以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による情報処理装置としての画像形成装置100の全体構成について説明する。
本実施形態による画像形成装置100は、複合機であり、コピー、プリンター、スキャナーおよびファックスなどの複数種のジョブの実行が可能である。そして、この画像形成装置100は、操作パネル101(表示部)、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105および定着部106などを備える。
操作パネル101は、表示面がタッチパネルで覆われた液晶表示部11を含む。液晶表示部11には、各種設定などを行うための設定キー(ソフトキー)が表示されるとともに、画像形成装置100の状態などを示すメッセージも表示される。また、操作パネル101には、数値入力が必要な設定指示を受け付けるためのテンキー12(ハードキー)や、各種ジョブの実行開始の指示を受け付けるためのスタートキー13(ハードキー)なども設けられている。
画像読取部102は、原稿を読み取って画像データを生成する。この画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102は、載置読取用コンタクトガラス21に載置される原稿を読み取る際、露光ランプの光を原稿に照射し、反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換した後、A/D変換後のデータに対して各種補正(シェーディング補正など)を施すことによって、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる。
また、画像読取部102には、原稿カバー22が設けられている。そして、載置読取用コンタクトガラス21による原稿の読み取り時には、載置読取用コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えることができるようになっている。なお、この原稿カバー22に原稿搬送装置としての機能を持たせてもよい。この場合には、原稿カバー22によって、送り読取用コンタクトガラス23に原稿を1枚ずつ送ることができるようになる。
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
搬送路104は、画像形成装置100の内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、画像形成部105および定着部106をこの順番で通過し、排出トレイ41にまで導かれる。この搬送路104には、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラー対42が設けられている。さらに、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出すレジストローラー対43も設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56などを含んでいる。
トナー像の形成プロセスおよびトナー像の用紙Pへの転写プロセスとしては、まず、感光体ドラム51を回転駆動させ、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52で所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。続いて、現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
そして、転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接する。この後、レジストローラー対43がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。このとき、転写ローラー55には所定の電圧が印加される。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。なお、転写プロセスが終わると、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含んでいる。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。そして、印刷済みの用紙Pは、搬送路104に導かれ、搬送ローラー対42によって排出トレイ41に送られる。
次に、図2を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、主制御部110(制御部)を含んでいる。そして、主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを有する。画像処理部112は、画像処理専用のASICやメモリーなどからなっており、画像データに対して、拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換などの各種の画像処理を施す。
また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105および定着部106などと接続される。そして、主制御部110は、記憶部113(内部記憶部)に記憶されたソフトウェアに基づいて、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行う部分と、各種回転体を回転させるモーターの制御を行う部分とに分割されていてもよい。
記憶部113は、フラッシュROMなどのROM113a(不揮発性記憶部)、RAM113b(揮発性記憶部)、および、HDD113cを含んでいる。たとえば、ソフトウェアは、ROM113aに書き込まれる。そして、RAM113bは、ROM113aに記憶されたソフトウェアを実行するための作業領域となる。
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部14を有する。表示制御部14は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11に表示された設定キーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、ユーザーの押下した設定キーが特定される。タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、たとえば、記憶部15(あるいは、記憶部113)に記憶される。なお、主制御部110が表示制御を行うようになっていてもよい。
また、主制御部110は、通信部114(取得部)と接続される。通信部114は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワークNT(あるいは、通信ケーブル)を介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うこともできるし、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる。また、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークNTを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる。
さらに、通信部114は、外部記憶装置としてのサーバー400とネットワークNTを介して通信可能に接続される。これにより、サーバー400から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる。あるいは、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをサーバー400に送信し、蓄積することもできる。
また、主制御部110は、外部記憶装置としての携帯型メモリー500(たとえば、USBメモリーなど)の装着が可能な装着部115(取得部)と接続される。これにより、携帯型メモリー500に記憶された画像データに基づき印刷を行うことができる。あるいは、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを携帯型メモリー500に蓄積することもできる。
なお、本実施形態においては、画像形成装置100およびそれに接続される各種デバイスを含む画像形成システムSYが情報処理システムに相当する。
次に、図3を参照して、画像形成装置100のソフトウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、装置内に組み込まれたハードウェア(操作パネル101、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105および定着部106など)を制御するためのファームウェア600(ソフトウェア)をROM113aに格納している。ファームウェア600は、たとえば、画像形成装置100の全体制御を行うためのメインのファームウェア600a、操作パネル101の制御を行うためのパネル用のファームウェア600b、および、各種回転体を回転させるモーターの制御を行うためのエンジン用のファームウェア600cなどを含む。
そして、ファームウェア600は、ROM113aからRAM113bに読み出され、RAM113bに展開される。これにより、画像形成装置100の各ハードウェアは、ファームウェア600に基づき動作する。
このようなファームウェア600は、メーカー開発者によってバグ修正や機能追加などが行われるため、定期または不定期に更新(バージョンアップ)される。なお、以下の説明では、便宜上、旧バージョンのファームウェア600をファームウェア610と称し、新バージョンのファームウェア600をファームウェア630と称して区別する場合がある。また、新バージョンのファームウェア630には、旧バージョンのファームウェア610と同様、メインのファームウェア、パネル用のファームウェア、および、エンジン用のファームウェアなどを含む。
装置メーカーは、ファームウェア600を更新すると、図4に示すように、更新済みの新バージョンのファームウェア630を携帯型メモリー500に格納し、その携帯型メモリー500をサービスマンに提供する。あるいは、新バージョンのファームウェア630をサーバー400に格納することもある。なお、図4では、新バージョンのファームウェア630が携帯型メモリー500に格納されている場合を例にとって図示している。
そして、サービスマンは、一般ユーザーの要望に応じて、旧バージョンのファームウェア610を新バージョンのファームウェア630に書き換えて更新するためのアップデート作業を行う。なお、一般ユーザー自身がアップデート作業を行うこともある。
たとえば、新バージョンのファームウェア630が携帯型メモリー500に格納されている場合、操作者(サービスマンまたは一般ユーザー)は、携帯型メモリー500を装着部115に装着する。そして、携帯型メモリー500を認識した主制御部110は、操作者からアップデート指示を受け付けるための受付画面を操作パネル101(液晶表示部11)に表示させる。このとき、操作パネル101は、たとえば、「アップデートを実行しますか?」といったようなメッセージや、アップデート指示を実際に受け付けるための受付キー(ソフトキー)などを受付画面に配する。主制御部110は、操作パネル101がアップデート指示を受け付けると、携帯型メモリー500から新バージョンのファームウェア630を読み出してROM113aに書き込む(ROM113aに書き込まれている旧バージョンのファームウェア610を新バージョンのファームウェア630に書き換える)ことにより、アップデートを完了させる。すなわち、装着部115は、携帯型メモリー500から新バージョンのファームウェア630を取得し、ROM113aは、旧バージョンから新バージョンに更新するために新バージョンのファームウェア630を記憶する。
その一方、新バージョンのファームウェア630がサーバー400に格納されている場合、主制御部110は、操作パネル101がアップデート指示を受け付けると、サーバー400との間の通信準備を通信部114に行わせ、サーバー400から新バージョンのファームウェア630を読み出してROM113aに書き込む(ROM113aに書き込まれている旧バージョンのファームウェア610を新バージョンのファームウェア630に書き換える)。すなわち、通信部114は、サーバー400から新バージョンのファームウェア630を取得し、ROM113aは、旧バージョンから新バージョンに更新するために新バージョンのファームウェア630を記憶する。
ところで、ファームウェア600はROM113a内の予め定められた書き込み領域に書き込まれるが、その書き込み領域には、ファームウェア600を書き込む処理(書き込みプログラム)も書き込まれている。そして、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して、主制御部110は、書き込みプログラムに基づいて、新バージョンのソフトウェア630を従前の書き込み領域(すなわち、旧バージョンのファームウェア610および書き込みプログラムが書き込まれている領域)に書き込む。このような流れにより、旧バージョンから新バージョンへのアップデートは完了する。
しかし、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して、旧バージョンと新バージョンとの間のバージョンである中継バージョンに一旦アップデートしなければならない場合がある。以下に、このような2段階アップデート(旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して中継バージョンへのアップデートが必要なアップデート)が必要な理由の一つを説明する。
たとえば、新バージョンのファームウェア630のサイズが旧バージョンのファームウェア610のサイズよりも大きい場合には、ROM113a内の従前の書き込み領域では容量が足りないことがある。このようにROM113a内の従前の書き込み領域の容量が足りなければ、旧バージョンのファームウェア610を新バージョンのファームウェア630にダイレクトに書き換えようとしても、書き換えそのものを行うことができない。
したがって、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際してROM113a内の従前の書き込み領域の容量が足りない場合には、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに先立って、旧バージョンと新バージョンとの間のバージョンである中継バージョンに一旦アップデートする。このようにして、ROM113a内の書き込み領域を変更し、新バージョンへのアップデートの準備を行う。なお、以下の説明では、便宜上、中継バージョンのファームウェア600をファームウェア620と称する場合がある。また、中継バージョンのファームウェア620には、旧バージョンのファームウェア610と同様、メインのファームウェア、パネル用のファームウェア、および、エンジン用のファームウェアなどを含む。また、図4では、中継バージョンのファームウェア620がサーバー400に格納されている場合を例にとって図示している。
これによると、操作者は、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して、前以て中継バージョンへのアップデートが必要であるか否かを確認しておかなければならない。しかし、操作者からすると、旧バージョンから新バージョンへのアップデートを行うにあたって、前以て中継バージョンにアップデートを行う必要があるか否かを一々確認するのは煩わしい。
そこで、本実施形態では、旧バージョンから新バージョンへのアップデート指示を操作パネル101が受け付けたとき、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して前以て中継バージョンにアップデートする必要があるか否かを主制御部110が判断するようになっている。
たとえば、装置メーカーは、記憶部113(ROM113aまたはHDD113b)、サーバー400および携帯型メモリー500のうちの少なくとも1つに、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して前以て中継バージョンにアップデートする必要があるか否かを示したアップデート情報U(テーブル)を格納する。なお、図4では、アップデート情報Uが記憶部113(ROM113a)に格納されている場合を例にとって図示している。
このアップデート情報Uは、図5に示すように、ファームウェア600(メインのファームウェア600a、パネル用のファームウェア600bおよびエンジン用のファームウェア600cの3つとする)の種類毎に、新バージョン(たとえば、リリースされているバージョンのうちで最も新しい最新バージョン)へのアップデートに際して2段階アップデートが必要なバージョンと、2段階アップデートに用いる中継バージョンとを関連付けた情報である。
具体的に説明すると、メインのファームウェア600aにおいては、新バージョンへのアップデートに際して、現時点のバージョン(旧バージョン)がVer.99以下であれば、前以て中継バージョン(Ver.100)にアップデートしなければならず、現時点のバージョンがVer.100以上であれば、2段階アップデートの必要はないことが示されている。
また、パネル用のファームウェア600bにおいては、新バージョンへのアップデートに際して、現時点のバージョンがVer.50以下であれば、前以て中継バージョン(Ver.70)にアップデートしなければならず、現時点のバージョンがVer.51以上であれば、2段階アップデートの必要はないことが示されている。
また、エンジン用のファームウェア600cにおいては、新バージョンへのアップデートに際して、現時点のバージョンがVer.120以下であれば、前以て中継バージョン(Ver.150)にアップデートしなければならず、現時点のバージョンがVer.121以上であれば、2段階アップデートの必要はないことが示されている。
これにより、図4に示した画像形成システムSYにおいて、たとえば、現時点のバージョンがVer.99以下のファームウェア610に関して、新バージョンであるVer.140へのアップデート指示を操作パネル101が受け付けたとする。このとき、主制御部110は、アップデート情報Uを取得し、そのアップデート情報Uに基づき、中継バージョンにアップデートする必要があるか否かを判断する。ここでは、現時点のバージョンがVer.99以下であるので、主制御部110は、中継バージョンであるVer.100へのアップデートが前以て必要であると判断する。
中継バージョンへのアップデートが必要であると判断した主制御部110は、中継バージョンのファームウェア620を検索し、通信部114または装着部115に中継バージョンのファームウェア620を取得させる。そして、主制御部110は、中継バージョンのファームウェア620をROM113aに書き込む(ROM113aは、中継バージョンのファームウェア620を記憶する)。
ただし、中継バージョンのファームウェア620を検索した結果、中継バージョンのファームウェア620が見つからない場合がある。一例を挙げると、中継バージョンのファームウェア620を格納したサーバー400との接続が切断されている場合には、中継ケーバージョンのファームウェア620を検索しても見つけることができない。
このような場合、主制御部110は、表示部としての操作パネル101(液晶表示部11)に、中継バージョンへのアップデートが必要である旨のメッセージを表示させる。たとえば、操作パネル101は、図6に示すように、ダイアログボックスDBを表示し、そのダイアログボックスDB内にメッセージを盛り込む。このようにして、操作者に対して、中継バージョンへのアップデートを促す。これにより、操作者は、たとえば、中継バージョンのファームウェア620が格納されたサーバー400との間の接続の復帰させる、あるいは、中継バージョンのファームウェア620が格納された携帯型メモリー500を装着部115に装着する、などの対策を施す。
ダイアログボックスDBには、アップデートの再開指示を受け付けるためのアップデートキーK1(ソフトキー)が設けられている。そして、操作者は、中継バージョンへのアップデート準備を終えると、アップデートキーK1を押下し、アップデートを再開させる。なお、ダイアログボックスDBには、アップデートの中止指示を受け付けるためのキャンセルキーK2(ソフトキー)も設けられている。
図4に戻って、主制御部110は、中継バージョンのファームウェア620をROM113aに書き込んだ後、画像形成装置100の再起動を自動的に行う。続いて、主制御部110は、新バージョンへのアップデートを行う。すなわち、主制御部110は、通信部114または装着部115に新バージョンのファームウェア630を取得させる。そして、主制御部110は、新バージョンのファームウェア630をROM113aに書き込む(ROM113aは、新バージョンのファームウェア630を記憶する)。
なお、ファームウェア600は、バグ修正や機能追加などが行われると、その都度更新される。したがって、それに伴い、アップデート情報Uも更新される。たとえば、装置メーカーは、更新後のアップデート情報Uを、サーバー400に格納したり、携帯型メモリー500に格納したりする。
たとえば、従前のアップデート情報Uが記憶部113に記憶された画像形成システムSYにおいて、更新後のアップデート情報Uがサーバー400に格納される場合、主制御部110は、サーバー400との間の通信を通信部114に行わせ、アップデート情報Uの更新情報を定期的に入手する。すなわち、アップデート情報Uの更新情報を通信部114が取得する。そして、その更新情報がアップデート情報Uの更新があったことを示す情報であれば、主制御部110は、更新後のアップデート情報Uのサーバー400からの取得を通信部114に行わせ、記憶部113に記憶された従前のアップデート情報Uを更新後のアップデート情報Uに書き換える(記憶部113は、アップデート情報を更新後のアップデート情報に書き換える)。
また、更新後のアップデート情報Uを格納した携帯型メモリー500が装着部115に装着されている場合には、アップデート情報Uの更新情報および更新後のアップデート情報Uを携帯型メモリー500から取得してもよい(アップデート情報Uの更新情報が装着部115により取得されるようになっていてもよい)。
さらに、通信部114に接続されたコンピューター200(図2参照)を利用し、記憶部113に記憶されたアップデート情報Uを更新後のアップデート情報Uに書き換えてもよい。
次に、図7を参照して、画像形成装置100において行われるアップデート動作について説明する。
まず、図7のフローのスタート時点では、画像形成装置100の記憶部113(ROM113a)に旧バージョンのファームウェア610が記憶されている一方で、装置メーカーによって新バージョンのファームウェア630が既にリリースされているとする。そして、図7のフローのスタートは、旧バージョンから新バージョンへのアップデート指示を操作パネル101が操作者から受け付けたときである。
なお、新バージョンのソフトウェア630は、たとえば、操作者に提供された携帯型メモリー500に格納されているとする。したがって、操作パネル101がアップデート指示を受け付けたということは、新バージョンのファームウェア630を格納する携帯型メモリー500が装着部115に装着されたということである。また、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して前以て中継バージョンにアップデートする必要があるか否かを判断するためのアップデート情報Uについては、記憶部113、サーバー400および携帯型メモリー500の少なくとも1つに格納されているとする。さらに、中継バージョンのファームウェア620についても、記憶部113、サーバー400および携帯型メモリー500の少なくとも1つに格納されているとする。
ステップS1において、主制御部110は、記憶部113、サーバー400および携帯型メモリー500のうちから、アップデート情報Uを取得する(通信部114または装着部115にアップデート情報Uを取得させる)。その後、ステップS2において、主制御部110は、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して、前以て中継バージョンにアップデートする必要があるか否か(2段階アップデートが必要か否か)をアップデート情報Uに基づいて判断する。そして、前以て中継バージョンにアップデートする必要があると判断した場合には、ステップS3に移行する。
ステップS3に移行すると、主制御部110は、記憶部113、サーバー400および携帯型メモリー500のうちから、中継バージョンのファームウェア620を検索する。中継バージョンのファームウェア620の検索後、ステップS4において、主制御部110は、中継バージョンのファームウェア620が見つかったか否かを判断する。そして、中継バージョンのファームウェア620が見つかれば、ステップS5に移行する。
ステップS5に移行すると、主制御部110は、記憶部113、サーバー400および携帯型メモリー500のうちから、中継バージョンのファームウェア620を取得する(通信部114または装着部115に中継バージョンのファームウェア620を取得させる)。続いて、ステップS6において、主制御部110は、旧バージョンから中継バージョンにアップデートする(ROM113aは、旧バージョンから中継バージョンに更新するために中継バージョンのファームウェア620を記憶する)。そして、ステップS7において、主制御部110は、画像形成装置100を再起動する。
再起動が終わると、ステップS8に移行する。なお、ステップS2において、中継バージョンにアップデートする必要がないと判断した場合にも、ステップS8に移行する。ステップS8に移行すると、主制御部110は、中継バージョンから新バージョンにアップデートする(ROM113aは、中継バージョンから新バージョンに更新するために新バージョンのファームウェア630を記憶する)。これにより、旧バージョンから新バージョンへのアップデートが完了する。
なお、ステップS4において、中継バージョンのファームウェア620が見つからなければ、ステップS9に移行する。ステップS9に移行すると、主制御部110は、中継バージョンへのアップデートを促すメッセージ(図6に示したダイアログボックスDB)を操作パネル101に表示させる。なお、このときに操作パネル101に表示されたメッセージを見た操作者は、中継バージョンにアップデートするための対策を施す。たとえば、操作者は、中継バージョンのファームウェア620が格納されたサーバー400と画像形成装置100とを接続したり、中継バージョンのファームウェア620が格納された携帯型メモリー500を装着部115に装着したりする。
そして、ステップS10において、主制御部110は、中継バージョンへのアップデート指示を受け付けたか否か(図6に示したダイアログボックスDBにおいて、アップデートキーK1およびキャンセルキーK2のうちのどちらが押下されたか)を判断する。そして、中継バージョンへのアップデート指示を受け付けていれば(アップデートキーK1が押下されていれば)、ステップS6に移行し、アップデートを続ける。その一方、中継バージョンへのアップデート指示を受け付けていなければ(キャンセルキーK2が押下されていれば)、アップデートを終了する。
本実施形態の構成によると、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して、前以て中継バージョンへのアップデートが必要であるか否かの確認や、中継バージョンへのアップデートのための操作を操作者に行わせる必要がない。したがって、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して操作者が行う操作(確認作業なども含む)を減らすことができ、操作者の利便性が向上する。
また、従来の構成では、旧バージョンから新バージョンへのアップデートに際して中継バージョンへのアップデートが必要であったとしても、中継バージョンへのアップデート指示を操作者から受け付けなければ、中継バージョンへのアップデートを省略していきなり旧バージョンから新バージョンへのアップデートを開始していた。しかし、アップデートは正常に行われないので、操作者からすると、原因を確認した上で、最初からアップデートのための操作をやり直さなければならず、煩わしい。その一方、本実施形態では、中継バージョンへのアップデートが必要であれば、中継バージョンへのアップデートが自動的に行われる。このため、操作者からすると、旧バージョンから新バージョンへのアップデート指示を最初に1回だけ行えばよく、煩わしさはない。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル101(表示部)は、通信部114(取得部)または装着部115(取得部)が中継バージョンのソフトウェア620を取得できなければ、中継バージョンへのアップデートが必要である旨のメッセージを表示する。これにより、中継バージョンへのアップデートが必要であることを操作者に認識させることができる。そして、中継バージョンへのアップデートが必要であることを操作者に認識させることができれば、中継バージョンにアップデートするための対策(たとえば、中継バージョンのファームウェア620を格納したサーバー400を通信部114に接続したり、中継バージョンのファームウェア620を格納した携帯型メモリー500を装着部115に接続したりするなど)を操作者に施してもらえるので、その後、中継バージョンへのアップデートが可能となる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110(制御部)は、中継バージョンへのアップデートの後に再起動を自動的に行い、ROM113aは、再起動の後、続けて、中継バージョンから新バージョンに更新するために新バージョンのファームウェア630を記憶する。これにより、操作者が行う操作(再起動のための操作)を減らすことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ROM113aは、通信部114または装着部115がアップデート情報Uの更新情報を取得すると、アップデート情報Uを更新後のアップデート情報Uに書き換える。これにより、アップデート情報Uが旧いままで保持されていることに起因して適切な手順でアップデートが行われなくなる、という不都合が発生するのを抑制することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の情報処理装置を画像形成装置100に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、画像形成装置100以外の情報処理装置にも適用可能である。