量×シリカの含有量≧650
樹脂の含有量×シリカの含有量≧650
本発明(10)は、前記トレッドは、樹脂を含み、かつ前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)及び前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)が下記式を満たす本発明(1)~(9)のいずれかに記載のタイヤである。
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量≧15.0
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量≧15.0
本発明(11)は、前記トレッドが、前記ゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たす本発明(1)~(10)のいずれかに記載のタイヤである。
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比>130
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比>130
Claims (11)
- 前記トレッドは、前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が70質量%以上である請求項1記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、スチレン含量が25質量%以上であるスチレンブタジエンゴムを含む請求項1又は2記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、前記ゴム成分100質量部に対して、前記シリカを60質量部以上含む請求項1又は2記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10質量部以上含む請求項1又は2記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たす請求項1又は2記載のタイヤ。
シリカの含有量×ランド比>4000 - 前記トレッドは、ブタジエンゴムを含む請求項1又は2記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、スチレン系樹脂及びテルペン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2記載のタイヤ。
- 前記トレッドは、樹脂を含み、かつ
前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)及び前記シリカの含有量(質量部)が下記式を満たす請求項1又は2記載のタイヤ。
樹脂の含有量×シリカの含有量≧650 - 前記トレッドは、樹脂を含み、かつ
前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量(質量部)及び前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)が下記式を満たす請求項1又は2記載のタイヤ。
樹脂の含有量×式(I)で表される化合物の含有量≧15.0 - 前記トレッドは、前記ゴム成分100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量(質量部)と、前記ランド比(%)とが、下記式を満たす請求項1又は2記載のタイヤ。
式(I)で表される化合物の含有量×ランド比>130
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