JP2013077408A - イオン発生装置及び空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安全性が高く、室内空間に高濃度のイオンを放出することができるイオン搬送路を備えたイオン発生装置及び空気清浄装置を実現する。
【解決手段】 イオンを発生させるイオン発生素子1と、イオン発生素子1を壁面に有し、発生したイオンを放出口8から放出するイオン搬送路6とを備えたイオン発生装置10において、イオン搬送路6は、内側に第1の誘電体層4、該誘電体層の外側に金属層5を有し、第1の誘電体層4の厚さに応じて、金属層5に所定の電圧を印加することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 イオンを発生させるイオン発生素子1と、イオン発生素子1を壁面に有し、発生したイオンを放出口8から放出するイオン搬送路6とを備えたイオン発生装置10において、イオン搬送路6は、内側に第1の誘電体層4、該誘電体層の外側に金属層5を有し、第1の誘電体層4の厚さに応じて、金属層5に所定の電圧を印加することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、正イオン又は負イオンを発生させるイオン発生装置及びこれを用いた空気清浄装置に関する。
近年、コロナ放電により正イオンあるいは負イオンを発生させるイオン発生装置が、空気清浄装置などに多く搭載され、実用化されている。イオン発生装置には大きく別けると2種類あり、負イオンだけを発生させるものと、正イオン及び負イオンを発生させるものがある。前者のイオン発生装置は、リラックス効果を生むことができ、後者のイオン発生装置は、空気中に浮遊するカビ菌やウィルスの分解、ニオイの除去、集塵等などの効果を生むことができる。
そして、上記の効果を促進するためには、空間内へ放出させるイオンの量を増加させれば良い。しかしながら、コロナ放電によって発生させたイオンは、イオン発生装置のイオン搬送路内面に接触し、イオン搬送路内面に留まってしまうため、空間内に放出するイオン量が減少するという課題があった。
この課題を解決するために、特許文献1には図9のように、絶縁されている外側のダクト81及び導電性を有する内側のダクト82からなる搬送路83を備え、内側のダクト82にイオンと同極性の直流電圧を印加する除電装置が開示されている。この装置によれば、内側のダクト82とイオンとの間に電気的な反発力を生じさせ、イオンが搬送路83の内側に接触することを防止することができ、搬送路83を通過するイオンの減少を抑制することが可能となる。
しかしながら、特許文献1に示された除電装置の搬送路83は、導電性を有する内側のダクト82が酸化し、錆びてしまうという問題がある。なぜならば、コロナ放電等でイオンを発生させる場合、同時にヒドロキシルラジカルやオゾンといった活性種も発生することが知られている。これらの活性種は強い酸化力を持っているため、導電性を有する内側のダクト82を酸化させるからである。さらに、搬送路83の内側のダクト82には、全体的に同じ電圧が印加されているため、電位勾配が形成されず、効率良く放出方向へイオンを導くことは出来ないといった課題も存在した。
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、耐久性が高く、コロナ放電により発生されたイオンが効率良く空間内へ高濃度のイオンを放出することができるイオン搬送路を備えたイオン発生装置及び空気清浄装置を実現することにある。
本発明に係るイオン発生装置は、イオンを発生させるイオン発生素子と、イオン発生素子を壁面に有し、発生したイオンを放出口から放出するイオン搬送路とを備えたイオン発生装置において、イオン搬送路は、内側に第1の誘電体層、該誘電体層の外側に金属層を有し、第1の誘電体層の厚さに応じて、金属層に所定の電圧を印加することを特徴とする。
また、イオン搬送路は、金属層の外側に第2の誘電体層を有しても良い。また、第1の誘電体層は、金属層を接地状態としたときに、イオン発生量が最大値近傍になるように、厚さ設定されても良い。また、第1の誘電体層の厚さは、イオン発生素子から放出口方向に、厚くなっても良い。前記イオン発生装置を備えた空気清浄装置を構成しても良い。
本発明によれば、耐久性が高く、室内空間に高濃度のイオンを放出することができるイオン搬送路を備えたイオン発生装置及び空気清浄装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の一つの実施形態を示すイオン発生装置10の断面図である。イオン発生装置10は、イオン発生素子1、第1の電圧印加装置2、送風部3、誘電体層4及び金属層5から構成されるイオン搬送路6と、第2の電圧印加装置7を備える。
図1は、本発明の一つの実施形態を示すイオン発生装置10の断面図である。イオン発生装置10は、イオン発生素子1、第1の電圧印加装置2、送風部3、誘電体層4及び金属層5から構成されるイオン搬送路6と、第2の電圧印加装置7を備える。
図2は、図1において破線で囲まれたイオン発生素子1を上方から見た拡大構成図である。イオン発生素子1は、コロナ放電を起こし、正イオン、及び負イオンの少なくともいずれかを生じさせるために、放電電極11及び対向電極である誘電電極12により構成されている。放電電極11は、針状の先端部11aを有している。誘電電極12は、環状の金属板より形成され、かつ放電電極に対して貫通孔を有している。この貫通孔は、コロナ放電により発生するイオンを外部へ放出するための開口部である。本実施形態では、貫通孔は1つであり、貫通孔の平面形状は例えば円形状である。放電電極11の先端部11aが誘導電極12の貫通孔のほぼ中央に配置されるように、放電電極11及び誘導電極12を支持基板13で固定する。放電電極11の針状の先端部11aは、支持基板13の表面側に突き出しており、放電電極11の他端部は、第1の電圧印加装置2に接続されている。この状態で、イオン発生素子1は、イオン搬送路6の一部に設置されている。
図1の第1の電圧印加装置2は、放電電極11及び誘導電極12に接続され、放電電極11及び誘導電極12間でイオンを発生させるために、各々の電極に正または負の電圧を印加する。送風部3は、ファン等によって構成され、空気取り入れ口から取り込まれた空気を送風することで発生したイオンを送り、放出口8から空間にイオンを放出する。送風部3の風力、及び風速は、強いほど発生したイオンをより遠くに、また広く拡散させることができるが、風力が強いとファンの運転音も大きくなるため、装置の仕様により、適宜設定する。また、送風部3は、装置の仕様によってはなくても良い。
イオン搬送路6は、その壁面にイオン発生素子1が設置されており、イオン発生素子1が取りつけられている部分を除いて、内側に誘電体層4、外側に金属層5という構成である。またイオン搬送路6は、断面略矩形、断面略円形、断面略半円形など、内部が空洞である筒形状であれば、何れの形状でもよく、その片方の開口部近傍に送風部3が設けられている。
誘電体層4は、通常、主にポリスチレン、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂等が用いられ、イオン搬送路6の内壁を構成する。金属層5は、導電性、加工性、汎用性の高いものが適しており、例えば銅、アルミニウムなどが用いられ、誘導体層4の外側に設けられる。第2の電圧印加装置7は、金属層5に接続され、正または負の電圧を印加する。また、電圧が印加されている金属層5が、イオン発生装置の外側にむき出しになっているのは危険であるため、金属層5のさらに外側に第2の誘電体層を設けるほうが好ましい。
第1の電圧印加装置2、及び第2の電圧印加装置7により印加する電圧値は、装置の仕様、設置環境等により適宜設定する。また、第1の電圧印加装置2、及び第2の電圧印加装置7は、図1に示したように別々に設置しても良いし、一つの回路で双方を制御できるようにしても良い。
次に、上記のイオン発生装置10によって空間へイオンを放出するまでについて説明する。イオン発生素子1の放電電極11及び誘電電極12に、第1の電圧印加装置2より電圧を印加し、コロナ放電を生じさせる。ここで、放電電極11に正電圧を印加すると正イオンが発生し、負電圧を印加すると負イオンが発生する。発生したイオンは、イオン搬送路6の内空間に放出され、送風部3により放出口8の方向へ流される。
しかし、一部のイオンはイオン搬送路6の誘電体層4に接触してしまうので、誘電体層4は、発生しているイオンと同極性に帯電してしまう。さらに、経時的に多くのイオンが誘電体層4に接触すると、イオン発生素子1近辺の誘電体層4は、イオン発生素子1に印加されている電圧よりも高い電位を内側表面に形成してしまうため、イオン発生素子1で発生したイオンは、イオン搬送路6内に形成される電界分布によってイオン発生素子1に回収されてしまうことも起こりうる。
そこで、誘電体層4の外側に設けられている金属層5に第2の電圧印加装置7により所定の電圧を印加することで、誘電体層4の内側の表面電位を低下させる。これによって、イオン発生素子1に回収されるイオンを減少させることができる。さらに、イオン発生素子1に回収されるイオン及び誘電体層4に接触するイオンの割合が少なくなるように、金属層5に印加する電圧を調整することで、効率良くイオンを放出口8から空間に放出することができる。
上記の実施形態1と同様のイオン発生装置を用いて、金属層5に印加する電圧と放出されるイオン量の関係を調べる実験を行った。図3は、イオン発生装置1とそのイオン発生量測定器9からなる実験系を上から見た構成図を示しており、正イオンを発生させるイオン発生装置10aと、負イオンを発生させるイオン発生装置10bを用いて、同時に正負両イオンを発生させる。発生したイオン量は、イオン発生装置の放出口8から約41cm離して配置したイオン量測定器9に流れるイオン電流の大きさにより測定される。
実験では、誘電体層4にポリカーボネートを使用し、厚さを0.5mmとした。正イオンを発生させるイオン発生装置10aでは、放電電極11に5kVの直流電圧、誘導電極12に放電時間のDuty比が5%である5〜0kVのパルス電圧を印加し、負イオンを発生させるイオン発生装置10bでは、イオン発生装置10aと逆極性の電圧を各電極に印加した。
図4は、金属層5へ印加する電圧とそのときに測定されたイオン電流の関係図である。縦軸は、規格化したイオン電流を、横軸は、金属層5への印加電圧(kV)を示す。実線は正イオン、破線は負イオンを発生させたときの実験結果である。ただし、両方の実験結果を同時に表示し、比較しやすいように、負イオンにおける実験結果は、横軸の極性を逆にして表示している。例えば、負のイオンを発生させるときに、金属層5に−1.5kVを印加して実験を行った場合、図4のグラフ上では極性を逆にした1.5kVのところへ実験結果を記す。同様に、負のイオンを発生させるときに、金属層5に2.0kVを印加した場合、図4のグラフ上では−2.0kVのところへ実験結果を記す。
図4より、正イオンを発生させた場合と負イオンを発生させた場合ではほぼ同傾向であることがわかる。さらに、正イオンは、金属層5に印加する電圧が−0.8〜0.4kVの範囲で効率良くイオンが放出されており、負イオンは、−0.6〜0.6kVの範囲で効率良くイオンが放出されていることがわかる。これらより、イオンを空間へ効率よく放出するためには、金属層5に印加する電圧を調整した方が良いことがわかる。
<比較例>
次に、実施例1のイオン発生装置とイオン搬送路の構成を変化させた比較例とを用いて、イオンの発生量を測定した結果について説明する。図5は、実験で用いたイオン搬送路の断面図であり、(A)本発明のイオン搬送路、(B)誘電体層4bのみにより構成されるイオン搬送路、及び(C)イオン搬送路の内側が金属層5c、外側が誘電体層4cで構成されるイオン搬送路である。それぞれのイオン搬送路での実験条件は実施例1で行った実験条件と等しく、図3に示す実験系を用いて行った。正イオン及び負イオンを発生させるためにイオン発生素子1に印加する電圧も同条件であり、正イオンを発生させる場合、放電電極11に5kVの直流電圧、誘導電極12に放電時間のDuty比が5%である5〜0kVのパルス電圧を印加し、負イオンを発生させる場合、イオン発生装置10aと逆極性の電圧を各電極に印加した。
次に、実施例1のイオン発生装置とイオン搬送路の構成を変化させた比較例とを用いて、イオンの発生量を測定した結果について説明する。図5は、実験で用いたイオン搬送路の断面図であり、(A)本発明のイオン搬送路、(B)誘電体層4bのみにより構成されるイオン搬送路、及び(C)イオン搬送路の内側が金属層5c、外側が誘電体層4cで構成されるイオン搬送路である。それぞれのイオン搬送路での実験条件は実施例1で行った実験条件と等しく、図3に示す実験系を用いて行った。正イオン及び負イオンを発生させるためにイオン発生素子1に印加する電圧も同条件であり、正イオンを発生させる場合、放電電極11に5kVの直流電圧、誘導電極12に放電時間のDuty比が5%である5〜0kVのパルス電圧を印加し、負イオンを発生させる場合、イオン発生装置10aと逆極性の電圧を各電極に印加した。
図6は、(A)〜(C)の各イオン搬送路におけるイオン発生量の測定結果である。ただし、正負両イオンの実験結果を同時に表示するために、負イオンにおけるイオン電流の値は極性を逆にして表示している。本発明のイオン搬送路を用いた(A)の実験においては、実施例1と同じく誘電体層4の厚さを0.5mmとし、正イオン用イオン発生装置10a及び負イオン用イオン発生装置10bの金属層5に0kVの電圧を印加した。その結果、正イオンは7.4nA、負イオンは−7.4nAのイオン電流が得られた。
この実験に対して、(B)の実験においては、正イオンは4.6nA、負イオンは−4.4nAのイオン電流が得られた。(B)の結果が(A)よりも悪い結果になった原因は以下が考えられる。正イオンを発生する場合を考えると、(B)の場合、発生した一部の正イオンは、イオン搬送路の誘電体層4bの内側表面に接触し、発生している正イオンと同極性に誘電体層4bを帯電させる。さらに、経時的に多くの正イオンが誘電体層4bに接触すると、イオン発生素子1近辺の誘電体層4bは、イオン発生素子1に印加される電圧よりも高い電位を内側表面に形成してしまい、その結果、イオン発生素子1で発生したイオンは、誘電体層4bよりも低電位のイオン発生素子1に回収されてしまう。このようにして空間に放出されるイオン量が少なくなったと考えられる。それに対して、(A)は高い電位を持つ誘電体層4の外側に金属層5を設け、第2の電圧印加装置7により金属層5に低い電圧を印加することで、誘電体層4の内側表面の電位を下げることができるため、イオン発生素子1に回収されることを防ぐことができる。負イオンを発生する場合も同様である。そのため、(B)のイオン搬送路よりも(A)のイオン搬送路におけるイオン発生量が多く計測されたと考えられる。
また、(C)の実験において、正イオン用イオン発生装置10aではイオン搬送路内側の金属層5cに3.9kVの電圧を印加し、負イオン用イオン発生装置10bでは、逆極性の−3.9kVの電圧を印加した。金属層5cへの印加電圧は、効率よくイオンが発生するように調整した。その結果、正イオンは7.1nA、負イオンは−7.5nAのイオン電流が得られた。これは、(A)の実験で得られた正負イオンの発生量と同程度の結果を得ることができた。しかし、(C)のイオン搬送路は、本発明である(A)のイオン搬送路と異なり、イオン搬送路の内側が金属層5cからなるため、イオンとともに発生するヒドロキシルラジカルやオゾンにより酸化され、錆びてしまう。ヒドロキシルラジカルやオゾンは強い酸化力を有するため、金属と反応し、金属を酸化させる。そのため、(C)のイオン搬送路は、(A)のイオン搬送路より耐久性が低いという課題がある。また、(C)のイオン搬送路は内側の金属層5cに直接電圧を印加するため、強い衝撃等により、イオン発生素子1が外れ、金属層5cとイオン発生素子1の電極が接触し、ショートを起こし、故障してしまう可能性もある。(A)のイオン搬送路は、金属層5の内側を誘電体層4で覆っているため、上記のような危険性がなく、安全性の高い設計になっている
次に、イオン発生装置1における誘電体層4の厚さと金属層5に印加する適切な電圧の関係を調べるために、実施例1と同様の図3に示す実験系を用いて、実験を行った。誘電体層4の厚さを(a)0.1mm、(b)0.5mm、(c)2mmとした3つの場合について、金属層5に印加する電圧と放出されるイオン量の関係を測定し、それぞれの結果から効率よくイオンが発生する金属層5への印加電圧を調べた。実験条件は実施例1で行った実験条件と等しく、正イオン及び負イオンを発生させるためにイオン発生素子1に印加する電圧も同条件である。
図7は、誘電体層4の厚さが前記(a)〜(c)の場合に、金属層5へ印加する電圧とそのときに測定されたイオン電流の関係図である。縦軸は規格化したイオン電流を、横軸は金属層5への印加電圧(kV)を示す。実線は正イオン、破線は負イオンを発生させたときの実験結果である。ただし、両方の実験結果を同時に表示し、比較しやすいように、負イオンにおける実験結果は、図4と同様に横軸の極性を逆にして表示している。
図7(a)〜(c)より、正イオン発生時において、適切な金属層5への印加電圧は、(a)誘電体層4が0.1mmのとき1.0kV、(b)誘電体層4が0.5mmのとき0kV、(c)誘電体層4が2mmのとき−0.8kVであり、負イオン発生時において、適切な金属層5への印加電圧は、(a)誘電体層4が0.1mmのとき−1.0kV、(b)誘電体層4が0.5mmのとき0kV、(c)誘電体層4が2mmのとき0.9kVである。
これらの結果から、誘電体層4の厚さによって、金属層5に印加する適切な電圧の大きさが変化することがわかる。例えば、誘電体層4が薄い場合、金属層5の電圧が誘電体層4の内側表面の電位に影響を与えやすいため、誘電体層4の内側表面に形成したい電位に近い電圧を金属層5に印加すれば良い。また、誘電体層4が厚い場合、金属層5の電圧が誘電体層4に影響を与えにくくなるため、誘電体層4の内側表面に形成したい電位と差の大きい電圧を金属層5に印加しなければならない。
さらに、実験結果より誘電体層4の厚さが0.5mmのとき、金属層5に印加する電圧をほぼ0kVにすると、イオンが効率よく放出されていることがわかる。このとき、金属層5は接地状態にすれば良いので、消費電力を0にすることができ、さらに、第2の電圧印加装置7は必要ないので、部品の削減にもなる。
<実施形態2>
次に、前記実施形態1に示したイオン発生装置10と異なるイオン搬送路6構成である実施形態2について、図8を用いて説明する。図8では誘電体層4の厚さが、放出口8に近付くにつれ、厚くなる。このように構成することで、誘電体層4の内側表面にかかる電圧の勾配を調整することができるようになるため、イオン発生素子1で発生したイオンを放出口8の方向へ送りやすくなる。
次に、前記実施形態1に示したイオン発生装置10と異なるイオン搬送路6構成である実施形態2について、図8を用いて説明する。図8では誘電体層4の厚さが、放出口8に近付くにつれ、厚くなる。このように構成することで、誘電体層4の内側表面にかかる電圧の勾配を調整することができるようになるため、イオン発生素子1で発生したイオンを放出口8の方向へ送りやすくなる。
例えば、実施形態1のイオン搬送路6では、誘電体層4の厚さがほぼ均一であるため、イオン発生素子1近辺の誘電体層4の内側表面は高い電位を持ち、放出口8近辺の誘電体層4の内側表面は低い電位を持つ。このときの誘電体層4の内側表面の電位状態は勾配がきついため、勾配を調整すればより効率よくイオンを放出することが可能になると考えられる。また、比較例で示した(A)イオン搬送路の内側が金属層5aで構成されるイオン搬送路では、イオン搬送路の内側の電位は均一であるため、発生したイオンを放出口8の方向へ送る効果は生じない。
しかし、図8のように誘電体層4の厚さを変化させることで、外側の金属層5に印加された電圧が誘電体層4に与える影響が変化するため、それに合わせて誘電体層4の内側表面の電圧勾配も変化する。イオン発生素子1近辺の誘電体層4表面の電位は高いため、誘電体層4の厚さを薄くし、金属層5に印加する電圧の影響を与えやすくする。放出口8近辺の誘電体層4表面の電位は低いため、誘電体層4の厚さを厚くし、金属層5に印加する電圧の影響を与えにくくする。この結果、金属層5に電圧を印加する前よりも誘電体層4表面の電位勾配を緩やかになり、効率良くイオンを外部空間へ放出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本発明の実施例で用いた放電電極11及び誘導電極12の形状及び印加電圧は、電極間の距離、発生させたいイオン量等に応じて設定される。それに応じて金属層5に適切な印加電圧も設定される。また、送出手段として送風部3を用いたが、送風部3による効果は、イオンをより広い範囲に拡散させるためであり、目的に応じては送風部3がない構成でも良い。
また、本発明に係るイオン発生装置は、空気清浄装置に搭載することが可能である。なお、ここでいう空気清浄装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、ファンヒ−タ等であり、主として、家屋の室内、ビルの一室、病院の病室、自動車の車室内、飛行機の機内、船の船室内等の空気を調整すべく用いられる装置である。
1 イオン発生素子
2 第1の電圧印加装置
3 送風部
4、4a、4b 誘電体層
5、5a 金属層
6 イオン搬送路
7 第2の電圧印加装置
8 放出口
9 イオン量測定器
10、10a、10b イオン発生装置
11 放電電極
12 誘電電極
13 支持基板
81 外側のダクト
82 内側のダクト
83 搬送路
2 第1の電圧印加装置
3 送風部
4、4a、4b 誘電体層
5、5a 金属層
6 イオン搬送路
7 第2の電圧印加装置
8 放出口
9 イオン量測定器
10、10a、10b イオン発生装置
11 放電電極
12 誘電電極
13 支持基板
81 外側のダクト
82 内側のダクト
83 搬送路
例えば、実施形態1のイオン搬送路6では、誘電体層4の厚さがほぼ均一であるため、イオン発生素子1近辺の誘電体層4の内側表面は高い電位を持ち、放出口8近辺の誘電体層4の内側表面は低い電位を持つ。このときの誘電体層4の内側表面の電位状態は勾配がきついため、勾配を調整すればより効率よくイオンを放出することが可能になると考えられる。また、比較例で示した(C)イオン搬送路の内側が金属層5cで構成されるイオン搬送路では、イオン搬送路の内側の電位は均一であるため、発生したイオンを放出口8の方向へ送る効果は生じない。
Claims (5)
- イオンを発生させるイオン発生素子と、
前記イオン発生素子を壁面に有し、発生したイオンを放出口から放出するイオン搬送路とを備えたイオン発生装置において、
前記イオン搬送路は、内側に第1の誘電体層、該誘電体層の外側に金属層を有し、
前記第1の誘電体層の厚さに応じて、前記金属層に所定の電圧を印加することを特徴とするイオン発生装置。 - 前記イオン搬送路は、前記金属層の外側に第2の誘電体層を有することを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
- 前記第1の誘電体層は、前記金属層を接地状態としたときに、イオン発生量が最大値近傍になるように、厚さ設定されたことを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
- 前記第1の誘電体層の厚さは、前記イオン発生素子から前記放出口方向に、厚くなることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のイオン発生装置を備えることを特徴とする空気清浄装置。
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