JP2013078172A - ディジタル保護制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のディジタル保護制御装置10は、制御電源1hのコンデンサ36の温度を検出するコンデンサ温度検出部11と、コンデンサ36の温度の検出の際に、周囲の外気の温度を検出する外気温度検出部12と、両温度の検出の度に、コンデンサ36の温度と外気の温度との差分Bを、過去に検出した外気の温度の平均温度Aに加えて演算用コンデンサ温度Cを求め、コンデンサの周囲温度Taと寿命年数との既定の関係情報を用いて、演算用コンデンサ温度Cを関係情報のコンデンサ36の周囲温度Taに当てはめてコンデンサ36の経過寿命を求め、コンデンサ36の寿命から経過寿命を減算することでコンデンサ36の残余寿命を求め、コンデンサ36の寿命の判定を行う寿命判定部1jとを備える。
【選択図】図6
Description
さらに、定期点検にて電源電圧の測定を人手により行い、劣化による交換有無の必要を判断するが、定期点検は6年周期に実施となるため、対応が不十分であるといった問題(課題)がある。
そのため、ディジタル保護制御装置の機能に影響を及ぼさない経年劣化の判定と対策を行う必要がある。
図1は、本発明に係る実施形態のディジタル保護制御装置を示す構成図である。
実施形態のディジタル保護制御装置10は、変電所などにおいて設定ポイントの電流、電圧などを取得し、事故と判定した場合には信号を送り、遮断器、断路器などで事故発生の経路を他経路から切り離し、異常を他系統に影響させないようにする装置である。
ディジタル保護制御装置10は、以下の構成を有している。なお、図1では、一部構成要素の名称を略称で示し、ディジタル保護制御装置10の本来の機能を破線内に示す。
バスマスタコントロール基板1aは、システムバス10bを介して、図1に示す各基板(1c〜1f、1jなど)間のデータ転送を高速に制御する。
RY(Relay)・SEQ(Sequence)手段1dは、変電所から取り込んだ電圧値、電流値により系統箇所が正常に機能しているか否かの演算を行う保護演算、および、保護演算の条件・経路設定の保護シーケンスを実施する。
ヒューマンインタフェース(HI)1fは、ユーザと内部構成とのアクセスを司り、ユーザに対して表示や、ユーザが操作するためのHIパネル1gなどに接続されている。
電源手段1iは、例えば不図示のAC/DCコンバータなどから供給される110Vの直流電圧をDC/DCコンバータ1hにより必要な電圧に降圧して、前記した各基板1a〜1f、1h、1jなどに電源を供給する。
なお、寿命判定予測基板1jは、DC/DCコンバータ1hの寿命を判定することになるため、DC/DCコンバータ1h以外から電源を供給してもよい。
こうして、各基板1a〜1f、1jは、電源手段1iから、DC/DCコンバータ1h、システムバス10bを経由して、駆動電源を受けて動作する。
図2は、実施形態のディジタル保護制御装置のDC/DCコンバータの回路図であり、図2(a)は、通常状態を示し、図2(b)は、コンデンサの寿命が近くなり、予備のコンデンサに切り換わった場合を示している。
DC/DCコンバータ1hは、電源端子i1とGND端子i2とで電源手段1iに接続され、出力端子o1、o2でシステムバス10bに接続されている。
ダイオード33は、トランジスタ32のオン時に電源手段1iの電流の流れを阻止する一方、トランジスタ32のオフ時にコンデンサ36の放電による電流をコイル34に流す。なお、図2(a)では、トランジスタ32がオンした場合を示している。
そして、コンデンサ36と直列に第1リレー35aが接続されるとともに予備のコンデンサ37と直列に第2リレー35bが接続されている。
トランジスタ32のオン/オフの制御は、不図示の制御回路により、出力端子o1、o2の電圧が所定電圧になるように監視され、フィードバック制御で行われる。
コンデンサ36の寿命の判定は、寿命判定予測基板1jにより、DC/DCコンバータ1hのコンデンサ36の温度を温度センサ11で測定するとともに、ディジタル保護制御装置10廻りの外気温を外気温センサ12で測定することにより行われている。なお、コンデンサ36の寿命判定の詳細は後記する。
図3は、実施形態のディジタル保護制御装置の外観を示す斜視図である。
ディジタル保護制御装置10は、前面板10zの中ほどにヒューマンインタフェース(HI)1fに接続されるHIパネル1gが配置され、その下方にヒューマンインタフェース(HI)1fに接続される押し釦1f1が配置されている。ユーザは、押し釦1f1を押下操作することにより各種設定を行う。
ディジタル保護制御装置10の内部には前記したDC/DCコンバータ1hが配置されており、温度センサ11が、DC/DCコンバータ1hのコンデンサ36の温度を測定するため、コンデンサ36に近接して配置されている。具体的には、DC/DCコンバータ1hの回路基板の配線パターン上に温度センサ11の熱電対が実装されている。
次に、DC/DCコンバータ1hのコンデンサ36の寿命判定の方法について説明する。
図4は、HIパネルの設定画面の例を示す図である。
まず、ユーザは、始めに、図3に示すディジタル保護制御装置10のHIパネル1gに表示される設定画面G(図4参照)を用いて温度測定周期の設定を行う。
温度測定設定画面G3は、所望の点検周期で、コンデンサ36の温度測定および外気温の温度測定を開始する年月日時を入力する年月日時入力欄G3aと、両温度測定の点検周期を入力する日入力欄G3bおよび時間入力欄G3cを有している。
点検周期の日・時間入力欄G3b、G3cの設定範囲は1時間から1週間までの範囲とされている。
なお、本実施形態では、1〜23時間または1日から1週間までの範囲で温度設定測定の周期を設定する場合を例示しているが、この例に限定されないのは勿論である。
図5は、実施形態のディジタル保護制御装置のDC/DCコンバータの寿命判定を行う構成を示す図である。なお、図5では、システムバス10b、I/Oシステムバス2bは省略して示している。
そして、ユーザが設定した温度測定の設定時刻に至ると、内蔵タイマの計時によって寿命判定予測基板1jにより測定指令信号(図5の信号13o)が出力される。
寿命判定方法は、まず、例えば1年内の外気温平均Aを式(1)で算出する。
測定時より1年前の外気温の総和÷測定回数=外気温平均A (1)
式(1)では、1年前の外気温の総和を用いる場合を説明したが、蓄積した全ての外気温の総和としてもよい。つまり、過去の任意の期間の外気温の総和を用いることができる。これにより、季節毎、地域別などの外気温の変動の影響を可及的に抑制できる。
コンデンサ36の周囲温度−外気温=差分B (2)
続いて、算出した外気温平均Aと差分Bとを加算し、寿命判定に用いるコンデンサ36の温度とする。
負荷率(%)とは、DC/DCコンバータ1hの定格電力に対しての負荷の割合を示している。例えば、負荷率(%)が50%とはDC/DCコンバータ1hの定格電力240Wに対して、負荷が120Wの場合である。なお、負荷率(%)は、ディジタル保護制御装置10の使用開始時にあらかじめ設定される。図6に示す標準盤内温度とは、標準的にDC/DCコンバータ1hが使用される場合のコンデンサ36の温度である。
寿命の演算は、図6に示すコンデンサの寿命−温度特性を用いて、コンデンサ36がどのくらいの温度で、どのくらいの時間使用されたかを累積していくことで演算される。
コンデンサ36の寿命が既設定された基準残り寿命未満(または以下)と判断された場合には、コンデンサ36の交換要となる。この場合には、下記のユーザへの報知、および、コンデンサ36の予備のコンデンサ37への切り換えが行われる。
まず、S100で、ユーザは、図4のHIパネル1gに表示される設定画面Gにおいて、年月日時入力欄G3aに温度測定を開始する年月日時を入力するとともに、温度測定の点検周期を日入力欄G3bまたは時間入力欄G3cに入力し、実行ボタンG5を押下して、コンデンサ36の温度測定および外気温の測定周期を設定する。
そして、式(1)により、 記録された外気温の総和÷測定回数=平均外気温A の演算を行い、平均外気温Aを求める(S103)。S103の平均外気温Aは、例えば過去100回分とか1年分とかいうような移動平均でもよいが、外気温の総和の平均値が外気温の変動の影響を極力抑えられるので最も望ましい。
そして、式(2)からコンデンサ36の周囲温度と外気温との差分Bを求める(S104)。
平均外気温A+差分B=平均測定温度C (3)
平均測定温度Cを算出する(S105)。平均測定温度C(演算用コンデンサ温度)とは、測定時のコンデンサ36の寿命判定に用いる温度に相当する。この平均測定温度C(演算用コンデンサ温度)を、後に図6の周囲温度に当てはめて使用する。
まず、ディジタル保護制御装置10の使用開始時にあらかじめ設定された負荷率(%)が用いられる。これにより、図6の負荷率の曲線が決定する。
そして、例えば、コンデンサ36の寿命を仮に1とし、コンデンサ36の実際の寿命日数をJ日とすると、1日経過した場合、1/Jの寿命が消費されたことになる。すなわち、残余寿命は、コンデンサ36の寿命を1とした場合、nを経過日数とすると次のように表される。
残余寿命=1−経過寿命=1−n/J (4)
そのため、寿命を1とすると、寿命1のうち1日で1/(10×365)が消費されたことになる。実際は、4年に1回366日があるが、ここでは理解を容易にするため、1年365日としている。
残余寿命=1−経過寿命=1−d/J (5)
この演算を、例えば1時間経過したとすると、1時間は1/24日であるので、使用経過時間をhとすると、式(4)は、
残余寿命=1−経過寿命=1−(h/24)/J (6)
で表される。
残余寿命=1−経過寿命=1−(m/(24×60))/J (7)
で表される。
式(5)、(6)、(7)の関係から、式(8)が求まる。
そして、図7のS105で、式(3)で求めた平均測定温度Cを図6の周囲温度(Ta)に当てはめ、寿命曲線でその温度の寿命を求め寿命日数Jを決定し、式(8)の関係を用いて、経過寿命を求めることで残余寿命が求められる。
残余寿命(2)=残余寿命(1)−経過寿命 (9)
であるので、n回目の残余寿命の計算は、n回目の計算の残余寿命を残余寿命(n)とすると、
残余寿命(n)=残余寿命(n−1)−経過寿命 (10)
と表される。ただし、1回目の残余寿命の計算に用いられる残余寿命(0)は、前記したように、式(4)〜(8)から残余寿命(0)=1 である。
そして、S108で、残余寿命が既定の基準残余寿命以下であるか否か判定される。
残余寿命が既定の基準残余寿命以下でない、すなわち残余寿命が既定の基準残余寿命より長いと判定された場合(S108でNo)、S101に移行する。
続いて、S110で、HIパネル1gに表示された温度測定設定画面G3の異常表示灯G7を点灯し表示し、ユーザに報知される。また、コンデンサ切り換え手段により、図2(a)に示す第1リレー35aがオンからオフされるとともに、第2リレー35bがオフからオンされ、図2(a)に示すコンデンサ36の使用状態から、図2(b)に示す予備のコンデンサ37の使用状態に切り換わる。
そして、寿命判定が点検周期ごとに測定温度で経過寿命を求めるため、より正確な残余寿命を求めることが可能である。よって、従来より精緻な寿命判定が可能となり、従来に比べ精密な寿命判定機能が得られる。
また、残余寿命が既定値より小さくなった場合には、予備のコンデンサ37に切り換えるので、コンデンサ36の劣化が進行した場合には延命処置を行える。
そして、DC/DCコンバータ1hのコンデンサ36の寿命が近い場合には、ユーザに報知されるので、ディジタル保護制御装置10の故障前にユーザはメンテナンス等の対策を採ることができる。
したがって、経年劣化にて故障するディジタル保護制御装置の制御電源について、現在の運用に影響を与えず、容易に経年劣化による制御電源の劣化の進行具合を認識でき、また、経年劣化による予備のコンデンサ37の部品の交換を容易に行うことを可能とする。
このため、メンテナンスが、故障の事後対応から事前対応が可能となることから、ディジタル保護制御装置10のメンテナンスコストの大幅低減を達成できる。
なお、前記実施形態では、コンデンサ36の温度と外気温度を定期的に測定しコンデンサ36の寿命を判定する場合を例示したが、不定期に温度測定しコンデンサ36の寿命を判定するように構成してもよい。
なお、前記実施形態では、コンデンサ36の温度と外気温度とを同時に測定する場合を例示したが、それぞれの温度が殆ど変化せず経過寿命の演算に影響しなければ、多少の時間的ズレがあっても構わない。
1g HIパネル(温度検出設定部、ユーザ報知部)
1h DC/DCコンバータ(制御電源)
1j 寿命判定予測基板(寿命判定部、コンデンサ切り換え部)
10 ディジタル保護制御装置
11 温度センサ(コンデンサ温度検出部)
12 外気温センサ(外気温度検出部)
35a 第1リレー(コンデンサ切り換え部)
35b 第2リレー(コンデンサ切り換え部)
36 コンデンサ
37 予備のコンデンサ
A 平均外気温(外気の温度の平均温度)
B 差分(コンデンサの温度と外気の温度との差分)
C 平均測定温度(演算用コンデンサ温度)
G 温度測定設定画面(温度検出設定部、ユーザ報知部)
Ta コンデンサの周囲温度
Claims (5)
- 電力系統から取込んだアナログ交流電気量をディジタル電気量に変換し、当該ディジタル電気量を取込んで前記電力系統の保護制御を行うディジタル保護制御装置であって、
前記ディジタル保護制御装置の制御電源のコンデンサの温度を検出するコンデンサ温度検出部と、
前記コンデンサの温度の検出の際に、前記ディジタル保護制御装置の周囲の外気の温度を検出する外気温度検出部と、
前記コンデンサの寿命の判定を行う寿命判定部とを備え、
前記寿命判定部は、
前記両温度の検出の度に、
前記コンデンサの温度と前記外気の温度との差分を、過去に検出した外気の温度の平均温度に加えて演算用コンデンサ温度を求め、前記コンデンサの周囲温度と寿命年数との既定の関係情報を用いて、前記演算用コンデンサ温度を前記関係情報のコンデンサの周囲温度に当てはめて前記コンデンサの経過寿命を求め、
前記コンデンサの寿命から前記経過寿命を減算することで前記コンデンサの残余寿命を求め、当該コンデンサの寿命の判定を行う
ことを特徴とするディジタル保護制御装置。 - 請求項1に記載のディジタル保護制御装置において、
前記コンデンサの温度の検出および前記外気の温度の検出のタイミングを設定する温度検出設定部を備える
ことを特徴とするディジタル保護制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のディジタル保護制御装置において、
前記コンデンサ温度検出部と前記外気温度検出部とは、それぞれ前記コンデンサの温度および前記外気の温度を定期的に測定し、
前記寿命判定部は、前記コンデンサの寿命の判定を定期的に行う
ことを特徴とするディジタル保護制御装置。 - 請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のディジタル保護制御装置において、
前記制御電源は、前記コンデンサに代替する予備のコンデンサを有し、
前記寿命判定部が前記コンデンサの残余寿命が少ないと判定した場合、前記制御電源において前記コンデンサから前記予備のコンデンサに切り換えるコンデンサ切り換え部を備える
ことを特徴とするディジタル保護制御装置。 - 請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載のディジタル保護制御装置において、
前記寿命判定部が前記コンデンサの残余寿命が少ないと判定した場合、ユーザにその旨報知するユーザ報知部を備える
ことを特徴とするディジタル保護制御装置。
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