JPH09158731A - 灯油や植物油を燃料とする遮熱型エンジン - Google Patents

灯油や植物油を燃料とする遮熱型エンジン

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JPH09158731A
JPH09158731A JP7345097A JP34509795A JPH09158731A JP H09158731 A JPH09158731 A JP H09158731A JP 7345097 A JP7345097 A JP 7345097A JP 34509795 A JP34509795 A JP 34509795A JP H09158731 A JPH09158731 A JP H09158731A
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JP
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fuel
chamber
heat shield
engine
vaporized
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JP7345097A
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English (en)
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Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、セタン価の低く、オクタン価が低
い灯油や植物油を気化燃料として着火燃焼させる遮熱型
エンジンを提供する。 【解決手段】 この遮熱型エンジンは、シリンダヘッド
7に副室2と燃料供給室5を設け、主室1と副室2とを
連通する連絡孔13に連絡孔弁4を配置し、副室2にセ
タン化の低い灯油や植物油の燃料を気化させた気化燃料
を噴霧し、圧縮行程終端付近で気化燃料と主室1の高圧
空気とを混合させて着火燃焼させる。コントローラ20
でエンジン始動時と定常運転時とで燃料供給径路を変更
制御し、エンジン始動時には燃料供給室5に設けたヒー
タ45で燃料を気化させ、定常運転時では熱交換器24
を通して排気ガスの熱エネルギーで燃料を気化させ、気
化した燃料を副室2に噴霧して着火燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッドに設
けた副室に気化させた燃料を供給する灯油や植物油を燃
料とする遮熱型エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等に搭載されるエンジン
としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが開
発されているが、このようなエンジンの燃料としては、
ガソリンや軽油が使用されている。また、近年では、電
気エネルギー及び給湯を得るために、定置式のコージェ
ネレーションエンジンが開発されている。
【0003】従来、コージェネレーションエンジンから
成る発電装置として、エンジンに発電機を取り付けたシ
ステムが多かったが、ディーゼルエンジンによる発電で
は、ディーゼルエンジンが軽油を燃料とするため燃料コ
ストが高くなり、電力会社から供給される電力コストよ
りも高いものになり、コスト上、優位性を確保すること
ができないという問題がある。ガソリンエンジンを用い
て電力を得るには、コストが余りに高くなり過ぎ、対応
できない。コージェネレーションエンジンは、燃料とし
てガソリンや軽油を使用すると燃料費が高価になるの
で、天然ガスが燃料に使用されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コージ
ェネレーションエンジンにおいて、天然ガスを燃料とし
て使用しても、天然ガスの移送問題、或いは燃料コスト
に問題がある。即ち、コージェネレーションエンジンに
おいて、天然ガスを燃料として使用する場合には、天然
ガスを液化するには高価になるので、コージェネレーシ
ョンエンジンの設置場所まで天然ガスをパイプラインを
通じて移送するのが最もコスト上、有効である。従っ
て、市街地、都市部等のように、多数の場所で天然ガス
を使用する所では、天然ガスを移送するためのパイプラ
インを敷設することもコスト上安価になるが、山間僻地
地或いは孤島等の天然ガスの移送に費用がかかる場所で
は、コージェネレーションエンジンを天然ガスを利用し
て駆動するのは、燃料コストが高いものとなる。
【0005】そこで、コージェネレーションエンジンに
おいて、灯油や植物油を燃料とすることが考えられる。
灯油は、天然ガスよりも安価であり、移送をタンクロー
リ等で容易に移送できるので、コージェネレーションエ
ンジンにおいて燃料として利用することが有効である。
ところが、灯油は、セタン価が軽油に比較して小さく、
またオクタン価がガソリンに比較して小さく、燃え難く
且つ気化もし難いものであり、しかも、軽油やガソリン
に比較して粘性が低いという性質を有している。灯油を
用いた場合には灯油自体の粘性が小さいため、リークや
摩耗が発生し、理想的な燃料噴射ができなくなる。
【0006】ところで、ディーゼルエンジンは、軽油を
燃料とし、高圧燃料噴射ポンプを利用している。近年、
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンに使用される燃
料噴射ポンプは、益々高圧化(例えば、噴射圧力は、5
0Mpa→100Mpa→160Mpa)しており、コ
ストも高価なものになっている。ところが、灯油は、軽
油やガソリンに比較して粘性が低いので、ディーゼルエ
ンジンやガソリンエンジンで使用しているような燃料噴
射ポンプの使用ができない。即ち、燃料噴射ポンプにお
いて、燃料の粘性が低いと、燃料噴射ポンプや燃料噴射
ノズルに僅かな隙間が存在すれば、燃料の漏洩が発生
し、燃焼室に所定量の燃料を噴射できないばかりでな
く、燃料漏洩によって危険性を伴うことになる。
【0007】また、灯油は、セタン価が20以下という
ようにセタン価が余り高くなく、セタン価が低く気化性
が余り良くないので、灯油の着火燃焼が困難である。灯
油や植物油の燃料を効果的に燃焼させるためには、エン
ジンの燃焼室内部にある圧縮空気の温度が高い方が良
い。また、灯油を燃料とするエンジンでは、その熱効率
を高くするため、圧縮比が大きい方が良いが、燃料の漏
洩を防止することを考慮すると、燃料噴射ポンプの噴射
圧力を大きくしない方が良い。
【0008】ところで、灯油や植物油を燃料とするディ
ーゼルサイクルのエンジンでは、燃料を燃焼室に供給す
る場合に、燃料を着火燃焼させるため、始動性が重要な
問題となるが、燃料を気化燃料として供給するとしても
燃料供給システムを如何に構成するかの問題がある。デ
ィーゼルエンジンを始動する場合に、高圧燃料噴射ポン
プを用いると、燃料が噴射によって微粒化し、高温空気
と接触して着火するので、始動時に余り困難性はなく、
グロープラグを燃焼室内に設置して加熱すれば、容易に
着火燃焼させることができた。しかしながら、灯油や植
物油のセタン価の低い燃料を用いてディーゼルサイクル
で着火燃焼させるには、燃料をそのまま燃焼室に直接供
給しても着火することができず、また、灯油や植物油の
燃料のように粘性が低いと、漏洩問題が発生し、高圧燃
料噴射ポンプを利用することができず、燃焼室内に燃料
を噴射することができない。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の主たる目的
は、上記の課題を解決することであり、排気ガスの温度
が低いと、灯油や植物油の燃料を気化させるエネルギー
がないが、エンジンの負荷が上昇して排気ガス温度が上
昇すると、灯油や植物油の燃料が排気ガスの温度によっ
て気化されることに着眼し、始動時のような排気ガス温
度が低い状態では副室に設けた燃料供給室に設けたヒー
タに通電して燃料を加熱気化させて始動用ノズルから副
室へ気化燃料や半気化燃料を供給し、主室からの圧縮空
気と混合させて着火燃焼させ、通常の運転状態になる
と、排気ガスエネルギーによって燃料を気化させて気化
燃料を副室に供給して着火燃焼させる灯油や植物油を燃
料とする遮熱形エンジンを提供することである。
【0010】即ち、この灯油や植物油を燃料とする遮熱
形エンジンは、灯油や植物油を燃料としてディーゼルサ
イクルによる発電装置を構成したものであり、シリンダ
ヘッドに燃焼を多段化し、排気ガス中の主にNO,HC
の発生を抑制する目的で副室を設けると共に副室に燃料
を供給する燃料供給室を設け、主室と副室とを連通する
連絡孔に連絡孔弁を配置し、副室にセタン化の低い灯油
や植物油の燃料を気化させた気化燃料を噴射し、主室で
吸入空気のみを圧縮して圧縮比を高めると共に、エンジ
ン始動時と通常運転時とで燃料供給系統を変更すると共
に、エンジン始動時の副室内の筒内温度が低い状態では
燃料供給室に設けたヒータで燃料を気化させ、通常運転
時の副室内の筒内温度が高い状態では排気ガスの熱エネ
ルギーで燃料を気化させ、気化した燃料を副室に導入し
て良好に着火燃焼させるものである。
【0011】この発明は、シリンダヘッドに形成した吸
排気ポートを開閉する吸、排気弁、ピストンが往復動す
るシリンダ側に形成された遮熱構造の主室と前記シリン
ダヘッドに配置した遮熱構造の副室とを連通する連絡
孔、前記連絡孔を開閉するため圧縮行程終端付近で開弁
し且つ膨張行程後半で閉弁する連絡孔弁、送油燃料ポン
プからの灯油や植物油の燃料を気化させる排気管に設け
られた熱交換器、前記送油燃料ポンプからの燃料を前記
副室へ供給するヒータを備えた燃料供給室、前記燃料供
給室を前記副室に対して開閉する燃料制御弁、及びエン
ジン始動時に応答して前記ヒータによって燃料を気化さ
せ、エンジン運転条件の変化に応答して前記熱交換器に
よって燃料を気化させる制御を行うコントローラ、から
構成した灯油や植物油を燃料とする遮熱型エンジンに関
する。
【0012】また、この遮熱形エンジンは、前記排気管
に設けた排気ガスによって作動されるターボチャージ
ャ、及び前記ターボチャージャの後流の前記排気管に設
けた熱回収タービンを備えており、前記熱交換器は前記
熱回収タービンの後流に配置されている。
【0013】また、前記ヒータによって燃料を気化させ
る制御は、前記ヒータを通電して前記燃料制御弁の閉鎖
状態で前記送油燃料ポンプから前記燃料供給室に供給さ
れた燃料を気化させ、前記燃料制御弁の開放によって前
記副室に気化燃料を供給するものである。
【0014】また、前記熱交換器によって燃料を気化さ
せる制御は、前記連絡孔弁の前記連絡孔の閉鎖時に前記
燃料制御弁の開放状態を維持し、前記送油燃料ポンプか
らの燃料を前記熱交換器に通して燃料を排気ガス熱で気
化させ、前記燃料供給室を通じて前記副室に気化燃料を
供給するものである。
【0015】また、前記コントローラは、前記ヒータに
よって燃料を気化させる制御と前記熱交換器によって燃
料を気化させる制御との切り換えは前記排気管に設けた
温度センサの排気ガス温度の検出に応答して制御する。
【0016】また、この遮熱形エンジンにおいて、前記
燃料供給室には始動用ノズルが設けられており、前記ヒ
ータによって燃料を気化させる制御では前記始動用ノズ
ルを通じて前記燃料供給室に燃料が供給される。
【0017】また、この遮熱形エンジンにおいて、前記
熱交換器には短路と長路が設けられ、前記短路と前記長
路との通路切換えを行なう切換弁を前記熱交換器の上流
に設け、前記コントローラが前記燃料供給路の気化燃料
又は排気ガス温度に応答して前記切換弁を切換制御す
る。
【0018】また、この遮熱形エンジンは、セタン価1
0以下でオクタン価20以下の燃料でも気化させて燃焼
させることができる。
【0019】また、この遮熱形エンジンでは、前記燃料
供給室からの前記気化燃料は前記連絡孔に向かって噴射
するように設定されている。
【0020】また、この遮熱形エンジンでは、前記副室
はシリンダ中央に配置され、前記連絡孔には前記副室か
ら前記主室への火炎が前記シリンダ周辺部へ噴出するよ
うにガイド溝が形成され、前記主室を構成する前記シリ
ンダヘッドのキャビティに配置されたヘッドライナの下
面と前記ピストンのピストン頂面とで形成されるガイド
部がシリンダ周辺に向かって楔状に小さくなるように形
成されている。
【0021】この遮熱型エンジンは、上記のように構成
されているので、高圧燃料噴射ポンプを必要とせず、副
室へ燃料を供給するだけの送油燃料ポンプで済み、コス
トを低減でき、しかも軽油や天然ガスよりも安価な灯油
や植物油を燃料とできるので、発電装置のコージェネレ
ーションエンジンに適用して燃料コストを低減できる。
また、この遮熱形エンジンは、始動時には燃料供給室で
燃料をヒータによって気化させ、通常運転時には排気ガ
スで燃料を気化させ、灯油や植物油を気化燃料として副
室に供給し、連絡孔の開放によって副室で気化燃料と空
気とを混合させて着火燃焼させ、熱効率を向上させる。
即ち、エンジン始動時には、燃料制御弁を閉鎖した状態
で燃料供給室でヒータの補助で燃料を気化させ、燃料制
御弁の開放によって燃料供給室から副室へ気化燃料を供
給する。また、定常運転時には燃料制御弁を開放状態に
して排気管に設けた熱交換器で燃料を気化させて燃料供
給室を通って副室へ気化燃料を供給する。
【0022】また、この遮熱形エンジンは、排気管に排
気ガスの熱エネルギーを回収するためのターボチャージ
ャや熱回収タービンを設け、排気ガスエネルギーを回収
して熱効率を向上させると共に、熱回収タービンの後流
に熱交換器を配置することによって、熱交換器を通過す
る排気ガス温度が灯油燃料を気化させるのに最適温度、
例えば、灯油や植物油の沸点温度150〜250℃より
も高い温度の300℃程度になって気化を促進すること
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による灯油や植物油を燃料とする遮熱型エンジンの実施
例を説明する。図1はこの発明による灯油や植物油を燃
料とする遮熱型エンジンの一実施例を示す説明図、及び
図2は図1の遮熱型エンジンの吸気弁、排気弁、連絡孔
弁及び燃料制御弁の開閉タイミングと送油燃料ポンプの
燃料供給タイミングを示す線図である。
【0024】この灯油や植物油を燃料とする遮熱型エン
ジンは、シリンダヘッド7をガスケット23を介してシ
リンダブロック14に固定し、シリンダヘッド7に形成
した小径のキャビティ19に遮熱構造の副室2を構成す
る燃焼室構造体3を配置し、シリンダヘッド7に形成し
た大径のキャビティ9に遮熱構造の主室1をシリンダ8
側に形成するヘッドライナ10を配置している。この遮
熱形エンジンは、シリンダブロック14に形成した孔部
34に嵌合したシリンダライナ22、シリンダライナ2
2に形成したシリンダ8内を往復運動するピストン1
5、及び主室1と副室2とを連通する燃焼室構造体3と
ヘッドライナ10とに跨がって形成された連絡孔13を
有している。
【0025】この遮熱型エンジンにおいて、ヘッドライ
ナ10は、シリンダ8の一部を構成するライナ上部12
とヘッド下部11から構成されている。ヘッド下部11
には、シリンダヘッド7に形成された吸、排気ポート3
0(排気ポートのみ図示)に対応するポート39(一方
のみ図示)が形成され、ポート39に吸、排気弁29
(排気弁のみ図示)が配置されている。シリンダヘッド
7のキャビティ9とヘッドライナ10の外面との間に
は、ガスケット44を介在すると共に、遮熱空気層26
が形成され、主室1が遮熱構造に構成されている。ま
た、シリンダヘッド7のキャビティ19の壁面と燃焼室
構造体3の外面との間には遮熱空気層21が形成され、
副室2が遮熱構造に構成されている。また、ピストン1
5は、図示していないが、ピストンヘッドとピストンス
カートとの間に遮熱空気層を形成してピストンヘッドを
遮熱構造に構成することができる。
【0026】ヘッド下部11には、副室2を構成する燃
焼室構造体3が嵌合する孔部が形成されている。燃焼室
構造体3は、シリンダヘッド7のキャビティ19にガス
ケット(図示せず)を介在して嵌合され、燃焼室構造体
3に形成された連絡孔13は、ヘッドライナ10に形成
された連絡孔13と連通し、連絡孔13が主室1と副室
2とを連通している。燃焼室構造体3に形成される副室
2は、シリンダ8の中央部に配置されている。ヘッド下
部11には、シリンダヘッド7に形成した吸、排気ポー
ト30に連通するポート39がそれぞれ形成され、吸、
排気ポート30に吸、排気弁29が配置されている。排
気管31には、排気ガスによって作動されるターボチャ
ージャ16、ターボチャージャ16の後流に配置された
熱回収タービン17、及び熱回収タービン17の後流に
配置された熱交換器24が設けられている。更に、排気
管31には、排気ガス温度を検出する温度センサ47が
設けられている。
【0027】この遮熱形エンジンでは、ターボチャージ
ャ16及び熱回収タービン17によって、排気ガスエネ
ルギーが取り込まれ、燃費を向上させるように構成され
ている。また、熱交換器24に流入する排気ガス温度
は、ターボチャージャ16及び熱回収タービン17によ
って吸熱されて温度が低下しているので、灯油や植物油
の燃料を気化させるのに最適温度、例えば、灯油や植物
油の沸点150〜250℃より高い300℃程度になっ
ている。
【0028】また、熱交換器24は、熱伝導率が大きい
SiC、AlNや、高強度で高靱性のSi3 4 、或い
は耐熱金属で作製されている。また、燃料供給室5に
は、ヒータ45を内蔵したセラミック加熱素子が配設さ
れている。場合によっては、熱交換器24にヒータを内
蔵したセラミック加熱素子を配設することができる。ヒ
ータ45及び熱交換器24に内蔵させたヒータは、エン
ジン始動時に通電され、燃料を気化燃料に転化させて副
室2に供給するように構成されている。
【0029】この遮熱型エンジンでは、燃料として低セ
タン価で低オクタン価の灯油や植物油、例えば、セタン
価10以下でオクタン価20以下の灯油や植物油の燃料
を使用できる。灯油や植物油の燃料は、燃料供給源に収
容され、該燃料供給源から燃料が送油燃料ポンプ25に
よって燃料供給路18又は36を通じて燃料供給室5へ
供給される。燃料供給室5は、副室2に気化燃料を供給
するように設けられ、その噴出軌跡が連絡孔13に向か
って気化燃料を噴射するように設定されている。送油燃
料ポンプ25は、電磁送油ポンプに構成でき、コントロ
ーラ20の指令で燃料供給タイミングがコントロールさ
れるように構成できる。この遮熱型エンジンは、燃料供
給量を測定してエンジン負荷を検出する負荷センサ2
7、副室2の壁温を検出する温度センサ47、エンジン
回転数を検出する回転センサ28等のセンサを有してい
る。コントローラ20は、上記各種センサからの検出信
号の他、始動時や定常運転時の情報が入力され、該検出
信号に応答して燃料供給径路の切り換えを制御するよう
に構成され、エンジン作動状態に対応した適正な燃料を
副室2へ供給し、燃費を向上させると共に、熱効率を向
上させる。
【0030】この遮熱型エンジンは、主室1と副室2と
を連通する連絡孔13を開閉するため連絡孔13に連絡
孔弁4が配置されている。連絡孔弁4、吸、排気弁29
(排気弁のみ図示)は、エンジンの回転に同期して回転
するカム等から成る動弁機構を通じて作動できる。ま
た、燃料制御弁32は、コントローラ20の指令で作動
する弁制御装置33によって図2に示す燃料噴射タイミ
ングで作動される。又は、連絡孔弁4は、コントローラ
20の指令で電磁駆動装置による電磁力によって開閉作
動するように構成することもできる。
【0031】この遮熱型エンジンでは、主室1を形成す
る壁体であるヘッドライナ10、副室2を形成する燃焼
室構造体3、シリンダライナ22及びピストンヘッド
は、耐熱性に優れた窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミ
ックスで作製され、燃焼室構造体3の外側には遮熱空気
層21が形成され、ヘッドライナ10との外側には遮熱
空気層26が形成され、図示してないが、ピストンヘッ
ドとピストンスカートとの間に遮熱空気層が形成されて
いる。従って、燃焼後期のガス温度が高くなっても十分
な耐熱性、高温強度を有し、未燃炭化水素HC等の排出
が少なくなり、高効率のエンジンを構成できる。連絡孔
13の領域では、燃焼ガスで高温になるため、連絡孔1
3に配置した連絡孔弁4は高温強度を有する耐熱性に優
れた耐熱金属、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミック
スから製作されている。また、燃料供給室5に設けた燃
料制御弁32は、エンジン負荷、燃焼室温度及びエンジ
ン回転数に応じて開弁期間が決定され、また、燃料供給
室5に設けたヒータ45は、エンジン負荷、排気ガス温
度や燃焼室温度及びエンジン回転数に応じて通電期間が
決定されるように構成されている。
【0032】この遮熱型エンジンは、上記の構成におい
て、特に、連絡孔13を開閉するため圧縮行程終端付近
で開弁し且つ膨張行程後半で閉弁する連絡孔弁4、送油
燃料ポンプ25からの灯油や植物油の燃料を気化させる
排気管31に設けられた熱交換器24、送油燃料ポンプ
25からの燃料を副室2へ供給するヒータ45を備えた
燃料供給室5、燃料供給室5に設けられた始動用ノズル
35、燃料供給室5と副室2とを開閉する燃料制御弁3
2、及びエンジン始動時と定常運転時とで燃料供給路を
切り換えて副室2に気化燃料を供給する制御を行なうコ
ントローラ20を有している。
【0033】また、この遮熱形エンジンは、例えば、一
実施例として図2に示すように、吸、排気弁29の開閉
タイミングに対して、始動時又は定常運転時等のエンジ
ン作動状態に応じて、連絡孔弁4及び燃料制御弁32の
開閉タイミングが設定されていると共に、コントローラ
20は、ヒータ45への通電タイミング、燃料供給径路
の切り換え作動の最適タイミング及び熱交換器24の短
路24H又は長路24Lへの切換弁42の切り換え制御
を行なうように構成されている。
【0034】コントローラ20は、エンジン始動時に
は、燃料供給室5に設けたヒータ45を通電して送油燃
料ポンプ25から燃料供給路36を通じて始動用ノズル
35によって燃料供給室5に供給された燃料を気化さ
せ、燃料制御弁32の開放によって副室2内に気化燃料
を供給する制御を行なう。また、コントローラ20は、
エンジン定常運転時には、連絡孔4の閉鎖時には燃料制
御弁32を開放状態にして送油燃料ポンプ25からの燃
料を熱交換器24に流し、熱交換器24によって燃料を
気化させ、副室2内に気化燃料を供給する制御を行な
う。また、送油燃料ポンプ25は、粘性の小さい灯油や
植物油を燃料とするので、燃料が送油燃料ポンプ25等
の隙間から漏洩するのを避けるため、噴射圧力は10M
pa以下と低く設定されており、高価な高圧燃料噴射ポ
ンプを必要とせず、低圧のもので十分である。
【0035】エンジン始動時には、排気ガス温度は低く
且つ副室2や主室1等の壁面は低温であるので、灯油や
植物油を燃料を燃料供給室5へ供給するには、送油燃料
ポンプ25から燃料供給通路36を通って始動用ノズル
35によって行なわれる。この時には、燃料供給室5に
内蔵されているヒータ45は通電され、燃料供給室5の
壁面は加熱されているので、灯油や植物油の燃料は燃料
供給室5の壁面に接触することによって気化燃料に転化
される。
【0036】また、通常のエンジン定常運転時には、排
気ガス温度は灯油や植物油の燃料を気化させる温度に上
昇し、燃料供給室5及び副室2の壁面は昇温しているの
で、ヒータ45の通電は停止し、送油燃料ポンプ25か
らの灯油や植物油の燃料は熱交換器24へ流され、燃料
は排気ガスエネルギーによって気化燃料に転化される。
送油燃料ポンプ25からの燃料は熱交換器24で気化燃
料になり、気化燃料は燃料供給通路18を通って燃料供
給室5の入口40へ供給され、燃料制御弁32が開放状
態であるので、引き続き副室2へ供給される。
【0037】また、熱交換器24には、短路24Hと長
路24Lが設けられている。熱交換器24の上流側には
切換弁42が設けられ、燃料供給通路18には燃料温度
を測定する温度センサ38が設けられている。コントロ
ーラ20は、温度センサ38による燃料温度の検出信号
に応答して切換弁42を切り換えて熱交換器24の短路
24H又は長路24Lへ切換、燃料の気化を良好に行な
う。即ち、燃料温度の検出温度が高いことに応答して切
換弁42を短路24H側へ切り換えられ、また、燃料温
度の検出温度が低いことに応答して切換弁42は長路2
4L側へ切り換えられる。
【0038】また、燃料供給室5は、副室2に噴射され
た燃料が壁面に付着するのを避けるため、連絡孔13に
向かって燃料を噴射するように設定されている。更に、
副室2はシリンダ中央に配置され、連絡孔13には、副
室2から主室1への火炎がシリンダ周辺部へ噴出するよ
うにガイド溝6が形成されている。また、ピストンヘッ
ドにはその頂面には凹部が形成され、該凹部からピスト
ン周辺に向かって上方へ傾斜するテーパ面43が形成さ
れている。従って、主室1を構成するヘッドライナ10
の下面とピストン15のピストン頂面のテーパ面43と
で形成されるガイド部46がシリンダ周辺に向かって楔
状に小さくなるように形成され、連絡孔13から噴出し
た火炎と混合ガスがシリンダ周辺まで短期に到達して空
気利用率を向上させるように形成されている。
【0039】この灯油や植物油を燃料とする遮熱型エン
ジンは、上記のように構成されており、次のように作動
される。この遮熱型エンジンは、吸入行程、圧縮行程、
膨張行程及び排気行程の4つの行程を順次繰り返すこと
によって作動されるものである。エンジン始動時には、
副室2の壁面温度が低く、その状態で燃料供給室5から
副室2に燃料を噴射すると、燃料噴射は壁面に付着する
恐れがあるので、燃料供給室5に設けたヒータ45を通
電して燃料供給室5内で燃料を気化させ、連絡孔弁4の
開弁時に近い時期に燃料制御弁32を開放して燃料供給
室5から副室2へ気化燃料を供給することが好ましい。
そこで、コントローラ20は、図2に示すように、エン
ジン始動時であることに応答して、予め設定されている
副室2への燃料供給タイミングで燃料制御弁の開閉を制
御する。
【0040】エンジン始動時には、コントローラ20の
指令によって燃料供給室5のヒータ45が通電され、燃
料供給室5内に存在する灯油や植物油の燃料が気化され
る状態になっており、吸入行程では吸気弁が吸気ポート
を開放して主室1に空気が吸入されるが、連絡孔弁4に
よって連絡孔13を閉鎖すると共に燃料制御弁32が燃
料供給室5を閉鎖した状態である。燃料供給室5を燃料
制御弁32で閉鎖した状態で送油燃料ポンプ25から燃
料供給路36を通じて始動用ノズル35から燃料供給室
5へ燃料が供給されている。次いで、圧縮行程に移行す
るが、吸入行程終端付近で燃料制御弁32が開放し、燃
料供給室5内でヒータ45によって気化された気化燃料
が副室2へ供給される。圧縮行程終端近傍で燃料制御弁
32は燃料供給室5を閉鎖し、次いで、連絡孔弁4が連
絡孔13を開放すると、主室1内の圧縮空気が連絡孔1
3を通じて副室2内へ流入し、燃料噴射は圧縮空気と良
好に混合を促進して着火燃焼し、副室2内の圧力が上昇
する。副室2内の火炎及び混合ガスは連絡孔13を通じ
て主室1へ噴出して膨張行程に移行し、そこで、ピスト
ン15は仕事をして膨張行程が終了する。次いで、排気
弁29が開弁して排気ポート30が開放し、排気行程に
移行して排気ポート30を通じて燃焼ガスが排気管31
に排気され、連絡孔弁4が連絡孔13を閉鎖すると共
に、送油燃料ポンプ25から燃料供給室5へ燃料が供給
され、ヒータ45の加熱によって燃料が気化される。次
いで、吸気弁29が開弁して吸気ポート31が開放し、
吸入空気が主室1へ導入される。
【0041】エンジンの運転状態が安定すると、燃焼室
温度が上昇して、熱交換器24は燃料を気化させる能力
を発揮できると共に、副室2の壁面温度が上昇すると、
副室2に噴射された気化燃料は、壁面から熱を吸収し、
壁面に付着することなく活性化して良好な霧化状態を維
持形成できる。そこで、コントローラ20は、エンジン
定常運転時であることに応答して、送油燃料ポンプ25
からの燃料を熱交換器24へ流すように切り換え、始動
用ノズル35からの燃料供給室5への燃料供給を停止す
ると共に燃料供給室5のヒータ45への通電を停止する
と共に、燃料制御弁32の開閉タイミングを連絡孔弁4
が連絡孔13を開放している時を除いて開放状態にする
制御を行なう。
【0042】エンジン定常運転時には、膨張行程でピス
トン15は仕事して終了し、次いで、排気弁29が開弁
して排気ポート30が開放し、排気行程に移行して排気
ポート30を通じて燃焼ガスが排気され、連絡孔弁4が
連絡孔13を閉鎖する。連絡孔弁4が連絡孔13を閉鎖
した排気行程中間において、コントローラ20は、送油
燃料ポンプ25からの燃料を熱交換器24へ流す制御を
し、灯油や植物油の燃料は熱交換器24で気化されて気
化燃料となって燃料供給室5の入口40から燃料供給室
5を通じて副室2内へ供給される。次いで、吸気行程に
移行し、吸気弁が開弁して吸気ポートが開放し、吸入空
気が主室1へ導入される。吸入行程では送油燃料ポンプ
25から燃料供給室24への燃料供給は継続され、副室
2内へ所定量の気化燃料が供給され、次いで、圧縮行程
に移行するが、圧縮行程において副室2内の燃料噴射は
副室2の壁面から熱エネルギーを吸収し、気化燃料は活
性化して霧化状態が良好に維持され、圧縮行程終端近傍
で燃料供給室5への燃料供給は終了する。圧縮行程終端
付近で連絡孔弁4が開弁し、副室2内の活性化された気
化燃料は主室1で圧縮された圧縮空気が連絡孔13を通
じて副室2内へ流入することで圧縮空気と良好に混合を
促進して着火燃焼し、副室2内の圧力が上昇する。副室
2内の火炎及び混合ガスは連絡孔13を通じて噴出して
膨張行程に移行し、そこでピストン15は仕事をして膨
張行程が終了する。次いで、排気弁29が開弁して排気
ポート30が開放し、排気行程に移行して排気ポート3
0を通じて燃焼ガスが排気され、連絡孔弁4が連絡孔1
3を閉鎖する。
【0043】また、エンジン定常運転時には、燃料供給
路18を流れる気化燃料温度は温度センサ38によって
検出されているので、コントローラ20は、その検出信
号を受けて、エンジン始動状態からエンジン定常運転へ
の切り換え当初は排気ガス温度は低いので、灯油や植物
油を燃料を熱交換器24で十分に加熱する必要があるの
で、切換弁42は長路24L側へ切り換えて燃料が排気
ガスから十分な排気ガスエネルギーを吸収するように制
御され、次いで、排気ガスの温度が上昇するに従って切
換弁42は長路24L側から短路24H側へ切り換えら
れ、気化燃料が適正な気化燃料に生成できるように制御
する。
【0044】
【発明の効果】この発明による灯油や植物油を燃料とす
る遮熱型エンジンは、上記のように、主室及び副室の燃
焼室は遮熱構造に構成され、セタン価10以下でオクタ
ン価20以下の燃料である灯油や植物油の燃料を気化さ
せることによって着火燃焼させることができ、安価な灯
油や植物油を燃料とするディーゼルサイクルのエンジン
を成立させることができ、極めて燃料コストを大幅に低
減できる。即ち、この遮熱形エンジンは、排気ガス温度
が最低温度での300℃と高く、排気管に熱交換器を設
けることによって十分に灯油や植物油を気化させて気化
燃料に転化させることができ、排気ガスエネルギーを回
収できる。また、この遮熱型エンジンは、連絡孔弁で閉
鎖された副室に気化燃料を供給するので、送油燃料ポン
プの噴射圧力を大きくする必要がなく、また、主室に導
入された空気は副室が閉鎖されて燃料が存在しない状態
で圧縮され、圧縮比を大きくすることができ、熱効率を
向上できる。更に、この遮熱形エンジンは、前記排気管
にはターボチャージャ、熱回収タービン及び熱交換器が
設けられているので、これらによって排気ガスエネルギ
ーは回収され、極めて高い熱効率が得られる。
【0045】この灯油や植物油を燃料とする遮熱形エン
ジンは、特に、副室に燃料を供給する送油燃料ポンプを
高圧にする必要がなく、噴射ノズルも低圧用の使用でよ
く、エンジンそのものが低コストで製造でき、しかも灯
油がガソリン、軽油、天然ガスに比較して低コストであ
るので、ランニングコストを低くできる。また、灯油自
体の移送もタンクローリ等を利用できるので、山間僻地
にコージェネレーションエンジンを設置したとしても、
燃料を簡単に移送できる。それ故に、この遮熱形エンジ
ンを発電用に利用することによって、安価な電力を容易
に供給するとができる。
【0046】また、この遮熱型エンジンでは、上記のよ
うに、副室への燃料供給がほぼ終了した時点で、連絡孔
弁が圧縮行程の終端付近で開弁されるように設定されて
いる。燃料供給室からの副室への気化燃料の供給圧力
は、10Mpa以下と低く設定されているが、安定した
エンジン定常運転中における燃料供給期間はエンジンの
ストローク中の排気行程中間から吸気行程を過ぎて圧縮
行程中間までの極めて長い期間であるので、所定の燃料
流量を副室に供給することができる。更に、灯油や植物
油の燃料を気化させた気化燃料を副室に供給して、副室
壁面から熱を奪って霧化状態を良好にし、副室で一次燃
焼を行うことによってNOX の発生を抑制できる。しか
も、副室から主室への噴出通路には、火炎及び混合ガス
がシリンダ周辺へ向かって噴出するようにガイド溝が形
成されているので、二次燃焼を短期間に終了させること
ができ、HC等の発生を抑制することができ、熱効率を
向上させ、燃費を低減できる。
【0047】従って、この遮熱形エンジンは、コージェ
ネレーションエンジンとしての発電装置に適用しても燃
料コストを大幅に低減できるので、市販電力よりもコス
トを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による灯油や植物油を燃料とする遮熱
型エンジンの一実施例を示す説明図である。
【図2】図1の遮熱型エンジンの吸気弁、排気弁、連絡
孔弁及び燃料制御弁の開閉タイミングと送油燃料ポンプ
の燃料供給タイミングを示す線図である。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 燃焼室構造体 4 連絡孔弁 5 燃料供給室 6 ガイド溝 7 シリンダヘッド 8 シリンダ 9,19 キャビティ 10 ヘッドライナ 13 連絡孔 15 ピストン 16 ターボチャージャ 17 熱回収タービン 20 コントローラ 21,26 遮熱空気層 24 熱交換器 24H 短路 24L 長路 25 送油燃料ポンプ 29 吸排気弁 30 吸排気ポート 32 燃料制御弁 35 始動用ノズル 37 ガイド部 42 切換弁 45 ヒータ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した吸、排気ポー
    トを開閉する吸、排気弁、ピストンが往復動するシリン
    ダ側に形成された遮熱構造の主室と前記シリンダヘッド
    に配置した遮熱構造の副室とを連通する連絡孔、前記連
    絡孔を開閉するため圧縮行程終端付近で開弁し且つ膨張
    行程後半で閉弁する連絡孔弁、送油燃料ポンプからの灯
    油や植物油の燃料を気化させる排気管に設けられた熱交
    換器、前記燃料ポンプからの燃料を前記副室へ供給する
    ヒータを備えた燃料供給室、前記燃料供給室を前記副室
    に対して開閉する燃料制御弁、及びエンジン始動時に応
    答して前記ヒータによって燃料を気化させ、エンジン運
    転条件の変化に応答して前記熱交換器によって燃料を気
    化させる制御を行うコントローラ、から構成した灯油や
    植物油を燃料とする遮熱型エンジン。
  2. 【請求項2】 前記排気管に設けた排気ガスによって作
    動されるターボチャージャ、及び前記ターボチャージャ
    の後流の前記排気管に設けた熱回収タービンを備えてお
    り、前記熱交換器は前記熱回収タービンの後流に配置さ
    れている請求項1に記載の遮熱型エンジン。
  3. 【請求項3】 前記ヒータによって燃料を気化させる制
    御は、前記ヒータを通電して前記燃料制御弁の閉鎖状態
    で前記送油燃料ポンプから前記燃料供給室に供給された
    燃料を気化させ、前記燃料制御弁の開放によって前記副
    室に気化燃料を供給する請求項1又は2に記載の遮熱型
    エンジン。
  4. 【請求項4】 前記熱交換器によって燃料を気化させる
    制御は、前記連絡孔弁の前記連絡孔の閉鎖時に前記燃料
    制御弁の開放状態を維持し、前記送油燃料ポンプからの
    燃料を前記熱交換器に通して燃料を排気ガス熱で気化さ
    せ、前記燃料供給室を通じて前記副室に気化燃料を供給
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱型エンジ
    ン。
  5. 【請求項5】 前記コントローラは、前記ヒータによっ
    て燃料を気化させる制御と前記熱交換器によって燃料を
    気化させる制御との切り換えは前記排気管に設けた温度
    センサの排気ガス温度の検出に応答して制御する請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の遮熱型エンジン。
  6. 【請求項6】 前記燃料供給室には始動用ノズルが設け
    られており、前記ヒータによって燃料を気化させる制御
    では前記始動用ノズルを通じて前記燃料供給室に燃料が
    供給される請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱型
    エンジン。
  7. 【請求項7】 前記熱交換器には短路と長路が設けら
    れ、前記短路と前記長路との通路切換えを行なう切換弁
    を前記熱交換器の上流に設け、前記コントローラが前記
    燃料供給路の気化燃料又は排気ガス温度に応答して前記
    切換弁を切換制御する請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の遮熱型エンジン。
  8. 【請求項8】 セタン価10以下でオクタン価20以下
    の燃料でも気化させて燃焼させることができる請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の遮熱型エンジン。
  9. 【請求項9】 前記燃料供給室からの前記気化燃料は前
    記連絡孔に向かって噴射するように設定されている請求
    項1〜8のいずれか1項に記載の遮熱型エンジン。
  10. 【請求項10】 前記副室はシリンダ中央に配置され、
    前記連絡孔には前記副室から前記主室への火炎が前記シ
    リンダ周辺部へ噴出するようにガイド溝が形成され、前
    記主室を構成する前記シリンダヘッドのキャビティに配
    置されたヘッドライナの下面と前記ピストンのピストン
    頂面とで形成されるガイド部がシリンダ周辺に向かって
    楔状に小さくなるように形成されている請求項1〜9の
    いずれか1項に記載の遮熱型エンジン。
  11. 【請求項11】 発電装置のコージェネレーションエン
    ジンに適用される請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の遮熱型エンジン。
JP7345097A 1995-12-08 1995-12-08 灯油や植物油を燃料とする遮熱型エンジン Pending JPH09158731A (ja)

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