JPH09268915A - 低質油を燃料とするディーゼルエンジン - Google Patents

低質油を燃料とするディーゼルエンジン

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JPH09268915A
JPH09268915A JP8106094A JP10609496A JPH09268915A JP H09268915 A JPH09268915 A JP H09268915A JP 8106094 A JP8106094 A JP 8106094A JP 10609496 A JP10609496 A JP 10609496A JP H09268915 A JPH09268915 A JP H09268915A
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JP
Japan
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fuel
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diesel engine
water
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JP8106094A
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Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Publication date
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B47/00Methods of operating engines involving adding non-fuel substances or anti-knock agents to combustion air, fuel, or fuel-air mixtures of engines
    • F02B47/02Methods of operating engines involving adding non-fuel substances or anti-knock agents to combustion air, fuel, or fuel-air mixtures of engines the substances being water or steam
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B19/00Engines characterised by precombustion chambers
    • F02B19/02Engines characterised by precombustion chambers the chamber being periodically isolated from its cylinder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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    • F05C2201/04Heavy metals
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    • F05C2201/0448Steel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高速運転が可能で、NOX 、HC
等の発生を低減する低質油を燃料とするディーゼルエン
ジンを提供する。 【解決手段】 このディーゼルエンジンは、主室1を構
成するヘッドライナ10のほぼシリンダ中央に副室2を
構成する燃焼室構造体3を配置する。主室1と副室2と
の連絡口13に制御弁4を配置する。制御弁4を圧縮行
程前半で開弁し、排気行程前半で閉弁する。制御弁4の
閉弁後の排気行程において、副室2内に燃料噴射ノズル
5から重油等の低質油を噴射し、水噴射ノズル6から水
を噴射する。圧縮行程前半で副室2から主室1へ燃料と
水蒸気の一部を噴出させ、主室で均一混合気を生成し、
圧縮上死点付近で副室2で着火燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遮熱構造の主室
と副室とを制御弁を設けた連絡口で連通し、副室に燃料
噴射ノズルから重油等の低質油と水噴射ノズルから水を
噴射する低質油を燃料とするディーゼルエンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンでは、軽油
を燃料として燃焼室で燃焼させる。軽油はセタン価が高
く、粘性も余り大きくなく、燃焼室内に微粒化燃料を均
一に分散させるために適している。特に、最近の排気ガ
ス中のパティキュレート、NOX 成分を極めて少なくさ
せるためには、高圧力100MPa程度に圧縮して噴射
し、燃焼室内での噴霧の微粒化を実現させている。
【0003】一般に、エンジンに使用される燃料とし
て、ガソリン、軽油、重油が使用される。これらの燃料
の粘性については、ガソリンが0.1cStであり、軽
油が1.8〜2.7cStであり、A重油では20cS
t、B重油では50cSt、C重油では50〜400c
Stである。また、燃料のセタン価については、軽油が
40以上であるのに対し、重油は25程度と小さいもの
である。また、燃料の気化性については、ガソリンは大
であり、軽油は小であり、重油は気化性が無いものであ
る。燃料コストについては、例えば、ガソリンを100
とすれば、軽油は70程度であり、重油は15程度であ
る。
【0004】従来、コージェネレーションエンジンから
成る発電装置として、エンジンに発電機を取り付けたシ
ステムが多かったが、ディーゼルエンジンによる発電で
は、ディーゼルエンジンが軽油を燃料とするため燃料コ
ストが高くなり、電力会社から供給される電力コストよ
りも高いものになり、コスト上、優位性を確保すること
ができないという問題がある。ガソリンエンジンを用い
て電力を得るには、コストが余りに高くなり過ぎ、対応
できない。コージェネレーションエンジンは、燃料とし
てガソリンや軽油を使用すると、燃料費が高価になるの
で、天然ガス又はA重油を燃料に使用している。しかし
ながら、コージェネレーションエンジンにおいて、天然
ガスを燃料としても、燃料コストが高くなるので、燃料
コストを更に低減するためには重油等の低質油が使用で
きれば大幅にコストを低減できることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
重油を燃料とするディーゼルエンジンを開発して特願平
8−46956号として先に出願した。ところで、重油
等の低質油を燃料とするディーゼルエンジンにおいて、
遮熱構造の燃焼室内の高温雰囲気に燃料を噴射すると、
空気と燃料との混合が十分でなく、不均一な混合気とな
って燃料噴霧の外周領域が不均一な火炎によって局部的
な高温域が形成され、すす、NOX が多量に発生する。
また、重油等の低質油を燃料とするディーゼルエンジン
では、重油等の低質油の粘性が大きいので、高圧縮を要
する噴射ポンプは使用できず、燃焼室に高圧力で燃料噴
霧を作ることが困難であり、しかも空気と燃料との混合
が悪化し、HC、すす等が大量に発生するという欠点が
ある。
【0006】また、重油等の低質油を効果的に空気と混
合して燃焼させる方法として、舶用の低速ディーゼルエ
ンジンでは、回転数が100〜200rpm以下と充分
に遅いので、空気と燃料との混合時間が充分であり、燃
料噴射ノズルからシリンダ周辺に向けて放射状に高圧噴
霧を行って燃料を均一混合気に生成している。これに対
して、自動車用のディーゼルエンジンや発電用コージェ
ネレーションエンジンのディーゼルエンジンは、例え
ば、回転数が1500rpm以上である高速ディーゼル
エンジンである。高速ディーゼルエンジンでは、混合気
生成時間が短くなり、重油等の低質油と空気との均一な
混合気を生成することが極めて困難である。しかしなが
ら、高速ディーゼルエンジンにおいて、燃料として重油
等の低質油を燃料として利用できれば、燃料コストを大
幅に低減できるが、重油等の低質油を高圧噴射すること
ができないので、重油を燃料とする場合に、如何に燃焼
室に燃料を供し、空気との均一混合を促進するかの問題
がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、粘性が大であり且つ気化
性がない重油等の低質油を燃料として高圧噴射させるこ
となく着火燃焼させることができ、シリンダヘッドに配
置した燃焼室構造体で構成される主室と副室とを連通す
る連絡口に制御弁を配置し、ピストンが排気行程を終了
した後、前記制御弁を閉じた後に副室に燃料噴射ノズル
から燃料と水噴射ノズルから水を噴射し、水の気化によ
る燃料との混合促進と、副室内の圧力の上昇させた状態
で、圧縮行程前半で制御弁を一旦開放して燃料と水との
混合気の一部を主室に噴出させて主室で空気とのリーン
混合気を生成しておき、次いで、圧縮上死点付近で制御
弁を全開させ、その導入空気の熱により副室で着火燃焼
させて、副室から主室への火炎と未燃混合気の噴き出し
を円錐状リング形状に拡散させて主室でのリーン混合気
との混合を促進して燃焼を短期に完結させて高速運転を
可能にした低質油を燃料とするディーゼルエンジンを提
供する。
【0008】この発明は、シリンダヘッドに形成したキ
ャビティに設けた遮熱構造の主室とほぼシリンダ中央に
配置された副室とを構成する燃焼室構造体、前記主室と
前記副室を連通する前記燃焼室構造体に形成された連絡
口、前記連絡口を開閉する制御弁、燃料を前記副室内に
噴射するようにした燃料噴射ノズル、水を前記副室内に
噴射する水噴射ノズル、及び前記制御弁を圧縮行程前半
で開弁し且つ排気行程途中で閉弁し、前記制御弁が前記
連絡口を閉鎖した後に前記副室内に前記燃料噴射ノズル
から燃料を噴射し、次いで前記水噴射ノズルから水を噴
射する制御を行うコントローラ、から成る低質油を燃料
とするディーゼルエンジンに関する。
【0009】また、このディーゼルエンジンでは、前記
制御弁はポペット弁に形成され、その弁フェース部と前
記連絡口の弁シート部には流線に沿うスリットが形成さ
れ、また、前記副室から前記連絡口を通って前記主室に
噴出される燃料と空気と水蒸気或いは火炎や未燃混合気
のガスの噴霧形状をピストン頂部に向かって円錐状のリ
ング帯に形成して拡散させる。
【0010】また、このディーゼルエンジンでは、前記
燃焼室構造体の外側には遮熱空気層が形成され、前記主
室と前記副室とは遮熱構造に構成されている。従って、
副室内は高温に維持され、重油等の低質油及び水がその
壁面の熱を奪いガス状になり易い。
【0011】また、前記制御弁は、圧縮行程前半から圧
縮上死点近傍までの期間で開弁リフト量が小さく、次い
で圧縮上死点近傍から開弁リフト量が大きくなるように
設定されている。従って、圧縮行程前半では副室から連
絡口を通じて主室へ噴き出す燃料と水蒸気とは少量であ
り、主室では燃料と空気との混合が進行して着火燃焼し
ない程度のリーン混合気が形成され、また副室内はほと
んど燃料と水蒸気であるので、圧縮上死点では空気が侵
入してもリッチ混合気となって確実に着火燃焼が起こ
り、ミスファイヤが発生しない。即ち、ピストンが上昇
して主室でガスが圧縮されると、主室から副室へ空気を
多量に含むリーン混合気が流入し、圧縮上死点付近で副
室内で着火燃焼が発生し、副室内の圧力が上昇する。そ
こで、制御弁のリフト量が大きくなり、副室から連絡口
を通じて主室へ火炎と未燃混合気とが噴き出し、既に主
室内ではリーン混合気が生成されているので、燃焼期間
を短縮して燃焼を短期に完結し、高速運転はが可能にな
り、性能をアップすると共に、NOX やHCの発生を低
減できる。
【0012】また、このディーゼルエンジンでは、前記
コントローラは、排気行程の終りで前記副室内の圧力が
2〜3気圧に降下した時に前記制御弁で前記連絡口を閉
鎖し、前記副室内に前記燃料噴射ノズルから燃料を噴射
すると共に前記水噴射ノズルから水を噴射し、水の気化
によって前記副室内の圧力を上昇させる制御を行うもの
である。従って、水の存在で熱を奪って燃焼温度が低下
してNOX の発生が低減される。
【0013】また、このディーゼルエンジンは、高速運
転が可能であり、NOX の発生を低減できるので、都市
部等で発電システムに使用される設置型のコージェネレ
ーションエンジン等の産業用エンジンに適用して最適で
ある。
【0014】この低質油を燃料とするディーゼルエンジ
ンは、上記のように、排気行程の終りで制御弁が閉鎖し
た後に、燃料噴射ノズルから燃料を副室内の連絡口に向
かって噴射し、次いで、水噴射ノズルから水を副室内に
噴射させるので、水が副室壁面から熱を受熱して気化
し、水蒸気になって副室内の圧力が上昇させる。次い
で、吸入行程から圧縮行程に移行して制御弁が圧縮行程
前半で小リフト量で開放すると、副室の圧力が主室の圧
力より水蒸気圧により大きくなっているので、その圧力
バランスによって、副室から連絡口を通って主室へ若干
量の燃料と水蒸気とがリング状に噴出される。主室1に
噴出された燃料と水蒸気は空気と混合しながら、ピスト
ン上昇によって主室の圧力が上昇し、主室から連絡口を
通って副室に圧縮ガスが流入し、その時、連絡口の絞り
部のガス流の速度エネルギに変化させて温度上昇させ、
副室内の温度が急上昇して確実に着火し、圧縮終端で制
御弁が全開して副室から連絡口を通って主室へ火炎と未
燃混合気とがリング状に噴出し、その噴出エネルギーが
大きくなり、主室に円錐状に噴霧された火炎と混合気と
が主室で空気を巻き込んで均一な混合気を形成し、不均
一な火炎の発生を防止して短期に燃焼を完結し、熱効率
をアップし、高速運転が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による低質油を燃料とするディーゼルエンジンの実施例
を説明する。図1はこの発明による低質油を燃料とする
ディーゼルエンジンの一実施例を示す説明図、及び図2
は図1のディーゼルエンジンにおけるバルブタイミング
を示す線図である。
【0016】この低質油を燃料とするディーゼルエンジ
ンは、吸入行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程の4
つの行程を順次繰り返すことによって高速運転できると
共に、NOX の発生が低減でき、発電システムのコージ
ェネレーションエンジンに適用して最適なエンジンであ
る。このディーゼルエンジンは、シリンダブロック14
にガスケット23を介してシリンダヘッド7が固定さ
れ、シリンダヘッド7に形成した小径のキャビティ19
に遮熱構造の副室2を構成するセラミックス等の耐熱材
料から構成された燃焼室構造体3がガスケット42,4
3を介在して配置され、シリンダヘッド7に形成した大
径のキャビティ9にシリンダ8側に遮熱構造の主室1を
構成するセラミックス等の耐熱材料から構成された燃焼
室構造体のヘッドライナ10がガスケット36を介在し
て配置されている。また、このディーゼルエンジンは、
シリンダブロック14に形成した孔部46に嵌合したシ
リンダライナ22、シリンダライナ22に形成したシリ
ンダ8内を往復運動するピストン15、及び主室1と副
室2とを連通する連絡口13を開閉する制御弁4を有し
ている。また、ピストン15は、ヘッドライナ10と共
に遮熱構造の主室1を構成するために耐熱性に優れた窒
化ケイ素等のセラミックスから成るピストンヘッド16
と、ピストンヘッド16に結合リング24でメタルフロ
ーによって固定されたピストンスカート17から構成さ
れている。
【0017】このディーゼルエンジンにおいて、ヘッド
ライナ10は、シリンダ8の一部を構成するライナ上部
12とヘッド下面部11から構成されている。ヘッド下
面部11には、シリンダヘッド7に形成された排気ポー
ト32に連通する排気ポート40が形成され、シリンダ
ヘッド7に形成された吸気ポート33に連通するポート
41が形成されている。ヘッド下面部11のポート40
に排気弁30が配置され、ポート41に吸気弁31が配
置されている。また、ヘッド下面部11には、副室2を
構成する燃焼室構造体3が嵌合する孔部34がシリンダ
8のほぼ中央に形成されている。燃焼室構造体3は、シ
リンダヘッド7のキャビティ19にガスケット42を介
在して嵌合され、ヘッド下面部11の孔部34に着座し
てシリンダのほぼ中央に配置されている。燃焼室構造体
3に形成された連絡口13には、主室1と副室2との連
通を開閉するため制御弁4が配置されている。制御弁4
は、燃焼室構造体3の連絡口13に形成されたバルブシ
ートに着座し、副室2を貫通してシリンダヘッド7の上
方へ延び出している。
【0018】シリンダヘッド7のキャビティ9とヘッド
ライナ10の外面との間には、ガスケット36を介在す
ると共に、遮熱空気層26が形成され、主室1が遮熱構
造に構成されている。シリンダヘッド7のキャビティ1
9の壁面と燃焼室構造体3の外面との間にはガスケット
43を介在すると共に遮熱空気層21が形成され、副室
2が遮熱構造に構成されている。また、ピストンヘッド
16とピストンスカート17との間には遮熱空気層39
が形成されると共にガスケット42が介在され、ピスト
ン頂面の中央側の凹部37で構成される主室1の一部を
遮熱構造に形成している。
【0019】このディーゼルエンジンは、特に、副室2
に重油等の低質油を噴射する燃料噴射ノズル5、及び副
室2に水を噴射する水噴射ノズル6を有していることを
特徴とする。副室2には、燃料供給ポンプ25の作動に
よって燃料タンク25Tからの燃料として使用される重
油等の低質油が燃料供給路18を通じて燃料噴射ノズル
5の噴口35から噴射され、また、水供給ポンプ29の
作動によって水タンク29Tからの水が水供給路28を
通じて水噴射ノズル6の噴口38から噴射される。ま
た、制御弁4はポペット弁に形成され、該ポペット弁の
弁フェース部と連絡口13の弁シート部には、図示して
いないが、スリット形状に形成されている。従って、副
室2から連絡口13を通って主室1に噴射される燃料と
水蒸気、或いは火炎や未燃混合気の噴霧形状Fは、図1
に示すように、ピストン頂部の凹部37、言い換えれ
ば、シリンダ周辺に向かって円錐状のリング帯になって
拡散される。
【0020】また、燃料噴射ノズル5は、噴射された低
質油が副室壁面に付着するのを避けるため、その噴口3
5が連絡口13のシート部に向かって重油等の低質油を
噴射するように設定されている。また、燃料供給ポンプ
25及び水供給ポンプ29は、例えば、電磁ポンプに構
成でき、コントローラ20の指令で燃料噴射タイミング
及び水噴射タイミングがコントロールされるように構成
できる。図示していないが、副室2には、着火点となる
グローヒータを設けることもでき、混合気の着火燃焼を
確実に行わせることができる。
【0021】このディーゼルエンジンにおいて、制御弁
4、吸気弁31及び排気弁30は、エンジンの回転に同
期して回転するカム等から成る動弁機構を通じて作動で
きる。又は、制御弁4は、コントローラ20の指令で電
磁駆動装置による電磁力によって開閉作動するように構
成することもできる。このディーゼルエンジンでは、主
室1を形成する壁体のヘッドライナ10、副室2を形成
する燃焼室構造体3、シリンダライナ22及びピストン
ヘッド16は、耐熱性に優れた窒化ケイ素、炭化ケイ素
等のセラミックスで作製されている。従って、各構成部
品は、燃焼後期のガス温度が高くなっても十分な耐熱
性、高温強度を有し、未燃炭化水素HC等の排出が少な
くなり、高効率のエンジンを構成できる。連絡口13の
領域では、燃焼ガスで高温になるため、連絡口13に配
置した制御弁4は高温強度を有する耐熱性に優れた耐熱
金属、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックスから製
作されている。燃焼室構造体3の外側には遮熱空気層2
1が形成されて副室2が遮熱構造に構成され、ヘッドラ
イナ10の外側には遮熱空気層26が形成されて主室1
が遮熱構造に構成され、また、ピストンヘッド16とピ
ストンスカート17との間には遮熱空気層39が形成さ
れ、ピストンヘッド16即ちピストン頂部の凹部37で
形成される主室1の一部が遮熱構造に構成されている。
【0022】このディーゼルエンジンは、燃料としての
低質油供給量を測定してエンジン負荷を検出する負荷セ
ンサ27、エンジン回転数を検出する回転センサ44、
主室1や副室2の壁温を検出する温度センサ45等の各
種センサを有している。コントローラ20には、上記各
種センサからの検出信号が入力され、エンジン作動状態
に応答した適正な燃料量及び適正な水量を副室2へ噴射
すると共に、検出信号に応答して燃料噴射タイミング及
び水噴射タイミングを制御し、燃費を向上させるように
構成されている。即ち、コントローラ20によって、始
動時や定常運転時、或いは、副室2や主室1の燃焼室の
温度、エンジン負荷及びエンジン回転数に応じて低質油
及び水の噴射期間が決定されるように構成されている。
【0023】このディーゼルエンジンは、図2に示すよ
うに、バルブタイミングが設定されている。このディー
ゼルエンジンでは、吸気弁31は吸入行程で且つ排気弁
30は排気行程で開弁リフトする。特に、制御弁4は、
圧縮行程前半でリフト量が小さく開弁し、圧縮上死点付
近でリフト量が大きく開弁し、次いで排気行程途中で閉
弁するように設定されている。また、コントローラ20
は、図2に示すように、エンジンの作動状態に応答し
て、制御弁4が連絡口13を閉鎖した後に排気行程の終
端において、副室2内に燃料噴射ノズル5の噴口35か
ら燃料を噴射し、次いで、水噴射ノズル6の噴口38か
ら水を噴射する制御を行う。この場合に、コントローラ
20は、エンジン作動状態に応答して排気行程の終端付
近において、副室2内の圧力が2〜3気圧に降下した時
に制御弁4で連絡口13を閉鎖し、副室2内に燃料噴射
ノズル5の噴口35から燃料を噴射すると共に、水噴射
ノズル6の噴口38から水を噴射し、壁面から熱を受熱
して水を水蒸気に気化させることによって副室2内の圧
力を4〜5気圧に上昇させる制御を行うことができる。
【0024】また、図示していないが、燃料噴射ノズル
5の噴射タイミングと水噴射ノズル6の噴射タイミング
は、吸入行程途中で行うように構成することもできる
が、副室2内で燃焼室構造体3の壁面から熱を奪って燃
料と水が気化するように十分な期間を与えることが好ま
しい。
【0025】
【発明の効果】この発明による低質油を燃料とするディ
ーゼルエンジンは、上記のように、制御弁の閉鎖後に、
遮熱構造の副室内に水を噴射し、噴射された水が副室壁
面から熱を奪って水蒸気になって副室内の圧力を上昇さ
せる。そこで、圧縮行程前半で制御弁を微量リフトだけ
開弁すると、主室と副室との圧力バランスによって少量
の燃料と水蒸気とを副室から主室へ噴出させることがで
きる。そこで、主室で着火しない程度の均一なリーン混
合気を生成することができ、また、圧縮上死点付近では
主室から副室へ空気が流入するので副室内にリッチ混合
気が生成されて確実に着火燃焼させることができ、次い
で、主室では火炎と空気やリーン混合気との混合を促進
して均一混合気を短期に形成して燃焼を短期に完結し、
性能をアップする。
【0026】しかも、このディーゼルエンジンでは、主
室及び副室で均一な混合気を生成できるので、火炎に不
均一状態が起こらず、主室での混合気は水蒸気、空気及
び燃料の混合ガスから成るので、NOX 、スート、HC
等の発生が極めて少なくなり、特に、水を噴射すること
で燃焼温度を下げるので、NOX の発生を有効に抑える
ことができる。更に、副室を遮熱構造に構成することに
よって副室に噴射された重油等の低質油を良好に霧化で
き、副室への水の噴射によって副室内を高圧に維持で
き、低質油を燃料として使用することができ、該燃料を
エンジン作動に応じて効果的に燃焼させることができ、
安価な低質油を燃料とするエンジンを成立させる。従っ
て、このディーゼルエンジンは、設置型のコージェネレ
ーションエンジンに適用した場合には、水タンク及び燃
料タンクをエンジン近傍に設置しておけばよいので、極
めて好都合なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による低質油を燃料とするディーゼル
エンジンの一実施例を示す説明図である。
【図2】図1のディーゼルエンジンのバルブタイミング
を示す線図である。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 燃焼室構造体 4 制御弁 5 燃料噴射ノズル 6 水噴射ノズル 7 シリンダヘッド 8 シリンダ 9,19 キャビティ 10 ヘッドライナ 13 連絡口 15 ピストン 20 コントローラ 21,26,39 遮熱空気層 22 シリンダライナ 37 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 19/12 F02D 19/12 A F02F 1/24 F02F 1/24 D 3/26 3/26 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成したキャビティに
    設けた遮熱構造の主室とほぼシリンダ中央に配置された
    副室とを構成する燃焼室構造体、前記主室と前記副室を
    連通する前記燃焼室構造体に形成された連絡口、前記連
    絡口を開閉する制御弁、燃料を前記副室内に噴射するよ
    うにした燃料噴射ノズル、水を前記副室内に噴射する水
    噴射ノズル、及び前記制御弁を圧縮行程前半で開弁し且
    つ排気行程途中で閉弁し、前記制御弁が前記連絡口を閉
    鎖した後に前記副室内に前記燃料噴射ノズルから燃料を
    噴射し、次いで前記水噴射ノズルから水を噴射する制御
    を行うコントローラ、から成る低質油を燃料とするディ
    ーゼルエンジン。
  2. 【請求項2】 前記制御弁をポペット弁で形成し、その
    弁フェース部と前記連絡口の弁シート部はスリット状に
    形成され、前記副室から前記連絡口を通って前記主室に
    噴出されるガスの噴霧形状を前記ピストン頂部の凹部燃
    焼室に向かって円錐状のリング帯となるようにした請求
    項1に記載の低質油を燃料とするディーゼルエンジン。
  3. 【請求項3】 前記燃焼室構造体の外側には遮熱空気層
    が形成され、前記主室と前記副室とは耐熱材で構成され
    ている請求項1に記載の低質油を燃料とするディーゼル
    エンジン。
  4. 【請求項4】 前記制御弁は、圧縮行程前半から圧縮上
    死点近傍までの期間で開弁リフト量が小さく、次いで圧
    縮上死点近傍から開弁リフト量が大きくなる二段階リフ
    トを持つように設定されている請求項1に記載の低質油
    を燃料とするディーゼルエンジン。
  5. 【請求項5】 前記コントローラは、排気行程の終りで
    前記副室内の圧力が2〜3気圧に降下した時に前記制御
    弁で前記連絡口を閉鎖し、前記副室内に前記燃料噴射ノ
    ズルから燃料を噴射すると共に前記水噴射ノズルから水
    を噴射させる制御を行う請求項1に記載の低質油を燃料
    とするディーゼルエンジン。
  6. 【請求項6】 設置型のコージェネレーションエンジン
    に適用できる請求項1〜5のいずれか1項に記載の低質
    油を燃料とするディーゼルエンジン。
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