JP2013091373A - 車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状の複雑化を招くことがなく、且つ十分な補強効果を確保しつつ溶接作業を良好に行うことが可能な車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる車体構造(車体後部構造100)の構成は、車体構成部材間(ホイルハウス110とバックピラー120の間)に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材(リンフォースメント130)は、車体構成部材間に直線的に配置される平坦面132aと、平坦面の長手の一端から屈曲する第1屈曲部134と、第1屈曲部からさらに延び、平坦面の長手方向とは異なる車幅方向または車高方向に傾斜している傾斜面136と、傾斜面の端部から屈曲する第2屈曲部137と、第2屈曲部からさらに延び、平坦面の長手方向にほぼ平行となる延長面138とを有し、傾斜面および延長面においてそれぞれ異なる車体構成部材との溶接が行われることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、車体を構成する部材間に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材を備える車体構造に関するものである。
車両では、操縦安定性や衝突安全性を担保するために十分な車体強度を確保する必要がある。特にタイヤ近傍の車体構造は、路面からの荷重や衝突荷重などの負荷を受けやすいため、より高い車体強度を確保することが望まれる。このため、タイヤ近傍の車体強度を向上させるべく従来から様々な工夫が施されている。その例として特許文献1には、タイヤ近傍の車体ボデーであるリヤホイールハウスと、車体の骨格部材であるリヤピラーとを結合部材(リンフォースメントとも称される。以下、本願では補強部材と称する。)によって連結する車両の後部構造が開示されている。
特開2007−112386号公報
特許文献1のように、リヤホイールハウスやリヤピラー等の車体を構成する部材(以下、本願では車体構成部材と称する。)の間に補強部材を掛け渡してそれらを溶接する際、一般にはそれらの車体構成部材には、各々他の部材が既に溶接されている状態である。すなわち補強部材は、他の部材が既に溶接された構成部材の間に掛け渡されてそれらに溶接されることになる。このため、補強部材では、まずそれを車体構成部材に溶接する際の作業エリアの確保が優先され、その結果、形状に工夫を施しただけでは、必要とされる補強強度を十分に満たせなくなることがあった。
また車体構成部材やそれに既に溶接されている部材等、補強部材の周辺には多くの部材が配置されている。そのような周辺レイアウトの中で設置スペースを確保するために、補強部材には、部分的に車幅方向に膨らませたりすることにより凹凸が設けられることがある。このような凹凸形状は、配置スペースの確保を目的としたものであるため、補強部材の本来の目的である車体強度の向上効果が少ない、いわゆる無駄形状である。
更には、凹凸形状が補強部材を車幅方向に膨らませて形成されている場合、それによって荷室空間が狭められ、乗員の使い勝手に影響を及ぼすこともある。加えて、凹凸によって補強部材の形状が複雑化すると、車体構成部材との溶接箇所(溶接面積)を十分に得ることが難しく、走行中の想定外の外力によって溶接部に大きな負荷がかかった際に溶接が剥がれてしまうおそれがあった。
本発明は、このような課題に鑑み、形状の複雑化を招くことがなく、且つ十分な補強効果を確保しつつ溶接作業を良好に行うことが可能な車体構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる車体構造の代表的な構成は、車体を構成する車体構成部材間に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材を備える車体構造であって、補強部材は、車体構成部材間に直線的に配置される平坦面と、平坦面の長手の一端から屈曲する第1屈曲部と、第1屈曲部からさらに延び、平坦面の長手方向とは異なる車幅方向または車高方向に傾斜している傾斜面と、傾斜面の端部から屈曲する第2屈曲部と、第2屈曲部からさらに延び、平坦面の長手方向にほぼ平行となる延長面とを有し、傾斜面および延長面においてそれぞれ異なる車体構成部材との溶接が行われることを特徴とする。
上記構成の傾斜面や延長面のように溶接箇所を面にすることにより、溶接面積を十分に得ることができ、高い溶接強度を確保可能である。また溶接箇所が面であり、車体構造部材と補強部材とが面で接していることにより、路面からかかる下方からの荷重や後方からの衝突時の荷重等、補強部材を通じてかかった負荷を車体構成部材が面で受けることができる。換言すれば、負荷を車体構成部材に面で逃がすことができるため、高い補強効果を得ることができ、衝撃強度や車体構成強度(走縦安定性)の向上を図ることが可能である。更に、補強部材を通じてかかった負荷を車体構成部材が面で受けることにより、直線的な荷重だけでなく、回転方向の荷重すなわち捩れに対する強度を高めることができるため、補強効果の更なる向上を図ることが可能である。特に、延長面は、平坦面に対して平行に延びた状態で車体構造部材に溶接されているため、補強部材が受けた捩れ方向の負荷による溶接はがれを好適に防ぐことができる。
また上記構成によれば、第1屈曲部および第2屈曲部が設けられているため、傾斜面は平坦面に対して傾斜し、延長面は平坦面とほぼ平行となり、それらの面の角度が異なる。また延長面は、傾斜面の端部に設けられた第2屈曲部からさらに伸びている、すなわち補強部材の長手方向において延長面は傾斜面よりも先に配置されているため、それらは補強部材の長手方向において異なる位置にある。このように、傾斜面および延長面の位置や傾斜を異ならせることにより、それらにそれぞれ部材を溶接する際の溶接作業スペース(組付エリア)を十分に確保することができるため、作業性を向上させることができる。
上記の補強部材と車体構成部材とは、補強部材の延長面において溶接された後に傾斜面において溶接されるとよい。これにより、傾斜面が、それより先に溶接される延長面での溶接により位置決めされた状態となるため、傾斜面での溶接作業を良好且つ容易に行うことが可能となる。
上記の補強部材の短手方向の断面形状は、平坦面を天面としたハット形状であるとよい。これにより、補強部材の、特に平坦面近傍の剛性を高め、ひいては補強強度の向上を図ることが可能となる。またハット形状という単純な形状であるため、周辺レイアウトの中でも設置が容易であり、形状の複雑化に起因する問題が生じることがない。
上記の補強部材は、ハット形状のツバ部に相当するフランジが、該ハット形状の天面である平坦面にほぼ平行であり、延長面は、フランジを天面の長手方向に傾斜面の先まで延ばした領域も含むとよい。かかる構成によれば、ハット形状の補強部材において、傾斜面はハット部分(頭部)に位置し、延長面はハットのフランジ部分(ツバ部)に位置する。したがって、延長面および傾斜面は、上述した角度や長手方向の位置に加えて、短手方向の位置も異なることとなる。これにより、溶接位置の更なる調整が可能となり、補強部材の溶接対応性(溶接の容易性)が向上する。
当該車体構造は、車体後部の骨格を構成するバックピラーと、車体後輪近傍のリヤホールハウスとをさらに備え、補強部材は、バックピラーとリヤホールハウスとに掛け渡されてそれらに溶接されるとよい。上述したように、車体後部に設けられた後輪(リヤタイヤ)近傍ではより高い車体強度を確保することが望まれるため、本発明を好適に用いることができる。
上記のバックピラーは、車外側の面を構成するピラーアウタと、車内側の面を構成するピラーインナとを有し、傾斜面および延長面の一方にはピラーアウタが溶接され、他方にはピラーインナが溶接されるとよい。かかる構成によれば、ホイルハウスにかかった負荷は、リンフォースメントにおいて傾斜面および延長面の2箇所でバックピラーに伝達される。これにより、バックピラーにおいて負荷が分散されるため、負荷の集中による溶接はがれや変形を抑制することができ、補強効果を更に向上させることが可能である。
本発明によれば、形状の複雑化を招くことがなく、且つ十分な補強効果を確保しつつ溶接作業を良好に行うことが可能な車体構造を提供することができる。
第1実施形態にかかる車体構造を例示する図である。 図1の部分拡大図である。 図2の断面図である。 図2のリンフォースメントの詳細を示す図である。 第2実施形態にかかる車体構造を例示する図である。 第2実施形態の車体構造の詳細図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる車体構造を例示する図であり、図1(a)は車体後部の外観斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す車体後部構造100からサイドボデーアウタ104およびピラーアウタ122を取り外した状態の斜視図である。図2は、図1(b)の部分拡大図である。なお、理解を容易にするために、図2では、ピラーアウタ122を二点鎖線で図示し、その背後に位置するピラーインナ124およびリンフォースメント130を透過させた状態を示している。
図1に示すように、本実施形態では、リヤタイヤ102(破線にて図示)の上部の車体構造すなわち車体後部構造100に本発明を適用する場合を例示して説明する。ただし、これに限定するものではなく、本発明は、他の車体構造部材(板金部材)間に掛け渡される補強部材を備える車体構造においても適用可能である。
図1および図2に示す車体後部構造100では、外装部材であるサイドボデーアウタ104の内側に、リヤタイヤ102の上部に配置されてそれを支持するホイルハウス110が設けられている。
図3は、図2の断面図であり、図3(a)は図2(a)のA−A断面図であり、図3(b)は図2(a)のB−B断面図である。図3では、図2(a)で図示されていないサイドボデーアウタ104を一点鎖線で図示している。図3に示すように、ホイルハウス110は、その車外側および車内側をそれぞれ構成するホイールハウスアウタ112およびホイールハウスインナ114を備える。ホイルハウス110の後方には、車体後部構造100の骨格を担うバックピラー120が設けられている。図3に示すように、バックピラー120は、その車外側および車内側をそれぞれ構成するピラーアウタ122およびピラーインナ124を備える。
車体後部構造100において、ホイルハウス110とバックピラー120との距離が長いと、車体強度が不十分になる傾向がある。このため走行中にホイルハウス110とバックピラー120が異なった挙動を起こし、操縦安定性の低下を招くおそれがある。そこで、車体後部構造100の強度を向上させるために、車体を構成する部材であるホイルハウス110とバックピラー120との間に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材としてリンフォースメント130が設けられる。
図3に示すように、リンフォースメント130は、一方の端部近傍がバックピラー120と溶接によって接合され、他方の端部近傍がホイルハウス110と溶接によって接合される。詳細には、ホイルハウス110は、ホイールハウスインナ114およびホイールハウスアウタ112が溶接された後に、リンフォースメント130の他方の端部近傍に溶接される。その後、車体後方側においてピラーアウタ122およびピラーインナ124が既に溶接されたバックピラー120と、リンフォースメント130の一方の端部とが溶接される。
上記のように、ホイルハウス110およびバックピラー120は、それらを構成する部材同士が既に溶接されている状態であり、またそれらに他の車体構造部材が更に溶接されている場合もある。このため、リンフォースメント130に求められているのは、車体強度を向上させる効果すなわち補強効果はもちろんのことであるが、それだけではない。すなわち、ホイルハウス110やバックピラー120等の車体構造部材が既に配置されている状況においても溶接作業を良好に行うことが可能な溶接作業エリアの確保も求められている。このような要請に応えるべく、本実施形態にかかる車体後部構造100ではリンフォースメント130の形状に特徴を設けている。
図4は、図2のリンフォースメント130の詳細を示す図であり、図4(a)はリンフォースメント130の正面斜視図であり、図4(b)はリンフォースメント130の背面斜視図であり、図4(c)は図4(a)のC−C断面図である。図4(a)に示すリンフォースメント130は、図4(c)に示すように短手方向の断面が車体外方に向かって突出しているハット形状の本体132を有する。
本体132は、車体構成部材間(本実施形態においてはホイルハウス110とバックピラー120との間)に直線的に配置される平坦面132aが、ハット形状の天面となっている。また本体132は、平坦面132aの短手方向の縁から連続する側面132bを有し、かかる側面132bからは、ハット形状の天面である平坦面132aにほぼ平行なフランジ132cが連続している。
上記のようにリンフォースメント130の本体132をハット形状とすることにより、従来のように無駄な凹凸形状を設けることなく、すなわち形状を複雑化させることなくリンフォースメント130の剛性、ひいては補強強度を向上させることができる。特に本実施形態のように、ハット形状が車体外方に向かって突出していることにより、荷室空間を狭めることがないため乗員の使い勝手を阻害することがない。またこのようにリンフォースメント130が単純な形状であることにより、部品形状を加工する際の成形性を高めることが可能となる。
またリンフォースメント130は、ハット形状の本体132の平坦面132aの長手の一端から車体内側に向かって屈曲する第1屈曲部134と、かかる第1屈曲部134からさらに延び、平坦面132aの長手方向とは異なる車幅方向または車高方向(本実施形態においては車体内側)に傾斜している傾斜面136を有する。この傾斜面136の端部にはそこから屈曲する第2屈曲部137が形成されていて、第2屈曲部137からは、平坦面132aの長手方向にほぼ平行となる延長面138aがさらに延びている。
また本実施形態のリンフォースメント130は、上述したようにハット形状の本体132に、平坦面132aにほぼ平行なフランジ132cが設けられていて、そのフランジ132cを平坦面132a(ハット形状の天面)の長手方向に傾斜面136の先まで延ばした領域である延長面138bを有する。すなわち本実施形態では、延長面138aおよび138bによって延長面138が構成されている。
加えて、リンフォースメント130の本体132において、傾斜面136や延長面138が設けられていない側の側縁からは立上り部133が立設している。リンフォースメント130の長手方向において、ホイルハウス110が溶接される側の端部近傍(他方の端部)では、図3に示すように、立上り部133に、ホイルハウス110がリンフォースメント130の背面側(車室内方)から溶接される。
一方、バックピラー120が溶接される側の端部近傍(一方の端部近傍)では、補強部材であるリンフォースメント130は、傾斜面136および延長面138においてそれぞれ異なる車体構成部材(本実施形態においてはピラーアウタ122やピラーインナ124)との溶接が行われる。詳細には、まずピラーインナ124がリンフォースメント130の背面側(車室内方)から延長面138に溶接される(図3(b)参照)。このとき、本実施形態では、上記説明したように延長面138を構成する延長面138aおよび138bのうち、フランジ132cの延長上に設けられた延長面138bにおいてピラーインナ124を溶接する。その後、ピラーアウタ122がリンフォースメント130の正面側(車室外方)から傾斜面136に溶接される(図3(a)参照)。
すなわち本実施形態のリンフォースメント130への車体構成部材の溶接では、延長面138(厳密には延長面138b)において溶接が行われた後に傾斜面136での溶接が行われる。これにより、先に行われる延長面138での溶接により傾斜面136が位置決めされた状態となるため、傾斜面136での溶接作業を良好且つ容易に行うことが可能となる。ただし、かかる構成は例示に過ぎず、傾斜面136での溶接を行った後に延長面138での溶接を行うことも当然にして可能であり、この場合、延長面138での溶接時の作業性の向上を図ることができる。
そして、上述したように第1屈曲部134および第2屈曲部137が設けられているため、傾斜面136は本体132の平坦面132aに対して傾斜しているのに対し、延長面138は本体132の平坦面132aとほぼ平行であるため、それらは互いに平行ではない。またリンフォースメント130の長手方向において、延長面138は傾斜面136よりも先(末端近く)に設けられているため、それらはかかる長手方向において異なる位置にある。更に、延長面138は傾斜面136よりも車体内側に位置するため、それらは車幅方向においても異なる位置にある。
上記のように傾斜面136と延長面138との角度や位置を異ならせることにより、延長面138は、傾斜面136の溶接時に用いられる溶接ガン等の治具(不図示)と干渉せず、逆もまた然りである。したがって、例えばピラーインナ124を溶接後のリンフォースメント130の傾斜面136にピラーアウタ122を溶接する際、延長面138は邪魔にならず、溶接用の作業スペース(組付エリア)を十分に確保することができ、効率的に作業を行うことが可能となる。
特に本実施形態ではリンフォースメント130をハット形状としているため、傾斜面136はハット部分(頭部)に位置し、延長面138bはハットのフランジ部分(ツバ部)に位置する。このため、延長面138bおよび傾斜面136は、上述した角度や長手方向の位置に加えて、短手方向の位置も異なることとなる。これにより、溶接位置の更なる調整が可能となり、リンフォースメント130の溶接対応性を向上させることができる。
また本実施形態のリンフォースメント130によれば、ピラーアウタ122やピラーインナ124が傾斜面136や延長面138において溶接される、すなわち溶接箇所が面であるため、それらの溶接面積が十分に得られる。したがって、バックピラー120とリンフォースメント130との溶接強度の向上が図れるため、溶接はがれを好適に防ぐことが可能となる。
更に、上述したように溶接箇所が面であれば、車体構造部材(本実施形態においてはバックピラー120)とリンフォースメント130とが面で接する。このため、路面(不図示)からかかる下方からの荷重や後方からの衝突時の荷重等の負荷がホイルハウス110にかかった際に、その負荷をバックピラー120がリンフォースメント130を介して面で受けることができ、高い補強効果が得られ、ひいては衝撃強度や車体構成強度(走行安定性)の向上を図ることが可能となる。
特に本実施形態ではリンフォースメント130において、ホイルハウス110を介してかかった負荷が傾斜面136および延長面138(延長面138b)の2箇所でバックピラー120に伝達される。このように受け位置が2箇所であることにより、車体後部構造100にかかった不規則な負荷や集中的な負荷を好適に分散することができ、補強効果を更に高めることが可能である。
加えて、バックピラー120とリンフォースメント130との溶接箇所が面であることにより、直線的な荷重だけでなく、回転方向の荷重すなわち捩れに対する強度を高めることができる。詳細には、従来のようにバックピラーとリンフォースメントとが一箇所の点において溶接されている場合、リンフォースメントの長手方向に対して働く負荷に対しては補強効果が得られるものの、リンフォースメントをバックピラーから剥離する方向の負荷、すなわち捩れた負荷に対しては補強効果が不十分になる。
これに対し、本実施形態のように溶接箇所が面であることにより、図2に示すように、ホイルハウス110とリンフォースメント130との溶接箇所すなわち立上り部133(図4参照)を中心として回転する捩れた負荷(矢印192aおよび192bで図示)がリンフォースメント130にかかったとしてもバックピラー120とリンフォースメント130との剥離が生じづらく、高い補強効果を得ることが可能となる。特に本実施形態の延長面138は、平坦面132aに対して平行に延びた状態で車体構造部材(ピラーインナ124)に溶接されているため、リンフォースメント130が受けた捩れ方向の負荷による溶接はがれが好適に防がれる。
また上述したようにリンフォースメント130は、車体外方にはピラーアウタ122、車体内方にはピラーインナ124が配置されている(図3参照)。これにより、リンフォースメント130に対して、ピラーアウタ122との溶接箇所である傾斜面136を剥離しようとする方向の負荷(車体内方に向かう負荷、図3(a)に矢印194で図示)がかかっても、リンフォースメント130は延長面138においてピラーインナ124に溶接されているため、それに支持されて車体内方への移動が抑制される。一方、リンフォースメント130に対して、ピラーインナ124との溶接箇所である延長面138を剥離しようとする方向の負荷(車体外方に向かう負荷、図3(b)に矢印196で図示)がかかっても、リンフォースメント130は傾斜面136においてピラーアウタ122に溶接されているため、それに支持されて車体外方への移動が抑制される。
すなわち本実施形態の構成によれば、リンフォースメント130における溶接箇所である傾斜面136や延長面138の一方に、それを剥離しようとする負荷がかかっても、かかる負荷による剥離方向への移動を他方の溶接箇所によって抑制できるため、接合強度ひいては補強強度の向上を図ることができる。このように補強強度の向上が図られることにより、溶接点数を従来よりも削減し、作業時間の短縮化に寄与することも可能である。
上記説明したように第1実施形態にかかる車体構造(車体後部構造100)によれば、それらにそれぞれ部材を溶接する際の溶接作業エリアを十分に確保することができ、作業効率の向上が図れる。また傾斜面136や延長面138のように溶接箇所が面であることにより、溶接面積が十分に得られるため高い溶接強度を確保することができ、且つ補強部材(リンフォースメント130)を通じてかかった負荷を車体構成部材(バックピラー120)が面で受けることができるため、特に回転方向の荷重(捩れ)に対する高い補強効果を得ることができる。したがって、形状の複雑化を招くことがなく、且つ十分な補強効果を確保しつつ溶接作業を良好に行うことが可能である。
なお、傾斜面136は、ピラーアウタ122において傾斜面136に溶接される領域の傾斜に沿っていることが好ましい。これにより、ピラーアウタ122とリンフォースメント130との溶接強度を向上させ、且つ負荷の伝達効率を高めるができ、更に高い補強効果を得ることが可能となる。また好ましくは、延長面138も、ピラーインナ124において延長面138に溶接される領域の傾斜に沿っているとよい。これにより、ピラーインナ124とリンフォースメント130との溶接箇所においても上述した利点を得ることができ、より一層の補強効果の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態にかかる車体構造(以下、車体後部構造200と称する)を例示する図である。図5(a)は図2に対応する位置における第2実施形態の車体構造の側面図であり、図5(b)は図5(a)の背面図である。図6は、第2実施形態の車体構造の詳細図である。図6(a)は第2実施形態の補強部材であるリンフォースメント230の斜視図であり、図6(b)は図5(a)のD−D断面図であり、図6(c)は図6(b)のE−E断面図である。なお、第2実施形態の車体後部構造200では、第1実施形態の車体後部構造100において説明した構成要素を同一の機能や構成を有する要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態の車体後部構造100ではリンフォースメント130がハット形状であったが、かかる構成は一例に過ぎず、これに限定するものではない。補強部材であるリンフォースメントの他の形状としては、図5に示す第2実施形態の車体後部構造200のように、車体構成部材であるホイルハウス110とバックピラー120とを直線的に結ぶ形状、すなわち直線状部材のリンフォースメント230としてもよい。
図6(b)に示すように、リンフォースメント230も、車体構成部材間(ホイルハウス110およびバックピラー120の間)に直線的に配置される平坦面232aを有し、かかる平坦面232aの長手の一端にそこから屈曲する第1屈曲部234が設けられている。第1屈曲部234からは、平坦面232aの長手方向とは異なる車幅方向または車高方向に傾斜している傾斜面236がさらに延びていて、その傾斜面236の端部にそこから屈曲する第2屈曲部237が設けられている。そして、第2屈曲部237からは、平坦面232aの長手方向にほぼ平行となる延長面238がさらに延びている。
またリンフォースメント230では、平坦面232aの第1屈曲部234を有さない側の端部からフランジ240が立設している。リンフォースメント130の長手方向において、このフランジ240を有する側の端部近傍には、図6(a)に示すように、かかるフランジ240に、ホイルハウス110がリンフォースメント230の背面側(車室内方)から溶接される。
一方、バックピラー120が溶接される側の端部近傍では、まずピラーインナ124がリンフォースメント130の背面側(車室内方)から延長面238に溶接される。その後、ピラーアウタ122がリンフォースメント130の正面側(車室外方)から傾斜面236に溶接される。本実施形態においても、リンフォースメント230は第1屈曲部234および第2屈曲部237を有するため、傾斜面236および延長面238は互いに角度や位置が異なる。このため、車体後部構造200においても、上述したように溶接用の作業スペース(組付エリア)を十分に確保することができ、溶接時の作業効率の向上を図ることができる。
また車体後部構造200において、リンフォースメント230に対してピラーアウタ122やピラーインナ124は傾斜面236や延長面238で溶接されるため、溶接箇所は面になる。したがって、上述したようにバックピラー120とリンフォースメント230との溶接強度、ひいては補強効果の向上を図ることができ、衝撃強度や車体構成強度(走行安定性)を高めることが可能となる。
更に本実施形態では、リンフォースメント230において、延長面238およびフランジ240以外の領域の長手方向の縁に側面232bを設けている。これにより、リンフォースメント230の断面は図6(c)に示すようにコの字状になるため、リンフォースメント230が直線状の部材であっても高い剛性を得ることが可能になる。ただし、かかる形状は例示に過ぎず、他の形状を除外するものではない。リンフォースメント230は、側面232bを設けない板状部材であってもよいし、側面232bから更に立設するフランジ(不図示)を設け、断面がハット形状になるように構成することも可能である。
なお、上記説明したように、第1実施形態のリンフォースメント130および第2実施形態のリンフォースメント230のいずれにおいても、延長面138および238は、平坦面132aおよび232aから離れる方向に向かって延びている。しかしながら、必ずしもこれに限定されず、延長面138および238は、平坦面132aおよび232aに向かって折り返す方向に延びていてもよい。また第1実施形態のリンフォースメント130において、本体132のハット形状は、短手方向の断面が車体外方に向かって突出しているが、これにおいても限定されず、本体132のハット形状は短手方向の断面が車体内方に向かって突出していてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車体を構成する部材間に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材を備える車体構造に利用することができる。
100…車体後部構造、102…リヤタイヤ、104…サイドボデーアウタ、110…ホイルハウス、112…ホイールハウスアウタ、114…ホイールハウスインナ、120…バックピラー、122…ピラーアウタ、124…ピラーインナ、130…リンフォースメント、132…本体、132a…平坦面、132b…側面、132c…フランジ、133…立上り部、134…第1屈曲部、136…傾斜面、137…第2屈曲部、138・138a・138b…延長面、192a・192b・194・196…矢印、200…車体後部構造、230…リンフォースメント、232a…平坦面、232b…側面、234…第1屈曲部、236…傾斜面、237…第2屈曲部、238…延長面、240…フランジ

Claims (6)

  1. 車体を構成する車体構成部材間に掛け渡されてそれらに溶接される補強部材を備える車体構造であって、
    前記補強部材は、
    前記車体構成部材間に直線的に配置される平坦面と、
    前記平坦面の長手の一端から屈曲する第1屈曲部と、
    前記第1屈曲部からさらに延び、前記平坦面の長手方向とは異なる車幅方向または車高方向に傾斜している傾斜面と、
    前記傾斜面の端部から屈曲する第2屈曲部と、
    前記第2屈曲部からさらに延び、前記平坦面の長手方向にほぼ平行となる延長面とを有し、
    前記傾斜面および前記延長面においてそれぞれ異なる車体構成部材との溶接が行われることを特徴とする車体構造。
  2. 前記補強部材と前記車体構成部材とは、該補強部材の延長面において溶接された後に傾斜面において溶接されることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記補強部材の短手方向の断面形状は、前記平坦面を天面としたハット形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の車体構造。
  4. 前記補強部材は、
    前記ハット形状のツバ部に相当するフランジが、該ハット形状の天面である平坦面にほぼ平行であり、
    前記延長面は、前記フランジを前記天面の長手方向に前記傾斜面の先まで延ばした領域も含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車体構造。
  5. 当該車体構造は、車体後部の骨格を構成するバックピラーと、車体後輪近傍のリヤホールハウスとをさらに備え、
    前記補強部材は、前記バックピラーと前記リヤホールハウスとに掛け渡されてそれらに溶接されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車体構造。
  6. 前記バックピラーは、車外側の面を構成するピラーアウタと、車内側の面を構成するピラーインナとを有し、
    前記傾斜面および前記延長面の一方には前記ピラーアウタが溶接され、他方には前記ピラーインナが溶接されることを特徴とする請求項5に記載の車体構造。
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