JP2013089541A - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水蒸気改質用の純水の流れを検知する安価で、消費電力の低減が可能な熱式流量センサを備えた燃料電池発電装置を提供する。
【解決手段】燃料電池発電装置は、燃料電池発電モジュールに水蒸気改質用の純水を供給する純水ポンプ29と、この純水ポンプ29により供給される純水の流れを検知し且つヒータ部32と1対の温度検出センサ33,34とを備えた熱式流量センサ31と、純水ポンプ29と熱式流量センサ31とを制御する制御ユニット35とを備え、熱式流量センサ31のヒータ部32に印加する電力を、純水ポンプ29の吐出周期と同期させ、制御ユニット35は熱式流量センサ31の1対の温度検出センサ33,34の検出信号に基づいて純水の流れの有無を検知する。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池発電装置は、燃料電池発電モジュールに水蒸気改質用の純水を供給する純水ポンプ29と、この純水ポンプ29により供給される純水の流れを検知し且つヒータ部32と1対の温度検出センサ33,34とを備えた熱式流量センサ31と、純水ポンプ29と熱式流量センサ31とを制御する制御ユニット35とを備え、熱式流量センサ31のヒータ部32に印加する電力を、純水ポンプ29の吐出周期と同期させ、制御ユニット35は熱式流量センサ31の1対の温度検出センサ33,34の検出信号に基づいて純水の流れの有無を検知する。
【選択図】図2
Description
本発明は燃料電池発電装置に関し、特に燃料電池発電モジュールの蒸発器へ純水ポンプから水蒸気改質用の純水を供給する場合に、この純水の流れを熱式流量センサにより検知可能にした燃料電池発電装置に関する。
従来、空気と改質燃料ガス(水素含有ガス)とを燃料電池セルスタックに供給することで電力を発生させ、この発電の際に副次的に発生する熱を湯水として回収する燃料電池コージェネレーションシステムが実用に供されている。従来の燃料電池コージェネレーションシステムは、発電を行なう燃料電池発電装置と、熱交換後の湯水を貯湯する貯湯槽を有する貯湯装置と、燃料電池発電装置と貯湯装置との間に湯水を循環させる湯水循環通路等を備えている。
ここで、上記の燃料電池発電装置は、一般に、空気と改質燃料ガスとで発電を行なう燃料電池セルスタックとこの燃料電池セルスタックに供給する改質燃料ガスを純水と天然ガス等の燃料ガスから生成する改質器とを有する燃料電池発電モジュールと、前記燃料電池発電モジュールからの排気ガスと貯湯槽の湯水との間で熱交換する熱交換器と、この熱交換器で回収された水を前記改質器に供給する純水へ浄化する水処理装置等を備えている。
ところで、上記の燃料電池発電モジュールにおいて、空気、燃料ガス及び純水を夫々反応させて電力を発生させる構成上、これらの供給量は発電量に応じて予め標準的な値が設定されている。このため、上記の供給量が標準値に対してバラツキが大きくなると燃料電池発電モジュールが劣化し、耐久性が短くなるという問題がある。
従って、一般的に燃料電池発電モジュールの空気、燃料ガス及び純水の各供給通路には、供給量を正確に計測する為に流量センサが設けられている。この種の流量センサとしては、例えば、特許文献1には、計量室と1対の回転子とで形成される容積を基準容積として、計量室内に流入する流体を回転子の回転に応じて排出しつつ回転子の回転数から流量を算出する容積流量センサが開示されている。
ところで、上記の3種類の供給材料のうち空気と燃料ガスの供給に関しては、流量バラツキの許容範囲は狭く、精度の高い流量センサを使用することで供給量のバラツキを抑制している(例えば、バラツキ範囲±5%)。一方で、純水の供給に関しては、ある程度は多めに供給しても発電には問題ないため(例えば、バラツキ範囲0%−20%)、流量センサを使用せずに純水ポンプの駆動周波数によるフィードフォワード制御で純水の供給を制御することも可能である。
しかし、純水の流量を検知する流量センサを使用しない場合、何らかの原因で水処理装置から改質器へ接続する純水通路が詰まって、改質器へ純水が供給されなくなっても、純水ポンプは作動状態を維持するため、純水の供給が停止したことを検知できず、燃料電池発電モジュールが故障する虞がある。このため、流量センサを使用して純水の流れの有無を検出可能にする方が望ましいが、特許文献1のような容積型の流量センサは、一般的に高価なものなのでコストが増加する。
本発明の目的は、安価な熱式流量センサにより純水の流れを検知する燃料電池発電装置を提供すること、この熱式流量センサの消費電力の低減が可能な燃料電池発電装置を提供すること、等である。
請求項1の燃料電池発電装置は、燃料電池発電モジュールに水蒸気改質用の純水を供給する純水ポンプと、この純水ポンプにより供給される純水の流れを検知する熱式流量センサとを備えた燃料電池発電装置において、前記熱式流量センサのヒータ部に印加する電力を、前記純水ポンプの吐出周期と同期させることを特徴としている。
請求項2の燃料電池発電装置は、請求項1の発明において、前記純水ポンプはプランジャポンプからなり、このプランジャポンプの純水吐出量は、6.0cc/min以下に設定されることを特徴としている。
請求項3の燃料電池発電装置は、請求項1又は2の発明において、前記熱式流量センサは、前記純水ポンプから吐出された純水を加熱する前記ヒータ部と、このヒータ部の上流側と下流側に配設された1対の温度検出センサとを備えると共に、前記純水ポンプから前記燃料電池発電モジュールの蒸発器へ連なる純水通路に設けられ、前記純水ポンプと前記熱式流量センサとを制御する制御ユニットを備え、この制御ユニットは前記1対の温度検出センサからの検出信号に基づいて純水の流れの有無を検知することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、純水ポンプにより供給される純水の流れを検知する熱式流量センサを備えているので、高価な容積型の流量センサを設ける必要もなくなり、また、熱式流量センサのヒータ部に印加する電力を、純水ポンプの吐出周期と同期させるので、吐出量が脈動的に変動しても同一吐出量の時にヒータ部を作動させるため、純水の温度上昇のバラツキを小さくし、純水の流れを検知する検知精度、信頼性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、純水ポンプはプランジャポンプからなり、このプランジャポンプの純水吐出量は、6.0cc/min以下に設定されるので、プランジャポンプのプランジャの本数を少なくでき、純水ポンプの吐出周期とヒータ部に印加する電力とを同期させるのに適した大きな脈動的な流れで純水を吐出することができる。
請求項3の発明によれば、熱式流量センサは、ヒータ部と、このヒータ部の上流側と下流側に配設された1対の温度検出センサとを備えたので、純水通路内を流れる純水をヒータ部により加熱することができ、ヒータ部の上流側と下流側の温度を1対の温度検出センサにより検出することができる。制御ユニットは、純水ポンプの吐出口から純水通路に供給される純水の流れの有無を、1対の温度検出センサによる検出信号に基づいて高精度に検知することができる。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、燃料電池発電装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、燃料電池発電装置1は、燃料電池発電モジュール2と、カソード空気ブロア6と、燃料ガス昇圧ブロア7と、燃料改質空気ブロア8と、排気ガス排出通路9と、熱交換器11と、水処理装置12と、インバータ13等から構成されている。燃料発電モジュール2にて発電された直流電力は、インバータ13を介して交流電力に変換されて外部に出力される。
図1に示すように、燃料電池発電装置1は、燃料電池発電モジュール2と、カソード空気ブロア6と、燃料ガス昇圧ブロア7と、燃料改質空気ブロア8と、排気ガス排出通路9と、熱交換器11と、水処理装置12と、インバータ13等から構成されている。燃料発電モジュール2にて発電された直流電力は、インバータ13を介して交流電力に変換されて外部に出力される。
尚、この燃料電池発電装置1は、熱交換器11による熱交換後の湯水を貯湯する貯湯槽を有する貯湯装置と、この貯湯装置と燃料電池発電装置1との間に湯水を循環させる為の湯水循環配管4等と組み合わせることで燃料電池コージェネレーションシステムが構成されるが、燃料電池発電装置1以外の構成の詳細な説明は省略する。
次に、燃料電池発電モジュール2について説明する。
図1に示すように、燃料電池発電モジュール2(以下、発電モジュール2という)は、燃料電池セルスタック14と、蒸発器15と、燃料改質器16と、オフガス燃焼室17等を備え、燃料改質器16によって改質された改質燃料ガス及び酸化剤としての空気を燃料電池セルスタック14で化学反応させることで発電を行うものである。
図1に示すように、燃料電池発電モジュール2(以下、発電モジュール2という)は、燃料電池セルスタック14と、蒸発器15と、燃料改質器16と、オフガス燃焼室17等を備え、燃料改質器16によって改質された改質燃料ガス及び酸化剤としての空気を燃料電池セルスタック14で化学反応させることで発電を行うものである。
蒸発器15は、燃料ガスに混合する為の水蒸気を生成して燃料改質器16に供給するものである。蒸発器15には、燃料ガス昇圧ブロア7によって取り込まれて昇圧された燃料ガス(天然ガス、都市ガスやプロパン等)と、燃料改質空気ブロア8によって取り込まれた燃料改質用の空気とが、共通通路18aを介して供給され、水処理装置12から純水通路28を介して水が供給され、これらを混合して気化させて、燃料ガスと水蒸気を生成する。
燃料改質器16は、その内部に白金等の改質触媒を備え、蒸発器15から混合通路18bを介して供給される燃料ガスと空気と水蒸気とを混合して反応(所謂、水蒸気改質)させて、水素リッチな燃料ガスを生成し、この改質燃料ガスを、改質燃料ガス供給路18cを介して燃料電池セルスタック14の燃料極側に供給する。
燃料電池セルスタック14は、複数の燃料電池セルを多層に積層して構成されている。各燃料電池セルは、ジルコニア等の固定電解質と燃料極と酸素極から夫々形成されている。燃料電池セルスタック14の燃料極側には、燃料改質器16から改質燃料ガスが供給され、燃料電池セルスタック14の酸素極側には、カソード空気ブロア6から空気通路18dを介して空気が供給され、これらを高温下の環境で電気化学反応させて直流電力を生成する。
オフガス燃焼室17は、燃料電池セルスタック14の発電に伴い生じる残余燃料ガスを燃焼処理する為のものであり、燃料電池セルスタック14の燃料極側及び酸素極側の各排出側と接続されている。このオフガス燃焼室17には、燃料極側から排出された残余燃料ガスを含む反応燃料ガスと、酸素極側から排出された酸素を含む空気とが供給され、これらを公知の燃焼触媒を用いて燃焼させることによって高温の排気ガスを生成し、この排気ガスで熱交換器11を加熱してから、排気ガス排出通路9を介して外部に排出する。
熱交換器11は、排気ガス排出通路9の内部に設けられ、湯水循環通路4の一部を構成する熱交換通路部11aを備えている。この熱交換器11において、発電モジュール2から排出される排気ガスを、熱交換通路部11aを流れる湯水との間で熱交換させて、排気ガス中に含まれる水蒸気は冷却され凝縮されて凝縮水となる。
次に、水処理装置12について説明する。
図2に示すように、水処理装置12は、処理タンク19と、貯留タンク21と、水供給手段22と、熱式流量センサ31等を備え、熱交換器11にて凝縮された凝縮水を、回収通路23を介して回収し、処理タンク19により不純物を取り除いた水蒸気改質用の純水を発電モジュール2に供給するものである。
図2に示すように、水処理装置12は、処理タンク19と、貯留タンク21と、水供給手段22と、熱式流量センサ31等を備え、熱交換器11にて凝縮された凝縮水を、回収通路23を介して回収し、処理タンク19により不純物を取り除いた水蒸気改質用の純水を発電モジュール2に供給するものである。
処理タンク19は、熱交換器11から回収した凝縮水の不純物を取り除く為のものである。処理タンク19には、凝縮水に含まれる不純物をイオン交換により除去するイオン交換樹脂が設けられている。
貯留タンク21は、処理タンク19により処理された水を一時的に貯留する為のものである。貯留タンク21の上部には、処理タンク19と接続するタンク連結通路25と、貯留タンク21内が水で満杯になった場合に外部のドレン排出部27に排出する為の排出通路26とが接続されている。貯留タンク21内には、例えば、貯留タンク21内の1/5程度の高さのレベルまで低下した水位を検知する水位センサ21aが設けられている。
水供給手段22は、貯留タンク21内の浄化された純水を発電モジュール2の蒸発器15へ供給する為のものであり、貯留タンク21の下端部に接続された純水通路28と、この純水通路28の途中部に介装された純水ポンプ29とを備え、純水ポンプ29の駆動により、貯留タンク21内の純水を、純水通路28を介して蒸発器15に供給する。
次に、純水ポンプ29について説明する。
純水ポンプ29は、ステッピングモータにより偏心カムを介して進退駆動されるプランジャと、このプランジャが進退駆動可能に収容され且つ吸込口と吐出口とを有するチャンバ等を備えたプランジャポンプで構成され、プランジャの進退駆動に伴いチャンバ内の純水を蒸発器15に圧送する。純水ポンプ29のステッピングモータは、純水供給中は予め設定された純水供給量となるように連続的に回転駆動される。図3(a)は、この純水ポンプ29から吐出される純水の純水通路28内における流量変化を示している。
純水ポンプ29は、ステッピングモータにより偏心カムを介して進退駆動されるプランジャと、このプランジャが進退駆動可能に収容され且つ吸込口と吐出口とを有するチャンバ等を備えたプランジャポンプで構成され、プランジャの進退駆動に伴いチャンバ内の純水を蒸発器15に圧送する。純水ポンプ29のステッピングモータは、純水供給中は予め設定された純水供給量となるように連続的に回転駆動される。図3(a)は、この純水ポンプ29から吐出される純水の純水通路28内における流量変化を示している。
純水ポンプ29は、例えば、1ストローク毎に0.1ccの純水を純水通路28に吐出可能である。この純水ポンプ29の純水吐出量は1.5cc/min以上で且つ6.0cc/min以下に設定されている。つまり、この純水ポンプ29は、少量の純水を1分間に15回から60回という比較的長い吐出周期で吐出するものである。この吐出周期は、図3(a)に示す定常状態時における純水の流量波形と同じ周期となる。尚、純水ポンプ29の上記の性能は、ほんの一例を示したに過ぎない。
また、純水ポンプ29は、ステッピングモータの所定の原点位置を検出可能なエンコーダを備えている。この所定の原点位置は、例えば、プランジャが最大限後退した位置に対応づけて設定されている。エンコーダは原点位置信号を制御ユニット35に送信する。尚、所定の原点位置に対応するプランジャの位置は、プランジャが最大限後退した位置に、特に限定されるものではない。
次に、熱式流量センサ31について説明する。
図2に示すように、熱式流量センサ31は、純水ポンプ29から吐出された純水を加熱するヒータ部32と、このヒータ部32の上流側と下流側に配設された1対の温度検出センサ33,34とを備え、純水ポンプ29から蒸発器15へ連なる純水通路28に設けられている。温度検出センサ33はヒータ部32から所定距離上流側に配置されている。
図2に示すように、熱式流量センサ31は、純水ポンプ29から吐出された純水を加熱するヒータ部32と、このヒータ部32の上流側と下流側に配設された1対の温度検出センサ33,34とを備え、純水ポンプ29から蒸発器15へ連なる純水通路28に設けられている。温度検出センサ33はヒータ部32から所定距離上流側に配置されている。
ヒータ部32は、例えば、純水通路28に固定された発熱抵抗体で構成され、純水ポンプ29の吐出口の下流側に配設されている。ヒータ部32は、制御ユニット35内の抵抗体駆動回路に接続され、純水を加熱する場合は発熱抵抗体にパルス状の電力が供給される。
1対の温度検出センサ33,34は、例えば、温度変化に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体(所謂サーミスタ)で夫々構成されている。温度検出センサ33,34は、純水通路28に密着状に固定されている。1対の温度検出センサ33,34は、ヒータ部32の上流側と下流側の純水温度を示す検出信号を制御ユニット35に夫々送信する。
次に、制御ユニット35について説明する。
図2に示すように、燃料電池発電装置1は、純水ポンプ29と熱式流量センサ31とを制御する制御ユニット35を備えている。制御ユニット35は、発電量に応じて設定される純水供給量となるように純水ポンプ29を駆動するステッピングモータを、モータ駆動回路を介して駆動制御すると共に、エンコーダからの原点位置信号と上記モータを駆動する駆動ステップ数に基づいて現在のステッピングモータの回転角度(原点位置からの回転角度)を算出する。その回転角度とプランジャの進退位置は対応関係にある。
図2に示すように、燃料電池発電装置1は、純水ポンプ29と熱式流量センサ31とを制御する制御ユニット35を備えている。制御ユニット35は、発電量に応じて設定される純水供給量となるように純水ポンプ29を駆動するステッピングモータを、モータ駆動回路を介して駆動制御すると共に、エンコーダからの原点位置信号と上記モータを駆動する駆動ステップ数に基づいて現在のステッピングモータの回転角度(原点位置からの回転角度)を算出する。その回転角度とプランジャの進退位置は対応関係にある。
また、制御ユニット35は、純水ポンプ29の吐出周期と同期させて、熱式流量センサ31のヒータ部32に周期的にパルス状の駆動電力を印加し、1対の温度検出センサ33,34の間を流れる純水に温度差を生じさせ、その温度差から純水通路28内の純水の流れ(純水の流れの有無)を検知するようになっている。
尚、本実施例の場合、ヒータ部32に1回に印加するパルス状の駆動電力は、一定電力であるが、純水の流量に応じて適宜設定するように構成してもよい。
尚、本実施例の場合、ヒータ部32に1回に印加するパルス状の駆動電力は、一定電力であるが、純水の流量に応じて適宜設定するように構成してもよい。
そして、制御ユニット35は、各検出信号から算出される上流側と下流側の純水の温度差が予め設定された閾値(例えば、3℃)以上か否かを判定して、閾値以上の場合は、純水ポンプ29により設定流量以上の純水が流れていると判定する。つまり、制御ユニット35は、純水ポンプ29により供給される純水の流れを検知する。
次に、燃料電池発電装置1の作用、効果について説明する。
先ずは、燃料電池発電装置1の発電稼動に伴い、制御ユニット35は、予め設定された純水流量が発電モジュール2の蒸発器15に供給されるように純水ポンプ29のステッピングモータを駆動する。このとき、純水ポンプ29は、プランジャの進退駆動に伴い一定の吐出周期で純水を吐出し、エンコーダから原点位置信号が制御ユニット35に繰り返し送信される。制御ユニット35は、この原点位置信号と駆動ステップ数に基づいて純水ポンプ29のステッピングモータの現在の回転角度を算出する。
先ずは、燃料電池発電装置1の発電稼動に伴い、制御ユニット35は、予め設定された純水流量が発電モジュール2の蒸発器15に供給されるように純水ポンプ29のステッピングモータを駆動する。このとき、純水ポンプ29は、プランジャの進退駆動に伴い一定の吐出周期で純水を吐出し、エンコーダから原点位置信号が制御ユニット35に繰り返し送信される。制御ユニット35は、この原点位置信号と駆動ステップ数に基づいて純水ポンプ29のステッピングモータの現在の回転角度を算出する。
一方で、制御ユニット35は、純水通路28内の純水が流れているかを検知する為に、熱式流量センサ31のヒータ部32にパルス状の駆動電力を供給する。ここで、純水通路28内では、図3(a)に示す流量波形のように脈動的に純水が流れるので、制御ユニット35は、図3(b)に示すように純水の最大流量の時点に同期するようにヒータ部32に駆動電力を供給(オン駆動)して純水を加熱し、それ以外では駆動電力の供給を停止(オフ駆動)して余熱で純水を加熱するように制御する。例えば、具体的には、前記原点信号の受信後ステッピングモータが45°から135°まで回転する間にヒータ部32にパルス状の駆動電力を供給する。尚、ヒータ部32による加熱を、必ずしも最大流量の時点に同期させる必要はなく、平均的流量の時点や最低流量の時点に同期させてもよい。
このように,純水ポンプ29の吐出周期に同期させてヒータ部32に駆動電力を供給するため、純水ポンプ29からの吐出量が脈動的に変動しても、同一吐出量の時にヒータ部32を作動させるため、純水の温度上昇のバラツキを小さくし、純水の流れを検知する検知精度、信頼性を高めることができる。
また、純水供給量が増加し、ポンプ29の回転速度が大きくなった場合には、吐出周期が短くなるが、この場合も吐出周期に同期するようにヒータ部32を作動させるため、純水供給量の増加に応じた駆動電力をヒータ部32に供給することができる。このため、純水供給量の変化に応じて純水に加える熱量を増減させることができ、純水の温度上昇幅を供給量に関わらずほぼ一定に維持することができる。また、熱式流量センサの消費電力を節減することもできる。
ここで、例えば、燃料電池発電装置1の発電量が700Wクラスの場合、純水供給量は最小1.5cc/min、最大6.0cc/min程度必要となる。熱式流量センサ31のヒータ部32が、最大流量時には純水を1℃上昇させる為には6cal/minの熱量でもって純水を加熱する必要がある一方で、純水が脈動的に流れる場合、純水の流量が少量又はゼロのときに最大流量時の熱量で純水を加熱すると、純水の温度が大幅に上昇してしまい、検出温度のバラツキが大きくなってしまう。そのため、上記のようにヒータ部32による加熱の時期を純水ポンプ29の吐出周期に同期させて、同一吐出量の条件下で加熱と、温度検出を行うことが望ましい。
そして、制御ユニット35は、温度検出センサ33,34で検出された純水温度から算出した温度差が前記の閾値以上である場合に、純水の流れが存在すると判定し、その旨を表示部に表示する。ここで、温度検出センサ33,34からの検出信号の入力時期を吐出周期に同期せておくことが望ましい。例えば、前記原点信号の受信後ステッピングモータが90°回転した時の検出信号を用いて、純水の検出温度、温度差を算出することが望ましい。その場合、下流側の温度検出センサ34で検出する温度が脈動的に変動する場合にも、同一条件下に温度検出することで、検出温度のバラツキを小さくすることができる。
尚、何らかの原因で純水通路28が詰まり、純水の供給が停止すると、ヒータ部32の近傍部における純水通路28内の純水の温度は、ヒータ部32の上流側と下流側に関係なく均等に上昇する。すると、1対の温度検出センサ33,34により検出される純水温度の温度差が小さくなり、温度差が閾値未満になると(例えば、上流側と下流側の純水の温度差が3℃以下になった場合)、制御ユニット35は純水の流れがないと判定し、表示部にその旨を表示し、ランプや音声による警告を出力する。
純水ポンプ29により供給される純水の流れを検知する熱式流量センサ31を採用したので、高価な容積型の流量センサを設ける必要もなくなり、製作費の面で有利である。
また、ヒータ部32にパルス状の駆動電力を供給するため、常時駆動電力を供給する場合と比較して省エネルギーを図ることができる。
また、ヒータ部32にパルス状の駆動電力を供給するため、常時駆動電力を供給する場合と比較して省エネルギーを図ることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記ステッピングモータに設けたエンコーダを省略し、モータでポンプを駆動する偏心カムの所定部位を検出する近接スイッチからので検出信号に基づいて、ヒータ部32に駆動で供給する時期を決定してもよい。また、モータを1回転させる複数の駆動パルスのうち何れか1つの駆動パルスに同期させて、熱式流量センサ31のヒータ部32に周期的に駆動電力を印加しても良い。
[1]前記ステッピングモータに設けたエンコーダを省略し、モータでポンプを駆動する偏心カムの所定部位を検出する近接スイッチからので検出信号に基づいて、ヒータ部32に駆動で供給する時期を決定してもよい。また、モータを1回転させる複数の駆動パルスのうち何れか1つの駆動パルスに同期させて、熱式流量センサ31のヒータ部32に周期的に駆動電力を印加しても良い。
[2]前記実施例の純水ポンプ29は、プランジャポンプであるが、特にプランジャポンプに限定する必要はなく、ダイアフラムポンプを採用しても良い。この場合も、純水ポンプ29の吐出周期に同期させてヒータ部32に駆動電力を供給するものとする。
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 燃料電池発電装置
2 燃料電池発電モジュール
28 純水通路
29 純水ポンプ
31 熱式流量センサ
32 ヒータ部
33,34 1対の温度検出センサ
35 制御ユニット
2 燃料電池発電モジュール
28 純水通路
29 純水ポンプ
31 熱式流量センサ
32 ヒータ部
33,34 1対の温度検出センサ
35 制御ユニット
Claims (3)
- 燃料電池発電モジュールに水蒸気改質用の純水を供給する純水ポンプと、この純水ポンプにより供給される純水の流れを検知する熱式流量センサとを備えた燃料電池発電装置において、
前記熱式流量センサのヒータ部に印加する電力を、前記純水ポンプの吐出周期と同期させることを特徴とする燃料電池発電装置。 - 前記純水ポンプはプランジャポンプからなり、このプランジャポンプの純水吐出量は、6.0cc/min以下に設定されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
- 前記熱式流量センサは、前記純水ポンプから吐出された純水を加熱する前記ヒータ部と、このヒータ部の上流側と下流側に配設された1対の温度検出センサとを備えると共に、前記純水ポンプから前記燃料電池発電モジュールの蒸発器へ連なる純水通路に設けられ、
前記純水ポンプと前記熱式流量センサとを制御する制御ユニットを備え、この制御ユニットは前記1対の温度検出センサからの検出信号に基づいて純水の流れの有無を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2011
- 2011-10-21 JP JP2011231247A patent/JP2013089541A/ja not_active Abandoned
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JP2016066534A (ja) * | 2014-09-25 | 2016-04-28 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池システム |
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