JP2016067639A - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記課題は、ファスニングテープ13における腹側外面に対する係止部13Aとして粘着ゲル20を設け、おむつの外面を熱可塑性樹脂の不織布で形成し、腹側外面におけるファスニングテープ13の係止部位に、加熱・加圧処理によりフィルム化した平滑部15を形成し、この平滑部15に粘着ゲル20からなる係止部13Aを係止する構成とする、ことにより解決される。
【選択図】図2
Description
<請求項1記載の発明>
腹側外面に対する係止部を有するファスニングテープが背側の両側部に設けられたテープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記係止部が粘着ゲルとされている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
本発明は係止部に粘着ゲルを用いたところに特徴がある。粘着性を有する粘着ゲルは、柔軟でありながら、粘着剤と比較して繰り返し係止性に優れるものであり、更にその柔軟性から防振性も保持しており、その防振性によりファスニングテープの係止部に加わる力を吸収するため、より耐久性に優れる係止が可能となるという利点もある。ここで、粘着とは、「接着の一種で、特徴として水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけで接着すること。(参照:日本工業標準調査会 JISZ0109)」である。また、ゲルとは、「ゾルが流動性を失って固化した状態。コロイド粒子が互いにつながりあって立体網目状構造をとり、その空間を水などの液体が満たしている状態。(参照:大辞林 第三版 (三省堂))」のことである。
前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、表面が平滑な平滑部が設けられており、この平滑部に剥離処理が施されていない、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
粘着ゲルは、剥離処理が施されていなくても、表面が平滑な部分に対して優れた繰り返し係止性を発揮するため、本項記載のように構成することが望ましい。
前記粘着ゲルは、前記腹側外面に対するせん断強度が3.0〜8.0kgfであり、前記腹側外面に対する剥離強度が80〜1,450gfである、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
粘着ゲルは、せん断強度を非常に強力にしつつ剥離強度を弱くすることができるものであるため、せん断強度及び剥離強度を本項記載の範囲内として、繰り返し係止を行い易く、装着後は剥がれ難いファスニングテープとすることが望ましい。
前記テープタイプ使い捨ておむつの外面が熱可塑性樹脂の不織布により形成されており、前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、加熱・加圧処理によりフィルム化された平滑部が形成されている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
前述のように粘着ゲルの係止部位は表面が平滑であることが望ましく、従来の粘着剤を用いる形態と同様に平滑な表面のターゲットフィルムを腹側外面に貼り付けることもできるが、剥離処理は不要であるため、おむつの外面の不織布をフィルム化して粘着ゲルを係止するための平滑部とするのは一つの好ましい形態である。
前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、幅方向に沿って連続する前記平滑部が前後方向に間隔を空けて複数本設けられている、請求項4記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
上述のように、おむつの外面不織布をフィルム化する場合、広範囲にわたり連続的にフィルム化するとおむつの外面が硬くなる。よって、フィルム化平滑部は間欠的であることが望ましい。しかし、例えばフィルム化平滑部が幅方向に間欠的であると、せん断強度の確保が困難となるために、本項記載のように幅方向には連続に、かつ前後方向には間欠にフィルム化平滑部を形成し、せん断強度を確保しつつフィルム化による硬質化を抑制することが望ましい。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面の肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
各サイドフラップ部SF,SFには、ギャザーシート62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向に沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SF,SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装シート12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部EFであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部EFである。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
図1、図2及び図7に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向中間部に設けられた、腹側外面に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザーシート62及び外側層をなす外装シート12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。
(1) ファスニングテープ80の係止対象部材70(外装シート12の係止領域やターゲットテープ)をおむつから取り外し、又は切り取り、ステンレス板ST上に両面テープで固定する。
(2) ファスニングテープ80をおむつから取り外し、これを係止対象部材70に貼り付ける。この際、ファスニングテープ80の係止部81(粘着ゲル、フック材又は粘着剤)の全体が係止対象部材70に係止するように配置する。
(3) 重量2kgのローラーRをファスニングテープ80の長手方向に一往復させファスニングテープ80の係止部81を係止対象部材70に係止させる。
(4) 引張試験機AUTOGRAPH AG−X(島津製作所製 ソフト:TRAPEZIUMX)を用い、一方のチャックにステンレス板STの端部挟み、他方のチャックにファスニングテープ80の端部を挟み、チャック間距離50mm、引張速度500mm/minで剪断方向の引張試験を行い、測定される荷重変化曲線における剥離開始時から完全剥離までの間の最大値を求め、この最大値を、係止面の面積750mm2あたりに換算した値(最大値を係止部81の面積で除して得られる1mm2あたりのせん断強度を750倍した値)をせん断強度とする。
(1) ファスニングテープ80の係止対象部材70(外装シート12の係止領域やターゲットテープ)をおむつから取り外し、又は切り取り、ステンレス板STの端部近傍に両面テープで固定する。
(2) ファスニングテープ80をおむつから取り外し、これを係止対象部材70に貼り付ける。この際、ファスニングテープ80の先端をステンレス板STの端部と反対側に向けて、ファスニングテープ80の係止部81を係止対象部材70と同様にステンレス板STの端部近傍に合わせ、且つ係止部81の全体が係止対象部材70に係止するように配置する。
(3) 重量2kgのローラーRをファスニングテープ80の長手方向に一往復させファスニングテープ80の係止部81を係止対象部材70に係止させる。
(4) ファスニングテープ80の摘み部(係止部81より先端側の端部)に500gの錘を載せる。その後、ファスニングテープ80の基端部に1kgの錘を連結し、錘WTをステンレス板の端部から下方に垂らし、ファスニングテープ80に10秒間剪断荷重を与える。
(5) 引張試験機AUTOGRAPH AG−X(島津製作所製 ソフト:TRAPEZIUMX)を用い、引張方向に対して直交するようにステンレ板STを固定し、これに対して直交する方向にファスニングテープ80が引張られるように準備する。この際、係止部81の最後の部位が剥離するときの係止部81と係止対象部材70との角度(最終剥離角度)が90度となるように調整する。引張速度810mm/minで引張試験を行い、測定される荷重変化曲線における剥離開始時から完全剥離までの間の最大値を求め、この最大値を、係止面の面積750mm2あたりに換算した値(最大値を係止部81の面積で除して得られる1mm2あたりの剥離強度を750倍した値)を剥離強度とする。
腹側外面におけるファスニングテープ13の係止領域の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止領域は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
図1〜図7に示すのと同様の構造のテープタイプ使い捨ておむつ(実施例1及び実施例2)、図9に示すのと同様の構造のテープタイプ使い捨ておむつ(実施例3)、及び平滑部に代えて同サイズの表面が平滑なターゲットフィルムを貼り付け、かつ係止部13Aを粘着剤とした以外は実施例3と同様のテープタイプ使い捨ておむつ(比較例)、市販品1,2を容易し、せん断強度及び剥離強度を計測した。計測手法については前述のとおりである。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
Claims (5)
- 腹側外面に対する係止部を有するファスニングテープが背側の両側部に設けられたテープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記係止部が粘着ゲルとされている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、表面が平滑な平滑部が設けられており、この平滑部に剥離処理が施されていない、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記粘着ゲルは、前記腹側外面に対するせん断強度が3.0〜8.0kgfであり、前記腹側外面に対する剥離強度が80〜1,450gfである、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記テープタイプ使い捨ておむつの外面が熱可塑性樹脂の不織布により形成されており、前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、加熱・加圧処理によりフィルム化された平滑部が形成されている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記腹側外面における前記ファスニングテープの係止部位に、幅方向に沿って連続する前記平滑部が前後方向に間隔を空けて複数本設けられている、請求項4記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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