JP2018155963A - 光スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチ動作及びスイッチング特性の安定性を維持したまま、大規模集積が可能な光スイッチを提供する。【解決手段】基板上に形成された下部クラッドの内部にコアが形成された光導波路と、前記下部クラッド上に形成された中間クラッドであって、前記コアの上部に埋め込まれた相変化材料、および該相変化材料の下面に接し、対向する面が前記下部クラッドと接するヒータ膜を含む中間クラッドと、該中間クラッド上に形成された上部クラッドとを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、光スイッチに関し、より詳細には、相変化材料を位相変調器もしくは光減衰器として用いた導波路型の光スイッチに関する。
近年、光通信ネットワークにおける通信トラフィック及び消費電力の増大が深刻化し、光通信素子の高性能化が要求されている。特に、光導波路を伝播する光信号の制御を行う光スイッチは、キーデバイスとされる。このうち、不揮発かつ小型化、高速動作可能である相変化材料を用いた光スイッチが注目され、様々な構成が検討されてきた。
相変化材料は、アモルファス相と結晶相の2つの相状態を保持可能な材料で、結晶相はアモルファス相よりも屈折率が高く、光吸収が大きいという特徴がある。結晶状態の相変化材料に融点以上で数十ns程度加熱し、その後急冷することにより、アモルファス相へと転移する。また、アモルファス相の相変化材料に結晶化温度以上融点未満の加熱を加えることにより、結晶相へと転移する。相変化材料を用いた光スイッチは、このような相転移に伴う光学的特性の変化を利用し、導波路コアを伝播する光信号の位相を変調し、または光エネルギーを吸収し、光スイッチ動作を達成する。
従来の相変化材料を用いた光スイッチの構成には、相変化手段として高出力レーザによるパルス照射(例えば、特許文献1参照)、相変化材料の直接加熱(例えば、特許文献2参照)、金属ヒータを用いた相変化材料の間接加熱(例えば、特許文献2参照)が利用されてきた。
レーザパルス照射を利用する構成では、導波路コアの一部を相変化材料に置き換え、相変化材料にパルス照射することにより、最小限の構成で最大限の性能を確保することができる。一方で、スイッチ部の数だけ相変化用の高出力レーザが必要になるため、大規模集積化が難しく、実用性に欠くという課題がある。また、照射するレーザパルスに存在するパワーの不均一性が原因で、相変化材料の均一な相転移が困難であり、スイッチ動作及びスイッチング特性の安定性に欠けるという課題もある。
相変化材料への直接加熱を利用する構成では、相変化材料に通電するための金属配線が、導波路を伝播する光のフィールドにかかるため、スイッチング特性の劣化を生ずるという課題がある。また、直接加熱では、部分的な相変化を起こすため、相変化材料を均一に安定して相転移させることは難しく、スイッチ動作が不安定になるという課題もある。これは、相変化材料のアモルファス状態と結晶状態における抵抗率の違いが原因である。例えば、Ge2Sb2Te5という相変化材料であれば、アモルファス状態の抵抗率は結晶状態よりも5桁程度大きいため、結晶状態に相転移した瞬間に相変化材料を流れる電流値が5倍程度に上昇する。従って、電流制御が困難なこの構成では、安定した相変化は難しくなる。
金属ヒータを用いる間接加熱を利用する構成では、直接加熱を利用する構成と同様に、金属材料が導波路近傍に存在することになるため、金属ヒータによって導波路伝搬光に吸収・散乱が生じ、スイッチング特性が劣化するという課題がある。
特開2011−150297号公報 特開2011−33963号公報
Kentaro Kato and Hiroyuki Tsuda, "Design of a Current−Driven Optical Gate Switch using a Si Waveguide and Phase−Change Material," 11th Conference on Lasers and Electro−Optics Pacific Rim (CLEO Pacific Rim 2015), 26J3−2, Aug. 24−28, Busan, Korea, (2015).
そこで、導波路コアの近傍に相変化材料を装荷し、金属ヒータを用いて、相変化材料を間接加熱する構成が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。導波路コアと金属ヒータとの間に、上部クラッド層と相変化材料とがあることから、金属材料が導波路を伝播する光のフィールドにかかることがなく、スイッチング特性の劣化を抑制することができる。しかしながら、相変化材料によって所望の光エネルギーの吸収を得るには、導波路コアの一部を相変化材料に置き換えた場合と比較して、大きな相変化材料を装荷する必要がある。加えて、相変化手段としてのヒータの熱容量も大きくする必要がある。従って、導波路コアの一部を相変化材料に置き換えた場合と比較して、光スイッチの規模が大きくなってしまうという課題がある。
本発明の目的は、スイッチ動作及びスイッチング特性の安定性を維持したまま、大規模集積が可能な光スイッチを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、光スイッチの一実施態様は、基板上に形成された下部クラッドの内部にコアが形成された光導波路と、前記下部クラッド上に形成された中間クラッドであって、前記コアの上部に埋め込まれた相変化材料、および該相変化材料の下面に接し、対向する面が前記下部クラッドと接するヒータ膜を含む中間クラッドと、該中間クラッド上に形成された上部クラッドとを備えたことを特徴とする。
このような構成により、光導波路近傍に装荷された相変化材料の相転移に伴う複素屈折率の変化を利用して、光導波路中の光信号の位相変調または吸収を行うことにより、スイッチ動作を達成する。相変化材料の下部に接してヒータ膜を設けることにより、電流駆動型の光スイッチを構成する。
本発明によれば、相変化材料の均一な相変化が可能になるため、スイッチ動作及びスイッチング特性をより安定化することができ、従来の構成と比較して、相変化材料、ヒータ膜を小さくすることができ、光スイッチの大規模集積化が可能となる。
本発明の一実施形態にかかる光スイッチを示す上面図である。 図1に示した光スイッチの断面図である。 本実施形態の光スイッチを適用したマッハツェンダー干渉計型光スイッチを示す図である。 本実施形態の光スイッチの適用例を示す図である。 実施例1にかかる光スイッチを示す上面図である。 図4に示した光スイッチの断面図である。 コアと相変化材料との間の距離に対する光損失の関係を示す図である。 実施例1にかかる光スイッチにおける相変化材料の抵抗値変化を示す図である。 実施例1にかかる光スイッチにおける光信号の透過率変化を示す図である。 実施例2にかかる光スイッチを示す上面図である。 図9に示した光スイッチの断面図である。 実施例3にかかる光スイッチを示す上面図である。 図10に示した光スイッチの断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかる光スイッチの上面から見た透視図を示し、図2に断面図を示す。基板100上に設けた下部クラッド101の内部にコア102を形成し、光導波路を構成する。下部クラッド101上には、中間クラッド104と上部クラッド107とが順に設けられている。中間クラッド104には、コア102の直上部に相変化材料103が埋め込まれており、相変化材料103の下面に接し、対向する面が下部クラッド101と接する下部ヒータ膜106が装荷されている。上部クラッド107には、相変化材料103の上面と中間クラッド104とに接する上部ヒータ膜105が装荷されている。上部ヒータ膜105の両端には電極108、109が、下部ヒータ膜106の両端には電極110、111が、それぞれ接続されている。
相変化材料103を間に挟み込んだ2層のヒータ膜は、中間クラッド104により絶縁されており、独立に動作する。また、上部ヒータ膜105は上部クラッド107によって覆われ、ヒータによる熱の拡散を防ぐ。このような構成により、コア102と相変化材料103との間には、下部クラッド101と下部ヒータ膜106とが挿入されており、所定の間隔(GAP)で配置されている。
光導波路を構成するコア102としては、扱う光信号の波長帯域において吸収が少ない材料を選ぶ必要がある。本実施形態では、シリコンを用いる。下部クラッド101、中間クラッド104、上部クラッド107は、コア102に光の閉じ込めるために、屈折率がコア102よりも小さく、光の吸収が少ない材料を選ぶ必要がある。また、2層のヒータ膜105,106を絶縁するための絶縁性も必要である。
相変化材料103としては、温度で結晶構造が変化し、加熱によって構造を制御できる材料であって、カルコゲナイド系材料などの相変化型光ディスクなどで実績のある材料が望ましい。光スイッチに適用する際、光信号の透過時の光損失を低減するためには、アモルファス状態で光の吸収が小さいものが望ましい。光信号を遮断する時の吸収材として用いる場合には、結晶状態での光の吸収が大きいものが望ましい。例えば、テトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、Sb−Te系カルコゲナイド系材料などを用いることができる。このうち、Ge2Sb2Te5(GST)は、通信波長帯1550nmの複素屈折率は、結晶状態で5.1+0.5i、アモルファス状態で3.6+0.01iであり、吸収材として望ましい。
上部ヒータ膜105および下部ヒータ膜106は、電気伝導性を持ちつつ、光の吸収・散乱をしにくい材料が望ましい。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アルミニウム、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化ガリウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、LiTi24、Nb1229、MoOXなどを用いることができる。光通信の波長帯で透明、または光吸収の低い伝導材料を用いることにより、ヒータ部における光の散乱・吸収を抑え、光信号の透過時の光損失を抑制することができる。また、電気抵抗率の低い材料は熱伝導率が高いため、加熱後のヒータ膜は放熱膜として働き、相転移時の冷却を補助することができる。
一般的に、透明伝導材料は耐熱性に乏しく、相転移に必要な高温に耐える材料が少ない。しかしながら、以下の実施例にも示す通り、本実施形態の光スイッチでは、ナノ秒オーダの短期的な加熱であるため、耐熱性の乏しい透明伝導材料であっても、破損することなく繰り返し動作することができる。
電極108〜111は、耐熱性を有し、電気伝導性の高い金属材料が望ましく、2層のヒータ膜105、106とオーミック接触する金属からなる。例えば、金、銀、プラチナ、銅、高ドープされた半導体材料などを用いることができる。
相変化手段として、2層のヒータ膜105、106の片方もしくは両方に電流を流し、ヒータとして発熱させることにより、相変化材料103を加熱する間接加熱を利用する構成とすることができる。また、2層のヒータ膜105、106を異なる極性の電極として用いて電圧を印加することにより、相変化材料103に直接電流を流して発熱させる、直接加熱を利用する構成とすることもできる。このような相変化手段を用いることにより、相変化材料103の相転移に伴う複素屈折率変化を利用し、コア102を伝播する光信号を吸収し、スイッチ動作を達成する。
本実施形態によれば、相変化材料の上下に密着した2つのヒータ層により、独立して加熱することができ、上下からの加熱により相変化材料全体を均一に加熱することができる。従って、従来より厚い相変化材料を用いることもでき、光スイッチの設計の自由度を高めることができる。また、相変化材料への直接加熱と間接加熱の両方式を適用することができる。従って、相変化材料の均一な相変化が可能になるため、スイッチ動作及びスイッチング特性をより安定化することができる。
本実施形態によれば、所定のスイッチ動作及びスイッチング特性が与えられたとき、従来の構成と比較して、相変化材料、ヒータ膜を小さくすることができ、光スイッチの大規模集積化が容易になる。
図3に、本実施形態の光スイッチを適用したマッハツェンダー干渉計型光スイッチを示す。マッハツェンダー干渉計型光スイッチは、入力導波路114a,bに接続された方向性結合器115と、出力導波路116a,bに接続された方向性結合器117と、方向性結合器115,117の間を接続する2本のアーム導波路112a,bと、アーム導波路112a,bの各々に挿入されたスイッチ動作部113a,bとから構成されている。スイッチ動作部113a,bを除く回路は、図2に示した基板100上に設けた下部クラッド101の内部にコア102を形成した光導波路により作製する。
スイッチ動作部113は、図1に示した光スイッチに同じである。入力導波路114の一方から入力された光信号を、スイッチ動作部113の各々により位相変調を行い、方向性結合器117での干渉を利用して、出力導波路116のいずれか一方から出力されるようにスイッチ動作を行う。このように相変化材料103を位相変調器として用いる場合は、相変化による屈折率変化が大きく、結晶状態での光吸収が小さい材料が望ましい。また、相変化材料103に窒素ドーピングを行うことにより、複素屈折率を低減することができる。
図4に、本実施形態の光スイッチのさらなる適用例を示す。断面構造は、図2に示した構造に同じであり、コア152の直上部には、相変化材料153a,bが2箇所に埋め込まれており、それぞれ下部ヒータ膜156a,bと上部ヒータ膜155a,bとが装荷されている。上部ヒータ膜155a,bの両端にはそれぞれ電極158a,b、159a,bが、下部ヒータ膜156a,bの両端にはそれぞれ電極160a,b、161a,bが、それぞれ接続されている。
このような構成により、図1の構成と同じ大きさの相変化材料を用いれば、コア152を伝播する光信号への光吸収・変調効果をより高めることができる。一方、図1の構成と比較して、同じ光吸収・変調効果を奏するようにする場合、それぞれの相変化材料、ヒータ膜を小さくすることができるので、回路設計の自由度が増す。
図5に、実施例1にかかる光スイッチの上面から見た透視図を示し、図6に断面図を示す。多結晶シリコンからなる基板100上に設けた石英からなる下部クラッド101の内部にシリコンコア202を形成し、光導波路を構成する。下部クラッド101上には、石英からなる中間クラッド104と石英からなる上部クラッド107とが順に設けられている。中間クラッド104には、コア202の直上部に、Ge2Sb2Te5で構成される相変化材料203が埋め込まれており、相変化材料203の下面に接し、対向する面が下部クラッド101と接する下部ヒータ膜206が装荷されている。上部クラッド107には、相変化材料203の上面と中間クラッド104とに接する上部ヒータ膜205が装荷されている。上部ヒータ膜205の両端には電極208、209が、下部ヒータ膜206の両端には電極210、211が、それぞれ接続されている。
コア202にはシリコンを用いているが、窒化シリコン、シリコンゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ素化ガリウム、窒化ガリウム、リン化ヒ素化インジウムガリウム、ヒ素化インジウムアルミニウム、ヒ素化インジウムガリウム、又は、ヒ素化窒化ガリウムなどでも代用可能である。
上部ヒータ膜205および下部ヒータ膜206は、電気伝導性を持ちつつ、光の吸収・散乱をしにくいITOを用いているが、インジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛、ゲルマニウム、ガリウムの酸化物、ランタノイドを含む酸化物、遷移金属酸化物またはそれらの複合酸化物、カーボンナノチューブ、またはグラフェンなどの透明伝導材料でも代用可能である。また、2つのヒータ膜205,206を、コア202に対して鋭角に交差させることにより、ヒータ部分における光損失をより低減することができる。2つのヒータ膜205,206のサイズは、幅1.5〜2μm、長さ3〜5μm、厚さ30nmである。
電極208〜211の材料には、金を用いているが、銀、プラチナ、銅、高ドープされた半導体材料などでも代用可能である。
コア202は、相変化材料203の近傍において、コア102より幅を広くしている。コア102は、幅400nm、高さ210nmであり、コア202は、幅2μm、高さ210nmであり、それぞれテーパ部により接続されている。相変化材料203近傍においてコア幅を広くすることにより、相変化材料203がアモルファス状態(光信号の透過時)における放射損失を低減することができる。
相変化材料203のサイズは、幅・長さともに1〜1.5μm、厚さ30nmである。コア幅に合わせて、相変化材料203の幅も広くすることができるので、結晶状態(光信号の遮断時)における光の吸収効率を上げることができる。また、コアの直上部に相変化材料を埋め込む際の作製トレランスが大きくなるので、作製も容易になる。なお、上述したように、相変化材料を均一に安定して相転移させることは難いので、光信号の遮断時における光の吸収量を確保できる限り、小さい方が望ましく、特に、電極間の距離、すなわち厚さは薄い方がよい。
下部クラッド101の厚さは3μm程度、中間クラッド104の厚さは30nm程度、上部クラッド107の厚さは2μm程度である。
光スイッチの設計方法について簡単に述べる。光信号波長が決まり、導波路のパラメータが決定すると、コア202の幅が決まる。光信号の透過率、および透過時と遮断時との間の消光比から、相変化材料203のサイズを決定し、相変化に必要な熱量からヒータ膜のサイズを決定する。このとき、コア202と相変化材料203との間の距離は、光信号の透過時における放射損失を関わる。
図7に、コアと相変化材料との間の距離に対する光損失の関係を示す。実施例1の構成において、波長1550nmの光信号の透過時、コア202と相変化材料203との間の距離(GAP)が40nmのとき、最も放射損失が小さいことがわかる。従って、下部ヒータ膜206の厚さ30nmであるので、コア202の上部と下部ヒータ膜206との間に10nm程度の下部クラッド101が残っていることが望ましい。
間接加熱を利用して相変化材料203を加熱する場合、結晶状態からアモルファス状態へ相転移させるとき、電極208,209の間、電極210,211の間の少なくとも一方に、数V、数十〜数百ns幅のパルス電圧を印加する。アモルファス状態から結晶状態へ遷移させるときは、同様にして数V、数百ns〜数百ms幅のパルス電圧を印加する。
直接加熱を利用して相変化材料203を加熱する場合、2層のヒータ膜205、206を異なる極性の電極として用いて、間接加熱の場合と同じ電圧およびパルス幅のパルス電圧を印加する。
図8に、実施例1にかかる光スイッチにおける相変化材料の抵抗値変化を示す。実施例1の構成において、間接加熱を利用して相変化材料203を加熱したとき、2つのヒータ膜205,206間の相変化材料203の抵抗値変化を測定したグラフである。初期状態(0回)は結晶相であり、奇数回のパルス電圧の印加によりアモルファス相に変化し、偶数回のパルス電圧の印加により結晶相に変化して、パルス印加毎に繰り返し相変化していることがわかる。
奇数回(結晶相→アモルファス相)においては、約12V、パルス幅100nsのパルス電圧を印加し、偶数回(アモルファス相→結晶相)においては、約6.5V、パルス幅100msのパルス電圧を印加している。
なお、直接加熱を利用して相変化材料203を加熱する場合は、奇数回(結晶相→アモルファス相)においては、約10V、パルス幅100nsのパルス電圧を印加し、偶数回(アモルファス相→結晶相)においては、抵抗値変化が大きいため、パルス電圧ではなく、0〜2Vの電圧を印加する。相変化に伴う相変化材料203の抵抗値変化は、図8に示した結果とほぼ同じになる。
図9に、実施例1にかかる光スイッチにおける光信号の透過率変化を示す。実施例1の構成において、上述した間接加熱を利用して相変化材料203を制御してスイッチ動作をさせたときの透過率変化を示す。光通信の代表的な波長帯C帯とL帯の波長1525〜1625nmで測定した。波長帯の全域にわたって、一定の透過率変化を示していることがわかる。
図10に、実施例2にかかる光スイッチの上面から見た透視図を示し、図11に断面図を示す。多結晶シリコンからなる基板100上に設けた石英からなる下部クラッド101の内部にシリコンコア302を形成し、光導波路を構成する。下部クラッド101上には、石英からなる中間クラッド104と石英からなる上部クラッド107とが順に設けられている。中間クラッド104には、コア302の直上部に、Ge2Sb2Te5で構成される相変化材料303が埋め込まれており、相変化材料303の下面に接し、対向する面が下部クラッド101と接する下部ヒータ膜306が装荷されている。上部クラッド107は、相変化材料203の上面と中間クラッド104とに接し、下部ヒータ膜306の両端には電極310、311が、それぞれ接続されている。
実施例1にかかる光スイッチと比較すると、上部ヒータ膜を備えていない。相変化材料303の厚さが薄く、片面のヒータだけでも均一に加熱できる場合に、作製プロセスを簡易化することができる。
間接加熱を利用して相変化材料303を加熱する構成となり、結晶状態からアモルファス状態へ相転移させるとき、電極310,311の間に、数V、数十〜数百ns幅のパルス電圧を印加する。アモルファス状態から結晶状態へ遷移させるときは、同様にして数V、数百ns〜数百ms幅のパルス電圧を印加する。
図12に、実施例3にかかる光スイッチを上面から見た透視図を示し、図13に、断面図を示す。多結晶シリコンからなる基板100上に設けた石英からなる下部クラッド101の内部にシリコンコア402を形成し、光導波路を構成する。下部クラッド101上には、石英からなる中間クラッド104と石英からなる上部クラッド107とが順に設けられている。中間クラッド104には、コア402の直上部に、Ge2Sb2Te5で構成される下部相変化材料403aが埋め込まれている。上部クラッド107には、相変化材料403aの上面と中間クラッド104とに接するヒータ膜406が装荷され、さらに、ヒータ膜406の上に接して、コア402の直上部、下部相変化材料403aと対向する位置にGe2Sb2Te5で構成される上部相変化材料403bが埋め込まれている。ヒータ膜406の両端には電極410、411が、それぞれ接続されている。
コア402、ヒータ膜406、電極410、411の材料は、実施例1に同じである。実施例2にかかる光スイッチに上部相変化材料を配置した形態をとる。上部相変化材料403bと下部相変化材料403aの2つが透明なヒータ膜に接しているため、一度のパルス電圧の印加により、より大きな光吸収・変調効果を得ることができる。
間接加熱を利用して相変化材料403を加熱する構成となり、結晶状態からアモルファス状態へ相転移させるとき、電極410,411の間に、数V、数十〜数百ns幅のパルス電圧を印加する。アモルファス状態から結晶状態へ遷移させるときは、同様にして数V、数百ns〜数百ms幅のパルス電圧を印加する。
100 基板
101 下部クラッド
102,152,202,302,402 コア
103,153,203,303,403 相変化材料
104 中間クラッド
105,155,205 上部ヒータ膜
106,156,206,306 下部ヒータ膜
406 ヒータ膜
107 上部クラッド
108〜111,158〜161,208〜211,310,311,410,411 電極
112 アーム導波路
113 スイッチ動作部
114 入力導波路
115,117 方向性結合器
116 出力導波路

Claims (8)

  1. 基板上に形成された下部クラッドの内部にコアが形成された光導波路と、
    前記下部クラッド上に形成された中間クラッドであって、
    前記コアの上部に埋め込まれた相変化材料、および
    該相変化材料の下面に接し、対向する面が前記下部クラッドと接するヒータ膜を含む中間クラッドと、
    該中間クラッド上に形成された上部クラッドと
    を備えたことを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記上部クラッドは、前記相変化材料の上面と前記中間クラッドとに接するヒータ膜をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 前記相変化材料は、テトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、またはSb−Te系カルコゲナイド系材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチ。
  4. 基板上に形成された下部クラッドの内部にコアが形成された光導波路と、
    前記下部クラッド上に形成され、前記コアの上部に埋め込まれた下部相変化材料を含む中間クラッドと、
    該中間クラッド上に形成された上部クラッドであって、
    前記下部相変化材料の上面と前記中間クラッドとに接するヒータ膜、および
    該ヒータ膜上に接して、前記下部相変化材料と対向する位置に埋め込まれた上部相変化材料を含む上部クラッドと
    を備えたことを特徴とする光スイッチ。
  5. 前記下部相変化材料および前記上部相変化材料は、テトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、またはSb−Te系カルコゲナイド系材料からなることを特徴とする請求項4に記載の光スイッチ。
  6. 前記ヒータ膜は、インジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛、ゲルマニウム、ガリウムの酸化物、ランタノイドを含む酸化物、遷移金属酸化物またはそれらの複合酸化物、カーボンナノチューブ、またはグラフェンからなることを特徴とする請求項1、2または4に記載の光スイッチ。
  7. 前記コアは、シリコン、窒化シリコン、シリコンゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ素化ガリウム、窒化ガリウム、リン化ヒ素化インジウムガリウム、ヒ素化インジウムアルミニウム、ヒ素化インジウムガリウム、またはヒ素化窒化ガリウムからなることを特徴とする請求項1、2または4に記載の光スイッチ。
  8. 前記ヒータ膜に接続され、オーミック接触を形成する金、銀、プラチナ、銅、または高ドープされた半導体材料からなる電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または4に記載の光スイッチ。
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