JP2013106832A - テープ型の使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
本発明は,フロントパッチの面積が少なく,かつ,着用者の動きに合わせて上下方向に折れ曲がりやすいフロントパッチ有するテープ型使い捨ておむつを提供することを解決課題とする。
【解決手段】
本発明は,フロントパッチの上縁辺と下縁辺の形状を凹部と凸部が連続して繰り返す形状とすることにより,フロントパッチの面積を減らすことができ,おむつの材料コストを削減できるという知見に基づくものである。また,本発明は,フロントパッチの上縁辺と下縁辺の形状を凹部と凸部が連続して繰り返す形状とすることにより,フロントパッチが着用者の動きに合わせて上下方向に折れ曲がりやすくなるという知見に基づくものである。
【選択図】図1
Description
具体的に,本発明は,以下の構成を有する。
フロントパッチ20は,上部の長辺である上縁辺201,下部の長辺である下縁辺203,上縁辺201及び下縁辺203の左右両端部を結ぶ左縁辺205及び右縁辺207により画定された形状である。そして,フロントパッチ20の上縁辺201及び下縁辺203の形状は,フロントパッチ20の長手方向に凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状である。
上記構成のように,凹部21と凸部22との連続を複数回繰り返すことによって,フロントパッチ20の面積を効果的に減らすことができる。
また,フロントパッチ20は比較的硬い素材で形成されたものであるため,フロントパッチ20は上下方向に折れ曲がりにくい性質がある。この点,本発明では,フロントパッチ20を部分的に切り抜いて凹部21を形成しているため,フロントパッチ20の動きの自由度が増し,フロントパッチ20が上下方向に折れ曲がりやすくなる。このため,使い捨ておむつの着用感をより向上させることができる。
Rは,隣接する凸部間の左右方向の直線距離において,最も長い距離を示す。例えば,凹部21が,凹部の頂点210に向かって狭まる形状である場合は,Rは隣接する凸部の頂点220の間の距離を示し,凹部21が,凹部の頂点210に向かって広がる形状である場合は,Rは凸部間の左右方向の距離の最も長い距離を示す。
上記構成のように,止着手段11の左右方向の長さを凹部間の距離と同等か,それ以上とすることにより,凹部21に跨って止着手段11を止め付けることができる。
また,本発明は,上述した発明特定事項を有することにより,フロントパッチ20が上下方向に折れ曲がりやすくなり,使い捨ておむつの着用感をより向上させることができる。
また,本明細書において,「A〜B」とは,A以上B以下であることを意味する。
図1は,テープ型の使い捨ておむつの例を示す斜視図であり,前身頃2の外表面に取り付けられたフロントパッチ20が見えるように,前身頃2を折り返した状態を描画したものである。図2は,テープ型の使い捨ておむつの例を示す展開図であり,使い捨ておむつを,装着時において着用者の肌に当接しない面(肌非当接面)側から見た状態を示している。
図1や図2に示されるように,本発明のテープ型使い捨ておむつ100は,装着時に着用者の背部を覆う後身頃1,着用者の腹部を覆う前身頃2,及び着用者の股下にあてがわれる股下部3の各部から構成される。
尚,図1,図2及び図8では,フロントパッチ20が他の部位と区別されやすいように,フロントパッチ20に網掛け模様を付して示している。
以下,本発明に係るテープ型使い捨ておむつの各部の構成について説明する。
フロントパッチ20は,後身頃1に設けられた止着テープ10を,前身頃2に止め付けて保持するための部材である。フロントパッチ20は,前身頃2の外表面(肌非当接面側)に取り付けられており,上述した止着テープ10とともに,ファスニング機構を構成する。例えば,止着テープ10の止着手段11として粘着テープが採用された場合には,フロントパッチ20は,表面が平滑なプラスチックフィルム等で形成すればよい。一方,止着テープ10の止着手段11として,面状ファスナーのフック材が採用された場合には,フロントパッチ20としては面状ファスナーのループ材を採用すればよい。
図3は,本発明において採用されるフロントパッチのある実施形態を示した図である。フロントパッチの形状は,図3に示された形状に限定されるものではないが,本発明に係るフロントパッチの形状について,まず好ましい実施形態を取り上げて説明する。なお,図3から図6においては,フロントパッチの形状を説明するために,一部の要素に“黒丸”を付けて表しているが,この“黒丸”は実在するものではない。また,図3(b),図7及び図8においては,図中に“破線”が表示さているが,この“破線”は実在しない仮想線である。
フロントパッチ20の上縁辺201及び下縁辺203の形状は,フロントパッチ20の長手方向に凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状である。ここで,凹部とは,フロントパッチ20の内側方向に向かって凹む形状であり,凸部22はフロントパッチ20の外側方向に向かって膨らむ形状である。凹部21と凸部22は直線又は曲線で構成されたものでもよく,曲線と直線の組み合わせで構成されたものでもよい。
図3(b)に示されるように凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状の隣接する凸部間の左右方向の直線距離において,最も長い距離を線分Rとする。換言すると,線分Rは,1つの凹部21を形成する辺の左右方向の距離の最も長い距離を示す。例えば,凹部21が,凹部の頂点210に向かって狭まる形状である場合は,Rは隣接する凸部の頂点220の間の距離を示し,凹部21が,凹部の頂点210に向かって広がる形状である場合は,Rは凸部間の左右方向の距離の最も長い距離を示す。線分Rの長さはおむつのサイズによっても異なるが,大人用のおむつでは,3mm〜80mmであることが好ましく,5mm〜50mmであることより好ましく,10mm〜40mmでることが特に好ましい。
図3(b)に示されるように,フロントパッチ20の左右方向の全体の長さを線分Qとした場合,線分Rの長さは,線分Qの長さに対して1%〜15%の長さであればよく,2%〜10%の長さであることが好ましく,3%〜7%の長さであることが特に好ましい。
図3(b)に示されるように,凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状の凹部の頂点210と,凸部の頂点220の上下方向の距離を線分Tとする。線分Tの長さは,おむつのサイズによっても異なるが,大人用のおむつでは,3mm〜100mmであることが好ましく,5mm〜80mmであることより好ましく,10mm〜50mmでることが特に好ましい。
図3(b)に示されるように,フロントパッチ20の上下方向の長さを線分Uとした場合,線分Tの長さは線分Uの長さに対して10%〜45%の長さであればよく,15%〜40%の長さであることが好ましく,20%〜35%の長さであることが特に好ましい。
以下,図4から図6を参照して,フロントパッチ20の実施形態について説明する。
図4には,上縁辺201及び下縁辺203の形状が,凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状であるフロントパッチの例が示されている。図4(a)には,上縁辺201及び下縁辺203にそれぞれ,凹部の頂点210が5つ,凸部の頂点220が6つ形成された形状が示されている。
図4(a)及び図4(c)に示されるように凹部の頂点210と,凸部の頂点220の上下方向の距離が長い程,凹部21を形成するために切り抜かれるフロントパッチの面積が大きくなり,フロントパッチ20自体の面積は小さくなる。
このように,左右方向と,上下方向の一部を直線とし,曲線と直線を組み合わせることによって,凹部21及び凸部22を様々な形状とすることができる。また,上下方向の一部を直線とし,その他の部分を曲線とすることよって,フロントパッチ20をより裁断しやすくなり,製造効率が上がるという利点がある。尚,図示はしていないが,図5においても図4と同様に,凹部の頂点210と,凸部の頂点220の上下方向の距離を変えた形状とすることもできる。
止着テープ10は,使い捨ておむつ100を着用者に対して装着させるための止着手段11を備えた部材である。この止着手段11は,前身頃2に設けられたフロントパッチ20とともにファスニング機構を構成する。
図1及び図2に示されるように,止着テープ10は,後身頃1のサイドフラップの側縁からおむつの左右方向に延出するように配置されており,前身頃2に設けられたフロントパッチ20に止め付けられるようになっている。
各止着テープ10の先端近傍には,止着手段11が設けられている。止着手段11は,例えば,粘着剤や粘着テープにより固定を行うものであってもよいし,フロントパッチ20に機械的に結合される面状ファスナーであってもよい。止着テープ10とフロントパッチ20と固定するファスニング機構としては,フック材(雄部材)とループ材(雌部材)の機械的結合により固定を行う面状ファスナー用いることが特に好ましい。面状ファスナーは,例えば,表面に多数の突起(鉤状,きのこ状等)が形成されたフック材と,表面にループ状の繊維が配置されたループ材との組み合わせにより構成される。例えば,止着テープ10の止着手段11としてフック材を採用し,フロントパッチ20にはループ材を形成すればよい。面状ファスナーは,ループ材の表面にフック材を貼り合わせた際,フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させる。このため,面状ファスナーは,フック材とループ材を剥離可能な状態で,かつ強固に固着させることができるものであり,繰り返しの使用が可能である点,及び固着強度が高いという点において好ましい。
尚,止着手段11の左右方向はおむつの左右方向と同じ方向をいい,止着手段11の上下方向は,おむつの上下方向と同じ方向をいう。
止着手段11の左右方向の直線距離(線分S)は,止着テープ10の左右方向の寸法の10〜90%であることが好ましい。止着テープ10の左右方向の直線距離は,フロントパッチ20に係止できる長さがあれば良く,例えば1cmm〜12cm,好ましくは1.5〜7cm,より好ましくは2〜5cmの長さである。
本発明ではフロントパッチ20の凹部21と凸部22が連続して繰り返す形状の隣接する凸部間の左右方向の直線距離を線分Rとし,止着手段11の左右方向の直線距離において,最も長い距離を線分Sとした場合,S≧Rであることが好ましい。止着手段11の左右方向の長さを凹部間の距離と同等か,それ以上とすることにより,凹部21に跨って止着手段11を止め付けることができるからである。
吸収体31は,着用者の尿を吸収し保持するための部材である。吸収体31は,着用者の尿や体液を吸収し保持ために,吸収性材料によって構成される。吸収性材料としては,例えば,フラッフパルプ,高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;「SAP」),親水性シート等を採用することができる。フラッフパルプの例は,木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものである。高吸水性ポリマーの例は,ポリアクリル酸ナトリウムである。親水性シートとしては,例えば,ティシュ,吸収紙,親水化処理を行った不織布を用いることができる。
トップシート32は,吸収体31の肌当接面側を被覆するように配置される液透過性のシートである。トップシート32は,尿などの液体を,その下面側に配置された吸収体31に浸透させる。
バックシート33は,吸収体31を肌非当接面側から被覆するように配置される液不透過性のシートである。バックシート33は,吸収体31により保持されている液体が,おむつ外部に漏洩してしまうことを防止する。
立体ギャザー35は,着用者の排泄した尿などがおむつ外部へ漏出することを防止するための防漏壁として機能する部材である。立体ギャザー35は,トップシート32やバックシート33とは異なるサイドシート34により形成されることとしてもよい。例えば,サイドシート34の一端側をトップシート32の表面に固着し,他端側に立体ギャザー伸縮材41を伸長状態で配設する。これにより,立体ギャザー35は,立体ギャザー伸縮材41の収縮力により起立し,おむつの脚周り開口部等から尿などの液体が漏出するする横漏れを有効に防止することができる。
本発明に係るテープ型の使い捨ておむつにおいては,上記立体ギャザー35の他に,脚部周りギャザー37や,腰周りギャザー38を形成することが好ましい。
以下,本発明に係るテープ型おむつの製造方法の全体の流れを説明する。
まず,バックシート33の材料となる長尺のバックシート材の上面に,吸収体31を載置する。そして,これらの更に上面に,トップシート32の材料となる長尺のトップシート材を載置する。これにより,使い捨ておむつが連続して連なる中間体が生成される。この際,トップシート材に,サイドシート34の材料となる長尺のサイドシート材が貼り合わせ,サイドシート材に立体ギャザー伸縮材41を配設し,立体ギャザー35が形成することとしてもよい。
特に,以下では,フロントパッチ20の上縁辺201と下縁辺203の形状が同一の凹凸形状である例について説明する。
一方,フロントパッチ20の上縁辺201や下縁辺203が直線的に形成され,かつ,上縁辺201や下縁辺203の一部に左右方向に水平な箇所が存在すると,当該水平な箇所とそれ以外の箇所において,裁断の際の線圧が変化するため,フロントパッチ20を裁断するに際し,不切れの原因となる可能性がある。
この点,図3から図6に示された実施形態のように,フロントパッチ20の上縁辺201と下縁辺203に左右方向に水平となる箇所が存在しないか,左右方向に水平となる箇所が少ない実施形態においては,フロントパッチ20を裁断するに際し不切れが発生しにくいという利点がある。
このため,フロントパッチ20の上縁辺201と下縁辺203を曲線により形成することにより,フロントパッチ20を個別に裁断する際の問題を効率的に解消することができる。
10 止着テープ
11 止着手段
2 前身頃
20 フロントパッチ
21 凹部
22 凸部
201 上縁辺
203 下縁辺
205 左縁辺
207 右縁辺
210 凹部の頂点
220 凸部の頂点
3 股下部
31 吸収体
32 トップシート
33 バックシート
34 サイドシート
35 立体ギャザー
36 カバーシート
37 脚部周りギャザー
38 腰周りギャザー
41 立体ギャザー伸縮材
42 脚部周り伸縮材
43 腰周り伸縮材
51 フロントパッチ材
52 フロントパッチロール
53 裁断用カッター
100 使い捨ておむつ
Claims (6)
- 後身頃(1),前身頃(2),及び前記後身頃(1)と前記前身頃(2)の間に位置する股下部(3)から構成され,
前記後身頃(1)に,前記後身頃(1)の左右の各側縁から延出するように止着テープ(10)が取り付けられ,
前記前身頃(2)に,前記止着テープ(10)を止め付けるためのフロントパッチ(20)が設けられたテープ型使い捨ておむつにおいて,
前記フロントパッチ(20)は,上部の長辺である上縁辺(201),下部の長辺である下縁辺(203),前記上縁辺(201)及び前記下縁辺(203)の左右両端部を結ぶ左縁辺(205)及び右縁辺(207)により画定された形状であり,
前記上縁辺(201)及び前記下縁辺(203)の形状は,前記フロントパッチ(20)の長手方向に凹部(21)と凸部(22)が連続して繰り返す形状である,
テープ型使い捨ておむつ。
- 前記上縁辺(201)及び前記下縁辺(203)の形状は,前記凹部(21)と前記凸部(22)の連続が3回以上15回以下繰り返された形状である,請求項1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記上縁辺(201)及び前記下縁辺(203)の形状は,波形の形状である,請求項1又は請求項2に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記上縁辺(201)の形状及び前記下縁辺(203)の形状は,同一形状である,請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記止着テープ(10)は,止着手段(11)を有し,
前記止着手段(11)の左右方向の直線距離において,最も長い距離をSとし
前記凸部間の左右方向の直線距離において,最も長い距離をRとした場合,
S≧Rである,請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記凹部の頂点(210)と,前記凸部の頂点(220)の上下方向の距離Tが,5mm以上80mm以下である,請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
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