JP2013091572A - エレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】かごが異常停止した時に、非常止め装置の作動速度に達しないようにかごを下降させる。
【解決手段】エレベーターは、主索12、巻上機3、非常止め装置15、電磁制動機6、救出運転操作手段、救出運転制御手段を備える。巻上機3は、主索12が巻掛けられた駆動綱車5を有する。電磁制動機6は、巻上機3に設けられる。救出運転操作手段は、人が押して操作するための操作手段を有する。救出運転制御手段は、電磁制動機6が制動動作されている時に操作手段が押されると電磁制動機6の制動動作を解除させる。その後、救出運転制御手段は、操作手段が押されなくなった場合及び操作手段が一定時間押され続けられた場合に電磁制動機6の制動動作を復帰させる。
【選択図】図10

Description

この発明は、異常停止時に巻上機の制動機を解放してかご及びつり合おもりのうち、吊り荷重の重い方を下降させてかごを乗場に停止させるエレベーターに関する。
図16は、例えば下記特許文献1に示された従来のエレベーターの救出運転装置の構成を概念的に示す図である。図において、101はエレベーターの巻上機、102は巻上機101の電動機に設けられた電磁制動機、103は電磁制動機102を人為操作によって解放する解放機構、104は制動解放レバー、105はコントロールワイヤで、一端は解放機構103に他端は制動解放レバー104に連結されている。
従来のエレベーターの救出運転装置は上記のように構成され、エレベーターの異常停止時に人為操作によって制動解放レバー104が押圧される。この押圧操作によってコントロールワイヤ105が牽引されて、コントロールワイヤ105により解放機構103が動作して電磁制動機102の制動が解放される。
これによって、図示が省略してあるが巻上機101の駆動綱車に主索が巻掛けられて、この主索の両端に連結されたかご及びつり合おもりの両者のうち吊り荷重の重い方の一方を下降させる救出運転が行われる。そして、かごを近くの乗場に停止させてかご内の乗客が救出される。なお、つり合おもりの重量は一般的に、かごに積載定員の1/2が乗り込んだときの吊り荷重に等しくなるように設定されている。
特開平3−272988号公報
上記のような従来のエレベーターの救出運転装置では、エレベーターの異常停止時に人為操作によって電磁制動機102の制動を解放した場合に、上記両者のうち重い方が下降して次第に加速される。このときにかごが下降し、その下降速度がエレベーターの異常速度検出装置(図示しない)の作動値に達すると、かごに設けられた非常止め装置(図示しない)が動作し、かごをかご用の案内レール(図示しない)に拘束して停止させる。
また、非常止め装置が動作したときのかごの拘束機能は自動復帰しないように構成されている。このため、かごの拘束解除には人為操作によってかごを一旦ひき上げる必要がある。したがって、かごを下降させる救出運転時に増速して非常止め装置が動作した場合には、かごの拘束解除に手数が掛かって乗客を長時間かご内にとじ込めることになるという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものである。この発明の目的は、かごが異常停止した時に、非常止め装置の作動速度に達しないようにかごを下降させることができるエレベーターを提供することである。
この発明に係るエレベーターは、かご及びつり合おもりを昇降路内に吊り下げる主索と、主索が巻掛けられた駆動綱車を有する巻上機と、かごに設けられた非常止め装置と、巻上機に設けられた電磁制動機と、人が押して操作するための操作手段を有する救出運転操作手段と、電磁制動機が制動動作されている時に操作手段が押されると電磁制動機の制動動作を解除させ、その後、操作手段が押されなくなった場合及び操作手段が一定時間押され続けられた場合に電磁制動機の制動動作を復帰させる救出運転用制御手段と、を備えたものである。
この発明によれば、かごが異常停止した時に、非常止め装置の作動速度に達しないようにかごを下降させることができる。
この発明の実施の形態1を示す図で、エレベーターの構成を概念的に示す斜視図。 図1のエレベーターにおける救出運転状況を説明する立面図。 図1のエレベーターにおける救出運転用制御装置の要部電気回路図。 図1のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフ。 図1のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機の拡大図。 この発明の実施の形態2を示す図で、エレベーターにおける救出運転用制御装置の要部電気回路図。 図6のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフ。 この発明の実施の形態3を示す図で、エレベーターにおける救出運転状況を説明する立面図。 図8の救出運転用操作器を概念的に示す拡大図。 図9の救出運転用操作機構の操作状態を示す図。 図8のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフ。 図9における時限消勢装置の拡大縦断面図。 図12の時限消勢装置の作動状態を説明する図。 この発明の実施の形態4を示す図で、時限消勢装置の拡大縦断面図。 図14のA−A線断面図。 従来におけるエレベーターの救出運転装置の構成を概念的に示す図。
実施の形態1.
図1〜図5は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1はエレベーターの構成を概念的に示す斜視図、図2は図1のエレベーターにおける救出運転状況を説明する立面図、図3は図1のエレベーターにおける救出運転用制御装置の要部電気回路図、図4は図1のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフ、図5は図1のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機の拡大図である。
図において、1は昇降路、2は昇降路1に設けられて互いに上下方向に離れて配置された乗場、3は昇降路1の上部に設置された巻上機で、駆動電動機4、駆動綱車5、後述する電磁制動機6及び速度検出器7が設けられている。8は昇降路1の所定経路を昇降するかご、9は昇降路1に立設されてかご8の昇降を案内するかご用レール、10は昇降路1の他の所定経路を昇降するつり合おもり、11は昇降路1に立設されてつり合おもり10の昇降を案内するつり合おもり用レールである。
12は主索で、一端が昇降路1上部の固定体に連結されて下降しかご8の下部に枢着された滑車に巻掛けられて上昇し、駆動綱車5に巻掛けられて下降してつり合おもり10に枢着された吊り車に巻掛けられて上昇し、他端は昇降路1上部の固定体に連結されている。13は昇降路1の上部に設置された調速機、14は調速ロープで、無端状をなし調速機13の調速車に巻掛けられて昇降路1に吊下され、一側がかご8に係合されている。
15はかご8の下部に設けられた非常止め装置で、作動部が調速ロープ14に連結されている。そして、かご8の下降速度が定格速度の1.4倍になったときの調速機13の動作によって調速ロープ14の移動が阻止される。このときのかご8と調速ロープ14の相対変位によって、かご用レール9を作動部が押圧してかご8の下降を制動する。
16はエレベーターの制御盤に設けられた救出運転用制御装置、17は所定速度検出手段、18は救出運転リレー、19は救出運転リレー18の常閉接点、20は電池電源、21は救出運転操作器、22は救出運転釦である。23は巻上機3のフレーム、24は駆動電動機4の出力軸に固定された制動ドラム、25は一端がフレーム23に枢持された腕である。
26は腕25に設けられて制動ドラム24と対向した制動シュー、27は腕25に設けられて反制動シュー26側に配置された吸引板、28はフレーム23に設けられて吸引板27と対向して配置された電磁石、29はフレーム23に設けられて腕25の回動端側に挿通された支持軸、30は電磁石28の配線、31は押圧ばねで、一端が支持軸29の先端に他端は腕25の回動端に係止されて腕25を介して制動シュー26を制動ドラム24に押圧する。
また、図4においてV0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度、V1 は電磁制動機6の制動解除阻止速度、t0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度に達するまでの作動速度時間、t1 は電磁制動機6の制動解除阻止速度に達するまでの救出運転時間である。
上記のように構成されたエレベーターにおいて、巻上機3の駆動電動機4が付勢されて駆動綱車5が回転する。これにより、主索12によってかご8がかご用レール9に、またつり合おもり10がつり合おもり用レール11に案内されて互いに反対方向へ昇降して、かご8が所要の乗場2に停止する。
なお、駆動電動機4が付勢されると電磁制動機6の電磁石28が付勢されて押圧ばね31の押圧力に抗して吸引板27を吸引することによって駆動綱車5の制動が解除される。また、駆動電動機4が消勢されると電磁制動機6の電磁石28が消勢されて押圧ばね31の押圧力によって制動シュー26により駆動綱車5が制動される。
そして、エレベーターが故障して異常停止した場合には、次に述べるようにしてかご8内乗客の救出運転が行われる。すなわち、係員によって救出運転用制御装置16に救出運転操作器21が接続されて救出運転釦22が押圧される。これによって、電池電源20−救出運転釦22−救出運転リレー18の常閉接点19−電磁石28−電池電源20の回路によって、電磁制動機6の電磁石28が付勢されて、駆動綱車5の制動が解除される。
これにより、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方が下降する。この下降による速度が巻上機3の速度検出器7によって検出され、下降速度が次第に加速されるものの、その検出速度がかご8の非常止め装置15の作動値未満である所定速度、すなわち図4に示す速度V1 に達すると所定速度検出手段17が動作する。この動作によって救出運転リレー18が付勢されて常閉接点19が開放する。このため、救出運転釦22が押圧されていても電磁制動機6の電磁石28が消勢されるので、駆動綱車5が制動されてかご8が停止する。
したがって、つり合おもり10との吊り荷重差によってかご8を下降させる救出運転時にかご8の下降が加速されても、その速度が非常止め装置15の作動値に達する前に駆動綱車5が制動される。このため、かご8を下降させる救出運転時に非常止め装置15が作動することはなく、迅速にまた容易にかご8を乗場2に停止させてかご8内乗客を救出することができる。
なお、所定速度検出手段17の動作を介して停止したかご8は、再度救出運転釦22が押圧されることによって、電磁制動機6の電磁石28が付勢されて駆動綱車5の制動が解除されることによって下降する。また、かご8を下降させる救出運転は、係員が乗場2の戸を僅か戸開してかご8の挙動を見ながら救出運転釦22を操作し、かご8を乗場2に停止させる。
実施の形態2.
図6及び図7は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図6はエレベーターにおける救出運転用制御装置の要部電気回路図、図7は図6のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフである。なお、図6及び図7の他は前述の図1〜図5の実施の形態と同様にトラクション式エレベーターの救出運転装置が構成されている。図において、前述の図1〜図5と同符号は相当部分を示す。
32は所定時限検出手段で、エレベーターが異常停止したときに駆動綱車5の制動が解除され、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方が下降する場合に、下降速度がかごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度に達する最短の時限によって動作する。
また、図7においてV0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度、V1 は後述する所定時限検出手段32による電磁制動機6の制動解除阻止速度、t0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度に達するまでの下降時間、t1 は電磁制動機6の制動解除阻止速度に達するまでの救出運転時間である。
上記のように構成されたエレベーターにおいて、通常時に前述の図1〜図5の実施の形態と同様にエレベーターが運転され、電磁制動機6により巻上機3が制動されて停止する。そして、エレベーターが故障して異常停止した場合には、次に述べるようにしてかご8内乗客の救出運転が行われる。
すなわち、係員によって救出運転用制御装置16に救出運転操作器21が接続されて救出運転釦22が押圧される。これによって、電池電源20−救出運転釦22−所定時限検出手段32−電磁石28−電池電源20の回路によって、電磁制動機6の電磁石28が付勢されて、駆動綱車5の制動が解除される。
これにより、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方が下降し、この下降時間が所定時限検出手段32によって検出される。そして、下降速度が次第に加速されるものの、かごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度、すなわち図7に示す速度V1 に達する最短の時限、すなわち図7に示す時間t1 になると所定時限検出手段32が動作する。
そして、所定時限検出手段32が動作することによって、電磁制動機6の電磁石28が消勢されて、駆動綱車5が制動されてかご8が停止する。このため、つり合おもり10との吊り荷重差によってかご8を下降させる救出運転時にかご8の下降が加速されても、その速度が非常止め装置15の作動値に達する前に駆動綱車5が制動される。したがって、詳細な説明を省略するが図6及び図7の実施の形態においても図1〜図5の実施の形態と同様な作用が得られる。
実施の形態3.
図8〜図13も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図8はエレベーターにおける救出運転状況を説明する立面図、図9は図8の救出運転用操作器を概念的に示す拡大図、図10は図9の救出運転用操作機構の操作状態を示す図、図11は図8のエレベーターにおける巻上機の電磁制動機を制動解除したときの時間経過とかごの下降速度との関係を示すグラフ、図12は図9における時限消勢装置の拡大縦断面図、図13は図12の時限消勢装置の作動状態を説明する図である。
なお、図8〜図13の他は前述の図1〜図5の実施の形態と同様にトラクション式エレベーターの救出運転装置が構成されている。図において、前述の図1〜図5と同符号は相当部分を示し、33は救出運転用操作機構で、次に述べる牽引装置、伝動装置及び時限消勢装置によって構成されている。
すなわち、34は牽引装置で、乗場2床に配置される台板35、台板35の一側に立設された支持板36、支持板36の基部に一端が枢着された足踏みレバー37、足踏みレバー37の枢着部寄りに固定された伝動板38、伝動板38の反支持板36側の上端に一端が枢持されて他端は下方に配置された伝動補助板39が設けられている。
40は伝動装置で、巻上機3のフレーム23における支持軸29装着部に設けられた装着体41、装着体41に一端が枢着されて他端は腕25の回動端における制動ドラム24側の面に対向した作動カム42、後述する伝動ケーブル43が設けられている。なお、伝動ケーブル43は両端がそれぞれ支持板36及び装着体41に係止された可撓性管体44並びに可撓性管体44に挿通されて一端が作動カム42の長手中間に連結され他端は伝動板38に挿入されて伝動補助板39に連結された可撓ワイヤ45によって構成されている。
46は液体ダンパからなる時限消勢装置で、伝動板38の支持板36側に装着されたシリンダー47、シリンダー47に嵌合されて伝動板38から突出して先端が伝動補助板39に接して配置されたプランジャー48、シリンダー47内に配置されてプランジャー48のピストン49を押圧するばね50、ピストン49のシリンダー47内底面に設けられてピストン49のオリフィス51の一つに対向して配置されたゴム等の粘弾性材製の弁板52が設けられている。
また、図11においてV0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度、V1 は時限消勢装置46による電磁制動機6の制動解除阻止速度、t0 はかご8下降時における非常止め装置15の作動速度に達するまでのかご8の下降時間、t1 は電磁制動機6の制動解除阻止速度に達するまでの救出運転時間、t2 は時限消勢装置46による電磁制動機6の制動解除阻止速度に達するまでの下降時間である。
上記のように構成されたエレベーターにおいて、通常時に前述の図1〜図5の実施の形態と同様にエレベーターが運転され、電磁制動機6により巻上機3が制動されて停止する。そして、エレベーターが故障して異常停止した場合には、次に述べるようにしてかご8内乗客の救出運転が行われる。
すなわち、係員によって図8に示すように救出運転用操作機構33が仮設され、図9に示す状態において牽引装置34の足踏みレバー37が押し下げられる。これにより、伝動板38、伝動補助板39及び時限消勢装置46を介して、伝動装置40の伝動ケーブル43の可撓ワイヤ45が牽引される。これによって、図10上部に示すように作動カム42により押圧ばね31の押圧力に抗して腕25が回動して駆動綱車5の制動が解除される。
これにより、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方が下降し、時間の経過と共に下降速度が次第に加速される。しかし、伝動ケーブル43の牽引開始後の時間経過によって時限消勢装置46は図12に示す状態から、シリンダー47に充填された液体が、ピストン49のオリフィスを経て次第にプランジャー48側に流出して図13に示す状態となる。
これによって、伝動補助板39が伝動板38に接近して図10下部に示す状態となる。このため、図11に示す時限消勢装置46の機能による電磁制動機6の制動解除阻止速度に達するまでの時間、すなわち下降時間t2 の経過によって駆動綱車5が制動される。したがって、上記両者のうち吊り荷重の重い方の下降速度が、かごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度、すなわち図11に示す速度V1 に制限される。
このため、つり合おもり10との吊り荷重差によってかご8を下降させる救出運転時に、救出運転用操作機構33の人為的操作によってかご8の下降が加速されるが、その速度が非常止め装置15の作動値に達する前に救出運転用操作機構33の時限消勢装置46の機能、すなわち所定時限経過後に伝動ケーブル43による牽引作用を消失させる機能によって駆動綱車5が制動されてかご8が停止する。したがって、詳細な説明を省略するが図8〜図13の実施の形態においても図1〜図5の実施の形態と同様な作用が得られる。
なお、牽引装置34の足踏みレバー37を押し下げた図10に示す状態において、係員が足踏みレバー37から足を外すと、伝動板38、伝動補助板39による伝動ケーブル43の牽引力が消失する。これにより、時限消勢装置46が図13に示す状態から図12に示すようにプランジャー48が突出位置に復帰する。この時限消勢装置46の復帰動作時には弁板52が図13に示すように撓屈して両方のオリフィス51が全開する。
したがって、時限消勢装置46の復帰動作時に全開したオリフィス51を経て、液体がシリンダー47内側に急速に流入するので、迅速にプランジャー48が突出して図9に示す状態に復帰する。このため、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方を下降させる救出運転時に、下降が加速されてその速度が非常止め装置15の作動値に達する前に駆動綱車5が制動された状態から再度、早急に牽引装置34の足踏みレバー37を押し下げることができる。このため、救出運転動作を短時間に繰り返すことができ、救出運転の作業能率を向上することができる。
実施の形態4.
図14及び図15も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図14は時限消勢装置の拡大縦断面図、図15は図14のA−A線断面図である。なお、図14及び図15の他は前述の図1〜図5の実施の形態、図8〜図13の実施の形態の実施の形態と同様にトラクション式エレベーターの救出運転装置が構成されている。
図において、前述の図1〜図5、図8〜図13と同符号は相当部分を示し、53はゴム等の粘弾性材の円形の板からなる弁板で、オリフィス51の一つに対向して配置されピストン49の中心にねじ込まれたボルト54によって、円形の中心から外れた位置がピストン49の中心に装着されている。
上記のように構成されたエレベーターにおいて、通常時に前述の図1〜図5の実施の形態と同様にエレベーターが運転され、電磁制動機6により巻上機3が制動されて停止する。そして、エレベーターが故障して異常停止した場合には、前述の図8〜図13の実施の形態と同様に、係員により救出運転用操作機構33が仮設されて足踏みレバー37が押し下げられ、伝動板38、伝動補助板39及び時限消勢装置46を介し、伝動ケーブル43の可撓ワイヤ45が牽引される。
これによって、伝動ケーブル43を介して作動カム42が動作し、駆動綱車5の制動が解除されてかご8内乗客の救出運転が行われる。したがって、詳細な説明を省略するが図14及び図15の実施の形態においても図8〜図13の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、図14及び図15の実施の形態において、弁板53をピストン49の中心において回動することによって、通常時におけるオリフィス51の一つの開口面積を変化させることができる。このため、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方を下降させる救出運転時に、救出運転用操作機構33の足踏みレバー37を押し下げたときの時限消勢装置46の機能、すなわち所定時限経過後に伝動ケーブル43による牽引作用を消失させる機能による電磁制動機6の制動解除阻止速度に対応した伝動ケーブル43の牽引作用消失までの時間を適宜に調整することができる。
したがって、かご8及びつり合おもり10の吊り荷重差、またエレベーターの仕様によって変化する電磁制動機6の制動解除阻止速度に対応する伝動ケーブル43の牽引作用消失までの時間を容易に最適に設定することができる。このため、かご8及びつり合おもり10の両者のうち吊り荷重の重い方を下降させる救出運転の作業能率を向上することができる。
実施の形態5.
前述の実施の形態の構成において、次に述べる方法によって、エレベーターの異常停止時にかご8内乗客の救出運転を行うことができる。すなわち、エレベーターの異常停止時に巻上機3の電磁制動機6を解放してかご8及びつり合おもり10の両者における吊り荷重の重い方の一方を下降させる。
そして、その下降速度がかごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度に達する前に電磁制動機6を制動動作させる。
また、上記両者のうち吊り荷重の重い方の一方を下降させて、下降速度がかごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度に達する最短の時限によって電磁制動機6を制動動作させる。
また、エレベーターの異常停止時に救出運転用操作機構33を仮設し、牽引装置34の人為操作により伝動装置40を介して巻上機3の電磁制動機6を解放して、かご8及びつり合おもり10の両者における吊り荷重の重い方の一方を下降させる。そして、その下降速度がかごの非常止め装置15の作動値未満である所定速度に達する最短の時限によって伝動装置40の牽引作用を解消する時限消勢装置46を設け、時限消勢装置46の機能によって電磁制動機6を制動動作させる。
このようなトラクション式エレベーターの救出運転方法によって、つり合おもり10との吊り荷重差によってかご8を下降させる救出運転時に、巻上機3の電磁制動機6を解放してかご8の下降が加速される。しかし、その下降速度が非常止め装置15の作動値に達する前に電磁制動機6が制動動作する。このため、かご8を下降させる救出運転時に非常止め装置15が作動することはなく、迅速にまた容易にかご8を乗場2に救出運転できて、かご8内乗客を救出することができる。
3 巻上機、5 駆動綱車、6 電磁制動機、8 かご、10 つり合おもり、12 主索、15 非常止め装置、16 救出運転用制御装置、17 所定速度検出手段、32 所定時限検出手段、33 救出運転用操作機構、34 牽引装置、40 伝動装置、46 時限消勢装置。

Claims (5)

  1. かご及びつり合おもりを昇降路内に吊り下げる主索と、
    前記主索が巻掛けられた駆動綱車を有する巻上機と、
    前記かごに設けられた非常止め装置と、
    前記巻上機に設けられた電磁制動機と、
    人が押して操作するための操作手段を有する救出運転操作手段と、
    前記電磁制動機が制動動作されている時に前記操作手段が押されると前記電磁制動機の制動動作を解除させ、その後、前記操作手段が押されなくなった場合及び前記操作手段が一定時間押され続けられた場合に前記電磁制動機の制動動作を復帰させる救出運転用制御手段と、
    を備えたエレベーター。
  2. 前記救出運転用制御手段は、
    前記操作手段が押されている間、前記電磁制動機の制動動作を徐々に復帰させ、
    前記操作手段が一定時間押され続けられた際に前記電磁制動機の制動動作を完全に復帰させる
    請求項1に記載のエレベーター。
  3. 前記救出運転用制御手段は、給電されることなく、前記電磁制動機の制動動作を解除させ且つ前記電磁制動機の制動動作を復帰させる請求項2に記載のエレベーター。
  4. 前記救出運転操作手段は、押されることによって伝動ケーブルを牽引するレバーを備え、
    前記救出運転用制御手段は、
    前記伝動ケーブルと、
    前記レバーが押されてから一定時間が経過した後に前記伝動ケーブルによる牽引作用を消失させる時限消勢装置と、
    を備えた請求項2又は請求項3に記載のエレベーター。
  5. 前記救出運転操作手段は、前記昇降路内に設けられた制御盤に接続され、前記操作手段として救出運転釦を有する請求項1に記載のエレベーター。
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