JP2013096192A - 作業機械のブーム - Google Patents

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Abstract

【課題】分割式ブームの側壁の軽量化が可能であり、かつ、組立作業における労力低減が可能な作業機械のブームを提供する。
【解決手段】インサートブーム6c2の本体20は、閉鎖断面構成部分21の前方へ張り出す張出し部分26を有している。張出し部分26は、閉鎖断面構成部分21の前方側において、一対の前方側壁22の間で当該前方側壁22のうち前方に突出する突出部22bの上縁22cから下縁22dに及ぶ範囲に構成されている部分26cを有している。当該部分26cは、切欠き32を有するフック部30が設けられた突出部22bを補強する。
【選択図】図6

Description

本発明は、解体作業等を行う作業機械に装備される分割式のブームに関するものである。
従来、建物の解体作業などを行う解体機などの作業機械には、超ロングアタッチメントをベースマシンに取り付けて使用される。このような超ロングアタッチメントは、ビルの解体などに用いられるものであり、非常に長尺な部品であるので、アタッチメントが一体のままでは搬送することが困難な場合がある。また、アタッチメントを作業の目的や作業高さ等に応じてアタッチメントの一部を組み換えできることが作業上好ましい場合がある。
そこで、特許文献1記載の解体機のように、アタッチメントのブームであって、その長手方向について分割可能な分割式のブームを備えた解体機が提案されている。
従来の分割式ブームでは、2本またはそれ以上のブーム体が直線状に並べられ、ブーム体の間は互いにピン結合されている。具体的には、隣接する2つのブーム体のうちのいずれか一方のブーム体は、その本体から他方のブーム体側へ突出して当該他方のブーム体を側方から抱え込むことが可能な一対の側壁を備え、他方のブーム体は、側壁とともにピン結合される複数のボスを備えている。一方のブーム体に設けられた一対の側壁の間に、他方のブーム体を挿入し、側壁に形成された貫通孔を通して複数のボスにピンを挿入することにより、ブーム体同士を連結することが可能である。
側壁は、ブーム体同士を連結した状態では、作業時にアタッチメントにかかる曲げ荷重等などの負荷がかかりやすいので、側壁の強度及び剛性を確保するために、側壁の広い範囲を厚板鋼板で構成されている。
特開平9−3955号公報
しかし、側壁の強度及び剛性を確保するために、側壁の広い範囲を厚板の鋼板で構成しているため、側壁の重量の低減が難しい。また、アタッチメントが長いほど互いに連結されるブーム体の本数が増えるので、側壁の重量増大の影響はさらに大きくなり、ブームの軽量化がますます困難になる。さらに、側壁の広い範囲を厚板鋼板で構成するために、製造コストを抑えることが難しいという問題もある。
また、近年では、ブーム体同士の連結作業の迅速化のために、一方のブーム体の側壁を他方のブーム体と結合させるために、他方のブーム体の後端部に固定ピンなどの固定軸をあらかじめ設けておき、側壁には、当該固定軸に係合可能な切欠きを形成しておき、これら固定ピンと切欠きとの係合によって、ピンの抜き差し作業等の労力を低減させる構造が提案されている。
しかし、このような構造では、側壁における切欠きが形成された部分は、ピン孔が形成された場合と比較して切欠きの内壁が開いて変形しやすく、局所的に応力集中が生じやすいので、側壁が破損しやすいという問題がある。そのため、切欠きを有する側壁の剛性を向上させるために、側壁の広い範囲を厚板鋼板で構成する必要があり、重量の低減や製造コストの抑制が難しいという問題がある。
本発明は上記の問題を解消するためになされたものであり、分割式ブームの側壁の軽量化が可能であり、かつ、組立作業における労力低減が可能な作業機械のブームを提供するものである。
本発明の作業機械のブームは、第1のブーム体と、当該第1のブーム体の長手方向の端部に配置された第2のブーム体とを備えており、前記第1のブーム体は、上板、下板、ならびに左右両側の側板からなり、当該上板、下板、ならびに左右両側の側板が第1の閉鎖断面を構成する閉鎖断面構成部分と、前記閉鎖断面構成部分の両側の側板に沿って前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ突出するようにそれぞれ設けられた一対の側壁と、前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ張り出し、前記一対の側壁により側方を覆われて第2の閉鎖断面を構成する張出し部分と、を有しており、前記側壁は、前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ突出する突出部と、前記突出部の突出方向の端部に設けられ、前記第2のブーム体の長手方向の端部に着脱自在に係合可能な第1係合部と、前記突出部よりも下方かつ前記閉鎖断面構成部分寄りの位置に配置され、前記第2のブーム体の長手方向の端部に着脱自在に係合可能な第2係合部とを有しており、前記第1係合部は、前記第2のブーム体の長手方向の端部に係合可能な切欠きを有しており、前記張出し部分は、前記突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分を有する、ことを特徴とする。
本発明は、第1のブーム体の第1係合部が第2係合部よりも閉鎖断面構成部分の長手方向に突出して配置されることによりブーム体同士の連結作業の作業性を容易にした構造において、第1の係合部を張出し部分によって補強することにより側壁の軽量化を図るものである。かかる構成によれば、第1のブーム体と第2のブーム体とを連結する場合、第1のブーム体の一対の側壁が有する第1係合部および第2係合部によって、第2のブーム体の長手方向の端部に係合される。まず、第1のブーム体を移動させて、側壁のうち閉鎖断面構成部分の長手方向へ突出する突出部において当該突出部の突出方向の端部に設けられた第1係合部の切欠きを、第2のブーム体の長手方向の端部に係合させる。ついで、突出部よりも下方かつ前記閉鎖断面構成部分寄りに位置する第2係合部を第2のブーム体の長手方向の端部にピン結合などによって係合させることにより、ブーム体同士の連結作業を容易に行うことが可能である。
また、張出し部分は、突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分を有しているので、切欠きを有する第1係合部が設けられた側壁の突出部を集中的に補強することが可能である。そのため、切欠きの内壁が開いて変形するおそれを低減することが可能になる。その結果、応力集中が生じやすい切欠きを有する側壁においても、側壁の剛性および強度を確保した状態で、側壁に使用される鋼板等の材料を薄くして側壁の軽量化が可能になる。また、側壁の軽量化および薄型化が可能になるので、製造コストを抑えることが可能になる。
前記張出し部分の突出方向の先端は、前記第1係合部と前記第2係合部を結ぶ直線よりも当該突出方向において前方に位置しているのが好ましい。
かかる構成によれば、張出し部分の両側端は、側壁において第2のブーム体からの荷重を受けやすい第1係合部と第2係合部との間の範囲に結合して、当該範囲の補強をすることが可能である。また、張出し部分が第1および第2係合部に近い場所で両側の側壁に結合してこれら両側の側壁を一体化しているので、側壁の支持剛性が向上することが可能である。
さらに、前記張出し部分の前記突出方向の先端は、前記第2係合部よりも前記第1係合部に近い位置に配置されている、のが好ましい。
かかる構成によれば、張出し部分を、切欠きを有する第1係合部により近づけて配置することが可能になり、側壁における切欠き付近の部分を張出し部分によって集中的に補強することが可能になる。そのため、切欠きの内壁が開いて変形するおそれをさらに低減することが可能になる。
さらに、前記張出し部分は、前記上板を前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ延長した長手方向延長部分をさらに有しており、前記突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分は、前記長手方向延長部分の先端側端部から前記張出し部分における前記突出方向の先端まで連続しており、前記長手方向延長部分の先端側端部は、前記第2係合部よりも前記突出方向において前方の位置に配置されている、のが好ましい。
かかる構成によれば、張出し部分における前記突出方向の先端だけでなく、上板を閉鎖断面構成部分の長手方向へ延長した長手方向延長部分の先端側端部も切欠きを有する第1係合部に近づけて配置することが可能になり、これにより、当該先端側端部と突出方向の先端との間の突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分を第1係合部にさらに近づけることが可能になる。その結果、張出し部分のより広範囲の部分を側壁における切欠き付近の部分に近づけてより集中的に補強することが可能になり、切欠きの内壁が開いて変形するおそれをより一層低減することが可能になる。
さらに、前記第2のブーム体は、その長手方向の端部において、当該第2のブーム体の長手方向へ凹み、前記張出し部分が収容可能な凹み部分を有している、のが好ましい。
かかる構成によれば、第1のブーム体の長手方向の端部の張出し部分が第2のブーム体の長手方向の端部の凹み部分に入り込むことが可能であり、ブーム体同士の結合部分における剛性を向上することが可能である。また、張出し部分による突出量を凹み部分で吸収することにより、ブーム体同士の結合部分におけるこれらブーム体の長手方向への寸法の増大を抑制することが可能である。
さらに、前記第2係合部は、前記第1係合部に対して前記切欠きにおける開口から奥端へ向かう方向に配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、第2のブーム体の長手方向の端部が第1係合部の切欠きに係合した状態で、第2係合部が第2のブーム体の長手方向の端部に係合することにより、第2の係合部によって、第2のブーム体の長手方向の端部が第1係合部の切欠きの奥端から開口へ向かう移動を確実に規制することが可能である。
本発明によると、分割式ブームの側壁の軽量化が可能であり、かつ、組立作業における労力低減が可能になる。
本発明の解体機の実施形態に係る超ロングアタッチメント付き解体機のアタッチメントを伸長して立ち上げた状態の概略側面図である。 図1の解体機のアタッチメントを折り畳んだ状態の概略側面図である。 図1のアタッチメントのインサートブームの正面図である。 図3のインサートブームの平面図である。 図4のV―V線断面図である。 図5の張出し部分の拡大図である。 図2のアタッチメントの折り畳んだ状態において、インサートブーム同士を連結する前の状態を示す断面図である。 図2のアタッチメントの折り畳んだ状態において、インサートブーム同士を連結する前の状態を示す平面図である。 図2のアタッチメントの折り畳んだ状態において、インサートブーム同士を連結する前の状態を示す底面図である。 図7のインサートブーム同士を連結した後の状態を示す断面図である。 図7のインサートブーム同士を連結した後の状態を示す平面図である。 図7のインサートブーム同士を連結した後の状態を示す底面図である。 図1のアタッチメントのメインブームの正面図である。 図13のメインブームの縦断面図である。 図13のメインブームの斜視図である。
以下の実施形態では、本発明の作業機械の一実施形態として、背景技術の説明に合わせて超ロングアタッチメント付き解体機1を適用対象としている。
本実施形態の解体機1は、図1〜2に示されるように、ベースマシン2と、作業アタッチメント3とから構成されている。ベースマシン2は、クローラ式の下部走行体4と、この下部走行体4上に垂直軸まわりに旋回自在に搭載された上部旋回体5とによって構成されている。作業アタッチメント3は、ベースマシン2の前部に取り付けられている。
作業アタッチメント3は、ベースマシン2(上部旋回体5)に起伏自在に取り付けられたブーム6と、このブーム6の先端部に水平軸まわりに上下方向に回動可能に取り付けられた短尺のインターブーム7と、このインターブーム7の先端に対して後端部が水平軸まわりに上下方向に回動可能に取り付けられたアーム8と、このアーム8の先端部に取り付けられたニブラなどの破砕装置9とを具備している。
ブーム6は、複数のブーム体、すなわち、メインブーム6aと、フロントブーム6bと、インサートブーム6c1、6c2とから構成されている。メインブーム6aは、ブーム6の根元側の部分を構成し、上部旋回体5に起伏自在に取り付けられる。フロントブーム6bは、ブーム6の先端側の部分を構成し、その先端部にインターブーム7が回動自在に取り付けられる。インサートブーム6c1、6c2は、メインブーム6aとフロントブーム6bとの間に介在して、ブーム6の長さを解体作業に適応した長さに延長することが可能である。
これらのフロントブーム6b、インサートブーム6c1、インサートブーム6c2、およびメインブーム6aは、その順番に直線状に並んで互いに連結されることにより、長尺のブーム6を構成している。
また、図1〜2に示されるように、作業アタッチメント3を作動させるシリンダとして、ブーム6(アタッチメント3全体)を起伏させるブームシリンダ10と、インターブーム7を作動させるインターブームシリンダ11と、アーム8を作動させるアームシリンダ12と、それに破砕装置9を水平軸回りに回動させる破砕装置シリンダ13とが設けられている。
また、図2に示されるように、作業アタッチメント3の折り畳み輸送時には、同アタッチメント3を、インターブーム7を境としてフロントブーム6bが上側、アーム8が下側となる三つ折れ状態に折り畳んで地上に置き、ベースマシン2とメインブーム6aの組と、メインブーム6aおよびインサートブーム6c2を除く作業アタッチメント3aの組と、インサートブーム6c2とに切り離して輸送し、輸送後には、同じ状態で組み立てられる。
この作業アタッチメント3では、図2に示されるように三つ折れ状態に折り畳んだ後にインサートブーム6c2をインサートブーム6c1から切り離し、その後メインブーム6aから切り離される。組み立てるときには、その逆の手順で連結される。
(インサートブーム6c2の構成)
ここで、ブーム6を構成する複数のブーム体の一例として、インサートブーム6c2の構成について具体的に説明する。ここでは、インサートブーム6c2は本発明の第1のブーム体に対応し、そのインサートブーム6c2の先端側に接続されるインサートブーム6c1は本発明の第2のブーム体に対応している。さらに、インサートブーム6c1、6c2は、以下で説明される点については同じ構成を有しているので、インサートブーム6c1の構成についての説明は本実施例では省略する。さらに、インサートブーム6c2の後端側に接続されるメインブーム6a(図13〜15参照)は、インサートブーム6c2の前側部分(例えば、後述する一対の前方側壁22、張出し部分26およびピン支持部25)を有する点において、インサートブーム6c2と共通している。
図3〜5に示されるように、インサートブーム6c2は、本体20と、一対の前方側壁22と、一対の後方側壁23と、固定ピン24と、ピン支持部25とを備えている。
<前方側壁22>
一対の前方側壁22は、後述する本体20の閉鎖断面構成部分21の長手方向(本実施形態では前方)へ突出し、具体的には、閉鎖断面構成部分21を構成する両側の側板21c、21dに沿ってこれら側板の前端21c1、21d1よりも前方に延び、本体20の前方へ突出するようにそれぞれ配置されている。前方側壁22は、本発明の側壁に対応する。
前方側壁22は、前方へ突出する突出部22bを有している。突出部22bは、ピン孔33よりも上部側で構成されていればよく、その上縁22cと下縁22dとの間隔については本発明ではとくに限定するものではない。また、前方側壁22は、インサートブーム6c2よりも先端側に設けられるインサートブーム6c1の後端部に着脱自在に係合可能な2つの係合部として、フック部30およびピン取付部31を有している。フック部30は、本発明の第1係合部に対応し、ピン取付部31は、本発明の第2係合部に対応している。
図5〜6に示されるように、フック部30は、突出部22bの突出方向の端部、本実施形態では前方側端部に設けられている。フック部30は、先端側のインサートブーム6c1の後端部(具体的には、図3〜5の固定ピン24と同一形状の固定ピン)に係合可能な切欠き32を有している。切欠き32の奥端32b付近の内壁は、円弧状である。フック部30は、ピン取付部31よりも、前方側壁22の突出方向Aの先端22aに近く、かつ、上板21aに近い位置に配置されている。切欠き32の開口32aは、前方側壁22の前方上方へ向けて開口している。本実施形態の前方側壁22では、切欠き32の周辺を部分的に鋼板を重ね合わせることにより補強されている。
ピン取付部31は、突出部22bよりも下方で、しかも閉鎖断面構成部分21寄り、本実施形態では後方の位置に配置されている。ピン取付部31は、前方側壁22を貫通して形成された円形のピン孔33を有している。ピン孔33は、フック部30に対して切欠き32における開口32aから奥端32bへ向かう方向Cに配置されている。
本実施形態の突出部22bは、その上縁22cが閉鎖断面構成部分21より先端方向(前方)に位置しており、かつ、その下縁22dがピン取付部31(第2係合部)より先端方向(前方)に位置するように、形成されている。
<本体20>
本体20は、閉鎖断面構成部分21と、閉鎖断面構成部分21の前方側の張出し部分26と、閉鎖断面構成部分21の後方側の凹み部分27とを有する。
閉鎖断面構成部分21は、上板21aと、下板21bと、左右両側の側板21c、21dとを有し、矩形の閉鎖断面(本発明の第1の閉鎖断面に対応する)を有する長尺の筐体である。上板21aと下板21bとは、上下方向に離間して配置され、当該上板21aおよび下板21bの両側端は両側の側板21c、21dに溶接されている。
左右両側の側板21cおよび21dのそれぞれの前後の辺(すなわち、図3および図5の前端21c1、21d1、後端21c2、21d2参照)は、下板21bから上板21aに向かうにつれて前方(図3では突出方向Aの向き)へ傾斜している。
張出し部分26は、閉鎖断面構成部分21の前方側において、一対の前方側壁22の間で上板21aから下板21bにかけて連続するように前方へ突出している。
張出し部分26の両側の側端26b(図4参照)は、一対の前方側壁22に対して溶接によって結合されている。これにより、張出し部分26は、一対の前方側壁22により側方を覆われることによって閉鎖断面(本発明の第2の閉鎖断面に対応する)を構成する。
張出し部分26は、閉鎖断面構成部分21の前方側において、一対の側壁22の間で突出部22bを横切るように当該突出部22bの上縁22cから下縁22dに及ぶ範囲に構成されている部分(以下、上下縁間部分という)26cを有している。本実施形態では、上下縁間部分26cは、突出部の上縁22b付近から下縁22c付近にまで及ぶ範囲に構成されている。
張出し部26は、両側から前方側壁22によって閉塞された閉鎖断面構造を有しており高い強度を有するので、フック部30の補強の観点から、張出し部26の上下縁間部分26cは、フック部30(第1係合部)寄りに配置されていることが望ましく、とくに前方側壁22の突出部22bの上縁22cから下縁22dにわたり、フック部30寄りに配置されていることが望ましい。
また、本実施形態の張出し部分26では、図6に示されるように、張出し部分26の突出方向A(すなわち、前方側壁22の突出方向Aと同じ方向)の先端26aは、前方側壁22におけるフック部30の中心O1とピン取付部31の中心O2を結ぶ直線Lよりも当該突出方向Aにおいて前方に位置している。ここで、フック部30の中心O1は、切欠き32の円弧状の奥端面の曲率中心であり、ピン取付部31の中心O2は、円形のピン孔33の中心である。
また、張出し部分26の突出方向Aの先端26aは、ピン取付部31のピン孔33よりもフック部30の切欠き32に近い位置になるように、上板21a側へ偏って配置されている。
図6に示されるように、張出し部分26の全体形状を見た場合、張出し部分26は、前方延長部分21a1と、上記の上下縁間部分26cと、先端下側部分26dとから構成されている。前方延長部分21a1は、本発明における閉鎖断面構成部分21の長手方向(前方)へ延長した長手方向延長部分に対応する。
前方延長部分21a1は、上板21aの前端部を側板21c、21dの前端(図6の側板21dの前端21d1参照)よりも前方(突出方向Aの向き)へ延長した部分である。
上下縁間部分26cは、前方延長部分21a1の前方側端部P1から張出し部分26における突出方向Aの先端26aまで連続する。
先端下側部分26dは、先端26aから下板21bに連続する部分である。
前方延長部分21a1の前方側端部P1は、ピン取付部31のピン孔33よりも突出方向Aにおいて前方の位置に配置されている。
一方、張出し部分26を各構成部品ごとに見た場合、張出し部分26は、前方へ突出するように曲げられた前板35と、上板21aの前方延長部分21a1および折曲部分21a3と、ピン支持部25の円筒部分25aと、下板21bの前方延長部分21b1とからなる。
上板21aの前方延長部分21a1は、前述の通りである。上板21aの折曲部分21a3は、前方延長部分21a1の前端部P1からさらに斜め下方へ延長するように、上板21aの前端部が折り曲げられた部分である。
前板35は、張出し部分26の突出方向Aの先端26aに対応する位置で曲げられている。上板21aの折曲部分21a3と前板35の上端とは、溶接ポイント36の位置で溶接されている。これにより、前板35における先端26aよりも上方の部分と上板21aの折曲部分21a3とによって、上記の上下縁間部分26cが構成されている。
本実施形態では、張出し部分26が上板21aの前方延長部分21a1の前端部P1から前方へ突出する形状を有するように、前方延長部分21a1と折曲部分21a3との角度θは、90度よりも大きい角度(すなわち、鈍角)になるように設定されているので、解体作業中に生じる前端部P1における応力集中を緩和することが可能である。
下板21bの前方延長部分21b1は、下板21bの前端部を側板21c、21dの前端(図6の前端21d1参照)よりも前方へ延長した部分である。前方延長部分21b1の前端部は、円筒部分25aに溶接されている。また、前板35の下端も、円筒部分25aに溶接されている。上記の先端下側部分26dは、前板21のうち先端26aから円筒部分25aに接続される端部までによって構成されている。本実施形態の先端下側部分26は、円筒部分25aを介して下板21bの前方延長部分21b1に連結されている。
図3〜5に示されるように、凹み部分27は、インサートブーム6c1の後端において、当該インサートブーム6c1の前方へ凹み、当該インサートブーム6c1の後端側に接続されるメインブーム6aの張出し部分26(図13〜15参照)が収容することが可能な形状を有している。
凹み部分27の両側の側端27b(図4参照)は、一対の後方側壁23に対して溶接によって結合されている。
凹み部分27は、閉鎖断面構成部分21の後方側に設けられており、前方(突出方向Aの向き)へ凹んだ形状を有している。凹み部分27は、前方へ突出するように曲げられた後板37と、上板21aの後方延長部分21a2と、下板21bの後方延長部分21b2と、上部円筒28と、下部円筒29とからなる。上板21aの後方延長部分21a2は、上板21aの後端部を側板21c、21dの後端(図5の側板21dの後端21d2参照)よりも後方へ延長した部分であり、下板21bの後方延長部分21b2は、下板21baの後端部を側板21c、21dの後端(同図5の後端21d2参照)よりも後方へ延長した部分である。上部円筒28は、インサートブーム6c2の幅方向W(図4参照)に延びており、上板21aの後方延長部分21a2および後板37にそれぞれ溶接されている。上部円筒28と同様に、下部円筒29は、インサートブーム6c2の幅方向W(図4参照)に延びており、下板21bの後方延長部分21b2および後板37にそれぞれ溶接されている。
本実施形態の本体20では、左右両側の側板21c、21dを有する範囲は、矩形の閉鎖断面を有する閉鎖断面構成部分21を構成し、側板21c、21dの前端21c1、21d1よりも前方へはみだした部分は張出し部分26を構成し、さらに、側板21c、21dの後端21c2、21d2よりも後方へはみだした部分は凹み部分27を構成している。
<後方側壁23>
図3〜5に示されるように、一対の後方側壁23は、閉鎖断面構成部分21の両側の側板21c、21dに沿ってこれら側板の後端21c2、21d2よりも後方(図3および図5の突出方向Aと反対の方向B)に延び、本体20の後方へ突出するようにそれぞれ設けられている。
後方側壁23は、インサートブーム6c2の後端側に接続されるメインブーム6aのフック部30およびピン取付部31(図13〜15参照)に接続される。
後方側壁23の後端上側の位置には、ピン孔23aが形成されている。一対の後方側壁23のピン孔23aは、固定ピン24の両端部がそれぞれ嵌合することが可能な寸法に設定されている。
また、後方側壁23の後端下側には、後方(図3および図5の方向B)へ突出する後方突出部分23bが形成されている。その後方突出部分23bの先端部付近には、ピン孔23cが形成されている。ピン孔23cは、インサートブーム6c2の後端側に接続されるメインブーム6aの前方側壁22のピン取付部31のピン孔33(図13〜15参照)とほぼ同一の直径を有している。
インサートブーム6c2とメインブーム6aとを接続するときに、インサートブーム6c2側の後方側壁23のピン孔23cとメインブーム6a側の前方側壁22のピン孔33とが重ね合わされ、これらピン孔23cと33とを貫通するようにピン50(図10〜12参照)が挿入されることにより、インサートブーム6c2側の後方側壁23とメインブーム6a側の前方側壁22とが係合が達成される。
ピン50としては、図10〜12に示されるように、例えば、作業者によるピンの抜き差し作業が容易なように、インサートブーム6c2側の一対の後方側壁23にそれぞれ係合される短い2本のピンが用いられる。
<固定ピン24>
図3〜5に示されるように、固定ピン24は、上板21aの幅方向W(図4参照)に延び、その両端部が上記の後方側壁23の後端のピン孔23aにそれぞれ嵌合している。固定ピン24は、インサートブーム6c2の幅と同じかまたはそれ以上の長さを有する。固定ピン24は、インサートブーム6c2の後端側に接続されるメインブーム6aの前方側壁22におけるフック部30の切欠き32に係合される。
<ピン支持部25>
図3〜5に示されるように、ピン支持部25は、インサートブーム6c2の一対の前方側壁22のピン孔33およびその先端側のインサートブーム6c1の一対の後方側壁23のピン孔23cに挿入される短いピン50(図10〜12参照)をインサートブーム6c2の幅方向Wにおける外側から支持する。ピン支持部25は、円筒部分25aと、一対の連結板25bとを有している。
円筒部分25aは、一対の前方側壁22を貫通して設けられている。円筒部分25aは、一対の前方側壁22の間において、前板35、および下板21bの前方延長部分21b1にそれぞれ溶接されている。さらに、円筒部分25aと一対の前方側壁22とは、前方側壁22における円筒部分25aが貫通している部分の周辺で溶接されている。
一対の連結板25bは、細長い板状の部材からなる。連結板25bの後方側の部分は、連結板25bと前方側壁22との間に隙間34が形成されるように、円筒部分25aの両端部にそれぞれ溶接されている。隙間34には、インサートブーム6c2の先端側に接続されるインサートブーム6c1の後方側壁23の後方突出部分23b(図7〜9参照)を挿入することが可能である。
また、連結板25bの前方側の部分には、ピン孔25b1が形成されている。ピン孔25b1は、当該連結板25bと対向する前方側壁22のピン孔33とほぼ同一の直径を有しており、かつ、当該ピン孔33と同一軸線上に並んでいる。
(メインブーム6aの構成)
図13〜15に示されるメインブーム6aは、一対の前方側壁22と、ピン支持部25と、張出し部分26を有する本体51と、上部旋回体連結筒52と、シリンダ連結筒53とを備えている。
メインブーム6aは、前述のように、インサートブーム6c2の前側部分、すなわち、一対の前方側壁22、張出し部分26およびピン支持部25を有する点において、インサートブーム6c2と共通している。このメインブーム6aにおいても、上記インサートブーム6c2と同様に、張出し部分26は、閉鎖断面構成部分54の前方側において、一対の側壁22の間で突出部22bの上縁22cから下縁22dに及ぶ範囲に構成されている上下縁間部分26cを有している。これらの部分についての詳細な説明は省略する。
メインブーム6aの本体51は、閉鎖断面構成部分54と、閉鎖断面構成部分54の前方側の張出し部分26とを有する。
閉鎖断面構成部分54は、上板54aと、下板54bと、一対の側板54c、54dとを有している。側板54cおよび54dは、上板54aと下板54bとの間に上下から挟まれている。側板54cおよび54dのそれぞれの上端および下端は、上板54aおよび下板54bに溶接されている。上板54aおよび下板54bの両側端は、側板54cおよび54dよりも幅方向外側へ突出している。下板54bは、後方側へ行くにつれて上方へ傾斜するように配置されている。上板54aおよび下板54bの後方側端部は、上部旋回体連結筒52に溶接されている。
上部旋回体連結筒52は、図1〜2に示されるベースマシン2の上部旋回体5に取り付けられた水平軸によって回転自在に支持されている。これにより、メインブーム6aは、上部旋回体5に起伏自在に取り付けられる。
シリンダ連結筒53は、図1〜2に示されるブームシリンダ10のロッド先端部に対してピンなどによって揺動自在に結合される。
(フロントブーム6bの構成)
図1〜2に示されるフロントブーム6bの先端側には、インターブーム7が水平軸回りに回転軸回りに連結されている。また、フロントブーム6bの後端側には、インサートブーム6c1の先端部が接続されている。
フロントブーム6bの後側部分は、上記のインサートブーム6c2の後側部分と同様の構成、すなわち、一対の後方側壁23、凹み部分27および固定ピン24を有している。これらの部分についての説明は省略する。
(インサートブーム6c1、6c2間の接続方法についての説明)
つぎに、本発明のブーム6を構成する複数のブーム体の接続方法の一例として、図7〜12を参照しながら、インサートブーム6c1、6c2間の接続方法について説明する。
インサートブーム6c1とインサートブーム6c2を接続する前では、図7〜9に示されるように、インサートブーム6c1の後端部をインサートブーム6c2の先端部に向かい合わせる。具体的には、図2に示されるように、作業アタッチメント3のうちメインブーム6aおよびインサートブーム6c2を除く作業アタッチメント3aの組を三つ折れにした状態で地面に設置しておき、メインブーム6aの先端にあらかじめ接続されたインサートブーム6c2を移動させて、当該インサートブーム6c2の先端部をインサートブーム6c1の後端部に向かい合わせるように位置合わせをする。
ついで、図10〜12に示されるように、ベースマシン2の駆動によって、インサートブーム6c2を前進させてインサートブーム6c1の後端部に接続する。
具体的には、まず、インサートブーム6c2の前方側壁22の突出方向A(図3参照)における先端側であってピン取付部31のピン孔33よりも上板21aに近い位置にあるフック部30の切欠き32を、インサートブーム6c1の後端部に配置された固定ピン24に係合させる。
このとき、図11〜12に示されるように、インサートブーム6c1側の後方側壁23の後方突出部分23bは、インサートブーム6c2側の連結板25bと前方側壁22との隙間34に挿入される。これにより、インサートブーム6c1側の後方側壁23のピン孔23cは、インサートブーム6c2側の前方側壁22のピン孔33および連結板25bのピン孔25b1に同軸状に並んで連通する。
また、それと同時に、図10に示されるように、インサートブーム6c2側の閉鎖断面構成部分21の前方へ突出する張出し部分26は、インサートブーム6c1の後端部から前方へ凹む凹み部分27の内側に入り込む。
その後、作業者は、一対の短いピン50を、インサートブーム6c2の両側からピン孔25b1、23cおよび33の全てを貫通させて、インサートブーム6c2側の前方側壁22とインサートブーム6c1側の後方側壁23とを係合する。これにより、インサートブーム6c1とインサートブーム6c2とは、前方側壁22の上側においては固定ピン24と切欠き32とが係合し、その下側においてはピン50によって前方側壁22と後方側壁23とが結合されることにより、インサートブーム6c1の後端部とインサートブーム6c2の前端部とが2箇所で安定して固定される。これによって、インサートブーム6c1、6c2間の接続が完了する。
また、上記のインサートブーム6c1、6c2間の接続と同様に、他のブーム体間の接続も可能である。例えば、フロントブーム6bとインサートブーム6c1との間の連結についても、上記の手順で接続作業を行うことが可能である。この場合、インサートブーム6c1が本発明の第1のブーム体に対応し、フロントブーム6bが本発明の第2のブーム体に対応する。これと同様に、インサートブーム6c2とメインブーム6aとの間の連結についても、上記の手順で接続作業を行うことが可能である。この場合、メインブーム6aが本発明の第1のブーム体に対応し、インサートブーム6c2が本発明の第2のブーム体に対応する。
一方、上記のブーム体同士の接続を解除する場合には、上記の接続方法と逆の手順によって、これらのブーム体同士の接続を解除することが可能である。
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態のブーム6では、ブーム6を構成する複数のブーム体同士の連結、例えば、インサートブーム6c2とその先端側のインサートブーム6c1とを連結する場合、インサートブーム6c2の一対の前方側壁22が有するフック部30およびピン取付部31によって、インサートブーム6c1の後端部に係合される。まず、インサートブーム6c2を移動させて、前方側壁22の前側上部から前方へ突出する突出部22bにおいて当該突出部22bの前方側端部に設けられたフック部30の切欠き32を、インサートブーム6c1の後端部の固定ピン24に係合させる。ついで、突出部22bよりも下方であって、後方(閉鎖断面構成部分21寄り)に位置するピン取付部31のピン孔33をインサートブーム6c1の後端部のピン孔23cに重ね合わせてピン50で結合することによって、インサートブーム6c2の前方側壁22とその先端側のインサートブーム6c1の後方側壁23とを係合させることが可能になる。その結果、インサートブーム6c1とインサートブーム6c2の連結作業を容易に行うことが可能である。
また、これと同様の手順によって、他のブーム体間の連結、すなわち、フロントブーム6bとインサートブーム6c1との間ならびにインサートブーム6c2とメインブーム6aとの間の連結作業も容易に行うことが可能である。
(2)
また、本実施形態では、張出し部分26は、閉鎖断面構成部分21の前方側において、一対の前方側壁22の間で突出部22bの上縁22cから下縁22dに及ぶ範囲に構成されている上下縁間部分26cを有しているので、切欠き32を有するフック部30が設けられた前方側壁22の突出部22bを集中的に補強することが可能である。そのため、切欠き32の内壁が開いて変形するおそれを低減することが可能になる。その結果、応力集中が生じやすい切欠き32を有する前方側壁22においても、前方側壁22の剛性および強度を確保した状態で、前方側壁22に使用される鋼板等の材料を薄くして前方側壁22の軽量化が可能になる。また、前方側壁22の軽量化および薄型化が可能になるので、製造コストを抑えることが可能になる。
(3)
また、本実施形態では、本体20における閉鎖断面構成部分21の前方へ張り出す張出し部分26は、その突出方向Aの先端26aがフック部30とピン取付部31を結ぶ直線L(図6参照)よりも当該突出方向Aにおいて前方に位置しているので、フック部30に近づけて配置することが可能であり、前方側壁22における切欠き32付近の部分を張出し部分26によって補強することが可能になる。そのため、切欠き32の内壁が開いて変形するおそれを低減することが可能になる。しかも、張出し部分26の両側端は、前方側壁22においてインサートブーム6c1からの荷重を受けやすいフック部30とピン取付部31との間の範囲に結合して、当該範囲の補強をすることが可能である。また、張出し部分26がフック部30およびピン取付部31に近い場所で両側の前方側壁22に結合して、両側の前方側壁22を一体化しているので、前方側壁22の支持剛性が向上している。その結果、応力集中が生じやすい切欠き32を有する前方側壁22においても、前方側壁22の剛性および強度を確保した状態で、前方側壁22に使用される鋼板等の材料を薄くして前方側壁22の軽量化が可能になる。また、前方側壁22の軽量化および薄型化が可能になるので、製造コストを抑えることが可能になる。
しかも、前方側壁22の支持剛性が張出し部分26との結合によって向上しているので、フック部30とピン取付部31との距離を広くすることが可能である。
(4)
本実施形態のブーム6では、張出し部分26における突出方向Aの先端26aは、ピン取付部31よりもフック部30に近い位置に配置されているので、張出し部分26を、切欠き32を有するフック部30により近づけて配置することが可能になり、前方側壁22における切欠き32付近の部分を張出し部分26によって集中的に補強することが可能になる。そのため、切欠き32の内壁が開いて変形するおそれをさらに低減することが可能になる。
(5)
本実施形態のブーム6では、張出し部分26は、上板21aを前方へ延長した前方延長部分21a1を有しており、上下縁間部分26cは、当該前方延長部分21a1の前方側端部P1から張出し部分26における突出方向Aの先端26aまで連続しており、前方延長部分21a1の前方側端部P1は、ピン取付部31よりも突出方向Aにおいて前方の位置に配置されている。この構成によって、張出し部分26における突出方向Aの先端26aだけでなく、上板21aを前方へ延長した前方延長部分21a1の前方側端部P1も切欠き32を有するフック部30に近づけて配置することが可能になる。これにより、当該前方側端部P1と突出方向Aの先端26aとの間の上下縁間部分26cをフック部30に近づけることが可能になる。その結果、張出し部分26のより広範囲の部分を前方側壁22における切欠き32付近の部分に近づけて集中的に補強することが可能になり、切欠き32の内壁が開いて変形するおそれをより一層低減することが可能になる。
(6)
本実施形態のブーム6では、インサートブーム6c1は、その後端において、当該インサートブーム6c1の前方へ凹み、張出し部分26が収容可能な凹み部分27を有している。この構成によって、インサートブーム6c2の先端側の張出し部分26がインサートブーム6c1の後端側の凹み部分27に入り込むことが可能であり、ブーム体同士の結合部分における剛性を向上することが可能である。また、張出し部分26による突出量を凹み部分27で吸収することにより、ブーム体同士の結合部分におけるこれらブーム体の長手方向への寸法の増大を抑制することが可能である。
(7)
本実施形態のブーム6では、ピン取付部31は、フック部30に対して切欠き32における開口32aから奥端32bへ向かう方向Cに配置されている。この構成によって、インサートブーム6c1の後端部の固定ピン24がフック部30の切欠き32に係合した状態で、ピン取付部31がインサートブーム6c1の後端部の固定ピン24に係合することにより、ピン取付部31によって、インサートブーム6c1の後端部の固定ピン24がフック部30の切欠き32の奥端から開口へ向かう移動を確実に規制することが可能である。
(変形例)
(A)
上記の実施形態では、インサートブーム6c2の閉鎖断面構成部分21の前方側において、切欠きを有する第1係合部が設けられた側壁の突出部を張出し部分によって補強する構造、すなわち、前方側壁22の突出部21bの前方側端部にフック部30(第1係合部)が設けられ、かつ、突出部21bの下方かつ後方にピン取付部31(第2係合部)設けられ、さらに、閉鎖断面構成部分21の前方側に張出し部分26が設けられ、当該張出し部分26が突出部21bの上縁21cから下縁21dに及ぶ範囲に構成されている上下縁間部分26cを有する構造が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、閉鎖断面構成部分21の後方側において、切欠きを有する第1係合部が設けられた側壁の突出部を張出し部分によって補強する構造であってもよい。
その場合、後方側壁23に設けられる後方突出部の後方側端部に切欠きを有する第1係合部が設けられ、かつ、後方突出部の下方かつ前方(閉鎖断面構成部分21)寄りに第2係合部が設けられ、さらに、閉鎖断面構成部分21の後方側に張出し部分が設けられ、当該張出し部分が後方突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分を有することにより、切欠きを有する第1係合部が設けられた後方側壁23の突出部を張出し部分によって補強することが可能である。
(B)
上記の実施形態では、インサートブーム6c2の後端部には、インサートブーム6c2の幅と同じかまたはそれ以上の長さを有する1本の固定ピン24が一対の後方側壁23のピン孔23aに嵌合されることによって両端固定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の短い固定ピンをそれぞれ一対の後方側壁23のピン孔23aから内側へ向けて突出するようにそれぞれのピン孔23aに嵌合するようにしてもよい。
(C)
以上の実施形態では、本発明の作業機械の一例として解体機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アタッチメント先端にマグネットを取り付けたリフマグ機等の他の作業機械にも広く適用することができる。
1 解体機
2 ベースマシン
3 作業アタッチメント
4 下部走行体
5 上部旋回体
6 ブーム
6a メインブーム
6b フロントブーム
6c1、6c2 インサートブーム
7 インターブーム
8 アーム
9 作業装置
21 閉鎖断面構成部分
21a 上板
21a1 前方延長部分(長手方向延長部分)
21b 下板
21c、21d 側板
21e 前板
22 前方側壁(側壁)
22a 先端
23 後方側壁
24 固定ピン
25 ピン支持部
26 張出し部分
26a 先端
26b 側端
26c 上下縁間部分
26d 先端下側部分
27 凹み部分
30 フック部(第1係合部)
31 ピン取付部(第2係合部)
32 切欠き
32a 開口
32b 奥端
33 ピン孔

Claims (6)

  1. 第1のブーム体と、
    当該第1のブーム体の長手方向の端部に配置された第2のブーム体と
    を備えており、
    前記第1のブーム体は、上板、下板、ならびに左右両側の側板からなり、当該上板、下板、ならびに左右両側の側板が第1の閉鎖断面を構成する閉鎖断面構成部分と、前記閉鎖断面構成部分の両側の側板に沿って前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ突出するようにそれぞれ設けられた一対の側壁と、前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ張り出し、前記一対の側壁により側方を覆われて第2の閉鎖断面を構成する張出し部分と、を有しており、
    前記側壁は、前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ突出する突出部と、前記突出部の突出方向の端部に設けられ、前記第2のブーム体の長手方向の端部に着脱自在に係合可能な第1係合部と、前記突出部よりも下方かつ前記閉鎖断面構成部分寄りの位置に配置され、前記第2のブーム体の長手方向の端部に着脱自在に係合可能な第2係合部とを有しており、
    前記第1係合部は、前記第2のブーム体の長手方向の端部に係合可能な切欠きを有しており、
    前記張出し部分は、前記突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分を有する、
    ことを特徴とする作業機械のブーム。
  2. 前記張出し部分の突出方向の先端は、前記第1係合部と前記第2係合部を結ぶ直線よりも当該突出方向において前方に位置している、
    請求項1に記載の作業機械のブーム。
  3. 前記張出し部分の前記突出方向の先端は、前記第2係合部よりも前記第1係合部に近い位置に配置されている、
    請求項2に記載の作業機械のブーム。
  4. 前記張出し部分は、前記上板を前記閉鎖断面構成部分の長手方向へ延長した長手方向延長部分をさらに有しており、
    前記突出部の上縁から下縁に及ぶ範囲に構成されている部分は、前記長手方向延長部分の先端側端部から前記張出し部分における前記突出方向の先端まで連続しており、
    前記長手方向延長部分の先端側端部は、前記第2係合部よりも前記突出方向において前方の位置に配置されている、
    請求項3に記載の作業機械のブーム。
  5. 前記第2のブーム体は、その長手方向の端部において、当該第2のブーム体の長手方向へ凹み、前記張出し部分が収容可能な凹み部分を有している、
    請求項1から4のいずれかに記載の作業機械のブーム。
  6. 前記第2係合部は、前記第1係合部に対して前記切欠きにおける開口から奥端へ向かう方向に配置されている、
    請求項1から5のいずれかに記載の作業機械のブーム。
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