JP4361378B2 - カーボン付着炭化室の選定方法及びコークス炉の操業方法 - Google Patents

カーボン付着炭化室の選定方法及びコークス炉の操業方法 Download PDF

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本発明は、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する方法、及び、該選定に基づいて、炭化室の炉壁に付着しているカーボンを除去するコークス炉の操業方法に関するものである。
コークス炉には、石炭を高温乾留するための炭化室と、炭化室を加熱するための燃焼室とが交互に配置されており、コークスの製造は、原料となる石炭を前記炭化室内に充填し、約1,000℃の高温で20時間程度乾留した後、押出ラムで生成コークスを炭化室から押出すサイクルを繰り返すことによって行なわれる。前記炭化室の炉壁は耐火煉瓦で構成されているが、上記過酷な条件での連続操業によって欠損箇所が生じたり、カーボンの付着が生じたりする。炉壁に欠損やカーボン付着が存在すると、生成コークスの押出し時に、炉壁方向にも大きな負荷(圧力)がかかるので、炭化室炉壁の欠損、変形、移動が生じて、コークス炉の寿命を縮める原因となると言われている。
現在日本国内で稼動しているコークス炉の平均寿命は、約30年といわれているが、コークス炉を新たに設備投資するコストは近年極めて高額につき、新たな設備投資は、コークス製造コストを著しく押し上げることになる。そのため、現状のコークス炉を保守・点検することにより、その寿命をいかに延長できるかということが、コークス製造業界の重要な課題となっている。
従来の保守・点検方法は、生成コークスを押出す際の押出ラムの負荷電力値や目視観察の結果、或いは、コークスの生産サイクル数などに基づいて、炉壁の壁面に付着しているカーボンを焼却除去したり、或いは、炉壁の欠損箇所を溶射補修することが行われている。
例えば、特許文献1及び2には、コークス炉炭化室炉壁の異常判定方法が開示され、特許文献3には、コークス炉の炭化室から赤熱コークスを押出す際に押出ラムに負荷される押出抵抗の異常原因を、目視観察することなく決定できるコークス炉の操業方法が開示されている。
特開平8−134458号公報 特開平8−134459号公報 特2001−40359号公報
コークス炉の寿命を延長するという観点からは、炭化室の保守・点検の回数を増加させることが好ましいが、保守・点検の回数を増加させるとそれだけコークスの生産効率が低下することになる。そこで、本発明は、コークスの生産効率の低下を抑制しつつ、コークス炉の寿命を延長することを目的として、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、保守・点検すべき炭化室を効率よく選定する方法及び該方法を利用するコークス炉の操業方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、コークス炉炭化室の内部を詳細に検査する方法として、例えば、特願2002−126661号、特願2003−35446号を出願している。そして、コークス炉炭化室の一層効率的な保守・点検方法を摸索するため、これらの検査方法に基づいて、コークス炉炭化室内部を継続的に検査した結果、以下のような知見が得られた。
図1は、コークス炉を構成する複数の炭化室(総数128)について、コークス生産サイクル数と炭化室炉壁に付着しているカーボン付着量との相関を示す散布図である。図1より、コークス生産サイクル数とカーボン付着量との間には、正の相関があり、コークス生産サイクル数が増えるにつれて、カーボン付着量が増加する傾向が認められる。そして、100〜120サイクルを境として、炭化室毎のカーボン付着量にばらつきが生じていることが分かる。
図2は、コークス炉を構成する複数の炭化室(総数128)について、カーボン付着量と押出ラムの押出電力値との相関を示す散布図である。この結果より、カーボン付着量が多くなっても必ずしも押出電力値が高くなっていない炭化室や、カーボン付着量が少ないにも関わらず押出電力値が高くなっている炭化室が存在していることが分かった。また、図1と図2とを併せて考慮すると、炭化室のコークス生産サイクル数が多くなってカーボン付着量が増加しても、押出電力値が高くならない炭化室が存在するため、炭化室のコークス生産サイクル数が多くなっているという理由のみで、炭化室の炉壁に付着しているカーボンを除去するということは、必ずしも効率的でないということが分かった。
図3およ図4はそれぞれ、コークス炉を構成するある炭化室について、コークス生産サイクル数に対する押出電力値の推移を示すグラフである。図3及び図4中、炉壁に付着しているカーボンを焼却除去した時期を、押出電力値0で示した。図3に示した炭化室では、押出電力値は、炉壁に付着しているカーボンを除去した後、それほどばらつくことなく一定値で推移し、コークス生産サイクル数が160を超えたあたりから、上下にばらつきながら上昇した。一方、図4に示した炭化室では、押出電力値は、カーボン除去後もばらつきながら推移し、再びカーボンを除去した後、ほぼ一定値に収束した。
これらの現象を炭化室の内部観察結果に基づいて解析した結果、図3や図4の如く押出電力値にばらつきが生ずるのは、炉壁に付着しているカーボンが部分的に剥離して、これが抵抗となって押出電力値が高くなり、これが完全に剥離して炉壁から脱落すると、押出電力値が低下することが分かった。さらに図1を参酌すると、カーボン付着量がばらつくコークス生産サイクル数とカーボンが部分的に剥離するコークス生産サイクル数とに相関があることが分かる。また、炉壁に滑らかにカーボンが付着している場合には、押出電力値が高めに推移するかもしれないがそれほど問題にはならないこと、さらに、炉壁表面に凹凸が存在して押出電力値がばらついていたとしても、該凹凸を低減するようにカーボンが付着したり、或いは、剥離して、炉壁表面が滑らかになれば、押出電力値は低下することなどが分かった。
本発明は、上記知見に基づいて、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を効率よく選定する方法を提供することを主たる目的とし、さらに該選定方法を利用したコークス炉の操業方法を提供するものである。すなわち、本発明は、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する方法であって、各炭化室において、生成したコークスを押出す毎に押出抵抗値を測定し、特定サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、特定サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bとを求め、各炭化室について得られた押出抵抗値の平均値Aと標準偏差Bについて、前記複数の炭化室を母集団とするその炭化室の偏差値S(A)及びS(B)を求め、上記偏差値S(A)およびS(B)に基づいて、複数の炭化室の中から炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定することを特徴とする。例えば、最新の押出し時から遡って5〜10サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、最新の押出し時から遡って5〜10サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bとを求めることが好ましい態様である。また、上記選定した炭化室の炉壁に付着したカーボンを除去して、コークス炉を操業することも本発明の好ましい態様である。
本発明によれば、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を効率よく選定できる。また、斯かる選定方法を採用してコークス炉を操業すれば、生成コークスを押出す際の押出抵抗値を安定化して、炉壁への負担を軽減でき、さらには、コークス炉の寿命を延長できる。
本発明のカーボン付着炭化室の選定方法は、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する方法であって、各炭化室において、生成したコークスを押出す毎に押出抵抗値を測定し、特定サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、特定サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bとを求め、各炭化室について得られた押出抵抗値の平均値Aと標準偏差Bについて、前記複数の炭化室を母集団とするその炭化室の偏差値S(A)及びS(B)を求め、上記偏差値S(A)及びS(B)に基づいて、複数の炭化室の中から炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定することを特徴とする。
まず、各炭化室において、生成したコークスを押出す毎に押出抵抗値を測定し、特定サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、特定サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bとを求める方法について説明する。本発明において測定する押出抵抗値としては、生成したコークスを押出ラムで押出す際に押出ラムが受ける抵抗(負荷)を指標するものであれば、特に限定されず、例えば、押出ラムの押出電力値や押出ラム駆動用ギアのトルクなどを採用することができる。一般に、コークス製造においては、生成コークスを押出す際の押出電力値を管理する場合が多いので、押出電力値を採用することが簡便で好ましい態様である。
本発明では、生成したコークスを押出す毎に押出抵抗値を測定し、得られた押出抵抗値をコークス生産サイクル数ともに記録する。そして、特定サイクル分の押出抵抗値の平均値A(以下、「サイクル平均押出抵抗値A」と称する場合がある)と標準偏差B(以下、「サイクル標準偏差B」と称する場合がある)とを求める。特に、最新の押出し時から遡って特定サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、最新の押出し時から遡って特定サイクル分の標準偏差Bをそれぞれ求めることが好ましい態様である。最新の押出し時から遡ることによって、最新の押出抵抗値を採用することができ、選定精度が高まるからである。上記サイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bは、通常の算出方法により求めることができる。念のため算出方法を例示すると、特定サイクル数をZとし、各サイクルの押出抵抗値をXZ、XZ-1・・・X2、X1で表すと、サイクル平均押出抵抗値Aは、下記式(1)で表される。
Figure 0004361378
また、サイクル標準偏差Bは、下記式(2)で表わされる。
Figure 0004361378
(式(2)中、Xavは、Zサイクル分の平均押出抵抗値である。)
本発明において、上記特定サイクル数Zは、サイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bを求める際にそれぞれ任意に定めることができ、サイクル平均押出抵抗値Aを求めるために遡るサイクル数とサイクル標準偏差Bを求めるために遡るサイクル数が異なっていてもよい。尚、式(2)中、サイクル平均押出抵抗値として、Xavを使用するのは、上記平均値Aと上記標準偏差Bを算出するのに使用する特定サイクル数が異なる場合には、式(2)中のXavが、式(1)中の平均値Aと異なる場合が生ずるからである。上記特定サイクル数Zは、通常、5以上とすることが好ましく、より好ましくは7以上とする。5未満であると、炉壁の状態を十分に指標できない場合もあるからである。一方、上記特定サイクル数Zの上限は、特に限定されるものではないが、通常、15程度であることが好ましく、より好ましくは12程度である。算出の基礎とする特定サイクル数を増やしすぎると、過去の状態の影響を大きく受けて、最新の炉壁状態を反映しない場合が生じるからである。
そして、コークス炉を構成する複数の炭化室のそれぞれについて、上記サイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bを求めた後、各炭化室について得られたサイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bについて、それぞれ、前記複数の炭化室を母集団とする各炭化室の偏差値S(A)及びS(B)を求める。
コークス炉を構成する複数の炭化室の数をNとし、炭化室No.1、No.2、No.3、・・No.N−2、No.N−1、No.Nの炭化室のそれぞれのサイクル平均押出抵抗値を、A1、A2、A3、・・・AN-2、AN-1、AN、及び、炭化室のそれぞれのサイクル標準偏差Bを、B1、B2、B3、・・・、BN-2、BN-1、BNとすると、N個の炭化室からなるコークス炉を母集団として、各炭化室について得られたサイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bについての偏差値S(A)およびS(B)は、それぞれ次式(3)〜(5)及び(6)〜(8)で表される。
Figure 0004361378
式(3)は、サイクル平均押出抵抗値Aについて、N個の炭化室を母集団とする個数平均値を求めるものである。
Figure 0004361378
式(4)は、サイクル平均押出抵抗値Aについて、N個の炭化室を母集団とする標準偏差を求めるものである。
Figure 0004361378
式(5)は、ある炭化室のサイクル平均押出抵抗値Aについて、N個の炭化室を母集団とする偏差値を求めるものである。
Figure 0004361378
式(6)は、サイクル標準偏差Bについて、N個の炭化室を母集団とする個数平均値を求めるものである。
Figure 0004361378
式(7)は、サイクル標準偏差Bについて、N個の炭化室を母集団とする標準偏差を求めるものである。
Figure 0004361378
式(8)は、ある炭化室のサイクル標準偏差Bについて、N個の炭化室を母集団とする偏差値を求めるものである。
本発明では、上記のようにして得られた偏差値S(A)およびS(B)に基づいて、複数の炭化室の中から炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する。
上記偏差値S(A)およびS(B)に基づくカーボン付着炭化室の選定は、例えば、下記式(9)で表されるFに基づいて行うことができる。
F=a・S(A)+b・S(B)(但し、a,bは、任意の有理数)・・・式(9)
ここで、S(A)は、炉壁に付着している滑らかなカーボンの程度を指標するものであり、S(B)は、炉壁から部分的に剥離したり、或いは、完全に剥離して、押出抵抗値のばらつきの原因となるようなカーボンの程度を指標するものである。そして、Fは、これらの影響を総合的に指標するものである。S(A)とS(B)とを総合的に考慮するのは、例えば、炉壁に付着している滑らかなカーボンの付着量が多く、押出抵抗値が高く推移している場合において、炉壁の一部が剥離して、押出抵抗値が一時的に極端に高くなると、炉壁に過度の負荷がかかって、炉壁の煉瓦の損傷や炉壁の変形などの原因となるからである。また、カーボン付着の程度を総合的に指標するF中のS(A)とS(B)の割合を意味するaとbは、考慮すべき因子の重み付けに相当し、例えば、S(A)の因子がS(B)の因子より重要である場合には、a≧bとなるようにし、S(B)の因子がS(A)の因子より重要である場合には、a≦bとなるように適宜選択することができる。通常、a:b=1:1とすることが経験的に好ましい。また、前記aおよびbとしては、任意に有理数を採用することができるが、好ましくは整数であり、さらに好ましくは1〜10程度の自然数とする。
そして、式(9)によって得られる上記Fの値が大きいほど、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室であると選定できる。また、選定の際、例えば、コークス生産サイクル数が100サイクル以上、より好ましくは120サイクル以上の炭化室のみを対象としてもよい。100サイクル未満の炭化室において、炉壁に付着しているカーボンを除去する必要があるのはまれであるからである。また上述した様に、生産サイクル数が120サイクル以上になると炉壁付着カーボン量がばらつく傾向があるからである(図1参照)。
炉壁に付着しているカーボンを除去する方法は、特に限定されず、例えば、炭化室を空の状態で加熱し、炉壁付着のカーボンと炉壁の煉瓦との熱膨張差により炉壁付着カーボンを剥離させる方法、及び、空の状態の炭化室に大量の大気を強制的に吹き込んで、炉壁付着カーボンを燃焼除去する方法などを挙げることができる。
本発明のコークス炉の操業方法は、前記選定結果に基づいて、炉壁に付着しているカーボンを除去しつつ、コークス炉を操業するものであれば、特に限定されない。上述した如く、コークス炉の操業は、原料となる石炭を各炭化室内に充填し、約1,000℃の高温で20時間程度乾留した後、押出ラムで生成コークスを炭化室から押出すサイクルを繰り返すことによって行なわれる。各炭化室においてカーボンを除去する必要が生じたときには、それぞれの炭化室の生産サイクルの適当な時期を見計らってカーボンを除去しつつ、コークス炉を操業するようにすればよい。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
表1−1〜表1−3には、128の炭化室によって構成されるコークス炉の各炭化室について、最新の押出時のサイクル数と、押出抵抗値として、最新の押出時から遡って10サイクル分の押出電力値を示した。
Figure 0004361378
Figure 0004361378
Figure 0004361378
表1−1〜表1−3の測定結果に基づき、最新の押出し時から遡って5サイクル分のサイクル平均押出抵抗値Aと10サイクル分のサイクル標準偏差Bとを炭化室No.1〜No.128のそれぞれについて求めた。次いで、各炭化室のサイクル平均押出抵抗値Aとサイクル標準偏差Bについて、総数128の炭化室を母集団とする偏差値S(A)、S(B)、及び、F=S(A)+S(B)(a=b=1)を求め、Fの大きい順に、炭化室に優先順位を付けた。結果を表2−1〜表2−3に示した。
Figure 0004361378
Figure 0004361378
Figure 0004361378
上記のようにして得られた優先順位に基づいて、カーボン付着炭化室を選定し、約20炭化室/月の割合で炉壁のカーボンを除去しつつ、コークス炉を約3ヶ月間操業した。その結果について説明する。
押出電力値やコークス生産回数、目視観察などの結果にもとづいて、カーボン付着炭化室を選定していたとき(2002年9月時点)の各炭化室について、コークス生産サイクル数と押出電力値との相関を示す散布図を図5に示した。図5より、従来法による操業では、コークス生産サイクル数が約100回を超えた炭化室には、押出電力値が高くなっている炭化室が多く存在し、生成コークス押出し時には、炭化室の炉壁や押出機に負荷がかかっていることが分かる。この結果より、従来の選定基準によるカーボン除去では、必ずしも効率的ではなかったと言える。
一方、本発明により、カーボン付着炭化室を選定してカーボンを除去しつつ、コークス炉の操業を実施した結果、2003年1月時点の各炭化室について、コークス生産サイクル数と押出電力値との相関を示す散布図を図6に示した。図6からも明らかなように、本発明によれば、コークス生産サイクル数が増えた炭化室でも、押出電力値が安定化され、生成コークス押出し時にも、炉壁や押出機への負荷が低減されていることが分かる。
本発明は、複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する方法、及び、該選定に基づいて、炭化室のカーボンを除去するコークス炉の操業方法として有用である。
コークス生産サイクル数と炉壁のカーボン付着量との相関を示す散布図である。 押出電力値と炉壁のカーボン付着量との相関を示す散布図である。 ある炭化室におけるコークス生産サイクル数に対する押出電力値の推移を示すグラフである。 別の炭化室におけるコークス生産サイクル数に対する押出電力値の推移を示すグラフである。 従来法によるコークス生産サイクル数と押出電力値との相関を示す散布図である。 本発明法によるコークス生産サイクル数と押出電力値との相関を示す散布図である。

Claims (3)

  1. 複数の炭化室によって構成されるコークス炉において、炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定する方法であって、
    各炭化室において、生成したコークスを押出す毎に押出抵抗値を測定し、特定サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、特定サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bとを求め、
    各炭化室について得られた押出抵抗値の平均値Aと標準偏差Bについて、前記複数の炭化室を母集団とするその炭化室の偏差値S(A)及びS(B)を求め、
    上記偏差値S(A)および上記S(B)に基づいて、複数の炭化室の中から炉壁に付着しているカーボンを除去すべき炭化室を選定することを特徴とするカーボン付着炭化室の選定方法。
  2. 最新の押出時から遡って5〜10サイクル分の押出抵抗値の平均値Aと、最新の押出時から遡って5〜10サイクル分の押出抵抗値の標準偏差Bを求める請求項1に記載のカーボン付着炭化室の選定方法。
  3. 請求項1又2のカーボン付着炭化室の選定方法によって選定した炭化室の炉壁に付着したカーボンを除去することを特徴とするコークス炉の操業方法。
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