JP5810594B2 - コークス炉の操業スケジュール決定装置及び方法 - Google Patents
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Description
これら炉団100A〜100Dの上部には、例えば2台の装炭車101A及び101Bが炉団100A〜100Dの配列方向に平行に配設された2本のレール部102に案内されて移動可能に配備されている。装炭車101Aは炉団100A及び100Bの各窯に石炭を装入し、装炭車101Bが炉団100C及び100Dの各窯に石炭を装入する。
さらに、各炉団100A〜100Dの前方側には、複数のガイド車104A〜104Cが炉団100A〜100Dの配列方向に移動可能に配備されている。また、ガイド車104A〜104Cの前方側には消火車105とバケットカー106とが配設されている。消火車105は炉団100A及び100Bから押し出されるコークスを受け取ってから消火塔107に移動してコークスに水をかけて冷却される。バケットカー106は炉団100C及び100Dから押し出されるコークスをバケツに受け取り、このバケツを図示しないクレーンでCDQ108に搬送し、ここで窒素によって冷却される。
先ず、装炭車101Aに積載された石炭が例えば炉団100Aの各窯に所定順序で装入され、その後各窯で十数時間乾留されて、コークスが生成される。生成されたコークスは押出機103Aによって各窯から所定の順序で押し出されて、ガイド車104Aで案内されながらその前方に配備された消火車105に積載される。この消火車105は、消火塔107に移動して、コークスに水をかけて冷却する。
前回の作業スケジュールから今回の先頭作業窯を求め、求められた先頭作業窯から前回の作業スケジュールと同じ順番で今回の作業窯数分の作業スケジュールを作成し、求められた先頭作業窯から順に所定間隔をおいて作業窯数分の標準作業スケジュールを作成し、作成された作業スケジュールと標準作業スケジュールとを比較し、標準作業スケジュールと異なる順番の作業窯を抽出して標準作業スケジュールと同一順番となるように単位時間あたりの変更可能量だけ速く作業が行われるように修正するコークス炉の作業スケジュール作成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に記載された従来例にあっては、設定した総炭化時間と押し出し予定時刻に対する総炭化時間の差(以下、余剰乾留時間と称す)を最小にする手法であり、予め乾留に必要な総炭化時間の最小値(以下、最低総炭化時間と称す)を定めている。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、最低総炭化時間を長くして、炉温を低下させることができるコークス炉の操業スケジュール決定装置及び方法を提供することを目的としている。
また、本発明の一の形態に係るコークス炉の操業スケジュール決定方法は、石炭を乾留してコークスを製造する窯を所定数配列した炉団を複数備え、1つの移動機で窯出しを行うコークス炉の操業スケジュール決定方法であって、前記炉団毎に配列された前記窯をnピッチ数分のnグループに分け、さらに全炉団の窯にシーケンシャルに付けた窯番号が、前記nグループの各々でnピッチ毎に順時配列されるように定義付けたn組の窯順データを記憶部に記憶し、前記窯の最低総炭化時間をパラメータ設定部によってパラメータとして設定し、設定した各窯の最低総炭化時間及び装炭実績時刻に基づいて押出時刻算出部で押出予定時刻を算出し、算出した押出予定時刻に基づいて窯分類部によって前記炉団毎に1グループの各窯について連続押し出しが可能なシリーズ窯であるか連続押し出しが不可能な外れ窯であるかを判定するシリーズ窯判定処理を行い、当該シリーズ窯判定処理結果に基づいて前記シリーズ窯及び前記外れ窯を分類して記憶し、押し出し順番設定部によってシリーズ窯間に同一炉団の外れ窯を組み入れて押し出し順番を設定し、設定した押し出し順番及び前記最低総炭化時間に基づいて余剰時間算出部で各窯について前記最低総炭化時間が経過してから前記移動機が到着するまでの余剰乾留時間と当該移動機の待機時間とを算出し、スケジュール設定部で、前記押し出し順番設定部における前記外れ窯を組み入れる位置を変更して、前記余剰乾留時間及び移動機待機時間の和が最小となる押し出し順番を操業スケジュールとして設定し、設定された操業スケジュールによって、前記移動機待機時間が設定された判定時間を超えており、設定された生産押出計画本数を設定されたスケジュール期間内で達成できたときに、再スケジューリング部によって、前記パラメータ設定部のパラメータである最低総炭化時間を所定時間長く変更して再スケジューリングし、前記移動機待機時間が設定された判定時間以下となる場合、または、設定された生産押出計画本数が達成できなくなる場合に、前記操業スケジュールを確定することを特徴としている。
図1は、本発明のコークス炉の操業スケジュール決定装置のシステム構成を示すブロック図である。
図中、1はコークス炉操業スケジュール作成装置であって、このコークス炉操業スケジュール作成装置は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置2を有する。この演算処理装置2には、キーボード3a及びマウス3bを有する情報入力部3が接続されているとともに、ROMRAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置4が接続されている。
演算処理装置2は、プロセスコンピュータ6から各窯への石炭の装入時刻である装炭実績時刻データを収集し、記憶装置4内に形成した装炭実績時刻ファイル4aに格納する。
この操業スケジュール決定処理は、図3に示すように、先ず、ステップS1でプロセスコンピュータ6から各炉団100A〜100Dの各窯についての石炭の装入時刻である装炭実績時刻データを収集し、収集した各窯の装炭実績時刻データが記憶装置4の装炭実積時刻ファイル4aに格納される。
ステップS5では、総炭化時間(GCT)の最低値を表す最低総炭化時間の初期値GCTminを設定する。この初期値GCTminは、コークス炉の通常時の操業実績から決定される。
次いで、ステップS7に移行して、押出機によるコークスの押し出しを連続的に行うことができるシリーズ窯であるか、窯順データにしたがって連続的に押し出しを行うことができない外れ窯であるかを判定する後述する図4に示すシリーズ窯判定処理を実行してからステップS8に移行する。
ステップS8では、上記ステップS7で判定された外れ窯をこれが所属するシリーズの間に入れて押出順番を設定し、押出順番に対する仮の押出時刻を決定する。
次いで、ステップS10に移行して、押出実績時刻が早い順の外れ窯の順番を表す押出順番変数iを“1”に設定してからステップS11に移行する。
このステップS11では、押出実績時刻が第i番目に早い外れ窯に対して装炭後次の押出しまでの押出順番を求め、仮の押出予定時刻を求め、次いでステップS12に移行して、第i番目の外れ窯のシリーズの間に入れる位置を変更しながら移動機(押出機)の待機時間Twと余剰乾留時間Tsとの和(=Tw+Ts)が最小となるスケジュールを求める。
次いで、ステップS14に移行して、全ての外れ窯について仮の押出予定時刻が設定されたか否かを判定し、仮の押出予定時刻が設定されていない外れ窯が存在する場合にはステップS15に移行して押出順番変数iを“1”だけインクリメントしてから前記ステップS11に戻る。
このステップS17では、求められた仮のスケジュール期間内で予め設定した生産本数の押出が可能であるか否かを判定し、生産本数の押出が可能である場合には、ステップS18に移行して、現在設定されている最低総炭化時間GCminに所定時間ΔTを加算した値を新たな最低総炭化時間GCTminに設定してから前記ステップS6に戻る。
また、ステップS17の判定結果が仮のスケジュール期間内で生産本指数の押出が不可能である場合にもステップS19に移行して、前回の仮のスケジュールによる移動機(押出機)による押出予定時刻を決定し、決定された押出予定時刻でスケジュールを確定して、スケジュール格納ファイル4fに格納してから操業スケジュール決定処理を終了する。
なお、スケジュールを作成するなかで、押出順番はディスパッチルールで設定し、操業制約を満たすようにする。
このステップS53では、外れ窯以外のシリーズ窯数を表す変数kを“0”に設定し、次いでステップS54に移行して、窯番号変数iをシリーズ窯と仮定し、次いでステップS55に移行して、窯数を表す変数jを“0”に設定してからステップS56に移行する。
このステップS62では、窯番号(i+j)がシリーズ判定を行う炉団窯順データの最後の窯であるか否かを判定し、最後の窯でないときには前記ステップS57に戻り、最後の窯であるときにはステップS64に移行する。
また、ステップS64では、シリーズ窯数変数kが例えばシリーズ判定を行う炉団窯順データに含まれる窯数の所定の値Nを超えているか否かを判定し、k>(シリーズ判定の窯数)/Nであるときには、連続して押し出しが可能なシリーズ窯が構成されているものと判断してシリーズ判定処理を終了して前述した図3のステップS7に移行する。
このステップS65では、窯番号iが例えばシリーズ窯判定を行う炉団窯順データに含まれる窯数の半分の値を超えているか否かを判定し、i>(シリーズ判定の窯数)/2であるときには、ステップS66に移行して、全て外れ窯であるとして記憶装置4の外れ窯記憶領域に記憶されている外れ窯データを消去し、これに代えて炉団窯順データに含まれる全ての窯データを外れ窯としてその窯番号を記憶装置4のシリーズ判定格納ファイルの外れ窯記憶領域に格納してからシリーズ判定処理を終了して前述した図3のステップS8に移行する。
先ず、演算処理装置2で、例えば所定のファンクションキーを操作するか表示されている起動メニューを選択することにより、図3に示すコークス炉操業スケジュール決定処理を実行開始させると、先ず、プロセスコンピュータ6から各窯の装炭実績時刻データを収集し、収集した装炭実績時刻データを記憶装置4の装炭実績時刻ファイル4aに格納する。
次いで、収集した各窯の装炭実績時刻データ及び操業情報を読み出して、装炭実績時刻データから各窯の仮の押出時刻を決定し、これを仮押出予定時刻ファイル4dに格納する。
このシリーズ窯判定処理では、先ず、A炉団のシリーズA1〜A5とB炉団のシリーズB1〜B5の何れのシリーズ窯判定を行うかを選択する。例えばシリーズA1を選択したものとすると、シリーズA1の第1番目の窯番号i=1の窯すなわち窯番号1の窯をシリーズ窯として仮定する(ステップS54)。そして、第1番目の窯i=1を基準窯として設定し、この基準窯に続いて押出が可能なシリーズ窯が存在するか否かを判定する。
このステップS8では、シリーズの間に外れ窯を入れた押出順番を設定し、押出順番に対する仮の押出時刻を決定し、次いでステップS9で移動器の待機時間Tw及び最低総炭化時間後に移動機(押出機)が到着するまでの余剰乾留時間Tsを算出する。
第1番目の外れ窯のシリーズの間に入れる位置を変更しながら移動機(押出機)の待機時間Twと余剰乾留時間Tsとの和(=Tw+Ts)が最小となる押出順番をディスパッチルールで決定し、この外れ窯までのスケジュールを求める(ステップS12)。
このように、上記実施形態では、スケジュール期間内の全てにおいて押出順番を求めず、外れ窯の順番に基づいて局所的に押出順番を探索することで、高速なスケジュール作成を行うことができる。
そして、全ての外れ窯の仮の押出予定時刻の設定が終了すると、移動機(押出機)の待機時間Twが零近傍の判定時間Tws以下であるか否かを判定し、待機時間Twが判定時間Twsを超えており、且つ決定されたスケジュール期間内で予め設定された生産本数の押出が可能である場合には、ステップS18に移行して、現在の最低総炭化時間GCTminに所定時間ΔTを加算した値を新たな最低総炭化時間GCTminとして設定する。すなわち、最低総炭化時間GCTminを長く設定し直してから前記ステップS6〜ステップS17の処理を繰り返して再スケジューリング処理を行う。
そして、再スケジューリング処理後に移動機(押出機)の待機時間が判定時間Tws以下となるか又はスケジュール期間内での生産本数の押出しが不可能となった場合には、その前のスケジュールを操業スケジュールとして確定してスケジュール格納ファイル4fに格納する。
また、外れ窯の押出予定時刻を設定する場合に移動機(押出機)の待機時間Tw及び余剰乾留時間Tsの和を最小とするように設定するので、無駄時間を少なくすることができる。
なお、上記実施形態においては、炉団の窯ピッチを5ピッチとして5グループに分けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、任意の整数nピッチのnグループに分けることができる。
Claims (3)
- 石炭を乾留してコークスを製造する窯を所定数配列した炉団を複数備え、1つの移動機で窯出しを行うコークス炉の操業スケジュール決定装置であって、
前記炉団毎に配列された前記窯をnピッチ数分のnグループに分け、さらに全炉団の窯にシーケンシャルに付けた窯番号が、前記nグループの各々でnピッチ毎に順時配列されるように定義付けたn組の窯順データを記憶する記憶部と、
前記窯の最低総炭化時間をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記窯の最低総炭化時間と全ての窯の装炭実績時刻とに基づいて押出予定時刻を算出する押出予定時刻算出部と、
前記押出予定時刻に基づいて前記炉団毎に1グループの各窯について連続押し出しが可能なシリーズ窯であるか連続押し出しが不可能な外れ窯であるかを判定するシリーズ窯判定処理を行い、当該シリーズ窯判定処理結果に基づいて前記シリーズ窯及び前記外れ窯を分類して記憶する窯分類部と、
前記シリーズ窯の間に同一炉団の前記外れ窯を組み入れて押し出し順番を設定する押し出し順番設定部と、
前記押し出し順番及び前記最低総炭化時間に基づいて、各窯について前記最低総炭化時間が経過してから前記移動機が到着するまでの余剰乾留時間と当該移動機の待機時間とを算出する余剰時間算出部と、
前記押し出し順番設定部における前記外れ窯を組み入れる位置を変更して、前記余剰乾留時間及び移動機待機時間の和が最小となる押し出し順番を操業スケジュールとして設定するスケジュール設定部と、
前記移動機待機時間が設定された判定時間を超えており、前記操業スケジュールによって、設定された生産押出計画本数を設定されたスケジュール期間内で達成できたときに、前記パラメータ設定部のパラメータである最低総炭化時間を所定時間長く変更して再スケジューリングする再スケジューリング部とを備え、
前記移動機待機時間が設定された判定時間以下となる場合、または、設定された生産押出計画本数が達成できなくなる場合に、前記操業スケジュールを確定する
ことを特徴とするコークス炉の操業スケジュール決定装置。 - 前記窯分類部は、連続押し出しが可能な窯数が所定数以上であるときに、シリーズ窯として分類することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の操業スケジュール決定装置。
- 石炭を乾留してコークスを製造する窯を所定数配列した炉団を複数備え、1つの移動機で窯出しを行うコークス炉の操業スケジュール決定方法であって、
前記炉団毎に配列された前記窯をnピッチ数分のnグループに分け、さらに全炉団の窯にシーケンシャルに付けた窯番号が、前記nグループの各々でnピッチ毎に順時配列されるように定義付けたn組の窯順データを記憶部に記憶し、
前記窯の最低総炭化時間をパラメータ設定部によってパラメータとして設定し、
設定した各窯の最低総炭化時間及び装炭実績時刻に基づいて押出時刻算出部で押出予定時刻を算出し、
算出した押出予定時刻に基づいて窯分類部によって前記炉団毎に1グループの各窯について連続押し出しが可能なシリーズ窯であるか連続押し出しが不可能な外れ窯であるかを判定するシリーズ窯判定処理を行い、当該シリーズ窯判定処理結果に基づいて前記シリーズ窯及び前記外れ窯を分類して記憶し、
押し出し順番設定部によってシリーズ窯間に同一炉団の外れ窯を組み入れて押し出し順番を設定し、
設定した押し出し順番及び前記最低総炭化時間に基づいて余剰時間算出部で各窯について前記最低総炭化時間が経過してから前記移動機が到着するまでの余剰乾留時間と当該移動機の待機時間とを算出し、
スケジュール設定部で、前記押し出し順番設定部における前記外れ窯を組み入れる位置を変更して、前記余剰乾留時間及び移動機待機時間の和が最小となる押し出し順番を仮の操業スケジュールとして設定し、
設定された仮の操業スケジュールによって、前記移動機待機時間が設定された判定時間を超えており、設定された生産押出計画本数を設定されたスケジュール期間内で達成できたときに、再スケジューリング部によって、前記パラメータ設定部のパラメータである最低総炭化時間を所定時間長く変更して再スケジューリングし、
前記移動機待機時間が設定された判定時間以下となる場合、または、設定された生産押出計画本数が達成できなくなる場合に、前記仮の操業スケジュールを操業スケジュールとして確定する
ことを特徴とするコークス炉の操業スケジュール決定方法。
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