JP2013090176A - 振動デバイス及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水晶振動子1は、水晶振動片10と、サーミスター20及び抵抗21と、第1主面33側に水晶振動片10が搭載され、第1主面33の反対側の第2主面35に設けられた第2凹部36にサーミスター20及び抵抗21が収納されたパッケージベース31と、を備え、パッケージベース31の第2主面35側には、水晶振動片10またはサーミスター20及び抵抗21と接続された複数の電極端子37a,37b,37c,37d,37eが設けられ、サーミスター20及び抵抗21は、水晶振動片10と電気的に非接続である。
【選択図】図1
Description
これにより、圧電デバイスは、個々の圧電振動片の特性調整を、最適なチップ型電子部品を選択してパッケージの凹陥部に実装することにより、パッケージの外部から行うことができるとされている。
これにより、上記圧電デバイスに実装されている圧電振動片の特性調整用のチップ型電子部品の機能も、圧電振動片を駆動する発振回路や、温度変化に伴う圧電振動片の周波数変動を補正する温度補償回路などと共に、電子機器の集積回路素子(ICチップ)内に集積化されつつある。
この際、振動デバイスにおいては、パッケージの反りによる、例えば、チップ型電子部品などの電子素子の固定強度(接合強度)の低下の抑制や、パッケージへの電子素子のスペース効率に優れた配置形態も課題となる。
また、振動デバイスにおいては、外部からのノイズや静電気などに対するシールド性能の向上も課題となる。
これにより、振動デバイスは、収納部に振動片と電気的に非接続の複数の電子素子を収納可能なことから、例えば、費用対効果(コストパフォーマンス)面、調整作業の難しさなどの理由で、電子機器のICチップ内に集積化しにくい(集積化がためらわれる)、個別の特性に応じて選択的に使用するチップ状の抵抗のような複数の電子素子を収納部に収納することができる。
この結果、振動デバイスは、収納部を有効利用することができ、実装される電子機器の小型化に寄与することが可能となる。
また、振動デバイスは、一方の脚部と他方の脚部との間に収納部が設けられており、換言すれば、枠状に囲まれた収納部の対向する2つの壁が開口されていることになる。これにより、振動デバイスは、収納部の通気性が向上し、電子素子の発熱による収納部の温度上昇を抑制することができる。
最初に、振動デバイスの一例としての水晶振動子について説明する。
図1は、第1実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図1(a)は、リッド(蓋体)側から見た平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図であり、図1(c)は、底面側から見た平面図である。なお、図1(a)では、リッドを省略してある。また、分かり易くするために、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
図2は、第1実施形態の水晶振動子に搭載された電子素子を含む水晶振動子の駆動に関わる回路図である。
水晶振動片10は、振動部11の一方の主面13及び他方の主面14に形成された略矩形の励振電極15,16から引き出された引き出し電極15a,16aが、基部12に形成されている。
引き出し電極15aは、一方の主面13の励振電極15から、水晶振動片10の長手方向(紙面左右方向)に沿って基部12に引き出され、基部12の側面に沿って他方の主面14に回り込み、他方の主面14の励振電極16の近傍まで延在している。
引き出し電極16aは、他方の主面14の励振電極16から、水晶振動片10の長手方向に沿って基部12に引き出され、基部12の側面に沿って一方の主面13に回り込み、一方の主面13の励振電極15の近傍まで延在している。
励振電極15,16及び引き出し電極15a,16aは、例えば、Crを下地層とし、その上にAuが積層された構成の金属被膜となっている。
サーミスター20には、例えば、温度の上昇に対して抵抗が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスターと呼ばれるサーミスターが用いられている。NTCサーミスターは、温度の変化に対する抵抗値の変化が比例的なため、温度センサーとして多用されている。
サーミスター20は、上述したように水晶振動片10近傍の温度をより正確に検出するために、電子機器において水晶振動子1から離れて配置されたICチップ内に集積化されることなく、外付け部品として水晶振動子1に搭載されている。
ここで、図2に示すように、サーミスター20は、水晶振動片10に対して電気的に独立しており、水晶振動片10とは電気的に接続されておらず、非接続となっている。
具体的には、例えば、電源電圧が3.0V、サーミスター20の抵抗値が100kΩの場合に、抵抗値が100kΩの抵抗21を電源とサーミスター20との間に直列に接続することにより、サーミスター20と抵抗21との間の電圧を半分の1.5Vに分圧することができる。
この抵抗21は、電子機器のICチップ内に集積化されてしまうと、サーミスター20の抵抗値などの特性ばらつきや仕様変更に対する調整(抵抗値変更など)が困難となることから、仕様に応じて適宜、最適な抵抗値を選択可能とするために外付け部品として水晶振動子1に搭載されている。
ここで、図2に示すように、抵抗21は、水晶振動片10とは電気的に非接続となっている。
パッケージベース31には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラス、シリコン(高抵抗シリコン)などが用いられている。
リッド32には、パッケージベース31と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
なお、リッド32に樹脂を使用する場合には、シールド性を確保するために、リッド32の主面(表面)が金属のメッキや導電性を有する膜によって覆われたものを用いることが好ましい。
第1凹部34及び第2凹部36は、平面形状が略矩形であって、それぞれ第1主面33及び第2主面35の略中央部に設けられている。なお、水晶振動子1は、パッケージベース31の第1凹部34と第2凹部36とが、平面視で重なるように設けられていることにより、パッケージ30の小型化が図られている。
水晶振動片10は、引き出し電極15a,16aが、金属フィラーなどの導電性物質が混合された、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系などの導電性接着剤40を介して内部端子34b,34cに接合されている。これにより、水晶振動片10は、第1主面33側の第1凹部34に搭載されたこととなる。
なお、パッケージベース31の気密に封止された第1凹部34内は、減圧された真空状態(真空度の高い状態)または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
サーミスター20は、電極20a,20bがハンダ、導電性接着剤などの接合部材41を介して電極パッド36b,36cに接合されている。抵抗21は、電極21a,21bが接合部材41を介して電極パッド36d,36eに接合されている。
これにより、サーミスター20及び抵抗21は、第2凹部36に収納されたこととなる。なお、電極パッド36bと電極パッド36dとは互いに接続されている。
ここで、サーミスター20及び抵抗21は、長手方向(ここでは、電極20a(21a)と電極20b(21b)とを結ぶ方向)がパッケージベース31の長手方向(紙面左右方向)と交差するように(ここでは、直交するように)配置されている。
5つの電極端子37a〜37eのうち、例えば、一方の対角に位置する2つの電極端子37b,37dは、図示しない内部配線により水晶振動片10の引き出し電極15a,16aに繋がる内部端子34b,34cと接続されている。
残りの電極端子37eは、導通ビア36k、内部配線36jを経由して、抵抗21の電極21bに繋がる電極パッド36eと接続されている。なお、上述したように、サーミスター20の電極20a(電極パッド36b)と抵抗21の電極21a(電極パッド36d)とは互いに接続されている。
この電極端子37cは、サーミスター20のアース側(GND側)の電極20bに接続され、アース端子(GND端子)となっている。
なお、電極端子37cとリッド32との電気的な接続には、パッケージベース31の外側の角部に、パッケージベース31の厚み方向に沿って形成された図示しないキャスタレーション(凹部)に設けられた導電膜を用いてもよい。
この際、水晶振動子1は、サーミスター20が温度センサーとして水晶振動片10近傍の温度を検出し、電極端子37eを経由して電源から供給された電源電圧を抵抗21により分圧した電圧値の変化として、電極端子37aから出力する。
発振回路は、入力された補正信号に基づいて補正された駆動信号を水晶振動片10に印加し、温度変化に伴い変動する水晶振動片10の共振周波数を、所定の周波数になるように補正する。
この結果、水晶振動子1は、第2凹部36を有効利用することができ、実装される電子機器(例えば、携帯電話など)の小型化に寄与することができる。
加えて、水晶振動子1は、リッド32と電気的に接続されている電極端子37cが、アース端子(GND端子)であることから、電極端子37cが接地されることにより、シールド性能を更に向上させることができる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図3は、第1実施形態の変形例の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図3(a)は、リッド側から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線での断面図であり、図3(c)は、底面側から見た平面図である。
なお、第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
水晶振動子2は、パッケージベース131の第1主面133が凹部のない平坦な面で構成され、この第1主面133に水晶振動片10を搭載する内部端子34b,34cが設けられている。
水晶振動子2は、リッド132のキャップ部分の膨らみにより、水晶振動片10の振動が可能な内部空間が確保されている。
リッド132は、つば部132aがシームリング、ろう材、導電性接着剤などの導電性接合部材138を介してパッケージベース131の第1主面133に接合されている。
水晶振動子2は、上記内部空間が第1実施形態と同様に、減圧された真空状態(真空度の高い状態)または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
この結果、水晶振動子2は、パッケージベース131の製造が容易となり、製造コストを削減することができる。
次に、第2実施形態の振動デバイスの一例としての水晶振動子について説明する。
図4は、第2実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図4(a)は、リッド側から見た平面図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線での断面図であり、図4(c)は、底面側から見た平面図である。図5は、第2実施形態の水晶振動子に搭載された電子素子を含む水晶振動子の駆動に関わる回路図である。
なお、第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
水晶振動子3は、パッケージベース231の第2主面35側に、パッケージベース231の長手方向(紙面左右方向)に沿って延びる一対の脚部239a,239bを備え、一方の脚部239aと他方の脚部239bとの間に、凹状の収納部としての第2凹部236が設けられている。
抵抗22は、抵抗21と同様に、例えば、チップ型(直方体形状)の抵抗体であって、一対の電極22a,22bを長手方向の両端に有し、図5に示すように、平滑用抵抗としてサーミスター20と並列に接続される。
この抵抗22は、電子機器のICチップ内に集積化されてしまうと、サーミスター20の抵抗値などの特性ばらつきや仕様変更に対する調整(抵抗値変更など)が困難となることから、外付け部品として水晶振動子3に搭載されている。
ここで、図5に示すように、抵抗22は、水晶振動片10とは電気的に非接続となっている。
抵抗22は、電極22a,22bが接合部材41を介して電極パッド36n,36pに接合されている。なお、電極パッド36nは、電極パッド36bと接続され、電極パッド36pは、電極パッド36cと接続されている。これにより、抵抗22は、サーミスター20と並列に接続されていることとなる。
ここで、サーミスター20及び抵抗21,22は、第1実施形態と同様に、長手方向(ここでは、電極20a(21a,22a)と電極20b(21b,22b)とを結ぶ方向)が、パッケージベース231の長手方向と交差するように(ここでは、直交するように)配置されている。
この結果、水晶振動子3は、水晶振動片10が搭載されている第1主面33側と、サーミスター20が収納されている第2凹部236側との温度差が少なくなることから、水晶振動片10の温度をより正確に検出することができる。
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
図6は、第2実施形態の変形例の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図6(a)は、リッド側から見た平面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線での断面図であり、図6(c)は、底面側から見た平面図である。
なお、第2実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
水晶振動子4は、パッケージベース331の第1主面333が凹部のない平坦な面で構成され、この第1主面333に水晶振動片10を搭載する内部端子34b,34cが設けられている。
水晶振動子4は、リッド232のキャップ部分の膨らみにより、水晶振動片10の振動が可能な内部空間が確保されている。
リッド232は、つば部232aがシームリング、ろう材、導電性接着剤などの導電性接合部材238を介してパッケージベース331の第1主面333に接合されている。
水晶振動子4は、上記内部空間が第2実施形態と同様に、減圧された真空状態(真空度の高い状態)または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
この結果、水晶振動子4は、パッケージベース331の製造が容易となり、製造コストを削減することができる。
次に、上述した水晶振動子を備えた電子機器として、携帯電話を一例に挙げて説明する。
図7は、第3実施形態の携帯電話を示す模式斜視図である。
携帯電話700は、上記各実施形態及び各変形例の水晶振動子を備えた携帯電話である。
図7に示す携帯電話700は、上述した水晶振動子(1〜4のいずれか)を、例えば、基準クロック発振源などのタイミングデバイスとして用い、更に液晶表示装置701、複数の操作ボタン702、受話口703、及び送話口704を備えて構成されている。なお、携帯電話700の形態は、図示のタイプに限定されるものではなく、いわゆるスマートフォンタイプでもよい。
これによれば、携帯電話700に代表される電子機器は、水晶振動片10を駆動する発振回路と共に、水晶振動片10の温度変化に伴う周波数変動を補正する温度補償回路を備えていることから、発振回路が発振する共振周波数を温度補償することができ、温度特性に優れた電子機器を提供することができる。
なお、振動片の材料としては、水晶に限定されるものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、またはシリコン(Si)などの半導体でもよい。
また、厚みすべり振動の駆動方法は、圧電体の圧電効果によるものの他に、クーロン力による静電駆動であってもよい。
Claims (11)
- 振動片と、
複数の電子素子と、
第1主面側に前記振動片が搭載され、前記第1主面の反対側の第2主面に設けられた凹状の収納部に前記複数の電子素子が収納された容器体と、を備え、
前記容器体の前記第2主面側には、前記振動片または複数の前記電子素子と接続された複数の電極端子が設けられ、
前記複数の電子素子は、前記振動片と電気的に非接続であることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1に記載の振動デバイスにおいて、前記容器体は、前記第2主面側に一対の脚部を備え、
一方の前記脚部と他方の前記脚部との間に前記収納部が配置されていることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1または請求項2に記載の振動デバイスにおいて、前記容器体は、平面形状が矩形に形成され、
複数の前記電子素子は、長手方向が前記容器体の長手方向と交差するように配置されていることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動デバイスにおいて、
前記第1主面側は、前記振動片を覆う金属製の蓋体、または少なくともいずれかの主面が導電膜で覆われている蓋体により気密に封止され、
前記電極端子の少なくとも1つは、前記金属製の蓋体または前記導電膜と電気的に接続されていることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項4に記載の振動デバイスにおいて、
前記金属製の蓋体または前記導電膜と電気的に接続されている前記電極端子は、アース端子であることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動デバイスにおいて、
前記複数の電子素子の少なくとも1つは、サーミスターであることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項6に記載の振動デバイスにおいて、
前記サーミスターを除いた残りの前記複数の電子素子は、前記サーミスターと電気的に接続されている抵抗であることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動デバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
- 請求項8に記載の電子機器において、
電源と、
前記振動片を駆動する発振回路と、
前記振動片の温度変化に伴う周波数変動を補正する温度補償回路と、
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 請求項9に記載の電子機器において、
前記残りの前記電子素子のうち少なくとも第1の抵抗は、一対の電極を備え、
前記第1の抵抗の一方の前記電極は前記電源に電気的に接続され、
一対の電極を備える前記サーミスターの一方の前記電極は前記アース端子に電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の前記電極は前記サーミスターの他方の前記電極と電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の前記電極及び前記サーミスターの他方の前記電極は、
A(アナログ)/D(デジタル)変換回路を介して前記温度補償回路に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。 - 請求項10に記載の電子機器において、
前記残りの前記電子素子のうち第2の抵抗は、前記サーミスターと電気的に並列に接続されていることを特徴とする電子機器。
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