JP2013087438A - 免震構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】免震構造物の従来技術において、地盤に対する杭頭部の過大な回転および水平変形を拘束して杭頭部に取り付けられた免震装置の機能喪失を防止し、免震構造物として安全性を維持できるようにする。
【解決手段】複数配置された基礎杭2の頭部に免震装置4を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、基礎杭の杭頭部間にはつなぎ梁や連結スラブなどの連結部材を設けないで、複数配置された基礎杭の各杭頭部に、地盤の所要深さまで掘り下げて設置されたキャピタル3が一体的に設けられ、底面と側面とで受ける受動土圧である地盤反力を利用し、地震時に受ける曲げモーメントによる杭頭部回転と水平力による杭頭部の水平変形とを抑制し、免震装置の機能喪失を防止し常に正常に機能させて安全性を高め、使用材料の節減を図ると共に、施工作業・工程を省力化し、免震構造物として安全性を維持し且つローコスト化と工期短縮を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基礎杭上に配設した免震装置を介して上部構造物を支持させた免震構造物に関するものである。
この種の免震装置を介して構築した免震構造物は複数の技術が公知になっている。その公知に係る第1の従来技術としては、基礎上に積層ゴムを介して上部構造物を支持してなる免震構造物の基礎構造であって、前記上部構造物の底部に基礎梁を設けるとともに、前記基礎を独立の杭もしくは独立の直接基礎のみから形成してそれら杭もしくは直接基礎の間における基礎梁を省略してなるものであり、前記基礎として用いる独立の杭の杭頭部の地盤に対する回転を拘束することなく許容する構造とした免震構造物の基礎構造である(特開平9−273162号公報)。
この免震構造物の基礎構造によれば、免震構造物における基礎を独立の杭もしくは独立の直接基礎のみで構成してそれらをつなぐ基礎梁を省略したものであるから、基礎工事を大幅に簡略化し得て工費削減、工期短縮に大きく寄与し得る。特に杭を採用した場合において杭頭部の地盤に対する回転を許容する構造とすることにより、杭頭モーメントがなくなりかつ杭に生ずる最大モーメントが低減するという利点があるのである。
また、公知に係る第2の従来技術としては、建物本体の荷重を地盤に伝達して支持する建物基礎と、この建物基礎に固定され前記建物本体を支持する免震装置とを備えた免震建物であって、前記建物基礎は、地盤に貫入された複数の鋼管杭と、これら複数の鋼管杭の杭頭部同士を連結する連結部材とを有して構成され、前記鋼管杭の杭頭部上に前記免震装置が固定され、この免震装置上に前記建物本体の最下階の大梁が直接固定されている免震建物である(特開2006-104883号公報)。
この免震建物によれば、免震装置を鋼管杭の杭頭部上に固定し、この免震装置上に建物本体を設けたことで、従来の基礎梁や基礎フーチングに要する施工手間や地盤の掘削量を削減することができ、基礎施工の短工期化及びコスト低減を実現することができるというものである。
さらに、公知に係る第3の従来技術としては、杭頭部に設置した免震装置により上部構造体を免震支持する杭頭免震構造であって、免震装置を設置するための偏平な杭頭キャピタルを杭頭部に一体に設けるとともに、杭頭回転の発生に伴う杭頭曲げモーメントを杭頭部から杭頭キャピタルに伝達可能とし、かつ隣接設置した杭頭キャピタルの間には、それら杭頭キャピタルどうしを相互に連結することによって、各杭頭部から各杭頭キャピタルに伝達された杭曲げモーメントを曲げ戻すことによって各杭の杭頭回転を制御するための偏平つなぎ梁を設けてなる杭頭免震構造である(特開2007-120232号公報)。
この杭頭免震構造によれば、杭頭部に偏平な杭頭キャピタルを設け、杭頭キャピタル間に偏平つなぎ梁を設け、その偏平つなぎ梁によって杭頭回転を制御する構造としたことにより、大断面かつ剛強な基礎によって杭頭回転を無条件に拘束している従前の免震構造に比べて下部構造としての基礎を大幅に簡略化でき、免震ピットも充分に浅くすることができ、根切り量の削減を含めて施工コストを大きく削減することができるというものである。
特開平9−273162号公報 特開2006−104883号公報 特開2007−120232号公報
前記第1の従来技術においては、基礎杭上に底盤が設けられ、該底盤上で杭頭部に対応する位置に上部構造体を支持する免震装置を取り付けたものであるが、地盤に対する杭頭部の回転を拘束しない構成になっているため、巨大地震により杭頭部に過大な回転と変形量を制御することができず、それに伴って免震装置も過大な変形が生じて免震機能が実質的に低下し、杭頭部と共に免震装置が損傷する危険性があるという問題点を有している。
また、前記第2の従来技術においては、鋼管杭の頭部同士を連結部材で連結した構成であるから、杭頭部の回転と変形量とを抑制することができると一応認められるが、連結部材が地盤を掘り下げて所要厚みに形成された基礎スラブであって、この基礎スラブの形成には多くの材料が必要であるし、手間も掛かるしコスト高になるという問題点を有している。
さらに、前記第3の従来技術においては、杭頭部に杭頭キャピタルを設けると共に、隣接する杭頭キャピタル間に偏平つなぎ梁を設置して杭頭キャピタル同士を連結することによって、各杭頭部から杭頭キャピタルに伝達された杭頭モーメントを偏平つなぎ梁により曲げ戻して杭頭回転を抑制するように構成しているのであり、全部の杭頭キャピタルを偏平つなぎ梁で連結させることが不可欠であるため、施工手間が掛かるばかりでなくコスト高になるという問題点を有している。
近年、免震構造の普及に伴い、様々な機能を組合わせた免震装置が種々開発されてきた。例えば、今までの免震装置の摩擦係数は一般的に0.1程度のものが多かったが、摩擦係数が僅か0.03〜0.04程度の回転機構付き滑り免震支承装置が開発された。これを杭頭免震構造に使用する場合に、杭には滑り摩擦力以上の地震力が伝達されず、杭への水平力は、支持荷重の僅か3%程度しか掛からないようにすることが可能となる。このような状況を考慮して従来の杭頭免震構造を見直して、より合理的な構造を提案し、ローコスト化と工期短縮を図ることが要求されているのである。
従って、従来技術においては、地盤に対する杭頭部の過大な回転および水平変形を拘束して免震装置の機能喪失を防止し、使用材料の節減を図ると共に、施工作業・工程を省力化し、免震構造物として安全性を維持し且つローコスト化と工期短縮を図るようにすることに解決課題がある。
本発明は、前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、複数配置された基礎杭の頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、前記基礎杭の杭頭部間にはつなぎ梁や連結スラブなどの連結部材を設けないで、各杭頭部に、地盤の所要深さまで掘り下げてキャピタルが設けられたことを特徴とする免震構造物を提供するものである。
この発明においては、前記キャピタルはプレキャストコンクリート造とし、底面外周部に垂下壁またはスカート部を形成したこと;前記キャピタルに埋設されたシースにPCケーブルを挿通して隣接するキャピタルにS字形に交互に迂回させて順次挿通し、該挿通したPCケーブルを緊張せずにシース内にグラウトを充填させることによって定着させること;及び、複数の基礎杭において、少なくとも一部の杭頭部同士をPCケーブルで連結すること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る免震構造物によれば、複数配置された基礎杭の各杭頭部に、地盤の所要深さまで掘り下げてキャピタルが設けられて一体的に構成したことにより、杭頭部のキャピタルが、底面と側面とで受ける受動土圧である地盤反力を利用し、地震時に受ける曲げモーメントによる杭頭部の回転と水平力による杭頭部の水平変形とを抑制することができ、それによって、免震装置の機能喪失を防止し常に正常に機能させて安全性を高めること、および使用材料の節減を図ると共に、施工作業・工程を省力化し、免震構造物として安全性を維持し且つローコスト化と工期短縮を図ることができるという優れた効果を奏する。
また、杭頭部に取り付けられるキャピタルに連結用のPCケーブルを付加して杭頭部同士を連結することによって、さらに基礎杭群全体に対する杭頭部変形制御効果と、地震後の変形復元機能とを向上させること、および従来のコンクリート造の連結部材よりコストを大幅に軽減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る免震構造物の要部を略示的に示した側方断面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の基礎杭部分を示す平面図である。 免震構造物の地震による杭頭部の回転変形を示すイメージ図であって、図(a)は、前記第1の実施の形態に係る免震構造物における杭頭部の回転と水平変形の抑制を示した説明図であり、図(b)はキャピタルのない杭頭部の回転と水平変形を示した説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る免震構造物の要部を略示的に示した側方断面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の基礎杭部分を示す平面図である。 同実施の形態において免震構造物の基礎杭部分が、地震によって受ける作用力の概念を示す図であって、図(a)は杭頭部回転止めの概念図、図(b)は杭頭部の水平抵抗力の概念図、図(c)は地盤側方流動防止の概念図である。 本発明の第3の実施の形態に係る免震構造物の要部を略示的に示した側方断面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の基礎杭部分を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る免震構造物の要部を略示的に示した側方断面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の基礎杭部分を示す平面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の一例の基礎杭部分全体を示す平面図である。 同実施の形態に係る免震構造物の一部を構成するPCケーブルに掛かる引張力の状況を示した説明図である。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳しく説明する。まず、図1と図2は、本発明の第1の実施の形態に係る免震構造物の要部を示すものであって、適宜の地盤1に所要間隔をもって整然と打ち込んで形成されるアースドリル杭などの基礎杭2の上端部、即ち杭頭部2aにはキャピタル3が一体的に形成される。
この場合の杭頭部2aに対するキャピタル3の形成は、要するに、現場打ちで一体に形成されるものであって、基礎杭2における杭頭部2aの周囲の地盤1を所要深さと広さに掘り下げて形成しようとするキャピタル3の大きさ形状に対応する型枠を造り、その型枠内に杭頭部2aの鉄筋と共にキャピタル用の鉄筋を配筋してキャピタル3を杭頭部2aと一体的に形成する。そして、杭頭部2a乃至キャピタル3の上面に免震装置4を取り付け、該免震装置4にフーチング5が取り付けられ、該フーチング5を介して上部構造体6の柱7や下部大梁8及び床スラブ9などが構築される。勿論、フーチング5も上部構造体6に含まれる部材である。なお、地盤1の上面には捨てコンクリート層1aが設けられ、そして、杭頭部に補強用鋼管2bが設けられる。
形成しようとするキャピタル3の大きさ形状(広さと高さ)等については、地震時における杭頭部の回転時に生ずる曲げモーメントと水平力による水平変形とを拘束または抑制する反力に必要な底面と側面との面積によって決められる。
要するに、図3(a)、(b)に示したように、杭頭部にキャピタルを形成した場合と、形成しない場合とについて考察するに、図(b)のようにキャピタルを形成しない場合は、杭頭部2aが大きく回転して杭頭部に取り付けた免震装置4が水平方向のみならず上下方向においても大きく変形し、回転と上下方向の変形とが同時に付与されることによって免震装置4の機能が損傷してしまう虞がある。
これに対して、図(a)のように所要大きさ(底面積と側面厚さ)のキャピタル3を取り付けた場合には、その大きさについては、使用される免震装置と地盤の状況によって異なるが、概ね杭頭部の回転を抑制する反力hと水平変形を拘束または抑制する反力hとが地盤1との間で略維持されるように形成される。
このように基礎杭2の杭頭部2aに所要大きさおよび厚さのキャピタル3を一体に形成することによって、地震などによる杭頭部2aの回転時における曲げモーメントと水平方向の変形とを抑制して免震装置4の機能を損傷させることなく、充分に発揮させ得る免震構造物を構築することができるし、もし、必要があれば、免震装置4を交換する場合にジャッキ10の反力を充分支持できるように、キャピタル3を厚くすると共に内部に太い鉄筋や鉄骨等を入れて強度アップを図ることができるのである。
図4〜図5は第2の実施の形態に係る免震構造物の要部を示すものであり、前記第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明する。この実施の形態においては、キャピタル23をプレキャストコンクリートで形成し、該キャピタル23を基礎杭2の杭頭部2aに挿着して固定したものである。この場合に、挿着されるキャピタル23の挿着位置を位置決めするためのストッパー13が設けられており、他方の挿着される側のキャピタル23は、中央部の孔12の内周面には凹部とするせん断コッター14が形成され、杭頭部2aにキャピタル23を挿着した後に、杭頭部の鋼管2bと孔12との間に形成される目地11内に目地無収縮モルタル15を注入充填させることで、杭頭部2aにキャピタル23を固定させる。このように、キャピタル23をプレキャストコンクリートで形成することによって、現場での型枠形成作業と配筋作業との手間が省けるので、工期の短縮が図れるのである。
また、プレキャストコンクリート製のキャピタル23においては、その底面側の外周部に沿って垂下壁またはスカート部23aを形成したものであり、該垂下壁またはスカート部23aの形成によって内側は地盤1を抱える作用または状態になり、受動土圧である地盤反力の面積は実質的に増やすことができる。そして、前記第1の実施の形態と同様に、杭頭部2aに免震装置4を取り付け、該免震装置4にフーチング5を含む上部構造体6の柱7や下部大梁8及び床スラブ9などが構築される。
このように形成された第2の実施の形態に係る免震構造物においては、図6(a)の杭頭回転止め概念図で示したように、地震発生時に杭頭部2aに作用するMt=杭頭回転時曲げモーメント、MR=キャピタルの回転拘束とする反力hによる曲げモーメントである。また、図6(b)の杭頭水平抵抗力概念図に示したように、EX=地震時杭頭に作用する水平力、V=キャピタルによる受動土圧(=h・A)、A=キャピタル水平抵抗面積であって、水平変形を拘束または抑制する反力hが地盤1との間で略維持されるのである。さらに、図6(c)の地盤側方流動防止概念図に示したように、キャピタル23に設けた垂下壁またはスカート部23aによって、液状化時の地盤1の側方流動を防ぐことができ、前記地盤1の反力hとhによって杭頭部2aの回転や水平変形に対する拘束効果を確保することができるのである。
次に、図7〜図8は第3の実施の形態に係る免震構造物の要部を示すものであり、前記第2の実施の形態をさらに改良したものであるので、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。この実施の形態において、キャピタル23は前記第2の実施の形態のものと同じ構成であって、そのキャピタル23が取り付けられる杭頭部2a側に改良を加えて取り付け状態をより強固にしたものである。即ち、杭頭部2aの外周面に複数の鋼製のブラケット16を同一レベル位置に設け、該ブラケット16にキャピタル23の底面を当接させ、凹部とするせん断コッター11と目地無収縮モルタル15との結合と相俟って、杭頭部2aに対するキャピタル23の取り付けがより一層強固になって安定し、高層免震建造物に適したものとなるのである。特に、鋼製のブラケット16を設けたことによって、キャピタル23は免震装置4を交換する際にジャッキ10の反力を充分支持できるのである。
さらに、図9〜図12は第4の実施の形態に係る免震構造物の要部を示すものであり、前記第2および第3の実施の形態をさらに改良したものであるので、前記第2および第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。この第4の実施の形態においては、プレキャストコンクリート製のキャピタル33に、予め一対のシース17を配設したものを準備しておき、これを建造物の強化を図りたい位置、例えば、少なくとも建造物の周囲や中央部を横切るように設けられた基礎杭2の杭頭部2aに対して方向付けして取り付けるようにする。なお、その他の位置については、前記第2または第3の実施の形態に係るキャピタル23を使用すれば良い。なお、現場打ちで形成されるキャピタルとしても良い。
この第4の実施の形態のキャピタル33に対する一対のシース17の配設は、図9と図10に示したように、キャピタル33に設けた杭頭部2aを挿着する中央部の孔12を両側から囲むように湾曲させて配設したものであり、該各シース17の両端部側にそれぞれグラウトホース18が設けられ、該グラウトホース18の一方が注入口で他方が排出口として使用される。そして、配設した各シース17には、最終的には防錆処理したPCケーブル19が挿通されて一応の固定がなされるのである。この場合に、隣接同士の杭頭部2aがPCケーブル19によって一連に繋がるように挿通して連結されるのである。なお、実施例として具体的に挙げていないがその他に、コーナ部に使用されるキャピタル43については、一対の各シース17がクロス状に配設されたものが使用される。
このように形成された第4の実施の形態に係るキャピタル33は、例えば、図11に示したように、建造物として強化を図りたい位置、特に、周縁部と中央部を横切る位置の基礎杭2の杭頭部2aに取り付けて使用されるものであり、一応の方向付けをしてキャピタル33を取り付けた後に、隣接するキャピタル33の各シース17にそれぞれ連続的にPCケーブル19を順次挿通することによって、両方のPCケーブル19が杭頭部2aをS字形に交互に迂回して隣接する杭頭部2aを一連に連結する結果になり、挿通したPCケーブル19に特段の緊張力を付与しない状態でグラウトを注入固化させて付着力により定着して、PCケーブル19によって隣接する杭頭部2a同士が一応連結状態になるのである。
PCケーブル19で杭頭部2a同士が一連に連結された状態で、例えば、強い地震を受けた時に、図12に示したように、PCケーブル19にX軸方向の水平移動による引張力Tが生じても、PCケーブル19は湾曲状のシース17内でグラウトによる平均的な付着応力τで抵抗すると共に、Y軸方向に対して杭頭部2aの中心部側への変形拘束力Ryによって抵抗するのである。
このように杭頭部2aに取り付けられるキャピタル33に連結用のPCケーブル19を付加して杭頭同士を連結することによって、さらに基礎杭群全体に対する杭頭部変形抑制効果と、地震後の変形復元機能とを向上させることができる。
なお、使用される防錆処理したPCケーブル19としては、例えば、PC鋼より線であって、芯線と側線のそれぞれ外周面に防錆塗膜を施したものや亜鉛メッキした後に防錆塗膜を施したもの等が使用される。要するに、長期に使用しても錆びないように加工したPC鋼より線が1本または複数本使用される。
また、本発明において、実施例では基礎杭として、アースドリル杭の使用例を示したが、これに限定されるものではなく、現場打ちコンクリート杭、鋼管コンクリート杭等であっても良い。要するに、前記実施例で示した各構成については、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が自在であり、前記実施例の各構成に限定されるものではない。
免震装置について、前述のように摩擦係数の小さいものとすれば、杭への水平力が小さくなり、杭頭のキャピタルを小さくすることができるから、コスト軽減に効果的であり、本発明にとって好適なものとなるのであり、摩擦係数が0.07以下とするものを用いることが好ましい。
また、図示は省略するが、良好な地盤において杭頭部の水平変形が小さい場合、杭頭部のキャピタルを地盤の上に設置し、キャピタル底面の受動土圧で杭頭部の回転を抑制し、そして、杭頭部に連結用のPCケーブルを取り付けて杭頭部同士を連結する構成としても良い。これによって、地盤の掘削工事や残土を埋め戻す手間等を軽減すると共に、従来のコンクリート造の連結部材よりコストを大幅に軽減することができる。
本発明に係る免震構造物は、複数配置された基礎杭の頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、前記基礎杭の杭頭部間にはつなぎ梁や連結スラブなどの余剰の連結部材を設けないで、各杭頭部に、回転や水平変形に対して地盤の反力を受けて抑制するためのキャピタルを一体的に取り付けるようにしたものであり、該キャピタルによって杭頭部の回転や水平変形に対する拘束効果を高めることができるので、免震装置の過大な変形を抑制して免震機能を保護できるのであり、低層・高層建造物に拘らず地震対策の免震構造物として広く利用できる。
1 地盤
1a 捨てコンクリート層
2 基礎杭
2a 杭頭部
2b 鋼管
3、23、33、43 キャピタル
3a 垂下部またはスカート部
4 免震装置
5 フーチング
6 上部構造体
7 柱
8 下部大梁
9 床スラブ
10 ジャッキ
11 目地
12 孔
13 位置決め用のストッパー
14 せん断コッター
15 モルタル
16 ブラケット
17 シース
18 グラウトホース
19 PCケーブル
本発明は、前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、複数配置された基礎杭の頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、前記基礎杭の杭頭部間にはつなぎ梁や連結スラブなどの連結部材を設けないで、各杭頭部に、地盤の所要深さまで掘り下げてキャピタルが設けられ、該キャピタルに埋設されたシースにPCケーブルを挿通して隣接するキャピタルにS字形に交互に迂回して順次挿通し、該挿通したPCケーブルを緊張せずにシース内にグラウトを充填させることによって定着させることを特徴とする免震構造物を提供するものである。
本発明においては、前記キャピタルはプレキャストコンクリート造とし、底面外周部に垂下壁またはスカート部を形成したこと、及び前記複数の基礎杭において、少なくとも一部の杭頭部同士をPCケーブルで連結すること、を付加的な要件として含むものである。

Claims (4)

  1. 複数配置された基礎杭の頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、
    前記基礎杭の杭頭部間にはつなぎ梁や連結スラブなどの連結部材を設けないで、各杭頭部に、地盤の所要深さまで掘り下げてキャピタルが設けられたこと
    を特徴とする免震構造物。
  2. 前記キャピタルはプレキャストコンクリート造とし、底面外周部に垂下壁またはスカート部を形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の免震構造物。
  3. 前記キャピタルに埋設されたシースにPCケーブルを挿通して隣接するキャピタルにS字形に交互に迂回して順次挿通し、該挿通したPCケーブルを緊張せずにシース内にグラウトを充填させることによって定着させること
    を特徴とする請求項1または2に記載の免震構造物。
  4. 複数の基礎杭において、少なくとも一部の杭頭部同士をPCケーブルで連結すること
    を特徴とする前記請求項1乃至3のいずれかに記載の免震構造物。
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