JP2013083046A - 目地装置 - Google Patents

Abstract

【課題】目地部の幅寸法が大きくても、小さくても、十分な荷重を受け得るように、床目地部や天井目地部に設置できる目地装置を提供する。
【解決手段】目地部を介して設けられた左右の床躯体あるいは天井躯体に少なくとも２個以上、両端部が枢支されて取付けられる複数個の中央枢支部５ができる四角形状の枠６が複数個のパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７を用いた、左右の床躯体あるいは天井躯体間の目地部が、地震で広くなったり、狭くなっても、隙間が生じることなく覆うことができるように重なり合う複数個の目地プレートからなる目地装置において、伸縮可能な支持部材７は、両端部全体に枢軸挿入孔１５が形成された第１のリンク部材１７、両端部と中央部全体に枢軸挿入孔１５が形成された前記第１のリンク部材１７の２倍の長さ寸法の第２のリンク部材１９の両方あるいは、該第２のリンク部材１９だけで、目地装置を構成する。
【選択図】図４

Description

本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体あるいは天井躯体間を伸縮可能に覆うことができる目地装置に関する。

従来、この種の目地装置は目地部を覆うために複数枚の重ね合わせた目地プレートをパンタグラフ形状の支持部材で支持したり、左右の躯体の目地部側端部に一対のレールを設置し、該一対のレールに傾斜状態で配置した少なくとも２個以上のスライド支持部材で支持させている。

このため、パンタグラフ形状の支持部材では目地部の幅寸法が大きいと、該支持部材に加わる荷重を十分に支持することができず、目地部の幅寸法が大きい所や荷重が加わる所には使用できないという欠点があった。

また、傾斜状態で配置されるスライド支持部材を用いる場合、左右の躯体側の目地プレートの一方が片持ち状態の支持となり、該部の支持強度が低下するという不具合があるとともに、目地部の幅寸法が狭い所には前記不具合がより大きくなり、使用できないという欠点があった。

特許第３８２８０６０号公報 特許第３６９１７７４号公報

本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部の幅寸法が大きくても、小さくても、十分な荷重を受けることができるように、床目地部や天井目地部に設置して使用することができる目地装置を提供することを目的としている。

本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体あるいは天井躯体に少なくとも２個以上、両端部が枢支されて取付けられる複数個の中央枢支部ができる四角形状の枠が複数個のパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材と、この少なくとも２個以上の伸縮可能な支持部材の同じ位置の中央枢支部にそれぞれ枢支状態の枢軸に取付けられた、前記左右の床躯体あるいは天井躯体間の目地部が、地震で広くなったり、狭くなっても、隙間が生じることなく覆うことができるように重なり合う複数個の目地プレートからなる目地装置において、前記伸縮可能な支持部材は、四角形状の枠の一方の対応するリンク部材は両端部全体に枢軸挿入孔が形成された第１のリンク部材、両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された前記第１のリンク部材の２倍の長さ寸法の第２のリンク部材の両方あるいは、該第２のリンク部材だけで構成され、四角形状の枠の他の対応するリンク部材は前記一方の対応するリンク部材の上下部に位置する両端部全体に枢軸挿入孔が形成された第１のリンク部材、両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された前記第１のリンク部材の２倍の長さ寸法の第２のリンク部材の両方あるいは、該第２のリンク部材だけで構成して目地装置を構成している。

以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
（１）請求項１により、伸縮可能な支持部材を四角形状の枠の一方の対応するリンクを両端あるいは両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された板状あるいはパイプ材で形成され、四角形状枠の他方の対応するリンクを両端あるいは両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された板状あるいはパイプ材で形成されたものを用いているので、伸縮方向に対して直角方向の大きな荷重を受けても、パンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材は損傷することなく、ほぼ水平状態を保って、作動させることができる。
（２）前記（１）により、パンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材を用いているので、目地部の幅寸法が大きい所や、小さい所にも設置することができる。
（３）前記（１）により、パンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材の中央枢支部の枢軸挿入孔の軸心方向の設定を、長く設定することができる。
したがって、中央枢支部に支持された枢軸に取付けられた目地プレートを、枢軸をほぼ水平方向に移動させることでスムーズに移動させることができる。
（４）請求項２も前記（１）〜（３）と同様な効果が得られる。

本発明を実施するための第１の形態の平面図。 図１の２−２線に沿う断面図。 本発明を実施するための第１の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。 本発明を実施するための第１の形態の伸縮可能な支持部材の説明図。 本発明を実施するための第１の形態の第１のリンク部材の説明図。 本発明を実施するための第１の形態の第２のリンク部材の説明図。 本発明を実施するための第１の形態の目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための第１の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための第１の形態の異なる前後方向に揺れ動いた動作説明図。 本発明を実施するための第２の形態の平面図。 図１０の１１−１１線に沿う断面図。 本発明を実施するための第２の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。 本発明を実施するための第３の形態の平面図。 図１３の１４−１４線に沿う断面図。 本発明を実施するための第３の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。 本発明を実施するための第４の形態の平面図。 図１６の１７−１７線に沿う断面図。 本発明を実施するための第４の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。 本発明を実施するための第５の形態の平面図。 図１９の２０−２０線に沿う断面 本発明を実施するための第５の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。 本発明を実施するための第６の形態の平面図。 図２２の２３−２３線に沿う断面図。 本発明を実施するための第６の形態の伸縮可能な支持部材の平面図。

以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。

図１ないし図９に示す本発明を実施するための第１の形態において、１は目地部２を介して設けられた左右の床躯体３、３間を、地震で異なる左右方向に該左右の床躯体３、３が揺れ動いても、隙間が生じることなく覆うことができる本発明の目地装置で、この目地装置１は前記左右の床躯体３、３に少なくとも２個以上、本発明の実施の形態では２個の両端部が枢支金具４、４で枢支状態で取付けられる複数個、本発明の実施の形態では６個の中央枢支部５、５、５、５、５、５ができ、５個の四角形状の枠６、６、６、６、６が形成されるパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７、７と、この伸縮可能な支持部材７、７の同じ位置の中央枢支部５、５、５、５にそれぞれ枢支状態の枢軸８、８、８、８、８、８、８、８に、本発明の実施の形態ではタル木９、９、９、９を介して取付けられた、該数軸８、８間のＬ寸法に対して、１．５倍の寸法の目地プレート１０、１０、１０、１０と、この目地プレート１０、１０、１０、１０と床躯体３との間に隙間が生じる部位の床躯体３に後端部が固定され、先端部が端部の目地プレート１０上に位置する、該目地プレート１０と同じ寸法の固定目地プレート１１とで構成されている。

前記伸縮可能な支持部材７、７は、四角形状の枠６の一方の対応するリンク部材１２、１３は板状の第１の鋼板１４、この第１の鋼板１４の両端部全体に固定された枢軸挿入孔１５、１５となるパイプ材１６、１６とからなる第１のリンク部材１７と、この第１のリンク部材１７の２倍の長さ寸法の板状の第２の鋼板１８、この第２の鋼板１８の両端部および中央部全体に固定された枢軸挿入孔１５、１５、１５となるパイプ材１６、１６、１６とからなる第２のリンク部材１９の両方あるいは、該第２のリンク部材１９だけで構成され、四角形状の枠６の他方の対応するリンク部材２０、２１は前記一方の対応するリンク部材１２、１３の上下部に位置する板状の第１の鋼板１４、この第１の鋼板１４の両端部全体に固定された枢軸挿入孔１５、１５となるパイプ材１６、１６とからなる第１のリンク部材１７、１７と、この第１のリンク部材１７、１７の２倍に長さ寸法の板状の第２の鋼板１８、この第２の鋼板１８の両端部および中央部全体に固定された枢軸挿入孔１５、１５、１５となるパイプ材１６、１６、１６とからなる第２のリンク部材１９、１９の両方あるいは、該第２のリンク部材１９、１９だけで構成されている。

前記枢支金具４、４は両端部がタッピングビス２２、２２によって前記左右の床躯体３、３に固定される両端部にタッピングビス挿入孔２３、２３が形成された板状の取付板２４と、この取付板２４の両端部寄りの部位に３個の第１のリンク部材１７、１７、１７が重なり、枢軸８で枢支できるように突出形成された一対のリンク部材支持片２５、２５とで構成されている。

なお、この実施の形態ではタルキ９、９、９、９を用いて目地プレート１０、１０、１０、１０を伸縮可能な支持部材７、７に取付けたが、タルキを用いないで直接目地プレートを伸縮可能な支持部材７、７に取付けてもよい。

上記構成の床を覆うことができる目地装置１は、通常時には伸縮可能な支持部材７、７に支持された目地プレート１０、１０、１０、１０および固定目地プレート１１で左右の床躯体３、３間の目地部２が覆われた状態となり、該目地プレート１０、１０、１０、１０および固定目地プレート１１に大きな荷重が加わっても、伸縮可能な支持部材７、７の第１のリンク部材１７および第２のリンク部材１９が板状で、かつ板厚方向が荷重を受ける上下方向に位置するため、大きな荷重を受けても十分な強度を有する部材で構成されており、該荷重を安全に支持することができる。

地震で左右の床躯体３、３が異なる左右方向に揺れ動いて目地部２が広くなると、図７に示すように伸縮可能な支持部材７、７の四角形状の枠６、６、６、６、６の形状が左右方向に長い菱形形状となるため、目地プレート１０、１０、１０、１０および固定目地プレート１１の重なり寸法が小さくなるように枢軸８、８、８、８、８、８、８、８を介してスライド移動して、その揺れ動きを吸収することができる。

地震によって左右の床躯体３、３が異なる左右方向に揺れ動いて目地部２が狭くなると、図８に示すように伸縮可能な支持部材７、７の四角形状の枠６、６、６、６、６の形状が前後方向に長い菱形形状となるため、目地プレート１０、１０、１０、１０および固定目地プレート１１の重なり寸法が大きくなるように枢軸８、８、８、８、８、８、８、８を介してスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。

地震によって左右の床躯体３、３が異なる前後方向に揺れ動くと、伸縮可能な支持部材７、７は、図９に示すように前後方向に移動して、目地プレート１０、１０、１０、１０および固定目地プレート１１が前後方向に枢軸８、８、８、８、８、８、８、８を介してスライド移動して、その揺れ動きを吸収することができる。

[発明を実施するための異なる形態]
次に、図１０ないし図２４に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第１の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。

図１０ないし図１２に示す本発明を実施するための第２の形態において、前記本発明を実施するための第１の形態と主に異なる点は、４個の四角形状の枠６、６、６、６が形成されたパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７Ａ、７Ａを用いるとともに、両端部の中央枢支部５、５、５、５に枢支状態の枢軸８、８、８、８にタル木９、９を介して取付けられた両側目地プレート２６、２６と、中央に位置する中央枢支部５、５に枢支状態の枢軸８、８にタル木９を介して中央部が取付けられ、かつ両端部が前記両側目地プレート２６、２６に重なり、スライド移動可能な中央目地プレート２７を用いた点で、このように構成した床を覆うことができる目地装置１Ａにしても、前記本発明を実施するための第１の形態と同様な作用効果が得られる。

図１３ないし図１５に示す本発明を実施するための第３の形態において、前記本発明を実施するための第２の形態と主に異なる点は、左右の天井躯体２８、２８に、該左右の天井躯体２８、２８に取付けられた左右の天井材２９、２９と同一面となるように両側目地プレート２６、２６が位置するように伸縮可能な支持部材７Ａ、７Ａを取付けた点で、このように構成された天井部分を覆う目地装置１Ｂにしても、前記本発明を実施するための第２の形態と同様な作用効果が得られる。

図１６ないし図１８に示す本発明を実施するための第４の形態において、前記本発明を実施するための第３の形態と主に異なる点は、６個の四角形状の枠６、６、６、６、６、６が形成されたパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７Ｂ、７Ｂを用いるとともに、該伸縮可能な支持部材７Ｂ、７Ｂの中央の中央枢支部５、５に枢支状態の枢軸８、８に中央目地プレート３０を取付け、この中央の中央枢支部５、５の両側の中央枢支部５、５、５、５に枢支状態の枢軸８、８、８、８に、前記中央目地プレート３０を覆うことができるほぼコ字状の中間目地プレート３１、３１を取付け、この両側の中央枢支部５、５、５、５より外側の中央枢支部５、５、５、５に枢支状態の枢軸８、８、８、８に前記中間目地プレート３１、３１を覆うことができるほぼコ字状の外側目地プレート３２、３２を取付け、さらに左右の天井材２９、２９に前記外側目地プレート３２、３２と重なり合う端部目地プレート３３、３３を取付けた点で、このように構成された天井部分を覆う目地装置１Ｃにしても、前記本発明を実施するための第３の形態と同様な作用効果が得られる。

図１９ないし図２1に示す本発明を実施するための第５の形態において、前記本発明を実施するための第４の形態と主に異なる点は、４個の四角形状の枠６、６、６、６が形成されたパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７Ａ、７Ａを用いた点で、このような伸縮可能な支持部材７Ａ、７Ａを用いて構成した天井部分を覆う目地装置１Ｄにしても、前記本発明を実施するための第４の形態と同様な作用効果が得られるとともに、小さな幅寸法の外側、目地プレート３２、３２を用いることができる。

図２２ないし図２４に示す本発明を実施するための第６の形態において、前記本発明を実施するための第３の形態と主に異なる点は、角パイプ３４の両端部全体に枢軸挿入孔１５、１５が形成された第１のリンク部材１７Ａと、角パイプ３５の両端部および中央部の全体に枢軸挿入孔１５、１５、１５を形成した第２のリンク部材１９Ａを用いてパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材７Ｃ、７Ｃを用いた点で、このような角パイプ３４、３５を用いて構成した伸縮可能な支持部材７Ｃ、７Ｃは中央天井目地プレート２７、両側目地プレート２６、２６だけを支持する天井部分を覆う目地装置１Ｅに使用しても、十分な強度が得られ、前記本発明を実施するための第３の形態と同様な作用効果が得られる。

なお、本発明を実施する形態では角パイプ３４、３５を用いたが、丸パイプを用いて第１のリンク部材、第２のリンク部材を形成したものを用いて構成した伸縮可能な支持部材にしても、同様な作用効果が得られる。

本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体あるいは天井躯体間を伸縮可能に覆うことができる目地装置を製造する産業で利用される。

１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ：目地装置、
２：目地部、 ３：床躯体、
４：枢支金具、 ５：中央枢支部、
６：四角形状の枠、
７、７Ａ、７Ｂ、７Ｃ：伸縮可能な支持部材、
８：枢軸、 ９：タル木、
１０：目地プレート、 １１：固定目地プレート、
１２：一方の対応するリンク部材、
１３：一方の対応するリンク部材、
１４：第１の鋼板、 １５：枢軸挿入孔、
１６：パイプ部材、
１７、１７Ａ：第１のリンク部材、
１８：第２の鋼板、
１９、１９Ａ：第２のリンク部材、
２０：他方の対応するリンク部材、
２１：他方の対応するリンク部材、
２２：タッピングビス、 ２３：タッピングビス挿入孔、
２４：取付板、 ２５：リンク部材支持片、
２６：両側目地プレート、 ２７：中央目地プレート、
２８：天井躯体、 ２９：天井材、
３０：中央目地プレート、 ３１：中間目地プレート、
３２：外側目地プレート、 ３３：端部目地プレート、
３４：角パイプ、 ３５：角パイプ。

Claims (2)

1. 目地部を介して設けられた左右の床躯体あるいは天井躯体に少なくとも２個以上、両端部が枢支されて取付けられる複数個の中央枢支部ができる四角形状の枠が複数個のパンタグラフ形状のリンク機構を用いた伸縮可能な支持部材と、この少なくとも２個以上の伸縮可能な支持部材の同じ位置の中央枢支部にそれぞれ枢支状態の枢軸に取付けられた、前記左右の床躯体あるいは天井躯体間の目地部が、地震で広くなったり、狭くなっても、隙間が生じることなく覆うことができるように重なり合う複数個の目地プレートからなる目地装置において、前記伸縮可能な支持部材は、四角形状の枠の一方の対応するリンク部材は両端部全体に枢軸挿入孔が形成された第１のリンク部材、両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された前記第１のリンク部材の２倍の長さ寸法の第２のリンク部材の両方あるいは、該第２のリンク部材だけで構成され、四角形状の枠の他の対応するリンク部材は前記一方の対応するリンク部材の上下部に位置する両端部全体に枢軸挿入孔が形成された第１のリンク部材、両端部と中央部全体に枢軸挿入孔が形成された前記第１のリンク部材の２倍の長さ寸法の第２のリンク部材の両方あるいは、該第２のリンク部材だけで構成されていることを特徴とする目地装置。
2. 四角形状の枠の一方の対応するリンク部材あるいは他方の対応するリンク部材は第１の鋼板、この第１の鋼板の両端部全体に固定された枢軸挿入孔を設けるパイプ材とからなる第１のリンク部材と、この第１のリンク部材の２倍の長さ寸法の第２の鋼板、この第２の鋼板の両端部および中央部全体に固定された枢軸挿入孔を設けるパイプ材とからなる第２のリンク部材とで構成されていることを特徴とする請求項１記載の目地装置。

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