JP2004011781A - 油圧機器におけるバルブの配在構造 - Google Patents
油圧機器におけるバルブの配在構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】油圧機器における任意の部位をハウジング(3)にすると共にこのハウジング(3)内に臨在されたバルブ(10)がハウジング(3)へのキャップ部材6の連繋で所定位置に定着されてなる油圧機器におけるバルブ(10)の配在構造にあって、バルブ(10)の後端にスペーサ部材7が隣接されると共にこのスペーサ部材7の後端にキャップ部材6が隣接されてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧機器におけるバルブの配在構造の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
油圧機器たる、たとえば、油圧シリンダには、バルブたる、たとえば、リリーフバルブが配在されていて、いわゆる異常高圧が発生するときに、このリリーフバルブの作動で異常高圧から油圧シリンダを護るとしている。
【0003】
このとき、リリーフバルブは、所定の機能を発揮する限りには、油圧シリンダにおいて任意の部位に配在されていて良いが、油圧シリンダの利用時における周辺との接触を避けたり、リリーフした作動油を内部に回収するなどの観点からすれば、油圧シリンダに外装されているよりも内装されている方が好ましいと言い得る。
【0004】
ところで、油圧シリンダにリリーフバルブを配在する場合に、油圧シリンダの規模が変わることで、リリーフバルブを配在する部位の状態が変わることがある一方で、リリーフバルブにおいて作動する設定油圧が変わらないことがある。
【0005】
このとき、従来では、規模が変わる前の油圧シリンダに内装されていたのと同じ構成のリリーフバルブを規模が変わった油圧シリンダに内装することはなく、たとえば、リリーフバルブにおけるケーシングの長さを変えるなどして、要部を除いていわゆる設計変更したリリーフバルブを装着するとしていた。
【0006】
その結果、これまでの油圧機器におけるバルブの配在構造にあっては、油圧機器の規模が変わる度に、異なった構成のバルブを準備することになり、同じ構成のバルブを規模の異なる油圧機器に配在できない不具合があった。
【0007】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、バルブにおいて、要部はもちろんのこと、ケーシングの大きさなども変わらない言わば既存のバルブを規模の異なる油圧機器に転用し得るようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる油圧機器におけるバルブの配在構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、この発明による油圧機器におけるバルブの配在構造の構成を、基本的には、油圧機器における任意の部位からなるハウジング内に配在されるバルブがハウジングへのキャップ部材の連繋で所定位置に定着されてなる油圧機器におけるバルブの配在構造にあって、バルブとキャップ部材の間にスペーサ部材が配在されてなるとする。
【0009】
それゆえ、油圧機器の規模が異なることで、たとえば、ハウジングの長さが大きくなる場合でも、スペーサ部材の長さを選択することで、バルブ自体に設計変更を招来させずして、そのバルブの所定位置への配在が可能になる。
【0010】
このとき、スペーサ部材は、中実体たる柱状体からなるとしても良く、あるいは、中空体たる筒状体からなるとしても良い。
【0011】
そして、上記した構成において、より具体的には、油圧機器が油圧シリンダとされると共に、ハウジングが油圧シリンダを構成するシリンダ体の開口端を封止しながら軸芯部に油圧シリンダを構成するロッド体を貫通させるヘッド部材とされ、かつ、バルブがリリーフバルブとされながら軸芯線をヘッド部材における径方向に延在させてなるとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による油圧機器におけるバルブの配在構造は、図示するところでは、油圧機器たるピストン型の油圧シリンダに具現化されている。
【0013】
少し説明すると、まず、油圧シリンダは、図1に示すように、シリンダ体1内にロッド体2を出没可能に挿通させてなるもので、このとき、ロッド体2は、シリンダ体1の開口端部1aに連結される封止部材たるヘッド部材3の軸芯部を軸封構造下に貫通するとしている。
【0014】
また、シリンダ体1内にはロッド体2の先端に連設されるピストン4が摺動可能に収装されていて、このピストン4によってシリンダ体1内にピストン側油室たる反ロッド側油室R1とロッド側油室R2を画成している。
【0015】
ちなみに、反ロッド側油室R1は、図示しないが、シリンダ体1の下端部に開穿された連通孔を介して外部の油圧給排源に連通されており、ロッド側油室R2は、ヘッド部材3の内周とロッド体2の外周との間に筒状に形成の流路R3と、この流路R3に連通するようにヘッド部材3の内周に形成された環状凹部3a、および、図示しないが、この環状凹部3aに連通すべくヘッド部材3に開穿された連通孔を介して外部の油圧給排源に連通されている。
【0016】
それゆえ、この油圧シリンダにあっては、反ロッド側油室R1に圧油を供給すると、この反ロッド側油室R1が拡大してピストン4がシリンダ体1内を図中で上昇し、このとき、ロッド側油室R2の作動油が排出されてこのロッド側油室R2が収縮し、この油圧シリンダが伸長作動することになる。
【0017】
そして、上記したところから、ロッド側油室R2に圧油を供給することで、このロッド側油室R2が拡大してピストン4がシリンダ体1内を図中で下降し、このとき、反ロッド側油室R1の作動油が排出されてこの反ロッド側油室R1が収縮し、この油圧シリンダが収縮作動することになる。
【0018】
一方、この油圧シリンダにあっては、ピストン4に近隣するロッド体2の先端部にクッションベアリング5を有しており、このクッションベアリング5は、油圧シリンダの最伸長時に、前記したヘッド部材3の内周側となる筒状の流路R3に嵌合するとしている。
【0019】
このとき、図示するところでは、クッションベアリング5の嵌合で上記の筒状の流路R3が絞り流路となり、したがって、ロッド側油室R2から流路R3への油の流れが制限されて、ロッド体2がシリンダ体1内から突出する速度が、すなわち、この油圧シリンダにおける伸長速度が減速されるとしている。
【0020】
ところで、この発明にあっては、油圧機器たる油圧シリンダにおける任意の部位からなるハウジング内、すなわち、ヘッド部材3内にロッド側油室R2における異常な高圧化を防止するバルブたるリリーフバルブ10が配在されるとしている。
【0021】
このとき、このリリーフバルブ10にあっては、ヘッド部材3内に配在されるのに際して、その軸芯線がヘッド部材3における径方向に延在されてなるとしている。
【0022】
そして、このリリーフバルブ10は、ヘッド部材3b内の所定位置に定着されるのに際して、原理的には、ヘッド部材3bへのキャップ部材6の連繋による、すなわち、螺着によるとしており、このとき、この発明にあっては、リリーフバルブ10とキャップ部材6との間にスペーサ部材7を有してなるとしている。
【0023】
それゆえ、この発明にあっては、油圧シリンダの規模が異なることで、たとえば、ヘッド部材3の径方向の長さが大きくなる場合でも、スペーサ部材7の長さを選択することで、リリーフバルブ10自体において、たとえば、図示しないケーシングを大きくするなどの設計変更を招来させずして、その所定位置への配在が可能になる。
【0024】
このとき、スペーサ部材7は、中実体たる柱状体からなるとしても良く、あるいは、中空体たる筒状体からなるとしても良く、特に、柱状体からなるとする場合には、キャップ部材6と一体に構成するとしても良い。
【0025】
また、このスペーサ部材7が筒状体からなるとする場合には、軸芯部の中空部を利用できるので、キャップ部材6を撤去した状態でリリーフバルブ10の後端にリリーフバルブ10などの交換用の治具を連繋するなどが可能になる点で有利となる。
【0026】
さらに、このスペーサ部材7は、所定の機械的強度を有する限りには、任意の材料で形成されて良く、たとえば、金属製とされる他、強化プラスチック製とされるなど自由である。
【0027】
ちなみに、このリリーフバルブ10は、ピストン4がシリンダ体1内を高速で上昇するなどで、ロッド側油室R2における油圧が急激に高圧化する場合に作動するように設定されている。
【0028】
そして、図示することころでは、ロッド側油室R2の油圧がヘッド部材3に開穿された流路3bを介してリリーフバルブ10に供給され、このリリーフバルブ10の作動で、ロッド側油室R2からの油圧が前記した環状凹部3aに案内されるとしている。
【0029】
前記したところでは、リリーフバルブ10がヘッド部材3内に配在されてなるとしたが、これに代えて、図示しないが、このリリーフバルブ10がシリンダ体1の厚肉に形成された開口端部1a内に配在されてなるとしても良い。
【0030】
ちなみに、この場合には、リリーフバルブ10は、シリンダ体1の軸線方向に配在されるであろう。
【0031】
また、前記したところは、この発明の具現化にあって、油圧機器が油圧シリンダとされ、ハウジングがヘッド部材3とされ、バルブがリリーフバルブ10とされる場合を例にして説明したが、この発明が意図するところからすれば、油圧機器が油圧緩衝器とされ、ハウジングが油圧緩衝器を構成するシリンダにおけるボトム部や外筒とされ、バルブが減衰バルブとされる場合であっても良く、その場合に同等の作用効果を望めることはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、請求項1および請求項2の発明にあっては、油圧機器たる油圧シリンダの規模が異なることで、ハウジングたるヘッド部材の長さが大きくなる場合でも、スペーサ部材の長さを選択することで、バルブたるリリーフバルブ自体に設計変更を招来させずして、このリリーフバルブの所定位置への配在が可能になる。
【0033】
その結果、この発明によれば、バルブにおいて、要部はもちろんのこと、ケーシングの大きさなども変わらない言わば既存のバルブを規模の異なる油圧機器に転用し得るようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による油圧シリンダを示す部分半截縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ体
1a 開口端部
2 ロッド体
3 ヘッド部材
3a 環状凹部
3b,R3 流路
4 ピストン
5 クッションベアリング
6 キャップ部材
7 スペーサ部材
R1 反ロッド側油室
R2 ロッド側油室
Claims (2)
- 油圧機器における任意の部位からなるハウジング内に配在されるバルブがハウジングへのキャップ部材の連繋で所定位置に定着されてなる油圧機器におけるバルブの配在構造にあって、バルブとキャップ部材の間にスペーサ部材が配在されてなることを特徴とする油圧機器におけるバルブの配在構造
- 油圧機器が油圧シリンダとされると共に、ハウジングが油圧シリンダを構成するシリンダ体の開口端を封止しながら軸芯部に油圧シリンダを構成するロッド体を貫通させるヘッド部材とされ、かつ、バルブがリリーフバルブとされながら軸芯線をヘッド部材における径方向に延在させてなる請求項1に記載の油圧機器におけるバルブの配在構造
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