JP2013088391A - 放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射性セシウム及び放射性ストロンチウムを含有する物質に対して水又は水溶液を添加し、前記物質中のセシウム化合物及びストロンチウム化合物を溶解させて、前記水又は水溶液中にセシウム及びストロンチウムを溶出させる。次いで、溶出したセシウム及びストロンチウムを含む液相からセシウム及びストロンチウムを回収する。次いで、回収したセシウム及びストロンチウムを固定化材料と混合させて安定化処理を行う。
【選択図】図5
Description
シュウ酸:HCOO、物質Sの例:カオリナイト(Al2Si2O5(OH)4)
HCOO + Al2Si2O5(OH)4 → Al2O3 + 2SiO2 + 2H2O + HCOO
但し、土壌や粘土等は多種多様のセシウム化合物及びストロンチウム化合物を含むので、上述した反応式はあくまで一例であって、総ての溶解反応が上述した反応式によって生じるものではない。また、セシウムやストロンチウムは物質中の積層内に吸着している。このため、シュウ酸等を添加することで積層内のセシウムやストロンチウムがイオンとして溶出する。
Kd=(Ci−Cf)/Ci×V/m
(Kd:分配係数(ml/g)、Ci:溶液中セシウム又はストロンチウム初期濃度(Bq/g)、Cf:溶液中セシウム又はストロンチウム平衡後濃度(Bq/g)、V:溶液体積(ml)、m:吸着剤重量(g))。
本実施例では、放射性セシウム及び放射性ストロンチウムを含む土壌に対する所定の酸溶液及びアルカリ溶液による、当該土壌からの放射性セシウム及び放射性ストロンチウムの溶出量について調べた。具体的には、液固比=100mL/gまたは200mL/gでバッチ法浸漬試験を実施し、その後、ろ過により固液分離することで放射性セシウム及び放射性ストロンチウムを含む液相を土壌残留物から分離した。そして、液相中に溶出した放射能量を測定し、液相中への放射性セシウム及び放射性ストロンチウムの抽出量を算出した。
本実施例でも、放射性セシウム及び放射性ストロンチウムを含む土壌に対する所定の酸溶液及びアルカリ溶液による、当該土壌からの放射性セシウム及び放射性ストロンチウムの溶出量について調べた。但し、実験条件を実施例1における温度95℃から200℃に変化させた。
本実施例では、セシウムに対して高い吸着性能を有するといわれている吸着剤を選別し、その吸着性能、具体的には分配係数(ml/g)を調べた。なお、各吸着剤の分配係数は、液固比=40ml/gにおけるバッチ法浸漬試験により取得した。具体的にはセシウムを1ppm添加した溶液40mlを調整し、これに吸着剤を1g添加して混合後、5日以上静置し、上澄み液中のセシウム濃度を測定して行った。
本実施例では、ストロンチウムに対して高い吸着性能を有するといわれている吸着剤を選別し、その吸着性能、具体的には分配係数(ml/g)を調べた。なお、各吸着剤の分配係数は、液固比=40ml/gにおけるバッチ法浸漬試験により取得した。具体的にはセシウムを1ppm添加した溶液40mlを調整し、これに吸着剤を1g添加して混合後、5日以上静置し、上澄み液中のセシウム濃度を測定して行った。
15,17 吸着剤
19 磁石
S 放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質
W 水又は水溶液
L 液相
Sa 固相
Claims (12)
- 放射性セシウム及び放射性ストロンチウムを含有する物質に対して水又は水溶液を添加し、前記物質中のセシウム化合物及びストロンチウム化合物を溶解させて、前記水又は水溶液中にセシウム及びストロンチウムを溶出させるステップと、
溶出したセシウム及びストロンチウムを含む液相からセシウム及びストロンチウムを回収するステップと、
回収したセシウム及びストロンチウムを固定化材料と混合させて安定化処理を行うステップと、
を具えることを特徴とする、放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。 - 前記水溶液は、シュウ酸溶液及びギ酸溶液の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記液相中のセシウム及びストロンチウムの回収は、吸着剤を用いて行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記吸着剤は、Kd=(Ci−Cf)/Ci×V/m
(Kd:分配係数(ml/g)、Ci:溶液中セシウム又はストロンチウム初期濃度(Bq/g)、Cf:溶液中セシウム又はストロンチウム平衡後濃度(Bq/g)、V:溶液体積(ml)、m:吸着剤重量(g))で示される分配係数が1000ml/g以上であることを特徴とする、請求項3に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。 - セシウムに対する前記吸着剤は、フェロシアン化物、ケイチタン酸、及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項4に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- ストロンチウムに対する前記吸着剤は、チタン酸塩及びA型ゼオライトの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項4に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記吸着剤に磁性体を担持させることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記吸着剤に対する前記磁性体の担持は、圧着法によって行うことを特徴とする、請求項7に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記吸着剤に対する前記磁性体の担持は、ゾルゲル法によって行うことを特徴とする、請求項7に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記吸着剤に対する前記磁性体の担持は、前記吸着剤及び前記磁性体又は前記磁性体の前駆体を溶媒中に添加して懸濁させた後、共沈させて行うことを特徴とする、請求項7に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記固定化材料は、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、及びアルミナセメントからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
- 前記固定化材料に対して、シリカゾル及びリチウムシリケートの少なくとも一方の結合剤を添加することを特徴とする、請求項11に記載の放射性セシウム及び放射性ストロンチウム含有物質の処理方法。
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