JP2013096510A - 流体圧シリンダ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンロッドに形成された軸孔の開口端を封止する封止手段がシリンダチューブの内側に抜け落ちることを防止できる流体圧シリンダ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ヘッド側室2を作動流体圧源に連通するヘッド側通路11は、ピストンロッド30の軸方向に延びるヘッド側軸孔12によって画成され、このヘッド側軸孔12は、ピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位に開口した開口端12Aと、ピストンロッド30の内部に形成された先端12Bと、を有し、ヘッド側軸孔12の開口端12Aを封止する封止手段(プラグ17)を備える構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部の作動流体圧源から導かれる作動流体圧によって伸縮作動する流体圧シリンダ及びその製造方法に関するものである。
従来、この種の流体圧シリンダとして、ヘッド側室を作動流体圧源に連通するヘッド側通路と、ボトム側室を作動流体圧源に連通するボトム側通路とがピストンロッドの内部に設けられた流体圧シリンダがある(特許文献1参照)。
ヘッド側通路とボトム側通路は、中実のピストンロッドに形成された2本の軸孔によってそれぞれ画成されている。これら2本の軸孔は、ボトム側室に臨むピストンロッドの先端面から切削工具(ドリル)が挿入されることによって形成されている。
ヘッド側通路は、作動流体圧源とヘッド側室を連通するものであり、ボトム側室に対して封止する必要がある。このため、ヘッド側通路を画成する軸孔(ヘッド側軸孔)のボトム側室に対する開口端には、例えばプラグ等の封止手段が埋め込まれている。
特開2003−166508号公報(特許3814525号)
しかしながら、このような従来の流体圧シリンダにあっては、上記ヘッド側軸孔の開口端に埋め込まれた封止手段がボトム側室、すなわちシリンダチューブの内側に抜け落ちる可能性があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ピストンロッドに形成された軸孔の開口端を封止する封止手段がシリンダチューブの内側に抜け落ちることを防止できる流体圧シリンダ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、筒状のシリンダチューブと、このシリンダチューブ内をヘッド側室とボトム側室に仕切るピストンと、このピストンに連結されたピストンロッドと、を備えるとともに、このピストンロッドの軸方向に延びるヘッド側軸孔と、このヘッド側軸孔に接続されてピストンロッドのシリンダチューブから突出する部位に開口したヘッド側外部通孔と、このヘッド側軸孔に接続されてヘッド側室に開口したヘッド側内部通孔とによって画成されており、このヘッド側内部通孔、ヘッド側軸孔、ヘッド側外部通孔を介してヘッド側室を作動流体圧源に連通するヘッド側通路と、ボトム側室を作動流体圧源に連通するボトム側通路と、を中実のピストンロッドの内部に備える流体圧シリンダであって、ヘッド側軸孔は、ピストンロッドのシリンダチューブから突出する部位に開口した開口端と、ピストンロッドの内部に形成された先端と、を有し、ヘッド側軸孔の開口端を封止する封止手段を備えることを特徴とする。
上記構成に基づき、ヘッド側軸孔は、そもそもボトム側室に対する開口端を持たないため、ボトム側室に対して閉塞する封止手段を設ける必要がなく、封止手段がシリンダチューブの内側に抜け落ちることを防止できる。
本発明の実施形態を示す油圧シリンダの断面図である。 ピストンロッドの製造方法を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す油圧シリンダ(流体圧シリンダ)1は、筒状をしたシリンダチューブ10と、このシリンダチューブ10内にヘッド側室2とボトム側室3を仕切るピストン20と、このピストン20に連結されるピストンロッド30とを備える。
片ロッド型の油圧シリンダ1は、ピストンロッド30がシリンダチューブ10の一端から突出する。ヘッド側室2は、ピストンロッド30がシリンダチューブ10から突出するヘッド側に設けられ、シリンダチューブ10とピストン20とピストンロッド30と後述するシリンダヘッド40とによって画成される。ボトム側室3は、ピストンロッド30がシリンダチューブ10から突出しないボトム側に設けられ、シリンダチューブ10とピストン20と後述するボトムブラケット50とによって画成される。
油圧シリンダ1は、図示しない油圧源(作動流体圧源)から導かれる作動油圧(作動流体圧)によってシリンダチューブ10に対してピストンロッド30が中心軸O方向に移動して伸縮作動する。これにより、ピストンロッド30が連結される図示しない駆動体に対してシリンダチューブ10が連結される被駆動体を駆動される。
油圧シリンダ1は、作動流体として、作動油(オイル)を用いるが、作動油の代わりに例えば水溶性代替液等の作動液を用いてもよい。
シリンダチューブ10は、円筒状に形成される。シリンダチューブ10の先端側開口部(図1において上端)10Aには、ピストンロッド30を摺動可能に挿通させるシリンダヘッド40が締結される。シリンダヘッド40は、軸受6を介してピストンロッド30を摺動可能に支持する。
なお、これに限らず、シリンダチューブ10とシリンダヘッド40とが一体形成される構成としてもよい。
シリンダチューブ10の基端側開口部(図1において下端)10Bには、ボトムブラケット50が結合される。このボトムブラケット50に環状のアイ部51が設けられる。このアイ部51にはブッシュ(軸受)8が嵌合される。シリンダチューブ10の基端部は、このブッシュ8に挿入される図示しないピンを介して被駆動体に連結される。
ピストンロッド30は、中実の円柱状に形成される。ピストンロッド30は、シリンダヘッド40に摺動可能に支持される直円柱状のロッド本体部33と、このロッド本体部33の基端側(図1において上端側)に設けられる配管接続部35と、この配管接続部35の基端側に設けられる環状のアイ部34とを有する。
ピストンロッド30の基端部は、アイ部34にブッシュ(軸受)9が嵌合され、このブッシュ9に挿入される図示しないピンを介して駆動体に連結される。
なお、これに限らず、ブッシュ9を廃止して、ピストンロッド30の基端部は、アイ部34に直接挿入される図示しないピンを介して駆動体に連結される構成としてもよい。
ピストンロッド30の先端部は、ロッド本体部33、ピストン支持部31、先端ネジ部32を有し、その外径が段階的に小さくなっている。ピストン20は、ピストン支持部31に嵌合され、先端ネジ部32に螺合するナット5を介して締結される。ロッド本体部33とピストン支持部31の間には、環状の溝37が形成され、ピストン20の内周角部と干渉しないようになっている。ピストン支持部31及び先端ネジ部32が、ピストンロッド30のピストン20を支持する部位を構成している。
ピストンロッド30の外径については、ピストン支持部31の部位及び先端ネジ部32の部位においてロッド本体部33に比べて小さく形成されており、配管接続部35の部位においてロッド本体部33に比べて大きく形成されている。
なお、これに限らず、ピストンロッド30とピストン20とが一体形成される構成としてもよい。
中実のピストンロッド30の内部には、ヘッド側室2を油圧源に連通するヘッド側通路11と、ボトム側室3を油圧源に連通するボトム側通路21が設けられる。ヘッド側室2とボトム側室3が共通の油圧源に連通される。なお、これに限らず、ヘッド側室2とボトム側室3が別個の油圧源に連通される構成としてもよい。
ピストンロッド30の基端部には、上述したように、ロッド本体部33とアイ部34との間に配管接続部35が設けられる。ヘッド側通路11とボトム側通路21をそれぞれ油圧源に連通する配管(図示せず)がこの配管接続部35に接続される。
図1は、油圧シリンダ1が収縮した状態を示している。油圧シリンダ1の伸長作動時に、油圧源のポンプ吐出側から供給される加圧作動油がボトム側通路21を通ってボトム側室3に流入し、ピストン20がヘッド側(図1において上方)に移動するのに伴って、ヘッド側室2の作動油がヘッド側通路11を通って油圧源のタンク側へと流出する。一方、油圧シリンダ1の収縮作動時に、油圧源のポンプ吐出側から供給される加圧作動油がヘッド側通路11を通ってヘッド側室2に流入し、ピストン20がボトム側(図1において下方)に移動するのに伴って、ボトム側室3の作動油がボトム側通路21を通って油圧源のタンク側へと流出する。
ヘッド側通路11は、ピストンロッド30の中心軸O方向に延びるヘッド側軸孔12と、ピストンロッド30の配管接続部35に開口するヘッド側外部通孔(ネジ孔)13と、ヘッド側室2に面してロッド本体部33に開口するヘッド側内部通孔(横孔)14と、を有する。このヘッド側軸孔12、ヘッド側外部通孔13、ヘッド側内部通孔14は、それぞれ機械加工によって形成される。
ボトム側通路21は、ピストンロッド30の中心軸O方向に延びるボトム側軸孔22と、ピストンロッド30の配管接続部35に開口するヘッド側外部通孔(ネジ孔)23と、ボトム側室3に面してロッド本体部33に開口する溝24と、を有する。このボトム側軸孔22、ヘッド側外部通孔23、溝24は、それぞれ機械加工によって形成される。
図2に示すように、ヘッド側通路11、ボトム側通路21を形成する工程(ヘッド側、ボトム側通路形成工程)では、切削工具61、62をピストンロッド30の中心軸O方向について互いに反対方向から挿入して、ヘッド側、ボトム側軸孔12、22をそれぞれ形成する。
ヘッド側通路11を形成するヘッド側通路形成工程では、切削工具(ドリル)61を、アイ部外周面34B(ピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位)から挿入して、ヘッド側軸孔12を形成する。切削工具61は、図2に矢印で示すように、ピストンロッド30の中心軸O方向に移動し、ヘッド側軸孔12を切削して形成する。これにより、ヘッド側軸孔12は、ピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位に開口する開口端12Aと、ピストンロッド30の内部に形成される先端12Bとを有する。
ボトム側通路21を形成するボトム側通路形成工程では、切削工具(ドリル)62を、先端面36(ピストンロッド30のシリンダチューブ10内に臨む部位)から挿入して、ボトム側軸孔22を形成する。切削工具62は、図2に矢印で示すように、ピストンロッド30の中心軸O方向に移動し、ボトム側軸孔22を切削して形成する。これにより、ボトム側軸孔22は、ボトム側室3に連通する開口端22Aと、ピストンロッド30の内部に形成される先端22Bとを有する。
ヘッド側通路形成工程とボトム側通路形成工程は、並行して行われる。切削工具61、62をピストンロッド30の中心軸O方向について互いに反対方向から略同時に挿入して、ヘッド側軸孔12、ボトム側軸孔22を形成することにより、加工時間を削減できる。
なお、これに限らず、ヘッド側軸孔12を形成するヘッド側側通路形成工程を行った後に、加工装置に支持されるピストンロッド30の向きを逆にして、ボトム側軸孔22を形成するボトム側通路形成工程を行ってもよい。
ヘッド側軸孔12の先端12Bは、ピストン支持部31に到達する手前のロッド本体部33内に配置され、ボトム側室3に連通していない。換言すると、ヘッド側軸孔12の先端12Bは、ピストンロッド30のピストン20を支持する部位よりもヘッド側軸孔12の開口端12A側に位置しており、後に形成される通孔14に接続される。なお、ヘッド側軸孔12は、ボトム側室3に開口端を持たなければ、その先端12Bがピストン支持部31または先端ネジ部32に達する構成としてしてもよい。
ボトム側軸孔22は、先端ネジ部32、ピストン支持部31、ロッド本体部33内に渡って配置され、後に形成される通孔23に接続される。
ピストンロッド30のピストン支持部31、先端ネジ部32には、ヘッド側軸孔12が形成されず、ボトム側軸孔22のみが形成される。これにより、ピストンロッド30は、その外径が小さくなるピストン支持部31、先端ネジ部32にて、ヘッド側軸孔12によってその断面積が削減されないため、ピストン20から受ける荷重に対する強度が損なわれない。
ピストンロッド30にヘッド側軸孔12が形成された後に、アイ部34の内周面34Aに開口する内側プラグ穴15と、アイ部34の内周面34Aと外周面34Bにそれぞれ開口する外側プラグ穴16と、が順に同軸上に形成される。ヘッド側軸孔12、内側プラグ穴15、外側プラグ穴16、の開口径は、順に大きく形成される。
ピストンロッド30の外周面30Aに開口するヘッド側外部通孔13、ボトム側外部通孔23、ヘッド側内部通孔14は、それぞれピストンロッド30の中心軸Oと略直交方向に延びる。ヘッド側外部通孔13、ボトム側外部通孔23、ヘッド側内部通孔14を形成する工程では、図示しない工具(ドリル)が、ピストンロッド30の中心軸O方向と略直交方向について、ピストンロッド30の外周面30Aから挿入される。ピストンロッド30の先端面36に開口する溝24は、機械加工によって形成される。
ヘッド側軸孔12の開口端12Aを封止する封止手段として、内側プラグ穴15には、雌ネジが形成され、プラグ17が螺合して取り付けられる。なお、これに限らず、内側プラグ穴15に、プラグが圧入して取り付けられる構成としてもよい。プラグ17が内側プラグ穴15に埋め込まれることより、ヘッド側通路11の一端が封止され、作動油が外部に洩れないようになっている。なお、封止手段は、プラグ17に限らず、例えばケーニック打ち込みプラグやスチールボール等の他の構成を用いてヘッド側軸孔12と外部連通を遮断してもよい。
外側プラグ穴16には、雌ネジが形成され、プラグ18が螺合して取り付けられる。これに限らず、外側プラグ穴16には、プラグがそれぞれ圧入して取り付けられる構成としてもよい。プラグ18が外側プラグ穴16が埋め込まれることにより、外側プラグ穴16に異物が侵入することが防止されるとともに、アイ部34の剛性が高められる。
ピストンロッド30の組立時に、まず、内側プラグ穴15にプラグ17が取り付けられる。その後に、アイ部34の内周面34Aにブッシュ9が取り付けられる。最後に、外側プラグ穴16にプラグ18が取り付けられる。
プラグ17が内側プラグ穴15から抜けようとすると、ブッシュ9によって止められる。これにより、プラグ17が内側プラグ穴15から外れることが回避され、ヘッド側通路11の封止状態が維持される。
プラグ17とプラグ18は、ピストンロッド30のシリンダチューブ10の外側に突出する部位に設けられるため、たとえ外れてもシリンダチューブ10の内側に落下することが回避される。
以下、本発明の要旨と作用、効果を説明する。
本発明は、外部の作動流体圧源から導かれる作動流体圧によって伸縮作動する流体圧シリンダ(油圧シリンダ1)を前提とする。
(ア)本発明は、筒状のシリンダチューブ10と、このシリンダチューブ10内をヘッド側室2とボトム側室3に仕切るピストン20と、このピストン20に連結されたピストンロッド30と、を備えるとともに、このピストンロッド30の軸方向に延びるヘッド側軸孔12と、このヘッド側軸孔12に接続されてピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位に開口したヘッド側外部通孔13と、ヘッド側軸孔12に接続されてヘッド側室2に開口したヘッド側内部通孔14とによって画成されており、ヘッド側内部通孔14、ヘッド側軸孔12、ヘッド側外部通孔13を介してヘッド側室2を作動流体圧源に連通するヘッド側通路11と、ボトム側室3を作動流体圧源に連通するボトム側通路21と、を中実のピストンロッド30の内部に備える流体圧シリンダ(油圧シリンダ1)であって、ヘッド側軸孔12は、ピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位に開口した開口端と12Aと、ピストンロッド30の内部に形成された先端12Bと、を有し、ヘッド側軸孔12の開口端12Aを封止する封止手段(プラグ17)を備える構成とした。
上記構成に基づき、ヘッド側室2は、ヘッド側軸孔12、ヘッド側外部通孔13、ヘッド側内部通孔14を介して作動流体圧源との間で作動流体の給排が行われる。
ヘッド側軸孔12は、そもそもボトム側室3に開口端を持たないため、ボトム側室3に対して閉塞する封止手段を設ける必要がなく、封止手段等がシリンダチューブ10の内側に抜け落ちることを防止できる。
(イ)ヘッド側軸孔12の先端12Bは、ピストンロッド30のピストン20を支持する部位よりもヘッド側軸孔12の開口端12A側に位置しており、ボトム側通路21は、ボトム側室3に開口した開口端22Aを有するとともにピストンロッド30のピストン20を支持する部位を越えてピストンロッド30の軸方向(中心軸O方向)に延びるボトム側軸孔22によって画成されている構成とした。
ピストンロッド30のピストン20を支持する部位(ピストン支持部31、先端ネジ部32)は、ボトム側通路21によってその断面積が削減されるものの、ヘッド側軸孔12によってその断面積が削減されることがないため、その強度が低下することを低減することができ、ピストンロッド30の小径化がはかれる。
これに対して、従来の流体圧シリンダにあっては、ピストンロッドのピストン支持部にヘッド側通路とボトム側通路を画成する2本の軸孔が貫通する構造であった。このため、ピストン支持部は、ピストンロッドのうちで外径が小さいにもかかわらず、これを貫通する2本の軸孔によってその断面積が削減され、ピストンロッドの強度が損なわれるという問題点があった。上記のように、本発明によれば、ピストン支持部31を貫通する軸孔の本数が1本に減らされるため、従来と比較してピストンロッド30の強度を高められる。
(ウ)ピストンロッド30は、シリンダチューブ10から突出する部位に環状のアイ部34を有し、ヘッド側軸孔12の開口端12Aには、アイ部34の内周面34Aに開口する内側プラグ穴15が形成され、この内側プラグ穴15には、ヘッド側軸孔12の開口端12Aを封止する封止手段としてプラグ17が埋め込まれる構成とした。
上記構成に基づき、内側プラグ穴15は、プラグ17が埋め込まれた後に、アイ部34に介装されるブッシュ9またはピン(図示せず)によって閉塞されるため、プラグ17が内側プラグ穴15から外れることがない。
ピストンロッド30は、アイ部34の内周面34Aと外周面34Bに開口する外側プラグ穴16が形成され、この外側プラグ穴16と内側プラグ穴15とヘッド側軸孔12とが同軸上に形成される構成とした。
上記構成に基づき、アイ部34を有するピストンロッド30にヘッド側軸孔12を形成することが可能となる。
(エ)本発明は、流体圧シリンダ(油圧シリンダ1)の製造方法であって、ピストンロッド30のシリンダチューブ10から突出する部位(アイ部外周面34B)から挿入される切削工具61によってヘッド側通路11を形成するヘッド側通路形成工程と、ピストンロッド30のシリンダチューブ10内に臨む部位(先端面36)から挿入される切削工具62によってボトム側通路21を形成するボトム側通路形成工程と、を行う構成とした。
これにより、ヘッド側通路11の封止状態が維持されるとともに、ピストンロッド30の強度向上がはかれる流体圧シリンダ(油圧シリンダ1)を製造できる。
(オ)本発明は、流体圧シリンダ(油圧シリンダ1)の製造方法であって、ヘッド側通路形成工程とボトム側通路形成工程とを並行して行う構成とした。
上記構成に基づき、切削工具61、62をピストンロッド30の中心軸O方向について互いに反対方向から同時に挿入することにより、加工時間を削減し、生産性を高められる。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
1 油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
2 ヘッド側室
3 ボトム側室
10 シリンダチューブ
11 ヘッド側通路
12 ヘッド側軸孔
12A ヘッド側軸孔の開口端
12B ヘッド側軸孔の先端
13 ヘッド側外部通孔
14 ヘッド側内部通孔
15 内側プラグ穴開口端
17 プラグ(封止手段)
20 ピストン
21 ボトム側通路
22 ボトム側軸孔
22A ボトム側軸孔の開口端
30 ピストンロッド
34A アイ部内周面
34B アイ部外周面
36 ピストンロッド先端面
40 シリンダヘッド
61 切削工具
62 切削工具

Claims (5)

  1. 筒状のシリンダチューブと、
    前記シリンダチューブ内をヘッド側室とボトム側室に仕切るピストンと、
    前記ピストンに連結されたピストンロッドと、を備えるとともに、
    前記ピストンロッドの軸方向に延びるヘッド側軸孔と、前記ヘッド側軸孔に接続されて前記ピストンロッドの前記シリンダチューブから突出する部位に開口したヘッド側外部通孔と、前記ヘッド側軸孔に接続されて前記ヘッド側室に開口したヘッド側内部通孔とによって画成されており、前記ヘッド側内部通孔、前記ヘッド側軸孔、前記ヘッド側外部通孔を介して前記ヘッド側室を作動流体圧源に連通するヘッド側通路と、
    前記ボトム側室を作動流体圧源に連通するボトム側通路と、を中実の前記ピストンロッドの内部に備える流体圧シリンダであって、
    前記ヘッド側軸孔は、
    前記ピストンロッドの前記シリンダチューブから突出する部位に開口した開口端と、
    前記ピストンロッドの内部に形成された先端と、を有し、
    前記ヘッド側軸孔の開口端を封止する封止手段を備えたことを特徴とする流体圧シリンダ。
  2. 前記ヘッド側軸孔の先端は、前記ピストンロッドの前記ピストンを支持する部位よりも前記ヘッド側軸孔の開口端側に位置しており、
    前記ボトム側通路は、前記ボトム側室に開口した開口端を有するとともに前記ピストンロッドの前記ピストンを支持する部位を越えて前記ピストンロッドの軸方向に延びるボトム側軸孔によって画成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  3. 前記ピストンロッドは、前記シリンダチューブから突出する部位に環状のアイ部を有し、
    前記ヘッド側軸孔の開口端には、前記アイ部の内周面に開口する内側プラグ穴が形成され、
    前記内側プラグ穴には、前記ヘッド側軸孔の開口端を封止する封止手段としてプラグが埋め込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体圧シリンダ。
  4. ヘッド側室を作動流体圧源に連通するヘッド側通路と、ボトム側室を作動流体圧源に連通するボトム側通路と、が中実のピストンロッドの内部に設けられる流体圧シリンダの製造方法であって、
    前記ピストンロッドのシリンダチューブから突出する部位から挿入される切削工具によって前記ヘッド側通路を形成するヘッド側通路形成工程と、
    前記ピストンロッドの前記シリンダチューブ内に臨む部位から挿入される切削工具によって前記ボトム側通路を形成するボトム側通路形成工程と、を行うことを特徴とする流体圧シリンダの製造方法。
  5. 前記ヘッド側通路形成工程と前記ボトム側通路形成工程とを並行して行うことを特徴とする請求項4に記載の流体圧シリンダの製造方法。
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