JP2009257241A - 圧縮着火式内燃機関 - Google Patents

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寿記 伊藤
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Abstract

【課題】圧縮着火式内燃機関において、燃料を適切に燃焼させることを可能とする。
【解決手段】圧縮着火式内燃機関(1)は、気化可能な不燃性の所定流体(25又は45)を気筒(3)内に供給する第1供給手段(20又は40)と、気筒内に燃料を供給する第2供給手段(12)と、圧縮行程の上死点よりも圧縮行程の下死点に近い所定時点に所定流体を供給するように第1供給手段を制御した後に、上死点の時点に燃料を供給するように第2供給手段を制御する制御手段(30)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、気筒内に存在する燃料を圧縮行程で自着火させる圧縮着火式内燃機関の技術分野に関する。
この種の圧縮着火式内燃機関として、直噴式のディーゼルエンジンを低圧縮比化することにより、燃焼温度を低下させ、NOxや煤の発生を抑制し、排気ガス性能を向上させるディーゼル機関等の圧縮着火式内燃機関が広く知られている(特許文献1等を参照)。
特開2004−245103号公報 特開平5−195800号公報 特公平7−059888号公報 特開平9−268915号公報 特開2005−147046号公報 特開2002−047976号公報
しかしながら、上述した特許文献1等によれば、圧縮着火式内燃機関における低圧縮比化に起因して、気筒内の圧力が低下し、ひいては気筒内の温度が低下してしまい、低温環境時の始動性、即ち、燃料の着火性が悪化してしまい、失火する可能性があるという技術的な問題点が生じる。加えて、始動直後又は始動後の所定時間、又は低速領域若しくは軽負荷領域においても、過給ターボを作動させることが困難なため、燃焼が不安定となり失火する可能性があるという技術的な問題点が生じる。
そこで、本発明は、例えば上記の問題点に鑑みなされたものであり、燃料を適切に燃焼させることが可能な圧縮着火式内燃機関を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る圧縮着火式内燃機関は、気筒内(典型的には燃焼室内)に存在する燃料を圧縮行程で自着火させる圧縮着火式内燃機関において、気化可能な不燃性の所定流体(典型的には水又は液化CO2)を前記気筒内に供給する第1供給手段と、前記気筒内に燃料を供給する第2供給手段と、前記圧縮行程の上死点よりも前記圧縮行程の下死点に近い所定時点に前記所定流体を供給するように前記第1供給手段を制御した後に、前記上死点の時点に前記燃料を供給するように前記第2供給手段を制御する制御手段とを備える。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関によれば、例えば燃焼室内等の気筒内に存在する燃料を圧縮行程で自着火させることによって、気筒に設けられたピストンの往復運動がコネクティングロッドを介してクランク軸の回転運動に変換させる。
先ず、制御手段の制御下で、第1供給手段によって、圧縮行程の上死点よりも圧縮行程の下死点に近い所定時点に、気化可能な不燃性の所定流体が気筒内に供給される。この所定流体は、典型的には、水や液化二酸化炭素(液化CO2)等の内燃機関で発生する熱によって気化可能な不燃性の液体を例示することができる。
次に、制御手段の制御下で、第2供給手段によって、上死点の時点に燃料が気筒内に供給される。特に、本発明では、気化可能な不燃性の所定流体によって、圧縮行程の上死点の時点での燃料の燃焼直前における気筒内の圧力を、この所定流体が気筒内に存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより上死点の時点での燃料の燃焼直前における気筒内の温度を、この所定流体が気筒内に存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができるので、圧縮着火式内燃機関において熱効率をより簡便且つ効果的に向上させることができる。特に、相対的に高い機械的強度を要求しないと共に機械的損失が相対的に低い低圧縮比のディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関に適用すると、熱効率を顕著に向上できるので、大変効果的である。
加えて、一般的に、例えばディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関の始動時や低速走行時においては、ターボ過給を行うことが困難である。これに対して、本発明によれば、上述した所定流体の気筒内への供給によって、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができるので、圧縮着火式内燃機関の始動時や低速走行時において熱効率をより簡便且つ効果的に向上させることができる。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の一の態様では、前記所定流体は、水又は液化二酸化炭素である。
この態様によれば、水又は液化二酸化炭素は、気筒内で簡便に気化し易いので、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができる。特に、液化二酸化炭素の比熱は、水と比較して高いので、液化二酸化炭素を用いれば、燃料が燃焼する際の温度の上昇を抑制することができるので、気筒内の最高圧力の低減に加えて、NOxが生成させることを効果的に抑制することができる。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の他の態様では、前記所定時点は、一サイクルである720度のクランク角度のうち180度から270度のクランク角度の範囲に含まれる。
この態様によれば、所定流体を供給する所定時点を高精度且つ明確に規定することができると共に、所定流体が気化するまでの時間間隔を、圧縮行程の下死点よりも圧縮行程の上死点に近い時点に所定時点を設定した場合と比較して、長くできる。これにより、所定流体を確実且つ的確に気化させることができ、燃料の燃焼直前における気筒内の圧力及び温度を確実且つ的確に上昇させることができる。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の他の態様では、前記第1供給手段は、前記気筒内の燃焼ガスを排気する排気弁に向けて前記所定流体を噴射することで、前記所定流体を前記気筒内に供給する。
この態様によれば、温度の高い燃焼ガスから受熱し、気筒内で温度の最も高い排気弁によって、所定流体を確実且つ的確に気化させることができ、燃料の燃焼直前における気筒内の圧力及び温度を確実且つ的確に上昇させることができる。
本発明に係る圧縮着火式内燃機関の他の態様では、前記気筒の一部である燃焼室の容積に対する、前記気筒の全体容積の割合を示す圧縮比は、14以上且つ16以下である。
この態様によれば、圧縮比が20程度である一般的な圧縮着火式内燃機関と比較して相対的に高い機械的強度を要求しないと共に機械的損失が相対的に低い14以上且つ16以下である圧縮着火式内燃機関において、熱効率を向上させることができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(基本構成)
先ず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る圧縮着火式の内燃機関1の基本構成について説明する。ここに、図1は、第1実施形態に係る圧縮着火式の内燃機関1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、圧縮着火式の内燃機関1(以下適宜、内燃機関1と称す)は、図示せぬ車両に搭載され、シリンダ2、燃焼室壁(気筒内)3、吸気ポート4、排気ポート5、ピストン6、コネクティングロッド7、クランクシャフト(クランク軸)8、吸気弁9、排気弁10、燃料50を噴射する燃料噴射弁12、燃料タンク13、水25を噴射する水噴射弁20、水ポンプ21、水タンク22、ECU30及びクランク角度センサー31を備えて構成されている。
内燃機関1は不図示の車両に走行用動力源として搭載され、気筒内に存在する燃料を圧縮行程で自着火させる4ストローク1サイクル型の圧縮着火式内燃機関として構成されている。シリンダブロックには気筒3が形成され、その気筒3と連通するように吸気ポート4及び排気ポート5がそれぞれ設けられている。気筒3には往復動自在にピストン6が設けられ、ピストン6はコネクティングロッド7を介してクランク軸8に連結される。吸気ポート4にはこれを開閉する吸気弁9が設けられ、排気ポート5にはこれを開閉する排気弁10が設けられている。これらの弁9、10は所定のバルブタイミングに従って開閉動作する。
内燃機関1には気筒3内に燃料50を供給するための燃料供給手段としての燃料供給弁12と、燃料50を蓄える燃料貯留手段としての燃料タンク13と、燃料供給弁12とを備えている。
特に、内燃機関1には気筒3内に水25を供給するための水供給手段としての水噴射弁20と、水25を蓄える水貯留手段としての水タンク22と、水噴射弁20と水タンク22とを結ぶ水供給通路に設けられて水25を水供給弁12に圧送する圧送手段としての水ポンプ21とを備えている。詳細には、水噴射弁20には水25が気筒内の圧力よりも高い圧力で、換言すれば、例えば10(MPa)等の大気圧よりも僅かに高い圧力で水ポンプ21にて圧送される。水ポンプ21は電動機を駆動源としたポンプでもよいし、内燃機関1のクランク軸8を駆動源としたポンプでもよい。
上述した燃料供給弁12及び水噴射弁20はエンジンコントロールユニット(ECU)30に接続されている。ECU30は内燃機関1の運転状態を適正に制御するために設けられたコンピュータである。ECU30は例えばクランク角度センサー31等の各種センサから入力される内燃機関1の機関回転数(回転速度)Ne、機関負荷L及びクランク角θ等の各種情報に基づいて燃料供給弁12及び水噴射弁20の動作を制御する。ECU30は燃料供給弁12の開弁期間を調整することにより噴射される燃料50の量を制御している。加えて、ECU30は水噴射弁20の開弁期間を調整することにより噴射される水25の量を制御している。
(動作原理)
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関の動作原理について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関における各種の処理のタイミングを示したタイミングチャートである。尚、図2中の横軸はクランク角度(CA:Crank Angle)を示す。図3は、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関において、圧縮行程の前半での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(a))、圧縮行程の前半から上死点に近づいた時点での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(b))及び圧縮行程の上死点の付近での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(c))である。
先ず、図2に示されるように、吸気行程において吸気弁9が開弁されると、吸気はピストン6の下降に伴って吸引されることにより気筒3内に供給される。
次に、図2中の圧縮行程の前半部分に加えて、図3(a)中の位置P1に示されるように、圧縮行程が開始されると、クランク軸8が回転してピストン6が上昇すると吸気弁9が閉弁し、吸気は圧縮される。特に、本実施形態では、圧縮行程の前半に含まれる所定タイミングにおいて、水噴射手段20によって、排気弁10に向かって水が噴射される。ここに、本実施形態に係る所定タイミングとは、圧縮行程において、上死点よりも下死点に近いタイミングを意味する。典型的には、この所定タイミングは、一サイクルを720度のクランク角度で定義した場合、圧縮行程の前半、言い換えると、クランク角度で180度から270度の範囲に含まれるタイミングを意味する。尚、この所定タイミングによって、本発明に係る所定時点の一具体例が構成されている。詳細には、水ポンプ21の圧送する圧力は、10(MPa)程度であることが好ましい。
次に、図2中の圧縮行程の後半部分に加えて、図3(b)中の位置P2に示されるように、ピストン6が上昇して気筒3内の温度及び圧力がそれぞれ上昇すると共に吸気が圧縮される過程において、排気弁10が有する熱によって、上述の排気弁10に向かって噴射された水25が蒸発する。
次に、図2中の上死点(TDC:Top Dead Center)に加えて、図3(c)中の位置P3に示されるように、更にピストン6が上昇して上死点に近づき気筒3内の温度及び圧力がそれぞれ更に上昇する環境下で、ECU30の制御下で、燃料噴射手段12によって、燃料50(例えば軽油)が噴射され、燃料50は空気と混合され可燃の混合気を形成する。気筒3内の温度がその混合気の着火温度に達すると、燃料50は燃焼を開始する。特に、本実施形態では、上述の蒸発した水、即ち、水蒸気によって、上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の圧力を、この水蒸気が気筒3内に存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の温度を、この水蒸気が気筒3内に存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができる。
続いて、燃料50の燃焼は一斉に引き起こされ、それにより気筒3内の圧力が上昇してピストン6が下方に押し下げられて、ピストン6の直線運動がコネクティングロッド7によりクランク軸8の回転運動に変換される。
(作用と効果の検討)
ここで、図4を参照して、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関の作用と効果とについて説明する。ここに、図4は、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関と比較例とにおける圧縮行程の上死点での気筒内の圧力及び気筒内の温度を夫々示した表である。
図4に示されるように、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関では、水を上述した所定タイミングで噴射するので、圧縮行程の上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の圧力が、水を噴射しない比較例と較べて、顕著に上昇させることができる。これにより上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の温度が、水を噴射しない比較例と較べて、顕著に上昇させることができる。
本願発明者による研究によれば、図4に示されるように、ピストン6の1ストローク単位で、水を5(mm3:立方ミリメートル)だけ噴射した場合、圧縮行程の上死点の付近での気筒3内の圧力を、水を噴射しない比較例と較べて、約1.5倍(=5.3/3.5)も上昇可能であることが判明していることに加えて、圧縮行程の上死点の付近での気筒3内の温度を、水を噴射しない比較例と較べて、約1.6倍(=677/427)も上昇可能であることが判明している。
一般的に、例えばディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関は圧縮によって吸気を高温にする必要があり、高い圧縮比が要求される。圧縮比が高いために熱効率が良いと言われることが多いが、高すぎる圧縮比はエンジンにより高い機械的強度を要求し、そのために部品を丈夫にする必要が生じ、可動部品の重量のために機械的損失が大きくなる。自動車用4ストロークエンジンでは過給圧の高圧化が進み、過度に気筒内の最高圧力が上がるのを避けるために圧縮比は低下傾向にある。
これに対して、本実施形態によれば、上述した水の噴射によって、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができるので、圧縮着火式内燃機関において熱効率をより簡便且つ効果的に向上させることができる。特に、相対的に高い機械的強度を要求しないと共に機械的損失が相対的に低い低圧縮比のディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関に適用すると、熱効率を顕著に向上できるので、大変効果的である。
加えて、一般的に、例えばディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関の始動時や低速走行時においては、ターボ過給を行うことが困難である。これに対して、本実施形態によれば、上述した水の噴射によって、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができるので、圧縮着火式内燃機関の始動時や低速走行時において熱効率をより簡便且つ効果的に向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関の基本構成及び動作原理について説明する。ここに、図5は、第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関において、圧縮行程の前半での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(a))、圧縮行程の前半から上死点に近づいた時点での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(b))及び圧縮行程の上死点の付近での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(c))である。図6は、第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関と比較例とにおける圧縮行程の上死点での気筒内の圧力及び気筒内の温度を夫々示した表である。尚、第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関の構成要素のうち上述した第1実施形態に係る圧縮着火式内燃機関の構成要素と概ね同様の要素には同一の符号番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
図5(a)において、第2実施形態に係る圧縮着火式の内燃機関1a(以下適宜、内燃機関1aと称す)は、上述の水噴射弁20に代えて液化CO2噴射弁40、上述の水ポンプ21に代えてレギュレータ41、上述の水タンク22に代えて液化CO2タンク42、圧力ゲージ43及び配管44を備えて構成されている。尚、第2実施形態に係る、その他の構成要素は、上述の第1実施形態と概ね同様である。
特に、レギュレータ(carburetor)41は、霧状態にされた液化CO2を噴射する液化CO2噴射弁40に近づいた位置に設置されることが好ましい。これにより、液化CO2噴射弁40とレギュレータ41との間の区間の配管44に霜などが付着して配管44が凍結することを効果的に防止することができる。また、液化CO2噴射弁40が、気筒の頭部に設置されることにより、気筒で発生する熱によって凍結することを防止可能である。
次に、上述した図2中の圧縮行程の前半部分に加えて、図5(a)中の位置P1に示されるように、圧縮行程が開始されると、クランク軸8が回転してピストン6が上昇すると吸気弁9が閉弁し、吸気は圧縮される。特に、第2実施形態では、圧縮行程の前半に含まれる所定タイミングにおいて、液化CO2噴射弁40によって、排気弁10に向かって液化CO2(45)が噴射される。
次に、上述した図2中の圧縮行程の後半部分に加えて、図5(b)中の位置P2に示されるように、ピストン6が上昇して気筒3内の温度及び圧力がそれぞれ上昇すると共に吸気が圧縮される過程において、排気弁10が有する熱によって、上述の排気弁10に向かって噴射された液化CO2(45)が気化する。
次に、上述した図2中の上死点(TDC)に加えて、図5(c)中の位置P3に示されるように、更にピストン6が上昇して上死点に近づき気筒3内の温度及び圧力がそれぞれ更に上昇する環境下で、ECU30の制御下で、燃料噴射手段12によって、燃料50(例えば軽油)が噴射され、燃料50は空気と混合され可燃の混合気を形成する。気筒3内の温度がその混合気の着火温度に達すると、燃料50は燃焼を開始する。特に、本実施形態では、上述の気化した液化CO2によって、上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の圧力が、この液化CO2が存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより上死点の付近での燃料50の燃焼直前における気筒3内の温度が、この液化CO2が存在しない場合と比較して、顕著に上昇させることができる。これにより、燃料の着火性が向上し、失火の発生を殆ど又は完全に防止することに加えて、燃料の燃焼が安定し、ノッキングの発生を殆ど又は完全に防止することができる。特に、液化CO2の比熱は、上述した水と比較して高いので、液化CO2を用いれば、燃料が燃焼する際の温度の上昇を抑制することができるので、気筒内の最高圧力の低減に加えて、NOxが生成させることを効果的に抑制することができる。
詳細には、本願発明者による研究によれば、図6に示されるように、ピストン6の1ストローク単位で、液化CO2を10(mm3:立方ミリメートル)だけ噴射した場合、圧縮行程の上死点の付近での気筒3内の圧力を、液化CO2を噴射しない比較例と較べて、約1.4倍(=4.9/3.5)も上昇可能であることが判明していることに加えて、圧縮行程の上死点の付近での気筒3内の温度を、液化CO2を噴射しない比較例と較べて、約1.5倍(=627/427)も上昇可能であることが判明している。
上述した実施形態では、水又は液化CO2を用いて説明したが、気化可能な不燃性の他の流体を用いてよい。
また、上述した実施形態では、水や液化CO2の気筒3への供給は、気筒3内へ直接的に水や液化CO2を導入することにより、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関を実現したが、これら図示した形態に代えて、吸気ポート4への水や液化CO2の導入により、本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関を実現してよい。
また、上述した実施形態に係る内燃機関1は4ストローク1サイクル型の内燃機関であるが、本発明は2ストローク1サイクル型の内燃機関として実施することもできる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う圧縮着火式内燃機関もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る圧縮着火式の内燃機関1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関における各種の処理のタイミングを示したタイミングチャートである。 本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関において、圧縮行程の前半での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(a))、圧縮行程の前半から上死点に近づいた時点での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(b))及び圧縮行程の上死点の付近での気筒内部を図式的に示した模式図(図3(c))である。 本実施形態に係る圧縮着火式内燃機関と比較例とにおける圧縮行程の上死点での気筒内の圧力及び気筒内の温度を夫々示した表である。 第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関において、圧縮行程の前半での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(a))、圧縮行程の前半から上死点に近づいた時点での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(b))及び圧縮行程の上死点の付近での気筒内部を図式的に示した模式図(図5(c))である。 第2実施形態に係る圧縮着火式内燃機関と比較例とにおける圧縮行程の上死点での気筒内の圧力及び気筒内の温度を夫々示した表である。
符号の説明
1、1a 内燃機関
3 気筒
4 吸気ポート
5 排気ポート
6 ピストン
7 コネクティングロッド
8 クランクシャフト(クランク軸)
9 吸気弁
10 排気弁
12 燃料噴射弁
13 燃料タンク
25 水
20 水噴射弁
21 水ポンプ
22 水タンク
30 ECU
31 クランク角度センサー
40 液化CO2噴射弁
41 レギュレータ
42 液化CO2タンク
43 圧力ゲージ
44 配管
45 液化CO2
50 燃料

Claims (5)

  1. 気筒内に存在する燃料を圧縮行程で自着火させる圧縮着火式内燃機関において、
    気化可能な不燃性の所定流体を前記気筒内に供給する第1供給手段と、
    前記気筒内に燃料を供給する第2供給手段と、
    前記圧縮行程の上死点よりも前記圧縮行程の下死点に近い所定時点に前記所定流体を供給するように前記第1供給手段を制御した後に、前記上死点の時点に前記燃料を供給するように前記第2供給手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする圧縮着火式内燃機関。
  2. 前記所定流体は、水又は液化二酸化炭素であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
  3. 前記所定時点は、一サイクルである720度のクランク角度のうち180度から270度のクランク角度の範囲に含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮着火式内燃機関。
  4. 前記第1供給手段は、前記気筒内の燃焼ガスを排気する排気弁に向けて前記所定流体を噴射することで、前記所定流体を前記気筒内に供給することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の圧縮着火式内燃機関。
  5. 前記気筒の一部である燃焼室の容積に対する、前記気筒の全体容積の割合を示す圧縮比は、14以上且つ16以下であることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の圧縮着火式内燃機関。
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