JP2013093056A - 基板設計プログラム及び基板設計装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】差動ペア線路の配線パターンを設計する際におけるユーザの負担を軽減する。
【解決手段】プリント基板の設計情報である基板データを用いて差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行う際に使用される基板設計プログラムであって、前記パターン設計の結果を示すパターンデータ及び前記基板データに基づいて、前記差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所をチェックするエラーチェック機能をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板の設計に用いられる基板設計プログラム及び基板設計装置に関する。
近年、プリント基板上における電子部品の配置やプリント基板の配線の配置等を含めたプリント基板の設計は、プリント基板設計CAD(Computer Aided Design)と言われる基板設計装置を用いて効率的に行われている。また、近年においては、プリント基板におけるEMC(Electro Magnetic Compatibility:電磁的両立性)対策の要求が高まっており、電磁的ノイズを低減するために、互いに逆相の信号を伝送する1対のペア線路からなる差動ペア線路の配線パターンを作成することが可能な基板設計装置も提案されている。
従来では、差動ペア線路の配線ルールを事前に設定しておき、リアルタイムチェックの下で手動配線を行なったり、配線ルールに準拠した自動配線を実行することで差動ペア線路の配線パターンを作成していた。差動ペア線路の配線ルールは、ペア間等長配線の誤差、ペア逸脱の許容最大長、プリント基板の各層のパターン幅、最小パターン間隔及び最大パターン間隔等から構成されている。手動配線を行う場合、ユーザが基板設計装置の入力装置を操作して差動ペア線路の配線パターンを作成しつつ、設定済み配線ルールから外れる箇所をリアルタイムでエラーチェックする。または、配線作業後にバッチ形式のエラーチェッカを用いてエラー箇所をまとめて確認する。一方、自動配線を行う場合、基板設計装置側がユーザによって指定された配線ルールに従って差動ペア線路の配線パターンを自動的に作成する。尚、以上の内容は公知・公用の技術であるため、記載すべき先行技術文献情報は特にない。
従来では、差動ペア線路の配線ルールを設定する場合、ユーザ自らが目標の差動インピーダンスとなるようにプリント基板の各層のパターン幅、パターン間隔(クリアランス)を計算式を用いて算出する必要がある。この際、差動ペア線路は、その線路構造によってマイクロストリップ線路、エンベデッドマイクロストリップ線路、ストリップ線路等に種別され、各線路構造ごとに差動インピーダンスの計算式が異なるため、着目した配線パターン層の線路構造に適した計算式を用いて差動インピーダンスを計算する必要がある。さらに、最小パターン間隔や最小パターン幅といった製造可能条件を考慮して計算する必要があり、計算ミス及び設定ミスのリスクやユーザの負担増大を招くという問題があった。
また、従来では、差動ペア線路を現状の配線ルールをクリアして配線したとしても、差動インピーダンスに影響を与える隣接層のベタパターンの存在までチェックできないため、目標の差動インピーダンスにならない可能性があり、その場合、再配線作業、チェック作業を繰り返す必要があり、ユーザの負担増大につながる。
また、従来における差動ペア線路の自動配線は障害物を回避する処理のみなので、目標の差動インピーダンスを維持するためには、隣接層のベタパターンとの厚さ方向距離を変更する必要があり、差動ペア線路の配線パターン層を変更したり、逆に隣接層のベタパターンをくり抜いたりするといった修正作業を手動で行う必要があった(ユーザの負担増大)。
また、従来の差動インピーダンス観測ツールは、理想的な低インピーダンスのベタパターンを一義的に決めた上での計算を用いるものであり、隣接層や同層に存在するシールドパターンの影響までを観測できないため、上述の修正作業による差動インピーダンスの変化を手計算する以外に確認の方法がなかった(ユーザの負担増大)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、差動ペア線路の配線パターンを設計する際におけるユーザの負担を軽減することが可能な基板設計プログラム及び基板設計装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による基板設計プログラムは、プリント基板の設計情報である基板データを用いて差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行う際に使用される基板設計プログラムであって、前記パターン設計の結果を示すパターンデータ及び前記基板データに基づいて、前記差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所をチェックするエラーチェック機能をコンピュータに実現させることを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラーチェック機能では、ユーザによって指定された差動インピーダンスの目標範囲から外れるエラー箇所をチェックすることを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラーチェック機能は、ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータを差動ペアデータとして抽出する差動ペアデータ抽出機能と、前記差動ペアデータを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された隣り合う点によって区分された区間をペア区間として抽出するペア区間抽出機能と、前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について差動インピーダンスを算出し、当該算出した差動インピーダンスが目標範囲から外れていた場合にはそのペア区間をエラー箇所として蓄積するエラー蓄積機能と、を含むことを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラーチェック機能では、前記差動インピーダンスが目標範囲に収まるように設定された配線ルールに基づいて、前記差動インピーダンスの目標範囲から外れるエラー箇所をチェックすることを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラーチェック機能は、ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータを差動ペアデータとして抽出する差動ペアデータ抽出機能と、前記差動ペアデータを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された隣り合う点によって区分された区間をペア区間として抽出するペア区間抽出機能と、前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について前記配線ルールに合致した配線がなされているか否かを判断し、否の場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積するエラー蓄積機能と、を含むことを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラー蓄積機能では、前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、否の場合にはそのペア区間をエラー箇所として蓄積することを特徴とする。
また、本発明による基板設計プログラムにおいて、前記エラーチェック機能は、前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、同層及び隣接層に存在するベタパターンを抽出するベタパターン抽出機能をさらに含み、前記エラー蓄積機能では、前記ベタパターン抽出機能にて抽出されたベタパターンの内、差動インピーダンスに影響を与える距離に存在するベタパターンが存在するか否かを判断し、存在する場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積することを特徴とする。
さらに、本発明の基板設計装置は、プリント基板の設計情報である基板データを用いて差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行う基板設計装置であって、上述した基板設計プログラムを予め記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出した前記基板設計プログラムに従って、前記プリント基板のエラー箇所のチェックを実行する演算処理部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所を自動的にチェックするため、差動ペア線路の配線パターンを設計する際におけるユーザの負担を軽減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る基板設計装置1のブロック図である。 パターン修正部31によるパターン修正処理を表す第1フローチャートである。 パターン修正部31によるパターン修正処理を表す第2フローチャートである。 パターン修正処理に関する第1補足説明図である。 パターン修正処理に関する第2補足説明図である。 パターン修正処理に関する第3補足説明図である。 パターン修正処理に関する第4補足説明図である。 パターン修正処理に関する第5補足説明図である。 エラーチェック部32によるエラーチェック処理を表すフローチャートである。 配線ルール作成部33によるルール作成処理を表すフローチャートである。 ルール作成処理に関する補足説明図である。 基板設計装置1の変形例である基板設計装置2のブロック図である。 変形例におけるパターン修正処理を表す第1フローチャートである。 変形例におけるパターン修正処理を表す第2フローチャートである。 変形例におけるパターン修正処理に関する補足説明図である。 変形例におけるエラーチェック処理を表すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る基板設計装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態に係る基板設計装置1は、設計装置本体11、入力装置12及び表示装置13を備えており、ユーザによる入力装置12を介した指示に応じて設計装置本体11がプリント基板の設計を行い、その結果を表示装置13に適宜表示するものである。
設計装置本体11は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22及びハードディスク23を備える。CPU21は、ハードディスク23に予め格納されている基板設計プログラムPGに従って、入力装置12を介したユーザの指示に応じたプリント基板の設計を行う。具体的には、CPU21は、基板設計プログラムPGに従い、ハードディスク23に予め格納されている基板データBD及び配線ルールRDを用いて、差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行い、そのパターン設計の結果を示すパターンデータPDをハードディスク23に格納する。
ここで、基板データBDとは、プリント基板の設計情報を示すデータであり、例えばプリント基板の層数、層間絶縁層の誘電率及び厚さ、パターン幅の使用可能設定値が複数設定されたパターン幅テーブル、パターンの厚さ等のデータによって構成されている。また、配線ルールRDとは、差動ペア線路の自動配線を行う際に順守すべきルールを規定したデータであり、差動ペア線路の差動インピーダンスが目標範囲に収まるように、ユーザによって予め設定されたものである。なお、詳細は後述するが、本実施形態に係る基板設計装置1は、差動インピーダンスが目標範囲に収まるように、差動ペア線路の配線ルールを自動作成する機能(CPU21の配線ルール作成部33)を備えており、その機能によって作成した配線ルールRDを用いて差動ペア線路の自動配線を行うことも可能である。
また、CPU21は、基板設計プログラムPGを実行することで実現される機能として、上記のパターン設計機能の他、パターン設計後にパターンデータPD及び基板データBDに基づいて、差動ペア線路の差動インピーダンスが目標範囲に収まるようにパターン修正を行うパターン修正機能(パターン修正部31)、及び差動インピーダンスが目標範囲から外れている箇所をチェックするエラーチェック機能(エラーチェック部32)と、入力装置12を介してユーザに指定された情報に基づいて差動インピーダンスが目標範囲に収まるように、差動ペア線路の配線ルールを自動作成する機能(配線ルール作成部33)とを有している。以下では、従来と同様であるパターン設計機能の説明を省略し、本実施形態の特徴的な機能であるパターン修正部31、エラーチェック部32及び配線ルール作成部33に着目して説明する。
パターン修正部31は、ハードディスク23に格納されているパターンデータPD及び基板データBDに基づいて、差動ペア線路の差動インピーダンスが目標範囲に収まるように、プリント基板における差動ペア線路の配線パターン層を他の層に変更するか、若しくはベタパターンの大きさを修正するかの少なくとも一方を実施するものであり、その機能として差動ペアデータ抽出部31a、ペア区間抽出部31b、ベタパターン抽出部31c及びペア区間修正部31dを有している。
差動ペアデータ抽出部31aは、入力装置12を介してユーザによって指定された修正領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する。ペア区間抽出部31bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する。
ベタパターン抽出部31cは、上記のペア区間抽出部31bにて抽出した各ペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターンを抽出する。ペア区間修正部31dは、各ペア区間について、上記のベタパターン抽出部31cにて抽出したベタパターンの内、差動ペア線路の配線パターン層と同層に存在するベタパターンの大きさを差動インピーダンスが影響を受けない大きさに修正すると共に、差動ペア線路の配線パターン層と隣接層のベタパターンとの間に存在する絶縁層の厚さに応じて配線パターン層の変更、若しくは隣接層のベタパターンの大きさの修正の少なくとも一方を実施する。なお、このようなパターン修正部31によって実行されるパターン修正処理の詳細については後述する。
エラーチェック部32は、ハードディスク23に格納されているパターンデータPD及び基板データBDに基づいて、差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所をチェックするものであり、その機能として差動ペアデータ抽出部32a、ペア区間抽出部32b、ベタパターン抽出部32c及びエラー蓄積部32dを有している。
差動ペアデータ抽出部32aは、入力装置12を介してユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する。ペア区間抽出部32bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する。
ベタパターン抽出部32cは、上記のペア区間抽出部32bにて抽出した各ペア区間について、同層及び隣接層に存在するベタパターンを抽出する。エラー蓄積部32dは、上記のペア区間抽出部32bにて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について差動インピーダンスを算出し、当該算出した差動インピーダンスが目標範囲から外れていた場合にはそのペア区間をエラー箇所として蓄積する。また、このエラー蓄積部32dは、上記のベタパターン抽出部32cにて抽出されたベタパターンの内、差動インピーダンスに影響を与える距離に存在するベタパターンが存在するか否かを判断し、存在する場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積する。なお、このようなエラーチェック部32によって実行されるエラーチェック処理の詳細については後述する。
配線ルール作成部33は、入力装置12を介してユーザによって指定された差動ペア線路の差動インピーダンスの目標範囲、配線パターン層及び最小パターン間隔と、基板データBDとに基づいて差動ペア線路の配線ルールRDを自動作成するものであり、その機能として上下層候補決定部33a、パターン幅候補算出部33b、パターン幅設定値抽出部33c、最大パターン間隔算出部33d及びルール作成部33eを有している。
上下層候補決定部33aは、ハードディスク23に格納されている基板データBDを基に、指定された配線パターン層の上下に存在する層の内、配線パターン層に対して指定された最小パターン間隔より離れ、且つ最も近い層を配線パターン層の上下のベタパターン層の候補層として決定する。パターン幅候補算出部33bは、指定された最小パターン間隔及び差動インピーダンスの目標範囲と、上下層候補決定部33aにて決定された上下のベタパターン層の候補層と配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さ及び比誘電率とに基づいて、差動ペア線路のパターン幅の候補範囲を算出する。
パターン幅設定値抽出部33cは、基板データBDとして予め設定されているパターン幅テーブルの中から、パターン幅候補算出部33bにて算出されたパターン幅の候補範囲に含まれる使用可能設定値を抽出する。最大パターン間隔算出部33dは、上下層候補決定部33aにて決定されたベタパターン層の候補層と配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さ及び比誘電率と、パターン幅設定値抽出部33cにて抽出されたパターン幅の使用可能設定値と、差動インピーダンスの目標範囲の最大値とに基づいて最大パターン間隔を算出する。
ルール作成部33eは、指定された配線パターン層と、指定された最小パターン間隔と、最大パターン間隔算出部33dにて算出された最大パターン間隔と、パターン幅設定値抽出部33cにて抽出されたパターン幅の使用可能設定値と、上下層候補決定部33aにて決定された上下のベタパターン層の候補層とを対応付けて配線ルールを作成する。なお、このような配線ルール作成部33によって実行される配線ルール作成処理の詳細については後述する。
RAM22は、揮発性のメモリであり、CPU21で実行される各種処理で用いられる各種データや、プリント基板の設計途中のデータ等を一時的に記憶する。ハードディスク23は、上述した基板設計プログラムPG、基板データBD及び配線ルールRDを予め記憶すると共に、CPU21によるプリント基板のパターン設計後に、パターン設計の結果を示すパターンデータPDを記憶する。
入力装置12は、キーボードやマウス等を備えており、ユーザの操作に応じた操作情報を設計装置本体11に出力する。表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)又は液晶表示装置等を備えており、設計装置本体11(詳細にはCPU21)の制御の下、パターン設計の結果や、パターン修正の結果、エラーチェックの結果などを表示する。
次に、上記のように構成された基板設計装置1の動作、特にパターン修正部31によるパターン修正処理、エラーチェック部32によるエラーチェック処理、配線ルール作成部33による配線ルール作成処理について詳細に説明する。
〔パターン修正処理〕
図2及び図3は、パターン修正部31によるパターン修正処理を表すフローチャートである。まず、図2に示すように、入力装置12を介してユーザによって差動インピーダンスの目標範囲(例えば90〜120Ω)が入力され(ステップS1)、さらに入力装置12を介してユーザによって修正領域が入力される(ステップS2)と、差動ペアデータ抽出部31aは、ユーザによって指定された修正領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する(ステップS3)。
ここで、図4に示すように、表示装置13にはパターン設計の結果、つまりパターンデータPDに基づくパターン図が表示されており、ユーザは入力装置12のマウス等を操作して表示画面上のカーソルをドラッグすることにより修正領域を指定する。つまり、図4の例では、差動ペアデータ抽出部31aによって、差動ペア線路Pr1とPr2に関するパターンデータPDが差動ペアデータDPDとして抽出される。
引き続き図2に戻って説明すると、ペア区間抽出部31bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路(図4の例では差動ペア線路Pr1とPr2の2組)の中から1組の差動ペア線路を選択し、その選択した1組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する(ステップS4)。
以下、図5を用いて上記のステップS4の処理について具体的に説明する。図5(a)に示すように、差動ペア線路を構成する1対のペア線路の配線パターンL1とL2を想定し、一方の配線パターンL1はビアパターンV1を経由してピンパターンPi1とPi2との間で結線され、他方の配線パターンL2はビアパターンV2を経由してピンパターンPi3とPi4との間で結線されているものとする。この図5(a)の例では、ペア線路の配線パターンL1とL2との間のパターン間隔が変化する点によって、ペア区間PS1、PS2、PS3、PS4、PS5、PS6、PS7が抽出される。なお、上記ステップS4において、1対のペア線路の配線パターンL1とL2との両方が同時に変化する点を探索する必要はなく、図5(b)に示すように、例えば片側の配線パターンL1のみパターン幅が変化するような区間もペア区間として抽出する。
引き続き図2に戻って説明すると、ペア区間抽出部31bは、上記ステップS4で抽出した各ペア区間の内、1対のペア線路間で配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間が存在するか否かを判断する(ステップS5)。つまり、図5(a)の例では、ペア区間PS2、PS4、PS6が、パターン間隔が一定ではないペア区間として判断される。
そして、ペア区間抽出部31bは、上記ステップS5において、「Yes」の場合、配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間(図5(a)の例では、ペア区間PS2、PS4、PS6)の長さが所定値以上か否かを判断し(ステップS6)、「Yes」の場合、つまりペア区間の長さが所定値以上であれば、ベタパターンの修正は不可能と判断しエラー履歴としてハードディスク23に蓄積し、図3のステップS19に移行する(ステップS7)。
一方、上記ステップS5において、「No」の場合(つまり1対のペア線路間で配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間が存在しない場合)、または上記ステップS6において、「No」の場合(つまりペア区間の長さが所定値未満の場合)、ベタパターン抽出部31cは、上記のステップS4にて抽出した各ペア区間の中から1つのペア区間を選択し、この選択したペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターンを抽出する(ステップS8)。
以下、図6を用いて上記のステップS8の処理について具体的に説明する。図6(a)に示すように、例えば、差動ペア線路を構成する1対のペア線路の配線パターンL1及びL2と、それに隣接するようにベタパターンBP1とが形成された配線パターン層と、一面にベタパターンBP2が形成されたベタパターン層との間に厚さhの絶縁層が存在する層構造を想定する。なお、配線パターンL1及びL2のパターン幅をW、パターン間隔をSとし、配線パターンL2とベタパターンBP1との間の距離(以下、配線−ベタパターン間距離と称す)をdとする。
このような層構造において、配線パターンL1及びL2のパターン幅W及びパターン間隔Sは変えずに、絶縁層の厚さhと、配線−ベタパターン間距離dとを変化させた場合の特性インピーダンスは図6(b)に示す通り変化する。この図6(b)を参照すると、配線−ベタパターン間距離dを一定にして絶縁層の厚さhを変化させると、厚さhが厚くなるに従って特性インピーダンスが上昇することが分かる。また、絶縁層の厚さhを一定にして配線−ベタパターン間距離dを変化させると、配線−ベタパターン間距離dが広くなるにつれて特性インピーダンスが上昇することも分かる。
ここで、絶縁層の厚さhが0.8(mm)一定の場合、配線−ベタパターン間距離dが0.5(mm)以上になると、配線−ベタパターン間距離dを変化させても特性インピーダンスは殆ど変化しなくなることがわかる。また、絶縁層の厚さhが0.4(mm)一定の場合、配線−ベタパターン間距離dが0.4(mm)以上になると、配線−ベタパターン間距離dを変化させても特性インピーダンスは殆ど変化しなくなることがわかる。また、絶縁層の厚さhが0.2(mm)一定の場合、配線−ベタパターン間距離dが0.3(mm)以上になると、配線−ベタパターン間距離dを変化させても特性インピーダンスは殆ど変化しなくなることがわかる。さらに、絶縁層の厚さhが0.1(mm)一定の場合、配線−ベタパターン間距離dが0.2(mm)以上になると、配線−ベタパターン間距離dを変化させても特性インピーダンスは殆ど変化しなくなることがわかる。
つまり、絶縁層の厚さhが0.8(mm)の場合では、0.5(mm)未満の配線−ベタパターン間距離dで特性インピーダンスの変化が生じ(影響を受ける)、絶縁層の厚さhが0.4(mm)の場合では、0.4(mm)未満の配線−ベタパターン間距離dで特性インピーダンスの変化が生じ、絶縁層の厚さhが0.2(mm)の場合では、0.3(mm)未満の配線−ベタパターン間距離dで特性インピーダンスの変化が生じ、絶縁層の厚さhが0.1(mm)の場合では、0.2(mm)未満の配線−ベタパターン間距離dで特性インピーダンスの変化が生じることになる。
ベタパターン抽出部31cは、図6(b)に示した特性データを基に絶縁層の厚さhに対応する、特性インピーダンスが影響を受ける配線−ベタパターン間距離dを把握し、選択したペア区間の配線パターンから配線−ベタパターン間距離d未満の距離に存在する同層のベタパターンBP1を差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターンとして抽出する。
一方、隣接層に存在するベタパターン(図6の例では下側のベタパターン層に存在するベタパターンBP2)に着目すると、図6(a)に示すように、差動インピーダンスに影響を与えなくするために、配線パターンL2(L1でも同様である)の直下から絶縁層の厚さhの20倍程度の距離を離してベタパターンBP2を形成することが一般的にルール化されている。
よって、ベタパターン抽出部31cは、隣接層のベタパターンに関しては、選択したペア区間の配線パターンの直下から20h未満の距離に存在するベタパターンBP2を差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターンとして抽出する。
引き続き図2に戻って説明すると、ペア区間修正部31dは、各ペア区間に中から選択されたペア区間について、上記のステップS8にて抽出されたベタパターンの内、差動ペア線路の配線パターン層と同層に存在するベタパターンの大きさを差動インピーダンスが影響を受けない大きさに修正する(ステップS9)。例えば、絶縁層の厚さhが0.8(mm)の場合には、差動ペア線路の配線パターンから0.5(mm)以上の距離までベタパターンをくり抜けば良い。
そして、ペア区間修正部31dは、隣接層のベタパターンと差動ペア線路の配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さが、差動インピーダンスを目標範囲に収めるには薄すぎるか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、ペア区間修正部31dは、まず、差動ペア線路の線路構造に応じた特性インピーダンスZoの計算式と差動インピーダンスZdiffの計算式を基に、差動インピーダンスの目標範囲の最小値に対する絶縁層の厚さを逆算する。
図7は、差動ペア線路がマイクロストリップ線路である場合の線路構造と、特性インピーダンスZoの計算式(1)と差動インピーダンスZdiffの計算式(2)を示したものである。計算式(1)及び(2)において、Wは差動ペア線路のパターン幅、Sは差動ペア線路のパターン間隔、tはパターン(差動ペア線路の配線パターン及びベタパターン)の厚さ、hは絶縁層の厚さ、εrは絶縁層の誘電率である。
ペア区間修正部31dは、差動ペア線路がマイクロストリップ線路である場合には、パターン幅W、パターンの厚さt、絶縁層の厚さh、絶縁層の誘電率εrを計算式(1)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、差動インピーダンスの目標範囲の最小値と、パターン間隔Sを計算式(2)に代入することで絶縁層の厚さhを逆算する。
一方、図8は、差動ペア線路がストリップ線路である場合の線路構造と、特性インピーダンスZoの計算式(3)と差動インピーダンスZdiffの計算式(4)を示したものである。計算式(3)及び(4)において、Wは差動ペア線路のパターン幅、Sは差動ペア線路のパターン間隔、tはパターン(差動ペア線路の配線パターン及びベタパターン)の厚さ、hは絶縁層の下側の厚さ、bは絶縁層の全体の厚さ、εrは絶縁層の誘電率である。
ペア区間修正部31dは、差動ペア線路がストリップ線路である場合には、パターン幅W、パターンの厚さt、絶縁層の全体の厚さb、絶縁層の誘電率εrを計算式(3)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、差動インピーダンスの目標範囲の最小値と、パターン間隔Sを計算式(4)に代入することで絶縁層の厚さhを逆算する。
ペア区間修正部31dは、上記のように差動ペア線路の線路構造に応じて差動インピーダンスの目標範囲の最小値に対する絶縁層の厚さを逆算すると、その絶縁層の厚さの算出値と設定値(基板データBDに設定されている絶縁層の厚さ)とを比較し、設定値の方が算出値より低い場合に、差動インピーダンスを目標範囲に収めるには絶縁層の厚さが薄すぎると判断する。
上記ステップS10において、「Yes」の場合、つまり差動インピーダンスを目標範囲に収めるには絶縁層の厚さが薄すぎると判断された場合、ペア区間修正部31dは、差動ペア線路の配線パターン層の変更が可能か(ベタパターン層から遠い位置にあり、且つ他の配線パターン等の障害物がない層が存在するか)を判断する(ステップS11)。このステップS11において、「Yes」の場合、つまり差動ペア線路の配線パターン層の変更が可能である場合、ペア区間修正部31dは、差動ペア線路の配線パターン層をベタパターン層から遠い位置にあり、且つ他の配線パターン等の障害物がない層に変更する(ステップS12)。
一方、上記ステップS13において、「No」の場合、差動ペア線路の配線パターン層の変更が不可能である場合、ペア区間修正部31dは、隣接層のベタパターンの大きさを差動インピーダンスが影響を受けない大きさに修正する(ステップS13)。具体的には、選択中のペア区間の配線パターンの直下から20h(hは絶縁層の厚さ)以上の距離まで隣接層のベタパターンをくり抜けば良い。上記のステップS12またはステップS13の終了後、ペア区間修正部31dは、図3に示すステップS18の処理に移行する。
また、上記ステップS10において、「No」の場合(つまり差動インピーダンスを目標範囲に収めるには薄過ぎると判断されなかった場合)、ペア区間修正部31dは、図3に示すステップS14の処理に移行する。つまり、このステップS14において、ペア区間修正部31dは、隣接層のベタパターンと差動ペア線路の配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さが、差動インピーダンスを目標範囲に収めるには厚すぎるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、ペア区間修正部31dは、まず、差動ペア線路の線路構造に応じた特性インピーダンスZoの計算式と差動インピーダンスZdiffの計算式を基に、差動インピーダンスの目標範囲の最大値に対する絶縁層の厚さを逆算する。逆算の手法はステップS10と同様なので説明を省略する。
ペア区間修正部31dは、上記のように差動ペア線路の線路構造に応じて差動インピーダンスの目標範囲の最大値に対する絶縁層の厚さを逆算すると、その絶縁層の厚さの算出値と設定値(基板データBDに設定されている絶縁層の厚さ)とを比較し、設定値の方が算出値より高い場合に、差動インピーダンスを目標範囲に収めるには絶縁層の厚さが厚すぎると判断する。
上記ステップS14において、「Yes」の場合(つまり差動インピーダンスを目標範囲に収めるには絶縁層の厚さが厚すぎると判断された場合)、ペア区間修正部31dは、差動ペア線路の配線パターン層の変更が可能か(ベタパターン層に近い位置にあり、且つ他の配線パターン等の障害物がない層が存在するか)を判断する(ステップS15)。
このステップS15において、「Yes」の場合(つまり差動ペア線路の配線パターン層の変更が可能である場合)、ペア区間修正部31dは、差動ペア線路の配線パターン層をベタパターン層に近い位置にあり、且つ他の配線パターン等の障害物がない層に変更する(ステップS16)。一方、上記ステップS13において、「No」の場合、差動ペア線路の配線パターン層の変更が不可能である場合、ペア区間修正部31dは、ベタパターンの修正は不可能と判断しエラー履歴としてハードディスク23に蓄積する(ステップS17)。
上記ステップS14において、「No」の場合、若しくは上記ステップS16またはステップS17の終了後、パターン修正部31は、残りのペア区間が存在するか否かを判断し(ステップS18)、「Yes」の場合はステップS8の処理に戻り、「No」の場合はステップS19の処理に移行する。そして、上記ステップS18において、「No」の場合、パターン修正部31は、残りの差動ペア線路の組が存在するか否かを判断し(ステップS19)、「Yes」の場合はステップS4の処理に戻り、「No」の場合はパターン修正結果とハードディスク23に蓄積されたエラー履歴とを表示装置13に表示させる(ステップS20)。
以上説明したパターン修正処理によって、ユーザによって指定された差動インピーダンスの目標範囲に収まるように、自動的にプリント基板のパターン修正が実施されるため、パターン修正作業におけるユーザの負担を軽減でき、また、差動ペア線路の設計に関する知識に乏しいユーザであっても容易にパターン修正作業を行うことができる。
〔エラーチェック処理〕
次に、エラーチェック部32によるエラーチェック処理について説明する。図9は、エラーチェック部32によるエラーチェック処理を表すフローチャートである。まず、図9に示すように、入力装置12を介してユーザによって差動インピーダンスの目標範囲(例えば90〜120Ω)が入力され(ステップS31)、さらに入力装置12を介してユーザによって検査領域が入力される(ステップS32)と、差動ペアデータ抽出部32aは、ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する(ステップS33)。このステップS33の処理は、パターン修正処理のステップS3の処理と同様であるので説明を省略する。
続いて、ペア区間抽出部32bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路の中から1組の差動ペア線路を選択し、その選択した1組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する(ステップS34)。このステップS34の処理は、パターン修正処理のステップS4の処理と同様であるので説明を省略する。
続いて、エラー蓄積部32dは、選択中のペア区間について、1対のペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し(ステップS35)、「No」の場合、その選択中のペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS40の処理に移行する(ステップS36)。
一方、上記ステップS35において、「Yes」の場合、エラー蓄積部32dは、選択中のペア区間について差動インピーダンスを算出する(ステップS37)。具体的には、エラー蓄積部32dは、差動ペア線路がマイクロストリップ線路である場合には、パターン幅W、パターンの厚さt、絶縁層の厚さh、絶縁層の誘電率εrを計算式(1)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、絶縁層の厚さh、パターン間隔Sを計算式(2)に代入することで差動インピーダンスZdiffを算出する。
また、エラー蓄積部32dは、差動ペア線路がストリップ線路である場合には、パターン幅W、パターンの厚さt、絶縁層の全体の厚さb、絶縁層の誘電率εrを計算式(3)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、絶縁層の下側の厚さhと、パターン間隔Sを計算式(4)に代入することで差動インピーダンスZdiffを算出する。
続いて、エラー蓄積部32dは、上記ステップS37で算出した差動インピーダンスZdiffが、ユーザによって指定された目標範囲内か否かを判断し(ステップS38)、「No」の場合、つまり算出した差動インピーダンスが目標範囲から外れていた場合には、その選択中のペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS40の処理に移行する(ステップS39)。
また、上記ステップS38において、「Yes」の場合、つまり算出した差動インピーダンスが目標範囲内であった場合、ベタパターン抽出部32cは、選択中のペア区間について、同層及び隣接層に存在するペア区間近傍のベタパターンを抽出する(ステップS40)。そして、エラー蓄積部32dは、図6(b)に示すような特性データを基に、選択中のペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離を求め(ステップS41)、上記ステップS40で抽出されたベタパターンの内、差動インピーダンスに影響を与える距離に存在するベタパターンが存在するか否かを判断する(ステップS42)。
上記ステップS42において、「Yes」の場合、エラー蓄積部32dは、その選択中のペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS44の処理に移行する(ステップS43)。例えば、絶縁層の厚さhが0.8(mm)の場合には、同層において差動ペア線路の配線パターンから0.5(mm)未満の距離にベタパターンが存在する場合にはそのペア区間をエラー箇所とする。また、隣接層において差動ペア線路の配線パターンの直下から20h未満の距離にベタパターンが存在する場合にもそのペア区間をエラー箇所とする。
上記ステップS42において、「No」の場合、エラーチェック部32は、残りのペア区間が存在するか否かを判断し(ステップS44)、「Yes」の場合はステップS35の処理に戻り、「No」の場合はステップS45の処理に移行する。そして、上記ステップS44において、「No」の場合、エラーチェック部32は、残りの差動ペア線路の組が存在するか否かを判断し(ステップS45)、「Yes」の場合はステップS34の処理に戻り、「No」の場合はエラーチェック結果、つまりハードディスク23に蓄積されたエラー箇所の履歴を表示装置13に表示させる(ステップS46)。
以上説明したエラーチェック処理によって、差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所を自動的にチェックすることが可能となるため、エラーチェック作業におけるユーザの負担を軽減でき、また、差動ペア線路の設計に関する知識に乏しいユーザであっても容易にエラーチェック作業を行うことができる。
〔配線ルール作成処理〕
次に、配線ルール作成部33による配線ルール作成処理について説明する。図10は、配線ルール作成部33による配線ルール作成処理を表すフローチャートである。まず、図10に示すように、入力装置12を介してユーザによって差動インピーダンスの目標範囲(例えば90〜120Ω)と、差動ペア線路の配線パターン層(具体的には差動ペア線路を形成したい層の番号)と、差動ペア線路の最小パターン間隔とが入力されると(ステップS51)、上下層候補決定部33aは、ハードディスク23に格納されている基板データBDを基に、指定された配線パターン層の上下に存在する層の内、配線パターン層に対して指定された最小パターン間隔より離れ、且つ最も近い層を配線パターン層の上下のベタパターン層の候補層として決定する(ステップS52)。
続いて、パターン幅候補算出部33bは、指定された最小パターン間隔及び差動インピーダンスの目標範囲と、上記ステップS52で決定された上下のベタパターン層の候補層と配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さ及び誘電率とに基づいて、差動ペア線路のパターン幅の候補範囲を算出する(ステップS53)。
具体的には、パターン幅候補算出部33bは、差動ペア線路がマイクロストリップ線路構造となる場合には、絶縁層の厚さh、最小パターン間隔S、差動インピーダンスZdiffの目標範囲の最小値を計算式(2)に代入して、特性インピーダンスZoの最小値Zominを逆算すると共に、差動インピーダンスZdiffの目標範囲の最大値を計算式(2)に代入して、特性インピーダンスZoの最大値Zomaxを逆算する。そして、パターンの厚さt、絶縁層の厚さh、絶縁層の誘電率εr、特性インピーダンスZoの最小値Zominを計算式(1)に代入して、パターン幅Wの最小値Wminを逆算すると共に、特性インピーダンスZoの最大値Zomaxを計算式(1)に代入して、パターン幅Wの最大値Wmaxを逆算する。パターン幅候補算出部33bは、このように算出されたパターン幅Wの最小値Wmin〜最大値Wmaxをパターン幅の候補範囲とする。
一方、パターン幅候補算出部33bは、差動ペア線路がストリップ線路構造となる場合には、絶縁層の下側の厚さh、最小パターン間隔S、差動インピーダンスZdiffの目標範囲の最小値を計算式(4)に代入して、特性インピーダンスZoの最小値Zominを逆算すると共に、差動インピーダンスZdiffの目標範囲の最大値を計算式(4)に代入して、特性インピーダンスZoの最大値Zomaxを逆算する。そして、パターンの厚さt、絶縁層の全体の厚さb、絶縁層の誘電率εr、特性インピーダンスZoの最小値Zominを計算式(3)に代入して、パターン幅Wの最小値Wminを逆算すると共に、特性インピーダンスZoの最大値Zomaxを計算式(3)に代入して、パターン幅Wの最大値Wmaxを逆算する。
続いて、パターン幅設定値抽出部33cは、基板データBDとして予め設定されているパターン幅テーブルの中から、上記ステップS53で算出されたパターン幅の候補範囲に含まれる使用可能設定値を抽出する(ステップS54)。例えば、図11(a)に示すように、パターン幅テーブルにおいて、パターン幅の使用可能値が0.1(mm)から0.01(mm)間隔で0.15(mm)まで設定されている場合を想定する。仮にパターン幅の候補範囲が、0.117(mm)〜0.134(mm)であった場合、この範囲の中間値は0.1255(mm)となるため、この中間値と最も近い使用可能設定値、つまり0.13(mm)を抽出する。
ここで、パターン幅設定値抽出部33cは、パターン幅テーブルの中からパターン幅の候補範囲に含まれる使用可能設定値を抽出できたか否かを判断し(ステップS55)、「No」の場合(つまりパターン幅テーブルの中にパターン幅の候補範囲に含まれる使用可能設定値が存在しなかった場合)、表示装置13を制御してユーザに対してエラーを報知するための画面を表示させた後、配線パターン作成処理を終了する(ステップS56)。なお、エラー表示を行った後、配線パターン作成処理を終了せずにステップS51に戻って、ユーザから新たな情報が入力されるまで待機するようにしても良い。
一方、上記ステップS55において、「Yes」の場合、最大パターン間隔算出部33dは、ステップS52で決定されたベタパターン層の候補層と配線パターン層との間に存在する絶縁層の厚さ及び誘電率と、ステップS54にて抽出されたパターン幅の使用可能設定値と、差動インピーダンスの目標範囲の最大値とに基づいて最大パターン間隔を算出する(ステップS57)。
具体的には、最大パターン間隔算出部33dは、差動ペア線路がマイクロストリップ線路構造となる場合には、パターン幅W(抽出した使用可能設定値)、パターンの厚さt、絶縁層の厚さh、絶縁層の誘電率εrを計算式(1)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、差動インピーダンスの目標範囲の最大値と、絶縁層の厚さhを計算式(2)に代入することで最大パターン間隔Sを逆算する。
一方、最大パターン間隔算出部33dは、差動ペア線路がストリップ線路構造となる場合には、パターン幅W(抽出した使用可能設定値)、パターンの厚さt、絶縁層の全体の厚さb、絶縁層の誘電率εrを計算式(3)に代入することで特性インピーダンスZoを算出し、その特性インピーダンスZoと、差動インピーダンスの目標範囲の最大値と、絶縁層の下側の厚さhを計算式(4)に代入することで最大パターン間隔Sを逆算する。
そして、ルール作成部33eは、図11(b)に示すように、ユーザによって指定された配線パターン層と、指定された最小パターン間隔と、ステップS57で算出された最大パターン間隔と、ステップS54で抽出されたパターン幅の使用可能設定値と、ステップS52にて決定された上下のベタパターン層の候補層とを対応付けて配線ルールを作成する(ステップS58)。ルール作成部33eは、上記のように作成した配線ルールを新たな配線ルールRDとしてハードディスク23に格納する(ステップS59)。
以上説明した配線ルール作成処理によって、ユーザは差動インピーダンスの目標範囲と、差動ペア線路の配線パターン層と、差動ペア線路の最小パターン間隔とを入力するだけで自動的に差動ペア線路の配線ルールが作成されるため、ルール設定作業におけるユーザの負担を軽減でき、また、差動ペア線路の設計に関する知識に乏しいユーザであっても容易にルール設定作業を行うことができる。
<変形例>
次に、上述した基板設計装置1の変形例について説明する。上記実施形態における基板設計装置1は、ユーザによって指定された差動インピーダンスの目標範囲を基にパターン修正処理及びエラーチェック処理を行う場合を説明したが、配線ルールRD自体、元々差動インピーダンスが目標範囲に収まるように設定されたものであるので、配線ルールRDに基づいてパターン修正処理及びエラーチェック処理を行うことも可能である。本変形例では、配線ルールRDに基づいてパターン修正処理及びエラーチェック処理を行うことが可能な基板設計装置2について説明する。
図12は、本変形例における基板設計装置2の要部構成を示すブロック図である。なお、以下では、図12において図1と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。図12に示すように、本変形例における基板設計装置2のパターン修正部51は、差動ペア線路の配線ルールRDに基づいて差動ペア線路の配線パターン層の変更、若しくはベタパターンの大きさの修正の少なくとも一方を実施するものであり、その機能として差動ペアデータ抽出部51a、ペア区間抽出部51b、ベタ層抽出部51c、ルール抽出部51d、ベタパターン抽出部51e及びペア区間修正部51fを有している。
差動ペアデータ抽出部51aは、ユーザによって指定された修正領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する。ペア区間抽出部51bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する。
ベタ層抽出部51cは、ペア区間抽出部51bにて抽出した各ペア区間について配線パターンと平面的に重なるベタパターンが存在する層を抽出する。ルール抽出部51dは、各ペア区間について、ハードディスク23に格納されている配線ルールRDの中から、ベタ層抽出部51cにて抽出した層が配線パターン層の上下のベタパターン層として設定された配線ルールRDを抽出する。ベタパターン抽出部51eは、各ペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターンを抽出する。ペア区間修正部51fは、ルール抽出部51dにて抽出された配線ルールRDに基づいて、差動ペア線路の配線パターン層の変更、若しくはベタパターンの大きさの修正の少なくとも一方を実施する。なお、このようなパターン修正部51によって実行されるパターン修正処理の詳細については後述する。
また、本変形例における基板設計装置2のエラーチェック部52は、配線ルールRDに基づいて、差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスの目標範囲から外れるエラー箇所をチェックするものであり、その機能として差動ペアデータ抽出部52a、ペア区間抽出部52b、ベタパターン抽出部52c及びエラー蓄積部52dを有している。
差動ペアデータ抽出部52aは、入力装置12を介してユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する。ペア区間抽出部52bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する。
ベタパターン抽出部52cは、上記のペア区間抽出部52bにて抽出した各ペア区間について、同層及び隣接層に存在するベタパターンを抽出する。エラー蓄積部52dは、上記のペア区間抽出部52bにて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について配線ルールRDに合致した配線がなされているか否かを判断し、否の場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積する。また、このエラー蓄積部52dは、上記のベタパターン抽出部52cにて抽出されたベタパターンの内、差動インピーダンスに影響を与える距離に存在するベタパターンが存在するか否かを判断し、存在する場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積する。なお、このようなエラーチェック部52によって実行されるエラーチェック処理の詳細については後述する。
次に、上記のように構成された本変形例における基板設計装置2の動作、特にパターン修正部51によるパターン修正処理、エラーチェック部52によるエラーチェック処理について詳細に説明する。
〔パターン修正処理〕
図13及び図14は、パターン修正部51によるパターン修正処理を表すフローチャートである。まず、図13に示すように、入力装置12を介してユーザによって配線ルールRD(図11に示すように、差動ペア線路の配線パターン層と、パターン幅と、最小パターン間隔と、最大パターン間隔と、上下のベタパターン層とが対応付けられたデータ)が入力され(ステップS61)、さらに入力装置12を介してユーザによって修正領域が入力される(ステップS62)と、差動ペアデータ抽出部51aは、ユーザによって指定された修正領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する(ステップS63)。
ここで、ハードディスク23に既に配線ルールRDが格納されている場合には、上記ステップS61を省略しても良い。また、上記ステップS63の処理は、図2のステップS3と同様である。
続いて、ペア区間抽出部51bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路(図4の例では差動ペア線路Pr1とPr2の2組)の中から1組の差動ペア線路を選択し、その選択した1組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する(ステップS64)。このステップS64の処理は、図2のステップS4と同様である。
続いて、ペア区間抽出部51bは、上記ステップS64で抽出した各ペア区間の内、1対のペア線路間で配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間が存在するか否かを判断する(ステップS65)。そして、ペア区間抽出部51bは、上記ステップS65において、「Yes」の場合、配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間の長さが所定値以上か否かを判断し(ステップS66)、「Yes」の場合、つまりペア区間の長さが所定値以上であれば、ベタパターンの修正は不可能と判断しエラー履歴としてハードディスク23に蓄積し、図14のステップS84に移行する(ステップS67)。これらステップS65、S66、S67の処理は、図2のステップS5、S6、S7の処理と同様である。
一方、上記ステップS65において、「No」の場合(つまり1対のペア線路間で配線パターン層、パターン幅及びパターン間隔の少なくとも1つが一定ではないペア区間が存在しない場合)、または上記ステップS66において、「No」の場合(つまりペア区間の長さが所定値未満の場合)、ベタ層抽出部51cは、上記のステップS64にて抽出した各ペア区間の中から1つのペア区間を選択し、この選択したペア区間について配線パターンと平面的に重なるベタパターンが存在する層(言い換えれば、配線パターンと同座標にベタパターンが存在する層)を抽出する(ステップS68)。
具体的には、例えば、図15(a)に示すように、第1層、第4層及び第5層がベタパターン層、第3層が差動ペア線路の配線パターン層として設計された6層構造のプリント基板を想定すると、ベタ層抽出部51cは、選択中のペア区間について配線パターンと平面的に重なるベタパターンが存在する層として、第1層、第4層及び第5層を抽出する。
引き続き図13に戻って説明すると、ルール抽出部51dは、選択中のペア区間について、ハードディスク23に格納されている配線ルールRDの中から、ステップS68で抽出した層が配線パターン層の上下のベタパターン層として設定された配線ルールRDを抽出する(ステップS69)。例えば、図15(a)に示すような層構造と、図15(b)に示すようなルールRD1〜RD6からなる配線ルールRDを想定すると、ステップS68で抽出した層(第1層、第4層及び第5層)が配線パターン層(第3層)の上下のベタパターン層として設定された配線ルールRDとして、ルールRD2及びRD6が抽出される。
引き続き図13に戻って説明すると、ルール抽出部51dは、上記ステップS69において配線ルールを抽出することができたか否かを判断し(ステップS70)、「No」の場合、必要な層にベタパターンが無いと判断しエラー履歴としてハードディスク23に蓄積し、図14のステップS83に移行する(ステップS71)。
一方、上記ステップS70において、「Yes」の場合、ペア区間修正部51fは、上記ステップS69で抽出した配線ルールの中から1つを選択し、その選択した配線ルールに設定されている配線パターン層を求める(ステップS72:図14参照)。例えば、ルールRD2が選択された場合には、図15(b)に示すように、第2層が配線パターン層として求められる。そして、ペア区間修正部51fは、現在の配線パターン層(パターンデータPD上の配線パターン層)と選択中の配線ルールに設定されている配線パターン層が一致しているか否かを判断する(ステップS73)。
上記ステップS73において、「No」の場合、つまり現在の配線パターン層(パターンデータPD上の配線パターン層)と選択中の配線ルールに設定されている配線パターン層とが不一致の場合、ペア区間修正部51fは、現在の配線パターン層を選択中の配線ルールに設定されている配線パターン層に変更可能か(配線ルールに設定されている配線パターン層に他の配線パターン等の障害物が無いか)を判断し(ステップS74)、「Yes」の場合には現在の配線パターン層を選択中の配線ルールに設定されている配線パターン層に変更する(ステップS75)。
一方、上記ステップS74において、「No」の場合、ペア区間修正部51fは、抽出した残りの配線ルールがあるか否かを判断し(ステップS76)、「Yes」の場合にはステップS72の処理に戻る一方、「No」の場合には障害物となる配線パターンが存在するため然るべき層に変更できないと判断しエラー履歴としてハードディスク23に蓄積し、ステップS83に移行する(ステップS77)。
また、上記ステップS73において、「Yes」の場合、つまり現在の配線パターン層と選択中の配線ルールに設定されている配線パターン層とが一致している場合、またはステップS75による配線パターン層の変更が終了した場合、ペア区間修正部51fは、選択中の配線ルールに設定されている上下のベタパターン層よりも配線パターン層に近いベタパターン層が存在するか否かを判断し(ステップS78)、「Yes」の場合には配線パターン層に近いベタパターン層のベタパターンの大きさを差動インピーダンスが影響を受けない大きさに修正した後、ステップS80の処理に移行する(ステップS79)。なお、このステップS79におけるベタパターンの修正手法は、図2のステップS13と同様である。
一方、上記ステップS78において、「No」の場合、またはステップS79によるベタパターンの修正が終了した場合、ペア区間修正部51fは、選択中の配線ルールに設定されているパターン幅及び最小パターン間隔になるように差動ペア線路の配線パターンを修正する(ステップS80)。
続いて、ベタパターン抽出部51eは、選択中のペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離に存在するベタパターン(配線パターン層と同層のベタパターン)を抽出する(ステップS81)。そして、ペア区間修正部51fは、ステップS81で抽出したベタパターンの大きさを差動インピーダンスが影響を受けない大きさに修正する(ステップS82)。これらステップS81及びS82の処理は、図2のステップS8及びS9と同様である。
そして、パターン修正部51は、残りのペア区間が存在するか否かを判断し(ステップS83)、「Yes」の場合はステップS68の処理に戻り、「No」の場合はステップS84の処理に移行する。そして、上記ステップS83において、「No」の場合、パターン修正部51は、残りの差動ペア線路の組が存在するか否かを判断し(ステップS84)、「Yes」の場合はステップS64の処理に戻り、「No」の場合はパターン修正結果とハードディスク23に蓄積されたエラー履歴とを表示装置13に表示させる(ステップS85)。
以上説明した本変形例におけるパターン修正処理によっても、差動インピーダンスの目標範囲に収まるように設定された配線ルールを基に、自動的にプリント基板のパターン修正が実施されるため、パターン修正作業におけるユーザの負担を軽減でき、また、差動ペア線路の設計に関する知識に乏しいユーザであっても容易にパターン修正作業を行うことができる。
〔エラーチェック処理〕
次に、エラーチェック部52によるエラーチェック処理について説明する。図16は、エラーチェック部52によるエラーチェック処理を表すフローチャートである。まず、図16に示すように、入力装置12を介してユーザによって配線ルールRDが入力され(ステップS91)、さらに入力装置12を介してユーザによって検査領域が入力される(ステップS92)と、差動ペアデータ抽出部52aは、ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータPDを差動ペアデータDPDとして抽出する(ステップS93)。
ここで、ハードディスク23に既に配線ルールRDが格納されている場合には、上記ステップS91を省略しても良い。また、上記ステップS93の処理は、図9のステップS33と同様である。
続いて、ペア区間抽出部52bは、上記の差動ペアデータDPDを基に各組の差動ペア線路(図4の例では差動ペア線路Pr1とPr2の2組)の中から1組の差動ペア線路を選択し、その選択した1組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された点によって区分された区間をペア区間として抽出する(ステップS94)。このステップS94の処理は、図9のステップS34と同様である。
続いて、エラー蓄積部52dは、選択中のペア区間について、1対のペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し(ステップS95)、「No」の場合には、その選択中のペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS99の処理に移行する(ステップS96)。これらステップS95及びS96の処理は、図9のステップS35及びS36と同様である。
一方、上記ステップS95において、「Yes」の場合、エラー蓄積部52dは、選択中のペア区間について配線ルールRDに合致した配線がなされているか否かを判断し(ステップS97)、「No」の場合にはそのペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS99の処理に移行する(ステップS98)。
また、上記ステップS97において、「Yes」の場合、またはステップS98の処理が終了している場合、ベタパターン抽出部52cは、選択中のペア区間について、同層及び隣接層に存在するペア区間近傍のベタパターンを抽出する(ステップS99)。そして、エラー蓄積部52dは、図6(b)に示すような特性データを基に、選択中のペア区間について差動インピーダンスが影響を受ける距離を求め(ステップS100)、上記ステップS99で抽出されたベタパターンの内、差動インピーダンスに影響を与える距離に存在するベタパターンが存在するか否かを判断する(ステップS101)。
上記ステップS101において、「Yes」の場合、エラー蓄積部52dは、その選択中のペア区間をエラー箇所としてハードディスク23に蓄積してステップS103の処理に移行する(ステップS102)。これらステップS99、S100、S101及びS102の処理は、図9のステップS40、S41、S42及びS43と同様である
上記ステップS101において、「No」の場合、エラーチェック部52は、残りのペア区間が存在するか否かを判断し(ステップS103)、「Yes」の場合はステップS95の処理に戻り、「No」の場合はステップS104の処理に移行する。そして、上記ステップS103において、「No」の場合、エラーチェック部52は、残りの差動ペア線路の組が存在するか否かを判断し(ステップS104)、「Yes」の場合はステップS94の処理に戻り、「No」の場合はエラーチェック結果、つまりハードディスク23に蓄積されたエラー箇所の履歴を表示装置13に表示させる(ステップS105)。
以上説明した本変形例におけるエラーチェック処理によっても、配線ルールを基に差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所を自動的にチェックすることが可能となるため、エラーチェック作業におけるユーザの負担を軽減でき、また、差動ペア線路の設計に関する知識に乏しいユーザであっても容易にエラーチェック作業を行うことができる。
以上、本発明の実施形態による基板設計装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。
1,2…基板設計装置、11…設計装置本体、12…入力装置、13…表示装置、21…CPU(Central Processing Unit)、22…RAM(Random Access Memory)、23…ハードディスク、PG…基板設計プログラム、BD…基板データ、RD…配線ルール、PD…パターンデータ、31…パターン修正部、31a…差動ペアデータ抽出部、31b…ペア区間抽出部、31c…ベタパターン抽出部、31d…ペア区間修正部、32…エラーチェック部、32a…差動ペアデータ抽出部、32b…ペア区間抽出部、32c…ベタパターン抽出部、32d…エラー蓄積部、33…配線ルール作成部、33a…上下層候補決定部、33b…パターン幅候補算出部、33c…パターン幅設定値抽出部、33d…最大パターン間隔算出部、33e…ルール作成部

Claims (6)

  1. プリント基板の設計情報である基板データを用いて差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行う際に使用される基板設計プログラムであって、
    前記パターン設計の結果を示すパターンデータ及び前記基板データに基づいて、前記差動ペア線路の配線パターンにおいて差動インピーダンスが目標範囲から外れるエラー箇所をチェックするエラーチェック機能をコンピュータに実現させることを特徴とする基板設計プログラム。
  2. 前記エラーチェック機能では、ユーザによって指定された差動インピーダンスの目標範囲から外れるエラー箇所をチェックすることを特徴とする請求項1記載の基板設計プログラム。
  3. 前記エラーチェック機能は、
    ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータを差動ペアデータとして抽出する差動ペアデータ抽出機能と、
    前記差動ペアデータを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された隣り合う点によって区分された区間をペア区間として抽出するペア区間抽出機能と、
    前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について差動インピーダンスを算出し、当該算出した差動インピーダンスが目標範囲から外れていた場合にはそのペア区間をエラー箇所として蓄積するエラー蓄積機能と、
    を含むことを特徴とする請求項2記載の基板設計プログラム。
  4. 前記エラーチェック機能では、前記差動インピーダンスが目標範囲に収まるように設定された配線ルールに基づいて、前記差動インピーダンスの目標範囲から外れるエラー箇所をチェックすることを特徴とする請求項1記載の基板設計プログラム。
  5. 前記エラーチェック機能は、
    ユーザによって指定された検査領域に含まれる各組の差動ペア線路に関するパターンデータを差動ペアデータとして抽出する差動ペアデータ抽出機能と、
    前記差動ペアデータを基に各組の差動ペア線路について、差動ペア線路を構成する1対のペア線路に沿って配線パターン層、パターン幅、パターン間隔及び隣接層のベタパターンの有無の少なくとも1つが変化する点を探索し、当該探索された隣り合う点によって区分された区間をペア区間として抽出するペア区間抽出機能と、
    前記ペア区間抽出機能にて抽出した各ペア区間について、ペア線路間で配線パターン層及びパターン幅が一致しているか否かを判断し、一致している場合にはそのペア区間について前記配線ルールに合致した配線がなされているか否かを判断し、否の場合にそのペア区間をエラー箇所として蓄積するエラー蓄積機能と、
    を含むことを特徴とする請求項4記載の基板設計プログラム。
  6. プリント基板の設計情報である基板データを用いて差動ペア線路の配線パターンを含むプリント基板のパターン設計を行う基板設計装置であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の基板設計プログラムを予め記憶する記憶部と、
    前記記憶部から読み出した前記基板設計プログラムに従って、前記プリント基板のエラー箇所のチェックを実行する演算処理部と、
    を備えることを特徴とする基板設計装置。
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