JP2013096271A - 液化ガスを燃料とする内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができる液化ガスを燃料とする内燃機関を提供する。
【解決手段】液化ガスを燃料とする内燃機関1、1A、1Bの停止に際して、次回始動時に圧縮圧力を得られる気筒を判別して、該判別した気筒の燃焼室に始動用の予混合気を、ブローバイガスGpを吸気系通路21に導入したり、吸気系通路21に設けた副燃料噴射弁27から液化ガスFを噴射したり、燃料噴射弁25から液化ガスFを燃焼室13に噴射したりすることにより形成し、内燃機関1、1A、1Bの始動時のピストン31の圧縮行程または吸気行程中に、燃焼室13で形成された液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関1、1A、1Bを始動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができる、DME等の液化ガスを燃料とする内燃機関に関する。
DME(ジメチルエーテル)は、数気圧で液化し、人体への影響が少なく、内燃機関に使用した際、含酸素燃料であるため、煤の排出が極めて少なく、着火性が良いことから、ディーゼル機関の燃料として用いられる。
内燃機関の燃料にDMEを用いる場合は、軽油を用いたディーゼル機関に比べ、DMEの粘度が低いために燃料供給装置のリーク量の低減を図ることや、エネルギー密度が小さいために噴孔径を拡大することや、DMEにゴム膨潤性があるために燃料系のゴム材料を変更すること等がなされる。
このDMEは常温・常圧で気体であるため、内燃機関の燃焼室(筒内:シリンダ内)に直接噴射した際に、蒸発潜熱として奪われる熱量が多く、極低温時などでの始動時の低い機関回転速度において着火が困難な場合が想定される。
また、コモンレール式燃料噴射装置を備えた内燃機関では、通常、始動時の燃料噴射圧力を維持するため、内燃機関の停止直前に昇圧ポンプでコモンレール圧力を上げた後に、エンジン回転速度を落として内燃機関を停止するよう制御される。この場合に、燃料噴射装置から燃料が漏れていると、長時間運転を停止した後の内燃機関の始動時には、燃料噴射圧力の回復に時間が掛かり、スターターモーターを使用してクランク軸を回転させるクランキングの時間が長くなるので、スターターモーターを駆動するバッテリーの寿命が低下してしまうという問題がある。
その一方で、DMEを燃料とする内燃機関は、軽油を用いたディーゼル機関と異なり、DMEが含酸素燃料であることから、煤(Soot)を生成し難いため、NOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)の一方を減少させると他方が増加するというトレードオフの関係を改善することができる。そのため、EGR(排気再循環)と排気通路に設けた酸化触媒のみでNOxの排出量を大幅に低減することができる。
しかしながら、内燃機関の始動時においては既燃焼ガスがないためEGRを使用できず、また、過渡運転時についても、ガスの流動遅れや過給の作動遅れを伴うことにより一時的な未燃排出ガスまたはNOxの排出を招く。
このように、機関始動時におけるEGRを利用できないことによるNOx排出量の増加を伴い、また液化ガスを利用する場合には、燃料の気化に伴う着火性の悪化、低粘度による燃料漏れに起因する燃料噴射圧力の低下によるクランキング時間の増加する問題がある。
これに関連して、内燃機関の始動時の問題対策ではないが、高速高負荷の運転領域で、気化ガスをサブインジェクタ側で噴射することにより、気筒頂部のインジェクタから噴射する量を減少して噴射時間の短縮を図り、高速高負荷の運転領域でも必要な燃料分を短時間で噴射して、燃焼時間を短くすることで、エンジンの熱効率の低下及び燃費の悪化の防止を図っている液化ガスエンジンの燃料供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この液化ガスエンジンの燃料供給装置では、各気筒に吸気を導く吸気通路の適宜位置にサブインジェクタを設け、該サブインジェクタに対し燃料タンクの液相部分から抜き出した燃料を、気化器を介し気化させて導く予混合ラインを備えている。
しかしながら、この装置は、DME等の液化ガスを燃料とする内燃機関の高速高負荷運転時に関しての対策は行っているが、内燃機関の始動時の問題に対する対策は特に行っていない。
特開2005−42614号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができる液化ガスを燃料とする内燃機関を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の液化ガスを燃料とする内燃機関は、液化ガスを燃料とする内燃機関の始動時において、ピストンの圧縮行程または吸気行程中に、燃焼室に形成された液化ガスと吸入空気との予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関を始動するように構成される。
この構成によれば、液化ガスが自己着火し難い低温始動時においても、早期から着火して穏やかな燃焼が生じ、この予混合着火燃焼による筒内温度の上昇を利用して、内燃機関の始動性を向上できる。その結果、内燃機関の始動時間を短縮できるので、スターターモーターの寿命及びこれを駆動するバッテリーの寿命の長期化を図ることができる。また、NOxのみならず、未燃炭化水素ガス、アルデヒド類等の排出量の低減を図ることができる。
上記の液化ガスを燃料とする内燃機関において、内燃機関の停止に際して、次回始動時に圧縮圧力を得られる気筒を判別して、該判別した気筒の燃焼室に始動用の予混合気を形成する。この構成は、アイドリングストップを行う際に特に有効で、内燃機関の停止時の振動抑制とスムーズな停止と始動を実現できる。
上記の液化ガスを燃料とする内燃機関において、クランクケース内のブローバイガスを吸気系通路に導入することにより、前記燃焼室に予混合気を形成する。若しくは、吸気系通路に設けた副燃料噴射弁から液化ガスを吸気系通路に噴射して、噴射された液化ガスと吸入空気を前記燃焼室に導入することにより、前記燃焼室に予混合気を形成する。若しくは、燃料噴射弁から液化ガスを前記燃焼室に噴射することにより、前記燃焼室に予混合気を形成する。これらの構成により、内燃機関の始動時において、燃焼室に液化ガスと吸入空気との予混合気を、容易に形成することができる。
上記の液化ガスを燃料とする内燃機関において、内燃機関の加速運転時においても、ピストンの圧縮行程または吸気行程中に、前記燃焼室に液化ガスと吸入空気との予混合気を形成して、予混合圧縮着火燃焼を行うように構成すると、加速運転時においても、過濃な混合気領域が発生せず、燃焼温度の増加を伴わないため、排気ガス中のNOx濃度を低下できる。
本発明に係る液化ガスを燃料とする内燃機関によれば、内燃機関の始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態の内燃機関の構成を示す燃焼室近傍の部分拡大図である。 本発明の第2の実施の形態の内燃機関の構成を示す燃焼室近傍の部分拡大図である。 本発明の第3の実施の形態の内燃機関の構成を示す燃焼室近傍の部分拡大図である。 予混合燃焼におけるDMEの濃度と筒内圧力と筒内温度との関係を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関(エンジン)について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、液化ガスとしてDME(ジメチルエーテル)を例にして説明するが、本発明は、DMEに限定されず、DME以外の液化ガスであってもよい。
図1に示すように、第1の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1は、上部に複数のピストン31が収まるシリンダ11がある部分と、下部にクランクシャフト(図示しない)が取り付けられるクランクケース部分を有するシリンダブロック10と、バルブシステムやカムシャフト等が組み込まれるシリンダヘッド20と、液化ガス燃料の燃焼ガスの圧力を受けて燃焼エネルギーを回転エネルギーに変換するピストン機構30を備えて構成される。
シリンダブロック10は、必要に応じてシリンダライナーを鋳込まれたシリンダ11と、そのシリンダ11を冷却するための冷却水ジャケット12等を有して構成され、このシリンダ11とピストン31との間に燃焼室(筒内)13を形成している。
シリンダヘッド20は、吸気マニホールド(図示しない)に連通する吸気ポート(吸気系通路)21と、その出口側に設けられた吸気弁22と、排気ガスGを排気通路(図示しない)に排出するための排気マニホールド(図示しない)に連通する排気ポート23と、その入口側に設けられた排気弁24と、燃焼室13内に燃料である液化ガスFを噴射するための燃料噴射弁(インジェクタ)25と、冷間始動時の着火補助用のグロープラグ26等を有して構成される。
ピストン機構30は、頂部にキャビティ31aが形成され、かつ、側面にピストンリング31bが配置されているピストン31と、このピストン31とピストンピン32を介して連結されたコネクティングロッド(コンロッド)33を有して構成されている。このコネクティングロッド33はクランクピン(図示しない)を介してクラックシャフト(図示しない)に連結されている。
また、図1に示す、第1の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1は、始動時において、ピストン31の圧縮行程または吸気行程中に、液化ガスFの蒸発ガスを含むブローバイガスGpを吸気ポート21等の吸気系通路に導入することにより、燃焼室13に液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気を形成して、この燃焼室13で形成された液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関1を始動するように構成される。
液化ガスFとして常温・状態で気体であるDMEを用いる場合は、燃焼室13内で燃焼終了後の未燃焼分の液化ガスFがピストンリング31bを通過し、シリンダンブロック10の下部のクランクケース内に侵入して、このクランクケース内に残存する場合がある。このクランクケース内の液化ガスFを含むブローバイガスGpは通常、吸気ポート21等の吸気系通路経由で燃焼室13に戻されて、吸気Aと共に燃焼室13で燃焼されるが、この第1の実施の形態では、このブローバイガスGpを、内燃機関1の始動時に積極的に吸気ポート21等の吸気系通路に戻して、燃焼室13に導いて予混合圧縮着火燃焼に利用する。これにより、未燃燃料を効果的に再利用することができる。また、通常運転時でのブローバイガスGpからの燃料吸入による燃料の早期着火を防ぐことができ、適切な燃焼制御となりえることから、NOxあるいは未燃ガスの低減、燃費向上が見込める。
また、この第1の実施の形態では、吸気ポート21経由で燃焼室13に導入される予混合気の液化ガスの濃度が高い場合に、ピストン圧縮過程において、急激な圧力上昇を伴い、内燃機関を損傷させる恐れが生じる。
そのため、ブローバイガスGpが含まれるクランクケース又は吸気ポート21等の吸気系通路や排気ポート23等の排気系通路に液化ガスFの濃度を検出するセンサを設けて、液化ガスFの濃度が高い場合には、吸排気弁22、24を操作して、燃焼室13で高濃度の予混合気が圧縮着火しないように構成することが好ましい。
また、図2に示す、第2の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1Aは、吸気ポート21、吸気マニホールド、若しくは吸気管等の吸気系通路(図2では吸気ポート)に副燃料噴射弁(サブインジェクタ)27を設けて構成される。
この第2の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1Aは、始動時において、ピストン31の圧縮行程または吸気行程中に、吸気ポート(吸気系通路)21に設けた副燃料噴射弁27から液化ガスFを吸気ポート21に噴射して、噴射された液化ガスFと吸入空気Aを燃焼室13に導入することにより、燃焼室13に液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気を形成して、この燃焼室13で形成された液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関1Aを始動する。
つまり、この第2の実施の形態の内燃機関1Aでは、十分な予混合気とするために、燃焼室13に噴射する燃料噴射弁25とは別の副燃料噴射弁27を、燃焼室13に吸入空気Aを導入する吸気ポート21等の吸気系通路に設けて、この副燃料噴射弁27から少量の液化ガスFを噴射して、燃焼室13内に予混合圧縮着火燃焼を行うための予混合気を形成する。
通常、ディーゼル機関において燃焼室13で噴射される液化ガスFの噴射圧力は数十MPa以上で噴射されるが、液化ガスFとして使用されるDMEの場合は常温・常圧で気体であるため、低圧で噴射しても容易に吸入空気Aと混合する。また、通常、DMEを貯蔵するためにはDMEを液化しておくので、燃料タンク及び燃料循環経路は数気圧の内圧下にあり、この内圧は、吸入空気AとDMEを混合するのに十分な噴射圧力となるので、副燃料噴射弁27を設ける際に改めて副燃料噴射弁27用の昇圧ポンプを設ける必要は無い。
そして、図3に示す、第3の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1Bは、始動時において、ピストン31の圧縮行程または吸気行程中に、燃料噴射弁25から液化ガスFを燃焼室13に噴射することにより、燃焼室13に液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気を形成して、この燃焼室13で形成された液化ガスFと吸入空気Aとの予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関1Bを始動するように構成される。
つまり、内燃機関1Bの始動時に、通常のディーゼル燃焼を行う際の燃料噴射時期よりも早い圧縮行程中または吸気行程中に燃料噴射弁25から燃焼室13に液化ガスFを噴射し、吸入空気Aと十分に混合した予混合気を燃焼室13内に形成して、この予混合気により予混合圧縮着火燃焼を行う。
この液化ガスFとして使用されるDMEは自己着火性のよい燃料であることから、通常、ピストン31の上死点(TDC)付近で燃焼室13に噴射するのに対して、ピストン31の上昇時あるいは吸気弁22が開弁している空気吸入過程において、少量の液化ガスFを噴射することで、燃焼室13に希薄な混合気を形成し、穏やかな予混合圧縮着火燃焼をすることができる。
上記の第1〜第3の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1、1A、1Bにおいては、内燃機関1、1A、1Bの運転を停止する際、ブローバイガスGpの供給、又は、副燃料噴射弁27からの液化ガスFの噴射、又は、燃料噴射弁25からの液化ガスFの噴射により、予め、始動時における予混合圧縮着火燃焼に必要と考えられる燃料量を燃焼室13に供給し、次回の始動時に燃焼させる。
その際、吸気マニホールドへの燃料排出や、次回始動時に十分に混合された混合気を形成するため、十分な圧縮圧力を得られる気筒(シリンダ)を判別してその気筒のみに予混合空気を形成することがより効率的であるので、多気筒内燃機関においては各気筒のピストン停止位置をセンサにより検出し、いずれの気筒の燃焼室13にどのタイミングで液化ガスFの噴射を行うかを決めて制御することが好ましい。
なお、これに加えて、予混合圧縮着火を行うのに必要な圧縮圧力を得るために、内燃機関1、1A、1Bの運転停止時に特定の気筒のピストンの停止位置が一定になるようにする停止機構あるいは停止制御を追加しても設けてよい。
また、始動時に十分な予混合圧縮着火燃焼が行われない場合、グロープラグ26を使用して予混合気の着火を誘発してもよい。
また、始動時以外でも加速運転時において、EGRガス流量の応答が遅く、一時的なNOxの排出が発生することが予測されるような状況において、上記の始動時と同様に、液化ガスFの予混合気を燃焼室13に供給して予混合圧縮着火燃焼とすることにより、過濃な混合気領域の発生が無くなり、また、燃焼温度の上昇を伴わなくなるため、NOx濃度が低下する。また、圧縮行程中で予混合圧縮着火燃焼をした後に従来技術のディーゼル燃料の燃料噴射を行ってもよい。
図4に吸入空気Aに液化ガスFであるDMEを、0.1%(A)、0.5%(B)、1%(C)の一定量を混合した場合における、筒内圧力と筒内温度を、予混合圧縮着火燃焼の計算結果で示す。この計算結果によれば、DMEが1%程度の予混合気を形成することで、早期から着火し穏やかな燃焼が生じることが分かった。また、その時の筒内温度は1000K(絶対温度表示)以上となるが、この程度の予混合圧縮着火燃焼では、予混合気の濃度が理論空燃比よりも希薄で燃焼温度が低いことから、NOx生成は少ない。
これらの計算結果から、始動時に形成する、予混合気におけるDMEの割合は0.1〜5.0体積%程度が適当であり、好ましくは0.5〜2体積%程度が好ましい。ただし、燃焼の分子構造、外気温度、大気圧力、クランキング回転速度、機関諸元値(圧縮比、排気量、気筒数、ボア・ストローク等)によって適当な燃料割合は変化するため、好ましい体積割合は変化する。燃料の割合が多い場合には、急激な圧力上昇を伴うため騒音を増加させ、また機関設計最大筒内圧力以上となると機関を損傷させる恐れがある。これらのことから、機関および運転条件によって、意図的に調整あるいは制御することにより、より効果が得られる。
上記の構成の第1〜第3の実施の形態の液化ガスを燃料とする内燃機関1、1A、1Bよれば、従来技術のディーゼル機関では燃料が自己着火し難いような低温時の始動において、予混合圧縮着火燃焼による筒内温度上昇を利用し、始動性を向上すると共に、NOx排出量も低減することができる。
また、始動時に確実な着火を行うことで、排気管から排出される排気ガスG中の未燃炭化水素ガスとアルデヒド類の低減や、スターターモーター及びこれを駆動するバッテリー寿命の長期化が期待できる。加えて、始動時間の短縮が可能であり、アイドリングストップにも適用可能となる。その上、停止時の振動抑制にも効果があり、スムーズな始動及び停止が実現できる。
従って、内燃機関1、1A、1Bの始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができる。
なお、これらの第1〜第3の実施の形態は、いずれか2つ、または3つとも組み合わせて使用することも可能である。つまり、第1の実施の形態と第2の実施の形態との組み合わせ、又は、第2の実施の形態と第3の実施の形態との組み合わせ、第1の実施の形態と第3の実施の形態との組み合わせ、第1の実施の形態と第2の実施の形態と第3の実施の形態との組み合わせが可能である。
本発明の液化ガスを燃料とする内燃機関によれば、内燃機関の始動性の向上、NOx排出量の低減、未燃炭化水素ガスの低減、スターターモーター寿命の向上、バッテリー寿命の向上を図ることができるので、車両に搭載するような多くの内燃機関として利用できる。
1、1A、1B 液化ガスを燃料とする内燃機関
10 シリンダブロック
11 シリンダ
13 燃焼室(筒内:シリンダ内)
20 シリンダヘッド
21 吸気ポート(吸気系通路)
25 燃料噴射弁(インジェクタ)
27 副燃料噴射弁(サブインジェクタ)
30 ピストン機構
31 ピストン
A 吸入空気
F 液化ガス
G 排気ガス
Gp ブローバイガス

Claims (6)

  1. 液化ガスを燃料とする内燃機関の始動時において、ピストンの圧縮行程または吸気行程中に、燃焼室に形成された液化ガスと吸入空気との予混合気により、予混合圧縮着火燃焼を行って、内燃機関を始動することを特徴とする液化ガスを燃料とする内燃機関。
  2. 内燃機関の停止に際して、次回始動時に圧縮圧力を得られる気筒を判別して、該判別した気筒の燃焼室に始動用の予混合気を形成することを特徴とする請求項1に記載の液化ガスを燃料とする内燃機関。
  3. クランクケース内のブローバイガスを吸気系通路に導入することにより、前記燃焼室に予混合気を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の液化ガスを燃料とする内燃機関。
  4. 吸気系通路に設けた副燃料噴射弁から液化ガスを吸気系通路に噴射して、噴射された液化ガスと吸入空気を前記燃焼室に導入することにより、前記燃焼室に予混合気を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液化ガスを燃料とする内燃機関。
  5. 燃料噴射弁から液化ガスを前記燃焼室に噴射することにより、前記燃焼室に予混合気を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化ガスを燃料とする内燃機関。
  6. 内燃機関の加速運転時においても、ピストンの圧縮行程または吸気行程中に、前記燃焼室に液化ガスと吸入空気との予混合気を形成して、予混合圧縮着火燃焼を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液化ガスを燃料とする内燃機関。
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