JP2001305030A - 試料調整法 - Google Patents

試料調整法

Info

Publication number
JP2001305030A
JP2001305030A JP2000118633A JP2000118633A JP2001305030A JP 2001305030 A JP2001305030 A JP 2001305030A JP 2000118633 A JP2000118633 A JP 2000118633A JP 2000118633 A JP2000118633 A JP 2000118633A JP 2001305030 A JP2001305030 A JP 2001305030A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodide
perchlorate
molecule
sample preparation
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000118633A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Iketaki
慶記 池滝
Masaaki Fujii
正明 藤井
Takashige Omatsu
尾松  孝茂
Tomoo Suzuki
智雄 鈴木
Makoto Minakata
皆方  誠
Kimihisa Yamamoto
公寿 山元
Kazuhiko Nakatani
和彦 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Olympus Corp
Nippon Roper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Roper Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Roper Co Ltd, Japan Science and Technology Corp, Olympus Optical Co Ltd filed Critical Nippon Roper Co Ltd
Priority to JP2000118633A priority Critical patent/JP2001305030A/ja
Publication of JP2001305030A publication Critical patent/JP2001305030A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光信号を短時間、且つ高感度で計測するこ
とができ、二重共鳴吸収顕微鏡の超解像性を十分に引き
出して実用性をより向上させることのできる、新しい試
料調整法を提供する。 【解決手段】 二重共鳴吸収顕微鏡における試料を調整
する方法であって、試料を量子ドットにより染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、試料調整
法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発
明は、蛍光信号の短時間、且つ高感度測定を実現し、二
重共鳴吸収顕微鏡の超解像性を十分に引き出して実用性
をさらに向上させることのできる、二重共鳴吸収顕微鏡
に用いられる新しい試料調整法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザー技術や電子画像技術をは
じめとする周辺技術の進歩にともない、様々なタイプの
高性能かつ多機能な顕微鏡が開発されてきている。本願
発明の発明者も、その一つとして、複数波長の光を試料
に照明することによって発生する二重共鳴吸収過程を用
いて、得られる画像のコントラスト制御および試料の化
学分析を可能とする顕微鏡(以下、二重共鳴吸収顕微鏡
と呼ぶ)をすでに提案している(特願平6−32916
5参照)。
【0003】この二重共鳴吸収顕微鏡では、二重共鳴吸
収過程を用いて特定の分子を選択し、特定の光学遷移に
起因する吸収および蛍光を観測することができる。その
原理を説明すると、まず、基底状態(S0状態:図1)
の試料分子(つまり、試料を構成する分子)が持つ価電
子軌道の電子を、レーザー光などの共鳴波長λ1光によ
り第一電子励起状態へ励起させ(S1状態:図2)、続
いて共鳴波長λ2光により第二電子励起状態またはさら
に高位の励起状態へ励起させる(S2状態:図3)。分
子は、この励起状態から蛍光あるいは燐光を発光したり
して基底状態に戻る(図4)。そして、図2に示した吸
収や図4に示した蛍光や燐光の発光を用いて吸収像や発
光像を観察する。
【0004】S1状態への励起過程においては、単位体
積内のS1状態の分子数は照射する光の強度が増加する
にしたがって増加する。線吸収係数は、分子一個当たり
の吸収断面積と単位体積当たりの分子数の積で与えられ
るので、S2状態への励起過程においては続いて照射す
る共鳴波長λ2に対する線吸収係数は最初に照射した共
鳴波長λ1の光の強度に依存する。すなわち、共鳴波長
λ2(以下、波長λ2と略称)に対する線吸収係数は共鳴
波長λ1(以下、波長λ1と略称)の光の強度で制御でき
る。このことは、波長λ1および波長λ2の2波長の光で
試料を照射し、波長λ2による透過像を撮影すれば、透
過像のコントラストを波長λ1の光で完全に制御できる
ことを示している。また、S2状態からの蛍光または燐
光による脱励起過程が可能である場合には、その発光強
度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍
光顕微鏡として利用する場合にも画像コントラストの制
御が可能となる。
【0005】また、この二重共鳴吸収顕微鏡は、コント
ラストの制御のみならず、化学分析も可能にする。図1
に示される最外穀価電子軌道は個々の分子に固有なエネ
ルギー準位をもつので、波長λ1は分子によって異な
る。同時に波長λ2も分子固有のものとなる。単一波長
で照明・観察を行う従来の顕微鏡においても、ある程度
は特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが
可能ではあるが、一般にはいくつかの分子の吸収帯の波
長領域は重複するため、試料の化学組成の正確な同定ま
では不可能である。これに対し、二重共鳴吸収顕微鏡で
は波長λ1および波長λ2の2波長により吸収あるいは発
光する分子を限定するので、従来技術よりも正確な試料
の化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起す
る場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルを持つ光の
みが強く吸収されるので、波長λ1および波長λ2の偏光
方向を決めて、吸収像または蛍光像を撮影すれば、同じ
分子でも配向方向の同定をも行うことができる。
【0006】本願発明の発明者はさらに、回折限界を越
える高い空間分解能の二重共鳴吸収顕微鏡をも提案して
いる(特願平8−302232参照)。二重共鳴吸収過
程については、図5に例示したようにS2状態からの蛍
光が極めて弱くなるある種の分子が存在する。このよう
な光学的性質を持つ分子に対しては、以下のような極め
て興味深い現象が起きる。図6は、図5と同じく二重共
鳴吸収過程の概念図であるが、横紬にX軸を設けて空間
的距離の広がりを表現しており、波長λ1光および波長
λ2光が照射されている空間領域A1(=蛍光抑制領域)
と、波長λ1光のみが照射されて波長λ2光が照射されて
いない空間領域A0(=蛍光領域)について示してい
る。空間領域A0では波長λ1光による励起によってS1
状態の分子が多数生成される。このとき空間領域A0
らは波長λ3で発光する蛍光が見られる。しかし空間領
域A1では、波長λ2光が照射されるので、S1状態の分
子が即座に高位のS2状態へと励起され、S1状態の分子
は存在しなくなる。このため空間領域A1においては、
波長λ3の蛍光は全く発生せず、しかもS2状態からの蛍
光はもともとないので、完全に蛍光自体が抑制されるこ
ととなる。すなわち蛍光が発生するのは空間領域A0
みとなる。このような現象の発生が数種類の分子におい
て確認されている。
【0007】したがって、従来の走査型レーザー顕微鏡
などでは、レーザー光を集光して観察試料上に形成され
るマイクロビームのサイズが集光レンズの開口数と波長
による回折限界で決まるので、それ以上の空間分解能が
原理的に期待できないにの対し、図6で示した現象によ
れば波長λ1光と波長λ2光を空間的に一部分重ね合わせ
ることで、波長λ2光の照射で蛍光領域が抑制されるた
め、たとえば波長λ1光の照射領域に着目すると、蛍光
領域は集光レンズの開口数と波長とで決まるビームのサ
イズよりも狭くなっており、実質的に空間分解能の向上
が図られている。本願発明者による二重共鳴吸収顕微鏡
(特願平8−302232参照)は、この原理を用い
て、回折限界を越える超解像顕微鏡を実現しているので
ある。
【0008】そして本願発明の発明者は、この二重共鳴
吸収顕微鏡の超解像性をさらに高めるべく、その機能を
十分に活かすための試料の調整や波長λ1光・波長λ2
の試料への照射タイミングなどをもすでに提案している
(特願平9−255444)。より具体的には、試料を
染色分子により染色する。この染色分子として、基底状
態を含め少なくとも3つの量子状態(S0状態,S1
態,S2状態・・・)を有し、且つS1状態を除く高位の
量子状態から基底状態へ脱励起するときの遷移において
蛍光による緩和過程よりも熱緩和過程が支配的である各
種分子(以下、蛍光ラベラー分子と呼ぶ)を用いるので
ある。このような蛍光ラベラー分子と生化学的な染色技
術を施した生体分子とを化学結合させてなる試料に、波
長λ1光を照射して蛍光ラベラー分子をS1状態に励起さ
せ、続いて即座に波長λ2光を照射して蛍光ラベラー分
子をより高位の量子準位に励起させることで、S1状態
からの蛍光を効果的に抑制できるようになる。この際
に、上述したような空間的な蛍光領域の人為的な抑制を
行うことにより、空間分解能のさらなる向上が実現され
る。
【0009】上記の蛍光ラベラー分子の光学的性質は、
以下のように量子化学的な見地から説明できる。一般
に、分子はそれを構成する各原子のσまたはπ結合によ
って結ばれている。言い換えると、分子の分子軌道はσ
分子軌道またはπ分子軌道をもっていて、これらの分子
軌道に存在する電子が各原子を結合する重要な役割を担
っている。そのなかでも、σ分子軌道の電子は、各原子
を強く結合し、分子の骨格である分子内の原子間距離を
決める。これに対して、π分子軌道の電子は、各原子の
結合にほとんど寄与しないで、むしろ分子全体に極めて
弱い力で束縛される。
【0010】多くの場合、σ分子軌道にいる電子を光で
励起させると、分子の原子間隔が大きく変化し、分子の
解離を含む大きな構造変化が起こる。その結果として、
原子の運動エネルギーや構造変化するために光が分子に
与えたエネルギーのほとんどが熱エネルギーに形を変え
る。したがって、励起エネルギーは蛍光という光の形態
で消費されない。また、分子の構造変化は極めて高速に
おこるので(たとえばピコ秒より短い)、その過程で仮
に蛍光が起きても極めて蛍光寿命が短い。しかしそれに
対して、π分子軌道の電子が励起しても、分子の構造自
体はほとんど変化せず、高位の量子的な離散準位に長時
間とどまり、ナノ秒のオーダーで蛍光を放出して脱励起
する性質を持つ。
【0011】量子化学よれば、分子がπ分子軌道を持つ
ことと、二重結合を持つこととは同等であり、用いる蛍
光ラベラー分子には、二重結合を豊富に持つ分子を選定
することが必要条件となる。そして、二重結合を持つ分
子でもベンゼンやビラジンなどの6員環分子において
は、S2状態からの蛍光が極めて弱いことが確かめられ
ている(例えば、M..Fujii et.al., Chem. Phys. Lett.
171 (1990) 341)。したがって、ベンゼンやビラジン
などの6員環分子を含む分子を蛍光ラベラー分子として
選定すればS1状態からの蛍光寿命が長くなり、しかも
光照射によりS1状態からS2状態に励起させることで分
子からの蛍光を容易に抑制でき、上述の二重共鳴吸収顕
微鏡の超解像性を効果的に利用することができるように
なる。
【0012】すなわち、これらの蛍光ラベラー分子によ
り試料を染色して観察を行えば、高空間分解能の蛍光像
を取得することができるだけでなく、その蛍光ラベラー
分子の側鎖の化学基を調整することにより生体試料の特
定の化学組織のみを選択的に染色でき、試料の詳細な化
学組成までも分析可能となる。
【0013】一般に、二重共鳴吸収過程は二つの光の波
長や偏光状態等が特定の条件を満たす場合のみに起こる
ので、これを用いることで非常に詳細な分子の構造を知
ることが可能となる。すなわち、光の偏光方向と分子の
配向方向とは強い相関関係があり、二波長光それぞれの
偏光方向と分子の配向方向とが特定の角度をなすとき二
重共鳴吸収過程が強く起こる。したがって、二波長光を
試料に照射して、各光の偏光方向を回転することによ
り、蛍光の消失の程度が変化するので、その様子から観
察しようとする組織の空間配向の情報も得られる。さら
に、二つの波長の光を調整させることでもこのことが可
能である。
【0014】他方、波長λ1光と波長λ2光の照射タイミ
ングを適当なものに調整することにより(特願平9−2
55444参照)、蛍光像のS/Nを改善し、且つ蛍光
抑制をさらに効果的に起こすことも可能となっている。
【0015】また、本願発明の発明者により、波長λ1
光と波長λ2光の照射タイミングのさらなる工夫によ
り、S/Nおよび蛍光抑制のさらなる向上を実現するこ
とも提案されている(特願平10―97924参照)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上のように本
願発明の発明者によってこれまで開発されてきた二重共
鳴吸収顕微鏡は、その超解像性と分析能力において際立
った有用性と技術的優位性を示しているものの、未だに
以下に示すような改良すべき点が残されているのが実情
である。
【0017】二重共鳴吸収顕微鏡では、上述したように
光の回折限界を遥かに上回り、観察できる空間分解能は
たとえば数10nmにも達する。しかしながらその反
面、蛍光ラベラー分子を用いて試料を染色した場合、観
察領域すなわち蛍光発光領域に存在する蛍光ラベラー分
子は、極端に少なくなり、極限的な場合として1分子検
出にまで至る。
【0018】従来の蛍光ラベラー分子は有機分子であ
り、S1状態の寿命と同じ程度のパルス幅のポンプ光を
照射すると、基底状態の蛍光ラベラー分子は1回だけS
1状態に励起する。これは、分子の特定の分子軌道に居
る電子一個のみが、共鳴波長の光により特定の離散的な
エネルギー的に高位の量子準位に励起されることによ
る。励起された蛍光ラベラー分子は、寿命分の時間を経
て1光子を放出することにより基底状態に戻った後、再
びポンプ光により励起できるようになる。言い換える
と、S1状態にある間は、幾らポンプ光を蛍光ラベラー
分子に照射しても、蛍光ラベラー分子はS1状態にある
ままで何も変化が起こらないので、蛍光として放出する
光子の数は1個のままで2個以上となり得ないことにな
る。
【0019】たとえば、ポンプ光光源としてパルスレー
ザーを用いる場合、仮に観察領域に1個しか分子が存在
しないとすると、1回のパルスレーザー光の照射で、ラ
ベラー分子は1回だけS1状態に励起する。しかし、蛍
光収率が1以下であると、蛍光過程で放出される光子の
数は1以下となってしまう。さらに、たとえば、観察光
学系にもよるが検出器にたどり着く蛍光が数10%であ
り、しかも検出器の検出効率が1以下である場合には、
一回のパルスレーザー光照射では観察領域からの蛍光の
観察が極めて困難であることを意味する。
【0020】したがって、微小観察領域からの蛍光信号
を測定するためには、レーザー光照射を極めて多くの回
数、長時間行う必要がある。そして、このことは以下の
ような問題点を生じさせる。
【0021】まず第一に、計測時間の問題がある。近年
では高繰り返しのパルスレーザーが市販されているもの
の、たとえば観察試料を1点1点走査して多数の画素に
ついて測定し、蛍光信号から二次元画像を形成するとい
う方式においては、画像形成に要する時間が長くなり、
実用上好ましくない。
【0022】第二の問題点としては、蛍光ラベラー分子
に対する影響がある。ポンプ光およびイレース光として
のレーザー光を長時間、同じ分子に照射し続けると、分
子が光学反応を起こし、別の性質をもった分子に変化し
たり、最悪の場合には光解離などを起こして破壊されて
しまうことがある。いわゆる色素退色で蛍光ラベラー分
子が発光しなくなる。
【0023】第三の問題点としては、観察試料、特に生
体試料に対する影響がある。可視光領域では生体試料は
透明であり、受けるダメージは少ないはずであるが、パ
ルスレーザー光照射の場合には非常に確立は小さいなが
らも多光子吸収がおこり、パルスレーザー光照射を繰り
返すうちにその影響が生体試料に蓄積される恐れもあり
得る。
【0024】これらの問題点は、上述したとおりの長時
間光照射に起因するものであり、二重共鳴吸収顕微鏡の
実用性をさらに向上させるべく、改善すべき問題点であ
る。
【0025】この出願の発明は、以上のとおりの事情に
鑑みてなされたものであり、従来の二重共鳴吸収顕微鏡
を改良し、できるだけ少ない光照射でも微小領域からの
蛍光信号を短時間で計測することができ、その超解像性
を十分に引き出して実用性をより向上させることのでき
る、二重共鳴吸収顕微鏡に用いられる新しい試料調整法
を提案することを課題としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、二重共鳴吸収顕微鏡にお
ける試料を調整する方法であって、試料を量子ドットに
より染色することを特徴とする試料調整法(請求項1)
を提供し、この試料調整法において、量子ドットとし
て、元素周期表における第III属元素と第V属元素の組合
せからなるもの、または第II属元素と第VI属元素の組合
せからなるものを用いること(請求項2)、量子ドット
として、BN, BP, BAs, AlN, AlP, AlAs, AlSb, GaN, Ga
P, GaSb, InN, InP, InAs, InSb, ZnO, ZnS, ZnSe, ZnT
e, CdSe, CdTe, HgS, HgSe, HgTe,MgTe, MgSe, C, Si,
Ge, BeTe, AlGaAs, GaInP, GaInAs, AlGaInP, AlGaAsS
b, InAsSbP, InGaN, ZnSSe, ZnCdSe, PbSnSeTeのいずれ
かを用いること(請求項3)、量子ドットとして、S, T
e, Seのいずれかを含む材料でコーティングされたもの
を用いること(請求項4)、コーティング材料として、
量子ドットのバンドギャップよりも大きいバンドギャッ
プを有するものを用いること(請求項5)、量子ドット
として、その表面またはコーティング表面に有機側鎖を
有するものを用いること(請求項6)、有機側鎖が、末
端官能基-COOH, -NH2, -SH, -OH, -CH=CH2, -Ph-1を有
する化学基を持つものであること(請求項7)をその態
様としている。
【0027】また、この出願の発明は、二重共鳴吸収顕
微鏡における試料を調整する方法であって、試料をデン
ドリマーにより染色することを特徴とする試料調整法
(請求項8)をも提供し、この試料調整法において、デ
ンドリマーとして、蛍光色素分子を含むものを用いるこ
と(請求項9)や、蛍光色素分子が、2,2"-Dimethyl-p-
terphenyl;P-terphenyl(PTP);3,3',2",3"-Tetramethyl-
P-quaterphenyl;2,2'''-Dimethyl-P-quaterphenyl;2-Me
thyl-5-t-butyl-p-quaterphenyl;2-(4-Biphenylyl)-5-
(4-t-butylphenyl)-1,3,4-oxiazol(BPBD-365);2-(4-Bip
henylyl)-phenyl-1,3,4-oxadiazol;2,5,2''''5,''''-Te
tramethyl-p-quinquephenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-
butyl-p-quinquephenyl;2,5-Diphenyloxazol;2,5-Diphe
nylfuran;PQP(p-Quanterphenyl;2,5-Bis-(4-biphenyly
l)-1,3,4-oxadiazol;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfoni
cacid Disodiumsalt;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfoni
cacid Dipotassiumsalt;4,4'''-Bis-(2-butyloctyloxy)
-p-quanterphenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-butyl-p-s
exiphenyl;2-(1-Naphthyl)-5-phenyloxazol;2-(4-Biphe
nylyl)-6-phenylbenzoxazotetrasulfonicacid Potassiu
m Salt;2-(4-Biphenylyl)-6-phenylbenzoxazol-1,3;4,
4'-Diphenylstilbene;[1,1'-Biphenyl]-4-sulfonic aci
d, 4,4"-1,2-ethene-diylbis-,dipotassium salt;2,5-B
is-(4-biphenylyl)-oxazol;2,2'-([1,1'-Biphenyl]-4,
4'-diyldi-2,1-ethenediyl)-bis-benzenesulfonic acid
Disodium Salt;7-Amino-4-methylcarbostyryl;1,4-Di
[2-(5-phenyloxazoly)]benzene;7-Hydroxy-4-methylcou
marin;p-Bis(o-methylstyryl)-benzene;Benzofuran,2,
2'-[1,1'-biphenyl]-4,4'-diyl-bis-tetrasulfonic-aci
d;7-Dimethylamino-4-methylquinolom-2;7-Amino-4-met
hylcoumarin;2-(p-Dimethylaminostyryl)-pyridylmethy
l Iodide;7-Diethylaminocoumarun;7-Diethylamino-4-m
ethylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-methylqin
olizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;7-Diethylamino-4-trif
luormethylcoumarin;7-Dimethylamino-4-trifluormethy
lcoumarin;7-Amino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6
-1H,4H-Tetrahydroquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;
7-Ethylamino-6-methyl-4-trifluormethylcoumarin;7-E
thylamino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-T
etrahydro-9-carboethoxyquinolizino--[9,9a,1-gh]cou
marin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-9-(3-pyridyl)-quino
lizino-[9,9a,1-gh]coumarin;3-(2'-N-Methylbenzimida
zolyl)-7-n,n-diethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Te
trahydro-9-acetylquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;
N-Methyl-4-trifluormethylpiperidino-[3,2-g]-coumar
in;2-(p-Dimethylaminostyryl)-benzothiazolylethyl I
odide;3-(2'-Benzimidazolyl)-7-N,N-diethylaminocoum
arin;Brillantsulfaflavin;3-(2'-Benzothiazolyl)-7-d
iethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-tri
fluormethylquinolizino-[9,9a,1-gh]coumarin;3,3'-Di
ethyloxacarbocyanine Iodide;3,3'-Dimethyl-9-ethylt
hiacarbocyanine Iodide;Disodium Fluorescein (Urani
n);9-(o-Carboxyphenyl)-2,7-dichloro-6-hydroxy-3H-x
anthen-3-on2,7-Dichlorofluorescien・Fluorescein 54
8;Fluorol 555 (Fluorol 7GA);o-(6-Amino-3-imino-3H-
xanthen-9-yl)-benzonic acid (Rhodamine 560);Benzoi
cAcid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-dimethy
l-3H-xanthen9-yl], perchlorate(Rhodamine 575);Benz
onic Acid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-di
methyl-3X-xanthen-9-yl]-ethylester,monohydrochlori
de (Rhodamine 590);1,3'-Diethyl-4,2'-quinolyloxaca
rbocyanine Iodide;1,1'-Diethyl-2,2'-carbocyanine I
odid;2-[6-(diethylamino)-3-(diethylimino)-3H-xanth
en-9-yl] benzonic acid (Rhodamine 610);Ethanaminiu
m,N-[(6-diethylamino)-9-(2,4-disulfophenyl)-3H-xan
then-3-ylidene]-N- ethylhydroxid,inner salt,sodium
salt;Malachit Green;3,3'-Diethylthiacarbocyanine
Iodide;1,3'-Diethyl-4,2'-quinolylthiacarbocyanine
Iodide;8-(2-Carboxyphenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-oct
ahydro-1H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9',9
a',1-hi]xanthylium Perchlorate (Rhodamine640);4-Di
cyanmethylene-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4
H-pyran;3,3'-Diethyloxadicarbocyanine Iodide;8-(2,
4-Disulfophenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,
4H,10H,13H-diquinolizino [9,9a,1-bc:9',1-hi]xanthe
ne (Sulforhodamine 640);5,9-Diaminobenzo[a]phenoxa
zonium Perchorate;9-Diethylamino-5H-benzo(a)phenox
azin-5-one;5-Amino-9-diethylimino(a)phenoxazonium
Perchlorate;3-Ethylamino-7-ethylimino-2,8-dimethyl
phenoxazin-5-ium Perchorate;8-(Trifluoromethyl)-2,
3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,4H,10H,13H-diquinol
izino[9,9a,1-bc:9',9a,1-hi]xanthylium Perchlorate;
1-Ethyl-2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-butadieny
l)-pyridinium Perchlorate;Carbazine 122;9-Ethylami
no-5-ethylimino-10-methyl-5H- benzo(a)phenoxazoniu
m Perchlorate;3-Diethylamino-7-diethyliminophenoxa
zonium Perchlorate;3-Diethylthiadicarbocyanine Iod
ide;Oxazine 750;1-Ethyl-4-(4-(p-Dimethylaminopheny
l)-1,3-butadienyl)-pyridininum Perchlorate;1,1',3,
3,3',3'-Hexamethylindodicarbocyanine Iodide;1,1'-D
iethyl-4,4'-carbocyanine Iodide;2-(4-(p-Dimethylam
inophenyl)-1,3-butadienyl)-1,3,3-trimethyl-3H-indo
liumPerchlorate;2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-b
utadienyl)-3-ethylbenzothoazolium Perchlorate;1,1'
-Diethyl-2,2'-dicarbocyanine Iodide;1-Ethyl-4-(4-
(9-(2,3,6,7-tetrahydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolinoz
inium))-1,3-buta dienyl)-pyridinium Perchlorate;3,
3'-DimethyloxatricarbocyanineIodide;1-Ethyl-4-(p-D
imethylaminophenyl)-1,3-buta dienyl)-quinoliniumPe
rchlorate;8-Cyano-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1
H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9a',1-hi]xant
hylium Perchlorate (Rhodamine800];2-(6-(4-Dimethyl
aminophenyl)-2,4-neopentylene-1,3,5)-3-methylbenzo
thiazolium Perchlorate;1,1',3,3,3',3'-Hexamethylin
dotricarbocyanine Iodide;IR125;3,3'-Diethylthiatri
carbocyanine Iodide;IR144;2-(6-(9-(2,3,6,7,-Tetrah
ydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolizinium))-2,4-neopenty
lene-1,3,5-hexatrienyl)-3-methyllbenzothiazolium P
erchlorate;3,3'-Diethyl-9,11-neopentylenethiatrica
rbocyanine Iodide;1,1',3,3,3',3'-Hexamethyl-4,4',
5,5'-dibenzo-2,2'-indotricarbocyanine Iodide;3,3'-
Diethyl-4,4',5,5'-dibenzothiatricarbocyanine Iodid
e;1,2'-Diethyl-4,4'-dicarbocyanine Iodide;IR140;2-
(8-(4-p-Dimethyhlaminophenyl)-2,4-neopentylene-1,
3,5,7-octatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perch
lorate;IR132;2-(8-(9-(2,3,6,7-Tetrahydro-1H,5H-ben
zo(i,j)chinolizinium))-2,4-neopentylene-1,3,5,7-oc
tatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perchlorate;I
R26;IR 5のいずれかであること(請求項10)、デンド
リマーとして、その中心活性部が6員環を含む蛍光分子
であるものを用いること(請求項11)、デンドリマー
として、その中心活性部が6員環を含む蛍光鎖体分子で
あるものを用いること(請求項12)、デンドリマーと
して、その中心活性部がベンゼン環を含む分子であるも
のを用いること(請求項13)、デンドリマーとして、
その中心活性部がポルフィリン分子を含む分子であるも
のを用いること(請求項14)、デンドリマーとして、
その末端官能基が末端官能基 COOH, -NH2, -SH, -OH, -
CH=CH2, -Ph-1を有する化学基を持つものを用いること
(請求項15)をその態様として提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】この出願の発明の試料調整法は、
上記のとおり、試料を量子ドットまたはデンドリマーに
より染色することを特徴としている。より具体的には、
超微細の無機半導体材料または超分子である量子ドット
またはデンドリマーを蛍光ラベラー分子として用い、試
料を染色することで、たとえば生体試料の細胞内の観察
対象となる部位に量子ドットまたはデンドリマーを結合
させる。これにより、蛍光信号の短時間、且つ高感度の
超解像計測を実現することができる。以下に、量子ドッ
トおよびデンドリマーについてさらに説明する。
【0029】[量子ドット]量子ドットは、ナノメート
ルオーダーの微小領域にバンド構造をもたすことがで
き、極めて狭い空間領域に無数の励起子を発生させるこ
とができる。したがって、禁制帯幅以上の光子エネルギ
ーをもつパルスレーザー光の照射により、一瞬に価電子
帯の電子が多数導電帯に励起され、然るべき励起寿命を
経て、極めて強い蛍光発光を観測することができるよう
になる。有機分子からなる従来の蛍光ラベラー分子が一
回のパルスレーザー光照射で一回の励起しか起こらない
のに対し、この発明の試料調整方法で用いる量子ドット
は一回のパルスレーザー光照射で多数の励起電子が発生
し、その数に応じた光子が蛍光として放出されるのであ
る。したがって、同じ1回のパルス光照射であっても、
発光する蛍光強度は格段に強くなる。
【0030】このような量子ドットの光学的性質によっ
て、試料の興味のある部位に修飾すれば、1個の量子ド
ットであっても1回のパルスレーザー光照射で計測可能
な十分な光子数の蛍光が放出される。その結果として、
パルスレーザーを光源とする従来の二重共鳴吸収顕微鏡
においては、蛍光信号の計測時間が短くなり、しかも照
射する光の総量も少なくなるので、試料に対するダメー
ジは低減されることとなる。
【0031】図7および図8は、各々、量子ドットのバ
ンド構造の一例を示したものである。量子ドットを蛍光
ラベラー分子として用いる場合も、たとえば特願平10
−97924などにおいて従来の蛍光ラベラー分子とし
て用いられている各有機系色素分子と同様に、二重共鳴
吸収過程と誘導放出過程により蛍光を抑制できる。
【0032】図7に例示したように、バンドギャップE
g以上の光子エネルギーをもった波長λ1の光が量子ド
ットに入射した場合、価電子帯に居た電子が伝導帯1に
励起される。励起された電子は、然るべき寿命ののちに
伝導帯1の最下端まで失活した後、波長λfの蛍光を発
して、再び価電子帯に戻る。
【0033】図8に例示したように、波長λ1光の照射
によって伝導帯1にいる励起電子は、波長λ2光の照射
によって、二重共鳴吸収過程によりさらにエネルギー的
に高い伝導帯2や真空準位に励起し、あるいは誘導放出
過程により強制的に波長λ2光を放出して再び価電子帯
に戻る。このとき、図7の場合とは異なり、波長λfの
蛍光を全く発しないのである。言い換えると、たとえば
波長λfのみの蛍光を検出しているとすれば、波長λ1
光による励起によって蛍光を発していた量子ドットが、
波長λ2光を照射した瞬間に蛍光を発しなくなることに
なる。
【0034】このような量子ドットの光学的特性を利用
することで、二重共鳴吸収顕微鏡における蛍光の検出時
間および検出感度を格段に高めることができるのであ
る。
【0035】図9(a)(b)は、各々、数10nmの
CdSe量子ドットをDNAの特定の部位に結合させた
一例を示したものである。これら図9(a)(b)に示
した例は、R.L.Letsinger等により行われた量子ドット
−DNA結合例である(R.L.Letsinger et.al J.Am.Che
m.Soc 121, 8122,(1999)参照)。これらの例からも分か
るように、この発明の試料調整法による量子ドットを用
いた試料染色は、たとえば生体試料における特定の部位
を選択して任意に実施可能である。
【0036】[デンドリマー]この出願の発明の試料調
整法では、蛍光ラベラー分子として、上述した量子ドッ
トの代わりに、樹木構造をもつ巨大分子であるデンドリ
マーを用いてもよい。デンドリマーとは、たとえば図1
0〜図14に例示したように、特定な分子を構成単位と
して、幹上に結合させた超分子である。このような構造
を有するデンドリマーは、数100以上の単位構成分子
を内包することが可能であり、またそのサイズも数〜数
10ナノメートルであって量子ドットとほぼ同等の大き
さをもつ。このデンドリマーの単位構成分子に蛍光色素
分子を選べば、量子ドットと同様に1回のパルスレーザ
ー光照射により、デンドリマー内に多数のS1状態の励
起分子を発生させることができ、デンドリマーは強い蛍
光を発光するようになる。なお、図10〜図14に例示
した各デンドリマーは、コアにアゾユニットを持つ一連
のアゾデンドリマーである。
【0037】以上のように、この出願の発明の試料調整
法では、上述した量子ドットまたはデンドリマーにより
試料を染色することで、特に量子ドットまたはデンドリ
マーを化学結合基を突出させた生体試料の蛋白質の終端
に修飾することで、二重共鳴吸収顕微鏡における検出時
間を短縮させ、且つ検出感度を格段に高めることができ
る。
【0038】上述した光学特性を有する量子ドットの具
体例としては、たとえば、元素周期表における第III属
元素と第V属元素の組合せからなるもの、または第II属
元素と第VI属の組合せからなるものがある。以下はその
組合せ例である。 ・BN, BP, BAs, AlN, AlP, AlAs, AlSb, GaN, GaP, GaS
b, InN, InP, InAs, InSb (以上、第III属と第V属) ・ZnO, ZnS, ZnSe, ZnTe, CdSe, CdTe, HgS, HgSe, HgT
e (以上、第II属と第VI属) また、これ以外のMgTe, MgSe, C, Si, Ge, BeTe,や、二
つ以上の元素を含むAlGaAs, GaInP, GaInAs, AlGaInP,
AlGaAsSb, InAsSbP, InGaN, ZnSSe, ZnCdSe, PbSnSeTe
なども量子ドットとして用いることができる。
【0039】さらに、これらの中でも硫黄Sを含んだも
のは、直接有機分子とチオール結合が可能であり、任意
の化学基を持つ側鎖分子を結合できる。この側鎖分子を
ブリッジとしてさらに任意の試料(特に生体試料)の部
位に量子ドットを結合できる。硫黄Sと同じ第VI属にあ
るTe, Seも同様な化学結合が可能であり、S, Te, Seの
いずれかを含む量子ドットは生体分子の結合性が極めて
良いものとなる。
【0040】さらにまた、これらS, Te, Se を含まない
量子ドットはS, Te, Se を含む材料でコーティングすれ
ば、生体組織とのブリッジングが良好となる。なお、コ
ーティング材料としては、励起および蛍光波長に対して
透明であり、中心部の量子ドットの光学特性を損なうこ
とのないものを用いる必要がある。たとえば、図15に
例示したようにCdSeにZnSをコーティングした場合、ZnS
のバンドギャップは約3.8eV(波長に換算すると3
20〜330nm前後)であり、CdSeのバンドギャップ
は約2.2eV(波長に換算すると550〜600nm
前後)であるので、ZnSの吸収光子エネルギーは遥かにC
dSeのそれよりも大きく、CdSeの励起波長や蛍光波長に
対して完全に透明になっている。図16は、図15に例
示したZnSコートのCdSe量子ドットについての、粒径が
2.1nm,2.4nm,3.1nm,3.6nm,
4.6nmの場合の吸収スペクトルおよび蛍光スペクト
ルを例示したものである。このように、コーティング材
料のバンドギャップが量子ドットのバンドギャップより
も大きいという関係にあれば、光学特性と生体組織への
接合特性に優れた理想的な蛍光ラベラー分子が実現され
る。
【0041】また、量子ドットの表面またはその表面を
コーティングした場合にはコーティング表面に有機側鎖
を有するものを用いることもできる。有機側鎖の具体例
としては、たとえば、図15に例示したように末端官能
基-COOHを有する化学基をもつものや、-NH2, -SH, -OH,
-CH=CH2, -Ph-1を有する化学基をもつものが好まし
く、DNAをはじめとする生体部位へのブリッチングを更
に増強することができる。
【0042】また、上記のような無機材料ではなく、た
とえば図17(a)(b)に例示したように、有機分子
をベースとしたデンドリマーに蛍光色素分子を内包させ
たものを用いることもできる。
【0043】たとえば、代表的な蛍光色素分子であるロ
ーダミン6Gやクマリンでは、1分子/1(nm)3
いう高密度で内包させることができるので、たとえば直
径50nmサイズのデンドリマーを想定すると、600
00個の色素分子を閉じこめることができ、極めて明る
い蛍光標識として機能する。加えて、蛋白質など任意の
部位に結合できる化学側鎖も無数にあり、生体材料への
ブリッチングは極めて良い。一方、光学特性は蛍光色素
分子そのものなので、従来の二重共鳴吸収顕微鏡と極め
て整合性が良い。たとえば、ローダミン1では、吸収帯
域が450〜500nm、蛍光波長が570〜625n
mであり、クマリンでは、吸収帯域が300〜400n
m、蛍光波長が400〜500nmである。
【0044】この他にも、以下の蛍光色素分子を含んだ
デンドリマーを用いることができる。2,2"-Dimethyl-p-
terphenyl;P-terphenyl(PTP);3,3',2",3"-Tetramethyl-
P-quaterphenyl;2,2'''-Dimethyl-P-quaterphenyl;2-Me
thyl-5-t-butyl-p-quaterphenyl;2-(4-Biphenylyl)-5-
(4-t-butylphenyl)-1,3,4-oxiazol(BPBD-365);2-(4-Bip
henylyl)-phenyl-1,3,4-oxadiazol;2,5,2''''5,''''-Te
tramethyl-p-quinquephenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-
butyl-p-quinquephenyl;2,5-Diphenyloxazol;2,5-Diphe
nylfuran;PQP(p-Quanterphenyl;2,5-Bis-(4-biphenyly
l)-1,3,4-oxadiazol;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfoni
cacid Disodiumsalt;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfoni
cacid Dipotassiumsalt;4,4'''-Bis-(2-butyloctyloxy)
-p-quanterphenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-butyl-p-s
exiphenyl;2-(1-Naphthyl)-5-phenyloxazol;2-(4-Biphe
nylyl)-6-phenylbenzoxazotetrasulfonicacid Potassiu
m Salt;2-(4-Biphenylyl)-6-phenylbenzoxazol-1,3;4,
4'-Diphenylstilbene;[1,1'-Biphenyl]-4-sulfonic aci
d, 4,4"-1,2-ethene-diylbis-,dipotassium salt;2,5-B
is-(4-biphenylyl)-oxazol;2,2'-([1,1'-Biphenyl]-4,
4'-diyldi-2,1-ethenediyl)-bis-benzenesulfonic acid
Disodium Salt;7-Amino-4-methylcarbostyryl;1,4-Di
[2-(5-phenyloxazoly)]benzene;7-Hydroxy-4-methylcou
marin;p-Bis(o-methylstyryl)-benzene;Benzofuran,2,
2'-[1,1'-biphenyl]-4,4'-diyl-bis-tetrasulfonic-aci
d;7-Dimethylamino-4-methylquinolom-2;7-Amino-4-met
hylcoumarin;2-(p-Dimethylaminostyryl)-pyridylmethy
l Iodide;7-Diethylaminocoumarun;7-Diethylamino-4-m
ethylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-methylqin
olizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;7-Diethylamino-4-trif
luormethylcoumarin;7-Dimethylamino-4-trifluormethy
lcoumarin;7-Amino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6
-1H,4H-Tetrahydroquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;
7-Ethylamino-6-methyl-4-trifluormethylcoumarin;7-E
thylamino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-T
etrahydro-9-carboethoxyquinolizino--[9,9a,1-gh]cou
marin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-9-(3-pyridyl)-quino
lizino-[9,9a,1-gh]coumarin;3-(2'-N-Methylbenzimida
zolyl)-7-n,n-diethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Te
trahydro-9-acetylquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;
N-Methyl-4-trifluormethylpiperidino-[3,2-g]-coumar
in;2-(p-Dimethylaminostyryl)-benzothiazolylethyl I
odide;3-(2'-Benzimidazolyl)-7-N,N-diethylaminocoum
arin;Brillantsulfaflavin;3-(2'-Benzothiazolyl)-7-d
iethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-tri
fluormethylquinolizino-[9,9a,1-gh]coumarin;3,3'-Di
ethyloxacarbocyanine Iodide;3,3'-Dimethyl-9-ethylt
hiacarbocyanine Iodide;Disodium Fluorescein (Urani
n);9-(o-Carboxyphenyl)-2,7-dichloro-6-hydroxy-3H-x
anthen-3-on2,7-Dichlorofluorescien・Fluorescein 54
8;Fluorol 555 (Fluorol 7GA);o-(6-Amino-3-imino-3H-
xanthen-9-yl)-benzonic acid (Rhodamine 560);Benzoi
cAcid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-dimethy
l-3H-xanthen9-yl], perchlorate(Rhodamine 575);Benz
onic Acid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-di
methyl-3X-xanthen-9-yl]-ethylester,monohydrochlori
de (Rhodamine 590);1,3'-Diethyl-4,2'-quinolyloxaca
rbocyanine Iodide;1,1'-Diethyl-2,2'-carbocyanine I
odid;2-[6-(diethylamino)-3-(diethylimino)-3H-xanth
en-9-yl] benzonic acid (Rhodamine 610);Ethanaminiu
m,N-[(6-diethylamino)-9-(2,4-disulfophenyl)-3H-xan
then-3-ylidene]-N- ethylhydroxid,inner salt,sodium
salt;Malachit Green;3,3'-Diethylthiacarbocyanine
Iodide;1,3'-Diethyl-4,2'-quinolylthiacarbocyanine
Iodide;8-(2-Carboxyphenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-oct
ahydro-1H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9',9
a',1-hi]xanthylium Perchlorate (Rhodamine640);4-Di
cyanmethylene-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4
H-pyran;3,3'-Diethyloxadicarbocyanine Iodide;8-(2,
4-Disulfophenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,
4H,10H,13H-diquinolizino [9,9a,1-bc:9',1-hi]xanthe
ne (Sulforhodamine 640);5,9-Diaminobenzo[a]phenoxa
zonium Perchorate;9-Diethylamino-5H-benzo(a)phenox
azin-5-one;5-Amino-9-diethylimino(a)phenoxazonium
Perchlorate;3-Ethylamino-7-ethylimino-2,8-dimethyl
phenoxazin-5-ium Perchorate;8-(Trifluoromethyl)-2,
3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,4H,10H,13H-diquinol
izino[9,9a,1-bc:9',9a,1-hi]xanthylium Perchlorate;
1-Ethyl-2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-butadieny
l)-pyridinium Perchlorate;Carbazine 122;9-Ethylami
no-5-ethylimino-10-methyl-5H- benzo(a)phenoxazoniu
m Perchlorate;3-Diethylamino-7-diethyliminophenoxa
zonium Perchlorate;3-Diethylthiadicarbocyanine Iod
ide;Oxazine 750;1-Ethyl-4-(4-(p-Dimethylaminopheny
l)-1,3-butadienyl)-pyridininum Perchlorate;1,1',3,
3,3',3'-Hexamethylindodicarbocyanine Iodide;1,1'-D
iethyl-4,4'-carbocyanine Iodide;2-(4-(p-Dimethylam
inophenyl)-1,3-butadienyl)-1,3,3-trimethyl-3H-indo
liumPerchlorate;2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-b
utadienyl)-3-ethylbenzothoazolium Perchlorate;1,1'
-Diethyl-2,2'-dicarbocyanine Iodide;1-Ethyl-4-(4-
(9-(2,3,6,7-tetrahydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolinoz
inium))-1,3-buta dienyl)-pyridinium Perchlorate;3,
3'-DimethyloxatricarbocyanineIodide;1-Ethyl-4-(p-D
imethylaminophenyl)-1,3-buta dienyl)-quinoliniumPe
rchlorate;8-Cyano-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1
H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9a',1-hi]xant
hylium Perchlorate (Rhodamine800];2-(6-(4-Dimethyl
aminophenyl)-2,4-neopentylene-1,3,5)-3-methylbenzo
thiazolium Perchlorate;1,1',3,3,3',3'-Hexamethylin
dotricarbocyanine Iodide;IR125;3,3'-Diethylthiatri
carbocyanine Iodide;IR144;2-(6-(9-(2,3,6,7,-Tetrah
ydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolizinium))-2,4-neopenty
lene-1,3,5-hexatrienyl)-3-methyllbenzothiazolium P
erchlorate;3,3'-Diethyl-9,11-neopentylenethiatrica
rbocyanine Iodide;1,1',3,3,3',3'-Hexamethyl-4,4',
5,5'-dibenzo-2,2'-indotricarbocyanine Iodide;3,3'-
Diethyl-4,4',5,5'-dibenzothiatricarbocyanine Iodid
e;1,2'-Diethyl-4,4'-dicarbocyanine Iodide;IR140;2-
(8-(4-p-Dimethyhlaminophenyl)-2,4-neopentylene-1,
3,5,7-octatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perch
lorate;IR132;2-(8-(9-(2,3,6,7-Tetrahydro-1H,5H-ben
zo(i,j)chinolizinium))-2,4-neopentylene-1,3,5,7-oc
tatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perchlorate;I
R26;IR 5。
【0045】以上のデンドリマーを用いれば、従来の有
機蛍光ラベラー分子では試料中の観察部位に蛍光分子を
1分子しかラベリングできないのに対し、実質的に3桁
以上も多い分子を試料中の観察部位に結合でき、ナノ空
間領域におけるさらなる高感度検出を実現することがで
きる。
【0046】また、デンドリマーの中心活性部に6員環
を含む蛍光分子(蛍光活性分子とも呼ぶ)が結合したも
のを用いることもできる。たとえば、図18(a)
(b)に例示したデンドリマーは、蛍光活性分子として
の各種ローダミン系分子である1-アミノアントラキノン
やその他オジキサン-1が1個または複数個、直接結合さ
れているものであり、また、図19(a)(b)に例示
したデンドリマーは、蛍光活性分子としてのポルフェリ
ン系分子やp-ターフェニルが結合されているものであ
る。
【0047】また、中心活性部に蛍光錯体分子が配置さ
れているデンドリマーを用いてもよい。図20は、蛍光
鎖体分子であるルテニウムビピリジル鎖体を含むデンド
リマーの構造を例示したものである。
【0048】また、デンドリマーとして、その中心活性
部がベンゼン環を含む分子であるものや、中心活性部が
ポルフィリン分子を含む分子であるものを用いてもよ
い。
【0049】また、デンドリマーと生体部位のブリッジ
ング特性に関しては、量子ドットの場合と同様に、デン
ドリマーの末端官能基が末端官能基COOH, -NH2, -SH, -
OH,-CH=CH2, -Ph-1のいずれかを有する化学基を持て
ば、アミノ結合やチオール結合によって結合性が良好と
なる。
【0050】以上のこの出願の発明の試料調整法は、前
記の特願平6−329165、特願平8−30223
2、特願平9−255444、特願平10−97924
に開示された二重共鳴吸収顕微鏡すべてにそのまま適用
することができる。
【0051】また、これらの二重共鳴吸収顕微鏡の他に
も、本願発明の発明者は、超解像性をさらに向上させる
べく改良した新しい二重共鳴吸収顕微鏡をすでに提案し
ており(特願2000−82890、特願2000−8
2893、特願2000−82898、特願2000−
82930、特願2000−85368参照)、この発
明の試料調整法は、これらの新しい二重共鳴吸収顕微鏡
にもそのまま適用することができる。
【0052】もちろん、そのまま適用可能であるといっ
ても、用いる量子ドットまたはデンドリマーに従って、
ポンプ光およびイレース光(二重共鳴吸収過程のみを利
用した場合)もしくはプローブ光(過渡ラマン散乱過程
と二重共鳴吸収過程を併用した場合)の波長等や、光路
上のフィルター等や、検出光学系等を調整するなど、量
子ドットまたはデンドリマーを用いることにより当然に
調整すべきことは必要となる。
【0053】二重共鳴吸収顕微鏡の詳細な構成や機能な
どについては、特願平6−329165、特願平8−3
02232、特願平9−255444、特願平10−9
7924、特願2000−82890、特願2000−
82893、特願2000−82898、特願2000
−82930、特願2000−85368を参照された
い。なお、特願2000−85368は本願発明の発明
者により提案された新しい蛍光相関法について開示して
おり、この蛍光相関法とこの出願の発明の試料調整法と
を二重共鳴吸収顕微鏡において併用できることは言うま
でもない。
【0054】この出願の発明は、以上のとおりの特徴を
有するものであるが、以下に、添付した図面に沿って実
施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明の実施の態様
について説明する。
【0055】
【実施例】ここでは、試料を染色する蛍光ラベラー分子
として、図15に例示したように、CdSe量子ドットの表
面にZnS膜がコーティングされたものであって、ZnS膜表
面に-SCH2COOH側鎖が伸びて、タンパク質とチオール結
合が可能なものを用いた場合の実施例について説明す
る。
【0056】図16に例示したように、CdSe量子ドット
は、400nmより短波長側に強い吸収バンドがあり、
吸収ピークは波長約355nm近傍に存在している。ま
た、バンドギャップEgは約2eV程度であり、その粒
径に依存して約500〜660nmの広い領域に蛍光帯
域が現れる。たとえば、量子ドットの粒径を3.1nm
とした場合、約560nm近傍で強い蛍光を発するのが
わかる。
【0057】したがって、粒径3.1nmの場合、たと
えば、ポンプ光を波長λ1=約355nm、イレース光
を波長λ2=約566nm(=蛍光発光中心の560n
mから外れた波長)とし、まず図21に例示したように
ポンプ光照射により量子ドットの価電子を伝電帯1に励
起させ、続いて図22に例示したように励起電子が荷電
子帯へ脱励起する前にイレース光照射する。これによ
り、波長λ2以外の蛍光は、誘導放出または二重共鳴吸
収過程により抑制されて、二重共鳴吸収顕微鏡による超
解像観察が実現できる。
【0058】また、粒径3.1nmの場合、CdSe結晶は
5.87g/cm3であり、Cdの原子量は112.4、S
eの原子量は78.9であるので、1量子ドット当り約
260個のCdとSeが含有されている。価電子帯の電子は
各元素の最外殻軌道の電子から混成されているとする
と、Seの4p電子4個とCdの5s電子2個を混成させて
いるので、結局価電子帯には1量子ドット当り1500
程度の励起可能な電子が存在する。したがって、パルス
レーザー光照射により、1パルスで最大1500個の励
起電子が発生することとなる。たとえば、発光量子収率
が50%であり、光学系や検出器の感度を含めた検出器
効率が10%である場合、蛍光光子の有効計測数は75
となる。
【0059】これに対して、ナノ秒のパルスレーザーで
従来の有機蛍光ラベラー分子を励起しても、1個の蛍光
ラベラー分子がS1状態に励起できる回数はせいぜい数
回である。たとえば、従来の有機蛍光ラベラー分子とし
てローダミン6Gを用い、パルスレーザー光源として市
販の標準的なYAGレーザーを用いた場合、ローダミン
6G分子のS1状態の寿命は3nsec程度であり、他
方、市販YAGレーザーによるパルス幅は7nsec程
度であるので、1パルスにつき励起回数は2回である。
これに量子効率および検出効率を考慮すると、有効計測
量は数%となり、1観察領域の画素データを測定するの
に膨大な時間がかかってしまう。
【0060】このように、この発明の試料調整法におい
て用いられる量子ドットは、パルス計測において、量子
ドットに結合した試料分子(たとえば生体分子)を短時
間、且つ高感度で超解像観測するのに適した蛍光ラベラ
ー分子であることがわかる。
【0061】また、本実施例におけるCdSe量子ドット
は、液相エピタキシャル成長法で簡易に化学実験室系で
合成できるため、非常に低コストの設備投資で生成でき
るだけでなく、以下のような利点がある。 ・比較的低温で熱平衡に近い条件下での成長であるため
に、結晶性に優れている。 ・不純物の偏析効果のために、不純物が溶液中から成長
結晶中に取り込まれる量が少なく、高純度の結晶が得ら
れる。
【0062】もちろん、本実施例におけるCdSe量子ドッ
トだけではなく、前述したその他の量子ドットおよびデ
ンドリマーを蛍光ラベラー分子として用いた場合でも、
同様に短時間、且つ高感度の優れた超解像観察を実現で
きることは言うまでもない。
【0063】この発明は以上の例に限定されるものでは
なく、細部については様々な態様が可能である。
【0064】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明の試料調整方法によって、従来よりも極めて少ない光
照射により微小領域からの蛍光信号の短時間、且つ高感
度測定を実現することができ、二重共鳴吸収顕微鏡の超
解像性を十分に引き出して実用性のさらなる向上を図る
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基底状態の試料分子の電子配置を例示した図で
ある。
【図2】S1状態に励起された試料分子の電子配置を例
示した図である。
【図3】S2状態に励起された試料分子の電子配置を例
示した図である。
【図4】脱励起した試料分子の電子配置を例示した図で
ある。
【図5】二重共鳴吸収過程を例示した概念図である。
【図6】二重共鳴吸収過程を空間的に例示した概念図で
ある。
【図7】量子ドットを用いた場合の電子励起過程の一例
を示した概念図である。
【図8】量子ドットを用いた場合の電子励起過程の別の
一例を示した概念図である。
【図9】(a)(b)は、各々、量子ドット−DNA結
合の一例を示した図である。
【図10】デンドリマーの一例を示した図である。
【図11】デンドリマーの別の一例を示した図である。
【図12】デンドリマーの別の一例を示した図である。
【図13】デンドリマーの別の一例を示した図である。
【図14】デンドリマーの別の一例を示した図である。
【図15】ZnSコートのCdSe量子ドットの一例を示した
図である。
【図16】粒径が2.1nm,2.4nm,3.1n
m,3.6nm,4.6nmの場合の図15の量子ドッ
トの吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを例示した図
である。
【図17】(a)(b)は、各々、デンドリマーの一例
を示した図である。
【図18】(a)(b)は、各々、デンドリマーの別の
一例を示した図である。
【図19】(a)(b)は、各々、デンドリマーの別の
一例を示した図である。
【図20】デンドリマーの別の一例を示した図である。
【図21】粒径3.1nmの図15の量子ドットを用い
た場合の電子励起過程の一例を示した概念図である。
【図22】図21に続く電子励起過程の一例を示した概
念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 正明 愛知県岡崎市竜美南2−3−1 6号棟 303号 (72)発明者 尾松 孝茂 神奈川県横浜市戸塚区平戸5−10−9 (72)発明者 鈴木 智雄 千葉県千葉市花見川区幕張本郷6−11−13 ニューバイオレット101 (72)発明者 皆方 誠 静岡県浜松市広沢1−23−2 合同宿舎広 沢住宅3−31 (72)発明者 山元 公寿 東京都大田区田園調布9−2−304 (72)発明者 中谷 和彦 京都府宇治市菟道門前11−1 コーポみむ ろ10 Fターム(参考) 2G043 BA16 CA03 CA06 DA02 EA01 FA02 GA07 GB21 LA01 NA13 2G045 AA24 BA14 BB25 FA16 FB12 GC15 2H052 AA00 AA09 AC34 AF02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重共鳴吸収顕微鏡における試料を調整
    する方法であって、試料を量子ドットにより染色するこ
    とを特徴とする試料調整法。
  2. 【請求項2】 量子ドットとして、元素周期表における
    第III属元素と第V属元素の組合せからなるもの、または
    第II属元素と第VI属元素の組合せからなるものを用いる
    請求項1の試料調整法。
  3. 【請求項3】 量子ドットとして、BN, BP, BAs, AlN,
    AlP, AlAs, AlSb, GaN, GaP, GaSb, InN, InP, InAs, I
    nSb,ZnO, ZnS, ZnSe, ZnTe, CdSe, CdTe, HgS, HgSe, H
    gTe, MgTe, MgSe, C, Si, Ge, BeTe, AlGaAs, GaInP, G
    aInAs, AlGaInP, AlGaAsSb, InAsSbP, InGaN, ZnSSe, Z
    nCdSe, PbSnSeTeのいずれかを用いる請求項1の試料調
    整法。
  4. 【請求項4】 量子ドットとして、S, Te, Seのいずれ
    かを含む材料でコーティングされたものを用いる請求項
    1の試料調整法。
  5. 【請求項5】 コーティング材料として、量子ドットの
    バンドギャップよりも大きいバンドギャップを有するも
    のを用いる請求項4の試料調整法。
  6. 【請求項6】 量子ドットとして、その表面またはコー
    ティング表面に有機側鎖を有するものを用いる請求項1
    ないし5のいずれかの試料調整法。
  7. 【請求項7】 有機側鎖が、末端官能基-COOH, -NH2, -
    SH, -OH, -CH=CH2,-Ph-1を有する化学基を持つものであ
    る請求項6のいずれかの試料調整法。
  8. 【請求項8】 二重共鳴吸収顕微鏡における試料を調整
    する方法であって、試料をデンドリマーにより染色する
    ことを特徴とする試料調整法。
  9. 【請求項9】 デンドリマーとして、蛍光色素分子を含
    むものを用いる請求項8の試料調整法。
  10. 【請求項10】 蛍光色素分子が、2,2"-Dimethyl-p-te
    rphenyl;P-terphenyl(PTP);3,3',2",3"-Tetramethyl-P-
    quaterphenyl;2,2'''-Dimethyl-P-quaterphenyl;2-Meth
    yl-5-t-butyl-p-quaterphenyl;2-(4-Biphenylyl)-5-(4-
    t-butylphenyl)-1,3,4-oxiazol(BPBD-365);2-(4-Biphen
    ylyl)-phenyl-1,3,4-oxadiazol;2,5,2''''5,''''-Tetra
    methyl-p-quinquephenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-but
    yl-p-quinquephenyl;2,5-Diphenyloxazol;2,5-Diphenyl
    furan;PQP(p-Quanterphenyl;2,5-Bis-(4-biphenylyl)-
    1,3,4-oxadiazol;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfonicac
    id Disodiumsalt;p-Quaterphenyl-4-4'''-disulfonicac
    id Dipotassiumsalt;4,4'''-Bis-(2-butyloctyloxy)-p-
    quanterphenyl;3,5,3''''5,''''-Tetra-t-butyl-p-sexi
    phenyl;2-(1-Naphthyl)-5-phenyloxazol;2-(4-Biphenyl
    yl)-6-phenylbenzoxazotetrasulfonicacid Potassium S
    alt;2-(4-Biphenylyl)-6-phenylbenzoxazol-1,3;4,4'-D
    iphenylstilbene;[1,1'-Biphenyl]-4-sulfonic acid,
    4,4"-1,2-ethene-diylbis-,dipotassium salt;2,5-Bis-
    (4-biphenylyl)-oxazol;2,2'-([1,1'-Biphenyl]-4,4'-d
    iyldi-2,1-ethenediyl)-bis-benzenesulfonic acid Dis
    odium Salt;7-Amino-4-methylcarbostyryl;1,4-Di[2-(5
    -phenyloxazoly)]benzene;7-Hydroxy-4-methylcoumari
    n;p-Bis(o-methylstyryl)-benzene;Benzofuran,2,2'-
    [1,1'-biphenyl]-4,4'-diyl-bis-tetrasulfonic-acid;7
    -Dimethylamino-4-methylquinolom-2;7-Amino-4-methyl
    coumarin;2-(p-Dimethylaminostyryl)-pyridylmethyl I
    odide;7-Diethylaminocoumarun;7-Diethylamino-4-meth
    ylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-methylqinoli
    zino-[9,9a,1-gh]-coumarin;7-Diethylamino-4-trifluo
    rmethylcoumarin;7-Dimethylamino-4-trifluormethylco
    umarin;7-Amino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6-1
    H,4H-Tetrahydroquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;7-
    Ethylamino-6-methyl-4-trifluormethylcoumarin;7-Eth
    ylamino-4-trifluormethylcoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tet
    rahydro-9-carboethoxyquinolizino--[9,9a,1-gh]couma
    rin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-9-(3-pyridyl)-quinoli
    zino-[9,9a,1-gh]coumarin;3-(2'-N-Methylbenzimidazo
    lyl)-7-n,n-diethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetr
    ahydro-9-acetylquinolizino-[9,9a,1-gh]-coumarin;N-
    Methyl-4-trifluormethylpiperidino-[3,2-g]-coumari
    n;2-(p-Dimethylaminostyryl)-benzothiazolylethyl Io
    dide;3-(2'-Benzimidazolyl)-7-N,N-diethylaminocouma
    rin;Brillantsulfaflavin;3-(2'-Benzothiazolyl)-7-di
    ethylaminocoumarin;2,3,5,6-1H,4H-Tetrahydro-8-trif
    luormethylquinolizino-[9,9a,1-gh]coumarin;3,3'-Die
    thyloxacarbocyanine Iodide;3,3'-Dimethyl-9-ethylth
    iacarbocyanine Iodide;Disodium Fluorescein (Urani
    n);9-(o-Carboxyphenyl)-2,7-dichloro-6-hydroxy-3H-x
    anthen-3-on2,7-Dichlorofluorescien・Fluorescein 54
    8;Fluorol 555 (Fluorol 7GA);o-(6-Amino-3-imino-3H-
    xanthen-9-yl)-benzonic acid (Rhodamine 560);Benzoi
    cAcid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-dimethy
    l-3H-xanthen9-yl], perchlorate(Rhodamine 575);Benz
    onic Acid,2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-di
    methyl-3X-xanthen-9-yl]-ethylester,monohydrochlori
    de (Rhodamine 590);1,3'-Diethyl-4,2'-quinolyloxaca
    rbocyanine Iodide;1,1'-Diethyl-2,2'-carbocyanine I
    odid;2-[6-(diethylamino)-3-(diethylimino)-3H-xanth
    en-9-yl] benzonic acid (Rhodamine 610);Ethanaminiu
    m,N-[(6-diethylamino)-9-(2,4-disulfophenyl)-3H-xan
    then-3-ylidene]-N- ethylhydroxid,inner salt,sodium
    salt;Malachit Green;3,3'-Diethylthiacarbocyanine
    Iodide;1,3'-Diethyl-4,2'-quinolylthiacarbocyanine
    Iodide;8-(2-Carboxyphenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-oct
    ahydro-1H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9',9
    a',1-hi]xanthylium Perchlorate (Rhodamine640);4-Di
    cyanmethylene-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4
    H-pyran;3,3'-Diethyloxadicarbocyanine Iodide;8-(2,
    4-Disulfophenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,
    4H,10H,13H-diquinolizino [9,9a,1-bc:9',1-hi]xanthe
    ne (Sulforhodamine 640);5,9-Diaminobenzo[a]phenoxa
    zonium Perchorate;9-Diethylamino-5H-benzo(a)phenox
    azin-5-one;5-Amino-9-diethylimino(a)phenoxazonium
    Perchlorate;3-Ethylamino-7-ethylimino-2,8-dimethyl
    phenoxazin-5-ium Perchorate;8-(Trifluoromethyl)-2,
    3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,4H,10H,13H-diquinol
    izino[9,9a,1-bc:9',9a,1-hi]xanthylium Perchlorate;
    1-Ethyl-2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-butadieny
    l)-pyridinium Perchlorate;Carbazine 122;9-Ethylami
    no-5-ethylimino-10-methyl-5H- benzo(a)phenoxazoniu
    m Perchlorate;3-Diethylamino-7-diethyliminophenoxa
    zonium Perchlorate;3-Diethylthiadicarbocyanine Iod
    ide;Oxazine 750;1-Ethyl-4-(4-(p-Dimethylaminopheny
    l)-1,3-butadienyl)-pyridininum Perchlorate;1,1',3,
    3,3',3'-Hexamethylindodicarbocyanine Iodide;1,1'-D
    iethyl-4,4'-carbocyanine Iodide;2-(4-(p-Dimethylam
    inophenyl)-1,3-butadienyl)-1,3,3-trimethyl-3H-indo
    liumPerchlorate;2-(4-(p-Dimethylaminophenyl)-1,3-b
    utadienyl)-3-ethylbenzothoazolium Perchlorate;1,1'
    -Diethyl-2,2'-dicarbocyanine Iodide;1-Ethyl-4-(4-
    (9-(2,3,6,7-tetrahydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolinoz
    inium))-1,3-buta dienyl)-pyridinium Perchlorate;3,
    3'-DimethyloxatricarbocyanineIodide;1-Ethyl-4-(p-D
    imethylaminophenyl)-1,3-buta dienyl)-quinoliniumPe
    rchlorate;8-Cyano-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1
    H,4H,10H,13H-diquinolizino[9,9a,1-bc:9a',1-hi]xant
    hylium Perchlorate (Rhodamine800];2-(6-(4-Dimethyl
    aminophenyl)-2,4-neopentylene-1,3,5)-3-methylbenzo
    thiazolium Perchlorate;1,1',3,3,3',3'-Hexamethylin
    dotricarbocyanine Iodide;IR125;3,3'-Diethylthiatri
    carbocyanine Iodide;IR144;2-(6-(9-(2,3,6,7,-Tetrah
    ydro-1H,5H-benzo(i,j)-chinolizinium))-2,4-neopenty
    lene-1,3,5-hexatrienyl)-3-methyllbenzothiazolium P
    erchlorate;3,3'-Diethyl-9,11-neopentylenethiatrica
    rbocyanine Iodide;1,1',3,3,3',3'-Hexamethyl-4,4',
    5,5'-dibenzo-2,2'-indotricarbocyanine Iodide;3,3'-
    Diethyl-4,4',5,5'-dibenzothiatricarbocyanine Iodid
    e;1,2'-Diethyl-4,4'-dicarbocyanine Iodide;IR140;2-
    (8-(4-p-Dimethyhlaminophenyl)-2,4-neopentylene-1,
    3,5,7-octatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perch
    lorate;IR132;2-(8-(9-(2,3,6,7-Tetrahydro-1H,5H-ben
    zo(i,j)chinolizinium))-2,4-neopentylene-1,3,5,7-oc
    tatetraenyl)-3-methylbenzothiazolium Perchlorate;I
    R26;IR 5のいずれかである請求項9の試料調整法。
  11. 【請求項11】 デンドリマーとして、その中心活性部
    が6員環を含む蛍光分子であるものを用いる請求項8の
    試料調整法。
  12. 【請求項12】 デンドリマーとして、その中心活性部
    が6員環を含む蛍光鎖体分子であるものを用いる請求項
    8の試料調整法。
  13. 【請求項13】 デンドリマーとして、その中心活性部
    がベンゼン環を含む分子であるものを用いる請求項8の
    試料調整法。
  14. 【請求項14】 デンドリマーとして、その中心活性部
    がポルフィリン分子を含む分子であるものを用いる請求
    項8の試料調整法。
  15. 【請求項15】 デンドリマーとして、その末端官能基
    が末端官能基 COOH,-NH2, -SH, -OH, -CH=CH2, -Ph-1を
    有する化学基を持つものを用いる請求項8ないし14の
    いずれかの試料調整法。
JP2000118633A 2000-04-19 2000-04-19 試料調整法 Pending JP2001305030A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000118633A JP2001305030A (ja) 2000-04-19 2000-04-19 試料調整法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000118633A JP2001305030A (ja) 2000-04-19 2000-04-19 試料調整法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001305030A true JP2001305030A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18629731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000118633A Pending JP2001305030A (ja) 2000-04-19 2000-04-19 試料調整法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001305030A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093988A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Olympus Corp 走査型レーザ顕微鏡装置及び光量検出装置
JP2007254415A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Gunma Univ 巨大分子結晶及びその製造方法並びにそれに用いる製造装置
JP2011148794A (ja) * 2009-12-25 2011-08-04 Canon Inc 中枢神経系組織標識用組成物、中枢神経系組織の標識方法、及び中枢神経系組織標識用組成物を用いたスクリーニング方法
JP2013088296A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 組織評価方法
CN103881708A (zh) * 2014-01-26 2014-06-25 浙江师范大学 一步溶剂热法制备硼掺杂碳量子点的方法及其应用
US10823674B1 (en) 2019-08-23 2020-11-03 King Abdulaziz University Antimony adsorbent

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093988A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Olympus Corp 走査型レーザ顕微鏡装置及び光量検出装置
JP2007254415A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Gunma Univ 巨大分子結晶及びその製造方法並びにそれに用いる製造装置
JP2011148794A (ja) * 2009-12-25 2011-08-04 Canon Inc 中枢神経系組織標識用組成物、中枢神経系組織の標識方法、及び中枢神経系組織標識用組成物を用いたスクリーニング方法
JP2013088296A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 組織評価方法
CN103881708A (zh) * 2014-01-26 2014-06-25 浙江师范大学 一步溶剂热法制备硼掺杂碳量子点的方法及其应用
CN103881708B (zh) * 2014-01-26 2016-01-20 浙江师范大学 一步溶剂热法制备硼掺杂碳量子点的方法及其应用
US10823674B1 (en) 2019-08-23 2020-11-03 King Abdulaziz University Antimony adsorbent
US11143592B2 (en) 2019-08-23 2021-10-12 King Abdulaziz University Method of detecting antimony ions and method of removing antimony ions using a fluorescent nanocomposite
US11209366B1 (en) 2019-08-23 2021-12-28 King Abdulaziz University Quantum dot nanocomposite containing benzothiazolium
US11209365B1 (en) 2019-08-23 2021-12-28 King Abdulaziz University Thallium-gadolinium-chalcogenide nanodot composition
US11215559B2 (en) 2019-08-23 2022-01-04 King Abdulaziz University Thallium doped gadolinium chalcogenide nanocomposite

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6184535B1 (en) Method of microscopic observation
JP3350442B2 (ja) 顕微鏡システム
Mandal et al. Cadmium-free quantum dots as time-gated bioimaging probes in highly-autofluorescent human breast cancer cells
Ruedas-Rama et al. A chloride ion nanosensor for time-resolved fluorimetry and fluorescence lifetime imaging
Würth et al. Critical review of the determination of photoluminescence quantum yields of luminescent reporters
Van De Linde et al. Multicolor photoswitching microscopy for subdiffraction-resolution fluorescence imaging
Kurian et al. Studies on fluorescence efficiency and photodegradation of rhodamine 6G doped PMMA using a dual beam thermal lens technique
Zhang et al. Metal-enhanced photoluminescence from carbon nanodots
Bindhu et al. Solvent effect on absolute fluorescence quantum yield of rhodamine 6G determined using transient thermal lens technique
US9612245B2 (en) Multiple-pulse pumping for enhanced fluorescence detection and molecular imaging in cells and tissue
Barzda et al. Fluorescence lifetime heterogeneity in aggregates of LHCII revealed by time-resolved microscopy
Chen et al. Optofluidic FRET lasers using aqueous quantum dots as donors
CN114761517A (zh) 长余辉发光有机微球、其制备方法和应用
Enoki et al. Estimation of quantum yields of weak fluorescence from eosin Y dimers formed in aqueous solutions
CN114040961A (zh) 可控的长余辉发光材料
Lamri et al. Photochromic control of a plasmon–quantum dots coupled system
JP2001305030A (ja) 試料調整法
US20210372928A1 (en) Microscopy method and system
JP2003241101A (ja) 顕微鏡
Mank et al. Diode laser-induced fluorescence detection in chromatography
US7511284B2 (en) Photostabilisation of fluorescent dyes
A Shivkumar et al. FRET from CdSe/ZnS core-shell quantum dots to fluorescein 27 dye
Paredes et al. Influence of the solvent on the ground-and excited-state buffer-mediated proton-transfer reactions of a xanthenic dye
Pugzlys et al. Cylindrical aggregates of 5, 5′, 6, 6′‐tetrachlorobenzimida‐carbocyanine amphiphilic derivatives: Structure‐related optical properties and exciton dynamics
JP2001272343A (ja) 二重共鳴吸収顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020