JP2013106021A - ダイシングフレームの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量化により取扱性や作業性の便宜を図り、異物が基板に付着するのを防止し、ダイシングテープ10の剥離を防いで生産性の向上を図ることのできるダイシングフレームの製造方法を提供する。
【解決手段】 樹脂を含む成形材料により半導体ウェーハWを収容可能な平面略リング形の平板に形成され、裏面6に、基材層11にアクリル系の粘着剤12が塗布されたダイシングテープ10が粘着されるダイシングフレーム1の製造方法であり、成形材料を、ナイロン(登録商標)樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとを混練混合して調製し、この成形材料によりダイシングフレーム1を射出成形してそのJIS K 6768(ISO8296)の濡れ試薬における表面張力値を35〜50mN/mとし、ダイシングフレーム1のASTM D790における曲げ弾性率を25GPa以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウェーハやパッケージ基板等のダイシング工程で使用されるダイシングフレームの製造方法に関するものである。
従来におけるダイシングフレームは、図示しないが、例えば所定の材料により半導体ウェーハを収容可能な平面略リング形に形成され、裏面に中空部を覆うダイシングテープが粘着されている。ダイシングフレームは、1.2mmや1.5mmの厚さを有するステンレス等の金属板の切削加工により平板に形成されている。また、ダイシングテープは、その基材層の表面にアクリル系の粘着剤が塗布して積層されるのが一般的である。
このようなダイシングフレームは、ダイシングテープの表面に半導体ウェーハが着脱自在に粘着保持され、半導体ウェーハのダイシング工程で使用されたり、カセットに収納されたり、あるいは複数枚が積層してストックされる(特許文献1、2、3、4、5、6、7、8参照)。
ところで、ダイシングフレームは、ステンレス等の金属板により形成されるが、重いので、手軽に扱うことができず、取り扱いに支障を来たすことがある。また、カセットへの出し入れ時にダイシングフレームが擦れて磨耗すると、導電性の異物が発生し、この異物が半導体ウェーハに付着してショートの原因になるという問題がある。
このような弊害を解消する方法として、従来においては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等のベース樹脂にガラス繊維、分散剤、加工助剤等を混合して成形材料を調製し、この成形材料により絶縁性を有する軽量のダイシングフレームを射出成形する手法が提案されている。
特開2007‐048884号公報 特開2007‐048885号公報 特開2008‐273088号公報 特開2008‐270530号公報 特開2008‐40810号公報 特開2007‐314650号公報 特開2007‐62333号公報 特開2002‐240883号公報
しかしながら、ベース樹脂にガラス繊維等を混合した成形材料によりダイシングフレームを射出成形する場合、取扱の便宜を図ったり、導電性の異物が半導体ウェーハに付着するのを防ぐことができるものの、分散剤や加工助剤の影響でダイシングフレームの濡れ性の悪化を招くことがある。その場合、ダイシングフレームの裏面にダイシングテープのアクリル系粘着剤が十分に粘着せず、ダイシングフレームの保管環境によっては、ダイシングテープが経時的に剥離するという問題が新たに生じるおそれがある。
また、ダイシングフレームをストックしておく場合に、ダイシングフレームの表裏面に分散剤や加工助剤がブリードアウトして濡れ性を悪化させ、半導体プロセスの初期段階からダイシングテープが剥離することがある。その場合、ダイシングフレームの裏面にダイシングテープを別の粘着テープを介して強固に粘着しなければならないので、時間と手間がかかり、生産性の向上が期待できないおそれが考えられる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、軽量化により取扱性や作業性の便宜を図り、異物が基板に付着するのを防止し、ダイシングテープの剥離を防いで生産性の向上を図ることのできるダイシングフレームの製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、樹脂を含む成形材料により基板を収容可能な中空形に形成され、表裏両面のいずれか一方の面に、基材層にアクリル系の粘着剤が塗布されたダイシングテープが粘着されるダイシングフレームの製造方法であって、
成形材料を、ポリアミド系樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとを混練混合して調製し、この成形材料によりダイシングフレームを成形してそのJIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値を35〜50mN/mとし、ダイシングフレームのASTM D790における曲げ弾性率を25GPa以上としたことを特徴としている。
なお、成形材料のポリアミド系樹脂と、ガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとの配合比を25:75〜40:60とし、ダイシングフレームの表裏両面のうち、少なくとも裏面を粗面化処理してその算術平均粗さ(Ra)を0.08〜0.10とし、このダイシングフレームの裏面にダイシングテープを粘着することができる。
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくともφ200、300、450mmの半導体ウェーハ(シリコンウェーハ等)やパッケージ基板等が含まれる。ダイシングフレームは、平面視でリング形、枠形、中空の多角形等に形成することができる。
本発明によれば、軽量化によりダイシングフレームの取扱性や作業性の便宜を図り、異物が基板に付着するのを防止することができるという効果がある。また、ダイシングテープの剥離を防いで生産性の向上を図ることができる。また、ASTM D790における曲げ弾性率を25GPa以上にするので、ダイシングフレームを肉厚に形成する必要がなく、既存のダイシング装置を改良せずにダイシングフレームを確実にセットすることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、成形材料のポリアミド系樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとの配合比を25:75〜40:60に調整するので、ダイシングフレームの損傷を防止し、しかも、剛性の不足を解消することができる。また、ダイシングフレームの裏面を粗面化処理してその算術平均粗さ(Ra)を0.08〜0.10の範囲とすれば、例えダイシングテープのアクリル系粘着剤が硬いタイプの場合でも、ダイシングフレームの裏面にダイシングテープを適切に密着することが可能になる。
本発明に係るダイシングフレームの製造方法の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係るダイシングフレームの製造方法の実施形態を模式的に示す平面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態におけるダイシングフレームの製造方法は、図1や図2に示すように、ダイシングフレーム1を射出成形する際に用いる成形材料を、ポリアミド系樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとにより調製し、ダイシングフレーム1の表面張力値を所定の範囲内とし、曲げ弾性率を所定値以上に設定するようにしている。
ダイシングフレーム1は、基本的には半導体ウェーハWを収容可能な大きさを有する平面略リング形の平板に形成され、裏面6に中空部を覆う着脱自在のダイシングテープ10が粘着されており、このダイシングテープ10の表面にバックグラインドで薄片化された半導体ウェーハWが着脱自在に粘着保持されるとともに、半導体ウェーハW用のダイシング装置にセットされる。このダイシングフレーム1は、内周面2にテーパが傾斜形成され、外周面の前後左右部がそれぞれ直線的に切り欠かれており、外周面の前部両側に位置決め用の切り欠き3がそれぞれ平面略三角形に切り欠かれる。
ダイシングフレーム1の表面後部には、左右方向に細長い収納穴4が選択的に凹み形成され、この収納穴4にRFIDシステムのRFタグ5が必要に応じて貼着される。また、ダイシングフレーム1の裏面6は、粗面化処理され、算術平均粗さ(Ra)が0.08〜0.10の範囲に調整される。ダイシングフレーム1の裏面6は、例えば金型のキャビティ面に粗面化処理を施してこれを転写する方法やサンドブラスト法等により粗面化処理される。
ダイシングテープ10は、例えばポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等からなる可撓性の薄い基材層11を備え、この基材層11の表面にアクリル系の粘着剤12が薄く塗布して積層されており、この粘着剤12がダイシングフレーム裏面6の内周縁寄りに粘着する。このようなダイシングテープ10は、ダイシングフレーム裏面6の内周縁寄りに粘着された後、ダイシングフレーム1の内周縁寄りから半径外方向に食み出た余剰部がカットされる。
成形材料はポリアミド系樹脂であるナイロン(登録商標)樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとの混練混合により調製され、これらナイロン樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとの配合比は25:75〜40:60に設定される。ナイロン樹脂とガラス繊維又はホウ酸アルミウィスカとは、混合に止まらず、混練混合される。これは、ナイロン樹脂とガラス繊維又はホウ酸アルミウィスカとを単に混合するだけでは、これらの分子が接近せず、射出成形時の溶融のみとなり、均一かつ良好な分散状態が得られないからである。
ナイロン樹脂とガラス繊維又はホウ酸アルミウィスカとの配合比が25:75〜40:60の範囲なのは、この範囲よりもナイロン樹脂の配合比率が小さいと、ダイシングフレーム1が割れやすくなり、逆に大きくなると、剛性の不足を招いて撓み易くなるからである。ナイロン樹脂は、ダイシングフレーム1に優れた濡れ性を付与する観点から選定される。また、ガラス繊維、あるいはホウ酸アルミウィスカは、充填フィラーとして、ダイシングフレーム1に剛性を付与するよう機能する。
さて、ダイシングフレーム1は上記成形材料により射出成形されるが、射出成形されたダイシングフレーム1の表面張力値は、JIS K 6768(ISO8296)の濡れ試薬における表面張力値で35〜50mN/m、好ましくは35〜36mN/mの範囲に設定される。これは、JIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値が35mN/m未満の場合には、経時変化でダイシングテープ10の剥離を招くからである。逆に、50mN/mを超える場合には、使用して不要となったダイシングテープ10の剥離が困難になるからである。
ダイシングフレーム1の曲げ弾性率は、ASTM D790における曲げ弾性率で25GPa以上、好ましくは25〜50GPa、より好ましくは28〜35GPaとされる。これは、ASTM D790における曲げ弾性率が25GPa未満の場合には、ダイシングフレーム1を肉厚に形成して剛性を向上させなければならず、既存のダイシング装置を改造しなければ、ダイシングフレーム1をセットできなくなるおそれがあるという理由に基づく。
曲げ弾性率の値は、大きすぎて問題になることはないが、一般的には50GPa以下である。また、ダイシングフレーム1の曲げ強度については、特に限定されるものではないが、ASTM D790における曲げ強度で320〜500MPaが好ましい。
上記構成において、ダイシングフレーム1を製造する場合には、ナイロン樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとを上記配合比率で混練混合することにより、これらが均一に分散した成形材料を調製し、この成形材料を型締めされた金型に射出すれば、軽量のダイシングフレーム1を大量かつ安価に製造することができる。こうしてダイシングフレーム1を製造したら、このダイシングフレーム1の裏面6に、半導体ウェーハWと粘着したダイシングテープ10を粘着してその食み出した余分な余剰部を切断除去すれば、半導体ウェーハWをダイシングすることができる。
上記によれば、ダイシングフレーム1を重い金属板により加工するのではなく、絶縁性の樹脂を含む成形材料により射出成形して金属製の場合の半分以下の軽量とするので、取扱の便宜を図ったり、導電性の異物が半導体ウェーハWに付着するのを有効に防止することができる。
また、ダイシングフレーム1の濡れ試薬における表面張力値を35〜50mN/mの範囲内とするので、ダイシングフレーム1の濡れ性を著しく向上させることができる。したがって、ダイシングフレーム1の裏面6にダイシングテープ10のアクリル系粘着剤12が十分に粘着し、ダイシングフレーム1の保管環境にかかわらず、ダイシングテープ10が経時的に剥離したり、脱落する事態を未然に防止することができる。
また、ダイシングフレーム1の表裏面に分散剤や加工助剤がブリードアウトして濡れ性を悪化させることが全くないので、半導体プロセスの初期段階からダイシングテープ10が剥離したり、脱落するのを防ぐことが可能となる。したがって、ダイシングフレーム1の裏面6にダイシングテープ10を別の粘着テープ10で強固に粘着する必要がなく、生産性の向上が大いに期待できる。
また、ダイシングフレーム1裏面6の粗さを大きくするのではなく、小さく調整しているので、ダイシングフレーム1の裏面6にダイシングテープ10を適切に密着することが可能になる。この点について詳しく説明すると、ダイシングテープ10の粘着剤12は、柔らかいタイプの他、硬いタイプがあり、硬いタイプの場合には、例えダイシングフレーム1の濡れ性が優れていても、ダイシングフレーム1の裏面6に容易に密着せず、ダイシングテープ10の剥離を招くおそれがある。
しかしながら、ダイシングフレーム1裏面6の粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.08〜0.10の範囲内とすれば、ダイシングフレーム1の裏面6にダイシングテープ10を適切に密着し、剥離を防止することが可能になる。さらに、ダイシングフレーム1の収納穴4にRFタグ5を粘着してその表面をダイシングフレーム1の表面に面一に揃えたり、ダイシングフレーム1の表面よりも低くすることができるので、複数枚のダイシングフレーム1の積層時にダイシングフレーム1が傾斜して姿勢の悪化するおそれが実に少ない。
なお、上記実施形態ではダイシングフレーム1の表面後部に収納穴4を設けたが、ダイシングフレーム1の表面前部や側部に収納穴4を設け、この収納穴4にRFタグ5を貼着しても良い。また、上記実施形態ではダイシングフレーム1の裏面6を粗面化処理したが、ダイシングフレーム1の表裏面をそれぞれ粗面化処理してその算術平均粗さ(Ra)を0.08〜0.10の範囲としても良い。
次に、図面を参照して本発明の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
先ず、ナイロン樹脂300質量部とガラス繊維700質量部とを混練機に投入して混練混合することにより、これらが均一に分散した成形材料を調製し、この成形材料を射出成形機に投入し、内径350mm、外径400mm、厚さ2.5mmのダイシングフレームを射出成形した。この成形したダイシングフレームの質量を測定したところ、約110gであった。
一方、上記成形材料により別のダンベル形の被測定成形品を射出成形し、この被測定成形品の曲げ弾性率と曲げ強度とを測定してダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とを把握することとした。測定の結果、被測定成形品のASTM D790における曲げ弾性率は28GPa、ASTM D790における曲げ強度は500MPaであった。ダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とが判明したら、このダイシングフレームを60℃、95%RH環境に24時間放置し、その後、ダイシングフレーム表面の水分が蒸発するまで室温で放置した。
次いで、ダイシングフレームの裏面にリンテック株式会社製のダイシングフィルム〔商品名:Adwill D series〕を粘着し、このダイシングフィルムの表面に予めバックグラインドした厚さ140μmの半導体ウェーハを粘着保持させた。こうしてダイシングフィルム表面に半導体ウェーハを粘着保持させたら、株式会社ディスコ製のダイシング機〔商品名:Disco DAD381〕により半導体ウェーハを複数の半導体チップに個片化し、NECマシナリー株式会社製のダイボンダによりダイシングフレーム全体にUV光を照射した後、エキスパンド装置で30mmエキスパンドして半導体チップ間の距離を150μmに拡大した。
これらの作業の際、ダイシングフレームに撓みの発生は全く認められず、しかも、ダイシングフレームにダイシングフィルムが適切に密着し、ダイシングフィルムの剥離箇所は認められなかった。このダイシングフレームの表面張力値を測定したところ、JIS K 6768(ISO8296)の濡れ試薬における表面張力値で36mN/mであった。
実施例2
先ず、MXD6ナイロンを含むナイロン樹脂100質量部と、四国化成製のホウ酸アルミウィスカ200質量部とを混練機に投入して混練混合することにより、これらが均一に分散した成形材料を調製し、この成形材料を射出成形機に投入し、内径350mm、外径400mm、厚さ2.5mmのダイシングフレームを射出成形した。この成形したダイシングフレームの質量を測定したところ、約120gであった。
一方、上記成形材料により別のダンベル形の被測定成形品を射出成形し、この被測定成形品の曲げ弾性率と曲げ強度とを測定してダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とを把握することとした。測定の結果、被測定成形品のASTM D790における曲げ弾性率は35GPa、ASTM D790における曲げ強度は320MPaであった。ダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とが判明したら、このダイシングフレームを60℃、95%RH環境に24時間放置した後、ダイシングフレーム表面の水分が蒸発するまで室温で放置した。
そしてその後、実施例1同様、ダイシングフレーム裏面にダイシングフィルムを粘着し、このダイシングフィルム表面に予めバックグラインドした厚さ140μmの半導体ウェーハを粘着保持させ、半導体ウェーハを複数の半導体チップに個片化するとともに、ダイシングフレーム全体にUV光を照射した後、エキスパンド装置で30mmエキスパンドして半導体チップ間の距離を150μmに拡大した。
これらの作業の際、ダイシングフレームに撓みの発生は全く認められず、しかも、ダイシングフレームにダイシングフィルムが適切に密着して剥離箇所は認められなかった。このダイシングフレームの表面張力値を測定したところ、JIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値で36mN/mであった。
比較例1
先ず、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂400質量部とガラス繊維600質量部とを混練機に投入して混練混合することにより成形材料を調製し、この成形材料を射出成形機に投入して内径350mm、外径400mm、厚さ2.5mmのダイシングフレームを射出成形した。この成形したダイシングフレームの質量は、約120gであった。
また、上記成形材料により別のダンベル形の被測定成形品を射出成形し、この被測定成形品の曲げ弾性率と曲げ強度とからダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とを測定することとした。測定の結果、被測定成形品のASTM D790における曲げ弾性率は23GPa、ASTM D790における曲げ強度は400MPaだった。ダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とが判明したら、このダイシングフレームを60℃、95%RH環境に24時間放置した後、ダイシングフレーム表面の水分が蒸発するまで室温で放置した。
次いで、ダイシングフレーム裏面にリンテック株式会社製のダイシングフィルム〔商品名:Adwill D series〕を粘着し、ダイシングフィルム表面に予めバックグラインドした厚さ140μmの半導体ウェーハを粘着保持させた。ダイシングフィルム表面に半導体ウェーハを粘着保持させたら、株式会社ディスコ製のダイシング機〔商品名:Disco DAD381〕により半導体ウェーハを複数の半導体チップに個片化し、NECマシナリー株式会社製のダイボンダによりダイシングフレーム全体にUV光を照射し、エキスパンド装置で30mmエキスパンドして半導体チップ間の距離を150μmとした。
係る作業の際、ダイシングテープの一部に剥離箇所が認められた。このダイシングフレームの表面張力値を測定したところ、JIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値で32mN/mだった。また、カセットにダイシングフレームを収納しようとしたところ、ダイシングフレームの一部が撓んでおり、ダイシングフレームの収納に支障を来たした。
比較例2
先ず、ポリフェニレンサルファイド樹脂350質量部とガラス繊維600質量部とを混練機に投入して混練混合することにより成形材料を調製し、この成形材料を射出成形機に投入し、内径350mm、外径400mm、厚さ3.5mmのダイシングフレームを射出成形した。この成形したダイシングフレームの質量は、約160gであった。
また、上記成形材料により別のダンベル形の被測定成形品を射出成形し、この被測定成形品の曲げ弾性率と曲げ強度とからダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とを測定した。測定の結果、被測定成形品のASTM D790における曲げ弾性率は25GPa、ASTM D790における曲げ強度は450MPaだった。ダイシングフレームの曲げ弾性率と曲げ強度とが判明したら、このダイシングフレームを60℃、95%RH環境に24時間放置した後、ダイシングフレーム表面の水分が蒸発するまで室温で放置した。
そして、比較例1同様、ダイシングフレーム裏面にダイシングフィルムを粘着し、このダイシングフィルム表面にバックグラインドした厚さ140μmの半導体ウェーハを粘着保持させ、半導体ウェーハを複数の半導体チップに個片化するとともに、ダイシングフレーム全体にUV光を照射し、30mmエキスパンドして半導体チップ間の距離を150μmとした。
係る作業の際、ダイシングフレームに撓みは認められなかったものの、ダイシングテープの一部に剥離箇所が認められた。このダイシングフレームの表面張力値を測定した結果、JIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値で33mN/mだった。
以上の実施例と比較例とから、ダイシングフレームの成形材料を、ナイロン樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとを混練混合することにより調製し、この成形材料によりダイシングフレームを射出成形してそのJIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値を35〜50mN/mとし、かつダイシングフレームのASTM D790における曲げ弾性率を25GPa以上とすれば、ダイシングフレームの撓みの発生やダイシングフィルムの剥離を防止することができるのを確認した。
本発明に係るダイシングフレームの製造方法は、半導体の製造分野等で使用することができる。
1 ダイシングフレーム
6 裏面
10 ダイシングテープ
11 基材層
12 粘着剤
W 半導体ウェーハ(基板)

Claims (2)

  1. 樹脂を含む成形材料により基板を収容可能な中空形に形成され、表裏両面のいずれか一方の面に、基材層にアクリル系の粘着剤が塗布されたダイシングテープが粘着されるダイシングフレームの製造方法であって、
    成形材料を、ポリアミド系樹脂とガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとを混練混合して調製し、この成形材料によりダイシングフレームを成形してそのJIS K 6768の濡れ試薬における表面張力値を35〜50mN/mとし、ダイシングフレームのASTM D790における曲げ弾性率を25GPa以上としたことを特徴とするダイシングフレームの製造方法。
  2. 成形材料のポリアミド系樹脂と、ガラス繊維あるいはホウ酸アルミウィスカとの配合比を25:75〜40:60とし、ダイシングフレームの表裏両面のうち、少なくとも裏面を粗面化処理してその算術平均粗さ(Ra)を0.08〜0.10とし、このダイシングフレームの裏面にダイシングテープを粘着した請求項1記載のダイシングフレームの製造方法。
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