JP2013116937A - コークス炉の操業方法および操業管理装置 - Google Patents

コークス炉の操業方法および操業管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コークスの押し詰まりが発生することを抑制可能なコークス炉の操業方法および操業管理装置を提供する。
【解決手段】複数の炭化室および燃焼室が水平方向に交互に配列されたコークス炉の操業方法であって、前記炭化室におけるコークスの高さ以下の範囲の炉壁に付着している炭素質物質の厚みに関する情報を取得する第1ステップと、前記炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合、該炭化室に隣接する燃焼室の温度の時間変動量が所定値以下になるようにコークス炉の操業条件を制御する第2ステップと、を含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、コークス炉の操業方法および操業管理装置に関するものである。
コークス炉では、隣り合う複数の炭化室に順次石炭を装入し、各炭化室において1100℃前後の高温で乾留を行い、乾留によって生成されたコークスを押出機によって各炭化室から押し出すことにより、コークスが製造される。このようなコークス炉では、炭化室からコークスを円滑に押し出せなくなる“押し詰まり”と呼ばれる現象が発生することがある。“押し詰まり”が発生する原因の1つは、炭化室内のコークスと炉壁との間の摩擦力が大きくなることと考えられている。また、コークスと炉壁との間の摩擦力は、例えば炉壁を構成する煉瓦表面の凹凸が大きい場合や乾留時に発生するタールやガスの熱分解によって炉壁に炭素質物質が付着した場合に、大きくなると考えられている。
コークス炉における装炭、乾留、押出などの作業のスケジュールは厳密に管理されている。このため、一部の炭化室で“押し詰まり”が発生すると、隣接する炭化室の温度が変動し、さらにその温度変動が周囲の炭化室での“押し詰まり”を引き起こすという悪循環が生じる。また、炭化室に詰まったコークスを取り除く作業を行わなければならず、さらにはコークスを取り除く際に炉壁を損傷させてしまう可能性もある。このように“押し詰まり”はコークス炉全体の稼働率および生産性に多大な悪影響を及ぼす。このような背景から、“押し詰まり”が発生することを抑制するための種々の方法が提案されている。
具体的には、“押し詰まり”の発生を抑制する方法としては、炭化室に装入する石炭の品位を調整する方法や、炉壁を補修することによって炉壁を平滑化する方法、およびコークス炉の操業条件を調整する方法が知られている。このうち、炭化室に装入する石炭の品位を調整する方法は、製造されるコークスの強度に影響を及ぼすために調整上の制約が大きい。同様に、炉壁を補修する方法は、コークス炉の操業を停止させる必要があるためにやはり制約が大きい。これに対して、コークス炉の操業条件を調整する方法は、コークスの品質や生産性への影響が小さいために実行しやすい。
このため、特許文献1には、コークス炉の操業条件の1つである燃焼室温度および燃焼室温度の炉団平均温度からの偏差に基づいて炭化室からコークスを押し出すために必要な押出力を推定する技術が提案されている。また、特許文献2には、燃焼室の代表温度や平均温度、炭化室の両側に位置する燃焼室の温度差、および燃焼室の温度分布に基づいて炭化室からコークスを押し出すために必要な押出力を推定する技術が提案されている。また、特許文献3には、燃焼室温度の時間変化から炭化室と燃焼室とを隔てる炉壁煉瓦の損傷を推定する方法が提案されている。
特開2005−307168号公報 特開2006−152152号公報 特開2001−081471号公報
ところで、従来の知見によれば、燃焼室温度が高いほど、炭化室内のコークスの熱収縮が大きくなるために、コークスを押し出しやすくなるという考え方がある。その一方で、燃焼室温度が高いと、乾留時の昇温速度が速くなり、石炭の膨張圧が高くなるために、コークスを押し出すために必要な押出力が大きくなるという考え方や、燃焼室温度が高いと、コークスの熱収縮によってコークスが細粒になり、コークスを押し出すために必要な押出力が大きくなるという考え方もある。さらに、燃焼室温度が高いと、タールやガスが炉壁表面で熱分解することによって炉壁に炭素質物質が付着することにより、コークスの押出抵抗が増加するという知見もある。また、燃焼室の長手方向の温度分布もコークスの押出性に影響することが知られている。
特許文献1,2記載の技術は、これらの考え方を基本として、燃焼室温度を調整することによってコークスの押出性の改善を図っている。しかしながら、特許文献1,2記載の技術は、燃焼室温度の時間変化がコークスの押出性に与える影響については考慮していない。このため、特許文献1,2記載の技術によれば、燃焼室温度が時間的に変化した際、コークスの押出性を精度高く推定することができず、結果として、“押し詰まり”の発生を抑制できない可能性がある。なお、特許文献3には、燃焼室温度の時間変化から炉壁煉瓦の損傷を推定する方法が記載されている。しかしながら、特許文献3には、燃焼室温度の時間変化とコークスの押出性との関係は開示、示唆されていない。また、特許文献3記載の技術によって検知される炉壁煉瓦の目地切れは、煉瓦表面の凹凸とは直接的な関係がなく、コークスの押出性に影響を与えるとは考えにくい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コークスの押し詰まりが発生することを抑制可能なコークス炉の操業方法および操業管理装置を提供することにある。
本発明の発明者らは、鋭意研究を重ねてきた結果、炭化室の幅方向両側に位置する燃焼室の少なくとも一方の温度の時間変動量が大きい場合にコークスの押し詰まりが発生することがあり、燃焼室温度の時間変動量を低減することによってコークスの押し詰まりを抑制できることを見出した。また、本発明の発明者らは、燃焼室温度の時間変化がコークスの押出性に影響を及ぼす条件を詳細に検討した結果、炉壁に付着している炭素室物質の量が多い場合に燃焼室温度の時間変動量が大きくなると、コークスの押し詰まりが発生することを見出した。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコークス炉の操業方法は、複数の炭化室および燃焼室が水平方向に交互に配列されたコークス炉の操業方法であって、前記炭化室におけるコークスの高さ以下の範囲の炉壁に付着している炭素質物質の厚みに関する情報を取得する第1ステップと、前記炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合、該炭化室に隣接する燃焼室の温度の時間変動量が所定値以下になるようにコークス炉の操業条件を制御する第2ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係るコークス炉の操業方法は、上記発明において、前記第2ステップが、前記炭素質物質の厚みが10mm以上である場合に、前記燃焼室の温度の時間変動量が標準偏差で25℃以下になるようにコークス炉の操業条件を制御するステップを含むことを特徴とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコークス炉の操業管理装置は、複数の炭化室および燃焼室が水平方向に交互に配列されたコークス炉の操業管理装置であって、前記炭化室におけるコークスの高さ以下の範囲の炉壁に付着している炭素質物質の厚みに関する情報を取得する炭素質物質厚み計測部と、前記炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合、該炭化室に隣接する燃焼室の温度の時間変動量が所定値以下になるようにコークス炉の操業条件を制御する操業条件制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るコークス炉の操業方法および操業管理装置によれば、コークスの押し詰まりが発生することを抑制することができる。
図1は、本発明が適用されるコークス炉の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明が適用されるコークス炉の構成を示す平面断面図である。 図3は、コークス炉を構成する炭化室Aと炭化室Bとにおける定期補修後の累積押出回数と押出負荷との関係を示す図である。 図4は、燃焼室温度の日間標準偏差と押出負荷との関係を示す図である。 図5は、炭素質物質が剥離する様子を示す模式図である。 図6は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業管理装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法および操業管理装置について説明する。
〔コークス炉の構成〕
始めに、図1,2を参照して、本発明が適用されるコークス炉の構成について説明する。但し、本発明が適用されるコークス炉の構成は図1,2に示す構成に限定されることはない。
図1は、本発明が適用されるコークス炉の構成を示す斜視図である。図1に示すように、本発明が適用されるコークス炉は、複数の炭化室11および燃焼室12を備えている。複数の炭化室11および燃焼室12は、水平方向に沿って蓄熱室13の上部に交互に形成され、各炭化室11の天井部には、複数の装炭口14が形成されている。本実施形態では、炭化室11は、幅0.4〜0.6m、長さ10〜20m、高さ4〜8mの略直方体形状を有している。
複数の装炭口14は、コークス炉の上部を走行する装炭車15によって運ばれた石炭を炭化室11内に装入するためのものである。装炭口14から炭化室11に装入された石炭は、炭化室11に隣接する燃焼室12からの熱を受けて乾留し、赤熱コークスとなって炭化室11から押出機16によって押し出される。炭化室11から押し出された赤熱コークスは、ガイド車17を経て消火車18に受け渡され、消火車18によって図示しない赤熱コークス消火設備へと搬送される。
図2は、本発明が適用されるコークス炉の構成を示す平面断面図である。図2に示すように、炭化室11は、炭化室壁11a,11bを有している。炭化室壁11a,11bは、例えば珪石からなる多数の煉瓦19を積み上げることによって形成されている。炭化室11は、押出機16の押出ラム16a(図1参照)が挿入される窯口と赤熱コークスが押し出される窯口とを有し、窯口の近傍には、H形鋼などからなるバックステー20が炉体の変形や倒壊を防止する目的で立設されている。
〔本発明の概念〕
次に、図3,4を参照して、本発明の概念について説明する。
図3は、コークス炉を構成する炭化室Aと炭化室Bとにおける定期補修後の累積押出回数と押出負荷との関係を示す図である。図3に示すように、炭化室Aおよび炭化室B共に、累積押出回数がある回数になった時点で突然押出負荷が大きくなることが確認された。なお、本例では、押出ラム16a(図1参照)を駆動するモータの電流値の最大値を押出負荷として用いており、図3に示す例では押出負荷が400A以上であると押し詰まりが発生した。
そこで、本発明の発明者らは、図3に示す累積押出回数と押出負荷との関係に基づいて、押出負荷が突然大きくなって押し詰まりが発生するケースについて、押し詰まりが発生する原因を検討した。図4は、燃焼室温度の日間標準偏差(日間バラツキ)σと押出負荷との関係を示す図である。燃焼室温度は、燃焼室の長手方向ほぼ中央部の上部煉瓦中に埋め込まれた熱電対によって計測された温度である。日間標準偏差σは、ある押出の前に燃焼室温度を1分間毎に1日計測し、計測された燃焼室温度の標準偏差を算出したものであり、燃焼室の幅方向両側の燃焼室温度から算出された標準偏差の大きい方の値をその炭化室の代表標準偏差とした。図4に示すように、日間標準偏差σが25℃より大きくなると、押出負荷が400A以上となり、押し詰まりが発生していることがわかる。
次に、本発明の発明者らは、炭化室壁に付着している炭素質物質の量が増えるほどコークスの押出性が悪化することが知られていることから、炭化室壁に付着している炭素質物質の付着厚みを計測した。炭素質物質の付着厚みは、炭化室内の最もコークス排出側に近い装入口の直下、炉底から2mの高さ位置(コークスの高さ以下の範囲)における窯幅を測定し、補修直後に炭素質物質が付着していない状態で測定した窯幅と測定された窯幅との差分値を算出することによって計測した。窯幅の測定には公知のレーザー距離計を利用した。なお、上述の差分値は炭化室の両側の炭化室壁に付着した炭素質物質の厚みの合計値になる。一方、炭素質物質の付着速度は炭化室壁の温度によって決まり、また炭化室の両側の炭化室壁の温度は略同じになるように操業が行われるので、炭素質物質の付着厚みは両側の炭化室壁でほぼ等しいと推察される。このため、本例では、上述の差分値の半分の値を片側の炭化室壁における炭素質物質の付着厚みとした。炭化室Aおよび炭化室Bについて炭素質物質の付着厚みを計測した結果を以下の表1に示す。
Figure 2013116937
表1に示すように、炭素質物質の付着厚みは累積押出回数の増加に伴い増加している。これに対して、図3に示すように、押出負荷は累積押出回数の増加に伴い顕著には増加しないが、図4に示すように、燃焼室温度の日間標準偏差σが25℃より大きくなると、押出負荷が400A以上となり、押し詰まりが発生する。このような現象が発生するメカニズムは以下のように考えられる。図5は、炭素質物質が剥離する様子を示す模式図である。図5に示すように、炭化室壁の温度の変動に伴い、炭素質物質30の熱膨張率と炭化室壁11a,11bを構成する煉瓦の熱膨張率との違いに起因して炭化室壁11a,11bに付着した炭素質物質30の一部が剥がれる、又は、炭化室壁11a,11bから浮きあがり押出時のコークスから受ける力によって剥がれたものと考えられる。そして、炭素質物質の一部が剥離すると、炭素質物質に凹凸が形成され、押出時の摩擦力が増大する結果、押出負荷が突然大きくなると考えられる。また、剥離した炭素質物質自体が押出時にコークスと共に移動し、炉壁に引っかかることによって押し詰まりを誘発する可能性も考えられる。
このメカニズムによる押し詰まりは、炭化室壁への炭素質物質の付着と燃焼室温度の変動量の増大との2つの因子が共存することによって発生する。従って、このメカニズムによる押し詰まりが発生することを抑制するためには、炭素質物質の付着厚さが所定厚さ以上である場合には、燃焼室温度の変動量が所定値以上にならないように燃焼室温度の変動量を制御すればよい。具体的には、図3,4に示す例では、炭化室Aおよび炭化室B共に、押し詰まりが発生する直前には炉壁に厚さ10mm以上の炭素質物質が付着していることが確認されたことから、炭素質物質の付着厚さが10mm以上である場合、燃焼室温度の標準偏差が25℃以上にならないように燃焼室温度の変動量を制御すればよい。燃焼室温度の変動量は、石炭の水分や装入量のバラツキ、操業スケジュールの乱れ、押出窯順の乱れ、および燃焼調整の頻度を調整することによって小さくすることができる。
なお、炭素質物質の付着厚みを推定するための窯幅は、レーザー距離計以外にもマイクロ波距離計やノギスなどの測定治具を用いて測定することもできる。また、公知の炭素質物質の析出速度と操業条件との関係に基づいて炭素質物質の付着厚みを推定してもよいし、補修後経過日数、燃焼室温度、および石炭の揮発分などの操業条件と炭素質物質の付着厚さとの関係に基づいて炭素質物質の付着厚みを推定してもよい。
また、燃焼室温度として、燃焼室の代表温度に変えて燃焼室内の特定位置の温度を採用してもよい。また、燃焼室温度として、燃焼室内の空間部の温度や燃焼室の点検孔から放射温度計によって測定される燃焼室煉瓦の表面温度を採用してもよい。但し、燃焼室内温度のうち、長手方向両端部(端フリューとも称する)に近い燃焼室の温度は外気による冷却の影響を受けるため、燃焼室の温度変動を管理するための温度としては不適当である。また、燃焼室温度の変動を測定する期間は、1日で無くとも石炭装入から火落ち又は窯出しまでの期間としてもよい。
〔操業管理装置の構成〕
次に、図6を参照して、上記の本発明の概念に基づいて想到された本発明の一実施形態であるコークス炉の操業管理装置の構成について説明する。
図6は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業管理装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業管理装置100は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。操業管理装置100は、情報処理装置内部のCPUなどの演算処理装置がコンピュータプログラムを実行することによって、炭素質物質厚み計測部101、燃焼室温度計測部102、および操業条件制御部103として機能する。これら各部の機能については後述する。
〔コークス炉の操業方法〕
最後に、図7を参照して、上記操業管理装置100によるコークス炉の操業方法について説明する。
図7は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、コークス炉の操業が開始されたタイミングで開始となり、ステップS1の処理に進む。図7に示すフローチャートは、コークス炉が操業されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、炭素質物質厚み計測部101が、炭化室壁11a,11bに付着している炭素質物質の厚みを計測する。これにより、ステップS1の処理は完了し、コークス炉の操業方法はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、炭素質物質厚み計測部101が、ステップS1の処理において計測された炭素質物質の厚みが所定厚み(例えば10mm)以上であるか否か判別する。判別の結果、炭素質物質の厚みが所定厚み未満である場合、炭素質物質厚み計測部101は、コークス炉の操業方法を終了する。一方、炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合には、炭素質物質厚み計測部101は、コークス炉の操業方法をステップS3の処理に進める。
ステップS3の処理では、燃焼室温度計測部102が、燃焼室温度を計測し、燃焼室温度の標準偏差σを算出する。そして、操業条件制御部103が、標準偏差σの値が所定値(例えば25℃)以下になるように石炭の水分や装入量のバラツキ、操業スケジュールの乱れ、押出窯順の乱れ、および燃焼調整の頻度を調整する。これにより、ステップS3の処理は完了し、コークス炉の操業方法は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法では、炭素物質厚み計測部101が、炭化室壁11a,11bに付着している炭素質物質の厚みを計測し、計測された炭素質物質の厚みが所定厚み(例えば10mm)以上である場合、操業条件制御部103が、燃焼室温度の標準偏差σが所定値(例えば25℃)以下になるように石炭の水分や装入量のバラツキ、操業スケジュールの乱れ、押出窯順の乱れ、および燃焼調整の頻度を調整する。これにより、炭化室壁11a,11bに付着している炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合に燃焼室温度の標準偏差σが所定値以上になることを抑制できるので、コークスの押し詰まりが発生することを抑制できる。
[実施例]
同一の配合の石炭および同一の乾留時間設定で操業を行っている104窯からなるコークス炉団において、補修後30日以上経過した10窯を試験対象窯として選定し、各窯(炭化室)内の最もコークス排出側に近い装入口の直下、炉底から2mの高さ位置における炭素質物質の付着厚みを計測したところ、いずれの窯においてもその厚みは10mm以上であった。これらの試験対象窯において燃焼調整の頻度を高めて燃焼室温度の標準偏差σが25℃以下になるように調整した。その結果、15日間の試験期間において押し詰まりは発生しなかった。これに対して、同様の補修後経過日数の別の10窯を比較窯として選び(試験対象窯と同様にいずれの窯でも炭素質物質の付着厚みは10mm以上であった)、燃焼調整の頻度を従来のままとしたところ、2窯において燃焼室温度の標準偏差が25℃以上となり、その窯では押し詰まりが発生した。以上のことから、燃焼室温度の標準偏差σを25℃以下にすることによって、押し詰まりの発生を抑制できることが知見された。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
11 炭化室
11a,11b 炭化室壁
12 燃焼室
13 蓄熱室
14 装炭口
15 装炭車
16 押出機
16a 押出ラム
17 ガイド車
18 消火車
19 煉瓦
20 バックステー
30 炭素質物質
100 操業管理装置
101 炭素質物質厚み計測部
102 燃焼室温度計測部
103 操業条件制御部

Claims (3)

  1. 複数の炭化室および燃焼室が水平方向に交互に配列されたコークス炉の操業方法であって、
    前記炭化室におけるコークスの高さ以下の範囲の炉壁に付着している炭素質物質の厚みに関する情報を取得する第1ステップと、
    前記炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合、該炭化室に隣接する燃焼室の温度の時間変動量が所定値以下になるようにコークス炉の操業条件を制御する第2ステップと、
    を含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
  2. 前記第2ステップは、前記炭素質物質の厚みが10mm以上である場合に、前記燃焼室の温度の時間変動量が標準偏差で25℃以下になるようにコークス炉の操業条件を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の操業方法。
  3. 複数の炭化室および燃焼室が水平方向に交互に配列されたコークス炉の操業管理装置であって、
    前記炭化室におけるコークスの高さ以下の範囲の炉壁に付着している炭素質物質の厚みに関する情報を取得する炭素質物質厚み計測部と、
    前記炭素質物質の厚みが所定厚み以上である場合、該炭化室に隣接する燃焼室の温度の時間変動量が所定値以下になるようにコークス炉の操業条件を制御する操業条件制御部と、
    を備えることを特徴とするコークス炉の操業管理装置。
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