JP2011144553A - 作業機械 - Google Patents

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Hisaaki Takahashi
久明 高橋
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Abstract

【課題】大型の機種に好適な、強度や剛性に優れた旋回フレームを備える作業機械を提供する。
【解決手段】旋回フレーム2は、前端部にアタッチメント4を支持するとともに後端部にカウンターウエイト7を支持するセンターセクション21を有している。センターセクション21は、底板23や一対の縦板24,24、一対の背板25,25を有し、前後方向に2分割されたフロントセクション21aとリアセクション21bとを接合することによって形成されている。フロントセクション21aには前底板23a、前縦板24a、前背板25aが設けられ、リアセクション21bには後底板23b、後縦板24b、後背板25bが設けられている。前底板23aと後底板23b、各前縦板24aと各後縦板24bとが突合せ溶接され、各前背板25aと各後背板25bとが重ね合わせ溶接されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関し、その中でも特に旋回フレームの構造に関する。
大型の油圧ショベルなどでは旋回フレームを2分割しておき、その後溶接して一体化する技術が開示されている(特許文献1〜3)。特に、旋回フレームの中でも、アタッチメントやカウンターウエイトなどの重量物を支える一対の縦板は旋回フレームの撓みや捩れを防ぐうえで重要であることから、その接合について様々な工夫が行われている。
特許文献1では、旋回フレームに固着されている左右一対のフレーム(縦板に相当)を前部立板と後部立板とに2分割している。後部立板には前部立板よりも厚手の鋼板が用いられていて、補強用の背板は除かれている。接合部の応力集中を避けるために、後部立板の上端前部には円形の曲面が形成されていて、前部立板の上端後部に形成された突起部が、その曲面の上部を覆うようにして、前部立板と後部立板とが溶接されている。
特許文献2の旋回フレームでは、左右一対の縦板をセンタビームとテールビームとに2分割している。左側のテールビームは、その上端面に上フランジ(背板に相当)が溶接されていて、断面T字状に形成されている。左側のテールビーム以外のセンタビーム等は、いずれも縦板のみからなる断面I字状に形成されている。そして、左側のテールビームはセンタビームに突合せ溶接され、右側のテールビームはセンタビームに重合せ溶接されている。上フランジの前部は突出していて、その下面はセンタビームの後部上面に溶接されている。
特許文献3の旋回フレームでは、一対のメインフレーム(縦板に相当)を板状前部と板状後部とに2分割している。軽量化するために、板状後部の板厚は板状前部の板厚よりも小さく設定されている。板状前部と板状後部との接合部は、前側に位置する旋回中心寄りに設けられていて、旋回中心側へ前上がりに傾斜する直線状に形成されている。各メインフレームにおける板状前部の一部及び板状後部にわたる部分に、上板(背板に相当)がそれぞれ1枚ずつ取り付けられている。
特開昭62−44964号公報 特開平11−229435号公報 特開2002−285577号公報
一般に、大型の機種になればそれだけ旋回フレームの全長も大きくなるため、旋回フレームの強度及び剛性の向上が求められる。それに対し、旋回フレームを2分割すれば強度等の低下を招くため、上述したように、接合の方法や接合部分の構造に工夫が必要となる。
その点、特許文献1の旋回フレームは、背板が設けられていないため、断面強度が低下することは否めない。断面強度を高めるには、フレームの板厚を大きくする必要があるが、大型の機種だとフレームも大きいことから大幅な重量増加を招くことになる。
特許文献2の旋回フレームは、左右の縦板が非対称構造になっているうえ、重合せ溶接される右側のテールビーム及びセンタビームは、幅方向にずらして設ける必要がある。そのため、アタッチメント等から一対の縦板に加わる荷重をバランスよく左右の縦板に分散させるのが難しく、偏った撓みや捩れが生じ易くなるおそれがある。
特許文献3の旋回テーブルでは、メインフレームが2分割されてはいるが、上板は分割されていないので、大型の機種の場合、加工設備に入らないおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、全長が長すぎてそのままでは加工設備に入らないような場合でも支障なく加工することができ、強度や剛性に優れた旋回フレームを備える作業機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、旋回フレームの主要部を前後に完全に2分割し、別個に加工して接合できるようにしたうえで、接合後の旋回フレームの強度等が損なわれないように工夫した。
具体的には、本発明に係る作業機械は、下部走行体と、上記下部走行体の上に旋回可能に支持される旋回フレームと、上記旋回フレームの前側に起伏可能に設けられる作業装置と、上記旋回フレームの後側に設けられるカウンターウエイトと、を備え、上記旋回フレームは、前端部に上記作業装置を支持するとともに後端部に上記カウンターウエイトを支持する支持部を有し、上記支持部が、前後方向に長い底板と、上記底板の上に、前後方向に平行に延びるように立設される一対の縦板と、上記一対の縦板のそれぞれの上端に1つずつ設けられ、上記縦板と略直交して上記縦板に沿って延びる一対の背板と、を有し、上記支持部は、前後方向に2分割された前側支持部と、後側支持部とを接合することによって形成されており、上記前側支持部には、上記底板、上記縦板、及び上記背板の前側部分を構成する前底板、前縦板、及び前背板がそれぞれ設けられ、上記後側支持部には、上記底板、上記縦板、及び背板の後側部分を構成する後底板、後縦板、及び後背板がそれぞれ設けられていて、上記前底板の後端部分と上記後底板の前端部分とが溶接され、上記各前縦板の後端部分と上記各後縦板の前端部分とが溶接され、上記各前背板の後端部分と上記各後背板の前端部分とが、重ね合わせた状態で溶接されている。
係る構成の作業機械によれば、旋回フレームの主体をなす支持部が、完全に2分割された前側支持部と後側支持部とを接合して形成されている。従って、支持部が既存の加工設備に入れることができない大きさであっても、ほぼその半分の大きさの前側支持部と後側支持部とに分けることできるので、それぞれ別個に加工設備に入れて加工することができる。
そして、前底板と後底板、各前縦板と各後縦板のそれぞれが溶接され、各前背板と各後背板とが重ね合わせた状態で溶接されているので、前側支持部と後側支持部との接合する際に、溶接部分を大きく設定することができ、強固に接合することができる。特に、各前背板と各後背板とが重ね合わせて溶接されているので、前後方向の撓みや捩れに強い構造とすることができる。一対の縦板等の構造を左右対称状にできるので、左右方向の撓みや捩れにも強い構造とすることができる。
より具体的には、上記各縦板は、後側に向かうに従って次第に高さが小さくなる傾斜部を有し、上記前側支持部と上記後側支持部との接合部位は、上記傾斜部が設けられている部分に位置し、上記前底板は、上記各前縦板の後端の下端よりも後方に突き出す突出底板部を有し、上記後底板は、上記各後縦板の前端の下端よりも引っ込んで上記突出底板部を受け入れる嵌合部を有し、上記各後背板は、上記各後縦板の前端の上端よりも前方に突き出す突出背板部を有し、上記突出底板部を上記嵌合部に嵌め合わせ、かつ、上記突出背板部を上記前背板の上に重ね合わせた状態で、接合部位が溶接されているようにすることができる。
支持部では、その前端部には作業装置が支持され、その後端部にカウンターウエイトが支持されているため、構造上、接合部位には前側支持部の後端が後側支持部の前端に対して相対的に上にずれる力が作用し易い。それに対し、この構成によれば、突出背板部や嵌合部によって前側支持部が後側支持部によって押さえ付けられるように構成されているので、前後方向の撓みを抑制することができる。接合部位の溶接部分を大きく設定できる点でも有利である。
また、この場合、上記前背板の後端は、上記前縦板の後端よりも前側に位置し、上記前縦板の後端の上部に、上記前背板の後端に連続する凸壁部が設けられ、上記凸壁部の上端面が上記前背板の上面に揃えられているようにしてあってもよい。
そうすれば、前背板と後背板の溶接部位と、前縦板と後縦板の溶接部位とが離れて位置するため、接合部位における縦板及び背板の断面構造の変化を緩慢にすることができ、よりバランスに優れた構造にできる。
このような接合構造の他にも、様々な構造を採用することができる。例えば、上記各縦板は、後側に向かうに従って次第に高さが小さくなる傾斜部を有し、上記前側支持部と上記後側支持部との接合部位は、上記傾斜部が設けられている部分に位置し、上記後底板は、上記各後縦板の前端の下端よりも前方に突き出す突出底板部を有し、上記前底板は、上記各前縦板の後端の下端よりも引っ込んで上記突出底板部を受け入れる嵌合部を有し、上記各前背板は、上記各前縦板の後端の上端よりも後方に突き出す突出背板部を有し、上記突出底板部を上記嵌合部に嵌め合わせ、かつ、上記突出背板部を上記前背板の上に重ね合わせた状態で、接合部位が溶接されているようにすることができる。
係る接合構造によれば、相対的に後縦板の高さを低くすることができ、高さ方向のスペースに制約がある場合などに有利である。
また、この場合にも、上記後背板の前端は、上記後縦板の前端よりも後側に位置し、上記後縦板の前端の上部に、上記後背板の前端に連続する凸壁部が設けられ、上記凸壁部の上端面が上記後背板の上面に揃えられているようにしておくことができる。
その他、前記突出背板部は、先が窄まるように形成してあってもよい。
そうすれば、突出背板部の長さ方向に沿って徐々に板幅が狭くなるため、接合強度を徐々に変化させることができ、接合をよりいっそう強固にできる。また、突出背板部が接合されている部分における縦板及び背板の断面構造の変化を緩慢にすることができ、よりいっそうバランスに優れた構造にできる。
また、上記前背板よりも上記後背板の方が板厚を大きく設定するのが好ましい。
縦板は相対的に前側が高く形成されているため、前側の部分(前縦板)の方が後側の部分(後縦板)に比べて強度及び剛性に優れている。従って、後背板の板厚を前背板よりも大きくすることで、縦板の前後方向の強度等をバランスよく補強することができる。
更に、上記前背板よりも上記後背板の方が板幅を小さく設定するのが好ましい。
板幅の異なる前背板と後背板とを重ね合わせて溶接することにより、比較的簡単なすみ肉溶接を用いて広い範囲を溶接することができるので、前背板と後背板とを強固に接合することができる。また、接合時に比較的多くの部分を簡単に溶接することができるため、前側支持部と後側支持部とを強固に接合することができ、作業性にも優れる。
以上説明したように、本発明によれば、旋回フレームの主要部である支持部を前側支持部と後側支持部とに完全に2分割し、別個に加工して接合できるようにしたうえで、接合後の旋回フレームの強度等が損なわれないように接合構造を工夫したので、例えば、全長が長すぎてそのままでは加工設備に入らないような場合でも、支障なく加工することができ、強度や剛性に優れた旋回フレームを備える作業機械を提供することができる。
実施形態の油圧ショベルを示す概略側面図である。 旋回フレームを示す概略斜視図である。 センターセクションを示す概略分解斜視図である。 フロントセクションとリアセクションの接合を説明するための概略図である。(a)は側面図、(b)は上面図である。 フロントセクションとリアセクションの接合状態を示す概略図である。(a)は側面図、(b)は上面図である。 フロントセクションとリアセクションの接合部位を示す概略斜視図である。 図6の矢印X方向から見た概略斜視図である。 (a)、(b)は、第1変形例の接合構造を説明するための概略図である。 第2変形例の接合構造を説明するための概略図である。 第3変形例の接合構造を説明するための概略図である。 第4変形例の接合構造を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
図1に、本発明を適用した油圧ショベル(作業機械)の一例を示す。この油圧ショベルでは、クローラ式の下部走行体1の上に、旋回フレーム2が旋回可能に支持されていて、その旋回フレーム2の上に様々な装置が搭載されて上部旋回体3が構成されている。
具体的には、旋回フレーム2の前側の幅方向略中央にアタッチメント4(作業装置)が起伏可能に設けられている。アタッチメント4の左側に隣接してキャブ5が設けられている。旋回フレーム2の後側にはエンジン等を収容した機械室6が設けられ、機械室6の後方(旋回フレーム2の後端部)にはカウンターウエイト7が設けられている。
図2に、旋回フレーム2を示す。旋回フレーム2は、アタッチメント4やカウンターウエイト7を支持するセンターセクション21(支持部)と、センターセクション21の左右両側に張り出すように設けられる左右のサイドデッキ22,22とを有している。センターセクション21には特に大きな荷重が加わるため、撓みや捩れが発生しないように強度及び剛性が必要とされる。
センターセクション21には、前後方向に長い略長方形をした底板23や、底板23の上に前後方向に平行に延びるように立設される一対の縦板24,24、これら一対の縦板24,24のそれぞれの上端に1つずつ設けられる一対の背板25,25、カウンターウエイト7を支持するために、一対の縦板24,24の後端部に一体に固着される支持ベース26などが設けられている。なお、図示はしないが、底板23の前部に支持機構が設けられていて、この支持機構によって旋回フレーム2は下部走行体1に旋回可能に支持されている。
各縦板24は、センターセクション21の前端部分から後端部分にわたって設けられ、側面から見て前側に頂が位置する略へ字形状に形成されている。各縦板24の頂のある部分(頂部27ともいう)の後側に続く各縦板24の前後方向の中間部分には、後側に向かうに従って次第に高さが小さくなる傾斜部28が設けられている。各縦板24の頂部27には、アタッチメント4の基部を回転自在に支持する軸孔29が形成されている。
各背板25は、縦板24の強度及び剛性を補強するために設けられ、上面から見て前側が窄まる長板状に形成されている。各背板25は、略直交するように各縦板24に連結され、縦板24に沿って延びるように、縦板24の頂部27の近傍から傾斜部28を経て縦板24の後端に至る部分に設けられている。
この油圧ショベルでは、センターセクション21を前後方向に2分割し、個別に加工できるように工夫されている。従って、機械加工設備に対しセンターセクション21の全長が長すぎる場合に効果的なものとなっている。
図3に示すように、センターセクション21は、センターセクション21を前後方向に略二等分するフロントセクション21a(前側支持部)と、リアセクション21b(後側支持部)とで構成されていて、これらフロントセクション21a及びリアセクション21bを接合することによって形成されている。
具体的には、フロントセクション21aには、底板23の前側部分を構成する前底板23aや、各縦板24の前側部分を構成する各前縦板24a、各背板25の前側部分を構成する各前背板25aがそれぞれ設けられている。リアセクション21bには、底板23の後側部分を構成する後底板23bや、縦板24の後側部分を構成する後縦板24b、背板25の後側部分を構成する後背板25bがそれぞれ設けられている。これらフロントセクション21aとリアセクション21bの接合部位は、縦板24の傾斜部28が設けられている部分に位置している。
これらフロントセクション21aとリアセクション21bとは、それぞれ個別に加工され、形成される。形成されたフロントセクション21aの後端部とリアセクション21bの前端部とが接合され、その接合部位を効果的に溶接することにより、センターセクション21が一体に形成されている。
図4〜図7に、接合部位について詳細に示す。図4に示すように、各前縦板24aの後端40aは前底板23aに対して略垂直に切り立つように形成されている。これら前縦板24aの後端40aに突合せ接合できるように、各後縦板24bの前端40bも後底板23bに対して略垂直に切り立つように形成されている。各前縦板24aの後端40aの高さ寸法は、各後縦板24bの前端40bの高さ寸法よりも前背板25aの板厚の分だけ小さく形成されている。各前底板23aは、各前縦板24aの後端40aの下端よりも後方に突き出す突出底板部30を有している。突出底板部30の後端は、左右方向に縦板24と略直交して延びている。一方、各後底板23bは、各後縦板24bの前端40bの下端よりも引っ込んで突出底板部30を受け入れる嵌合部31を有している。
各前背板25aの後端41aは、各前縦板24aの後端40aの上端に揃えられている。それに対し、各後背板25bは、各後縦板24bの前端40bの上端よりも前方に突き出す突出背板部32を有している。本実施形態の突出背板部32は、略矩形に形成されている。なお、前底板23aの上面に対し、各前縦板24aの下縁はT継手にしてすみ肉溶接により予め接合されている。これと同様に、後底板23bの上面と各後縦板24bの下縁、前背板25aの下面と前縦板24aの上縁、後背板25bの下面と後縦板24bの上縁のそれぞれもT継手にしてすみ肉溶接により予め接合されている。図中、これら溶接部位をw1で示す。
前底板23a及び後底板23bはいずれも略同一の板厚に、前縦板24a及び後縦板24bもいずれも略同一の板厚に設定されている。それに対し、図4の(a)に示すように、本実施形態の後背板25bの板厚t1は、前背板25aの板厚t2よりも大きく設定されている。上述したように、縦板24は相対的に前側が高く形成されているため、前側の部分(前縦板24a)の方が後側の部分(後縦板24b)に比べて強度及び剛性に優れている。従って、後背板25bの板厚t1を前背板25aよりも大きくすることで、縦板24の前後方向の強度等をバランスよく補強することができる。
また、図4の(b)に示すように、後背板25bの板幅n1は、前背板25aの板幅n2よりも小さく設定されている。こうすることで、後述するように前背板25aと後背板25bとを強固に接合することができ、材料コストの面でも有利となる。
フロントセクション21aとリアセクション21bとをスライドさせて互いに近づけ、突出底板部30を嵌合部31に嵌め合わせ、かつ、突出背板部32を前背板25aの上に重ね合わせる。そうした状態で、接合部位に沿って溶接を行う。
図5〜図7に示すように、具体的には、前底板23aと後底板23bとを突合せ溶接により接合し、各前縦板24aと各後縦板24bとを突合せ溶接により接合し、各前背板25aと各後背板25bとを重ね合わせた状態で接合する(重ね合わせ溶接)。詳しくは、突合せ溶接では、互いに突き合わせた端部に開先を設け、これら端部の両側を溶接する。重ね合せ溶接では、前背板25aの上面に重ね合わされた突出背板部32の周囲に沿った部分と、図7に示すように、後背板25bの下面と前背板25aの後端に沿った部分とに対しすみ肉溶接を行う。また、突出底板部30と嵌合部31との接合部位における後縦板24bの下端と前底板23aの上面の部分についてもすみ肉溶接を行う。これら図中、突合せ溶接部位をw2で示し、重ね合わせ溶接部位をw3で示す。
このように、板幅の異なる前背板25aと後背板25bとを重ね合わせて溶接することにより、比較的簡単なすみ肉溶接を用いて広い範囲を溶接することができるので、前背板25aと後背板25bとを強固に接合することができる。そして、前背板25aと後縦板24bとを直接溶接することができるようになり、後背板25b及び後縦板24bに作用する力を前背板25aに効率よく伝達させることができる。また、フロントセクション21aとリアセクション21bとを嵌め合わすようにしてあるので、両者を強固に接合することができるし、接合の際に邪魔になるものがないため作業性にも優れる。
また、フロントセクション21aの前端部にはアタッチメント4が支持され、リアセクション21bの後端部には、エンジンやカウンターウエイト7などが支持されているため、構造上、接合部位にはフロントセクション21aの後端がリアセクション21bの前端に対して相対的に上にずれる力が作用し易い。それに対し、本実施形態の油圧ショベルでは、リアセクション21bがフロントセクション21aを押さえ付けるように、突出背板部32や嵌合部31が設けられているので、前後方向に撓み難い有利な構造となっている。左右の縦板24はいずれも同じ構造となっているため、バランスに優れ、左右方向にも撓みや捩れに強い構造となっている。
(第1変形例)
図8に、接合構造の第1変形例を示す。本変形例では、前縦板24aに対する前背板25aの取り付け方が異なる点を除けば、先の実施形態と同様であるため、同じ部材については同じ符号を付してその説明は省略する。
同図の(a)に示すように、各前背板25aの後端41aは、各前縦板24aの後端40aの上端よりも前側に位置している。そして、各前縦板24aの後端40a付近の上部には、各前背板25aの後端41aに連続するように、上方に突出する凸壁部35が設けられている。この凸壁部35の上端面は、前背板25aの上面に面一となるように揃えられている。この場合、凸壁部35を含む各前縦板24aの後端40aの高さ寸法は、各後縦板24bの前端40bの高さ寸法と略同一である。
同図の(b)に示すように、先の実施形態と同様に溶接され、この場合、凸壁部35の上端と後背板25bとが、新たにすみ肉溶接によって溶接される。このような接合構造によれば、前背板25aと後背板25bの重ね合わせ溶接部位と、前縦板24aと後縦板24bの突合せ溶接部位とが離れて位置するため、接合部位における縦板24及び背板25の断面構造の変化を緩慢にすることができ、よりバランスに優れた構造にできる。
(第2変形例)
図9に、接合構造の第2変形例を示す。本変形例では、突出背板部32と嵌合部31をフロントセクション21aに設け、突出底板部30等をリアセクション21bに設けた点で、上記実施形態と異なる。この点を除けば、先の実施形態と同様であるため、同じ部材については同じ符号を付してその説明は省略する。
同図の(a)に示すように、各後底板23bは、各後縦板24bの前端の下端よりも前方に突き出す突出底板部30を有している。一方、各前底板23aは、各前縦板24aの後端の下端よりも引っ込んで突出底板部30を受け入れる嵌合部31を有している。そして、各前背板25aは、各前縦板24aの後端の上端よりも後方に突き出す突出背板部32を有している。本変形例では、各後縦板24bの前端の高さ寸法は、各前縦板24aの後端の高さ寸法よりも後背板25bの板厚の分だけ小さく形成されている。従って、本変形例では、先の実施形態に比べて後側の縦板24等の高さを低くすることができ、高さ方向のスペースに制約がある場合などに有利である。
(第3変形例)
図10に、接合構造の第3変形例を示す。本変形例では、第1変形例と第2変形例とを組み合わせた形態となっている。本変形例によれば、第1変形例及び第2変形例の作用効果を得ることができる。
(第4変形例)
図11に、接合構造の第4変形例を示す。本変形例では、突出背板部32を、上面視で放物線状に見える先が窄まった形状にした点で先の実施形態と異なっている。このように、突出背板部32を先窄まり形状に形成することで、角部が無くなって溶接部位の偏りが抑制できるし、突出背板部の長さ方向に沿って徐々に板幅が狭くなるため、接合強度を徐々に変化させることができ、接合をよりいっそう強固にできる。また、突出背板部32が接合されている部分における縦板24及び背板25の断面構造の変化を緩慢にすることができ、よりいっそうバランスに優れた構造にできる。
なお、本発明にかかる作業機械は、上記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、各前縦板24aと各後縦板24bとは、重ね合わせ溶接してもよい。この場合、一対の前縦板24aの間に一対の後縦板24bを嵌め込むか、一対の後縦板24bの間に一対の前縦板24aを嵌め込むように配設する。そうすることで、左右方向のバランスが偏るのを防止しながら、より強固にフロントセクション21aとリアセクション21bとを接合することができる。なお、各縦板24どうしが重なって密着する部分は、背板25や底板23との間ですみ肉溶接は予め行わないのが好ましい。フロントセクション21aとリアセクション21bとを接合する際に各縦板24どうしを隙間なく一体に接合させることができるからである。また、前底板23aと後底板23bとの間でも重ね合わせ溶接を行ってもよい。
本発明は、特に大型の機種に好適ではあるが、中型や小型の機種に適用してもよい。そうすれば、加工材料の運搬等が容易になり、作業性が向上する。
1 下部走行体
2 旋回フレーム
3 上部旋回体
4 アタッチメント(作業装置)
7 カウンターウエイト
21 センターセクション(支持部)
21a フロントセクション(前側支持部)
21b リアセクション(後側支持部)
23 底板
23a 前底板
23b 後底板
24 縦板
24a 前縦板
24b 後縦板
25 背板
25a 前背板
25b 後背板
26 支持ベース
27 頂部
28 傾斜部
29 軸孔
30 突出底板部
31 嵌合部
32 突出背板部
35 凸壁部
w1〜w3 溶接部位
t1,t2 板厚
n1,n2 板幅

Claims (8)

  1. 下部走行体と、
    上記下部走行体の上に旋回可能に支持される旋回フレームと、
    上記旋回フレームの前側に起伏可能に設けられる作業装置と、
    上記旋回フレームの後側に設けられるカウンターウエイトと、
    を備え、
    上記旋回フレームは、前端部に上記作業装置を支持するとともに後端部に上記カウンターウエイトを支持する支持部を有し、
    上記支持部が、
    前後方向に長い底板と、
    上記底板の上に、前後方向に平行に延びるように立設される一対の縦板と、
    上記一対の縦板のそれぞれの上端に1つずつ設けられ、上記縦板と略直交して上記縦板に沿って延びる一対の背板と、
    を有し、
    上記支持部は、前後方向に2分割された前側支持部と、後側支持部とを接合することによって形成されており、
    上記前側支持部には、上記底板、上記縦板、及び上記背板の前側部分を構成する前底板、前縦板、及び前背板がそれぞれ設けられ、上記後側支持部には、上記底板、上記縦板、及び背板の後側部分を構成する後底板、後縦板、及び後背板がそれぞれ設けられていて、
    上記前底板の後端部分と上記後底板の前端部分とが溶接され、上記各前縦板の後端部分と上記各後縦板の前端部分とが溶接され、
    上記各前背板の後端部分と上記各後背板の前端部分とが、重ね合わせた状態で溶接されている作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    上記各縦板は、後側に向かうに従って次第に高さが小さくなる傾斜部を有し、
    上記前側支持部と上記後側支持部との接合部位は、上記傾斜部が設けられている部分に位置し、
    上記前底板は、上記各前縦板の後端の下端よりも後方に突き出す突出底板部を有し、上記後底板は、上記各後縦板の前端の下端よりも引っ込んで上記突出底板部を受け入れる嵌合部を有し、
    上記各後背板は、上記各後縦板の前端の上端よりも前方に突き出す突出背板部を有し、
    上記突出底板部を上記嵌合部に嵌め合わせ、かつ、上記突出背板部を上記前背板の上に重ね合わせた状態で、接合部位が溶接されている作業機械。
  3. 請求項2に記載の作業機械において、
    上記前背板の後端は、上記前縦板の後端の上端よりも前側に位置し、
    上記前縦板の後端の上部に、上記前背板の後端に連続する凸壁部が設けられ、
    上記凸壁部の上端面が上記前背板の上面に揃えられている作業機械。
  4. 請求項1に記載の作業機械において、
    上記各縦板は、後側に向かうに従って次第に高さが小さくなる傾斜部を有し、
    上記前側支持部と上記後側支持部との接合部位は、上記傾斜部が設けられている部分に位置し、
    上記後底板は、上記各後縦板の前端の下端よりも前方に突き出す突出底板部を有し、上記前底板は、上記各前縦板の後端の下端よりも引っ込んで上記突出底板部を受け入れる嵌合部を有し、
    上記各前背板は、上記各前縦板の後端の上端よりも後方に突き出す突出背板部を有し、
    上記突出底板部を上記嵌合部に嵌め合わせ、かつ、上記突出背板部を上記前背板の上に重ね合わせた状態で、接合部位が溶接されている作業機械。
  5. 請求項4に記載の作業機械において、
    上記後背板の前端は、上記後縦板の前端の上端よりも後側に位置し、
    上記後縦板の前端の上部に、上記後背板の前端に連続する凸壁部が設けられ、
    上記凸壁部の上端面が上記後背板の上面に揃えられている作業機械。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の作業機械において、
    前記突出背板部が、先が窄まるように形成されている作業機械。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載の作業機械において、
    上記前背板よりも上記後背板の方が板厚が大きく設定されている作業機械。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の作業機械において、
    上記前背板よりも上記後背板の方が板幅が小さく設定されている作業機械。
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