JP2013088296A - 組織評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る組織評価方法は、蛍光物質を内包した球状粒子に生体物質認識部位が結合された染色試薬を用いて組織切片を染色する工程と、上記組織切片に励起光を照射して、前記組織切片に自家蛍光させるとともに、前記球状粒子にドット状の蛍光を発生させる染色工程と、前記自家蛍光、及び/又は、前記ドット状の蛍光を拡大結像する結像工程と、前記拡大結像された像の中から前記ドット状の蛍光を検出して前記生体物質認識部位に対応する生体物質の発現レベルを評価する評価工程と、を含む。
【選択図】図9
Description
IHC法とFISH法を比べると、IHC法は簡便だが、精度が低いという問題があった。一方、FISH法は精度が高いが、作業が煩雑でありコストが高い。つまり、IHC法でFISH法と同様の精度を出せる手法の開発が望まれている。
蛍光物質を内包した球状粒子に生体物質認識部位が結合された染色試薬を用いて組織切片を染色する染色工程と、
上記組織切片に励起光を照射して、前記組織切片に自家蛍光させるとともに、前記球状粒子にドット状の蛍光を発生させる照射工程と、
前記自家蛍光、及び/又は、前記ドット状の蛍光を拡大結像する結像工程と、
前記拡大結像された像の中から前記ドット状の蛍光を検出して前記生体物質認識部位に対応する生体物質の発現レベルを評価する評価工程と、
を含む。
前記染色工程は、前記蛍光物質を内包した球形粒子に前記生体物質認識部位が結合された染色試薬及びHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色試薬を用いて前記組織切片を同時染色する。
前記組織切片の自家蛍光と前記球状粒子のドット状の蛍光の発光量差が
前記球状粒子蛍光≧1.1×自家蛍光
である。
前記結像工程は、2次元方向に複数の撮像素子が配列された撮像面に前記自家蛍光、及び/又は、前記ドット状の蛍光を拡大結像してその画像を取得し、
前記球状粒子の径及び/又は前記ドット状の蛍光の拡大倍率は、前記ドット状の蛍光が前記撮像面において2以上の撮像素子に跨って結像されるように設定される。
また、本発明は、広く用いられているHE染色と同時に適用することができる。この場合、自家蛍光(バックグラウンド)とは、励起光を照射した際の組織自身の発光およびヘマトキシリン・エオジン染色によるヘマトキシリン・エオジン色素の発光を含み、当該バックグラウンドのなかに埋没することのない発光量を生体物質の発現レベルを示す蛍光に確保することによって、生体物質の発現を検出することが可能となる。
第1の実施の形態では、観察対象の組織切片に対し、生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を用いて染色し、染色された組織切片に励起光を照射して、組織切片に、組織の自家蛍光と、生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子によるドット状の蛍光を発生させる。そして、この蛍光を顕微鏡により拡大結像し、拡大結像された像の中からドット状の蛍光を検出して生体物質確認部位に対応する生体物質の発現レベルを評価する。
第2の実施の形態では、観察対象の組織切片に対し、生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を用いた染色、及びHE染色を行い、染色された組織切片に励起光を照射して、組織切片に、組織の自家蛍光及びエオジンの自家蛍光と、生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子によるドット状の蛍光を発生させる。そして、この蛍光を顕微鏡により拡大結像し、拡大結像された像の中からドット状の蛍光を検出して生体物質確認部位に対応する生体物質の発現レベルを評価する。
なお、上記ドット状の蛍光を輝点ドットと呼ぶ。また、第2の実施の形態における染色を同時染色と呼ぶ。
ここで、各実施の形態において、顕微鏡はカールツアイス社製正立顕微鏡Axio Imager M2を用いている。この顕微鏡付属のカメラ(顕微鏡設置カメラ)は画素サイズ6.4μm×6.4μmである。また、蛍光物質内包ナノ粒子は直径約100〜150nmである。
なお、図2〜図7において、顕微鏡結像面をxy平面とし、これと直交する方向をz方向として示している。また、蛍光物質単体と蛍光物質内包ナノ粒子の蛍光の発光強度は図中のパターンの濃度(濃いほうが強度が多い)により示されている。また、TH1は、「同時染色時の自家蛍光の発光量+その10%」の発光量である。
蛍光物質内包ナノ粒子は、図1に示すように複数の蛍光物質が集積した球状(ラグビーボール形状を含む)粒子であり、直径約100〜150nmである。この蛍光物質内包ナノ粒子から発せられた蛍光は、発光量が強いため、図2の(a)に示すように、より大きな径(直径1〜2.1μm)に拡散する。この拡散した径は、図2の(b)に示すように、顕微鏡の拡大倍率に応じて20倍〜40倍に拡大結像され、顕微鏡設置カメラにより顕微鏡画像として取得される。この拡大結像された像の直径は約20〜40μmであり、この像が観察者に視認される輝点ドットである。上述のように、顕微鏡設置カメラの1画素は6.4μm×6.4μmであるから、顕微鏡設置カメラの撮像面に結像される蛍光物質内包ナノ粒子の像(輝点ドット)は複数画素(約3〜7画素)に跨ることになる。
なお、デジタルカメラの個々の画素には、常に高出力を発する異常画素が存在することが知られている。この異常画素の影響(当該画素を輝点ドットと判別してしまう)を防止するには、1つの輝点ドットが少なくともx(y)方向、或いはx及びy方向に複数の画素に跨って結像されるように構成することが好ましい。ピントの影響等も考慮すると、画素サイズ6.4μm×6.4μmの場合には、顕微鏡の拡大倍率20倍に於いては、蛍光物質内包ナノ粒子の直径は100μm以上に設定することが好ましい。
エオジンは蛍光物質であり、この蛍光は組織や細胞の形態の視認性向上に寄与するものである。しかし、エオジンの励起光吸収や蛍光の蛍光(発光)強度が大きくなるにつれて、蛍光物質内包ナノ粒子からの蛍光の視認性が落ちてしまう。そこで、HE染色を同時に行う同時染色の場合、励起光波長としては、エオジン自体の過度の発光を抑制し、蛍光物質内包ナノ粒子からの蛍光の視認性を上げる(エオジンの蛍光を含む自家蛍光と蛍光物質内包ナノ粒子からの蛍光の発光差を確保して両者を区別して認識可能とする)ために、エオジン自体が励起光を吸収しない又は励起光吸収し難い(従って、励起光によるエオジンの蛍光発光量が少ない)波長を選定することが好ましい。ここで、図8に示すように、励起光波長が560nm以上でエオジンの励起光の吸収はほとんどゼロに近くなる。一方、エオジンの蛍光がみられる限界(上限)は630nm付近である。従って、観察工程における励起光波長は560〜630nmの範囲のものを選択することが好ましい。また、前記蛍光物質としては当該励起光により580〜690nmの範囲、より好ましくは600〜630nmの範囲にピークを有する蛍光を発するものを用いることが好ましい。この範囲にピークを有する蛍光物質であれば、上記範囲の励起光を選択したときに、エオジンの蛍光を含む自家蛍光と蛍光物質内包ナノ粒子からの蛍光の発光差を確保して両者を区別して認識可能とする(両者の光量差10%(1.1倍)以上)を確保できるからである。
なお、HE染色を同時に行わない場合においては、組織の自家蛍光が微弱なため励起光の波長の範囲は、一般的な200nm〜700nmの範囲で特に限定せずとも自家蛍光と蛍光物質内包ナノ粒子からの蛍光の発光差を確保して両者を区別して認識可能とする(両者の光量差10%(1.1倍)以上)を確保することができる。
B≧30×A
であると言われている。
また、HE染色濃度自体が各施設により異なるので、
B≧50×A
となるケースも出てくる。
輝点ドットのバックグラウンドとなる自家蛍光の発光量Cは
C=A+B
であり、輝点ドットはCに対して埋没することのないような発光量が求められる。即ち、エオジンの発光量は、個人、臓器、組織切片中の細胞部位等によって大きくことなるが、上記条件(組織細胞固有の自家蛍光+エオジン自家蛍光の1.1倍以上)を満たすためには、蛍光物質内包ナノ粒子の一粒子あたり、CdSe−Qdotのおよそ30倍以上の発光量が必要となる。
以下、本発明に係る第1の実施の形態について説明する。
〔蛍光物質〕
第1の実施の形態で用いられる蛍光物質としては、蛍光有機色素及び量子ドット(半導体粒子)を挙げることができる。200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜1100nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましい。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマー等により表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
本実施の形態において蛍光物質内包ナノ粒子とは、蛍光物質がナノ粒子内部に分散されたものをいい、蛍光物質とナノ粒子自体とが化学的に結合していても、結合していなくてもよい。
ナノ粒子を構成する素材は特に限定されるものではなく、ポリスチレン、ポリ乳酸、シリカ等を挙げることができる。
本実施の形態に係る生体物質認識部位とは、目的とする生体物質と特異的に結合及び/又は反応する部位である。例えば、ヌクレオチド鎖、タンパク質、抗体等が挙げられる。したがって、そのような目的とする生体物質に結合する物質としては、前記タンパク質を抗原として認識する抗体やそれに特異的に結合する他のタンパク質等、および前記核酸にハイブリタイズする塩基配列を有する核酸等が挙げられる。具体的には、細胞表面に存在するタンパク質であるHER2に特異的に結合する抗HER2抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)に特異的に結合する抗ER抗体、細胞骨格を形成するアクチンに特異的に結合する抗アクチン抗体等があげられる。中でも抗HER2抗体及び抗ER抗体を蛍光物質内包ナノ粒子に結合させたものは、乳癌の投薬選定に用いることができ、好ましい。
以下、第1の実施の形態の染色方法について述べる。第1の実施の形態の染色方法は病理切片組織に限定せず、細胞染色にも適用可能である。
また、第1の実施の形態の染色方法が適用できる切片の作製法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。
キシレンを入れた容器に病理切片を浸漬させ、パラフィンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に病理切片を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に病理切片を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
公知の方法にならい、目的とする生体物質の賦活化処理を行う。賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mトリス塩酸緩衝液等を用いることができる。加熱機器は、オートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバス等を用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50−130℃、時間は5−30分で行うことができる。
次いで、PBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)を入れた容器
に、賦活化処理後の切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子のPBS分散液を病理切片に載せ、目的とする生体物質と反応させる。蛍光物質内包ナノ粒子と結合させる生体物質認識部位を変えることにより、さまざまな生体物質に対応した染色が可能となる。数種類の生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子を用いる場合には、それぞれの蛍光物質内包ナノ粒子PBS分散液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次病理切片に載せてもよい。
温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
蛍光物質内包ナノ粒子による染色を行う前に、BSA含有PBS等、公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の切片を浸漬させ、未反応蛍光物質内包ナノ粒子の除去を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。カバーガラスを切片に載せ、封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
染色した病理切片に対し蛍光顕微鏡を用いて、広視野の顕微鏡画像から蛍光輝点の数又は発光輝度を計測する。用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応した励起光源及び蛍光検出用光学フィルターを選択する。輝点数又は発光輝度の計測は、市販の画像解析ソフト、例えば、株式会社ジーオングストローム社製の全輝点自動計測ソフトG−Countを用いて行うことができる。
なお、顕微鏡を使用した画像解析自体は周知であり、例えば、特開平9−197290に開示される手法を用いることができる。
顕微鏡画像の視野は、3mm2以上であることが好ましく、30mm2以上であることがさらに好ましく、300mm2以上であることがさらに好ましい。
顕微鏡画像から計測された輝点数、及び/又は発光輝度に基づいて、目的とする生体物質の発現レベルを評価する。具体的には、輝点数が多いほど、生体物質の発現レベルが高いと評価することができる。また、発光輝度が高いほど、生体物質の発現レベルが高いと評価することができる。なお、目視による評価も可能である。
(合成例1:蛍光有機色素内包シリカ:Cy5内包シリカナノ粒子の合成)
下記工程(1)〜(5)の方法により、Cy5内包シリカナノ粒子(以下、ナノ粒子1という。)を作製した。
工程(1):Cy5のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体(GEヘルスケア社製)1mg(0.00126mmol)とテトラエトキシシラン400μL(1.796mmol)を混合した。
工程(2):エタノール40mLと14%アンモニア水10mLを混合した。
工程(3):工程(2)で作製した混合液を室温下で撹拌しているところに、工程(1)で調製した混合液を添加した。添加開始から12時間撹拌を行った。
工程(4):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(5):エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。
得られたナノ粒子1を走査型電子顕微鏡(SEM;日立(登録商標)社製S−800型)で観察したところ、平均粒径は110nm、変動係数は12%であった。
下記工程(1)〜(5)の方法により、CdSe/ZnS内包シリカナノ粒子(以下、ナノ粒子2という。)を作製した。
工程(1):CdSe/ZnSデカン分散液(インビトロジェン社Qdot655)10μLとテトラエトキシシラン40μLを混合した。
工程(2):エタノール4mLと14%アンモニア水1mLを混合した。
工程(3):工程(2)で作製した混合液を室温下で撹拌しているところに、工程(1)で作製した混合液を添加した。添加開始から12時間撹拌を行った。
工程(4):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(5):エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。
得られたナノ粒子2を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径は130nm、変動係数は13%であった。
下記工程(1)〜(12)の方法により、蛍光物質内包シリカナノ粒子に対して抗体を結合させた。ここでは、ナノ粒子1を用いた例を示すが、ナノ粒子2についても同様である。
工程(1):1mgのナノ粒子1を純水5mLに分散させた。次いで、アミノプロピルトリエトキシシラン水分散液100μLを添加し、室温で12時間撹拌した。
工程(2):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(3):エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。
得られたアミノ基修飾したシリカナノ粒子のFT−IR測定を行ったところ、アミノ基に由来する吸収が観測でき、アミノ基修飾されたことが確認できた。
工程(5):工程(4)で調整した溶液に、最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。
工程(6):反応混合液を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した
工程(7):EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLのPBSを用いて再分散させた。
工程(9):反応混合物についてゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去し、還元化抗HER2抗体溶液を得た。
工程(11):10mMメルカプトエタノール4μLを添加し、反応を停止させた。
工程(12):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLのPBSを用いて再分散させ、抗HER2抗体が結合された蛍光物質内包シリカナノ粒子を得た。
比較例として、下記工程(1)〜(7)の方法により、Cy5に抗HER2抗体を結合させた。
工程(1):抗HER2抗体100μgを100μLのPBSに溶解させたところに、1Mジチオスレイトール(DTT)を添加し、30分反応させた。
工程(2):反応混合物についてゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去し、還元化抗HER2抗体溶液を得た。
工程(3):Cy5のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体(GEヘルスケア社製)1mg(0.00126mmol)を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBSを用いて3nMに調整した。
工程(4):工程(3)で調整した溶液に、最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。
工程(6):10mMメルカプトエタノールμL4を添加し、反応を停止させた。
工程(7):ゲルろ過カラムにより過剰のメルカプトエタノールを除去し、Cy5結合した還元化抗HER2抗体溶液(標識材料D)を得た。
下記工程(1)〜(10)の方法により、作製した抗体結合標識材料A〜Dを用い、予めFISHスコアを測定したヒト乳房組織の隣接切片を用いて免疫染色を行った。染色切片はコスモバイオ社製の組織アレイスライド(CB−A712)を用いた。FISHスコアで1〜9の24切片を用いた。
工程(2):エタノールを入れた容器に病理切片を30分浸漬させた。途中3回エタノールを交換した。
工程(3):水を入れた容器に病理切片を30分浸漬させた。途中3回水を交換した。
工程(4):10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に病理切片を30分浸漬させた。
工程(5):121度で10分オートクレーブ処理を行った。
工程(6):PBSを入れた容器に、オートクレーブ処理後の切片を30分浸漬させた。
工程(7):1%BSA含有PBSを組織に載せて、1時間放置した。
工程(8):1%BSA含有PBSで0.05nMに希釈した抗HER2抗体が結合された標識材料A〜Dを、各組織切片に載せて3時間放置した。
工程(9):PBSを入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分浸漬させた。
工程(10):Merck Chemicals社製Aquatexを滴下後、カバーガラスを載せ封入した。
各標識材料A〜Dを用いて染色した組織切片について、視野(観察面積)を変えて複数の顕微鏡画像を取得し、画像解析ソフトにより、各顕微鏡画像から蛍光輝点の数を計測した。一例として、図9に、標識材料Aを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した顕微鏡画像を示す。
なお、顕微鏡は、カールツアイス社製正立顕微鏡Axio Imager M2を用い、対物レンズを20倍に設定し、630〜670nmの波長を有する励起光を照射して、組織切片から発せられる蛍光を結像し、顕微鏡設置カメラ(モノクロ)により顕微鏡画像(画像データ)を取得し、画像解析ソフトにより輝点数を計測した。なお、上記カメラは画素サイズ6.4μm×6.4μm、縦画素数1040個、横画素数1388個(撮像領域8.9mm×6.7mm)を有している。
また、各標識材料A〜Dについて、各視野において、計測された輝点数とFISHスコアとの相関係数Rを算出した。FISHスコアは、HER2遺伝子の過剰発現レベルと対応しており、FISHスコアの値が大きいほど、HER2遺伝子の過剰発現レベルが高いことを示している。
コアとの関係を示す図である。
アとの関係を示す図である。
このように、高輝度の蛍光標識材料を免疫組織化学の標識材料として用いることにより、汎用の蛍光顕微鏡システムにおいて、対物レンズが20倍程度の低倍率画像でも、標的分子と結合している標識材料が認識可能となる。
また、低倍率の蛍光画像を複数枚以上組み合わせることにより、組織切片上の大きな面積領域を観察可能となる。このことにより、従来見逃されていたような微量の生体物質の検出、及び、定量評価が可能となったと考えられる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態においては、組織細胞の形態観察のため、生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を用いた染色にHE染色を併用(同時染色)するケースを示す。
第2の実施の形態に係る蛍光物質、蛍光物質内包ナノ粒子、生体物質認識部位、生体物質認識部位と蛍光物質内包ナノ粒子との結合については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。即ち、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で説明したような蛍光標識材料(生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子)を用いる。
本実施形態における蛍光物質は、励起光波長550〜700nmを照射した時、蛍光波長が580〜800nmとなる蛍光物質である。
好ましい蛍光物質は、励起光波長575〜620nmを照射した時、蛍光波長が580〜650nmとなる蛍光物質である。
より好ましい蛍光物質は、励起光波長575〜600nmを照射した時、蛍光波長が600〜650nmとなる蛍光物質である。
最も好ましい蛍光物質は、励起光波長580〜595nmを照射した時、蛍光波長が600〜620nmとなる蛍光物質である。
第2の実施の形態の免疫組織化学法における染色工程は上述したような特定の蛍光標識材料を用いて組織切片の染色を行う。染色する対象は病理切片組織に限定されず、細胞染色にも適用可能である。第2の実施の形態における染色方法が適用できる切片の作製法は特に限定されるものではなく、公知の方法により作製された切片を用いることができる。たとえば、病理切片として汎用されているパラフィン包埋切片を用いる場合は、次のような手順で染色すればよい。
脱パラフィン処理については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
賦活化処理については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
生体物質認識部位および蛍光物質内包ナノ粒子を備えた蛍光標識材料のPBS分散液を調製し、病理切片に載せて、目的とする生体物質と反応させる。複数の生体物質を目的として染色する場合は、各生体物質に対応した生体物質認識部位および互いに異なる蛍光物質内包ナノ粒子を備えた蛍光標識材料のPBS分散液をそれぞれ調製し、それらを病理切片に載せて、それぞれ目的とする生体物質と反応させればよい。病理切片に載せる際には、それぞれの蛍光標識材料のPBS分散液をあらかじめ混合してもよいし、別々に順次載せてもよい。
染色処理後、カバーガラスを切片に載せて封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
観察工程は、上記工程により染色された組織切片に励起光を照射することにより、組織の自家蛍光及びエオジンの自家蛍光に基づく細胞または組織の形態情報(細胞形態情報)を取得し、かつ蛍光物質内包ナノ粒子による蛍光に基づく細胞または組織内の特定の生体物質の発現レベルを表す情報(第2の実施形態において抗原分子情報とよぶ)を取得する工程である。
[合成例1]蛍光有機色素(Cy5)内包シリカナノ粒子の合成
下記工程(1)〜(4)の方法により、蛍光有機色素としてCy5を内包するシリカナノ粒子(以下「ナノ粒子A」と称する。)を作製した。
工程(1):Cy5のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体(GEヘルスケア社製)1mg(0.00126mmol)とテトラエトキシシラン400μL(1.796mmol)を混合した。
工程(2):エタノール40mLと14%アンモニア水10mLを混合した。
工程(3):工程(2)で調製した混合液を室温下撹拌しているところに、工程(1)で調製した混合液を添加した。添加開始から12時間撹拌を行った。
工程(4):反応混合物を10000gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を一回ずつ行った。
得られたナノ粒子Aの1000個について走査型電子顕微鏡(SEM;日立社製S−800型)観察を行ったところ、平均粒径は110nm、変動係数は12%であった。
下記工程(1)〜(4)の方法により、量子ドットとしてCdSe/ZnSを内包するシリカナノ粒子(以下「ナノ粒子B」と称する。)を作製した。なお、CdSe/ZnSの発光波長のピークは655nmである。
工程(1):CdSe/ZnSデカン分散液(インビトロジェン社Qdot655)10μLとテトラエトキシシラン40μLを混合した。
工程(2):エタノール4mLと14%アンモニア水1mLを混合した。
工程(3):工程(2)で調製した混合液を室温下で撹拌しているところに、工程(1)で調製した混合液を添加した。添加開始から12時間撹拌を行った。
工程(4):反応混合物を10000gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。
得られたナノ粒子Bの1000個についてSEM観察を行ったところ、平均粒径は130nm、変動係数は13%であった。
工程(1)の原料としてCy5のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体(GEヘルスケア社製)の代わりにテキサスレッドスルホニルクロライドを用いたこと以外は合成例1と同様にして、蛍光有機色素としてテキサスレッドを内包するシリカナノ粒子(以下「ナノ粒子C」と称する。)を作製した。
得られたナノ粒子Cの1000個について走査型電子顕微鏡(SEM;日立社製S−800型)観察を行ったところ、平均粒径は108nm、変動係数は11%であった。
上記合成例1で作製したナノ粒子Aに、以下の手順により抗HER2抗体を結合させ、標識材料(「標識材料a」と称する。)を作製した。
工程(1):ナノ粒子A1mgを純水5mLに分散させた。アミノプロピルトリエトキシシラン水分散液100μLを添加し、室温で12時間撹拌した。
工程(2):反応混合物を10000gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(3):エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。生成物のFT−IR測定を行ったところ、アミノ基に由来する吸収が観測でき、ナノ粒子Aをアミノ基修飾できたことを確認できた。
工程(4):工程(3)で得られたアミノ基修飾したナノ粒子Aを、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整した。
工程(5):工程(4)で調製した溶液に、最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl-[(N-maleomidopropionamid)-dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。
工程(6):反応混合液を10000gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した
工程(7):EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLPBSを用い再分散させた。
工程(8):抗HER2抗体を100μgを100μLのPBSに溶解させたところに、1Mジチオスレイトール(DTT)を添加し、30分反応させた。
工程(9):反応混合物についてゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去し、還元化抗HER2抗体溶液を得た。
工程(10):ナノ粒子Aを出発原料にして工程(7)で得られた粒子分散液と工程(9)で得られた還元化抗HER2抗体溶液とをPBS中で混合し、1時間反応させた。
工程(11):10mMメルカプトエタノール4μLを添加し、反応を停止させた。
工程(12):反応混合物を10000gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した後EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLPBSを用い再分散させた抗HER2抗体が結合したナノ粒子A(標識材料a)を得た。
ナノ粒子Aの代わりにナノ粒子Bを用いたこと以外は作製例1と同様の手順により、ナノ粒子Bに抗HER2抗体を結合させた標識材料(「標識材料b」と称する。)を作製した。
ナノ粒子Aの代わりにナノ粒子Cを用いたこと以外は作製例1と同様の手順により、ナノ粒子Cに抗HER2抗体を結合させた標識材料(「標識材料c」と称する。)を作製した。
Cy5に抗HER2抗体を結合させた標識材料(「標識材料d」と称する。)を以下の手順により作製した。
工程(1):抗HER2抗体100μgを100μLのPBSに溶解させたところに、1Mジチオスレイトール(DTT)を添加し、30分反応させた。
工程(2):反応混合物についてゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去し、還元化抗HER2抗体溶液を得た。
工程(3):Cy5のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体(GEヘルスケア社製)1mg(0.00126mmol)を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整した。
工程(4):工程(3)で調製した溶液に、最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl-[(N-maleomidopropionamid)-dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。
工程(5):工程(4)で得られた反応混合物に工程(2)で得られた還元化抗HER2抗体溶液をPBS中で混合し、1時間反応させた。
工程(6):10mMメルカプトエタノール4μLを添加し、反応を停止させた。
工程(7):ゲルろ過カラムにより過剰のメルカプトエタノールを除去し、Cy5で標識化した還元化抗HER2抗体(標識材料d)溶液を得た。
の作製
ライフテクノロジー社製Qdot Antibody Conjugation Kitのプロトコールに従って、量子ドット(CdSe/ZnS)に抗HER2抗体を結合させた標識材料(「標識材料e」と称する。)を作製した。具体的な手順は以下の通りである。抗HER2抗体を20mMジチオスレイトール(DTT)で還元処理を行い、ゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去することにより、還元化抗体溶液を得た。一方量子ドットはSMCCと反応後ゲルろ過カラムにより過剰のSMCCを除去することにより還元化抗体と反応可能なマレイミド化量子ドットを得た。得られた還元化抗体とマレイミド化量子ドットを混合1時間反応後100μMになるようメルカプトエタノールを加え反応を停止した。反応、反応停止後の溶液をゲル濾過する事で量子ドットを結合した抗HER2抗体を得た。
上記作製例で作製した標識材料a〜eを用い、下記の手順に従って、ヒト乳房組織の隣接切片の免疫染色を行った。この隣接切片は、コスモバイオ社製の組織アレイスライド(CB-A712)から選ばれた、あらかじめ測定したFISHスコアが1〜9までの24切片である。
1)キシレンを入れた容器に病理切片を30分浸漬させた。途中3回キシレンを交換した。
2)エタノールを入れた容器に病理切片を30分浸漬させた。途中3回エタノールを交換した。
3)水を入れた容器に、病理切片を30分浸漬させた。途中3回水を交換した。
4)10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に病理切片を30分浸漬させた。
5)121度10分オートクレーブ処理を行った。
6)PBSを入れた容器に、オートクレーブ処理後の切片を30分浸漬させた。
7)1%BSA含有PBSを組織に載せて、1時間放置した。
8)1%BSA含有PBSで0.05nMに希釈した抗HER2抗体結合した標識材料a〜eを、各組織切片に載せて3時間放置した。
9)PBSを入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分浸漬させた。
10)4%中性パラホルムアルデヒド溶液で10分間固定処理した後、HE染色を行った。
11)Merck Chemicals社製Aquatexを滴下後、カバーガラスを載せ封入した。
図15は、標識材料dを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した画像である。
る。エオジン由来の微弱発光(自家蛍光)による細胞形態情報は観察できるが、抗原分子情報は細胞形態情報に埋もれて識別できない状態になっている。なお、顕微鏡鏡筒から観察した場合も同様の観察像となっている。
図16は、標識材料eを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した画像である。エオジン由来の微弱発光(自家蛍光)による細胞形態情報は観察できるが、抗原分子
情報は細胞形態情報に埋もれて識別できない状態になっている。なお、顕微鏡鏡筒から観察した場合も同様の観察像となっている。
図17は、標識材料aを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した画像である。輝点状に見える抗原分子情報とゆるやかにつながるエオジン由来の微弱発光(自家蛍光)による細胞形態情報が識別可能な状態となっている。なお、顕微鏡鏡筒からは抗原分子情報と細胞形態情報は識別することができなかった。
図18は、標識材料bを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した画像である。輝点状に見える抗原分子情報とゆるやかにつながるエオジン由来の微弱発光(自家蛍光)による細胞形態情報が識別可能な状態となっている。なお、顕微鏡鏡筒から観察した場合も同様の観察像となっている。
図19は、標識材料cを用いた場合に顕微鏡設置カメラから取得した画像である。輝点状に見える抗原分子情報とゆるやかにつながるエオジン由来の微弱発光(自家蛍光)による細胞形態情報が識別可能な状態となっている。なお、顕微鏡鏡筒から観察した場合も同様の観察像となっている。
顕微鏡の一度に見ることのできる視野範囲が比較的狭い場合、病理切片上の診断対象領域を数回に分けて観察することとなるが、複数の視野のうち所定の視野に注目して、当該視野が顕微鏡の観察範囲となるように顕微鏡のスライド固定ステージを調整し、光源波長を切り替えても、上記と同様の効果が得られる。
Claims (4)
- 蛍光物質を内包した球状粒子に生体物質認識部位が結合された染色試薬を用いて組織切片を染色する染色工程と、
上記組織切片に励起光を照射して、前記組織切片に自家蛍光させるとともに、前記球状粒子にドット状の蛍光を発生させる照射工程と、
前記自家蛍光、及び/又は、前記ドット状の蛍光を拡大結像する結像工程と、
前記拡大結像された像の中から前記ドット状の蛍光を検出して前記生体物質認識部位に対応する生体物質の発現レベルを評価する評価工程と、
を含む組織評価方法。 - 前記染色工程は、前記蛍光物質を内包した球形粒子に前記生体物質認識部位が結合された染色試薬及びHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色試薬を用いて前記組織切片を同時染色する請求項1に記載の組織評価方法。
- 前記組織切片の自家蛍光と前記球状粒子のドット状の蛍光の発光量差が
前記球状粒子蛍光≧1.1×自家蛍光
である請求項1又は2に記載の組織評価方法。 - 前記結像工程は、2次元方向に複数の撮像素子が配列された撮像面に前記自家蛍光、及び/又は、前記ドット状の蛍光を拡大結像してその画像を取得し、
前記球状粒子の径及び/又は前記ドット状の蛍光の拡大倍率は、前記ドット状の蛍光が前記撮像面において2以上の撮像素子に跨って結像されるように設定される請求項1〜3の何れか一項に記載の組織評価方法。
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