JP2013087103A - ヒドラジド多量体、硬化性樹脂組成物、液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents

ヒドラジド多量体、硬化性樹脂組成物、液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化剤として用いた場合に、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができるヒドラジド多量体を提供する。また、該ヒドラジド多量体を用いてなる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物からなり、保存安定性に優れ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】2以上のヒドラジド化合物が結合してなるヒドラジド多量体。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化剤として用いた場合に、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができるヒドラジド多量体に関する。また、本発明は、該ヒドラジド多量体を用いてなる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物からなり、保存安定性に優れ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物は、その電気特性、接着性、耐熱性等を利用して、電気部品、塗料、建築材料等の用途に広く使用されている。これらの用途の多くに共通する課題として、硬化性樹脂組成物のポットライフを長くし、保存安定性に優れたものとすることが挙げられる。例えば、液晶表示素子に用いるシール剤において、硬化性樹脂組成物の保存安定性の向上が課題とされている。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光硬化性の(メタ)アクリル樹脂と光重合開始剤、及び、熱硬化性のエポキシ樹脂と熱重合開始剤を含有する、光、熱併用硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。
光、熱併用硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法では、まず、2枚の電極付き基板の一方にシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を基板の枠内に滴下し、真空下で他方の基板を重ね合わせ、シール部に光を照射して(メタ)アクリル樹脂等の光硬化性の樹脂の硬化を行う(仮硬化工程)。その後、加熱してエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂の硬化を行い、液晶表示素子を作製する。
滴下工法に用いられるシール剤には、通常、熱硬化性の樹脂を硬化させるために熱硬化剤が用いられる。熱硬化剤としては、シール剤のポットライフを長くして保存安定性を向上させるために、常温固形のものを用いることが必須となっている。なかでも、反応性に優れることから、常温固形の熱硬化剤が好適に用いられる。
しかしながら、常温固形の熱硬化剤を用いた場合でも、該熱硬化剤と硬化性樹脂との接触面において反応が進行し、シール剤のポットライフが低下するという問題があった。
特許文献3、特許文献4には、熱硬化剤の表面をシランカップリング剤によって処理することにより、シール剤のポットライフを向上させる方法が開示されているが、このようにして得られたシール剤でも、ポットライフが充分でなく、更に保存安定性に優れる液晶滴下工法用シール剤が望まれていた。
特開平5−295087号公報 特開2001−133794号公報 特開2005−194508号公報 特開2005−222037号公報
本発明は、熱硬化剤として用いた場合に、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができるヒドラジド多量体を提供することを目的とする。また、本発明は、該ヒドラジド多量体を用いてなる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物からなり、保存安定性に優れ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、2以上のヒドラジド化合物が結合してなるヒドラジド多量体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、従来の熱潜在性熱硬化剤を用いた場合、保存安定性が充分とならないことを見出した。そこで、本発明者は、同一のヒドラジド化合物又は二種類以上のヒドラジド化合物が結合してなるヒドラジド多量体を熱硬化剤として用いることにより、ポットライフが長く、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のヒドラジド多量体は、2以上のヒドラジド化合物が結合してなる。
具体的には例えば、下記一般式(1)で表されるヒドラジド多量体が挙げられる。
Figure 2013087103
式(1)中、lは、1以上の整数を表し、m及びnは、0以上の整数を表す。
本発明のヒドラジド多量体は、5量体以下の多量体であることが好ましい。本発明のヒドラジド多量体が5量体を超える多量体であると、硬化性樹脂組成物に用いた場合にヒドラジド多量体1分子あたりの反応活性基等量が増加し、硬化性樹脂を充分に硬化させるために大量に添加することが必要となることがある。本発明のヒドラジド多量体は、3量体以下の多量体であることがより好ましい。
本発明のヒドラジド多量体は、熱潜在性硬化剤として用いる場合、結晶性化合物であることが好ましい。
なお、本明細書において、上記「結晶性」とは、常温で固体の性状を示すことを意味する。
本発明のヒドラジド多量体は、同一のヒドラジド化合物又は二種類以上のヒドラジド化合物を反応することにより製造することができる。本発明のヒドラジド多量体を製造する方法としては、具体的には例えば、同一のヒドラジド化合物又は二種類以上のヒドラジド化合物を加熱して反応させた後、冷却し、エタノールエーテル混合溶液等の溶媒を用いて再結晶する方法が挙げられる。
同一のヒドラジド化合物又は二種類以上のヒドラジド化合物を加熱して反応させる際の温度(以下、ヒドラジド化合物の反応温度ともいう)の好ましい下限は200℃、好ましい上限は250℃である。上記ヒドラジド化合物の反応温度が200℃未満であると、ヒドラジド化合物の反応が進行しなかったり、反応に時間がかかりすぎたりすることがある。上記ヒドラジド化合物の反応温度が250℃を超えると、炭化することがある。上記ヒドラジド化合物の反応温度のより好ましい下限は210℃、より好ましい上限は220℃である。
上記ヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド等が挙げられる。なかでも、同一のヒドラジド化合物を重合する場合は、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、又は、ドデカンジオヒドラジドが好ましく、二種類以上のヒドラジド化合物を重合する場合は、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、及び、ドデカンジオヒドラジドのうち、少なくとも2種を用いることが好ましい。
上記ヒドラジド化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、SDH、IDH、ADH、DDH(いずれも、大塚化学社製)等が挙げられる。
本発明のヒドラジド多量体は、熱硬化剤として硬化性樹脂組成物に好適に用いられる。本発明のヒドラジド多量体を熱硬化剤として用いる硬化性樹脂組成物は、保存時の硬化性樹脂と熱硬化剤との反応が抑制され、保存安定性に優れるものとなる。硬化性樹脂と本発明のヒドラジド多量体とを含有する硬化性樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物における、本発明のヒドラジド多量体の配合量としては、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が20重量部である。本発明のヒドラジド多量体の配合量が5重量部未満であると、得られる硬化性樹脂組成物を充分に硬化させることができないことがある。本発明のヒドラジド多量体の配合量が20重量部を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が保存安定性に劣るものとなったり、得られる硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布性等を損ねたりすることがある。本発明のヒドラジド多量体の配合量のより好ましい下限は8重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、更に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有してもよい。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味し、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物は特に限定されず、単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、上述したエポキシ樹脂と同様のものが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレートは、具体的には、例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸210重量部を、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、5時間反応させることによって得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセルサイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には、例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220(いずれもダイセルサイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
また、上記硬化性樹脂は、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する樹脂を含有してもよい。このような化合物としては、例えば、2以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、上記硬化性樹脂は、上記1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する樹脂のみを含有するものであってもよい。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂N−770(DIC社製)190gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、この溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下にて2時間滴下した後、更に還流撹拌を6時間行い、次に、トルエンを除去することによって50モル%のエポキシ基がアクリル酸と反応した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂を得ることができる(この場合50%部分アクリル変性されている)。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセルサイテック社製)が挙げられる
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂の(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との比をモル比で50:50〜95:5とすることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、ラジカル重合開始剤として光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤を含有することがより好ましい。
上記ラジカル重合開始剤のうち、光によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤は特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等を好適に用いることができる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル重合開始剤のうち、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、過酸化物やアゾ化合物が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤の配合量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記ラジカル重合開始剤の配合量が0.01重量部未満であると、得られる硬化性樹脂組成物を充分に硬化させることができないことがある。上記ラジカル重合開始剤の配合量が10重量部を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が保存安定性に劣るものとなることがある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の更なる向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、主に硬化性樹脂組成物と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、必要に応じて、応力緩和剤、反応性希釈剤、揺変剤、スペーサー、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上記硬化性樹脂と、本発明のヒドラジド多量体と、上記ラジカル重合開始剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。この際、含有するイオン性不純物を除去するために、イオン吸着性固体と接触させてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、液晶滴下工法用シール剤に好適に用いられる。本発明の硬化性樹脂組成物からなる液晶滴下工法用シール剤もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶滴下工法用シール剤の硬化後におけるガラス転移温度(Tg)の好ましい下限は80℃、好ましい上限は150℃である。上記Tgが80℃未満であると、得られる液晶表示素子が耐湿性(耐高温高湿性)に劣るものとなることがある。上記Tgが150℃を超えると、剛直に過ぎ、基板との密着性に劣ることがある。
本発明の液晶滴下工法用シール剤において、熱硬化剤として用いる本発明のヒドラジド多量体は、液晶へ溶出して液晶を汚染することを抑制できることから、分子内に水酸基を有するものであることが好ましい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせる工程、及び、本発明の液晶滴下工法用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、熱硬化剤として用いた場合に、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができるヒドラジド多量体を提供することができる。また、本発明によれば、該ヒドラジド多量体を用いてなる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物からなり、保存安定性に優れ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(アジピン酸ジヒドラジド多量体の作製)
500mLのナスフラスコにアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」)100gを加え、200℃で3時間加熱した。加熱後100℃近くになるまで冷却し、エタノールエーテル混合溶液を用いて再結晶することで、アジピン酸ジヒドラジド多量体(ADH多量体)を得た。
得られたADH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(セバシン酸ジヒドラジド多量体の作製)
アジピン酸ジヒドラジドに代えて、セバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)100gを用いたこと以外は、「アジピン酸ジヒドラジド多量体の作製」と同様にして、セバシン酸ジヒドラジド多量体(SDH多量体)を得た。
得られたSDH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(ドデカンジオヒドラジド多量体の作製)
アジピン酸ジヒドラジドに代えて、ドデカンジオヒドラジド(大塚化学社製、「DDH」)100gを用いたこと以外は、「アジピン酸ジヒドラジド多量体の作製」と同様にして、ドデカンジオヒドラジド多量体(DDH多量体)を得た。
得られたDDH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(アジピン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体の作製)
500mLのナスフラスコにアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」)50g、及び、ドデカンジオヒドラジド(大塚化学社製、「DDH」)50gを加え、200℃で3時間加熱した。加熱後100℃近くになるまで冷却し、エタノールエーテル混合溶液を用いて再結晶することで、アジピン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体(ADH・DDH多量体)を得た。
得られたADH・DDH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(アジピン酸ジヒドラジドとセバシン酸ジヒドラジドとからなる多量体の作製)
ドデカンジオヒドラジドに代えて、セバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)50gを用いたこと以外は、「アジピン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体の作製」と同様にして、アジピン酸ジヒドラジドとセバシン酸ジヒドラジドとからなる多量体(ADH・SDH多量体)を得た。
得られたADH・SDH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(セバシン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体の作製)
アジピン酸ジヒドラジドに代えて、セバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)50gを用いたこと以外は、「アジピン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体の作製」と同様にして、セバシン酸ジヒドラジドとドデカンジオヒドラジドとからなる多量体(SDH・DDH多量体)を得た。
得られたSDH・DDH多量体は、H−NMRにより分析した結果1〜3量体の混合物であった。
(実施例1〜8、及び、比較例1〜3)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜8、及び、比較例1〜3の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(保存安定性)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤を、25℃で1週間保管したときの粘度と、製造直後の初期粘度とを測定し、(25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.05未満であるものを「○」、1.05以上1.10未満であるものを「△」、1.10を超えるものを「×」として評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1.0rpmの条件で測定した。
(反応率)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤に3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱したときのエポキシ基の反応率をFT−IRで評価し、該反応率が90%以上であるものを「○」、90%未満であるものを「×」として評価した。
(ガラス転移温度)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤に3000mJ/cmの紫外線を照射後、120℃で60分加熱して硬化させ、厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、−80〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(接着性)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてガラス基板(150mm×150mm)の端から30mm内側四方にディスペンスし、別のガラス基板(110mm×110mm)を真空下で重ねて貼り合わせた。高圧水銀ランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒間照射してシール剤を仮硬化させ、次いで、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、接着試験片を得た。
得られた接着試験片の基板の端部を半径5mmの金属棒を使って5mm/minの速度で押し込んだときに、パネル剥がれが起こる際の強度(Kgf)を測定し、接着力(kg/cm)を算出した。接着力が150kg/cm以上であった場合を「○」、接着力が150kg/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
(液晶表示素子の表示性能)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」、5μm)1重量部を分散させ、シリンジに充填し、遠心脱泡機(アワトロンAW−1)にて脱泡し、シリンジの吐出圧100〜400kPa、ノズルギャップ42μm、塗布速度60mm/sec、ノズル径が0.4mmφで2枚の配向膜及びITO付き基板の一方にディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴をITO付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、真空下でもう一方のITO付き基板を貼り合わせた。このときシール剤の線幅が約1.5mmになるようにそれぞれのシール剤に、吐出圧を調整した。貼り合わせ後直ぐにシール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒照射して仮硬化した。次いで、120℃で1時間加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製した。
得られたそれぞれの液晶表示素子について、液晶表示素子作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらがなかった場合を「○」、色むらがあった場合を「×」として評価を行った。
Figure 2013087103
Figure 2013087103
本発明によれば、熱硬化剤として用いた場合に、保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができるヒドラジド多量体を提供することができる。また、本発明によれば、該ヒドラジド多量体を用いてなる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物からなり、保存安定性に優れ、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤、該液晶滴下工法用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (6)

  1. 2以上のヒドラジド化合物が結合してなることを特徴とするヒドラジド多量体。
  2. 結晶性化合物であることを特徴とする請求項1記載のヒドラジド多量体。
  3. 硬化性樹脂と、請求項1又は2記載のヒドラジド多量体とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項3記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
  5. 請求項4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  6. 請求項4記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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