JP5390461B2 - 床用目地装置 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を伸縮可能に覆う床用目地装置に関する。
従来、この種の床用目地装置は目地部間に複数個の目地プレート支持アームを所定間隔で配置し、該複数個の目地プレート支持アームの中央部を除く部位の目地プレート支持アームに外側へ突出し、隣りの部材と重なり合う複数個の目地プレートを固定し、中央部の目地プレート支持アームに両端部が隣り合う目地プレートと重なり合う中央目地プレートを用いて構成している。
このように構成された床用目地装置は目地部側の左右の床躯体に両端部が取付けられるため荷重が集中し、十分な強度を得るのが難しいという欠点があった。
また、目地部間に多数個の目地プレート支持アームが位置するため、目地部のほぼ全幅寸法の収縮は不可能で、左右の床躯体の揺れ動き量を大きく設定することができないという欠点があった。
特許第3691778号
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、十分な強度が得られるとともに、左右の床躯体の異なる前後方向の揺れ動きを吸収することができ、かつ目地部の幅寸法分の伸縮の揺れ動きを吸収することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体の目地部側の上面に形成された左右の支持凹部と、前記目地部側の左右の床躯体に中央部が常時目地部の中央部に位置するように取付けられた少なくとも2個以上の中央維持機構と、この中央維持機構の中央部に枢支された支持アームと、前記左右の支持凹部に所定間隔で反目地部側が枢支ピンで枢支された複数対の受けレールと、この複数対の受けレールにスライド移動可能に取付けられた、該複数対の受けレールの上面とほぼ同一上面となる中央部が前記支持アームに枢支された複数個の桁と、この複数個の桁および前記複数対の受けレールに所定間隔で支持された複数個の目地プレート支持アームと、この複数個の目地プレート支持アームの中央部の目地プレート支持アームを除く他の目地プレート支持アームに後端部が固定され、先端部が外方の前記左右の床躯体上あるいは隣りの部材と重なり合うほぼ目地プレート支持アーム間の2倍の幅寸法の複数個の目地プレートと、前記中央部の目地プレート支持アームにほぼ中央部が取付けられ、両端部が中央部の目地プレート支持アームと隣り合う目地プレート支持アームに固定された目地プレートのほぼ中央部に位置するように覆う中央目地プレートと、前記複数個の目地プレート支持アームを常時所定間隔となるように位置させる両端部が前記左右の支持凹部の側壁に枢支された少なくとも2個以上のパンタグラフ形状の伸縮リンク機構とで床用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、目地部側の左右の床躯体の上面に形成された左右の支持凹部に複数対の受けレールを設け、該複数対の受けレールにスライド移動可能な複数個の桁を設け、該複数個の桁および前記複数対の受けレールに所定間隔で支持された複数個の目地プレート支持アームに複数個の目地プレートおよび中央目地プレートを設けているので、該複数個の目地プレートおよび中央目地プレートに加わる荷重を左右の床躯体の支持凹部で支持することができる。
したがって、従来のように左右の床躯体の目地部側に両端部を取付けるものに比べ、十分な強度が得られる。
(2)前記(1) により、複数個の目地プレート支持アームに複数個の目地プレートおよび中央目地プレートを取付けているので、左右の床躯体が接触するように揺れ動いても、複数個の目地プレート支持アームが左右の支持凹部上へ移動して、その揺れ動きを吸収する。
したがって、目地部の幅寸法分の左右の床躯体の揺れ動きを損傷なく吸収することができる。
(3)前記(1)により、左右の床躯体が異なる前後左右方向に揺れ動いても、損傷したり、隙間が生じたりすることなく、その揺れ動きを吸収することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、目地部の幅寸法とほぼ同じ寸法分の異なる方向の揺れ動きを効率よく吸収することができる。
本発明を実施するための第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 複数対の受けレールと複数個の桁の取付け状態の説明図。 図3の異なる左右方向の動作説明図。 図3の異なる前後方向の動作説明図。 複数個の目地プレート支持アームの取付け状態の説明図。 図6の異なる左右方向の動作説明図。 図6の異なる前後方向の動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の中央維持機構の説明図。 本発明を実施するための第1の形態の中央目地プレートの説明図。 本発明を実施するための第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の異なる前後方向の動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図14の15−15線に沿う断面図。 本発明を実施するための第2の形態の中央維持機構の説明図。 本発明を実施するための第3の形態の平面図。 図17の18−18線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の受けレールと桁の説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図13に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の床躯体3、3間を伸縮可能に覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記目地部2側の左右の床躯体3、3の上面に形成された前記目地部2の幅寸法Lとほぼ同じ幅寸法の左右の支持凹部4、4と、前記目地部側の左右の床躯体3、3に中央部の中央枢支部5が常時目地部2の中央部に地位するように取付けられた少なくとも2個以上の中央維持機構6、6と、この中央維持機構6、6の中央枢支部5、5に枢支ピン7、7で枢支された支持アーム8と、前記左右の支持凹部4、4に所定間隔で反目地部側が枢支ピン9、9で枢支された先端部が前記目地部2の端部まで位置する複数対のハット形鋼形状の受けレール10、10と、この複数対の受けレール10、10にスライド移動可能に取付けられた、該複数対の受けレール10、10の上面とほぼ同一面で、両端部が左右の受けレール10、10のほぼ中央部に位置し、かつ中央部が前記支持アーム8に枢支ピン11で枢支された複数個の桁12と、この複数個の桁12および前記複数対の受けレール10、10に所定間隔で支持された奇数の複数個の目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13と、この複数個の目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13の中央部に位置する目地プレート支持アーム13Aを除く他の目地プレート支持アーム13、13、13、13、13、13に後端部が複数本のビス14で固定され、先端部が外方へ前記左右の床躯体3、3上あるいは隣りの部材と重なり合うほぼ目地プレート支持アーム13、13間の2倍の幅寸法の複数個の目地プレート15、15、15、15、15、15と、前記中央部の目地プレート支持アーム13Aにほぼ中央部の底面に固定された支持バー16(図10参照)部分で複数本のビス17で取付けられ、両端部が中央部の目地プレート支持アーム13Aと隣り合う目地プレート支持アーム13、13に固定された目地プレート15、15のほぼ中央部に位置するように覆う中央目地プレート18と、前記複数個の目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13を常時所定間隔となるように位置させる両端部が前記左右の支持凹部4、4の側壁4a、4aに枢支ピン19、19で枢支された複数個、本実施の形態では8個の四角枠状のリンク20、20、20、20、20、20、20、20を有する少なくとも2個以上のパンタグラフ形状の伸縮リンク機構21、21とで構成されている。
前記左右の支持凹部4、4の底面には前記複数対の受けレール10、10の回動がスムーズにできるように金属材製の下地プレート22、22が複数個の皿ビス23で固定されている。
前記中央維持機構6、6は後端部が前記目地部側の左右の床躯体3、3に枢支ピン24、24で先端部が水平方向に回動できるように取付けられた一対のラック25、25と、この一対のラック25、25と前記目地部2の中央部で噛み合うピニオン26と、このピニオン26を回転可能に支持するとともに、前記支持アーム8を枢支する枢支ピン27が取付けられ、かつ前記ラック25、25を該ピニオン26との噛み合いを保つように支持する支持部材28とで構成されている。
前記少なくとも2個以上のパンタグラフ形状の伸縮リンク機構21、21は四角枠状のリンク20、20、20、20、20、20、20、20の中央枢支部29、29、29、29、29、29、29、29、29で、側壁4a、4aや目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13に枢支ピン30、30、30、30、30、30、30、30、30で取付けられている。
上記構成の床用目地装置1は、通常時には左右の床躯体3、3に形成された左右の支持凹部4、4および目地部2は目地プレート15、15、15、15、15、15および中央目地プレート18で覆われ、人や台車が安全に走行することができる。
地震により目地部2が狭くなるように左右の床躯体3、3が揺れ動くと、図11に示すように中央維持機構6、6により支持アーム8は目地部2の中央部に維持されるため、複数個の桁12と複数対の受けレール10、10との重なりが多くなるとともに、伸縮リンク機構21、21で目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13は間隔が狭くなった所定間隔に位置されるため、複数個の目地プレート15、15、15、15、15、15および中央目地プレート18は重なり量が多くなった収縮状態となって、その揺れ動きを吸収する。
地震で目地部2が広くなるように左右の床躯体3、3が揺れ動くと、図12に示すように中央維持機構6、6により、支持アーム8は目地部2の中央部に維持されるため、複数個の桁12と複数対の受けレール10、10との重なりが少なくなるとともに、伸縮リンク機構21、21で目地プレート支持アーム13、13、13、13A、13、13、13は間隔が広くなった所定間隔に位置されるため、複数個の目地プレート15、15、15、15、15、15および中央目地プレート18は重なり量が少なくなった伸長状態となって、その揺れ動きを吸収する。
地震で左右の床躯体3、3が異なる前後方向に揺れ動くと、図13に示すように複数対の受けレール10、10は複数個の桁12によって枢支ピン9、9を支点に回動するとともに、伸縮リンク機構21、21も両端部の枢支ピン30、30を支点として回動し、複数個の目地プレート15、15、15、15、15、15および中央目地プレート18を順次前後方向に傾斜状態の配置となって、その揺れ動きを吸収する。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図14ないし図19に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図14ないし図16に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、チャンネル状の複数対の受けレール10A、10Aと、この複数対の受けレール10A、10Aに支持される複数個の桁12の底面に滑り材31を固定したものを用いるとともに、四角枠形状のリンク32、32が2個のパンタグラフ形状の中央維持装置6A、6Aを用いた点で、このように構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図17ないし図19に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、複数対の受けレール10、10の底面に滑り材31、31を固定するとともに、複数個の桁12の底面あるいは複数対の受けレール10、10の内底面に複数個のローラー33を設置した点で、このように構成された床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明を実施するための各形態では7個の目地プレート支持アーム13を複数対の受けレール10、10および複数個の桁12に所定間隔で支持させるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、奇数個の目地プレート支持アーム13を用いても同様に実施することができる。
なお、前記本発明を実施するための各形態では少なくとも2個以上の中央維持機構を一対のラック25、25とニオン26を用いるものと、パンタグラフ形状のものを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、支持アーム8を常時目地部の中央部に位置できる構成のものであればどんな構成のものであってもよい。また、その両端部の取付け位置は目地部側の左右の床躯体に直接取付けるのがよいが、左右の床躯体の目地部側より目地部へ突出させたスラブや梁等の左右の床躯体と一体的に移動する部材に取付けてもよい。
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を覆う床用目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:床躯体、 L:目地部の幅寸法、
4:支持凹部、 5:中央枢支部、
6、6A:中央維持機構、 7:枢支ピン、
8:支持アーム、 9:枢支ピン、
10:受けレール、 11:枢支ピン、
12:桁、
13、13A:目地プレート支持アーム、
14:ビス、 15:目地プレート、
16:支持バー、 17:ビス、
18:中央目地プレート、 19:枢支ピン、
20:リンク、 21:伸縮リンク機構、
22:下地プレート、 23:皿ビス、
24:枢支ピン、 25:ラック、
26:ピニオン、 27:枢支ピン、
28:支持部材、 29:中央枢支部、
30:枢支ピン、 31:滑り材、
32:リンク、 33:ローラー。

Claims (2)

  1. 目地部を介して設けられた左右の床躯体の目地部側の上面に形成された左右の支持凹部と、前記目地部側の左右の床躯体に中央部が常時目地部の中央部に位置するように取付けられた少なくとも2個以上の中央維持機構と、この中央維持機構の中央部に枢支された支持アームと、前記左右の支持凹部に所定間隔で反目地部側が枢支ピンで枢支された複数対の受けレールと、この複数対の受けレールにスライド移動可能に取付けられた、該複数対の受けレールの上面とほぼ同一上面となる中央部が前記支持アームに枢支された複数個の桁と、この複数個の桁および前記複数対の受けレールに所定間隔で支持された複数個の目地プレート支持アームと、この複数個の目地プレート支持アームの中央部の目地プレート支持アームを除く他の目地プレート支持アームに後端部が固定され、先端部が外方の前記左右の床躯体上あるいは隣りの部材と重なり合うほぼ目地プレート支持アーム間の2倍の幅寸法の複数個の目地プレートと、前記中央部の目地プレート支持アームにほぼ中央部が取付けられ、両端部が中央部の目地プレート支持アームと隣り合う目地プレート支持アームに固定された目地プレートのほぼ中央部に位置するように覆う中央目地プレートと、前記複数個の目地プレート支持アームを常時所定間隔となるように位置させる両端部が前記左右の支持凹部の側壁に枢支された少なくとも2個以上のパンタグラフ形状の伸縮リンク機構とからなることを特徴とする床用目地装置。
  2. 左右の支持凹部の幅寸法は目地部の幅寸法とほぼ同じ寸法に形成され、複数対の受けレールに支持される複数個の桁は目地部の幅寸法の2倍の長さに形成されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
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