JP5720299B2 - コークス炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉からコークスを押し出す際の操業条件を制御するコークス炉の操業方法に関するものである。
コークス炉では、隣り合う複数の炭化室に順次石炭を装入し、各炭化室において1100℃前後の高温で乾留を行い、乾留によって生成されたコークスを押出機によって各炭化室から押し出すことにより、コークスが製造される。このようなコークス炉では、稼動年数が長くなるにつれて、炉壁の損耗などの老朽化に伴い、乾留後のコークス(以下、コークスケーキとも称する)が炉壁の凹凸部にトラップされることによって、炭化室からコークスが円滑に押し出されないという押詰りの問題が起きている。
コークス炉における装炭,乾留,押出などの作業のスケジュールは厳密に管理されている。このため、一部の炭化室で押詰りが発生し、補修のために燃焼室の温度を下げると、隣接する炭化室の温度が低下し、さらにその温度低下が周囲の炭化室に伝搬していくという悪循環が生じ、コークス炉全体の稼働率及び生産性に多大な悪影響を及ぼす。従って、押詰りが発生することを抑制するために、炭化室に装入する石炭の性状,炉壁の状況,操業条件などを考慮して炭化室からコークスを押し出す際に必要な押出力を予測,制御することが必要になっている。
このような背景から、特許文献1には、炉壁に付着したカーボンがコークスケーキと炉壁との間の摩擦力に影響することに着目して、炉壁に付着するカーボンの量を推定し、推定結果に基づいて炭化室からコークスを押し出す際の負荷を推定する方法が開示されている。また、特許文献2には、石炭の配合を調整することによって炉壁とコークスケーキとの間の間隙(クリアランス)を広げることにより、押詰りが発生することを抑制する方法が開示されている。
特開2002−173687号公報 特開2004−359901号公報
ところで、コークスを押し出す際の負荷を推定するための説明因子は、石炭の配合条件、操業条件、炉壁の健全性など多数の説明因子で構成される。一方、コークス炉のオペレータが、コークスを押し出す際に調整可能な因子は限定される。このため、コークスの押詰りが発生することを抑制するためには、どの因子を調整すればコークスの押詰まりが発生する確率がどのように変化するのか、コークスの押詰まりが発生する確率をコークス炉のオペレータが操作可能な情報に変換することが必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、炭化室からコークスを押し出す際にコークスの押詰りが発生することを抑制可能なコークス炉の操業方法を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコークス炉の操業方法は、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、定量化したコークスの押詰り確率の時系列データを表形式またはグラフ形式で表示する表示ステップと、表示ステップによる表示に従ってコークス炉の操業を行う操業ステップとを含むことを特徴とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコークス炉の操業方法は、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、前記推定式における総炭化時間の変数について、コークスの押詰り確率が所定値以下になる総炭化時間を探索する火落ち時間決定ステップと、前記火落ち時間決定ステップの結果に従ってコークス押出し作業を行うステップと、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコークス炉の操業方法は、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、前記推定式における装炭量の変数について、所定のコークスの押出予定時間におけるコークスの押詰り確率が所定値以下になる装炭量を探索する装炭量決定ステップと、前記装炭量決定ステップの結果にしたがって次回のコークス炉操業における装炭を行うステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係るコークス炉の操業方法によれば、炭化室からコークスを押し出す際にコークスの押詰りが発生することを抑制できる。
図1は、本発明の実施形態にかかるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉の構成を示す鉛直断面図である。 図3は、コークスの押出抵抗を支配する因子の因果関係を示す図である。 図4は、総炭化時間が所定時間以上である場合と所定時間未満である場合とに分けて導出した推定式から求められた押出ピーク値の予測値と実測値との合致度を示す図である。 図5は、総炭化時間が所定時間以上である場合と所定時間未満である場合とにおける押出ピーク値を予測する上で最適な説明変数の組み合わせを示す図である。 図6は、推定式に基づいて押詰り確率を算出する方法を説明するための図である。 図7は、炭化室毎に算出された総炭化時間と押詰り確率との関係を示す図である。 図8は、押詰り確率と押詰りが発生した頻度の実測値(押詰り頻度実績値)との合致度を示す図である。 図9は、本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法の流れを示すフローチャートである。 図10は、押詰り確率が所定値以下となる火落ち時間を決定する処理にかかるフローチャートである。 図11は、押詰り確率が所定値以下となる装炭量を決定する処理にかかるフローチャートである。 図12は、コークス炉のオペレータが操作可能な変数と押詰り確率との関係をグラフ形式で提示した場合の例を示す図である。 図13は、コークス炉のオペレータが操作可能な変数と押詰り確率との関係を表形式で提示した場合の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法について説明する。
〔コークス炉の構成〕
始めに、図1および2を参照して、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉の構成について説明する。但し、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉は、図1および2に示す構成に限定されることはない。
図1は、本発明の実施形態にかかるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉の構成を示す斜視図である。図1に示すように、コークス炉1は、複数の炭化室2及び燃焼室3を有する。各炭化室2の天井部には、上昇管4および装炭口5が形成されている。
図2は、本発明の一実施形態であるコークス炉の操業方法の対象となるコークス炉の構成を示す鉛直断面図である。図2に示されるように、炭化室2は、鉛直方向に高い形状をしており、両側に設けられた燃焼室3から加熱される構造である。すなわち、炭化室2内の装入された石炭は、両側に設けられた燃焼室3からの熱を受けてコークスへ乾留される。
図1の説明に戻る。複数の装炭口5は、コークス炉1の上部を走行する装炭車6によって運ばれた石炭を炭化室2内に装入するためのものである。押出機7は、乾留後にコークスを炭化室2から押し出す装置である。炭化室2から押し出されたコークスは、ガイド車8を経て消火車9に受け渡され、消火車9によって搬出される。炭化室2は、押出機7の押出ラム10が挿入される入側窯口と赤熱コークスが押し出される出側窯口とを有する。上昇管4は、炭化室2内で乾留中の石炭からは発生する発生ガスを回収する回収ラインである。上昇管4には熱電対が設けられており、時系列的に発生ガスの温度測定を行う。
〔コークスの押詰り確率推定方法〕
次に、上記コークス炉1において押出機7によって各炭化室2からコークスを押し出す際にコークスの押詰りが発生する確率(以下、押詰り確率と略記)を推定する方法について説明する。なお、本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法は、押出力の推定式を構築するステップと、押出力の推定式に基づいて押詰り確率を算出するステップとの2つのステップに大別される。そこで、以下では、押出力の推定式を構築するステップと、押出力の推定式に基づいて押詰り確率を算出するステップとに分けて、コークスの押詰り確率推定方法について説明する。
(1)押出力の推定式の構築
始めに、押出力の推定式を構築するステップについて説明する。本実施形態では、押出力の指標として、押出機7の押出ラム10の駆動モータに流れる電流値のピーク値を用いる。押出過程の初期においては、押出ラム10の位置変化はコークスケーキ内部の空隙によって吸収されるために、押出荷重は小さくなる。そして、コークスケーキ内部の空隙が小さくなると、押出荷重は静止摩擦力の最大値に向かって上昇していく。この押出荷重の最大値を押出ピークという。このように押出ピーク値は押詰りに密接に関係していると考えられるので、本実施形態では押出ピーク値を推定対象(目的変数)とする。
図3は、コークスの押出抵抗(押出力)を支配する因子の因果関係を示す図である。図3に示すように、コークスの押出抵抗は、コークスケーキの側面と炉壁との間のクリアランス(炉壁間隙),コークスケーキを押し出した際にコークスケーキが崩壊せずに形状を維持しようとする安定性(ケーキ安定性),及び炉壁の平滑度(炉壁凹凸)によって支配されていると考えられている。クリアランス及びケーキ安定性は、配合した石炭の性状(膨張性,亀裂)及び乾留条件(嵩密度,水分,粒度,乾留時間,炉温,炉温分布)によって左右される。炉壁凹凸は、炉の老朽化に伴い炭化室によって差異が大きいと考えられるが、炉壁に付着したカーボンを剥離させてからの日数(カーボン落とし後日数,カーボン補修条件)に依存すると考えられる。
本実施形態では、目的変数としての押出ピーク値を推定するための説明変数として、石炭化率(Ro),石炭化率のばらつき(σRo),コークスの流動度(MF),クリアランス(CL),コークスの粒度,カーボン落とし後日数(C落ち),総炭化時間(GCT),装炭量,燃焼室温度(flue温度),燃焼室温度のばらつき(flueσ),及び嵩密度の11個の説明変数を用いた。しかしながら、これらの説明変数は、コークスの押出抵抗に寄与することは判明しているものの、炭化室によってその影響度が異なることが予想され、場合によっては全く寄与しない、若しくは、推定式構築の際に多重共線性などの問題で冗長な因子が含まれる可能性がある。
本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法では、押出ピーク値の実測値のデータを総炭化時間が所定時間以上である場合(総炭化時間長)と所定時間未満である場合(総炭化時間短)とにグループ分けした後、各グループについてクロスバリデーション法を用いて推定式を導出した。なお、所定時間は、データを分割した際に、各グループのデータ点数が、実用上有効な(信頼性が高い)推定式を構築するために必要なデータ点数(30点程度)になる時間によって決めることとする。
図4は、総炭化時間が所定時間以上である場合と所定時間未満である場合とに分けて導出した推定式から求められた押出ピーク値の予測値と実測値との合致度を示す図である。図4に示すように、押出ピーク値の全領域において、押詰ピーク値を高い精度で推定できていることがわかる。
図5は、総炭化時間が所定時間以上である場合と所定時間未満である場合とにおける押出ピーク値を予測する上で最適な説明変数の組み合わせを示す図である。図5中、太字で示す説明変数が押出ピーク値を予測する上で最適な説明変数である。総炭化時間が所定時間未満である場合、総炭化時間、燃焼室温度、及び炉壁間隙が重要な説明変数であることが知見された。このことから、炭化時間が所定時間未満で短い場合には、コークスケーキの収縮が進まないので、炉壁との間隙が不十分であることが押詰りの支配的要因の一つであることが考えられる。一方、総炭化時間が所定時間以上である場合には、燃焼室温度、カーボン落とし後日数、流動度などが重要な説明変数であることが知見された。このことから、総炭化時間が所定時間以上で長い場合には、コークスケーキの収縮の効果が飽和し、炉壁の状態や石炭の配合に関するパラメータが押詰りの支配的要因になっていると考えられる。
以上のようにして、本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法では、総炭化時間に応じて押出力の実測値のデータを複数のグループに分類するステップと、各グループについて、押出力の実測値に対する予測誤差が最小となる説明変数の組み合わせを特定し、特定された組み合わせに基づいて押出力を推定する線形回帰推定式を構築するステップとを含み、これらのステップをコークス炉を構成する複数の炭化室毎に実行することによって、押出力を推定する線形回帰推定式を炭化室毎に構築する。
(2)押詰り確率の算出
本実施形態にかかる押詰り確率を算出するステップでは、上述の押出力の推定式に基づいて押詰り確率を算出する際に、総炭化時間が所定時間未満である場合と所定時間以上である場合の線形回帰推定式を用いて押出ピーク値Iの予測値I0を算出する。次に、押出ピーク値Iの予測値I0を平均値、押出ピーク値の予測値と実測値との残差のヒストグラムの標準偏差σ1又は標準偏差σ2を標準偏差σとする正規分布曲線Lを算出する。そして、図6に示すように、算出された正規分布曲線Lに基づいて押出ピーク値Iが所定の閾値Ith以上になる押出ピーク値Iの確率分布を積分する(領域Rの面積を算出する)ことによって、押詰り確率を算出する。すなわち、線形回帰推定式を用いて算出された予測値I0には、正規分布で表される確率分布が存在するとして、予測値I0が所定の閾値Ithになる確率を押詰り確率として算出する。所定の閾値Ithは、コークスの押詰りが発生した際の押出ピーク値の最小値に基づいて決定することができる。
上記方法によって算出された押詰り確率の一例を図7に示す。図7は、炭化室毎に算出された総炭化時間と押詰り確率との関係を示す図である。各総炭化時間に対応する押詰り確率は、総炭化時間以外の説明変数の値を固定して各総炭化時間について対応するグループの線形回帰推定式を用いて押出ピーク値Iの予測値I0を算出し、各予測値I0について上述の処理を実行することによって算出した。図7に示すように、押詰り確率が炭化室毎に異なり、また同じ炭化室であっても総炭化時間によって押詰り確率が変化することがわかる。
本方法によって算出された押詰り確率の精度を検証した結果を図8に示す。図8は、押詰り確率と押詰りが発生した頻度の実測値(押詰り頻度実績値)との合致度を示す図である。図8に示すように、全ての総炭化時間において、押詰り確率を高い精度で推定できていることがわかる。
以上のコークスの押詰り確率推定方法の流れをフローチャートにまとめると、図9に示すようになる。図9は、本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、本実施形態にかかるコークスの押詰り確率推定方法では、始めに、押出ピーク値の実測値のデータを総炭化時間が所定時間以上である場合と所定時間未満である場合とにグループ分けする(ステップS1)。そして、各グループについて押出ピーク値の実測値のデータを検証データと式構築データとに分割し(ステップS2)、式構築データについて全ての説明変数を用いた線形重回帰分析を行うことによって押出ピーク値の推定式を導出する(ステップS3)。
次に、導出された推定式を用いて検証データについて押出ピーク値の予測値を算出し(ステップS4)、算出された予測値と実測値との誤差を予測誤差として算出する(ステップS5)。次に、予測誤差が最小になるように順次線形重回帰分析を行う際の説明変数の数を減らしていくことによって、押出ピーク値を推定する上で最適な説明変数を決定する(ステップS6)。次に、これらステップS1〜6の処理を全ての炭化室について行うことによって(ステップS7)、炭化室毎に押出ピーク値の推定式を導出する。そして、総炭化時間に応じて分類された各グループの線形回帰推定式を利用して炭化室毎に押詰り確率を算出(定量化)する(ステップS8)。
〔コークス炉の操業方法〕
以下、上述のように算出された押詰り確率に基づいて行うコークス炉の操業方法について説明する。コークスの押出作業をするオペレータが調整可能な因子は限定されている。したがって、上述のように算出された押詰り確率をオペレータが調整可能な変数の形式で提示する必要がある。
図10は、上述のように算出された押詰り確率から、押詰り確率が所定値以下となる火落ち時間を決定する処理にかかるフローチャートである。図10に示されるように、当該処理は、上述の図9に示された押詰り確率の定量化から始まる(ステップS9)。上述の説明から解るように、押詰り確率の定量化は総炭化時間を変数として含む。したがって、この定量化中の総炭化時間の変数をインクリメント(またはデクリメント)して、総炭化時間の所定範囲を探索する(ステップS10)。そして、この探索から押詰り確率が所定値以下となる総炭化時間を決定する(ステップS11)。なお、この探索には山登り法などの周知の探索方法を用いればよい。
図11は、上述のように算出された押詰り確率から、所定の総炭化時間経過時に押詰り確率が一定値以下となるような適切な装炭量を決定する処理にかかるフローチャートである。図11に示されるように、当該処理は、上述の図9に示された押詰り確率の定量化から始まる(ステップS12)。上述の説明から解るように、押詰り確率の定量化は装炭量を変数として含む。したがって、この定量化中の装炭量の変数をインクリメント(またはデクリメント)して、装炭量の所定範囲を探索する(ステップS13)。なお、この探索では所定の総炭化時間に総炭化時間の変数を固定した探索である。そして、この探索から押詰り確率が所定値以下となる装炭量を決定する(ステップS14)。上記探索において押詰り確率が所定値以下となる装炭量を決定することができない場合は、所定の総炭化時間では最適な操業を達成できないことであり、改めて所定の総炭化時間を設定しステップS13を行えばよい。
次に、上記のように押詰り確率をオペレータが調整可能な変数に変換したものをオペレータに提示する。図12は、コークス炉のオペレータが操作可能な変数と押詰り確率との関係をグラフ形式で提示した場合の例を示す図である。図12(a)は、総炭化時間と押詰り確率との関係を表すグラフである。図12(b)は、燃焼室温度と押詰り確率との関係を表すグラフである。図12(c)は、炉壁間隙と押詰り確率との関係を表すグラフである。
図12(a)に示される総炭化時間と押詰り確率との関係を表すグラフによれば、オペレータは、現在の総炭化時間(図中の白丸)だと押詰り確率がどの位になるのか確認し、コークスの押詰りの発生を抑制可能になるまで炭化室2からコークスを押出すのを延期することができる。なお、図12(a)に示されるグラフは、総炭化時間が増えるほど押詰り確率が減少する例であるが、総炭化時間が増えるほど押詰り確率が増加する場合もある。例えば乾留が過度に進むとコークス内のケーキ構造が崩れて粉化してしまうので、炭化室2からコークスの押出す際の負荷が増大してしまう。このような場合、オペレータはコークスの押出し作業を早く開始することによって、コークスの押詰りの発生を抑制可能である。
図12(b)に示される燃焼室温度と押詰り確率との関係を表すグラフによれば、オペレータは、現在の燃焼室温度(図中の白丸)だと押詰り確率がどの位になるのか確認し、コークスの押詰りの発生を抑制するための最適な燃焼室3の温度を知ることができ、以降の燃焼室温度の設定に反映することができる。図12(c)に示される炉壁間隙と押詰り確率との関係を表すグラフによれば、オペレータは、今回の炉壁間隙(図中の白丸)だと押詰り確率がどの位になるのか確認し、次回の石炭の配合時に配合割合を調節することができる。
図13は、コークス炉のオペレータが操作可能な変数と押詰り確率との関係を表形式で提示した場合の例を示す図である。図13に示される表は、現在からの経過時間と押詰り確率の推移との関係および次回装炭量の推奨値を炭化室2ごとに表示したものである。図13に示される表示によれば、押詰まり確率が一定値以下になったタイミングで押出を実行するという操業をすることで、コークスの押詰りの発生を抑制することが出来る。さらには、押出終了後に炭化室2に装炭をする際に、所定の総炭化時間経過時に押詰り確率が一定値以下となるような適切な装炭量を示すことで、コークスの押詰りの発生を抑制するとともに、コークスの押出機7の無駄な移動を無くして、計画的かつ効率的な操業が可能となる。
以上より、本発明の実施形態によれば、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、推定式による算出したコークスの押詰り確率の時系列データを表形式またはグラフ形式で表示する表示ステップとを含むみ、表示ステップによる表示に従ってコークス炉の操業を行うので、コークスの押詰まりが発生しないようにオペレータが操業条件を調整可能となる。
また、本発明の実施形態によれば、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、推定式における総炭化時間の変数について、コークスの押詰り確率が所定値以下になる総炭化時間を探索する火落ち時間決定ステップと、火落ち時間決定ステップの結果に従ってコークス押出し作業を行うステップとを含むので、コークスの押詰りの発生を抑制することができる。
また、本発明の実施形態によれば、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、推定式における装炭量の変数について、所定のコークスの押出予定時間におけるコークスの押詰り確率が所定値以下になる装炭量を探索する装炭量決定ステップと、装炭量決定ステップの結果にしたがって次回のコークス炉操業における装炭を行うステップとを含むので、コークスの押詰りの発生を抑制するとともに、計画的かつ効率的な操業が可能となる。
また、本発明の実施形態にかかる定量化ステップは、コークスを押し出す際に必要な押出力の実測値のデータを、総炭化時間に応じて複数のグループに分類するステップと、各グループについて、複数の説明因子の中から押出力の実測値に対する予測誤差が最小となる説明因子の組み合わせを特定し、特定された説明因子の組み合わせに基づいて押出力を推定する推定式を構築するステップと、推定式に基づいて炭化室からコークスを押し出す際に必要な押出力を推定するステップと、推定された押出力からコークスの押詰り確率を定量化するステップとを含むので、コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から冗長な因子を削除して最適化されたコークスの押詰り確率の定量化を得ることができる。ここで、本発明の実施形態にかかる複数の説明因子は、石炭化率,石炭化率のばらつき,コークスの流動度,クリアランス,コークスの粒度,カーボン落とし後日数,総炭化時間,装炭量,燃焼室温度,燃焼室温度のばらつき,及び嵩密度のうち何れか一つ以上を含むものである。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、図10に示すコークスの押詰り確率推定方法の各ステップの実行命令をコンピュータプログラムによって記述することによって、図10に示すコークスの押詰り確率推定方法の各ステップをコンピュータに実行させるようにしてもよい。このように、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
1 コークス炉
2 炭化室
3 燃焼室
4 上昇管
5 装炭口
6 装炭車
7 押出機
8 ガイド車
9 消火車
10 押出ラム

Claims (4)

  1. コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、
    前記定量化したコークスの押詰り確率の時系列データを表形式またはグラフ形式で表示する表示ステップと、
    前記表示ステップによる表示に従ってコークス炉の操業を行う操業ステップと、を含み、
    前記定量化ステップは、
    コークスを押し出す際に必要な押出力の実測値のデータを、総炭化時間に応じて複数のグループに分類するステップと、
    各グループについて、押出力の実測値のデータを検証データと式構築データとに分割し、式構築データについて全ての説明因子を用いた線形重回帰分析を行うことによって押出力の推定式を推定する推定式を導出し、導出された推定式を用いて検証データについて押出力の予測値を算出し、算出された予測値と実測値の誤差を予測誤差として算出し、予測誤差が最小になるように順次線形重回帰分析を行う際の説明因子の数を減らしていくことによって前記複数の説明因子の中から前記押出力の実測値に対する予測誤差が最小となる説明因子の組み合わせを特定し、前記特定された説明因子の組み合わせに基づいて前記押出力を推定する推定式を構築するステップと、
    前記推定式に基づいて炭化室からコークスを押し出す際に必要な押出力を推定するステップと、
    前記推定された押出力からコークスの押詰り確率を定量化するステップと、
    を含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
  2. コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、
    前記推定式における総炭化時間の変数について、コークスの押詰り確率が所定値以下になる総炭化時間を探索する火落ち時間決定ステップと、
    前記火落ち時間決定ステップの結果に従ってコークス押出し作業を行うステップと、を含み、
    前記定量化ステップは、
    コークスを押し出す際に必要な押出力の実測値のデータを、総炭化時間に応じて複数のグループに分類するステップと、
    各グループについて、押出力の実測値のデータを検証データと式構築データとに分割し、式構築データについて全ての説明因子を用いた線形重回帰分析を行うことによって押出力の推定式を推定する推定式を導出し、導出された推定式を用いて検証データについて押出力の予測値を算出し、算出された予測値と実測値の誤差を予測誤差として算出し、予測誤差が最小になるように順次線形重回帰分析を行う際の説明因子の数を減らしていくことによって前記複数の説明因子の中から前記押出力の実測値に対する予測誤差が最小となる説明因子の組み合わせを特定し、前記特定された説明因子の組み合わせに基づいて前記押出力を推定する推定式を構築するステップと、
    前記推定式に基づいて炭化室からコークスを押し出す際に必要な押出力を推定するステップと、
    前記推定された押出力からコークスの押詰り確率を定量化するステップと、
    を含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
  3. コークスの押出し性に関与する複数の説明因子の中から、炭化室ごとに最適な因子を特定した上で押出性の推定式を構築し、構築された推定式を利用してコークスの押詰り確率を定量化する定量化ステップと、
    前記推定式における装炭量の変数について、所定のコークスの押出予定時間におけるコークスの押詰り確率が所定値以下になる装炭量を探索する装炭量決定ステップと、
    前記装炭量決定ステップの結果にしたがって次回のコークス炉操業における装炭を行うステップと、を含み、
    前記定量化ステップは、
    コークスを押し出す際に必要な押出力の実測値のデータを、総炭化時間に応じて複数のグループに分類するステップと、
    各グループについて、押出力の実測値のデータを検証データと式構築データとに分割し、式構築データについて全ての説明因子を用いた線形重回帰分析を行うことによって押出力の推定式を推定する推定式を導出し、導出された推定式を用いて検証データについて押出力の予測値を算出し、算出された予測値と実測値の誤差を予測誤差として算出し、予測誤差が最小になるように順次線形重回帰分析を行う際の説明因子の数を減らしていくことによって前記複数の説明因子の中から前記押出力の実測値に対する予測誤差が最小となる説明因子の組み合わせを特定し、前記特定された説明因子の組み合わせに基づいて前記押出力を推定する推定式を構築するステップと、
    前記推定式に基づいて炭化室からコークスを押し出す際に必要な押出力を推定するステップと、
    前記推定された押出力からコークスの押詰り確率を定量化するステップと、
    を含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
  4. 前記複数の説明因子は、石炭化率,石炭化率のばらつき,コークスの流動度,クリアランス,コークスの粒度,カーボン落とし後日数,総炭化時間,装炭量,燃焼室温度,燃焼室温度のばらつき,及び嵩密度のうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のコークス炉の操業方法。
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