JP2013077645A - 半導体レーザおよびその制御方法 - Google Patents

半導体レーザおよびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013077645A
JP2013077645A JP2011215501A JP2011215501A JP2013077645A JP 2013077645 A JP2013077645 A JP 2013077645A JP 2011215501 A JP2011215501 A JP 2011215501A JP 2011215501 A JP2011215501 A JP 2011215501A JP 2013077645 A JP2013077645 A JP 2013077645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
light absorption
gain
wavelength
semiconductor laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011215501A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Tajima
未来雄 田嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Device Innovations Inc
Original Assignee
Sumitomo Electric Device Innovations Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Device Innovations Inc filed Critical Sumitomo Electric Device Innovations Inc
Priority to JP2011215501A priority Critical patent/JP2013077645A/ja
Publication of JP2013077645A publication Critical patent/JP2013077645A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】 広い波長選択幅を実現する半導体レーザおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】 半導体レーザは、利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、前記光吸収領域は、n´−i×kで表される前記光吸収領域の複素屈折率nが変化したとき、−10≦Δn´/Δk≦10を満たす(nは前記光吸収領域の複素屈折率、iは虚数単位、kは消衰係数、Δn´はnが変化した場合のn´の変化量、Δkはnが変化した場合のkの変化量を示す)ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザおよびその制御方法に関する。
反射スペクトルに周期的な波長ピークを有する波長選択部と、利得スペクトルに周期的な波長ピークを有する利得部とを組み合わせた半導体レーザが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この半導体レーザにおいては、バーニア効果を利用して発振波長が選択される。
特開2007−48988号公報 特開2007−201425号公報 特開2008−277758号公報
しかしながら、特許文献1〜3の半導体レーザでは、利得部の利得帯域が十分広くないと、波長選択幅がせまくなる。本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、広い波長選択幅を実現する半導体レーザおよびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、前記光吸収領域は、n´−i×kで表される前記光吸収領域の複素屈折率nが変化したとき、−10≦Δn´/Δk≦10を満たす(nは前記光吸収領域の複素屈折率、iは虚数単位、kは消衰係数、Δn´はnが変化した場合のn´の変化量、Δkはnが変化した場合のkの変化量を示す)ことを特徴とする。本発明に係る半導体レーザによれば、広い波長選択幅を実現することができる。
上記半導体レーザは、前記第1回折格子領域の回折格子部と同等のピッチを持つ回折格子部とスペース部とからなるセグメントが複数接続され、反射スペクトルのピーク波長が、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有する第2回折格子領域をさらに備えていてもよい。前記半導体レーザは、温度制御装置上に配置されていてもよい。
前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、±10nmの範囲にあってもよい。前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nm以上100nm以下の範囲にあってもよい。前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nm以上70nm以下の範囲にあってもよい。前記利得領域および前記光吸収領域は、それぞれ複数箇所に設けられていてもよい。
本発明に係る他の半導体レーザは、利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、前記光吸収領域の光吸収層の2バンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、±10nmの範囲にあることを特徴とする。本発明に係る他の半導体レーザによれば、広い波長選択幅を実現することができる。
本発明に係る他の半導体レーザは、利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nmより大きく、かつ100nm以下であることを特徴とする。
上記半導体レーザは、前記第1回折格子領域の回折格子部と同等のピッチを持つ回折格子部とスペース部とからなるセグメントが複数接続され、反射スペクトルのピーク波長が、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有する第2回折格子領域をさらに備えていてもよい。
本発明に係る半導体レーザの制御方法は、利得スペクトルに周期的な波長ピークを有する利得領域と、光吸収領域と、を備える半導体レーザにおいて、指定された波長情報に応じて、前記利得領域の第1利得帯域または前記第1利得帯域よりも短波長側の第2利得帯域が実現されるように、前記光吸収領域に電気信号を入力する第1ステップを含むことを特徴とする。本発明に係る半導体レーザの制御方法によれば、広い波長選択幅を実現することができる。
前記半導体レーザは、反射スペクトルに周期的な波長ピークを有する波長選択領域を備えるとともに、温度制御装置上に配置され、前記制御方法は、前記温度制御装置を用いた前記利得スペクトルの調整と、前記波長選択領域の反射スペクトルの調整とによって前記半導体レーザの発振波長を調整する第2ステップを含んでいてもよい。
本発明に係る半導体レーザおよびその制御方法によれば、広い波長選択幅を実現することができる。
実施例1に係る半導体レーザの全体構成を示す模式的断面図である。 利得スペクトルの利得および反射スペクトルと波長との関係を示す図である。 バンドフィリング効果を説明するための図である。 レーザ装置の全体構成を示す図である。 レーザ装置の制御の一例を示すフローチャートである。 (a)は第1の利得帯域および第2の利得帯域を示す図であり、(b)は設定値に応じて実現された反射スペクトルを示す図である。 (a)は選択された利得帯域に含まれる波長ピークを示し、(b)は反射スペクトルに含まれる波長ピークを示す。 実施例2に係る半導体レーザの全体構成を示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、実施例1に係る半導体レーザ100の全体構成を示す模式的断面図である。図1に示すように、半導体レーザ100は、SG−DFB(Sampled Grating Distributed Feedback)領域Aと、CSG−DBR(Chirped Sampled Grating Distributed Reflector)領域Bと、光吸収領域Cと、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)領域Dと、を備える。本実施例においては、SOA領域D、SG−DFB領域A、光吸収領域CおよびCSG−DBR領域Bの順に連結されている。
SG−DFB領域Aは、基板1上に、下クラッド層2、活性層3、上クラッド層6、コンタクト層7、および電極8が積層された構造を有する。CSG−DBR領域Bは、基板1上に、下クラッド層2、光導波層4、上クラッド層6、絶縁膜9、および複数のヒータ10が積層された構造を有する。各ヒータ10には、電源電極11およびグランド電極12が設けられている。光吸収領域Cは、基板1上に、下クラッド層2、光吸収層5、上クラッド層6、コンタクト層13、および電極14が積層された構造を有する。SOA領域Dは、基板1上に、下クラッド層2、光増幅層19、上クラッド層6、コンタクト層20、および電極21が積層された構造を有する。
SG−DFB領域A、CSG−DBR領域B、光吸収領域CおよびSOA領域Dにおいて、基板1、下クラッド層2、および上クラッド層6は、一体的に形成されている。活性層3、光導波層4、光吸収層5および光増幅層19は、同一面上に形成されている。SOA領域D側の基板1、下クラッド層2、活性層3および上クラッド層6の端面には、AR膜16が形成されている。半導体レーザ100においては、AR膜16がフロント側端面となる。CSG−DBR領域B側の基板1、下クラッド層2、光吸収層5、および上クラッド層6の端面には、反射膜17が形成されている。半導体レーザ100においては、反射膜17がリア側端面となる。
回折格子(コルゲーション)18は、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域B、および光吸収領域Cの下クラッド層2に所定の間隔を空けて複数箇所に形成されている。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bは、複数のセグメントにより構成される。ここでセグメントとは、回折格子18が設けられている領域と回折格子18が設けられていないスペース部とが1つずつ連続する領域のことをいう。回折格子18は、下クラッド層2とは異なる屈折率の材料で構成されている。回折格子を構成する材料は、下クラッド層2がInPの場合、例えばGa0.22In0.78As0.470.53を用いることができる。SG−DFB領域Aに回折格子18を分散して設けることによって、SG−DFB領域Aは、利得スペクトルに周期的な波長ピークを有する。CSG−DBR領域Bに回折格子18を分散して設けることによって、CSG−DBR領域Bは、反射スペクトルに周期的な波長ピークを有する。本実施例においては、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域B、および光吸収領域Cにおける各回折格子18は、同等のピッチを有する。
回折格子18は、公知の2光束干渉露光法を使用したパターンニングにより形成することができる。回折格子18の間に位置するスペース部は、回折格子18のパターンをレジストに露光した後、スペース部に相当する位置に再度露光を施すことで実現できる。
また、CSG−DBR領域Bにおいては、少なくとも2つのセグメントの光学的長さが、互いに異なって形成されている。それにより、CSG−DBR領域Bの反射スペクトルのピーク強度は、波長依存性を有するようになる。一方、SG−DFB領域Aにおける各セグメントの光学的長さは、実質的に互いに同一である。これらSG−DFB領域A、CSG−DBR領域Bの組み合わせにより、バーニア効果を利用して、所望の波長で安定してレーザ発振させることができる。
基板1は、例えば、n型InPからなる結晶基板である。下クラッド層2はn型半導体、上クラッド層6はp型半導体であり、それぞれ例えばInPによって構成される。下クラッド層2および上クラッド層6は、活性層3、光導波層4、光吸収層5および光増幅層19を上下で光閉込めしている。
活性層3は、利得を有する半導体で構成されている。光導波層4は、例えばバルク半導体層で構成することができ、例えばGa0.22In0.78As0.470.53によって構成することができる。光吸収層5は、レーザ発振波長と同程度の利得導波路層、レーザ発振波長よりもバンドギャップの大きい受動導波路などである。光増幅層19は、量子井戸構造などで構成することができ、例えばGa0.35In0.65As0.990.01(厚さ5nm)の井戸層とGa0.15In0.85As0.320.68(厚さ10nm)の障壁層が交互に積層された構造とすることができる。活性層3および光吸収層5を構成する材料の詳細については後述する。
コンタクト層7,13,20は、例えばp型Ga0.47In0.53As結晶によって構成することができる。絶縁膜9は、SiN,SiO等の絶縁体からなる保護膜である。ヒータ10は、NiCr等で構成された薄膜抵抗体である。ヒータ10のそれぞれは、CSG−DBR領域Bの複数のセグメントにまたがって形成されていてもよい。
電極8,14,21、電源電極11、およびグランド電極12は、金等の導電性材料からなる。基板1の下部には、裏面電極15が形成されている。裏面電極15は、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域B、光吸収領域CおよびSOA領域Dにまたがって形成されている。
AR膜16は、1.0%以下の反射率を有する端面膜であり、実質的にその端面が無反射となる特性を有する。AR膜16は、例えばMgFおよびTiONからなる誘電体膜で構成することができる。一方、反射膜17は、AR膜16と比較して有意の反射率を有しており、具体的には10%以上の反射率を実現する端面膜である。なお、ここで反射率とは、半導体レーザ100内部に対する反射率を指す。
続いて、半導体レーザ100の動作の概略について説明する。電極8に所定の電流を注入することによって、SG−DFB領域Aに利得スペクトルが実現される。各ヒータ10に所定の電力を注入することによって、CSG−DBR領域Bに所定の反射スペクトルが実現される。半導体レーザ100の温度を図示しない温度制御装置(TEC:Thermoelectric cooler)によって、所定の値に制御することによって、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域Bによって選択された波長により、レーザ発振がなされる。このレーザ光は、フロント側端面(SG−DFB領域A側)から外部に出力される。電極21に所定の電流を注入することによって、半導体レーザ100の出力光が増幅される。
半導体レーザ100の波長可変の仕組みは、ヒータ10の加熱によりCSG−DBR領域Bの回折格子18間の光路長を変化させることによってCSG−DBR領域Bの反射ピークを数nm程度変化させることと、SG−DFB領域Aの利得スペクトルのピークとCSG−DBR領域Bの反射スペクトルのピークとのバーニア効果によって波長可変幅拡大効果を得ることと、半導体レーザ100全体の温度制御(例えば、2.5nm/25℃)によって波長を選択すること、とから成り立っている。
半導体レーザ100の波長可変域が制限される要因として、利得領域(SG−DFB領域A)の利得帯域と、反射領域(CSG−DBR領域B)の反射強度帯域とが挙げられる。図2は、SG−DFB領域Aの反射スペクトルの反射強度と波長との関係、および利得帯域の利得と波長との関係を示す図である。図2に示すように、横軸は波長を示し、縦軸は利得または反射強度を示す。
利得領域(SG−DFB領域A)に供給する電流を変化させただけでは、利得スペクトルのピーク位置は変化しない。たとえば、供給電流がしきい値電流を超えている場合、キャリア密度がしきい値キャリア密度に固定されるからである。この場合、比較的高い利得が実現される領域(利得帯域)が所定の波長範囲に制限されるため、半導体レーザ100の波長選択幅は広くならない。
そこで、本実施例においては、利得領域(SG−DFB領域A)と独立に電流・電圧制御可能な光吸収領域Cにおける光吸収量を制御することによって、しきい値キャリア密度を変化させる。この場合、バンドフィリング効果を利用して、利得スペクトルのピーク位置を変化させることができる。バンドフィリング効果とは、半導体のキャリア密度が増加するに伴い、伝導帯の下から電子が充填されて、価電子帯上端からホールが充填されることにより、低エネルギー部(伝導帯下端と価電子帯上端との間)の遷移の吸収飽和が生じ、高エネルギー部の遷移が支配的になり、半導体の利得ピークが高エネルギー側にシフトする現象のことである。
図3(a)は、バンドフィリング効果を説明するための図である。図3(a)に示すように、キャリア密度が増加すると、利得スペクトルのピークは短波長側にシフトする。この場合、利得スペクトルのピーク値も同時に大きくなる。しかしながら、光吸収領域Cにおける吸収量を多くすることによってキャリア密度を大きくする場合には、同時に利得ピーク値の増加が抑制される。したがって、図3(b)に示すように、ピーク値の変動を抑制しつつ利得スペクトルのピークを短波長側にシフトさせることができる。一方で、光吸収領域Cにおける吸収量を少なくすれば、キャリア密度が減少するに伴って利得ピークが長波長側にシフトする。この場合、利得ピーク値が減少するが、光吸収量が少なくなることから、ピーク値の変動を抑制しつつ利得スペクトルのピークを長波長側にシフトさせることができる。このように、光吸収領域Cにおける光吸収量を変化させることによって、利得帯域を短波長側から長波長側にかけて広くシフトさせることができる。それにより、半導体レーザ100の波長選択幅を拡大することができる。
光吸収領域Cの光吸収層5がSG−DFB領域Aの活性層3と同じ導波路構造を有する場合には、光吸収層5に逆方向電圧(もしくは順方向のバンドギャップ電圧以下)を印加することによって、光吸収領域C内を伝搬する光が吸収される。それにより、半導体レーザ100の全体の利得が減少し、SG−DFB領域Aの活性層3のしきい値電流(密度)が増加する。しきい値電流の増加に伴って、バンドフィリング効果により活性層3の利得帯域が短波長側にシフトし、短波長側の波長を安定して選択することができる。光吸収層5が活性層3と同等かそれより少し大きいバンドギャップを有する場合においても、フランツーケルディッシュ効果、QCSE効果等により同様の制御が可能である。
ここで、複素屈折率nは、n=n´−i×kで表される。「n´」は屈折率を示し、「i」は虚数単位を示し、「k」は消衰係数を示す。消衰係数kと吸収係数Aとの関係は、A=4πk/λで表される。なお、「λ」は波長を示す。吸収係数Aの符号を反転させたものが利得係数である。ある吸収係数Aを有する物質に光が入射したときの強度変化Iは、I=I×Exp(−Ax)で表される。なお、「I」は入射前の光強度を示し、「x」は光の進入深さを示す。パラメータαは、複素屈折率nが変化したときに、α=Δn´/Δkで表される値である。なお、Δn´はn´の変化量を示し、Δkはkの変化量を示す。以上の定義によれば、光吸収層5におけるαが−10以上+10以下の範囲に入っている。
なお、αの絶対値が小さいほど、光吸収層5の屈折率変化が抑制される。したがって、パラメータαは、−8から+8の範囲に入っていることが好ましく、−5から+5の範囲に入っていることがより好ましい。
続いて、半導体レーザ100の具体的な制御について説明する。図4は、半導体レーザ100を備えるレーザ装置200の全体構成を示す図である。図4に示すように、レーザ装置200は、半導体レーザ100、温度制御装置110、波長ロッカ120、コントローラ130、データハウス140、基幹コントローラ150などを備える。
半導体レーザ100は、温度制御装置110上に配置される。温度制御装置110は、半導体レーザ100の全体の温度制御を行う装置であり、一例としてペルチェ素子などである。波長ロッカ120は、半導体レーザ100の出力波長を検出する装置である。波長ロッカ120の検出結果は、コントローラ130に入力される。コントローラ130は、半導体レーザ100の動作を制御する装置であり、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)などを備える。データハウス140は、半導体レーザ100の設定値を記憶するメモリであり、ROM(リードオンリメモリ)などを備える。
図5は、コントローラ130によるレーザ装置200の制御の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ユーザによってチャネルが指定されると、基幹コントローラ150からコントローラ130にチャネルが指定される(ステップS1)。ここで、チャネルとは、半導体レーザ100の発振波長に対応した番号などのことである。
チャネルが指定されると、コントローラ130は、指定されたチャネルに応じて、短波長側の第1の利得帯域もしくは長波長側の第2の利得帯域をSG−DFB領域Aの利得帯域が選択される設定値をデータハウス140から取得する(ステップS2)。具体的な設定値には、SG−DFB領域Aの電極8に供給する電流値、CSG−DBR領域Bの各ヒータ10に供給する電力値、光吸収領域Cの電極14に供給する電流値、温度制御装置110に供給する電流値などが含まれる。光吸収領域Cの電極14に供給する電流値は、ステップS2で選択された利得帯域を実現するための電流値である。なお、この設定値は当該チャネルを選択するための設定値でもある。図6(a)に、第1の利得帯域および第2の利得帯域を示す。
次に、コントローラ130は、ステップS2で取得した設定値に基づいて半導体レーザ100の動作を制御する(ステップS3)。図6(b)は、設定値に応じて実現されたCSG−DBR領域Bの反射スペクトルを示す図である。次に、コントローラ130は、波長ロッカ120で検出された波長に基づいて、温度制御装置110の温度を制御するとともに、CSG−DBR領域Bの反射スペクトルを制御することによって、半導体レーザ100に所望の波長で発振させる(ステップS4)。
具体的には、ステップS2で選択された利得帯域に含まれる波長ピークと、CSG−DBR領域Bの反射スペクトルに含まれる波長ピークとが一致するように、温度制御装置110およびCSG−DBR領域Bのヒータ10が制御される。図7(a)は、選択された利得帯域に含まれる波長ピークを示す。図7(b)は、CSG−DBR領域Bの反射スペクトルに含まれる波長ピークを示す。図5のフローチャートによれば、指定されたチャネルに応じて利得帯域が選択されることから、広い波長選択幅を実現することができる。
なお、図5のフローチャートでは、ステップS2において選択可能な利得帯域が2種類であるが、3種類以上であってもよい。指定されたチャネルの波長が大きいほど長波長側の利得帯域が選択され、指定されたチャネルの波長が小さいほど短波長側の利得帯域が選択されればよい。
(活性層3および光吸収層5を構成する材料の具体例)
続いて、活性層3および光吸収層5を構成する材料の具体例について説明する。まず、活性層3と光吸収層5とが同じ組成の材料(バンドギャップ波長のずれが−10nm以上+10nm以下の範囲)で構成されていてもよい。例えば、コンタクト層7,13がp型InGaAsで構成され、コンタクト層7,13と上クラッド層6との間に中間層としてp型InGaAsP層が設けられ、上クラッド層6が1500nmの厚みのp型InPで構成され、下クラッド層2が200nmの厚みのn型InPで構成され、回折格子18がn型InGaAsP(波長:1300nm、厚み:50nm、Ga組成:0.29、As組成:0.62)で構成され、基板1がn型InPから構成されているとする。
この場合、活性層3および光吸収層5は、p型In(1−x)GaAs(1−y)のSCH層(波長:1150nm、厚み:100nm、Ga組成:0.19、As組成:0.41)/MQW層/n型InGaAsPのSCH層(波長:1150nm、厚み:50nm、Ga組成:0.29、As組成:0.41)の構造を有する。MQW層は、ウェル層としてInGaAsP(波長:1550nm、厚み:10nm、Ga組成:0.46、As組成:0.98)を6層備え、バリア層としてInGaAsP(波長:1300nm、厚み:10nm、Ga組成:0.29、As組成:0.62)を7層備える。また、活性層3は、SI−BH型の埋め込み構造に組み込まれていてもよい。この場合、活性層3のストライプ幅は2μm程度である。
上記構成では、光吸収領域CとSG−DFB領域Aとの長さ比を1:3とした場合、長波長側の光を出力する場合は、光吸収領域CおよびSG−DFB領域Aに対する電圧を同じ1.2V(電流比は概ね1:3=40mA:120mA)とする。短波長側の光を出力する場合は、光吸収領域Cに対する電圧を0.9V(電流は10mA、SG−DFB領域Aに対する電圧:1.3V、SG−DFB領域Aに注入される電流:180mA)とする。光吸収領域Cに対する電圧が正になっているが、透明キャリア密度以下のキャリアしか注入されないため、光吸収が起こる。駆動温度は25℃〜60℃とする。このような構造・駆動条件における屈折率変化は、消衰係数変化の−1.5倍程度である。
また、活性層3と光吸収層5とが異なる材料(バンドギャップ波長のずれが10nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上70nm以下)で構成されていてもよい。この場合、活性層3と光吸収層5とがバットジョイントされることになる。例えば、光吸収領域Cのバンドギャップが大きくなるように、MQWのウェルの組成(波長)を変更する。バンドギャップ波長差を適切に設定することによって、パラメータαを0付近にすることができる。例えば、活性層3の構成を上記とする。この場合、光吸収層5においては、MQW層以外は活性層3と同じとし、MQW層は、ウェル層としてInGaAsP(波長:1500nm、厚み:10nm、Ga組成:0.44、As組成:0.94)を6層備え、バリア層としてInGaAsP(波長:1300nm、厚み:10nm、Ga組成:0.29、As組成:0.62)を7層備える。
この場合、光吸収領域CとSG−DFB領域Aとの長さ比を1:3とした場合、長波長側の光を出力する場合は、光吸収領域Cに対する電圧を+0.2V(SG−DFB領域Aに対する電圧:1.2V、SG−DFB領域Aに注入される電流:150mA)とする。短波長側の光を出力する場合は、光吸収領域Cに対する電圧を−0.2V(SG−DFB領域Aに対する電圧:1.3V、SG−DFB領域Aに注入される電流:200mA)とする。このような構造・駆動条件における屈折率変化は、消衰係数変化の0.1倍程度である。
本実施例によれば、利得領域と独立して電流・電圧制御可能な光吸収領域が設けられ、当該光吸収領域の屈折率変化が消衰係数の変化の−10倍から+10倍の範囲に設定されていることから、波長選択の安定性を維持しつつ広い波長選択幅を実現することができる。
図8は、実施例2に係る半導体レーザ100aの全体構成を示す模式的断面図である。図8に示すように、半導体レーザ100aが半導体レーザ100と異なる点は、光吸収領域Cが複数に分割されてSG−DFB領域A内に配置されている点である。このように、光吸収領域Cは、複数箇所に分散して設けられていてもよい。なお、光吸収領域Cを複数箇所に分散して設けることによって、CSG−DBR領域Bの反射効果の変化を抑制することができる。それにより、波長選択安定性がより高くなる。
上記各実施例においては、反射器としてCSG−DBR領域Bを用いたが、各セグメント長が実質的同一のSG−DBR領域を代わりに用いてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 基板
2 下クラッド層
3 活性層
4 光導波層
5 光吸収層
6 上クラッド層
7,13,20 コンタクト層
8,14,21 電極
10 ヒータ
15 裏面電極
18 回折格子
100 半導体レーザ
110 温度制御装置
120 波長ロッカ
130 コントローラ
140 データハウス
150 基幹コントローラ
200 レーザ装置

Claims (12)

  1. 利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、
    前記光吸収領域は、n´−i×kで表される前記光吸収領域の複素屈折率nが変化したとき、−10≦Δn´/Δk≦10を満たす(nは前記光吸収領域の複素屈折率、iは虚数単位、kは消衰係数、Δn´はnが変化した場合のn´の変化量、Δkはnが変化した場合のkの変化量を示す)ことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記第1回折格子領域の回折格子部と同等のピッチを持つ回折格子部とスペース部とからなるセグメントが複数接続され、反射スペクトルのピーク波長が、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有する第2回折格子領域をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記半導体レーザは、温度制御装置上に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ。
  4. 前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、±10nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
  5. 前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nm以上100nm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
  6. 前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nm以上70nm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
  7. 前記利得領域および前記光吸収領域は、それぞれ複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ。
  8. 利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、
    前記光吸収領域の光吸収層の2バンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、±10nmの範囲にあることを特徴とする半導体レーザ。
  9. 利得領域と光吸収領域とを備え、回折格子部とスペース部とからなるセグメントが前記利得領域および前記光吸収領域に対応して複数接続して設けられ、利得スペクトルのピーク波長が第1の周期を持つ第1回折格子領域を有し、
    前記光吸収領域の光吸収層のバンドギャップ波長と、前記利得領域の活性層のバンドギャップ波長との差は、10nmより大きく、かつ100nm以下であることを特徴とする半導体レーザ。
  10. 前記第1回折格子領域の回折格子部と同等のピッチを持つ回折格子部とスペース部とからなるセグメントが複数接続され、反射スペクトルのピーク波長が、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有する第2回折格子領域をさらに備えることを特徴とする請求項8あるいは9記載の半導体レーザ。
  11. 利得スペクトルに周期的な波長ピークを有する利得領域と、光吸収領域と、を備える半導体レーザにおいて、
    指定された波長情報に応じて、前記利得領域の第1利得帯域または前記第1利得帯域よりも短波長側の第2利得帯域が実現されるように、前記光吸収領域に電気信号を入力する第1ステップを含むことを特徴とする半導体レーザの制御方法。
  12. 前記半導体レーザは、反射スペクトルに周期的な波長ピークを有する波長選択領域を備えるとともに、温度制御装置上に配置され、
    前記制御方法は、前記温度制御装置を用いた前記利得スペクトルの調整と、前記波長選択領域の反射スペクトルの調整とによって前記半導体レーザの発振波長を調整する第2ステップを含むことを特徴とする請求項11記載の半導体レーザの制御方法。
JP2011215501A 2011-09-29 2011-09-29 半導体レーザおよびその制御方法 Withdrawn JP2013077645A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011215501A JP2013077645A (ja) 2011-09-29 2011-09-29 半導体レーザおよびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011215501A JP2013077645A (ja) 2011-09-29 2011-09-29 半導体レーザおよびその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013077645A true JP2013077645A (ja) 2013-04-25

Family

ID=48480915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011215501A Withdrawn JP2013077645A (ja) 2011-09-29 2011-09-29 半導体レーザおよびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013077645A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016111118A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 住友電気工業株式会社 半導体レーザ及び半導体レーザアレイ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016111118A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 住友電気工業株式会社 半導体レーザ及び半導体レーザアレイ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9935426B2 (en) Optical semiconductor device
US8563991B2 (en) Optical semiconductor device, laser chip and laser module
US8995483B2 (en) Methods and apparatus for temperature tuning of semiconductor lasers
JP4657853B2 (ja) 半導体レーザ、レーザモジュール、光学部品、レーザ装置、半導体レーザの製造方法および半導体レーザの制御方法
JP5597029B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
US8638825B2 (en) Wavelength tunable laser diode
JP6186864B2 (ja) 半導体レーザ
JP2018155963A (ja) 光スイッチ
JP6304582B2 (ja) 波長可変レーザの制御方法
JP6308089B2 (ja) 光半導体装置の制御方法
JP4283869B2 (ja) 光半導体装置および光半導体装置の制御方法
JP6319721B2 (ja) 波長可変レーザの制御方法
JP2016152360A (ja) 光半導体装置
JP4864858B2 (ja) 波長可変レーザ光発生装置
JP6730868B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
JP2013077645A (ja) 半導体レーザおよびその制御方法
JP6256745B2 (ja) 波長可変レーザの制御方法
JP6382506B2 (ja) 波長可変レーザの制御方法
JP5303580B2 (ja) 光半導体装置、レーザチップおよびレーザモジュール
JP2014220388A (ja) 光半導体素子、光半導体装置、および光半導体素子の制御方法
Thomas et al. Mechanism for enhanced wavelength tuning in gain‐levered InP quantum dot lasers
JP2015088676A (ja) 波長可変レーザの制御方法
Sun et al. Laser Diode Basics
JP2014222737A (ja) 光半導体素子
JPH06224517A (ja) 波長可変半導体レーザ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141202