JP2004142691A - 空調装置のイオン発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発生したイオンを効率よく室内へ放出する。
【解決手段】温風又は冷風などの空気27は、ダクト部232内でマイナスイオン発生電極11からマイナスイオンが付加され、ルーバ部231に当たって所定の方向に向けられ、空気28となって車室内へ放出される。このとき、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間は、金属帯24の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、マイナスイオンの通過が妨げられない。これにより、マイナスイオン発生電極11で発生したマイナスイオンの大部分が、車室内へ放出されることになる。
【選択図】 図1
【解決手段】温風又は冷風などの空気27は、ダクト部232内でマイナスイオン発生電極11からマイナスイオンが付加され、ルーバ部231に当たって所定の方向に向けられ、空気28となって車室内へ放出される。このとき、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間は、金属帯24の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、マイナスイオンの通過が妨げられない。これにより、マイナスイオン発生電極11で発生したマイナスイオンの大部分が、車室内へ放出されることになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダクトを介して吹き出し口から室内へ風を吹き出す空調装置に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて室内へ供給するイオン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置のイオン発生装置では、エバポレータ付近等のダクト内の奥深い位置に、マイナスイオン発生電極が取り付けられている(例えば次の特許文献1)。この場合、マイナスイオン発生電極から発生したマイナスイオンは、ダクトを通る風に乗って、吹き出し口のルーバから車室内へ送り出される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−247141号公報(図2、図6等)
【特許文献2】
特開平11−72240(図4等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のイオン発生装置では、ダクト内で発生させたマイナスイオンを車室内に送り込むと、マイナスイオンがルーバに徐々に吸着することにより、ルーバがマイナスに帯電してしまう。すると、マイナスイオン発生電極から送り出されたマイナスイオンは、ルーバを通過する際に反発力を受けるため、その通過が妨げられる。その結果、車室内に放出されるマイナスイオンの量が徐々に滅少してしまう。例えば、マイナスイオン発生電極付近で数万個/ccのマイナスイオンが発生していても、室内への放出量がほとんど0個/ccとなる場合も起こり得る。
【0005】
また、上記特許文献2には、−8kV程度の電圧が印加される針状の放射電極と、放射電極に対向する絶縁体からなる蓋体と、蓋体をアースする導通片とを備えたマイナスイオン発生器が開示されている。蓋体を導通片でアースしないと、運転時間の経過とともに蓋体全体がマイナスの電荷を帯びることにより、蓋体と放射電極との相対的な電位差が小さくなるので、マイナスイオンが発生しにくくなる。そこで、蓋体を導通片でアースすることにより、蓋体を常にアース電位に保つ。このように、特許文献2に記載の技術では、マイナスイオンが発生しにくくなることを防止するものであるため、発生したマイナスイオンを効率よく室内へ送り込むことについては全く効果がない。
【0006】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、発生したイオンを効率よく室内へ放出できる、空調装置のイオン発生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るイオン発生装置は、ダクトを介して吹き出し口から室内へ風を吹き出す空調装置に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて室内へ供給するものである。そして、ダクト内にイオン発生器が取り付けられ、イオン発生器から吹き出し口までの間に、アース電位に保たれたアース体が取り付けられている。本発明には、吹き出し口にアース体が取り付けられた場合も含まれる。イオン発生器には、放電を利用するイオン発生電極や、誘電体の両面に電極が形成されたイオン発生素子などがある。
【0008】
イオン発生器から発生したイオンは、ダクト内を通って吹き出し口から室内へ放出される。このとき、イオン発生器から吹き出し口までの間は、アース体の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、イオンの通過が妨げられない。これにより、イオン発生器で発生したイオンの大部分が、室内へ放出される。
【0009】
請求項2記載のイオン発生装置は、請求項1記載のイオン発生装置において、吹き出し口にルーバが設けられ、イオン発生器からルーバまでの間にアース体が取り付けられたものである。本発明には、ルーバにアース体が取り付けられた場合も含まれる。
【0010】
ルーバ(louver)とは、例えば主として通風のために用いられる鎧窓状の装飾品をいう(JIS D0110 自動車のぎ装品用語)。つまり、ルーバは、風向きを変えるための羽根状になっているので、風に乗って運ばれ来たイオンがぶつかることにより、帯電しやすい。したがって、イオン発生器からルーバまでの間にアース体を取り付けることにより、除電による効果が顕著に現われる。
【0011】
請求項3記載のイオン発生装置は、請求項1又は2記載のイオン発生装置において、ダクトが絶縁体からなり、アース体が導電体からなり、アース体がダクトの外周に取り付けられたものである。請求項4記載のイオン発生装置は、請求項3記載のイオン発生装置において、アース体がダクトの外周の一周に渡って巻き付けられたものである。
【0012】
本発明者は、絶縁体のダクトの外周に導電体のアース体を取り付けるだけでも、除電効果が得られることを見出した。このとき、ダクトの外周の少なくとも一周に渡ってアース体を巻き付けると、より大きな除電効果が得られる。この除電効果が得られる理由としては、例えば次のようなことが考えられる。▲1▼.ダクトの内側にイオンが付着すると、このイオンと反対の電荷が静電誘導によってダクトの外側のアース体に誘起されることにより、全体として電気的に中性となる。▲2▼.絶縁体表面又は絶縁体中の僅かな電気伝導によって、絶縁体がアース電位になる。本発明は、この知見に基づきなされたものである。また、アース体をダクトの外周に取り付ける作業は、例えばアース体をダクトの内周に取り付ける作業に比べて、極めて容易である。
【0013】
請求項5記載のイオン発生装置は、請求項3又は4記載のイオン発生装置において、アース体が金属帯であり、金属帯がアース線を介してアース電位に保たれたものである。金属帯は、可撓性を有するので、どのような形状のダクトに対しても、巻き付けるだけで簡単に取り付けることができる。
【0014】
請求項6記載のイオン発生装置は、請求項3又は4記載のイオン発生装置において、アース体が導電性塗料の塗布によって形成された導電性皮膜であり、導電性皮膜がアース線を介してアース電位に保たれたものである。導電性塗料の塗布という極めて簡単な方法によって、どのような形状のダクトに対しても簡単にアース体を取り付けることができる。
【0015】
請求項7記載のイオン発生装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載のイオン発生装置において、空調装置を車両用としたものである。本発明は、アース体を取り付けるだけという簡単な方法によって、室内へ放出されるイオン量を増加できるので、小型かつ軽量が要求される車両用空調装置に好適である。また、車両完成後にアース体を取り付けること(いわゆる「後付け」)も、容易である(特に、アース体をダクトの外周に取り付ける場合。)
【0016】
請求項8記載のイオン発生装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載のイオン発生装置において、イオンをマイナスイオンとしたものである。マイナスイオンとは、空気中に存在する負電荷を帯びた微粒子が細かい水摘と結合したものと考えられている。負電荷を帯びた微粒子は、例えば放電、紫外線、放射線等のエネルギが分子に与えられ、その分子が電離することにより発生する。一方、自然界においては、滝などで落下した水滴が粉砕された時に、小さいクラスタが負電荷を、大きいクラスタが正電荷を帯びる(レナード効果)とされている。また、昨今家電メーカから販売されているマイナスイオンを発生する電気製品は、主として放電方式を採用している。この場合、マイナスイオン発生電極に高電圧をかけて放電を発生させることで自由電子を空気中に放出し、この自由電子を捕らえた分子が負電荷を帯びることでマイナスイオンとなる。マイナスイオンが人に与える影響として、精神安定、疲労回復、集中力向上などに効果があると言われている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、特許請求の範囲における「イオン発生器」、「アース体」及び「空調装置」は、それぞれ「マイナスイオン発生電極」、「金属帯」及び「車両用空調装置」と具体化して言い換える。また、特許請求の範囲における「ルーバ」は実施形態における「ルーバアッシ」の「ルーバ部」に相当し、特許請求の範囲における「ダクト」は実施形態における「ルーバアッシ」の「ダクト部」を含むものとする。なお、「アッシ」とは、assy.すなわちassemblyの略語であり、組み立て部品という意味である。
【0018】
図1及び図2は本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、図1は金属帯及びマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態であり、図2[1]はマイナスイオン発生電極を取り付ける前の状態であり、図2[2]はマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。図3[1]は図1のイオン発生装置の全体(金属帯等を除く)を示す斜視図であり、図3[2]はインストルメントパネル及びガーニッシュの一例を示す斜視図である。図4は、車両用空調装置の一例を示す概念図である。図1乃至図4において、同じ部分には同じ番号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0019】
まず、図3[1]に基づき、イオン発生装置10について説明する。イオン発生装置10は、マイナスイオン発生電極11、高電圧電源12、固定用結束バンド13、高電圧ケーブル14、対向電極ケーブル15、電源コード16等から構成されている。また、イオン発生装置10は、ダクト37(図4)を介して吹き出し口から車室内へ風を吹き出す車両用空調装置30(図4)に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて車室内へ供給する。マイナスイオン発生電極11は、板状電極に印加される直流高電圧によってコロナ放電が起き、これによりマイナスイオンを発生させる。高電圧電源12は、圧電トランス等からなり、バッテリ電圧(例えば直流12V)を入力して直流高電圧(例えば直流5.5kV)に変換・出力する機能を有する。固定用結束バンド13は、主に高電圧電源12を車両内に固定するために使われる。高電圧ケーブル14及び対向電極ケーブル15は、高電圧電源12とマイナスイオン発生電極11とを接続し、高電圧電源12から出力された直流高電圧をマイナスイオン発生電極11へ供給する。電源コード16は、図示しないバッテリと高電圧電源12とを接続し、バッテリから出力された直流電圧を高電圧電源12へ供給する。
【0020】
次に、図3[2]に基づきインストルメントパネル21及びガーニッシュ22について説明する。インストルメントパネル21は、車両の運転席及び助手席前に設置され、さまざまな計器類、吹き出し口、小物入れ、灰皿等が嵌め込まれるようになっている。ガーニッシュ22は、インストルメントパネル21に着脱自在に固定され、一部が吹き出し口となる。なお、ガーニッシュ(garanish)とは、例えばある部品の全面又は縁を覆う装飾品をいう(JIS D0110 自動車のぎ装品用語)。
【0021】
次に、図4に基づき車両用空調装置30について説明する。車両用空調装置30は、ダンパ31,32,33、エバポレータ34、ブロワ35、ヒータ36等を、ダクト37内に備えている。ダンパ31は、外気導入と内気導入とを切り換える。ダンパ32は、暖房と冷房とを切り換える。ダンパ33は、デフロスタ及びフロント、ベンチレータ、フロア等の各モードに応じて吹き出し口を切り換える。エバポレータ34は冷房用、ヒータ36は暖房用である。ブロワ35は、送風用であり、車両用空調装置30が動作中は常に動作している。ダクト37内において、ブロワ35の吸引力によって導入された空気は、エバポレータ34やヒータ36で温度が調整され、各吹き出し口から車室内へ送り出される。
【0022】
次に、図2に基づき、ガーニッシュ22及びルーバアッシ23について説明する。ガーニッシュ22の裏面221の吹き出し口222にはルーバアッシ23が設けられ、ルーバアッシ23にはマイナスイオン発生電極11が取り付けられている。ルーバアッシ23は、ガーニッシュ22の裏面221にボルト241,242を使って取り付けるタイプである。この場合は、ルーバアッシ23のダクト部232の壁面に予め形成されている透孔又は後加工で開けた透孔を利用して、マイナスイオン発生電極11を取り付ける。一方、ガーニッシュ22はインストルメントパネル21(図3[2])に着脱自在に固定されている。つまり、マイナスイオン発生電極11が吹き出し口222に設置されるので、マイナスイオン発生電極11で発生したイオンの大部分が消滅することなく車室内へ運ばれる。また、ガーニッシュ22はインストルメントパネル21に着脱自在に固定されるので、マイナスイオン発生電極11をルーバアッシ23すなわちガーニッシュ22に取り付けた後に、ガーニッシュ22をインストルメントパネル21に固定することができる。したがって、マイナスイオン発生電極11の取り付けが容易であるばかりか、マイナスイオン発生電極11の後付けも可能である。なお、ルーバアッシ23はダクト37(図4)に連結される。
【0023】
本実施形態では、ガーニッシュ22に取り付けられているルーバアッシ23に、マイナスイオン発生電極11を設置している。マイナスイオン発生電極11から発生したマイナスイオンは不安定な物質であるため、ダクト37(図4)の奥深く、例えばエバポレータ34(図4)の近傍に、マイナスイオン発生電極11を設置すると、マイナスイオンが車室内に届く前にダクト37の壁面等に吸着して消滅してしまう。そこで、マイナスイオンをダクト37に吸着させずに車室内に送り込むために、マイナスイオン発生電極11をダクト37の出口近傍、つまり吹き出し口222近傍に設置している。
【0024】
次に、図1に基づき、本実施形態のイオン発生装置10について説明する。
【0025】
ルーバアッシ23は、羽根状のルーバ部231と、筒状のダクト部232とを備えている。ルーバ部231は、ルーバ軸支部233を介してダクト部232に回動自在に支持されている。イオン発生装置10は、ダクト部232内にマイナスイオン発生電極11が取り付けられ、マイナスイオン発生電極11からルーバ軸支部233(すなわちルーバ部231)までの間に金属帯24が取り付けられたものである。
【0026】
ダクト部232は、合成樹脂すなわち絶縁体からなる。金属帯24は、銅箔等の金属すなわち導電体からなり、コンタクトピン25を介してアース線26に接続されているので、アース電位に保たれている。また、金属帯24は、ダクト部232の外周に一周に渡って巻き付けられている。金属帯24をダクト部232巻き付けるときは、予め金属帯24の表面に接着剤を付けたり、金属帯24をダクト部232に巻いた上から固定用のテープを上貼りしたりすることにより、金属帯24が脱落しないように固定する。ただし、金属帯24とダクト部232との間が絶縁状態にならないようにする。なお、アース電位は、例えばボディの電位である。
【0027】
温風又は冷風などの空気27は、ダクト部232内でマイナスイオン発生電極11からマイナスイオンが付加され、ルーバ部231に当たって所定の方向に向けられ、マイナスイオンを含む空気28となって車室内へ放出される。このとき、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間は、金属帯24の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、マイナスイオンの通過が妨げられない。これにより、マイナスイオン発生電極11で発生したマイナスイオンの大部分が、車室内へ放出されることになる。
【0028】
また、ルーバ部231は、風向きを変えるための羽根状になっているので、空気27に乗って運ばれて来たマイナスイオンがぶつかることにより、特に帯電しやすい。したがって、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間に金属帯24を取り付けることにより、除電による効果が顕著に現われる。この場合、ルーバ軸支部233近傍にアースされた金属帯24を取り付けることが好ましい。こうすることにより、ルーバ部231の徐電が更に効果的に行われる。
【0029】
更に、金属帯24をダクト部232の外周に取り付ける作業は、例えば金属帯24をダクト部232の内周に取り付ける作業に比べて、極めて容易かつ後付けも容易である。これに加え、金属帯24は、可撓性を有するので、どのような形状のダクト部232に対しても、巻き付けるだけで簡単に取り付けることができる。なお、ダクト部232の形状によっては、巻き付けに限らず嵌め込み等によって金属帯24を取り付けてもよい。また、マイナスイオン発生電極11と同じように金属帯24をルーバアッシ23すなわちガーニッシュ22(図2[1])に取り付けた後に、ガーニッシュ22をインストルメントパネル21(図3[2])に固定することができる。したがって、マイナスイオン発生電極11と同様に金属帯24の後付けも可能である。
【0030】
図5は、図1のイオン発生装置の効果を示すグラフである。以下、図1及び図5に基づき説明する。
【0031】
図1のイオン発生装置10を用い、金属帯24有りの場合(アース処理)と、金属帯24無しの場合(アース未処理)とについて、空気28に含まれるマイナスイオン量をイオンカウンタで測定した。図5では、金属帯24有りの場合の経時変化を実線で、金属帯24無しの場合の経時変化を破線で、それぞれ示す。
【0032】
図5から明らかなように、金属帯24を設置しない場合は、徐々にルーバ部231がマイナスに帯電するため、マイナスイオンの吹き出し量が時間経過とともに減少してしまう。これに対し、金属帯24を設置した場合は、金属帯24によってルーバ部231が除電されるので、時間経過に関係無く安定してマイナスイオンが放出される。
【0033】
図6[1]は本発明に係るイオン発生装置の第二実施形態を示す斜視図であり、図6[2]は本発明に係るイオン発生装置の第三実施形態を示す斜視図である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図6[1]において図1と同一部分は、同一符号を付すことにより説明を省略する。また、図6[2]において図6[1]と同じ部分は、仮想線で示すことにより説明を省略する。
【0034】
図6[1]のイオン発生装置10aは、金属帯24aを除き第一実施形態と同じである。金属帯24には、隙間241が設けられている。ただし、隙間241の大きさは、除電の効果に影響が出ない程度になっている。
【0035】
図6[2]では、二枚の金属帯24b,24cに分割され、それぞれの金属帯24b,24cにアース線26b,26cが接続されている。この場合も、隙問242,243の大きさは、除電の効果に影響が出ない程度になっている。このように分割することで、金属帯24b,24cを予めダクト部232に合致させた形状に成形しておき、ダクト部232の外周に略1周に渡って金属帯24b,24cを取り付けることが可能となるので、組付け性が向上する。
【0036】
図7は本発明に係るイオン発生装置が取り付けられるルーバアッシの他の例を示す斜視図であり、図7[1]はガーニッシュにルーバアッシを取り付ける前の状態であり、図7[2]はガーニッシュにルーバアッシを取り付けた後の状態である。以下、この図面に基づき説明する。
【0037】
ガーニッシュへのルーバアッシの取り付け方法は車種によって異なっている。大きく分類すると、ガーニッシュの裏面にルーバアッシをボルトオンにて取り付けるタイプ(図2)と、ガーニッシュに形成された吹き出し口にルーバアッシを差し込むタイプ(図7)とがある。
【0038】
本例におけるルーバアッシ39は、ガーニッシュ38に形成された筒状の吹き出し口381に、ガーニッシュ38の表面382から差し込むタイプである。この場合、マイナスイオン発生電極11は、ルーバアッシ39ではなく、ガーニッシュ38の裏面383に突設された吹き出し口381のダクト部381aの内側に、ボルト40を使って取り付けられる。そして、図1と同じように、ダクト部381aの外周に金属帯(図示せず)が取り付けられる。図2及び図7のどちらのルーバアッシでも、同一のマイナスイオン発生電極11、金属帯等を使用できるので、部品の共通化が図れる。
【0039】
なお、本発明は、言うまでもなく、上記実施形態に限定されない。例えば、空調装置は、車両用に限らず、家庭用又は業務用等としてもよい。また、アース体は、金属帯の代わりに、導電性皮膜としてもよい。イオン発生器は、マイナスイオン発生電極の代わりに、マイナスイオン及びプラスイオンを同時に発生させるイオン発生素子を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るイオン発生装置よれば、ダクト内にイオン発生器を取り付け、イオン発生器から吹き出し口までの間にアース体を取り付けることにより、イオン発生器から吹き出し口までの間をアース体によって除電できるので、イオンの通過を妨げる要因を排除でき、これによりイオン発生器で発生したイオンの大部分を室内へ放出できる(請求項1)。
【0041】
イオン発生器からルーバまでの間にアース体を取り付けることにより、イオンの衝突によって帯電しやすいルーバ及びその近辺を除電できるので、室内へ放出するイオン量を大幅に増加できる(請求項2)。
【0042】
絶縁体のダクトに対しても、その外周に導電体のアース体を取り付けることにより、簡単な作業によって容易に除電効果を得ることができる(請求項3)。このとき、ダクトの外周の一周に渡ってアース体を巻き付けることにより、より大きな除電効果を得ることができる(請求項4)。
【0043】
アース体を金属帯とすることにより、どのような形状のダクトに対しても、巻き付けるだけという簡単な作業によって、容易に除電効果を得ることができる(請求項5)。アース体を導電性皮膜とすることにより、導電性塗料の塗布という極めて簡単な方法によって、どのような形状のダクトに対しても、容易に除電効果を得ることができる(請求項6)。
【0044】
アース体を取り付けるだけという簡単な方法によって、室内へ放出されるイオン量を増加できるので、小型かつ軽量が要求される車両用空調装置に好適に用いることができ、しかも車両完成後の後付けも容易である(請求項7)。
【0045】
イオンをマイナスイオンとすることにより、精神安定、疲労回復、集中力向上などに良い影響を与えることができる(請求項8)。
【0046】
換言すると、本発明によれば、次の構成及び効果を有する。
【0047】
《構成》1.表面が導電性を有する金属帯をルーバアッシ側面部に巻き、当該金属帯にアース線を接続することにより、ルーバアッシを除電する。《効果》長時問駆動しても、マイナスイオン放出量が減少しない。取り付けが容易で安価である。複数の機種にも汎用的に用いることができる。
【0048】
《構成》2.金属帯を少なくとも1周以上巻く。《効果》ルーバアッシの全体を均一に除電することができる。ルーバアッシは、非導電性の樹脂であるため、一部分にアースを施しただけでは十分な除電効果が得られないからである。
【0049】
《構成》3.マイナスイオン発生電極の位置とルーバ部との間に、金属帯を設置する。《効果》帯電の原因となるのはマイナスイオン発生電極から発生するマイナスイオンであり、帯電が起こり易いのはルーバ部であることから、当該位置に金属帯を設置すると高い除電効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、金属帯及びマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。
【図2】本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、図2[1]はマイナスイオン発生電極を取り付ける前の状態であり、図2[2]はマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。
【図3】図3[1]は図1のイオン発生装置の全体(金属帯等を除く)を示す斜視図であり、図3[2]はインストルメントパネル及びガーニッシュの一例を示す斜視図である。
【図4】車両用空調装置の一例を示す概念図である。
【図5】図1のイオン発生装置の効果を示すグラフである。
【図6】図6[1]は本発明に係るイオン発生装置の第二実施形態を示す斜視図であり、図6[2]は本発明に係るイオン発生装置の第三実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るイオン発生装置が取り付けられるルーバアッシの他の例を示す斜視図であり、図7[1]はガーニッシュにルーバアッシを取り付ける前の状態であり、図7[2]はガーニッシュにルーバアッシを取り付けた後の状態である。
【符号の説明】
10,10a イオン発生装置
11 マイナスイオン発生電極(イオン発生器)
23 ルーバアッシ
231 ルーバ部(ルーバ)
232 ダクト部(ダクト)
24,24a,24b,24c 金属帯(アース体)
26,26b,26c アース線
30 車両用空調装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダクトを介して吹き出し口から室内へ風を吹き出す空調装置に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて室内へ供給するイオン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置のイオン発生装置では、エバポレータ付近等のダクト内の奥深い位置に、マイナスイオン発生電極が取り付けられている(例えば次の特許文献1)。この場合、マイナスイオン発生電極から発生したマイナスイオンは、ダクトを通る風に乗って、吹き出し口のルーバから車室内へ送り出される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−247141号公報(図2、図6等)
【特許文献2】
特開平11−72240(図4等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のイオン発生装置では、ダクト内で発生させたマイナスイオンを車室内に送り込むと、マイナスイオンがルーバに徐々に吸着することにより、ルーバがマイナスに帯電してしまう。すると、マイナスイオン発生電極から送り出されたマイナスイオンは、ルーバを通過する際に反発力を受けるため、その通過が妨げられる。その結果、車室内に放出されるマイナスイオンの量が徐々に滅少してしまう。例えば、マイナスイオン発生電極付近で数万個/ccのマイナスイオンが発生していても、室内への放出量がほとんど0個/ccとなる場合も起こり得る。
【0005】
また、上記特許文献2には、−8kV程度の電圧が印加される針状の放射電極と、放射電極に対向する絶縁体からなる蓋体と、蓋体をアースする導通片とを備えたマイナスイオン発生器が開示されている。蓋体を導通片でアースしないと、運転時間の経過とともに蓋体全体がマイナスの電荷を帯びることにより、蓋体と放射電極との相対的な電位差が小さくなるので、マイナスイオンが発生しにくくなる。そこで、蓋体を導通片でアースすることにより、蓋体を常にアース電位に保つ。このように、特許文献2に記載の技術では、マイナスイオンが発生しにくくなることを防止するものであるため、発生したマイナスイオンを効率よく室内へ送り込むことについては全く効果がない。
【0006】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、発生したイオンを効率よく室内へ放出できる、空調装置のイオン発生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るイオン発生装置は、ダクトを介して吹き出し口から室内へ風を吹き出す空調装置に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて室内へ供給するものである。そして、ダクト内にイオン発生器が取り付けられ、イオン発生器から吹き出し口までの間に、アース電位に保たれたアース体が取り付けられている。本発明には、吹き出し口にアース体が取り付けられた場合も含まれる。イオン発生器には、放電を利用するイオン発生電極や、誘電体の両面に電極が形成されたイオン発生素子などがある。
【0008】
イオン発生器から発生したイオンは、ダクト内を通って吹き出し口から室内へ放出される。このとき、イオン発生器から吹き出し口までの間は、アース体の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、イオンの通過が妨げられない。これにより、イオン発生器で発生したイオンの大部分が、室内へ放出される。
【0009】
請求項2記載のイオン発生装置は、請求項1記載のイオン発生装置において、吹き出し口にルーバが設けられ、イオン発生器からルーバまでの間にアース体が取り付けられたものである。本発明には、ルーバにアース体が取り付けられた場合も含まれる。
【0010】
ルーバ(louver)とは、例えば主として通風のために用いられる鎧窓状の装飾品をいう(JIS D0110 自動車のぎ装品用語)。つまり、ルーバは、風向きを変えるための羽根状になっているので、風に乗って運ばれ来たイオンがぶつかることにより、帯電しやすい。したがって、イオン発生器からルーバまでの間にアース体を取り付けることにより、除電による効果が顕著に現われる。
【0011】
請求項3記載のイオン発生装置は、請求項1又は2記載のイオン発生装置において、ダクトが絶縁体からなり、アース体が導電体からなり、アース体がダクトの外周に取り付けられたものである。請求項4記載のイオン発生装置は、請求項3記載のイオン発生装置において、アース体がダクトの外周の一周に渡って巻き付けられたものである。
【0012】
本発明者は、絶縁体のダクトの外周に導電体のアース体を取り付けるだけでも、除電効果が得られることを見出した。このとき、ダクトの外周の少なくとも一周に渡ってアース体を巻き付けると、より大きな除電効果が得られる。この除電効果が得られる理由としては、例えば次のようなことが考えられる。▲1▼.ダクトの内側にイオンが付着すると、このイオンと反対の電荷が静電誘導によってダクトの外側のアース体に誘起されることにより、全体として電気的に中性となる。▲2▼.絶縁体表面又は絶縁体中の僅かな電気伝導によって、絶縁体がアース電位になる。本発明は、この知見に基づきなされたものである。また、アース体をダクトの外周に取り付ける作業は、例えばアース体をダクトの内周に取り付ける作業に比べて、極めて容易である。
【0013】
請求項5記載のイオン発生装置は、請求項3又は4記載のイオン発生装置において、アース体が金属帯であり、金属帯がアース線を介してアース電位に保たれたものである。金属帯は、可撓性を有するので、どのような形状のダクトに対しても、巻き付けるだけで簡単に取り付けることができる。
【0014】
請求項6記載のイオン発生装置は、請求項3又は4記載のイオン発生装置において、アース体が導電性塗料の塗布によって形成された導電性皮膜であり、導電性皮膜がアース線を介してアース電位に保たれたものである。導電性塗料の塗布という極めて簡単な方法によって、どのような形状のダクトに対しても簡単にアース体を取り付けることができる。
【0015】
請求項7記載のイオン発生装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載のイオン発生装置において、空調装置を車両用としたものである。本発明は、アース体を取り付けるだけという簡単な方法によって、室内へ放出されるイオン量を増加できるので、小型かつ軽量が要求される車両用空調装置に好適である。また、車両完成後にアース体を取り付けること(いわゆる「後付け」)も、容易である(特に、アース体をダクトの外周に取り付ける場合。)
【0016】
請求項8記載のイオン発生装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載のイオン発生装置において、イオンをマイナスイオンとしたものである。マイナスイオンとは、空気中に存在する負電荷を帯びた微粒子が細かい水摘と結合したものと考えられている。負電荷を帯びた微粒子は、例えば放電、紫外線、放射線等のエネルギが分子に与えられ、その分子が電離することにより発生する。一方、自然界においては、滝などで落下した水滴が粉砕された時に、小さいクラスタが負電荷を、大きいクラスタが正電荷を帯びる(レナード効果)とされている。また、昨今家電メーカから販売されているマイナスイオンを発生する電気製品は、主として放電方式を採用している。この場合、マイナスイオン発生電極に高電圧をかけて放電を発生させることで自由電子を空気中に放出し、この自由電子を捕らえた分子が負電荷を帯びることでマイナスイオンとなる。マイナスイオンが人に与える影響として、精神安定、疲労回復、集中力向上などに効果があると言われている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、特許請求の範囲における「イオン発生器」、「アース体」及び「空調装置」は、それぞれ「マイナスイオン発生電極」、「金属帯」及び「車両用空調装置」と具体化して言い換える。また、特許請求の範囲における「ルーバ」は実施形態における「ルーバアッシ」の「ルーバ部」に相当し、特許請求の範囲における「ダクト」は実施形態における「ルーバアッシ」の「ダクト部」を含むものとする。なお、「アッシ」とは、assy.すなわちassemblyの略語であり、組み立て部品という意味である。
【0018】
図1及び図2は本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、図1は金属帯及びマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態であり、図2[1]はマイナスイオン発生電極を取り付ける前の状態であり、図2[2]はマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。図3[1]は図1のイオン発生装置の全体(金属帯等を除く)を示す斜視図であり、図3[2]はインストルメントパネル及びガーニッシュの一例を示す斜視図である。図4は、車両用空調装置の一例を示す概念図である。図1乃至図4において、同じ部分には同じ番号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0019】
まず、図3[1]に基づき、イオン発生装置10について説明する。イオン発生装置10は、マイナスイオン発生電極11、高電圧電源12、固定用結束バンド13、高電圧ケーブル14、対向電極ケーブル15、電源コード16等から構成されている。また、イオン発生装置10は、ダクト37(図4)を介して吹き出し口から車室内へ風を吹き出す車両用空調装置30(図4)に用いられ、吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて車室内へ供給する。マイナスイオン発生電極11は、板状電極に印加される直流高電圧によってコロナ放電が起き、これによりマイナスイオンを発生させる。高電圧電源12は、圧電トランス等からなり、バッテリ電圧(例えば直流12V)を入力して直流高電圧(例えば直流5.5kV)に変換・出力する機能を有する。固定用結束バンド13は、主に高電圧電源12を車両内に固定するために使われる。高電圧ケーブル14及び対向電極ケーブル15は、高電圧電源12とマイナスイオン発生電極11とを接続し、高電圧電源12から出力された直流高電圧をマイナスイオン発生電極11へ供給する。電源コード16は、図示しないバッテリと高電圧電源12とを接続し、バッテリから出力された直流電圧を高電圧電源12へ供給する。
【0020】
次に、図3[2]に基づきインストルメントパネル21及びガーニッシュ22について説明する。インストルメントパネル21は、車両の運転席及び助手席前に設置され、さまざまな計器類、吹き出し口、小物入れ、灰皿等が嵌め込まれるようになっている。ガーニッシュ22は、インストルメントパネル21に着脱自在に固定され、一部が吹き出し口となる。なお、ガーニッシュ(garanish)とは、例えばある部品の全面又は縁を覆う装飾品をいう(JIS D0110 自動車のぎ装品用語)。
【0021】
次に、図4に基づき車両用空調装置30について説明する。車両用空調装置30は、ダンパ31,32,33、エバポレータ34、ブロワ35、ヒータ36等を、ダクト37内に備えている。ダンパ31は、外気導入と内気導入とを切り換える。ダンパ32は、暖房と冷房とを切り換える。ダンパ33は、デフロスタ及びフロント、ベンチレータ、フロア等の各モードに応じて吹き出し口を切り換える。エバポレータ34は冷房用、ヒータ36は暖房用である。ブロワ35は、送風用であり、車両用空調装置30が動作中は常に動作している。ダクト37内において、ブロワ35の吸引力によって導入された空気は、エバポレータ34やヒータ36で温度が調整され、各吹き出し口から車室内へ送り出される。
【0022】
次に、図2に基づき、ガーニッシュ22及びルーバアッシ23について説明する。ガーニッシュ22の裏面221の吹き出し口222にはルーバアッシ23が設けられ、ルーバアッシ23にはマイナスイオン発生電極11が取り付けられている。ルーバアッシ23は、ガーニッシュ22の裏面221にボルト241,242を使って取り付けるタイプである。この場合は、ルーバアッシ23のダクト部232の壁面に予め形成されている透孔又は後加工で開けた透孔を利用して、マイナスイオン発生電極11を取り付ける。一方、ガーニッシュ22はインストルメントパネル21(図3[2])に着脱自在に固定されている。つまり、マイナスイオン発生電極11が吹き出し口222に設置されるので、マイナスイオン発生電極11で発生したイオンの大部分が消滅することなく車室内へ運ばれる。また、ガーニッシュ22はインストルメントパネル21に着脱自在に固定されるので、マイナスイオン発生電極11をルーバアッシ23すなわちガーニッシュ22に取り付けた後に、ガーニッシュ22をインストルメントパネル21に固定することができる。したがって、マイナスイオン発生電極11の取り付けが容易であるばかりか、マイナスイオン発生電極11の後付けも可能である。なお、ルーバアッシ23はダクト37(図4)に連結される。
【0023】
本実施形態では、ガーニッシュ22に取り付けられているルーバアッシ23に、マイナスイオン発生電極11を設置している。マイナスイオン発生電極11から発生したマイナスイオンは不安定な物質であるため、ダクト37(図4)の奥深く、例えばエバポレータ34(図4)の近傍に、マイナスイオン発生電極11を設置すると、マイナスイオンが車室内に届く前にダクト37の壁面等に吸着して消滅してしまう。そこで、マイナスイオンをダクト37に吸着させずに車室内に送り込むために、マイナスイオン発生電極11をダクト37の出口近傍、つまり吹き出し口222近傍に設置している。
【0024】
次に、図1に基づき、本実施形態のイオン発生装置10について説明する。
【0025】
ルーバアッシ23は、羽根状のルーバ部231と、筒状のダクト部232とを備えている。ルーバ部231は、ルーバ軸支部233を介してダクト部232に回動自在に支持されている。イオン発生装置10は、ダクト部232内にマイナスイオン発生電極11が取り付けられ、マイナスイオン発生電極11からルーバ軸支部233(すなわちルーバ部231)までの間に金属帯24が取り付けられたものである。
【0026】
ダクト部232は、合成樹脂すなわち絶縁体からなる。金属帯24は、銅箔等の金属すなわち導電体からなり、コンタクトピン25を介してアース線26に接続されているので、アース電位に保たれている。また、金属帯24は、ダクト部232の外周に一周に渡って巻き付けられている。金属帯24をダクト部232巻き付けるときは、予め金属帯24の表面に接着剤を付けたり、金属帯24をダクト部232に巻いた上から固定用のテープを上貼りしたりすることにより、金属帯24が脱落しないように固定する。ただし、金属帯24とダクト部232との間が絶縁状態にならないようにする。なお、アース電位は、例えばボディの電位である。
【0027】
温風又は冷風などの空気27は、ダクト部232内でマイナスイオン発生電極11からマイナスイオンが付加され、ルーバ部231に当たって所定の方向に向けられ、マイナスイオンを含む空気28となって車室内へ放出される。このとき、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間は、金属帯24の作用によって帯電しない、すなわち除電されるので、マイナスイオンの通過が妨げられない。これにより、マイナスイオン発生電極11で発生したマイナスイオンの大部分が、車室内へ放出されることになる。
【0028】
また、ルーバ部231は、風向きを変えるための羽根状になっているので、空気27に乗って運ばれて来たマイナスイオンがぶつかることにより、特に帯電しやすい。したがって、マイナスイオン発生電極11からルーバ部231までの間に金属帯24を取り付けることにより、除電による効果が顕著に現われる。この場合、ルーバ軸支部233近傍にアースされた金属帯24を取り付けることが好ましい。こうすることにより、ルーバ部231の徐電が更に効果的に行われる。
【0029】
更に、金属帯24をダクト部232の外周に取り付ける作業は、例えば金属帯24をダクト部232の内周に取り付ける作業に比べて、極めて容易かつ後付けも容易である。これに加え、金属帯24は、可撓性を有するので、どのような形状のダクト部232に対しても、巻き付けるだけで簡単に取り付けることができる。なお、ダクト部232の形状によっては、巻き付けに限らず嵌め込み等によって金属帯24を取り付けてもよい。また、マイナスイオン発生電極11と同じように金属帯24をルーバアッシ23すなわちガーニッシュ22(図2[1])に取り付けた後に、ガーニッシュ22をインストルメントパネル21(図3[2])に固定することができる。したがって、マイナスイオン発生電極11と同様に金属帯24の後付けも可能である。
【0030】
図5は、図1のイオン発生装置の効果を示すグラフである。以下、図1及び図5に基づき説明する。
【0031】
図1のイオン発生装置10を用い、金属帯24有りの場合(アース処理)と、金属帯24無しの場合(アース未処理)とについて、空気28に含まれるマイナスイオン量をイオンカウンタで測定した。図5では、金属帯24有りの場合の経時変化を実線で、金属帯24無しの場合の経時変化を破線で、それぞれ示す。
【0032】
図5から明らかなように、金属帯24を設置しない場合は、徐々にルーバ部231がマイナスに帯電するため、マイナスイオンの吹き出し量が時間経過とともに減少してしまう。これに対し、金属帯24を設置した場合は、金属帯24によってルーバ部231が除電されるので、時間経過に関係無く安定してマイナスイオンが放出される。
【0033】
図6[1]は本発明に係るイオン発生装置の第二実施形態を示す斜視図であり、図6[2]は本発明に係るイオン発生装置の第三実施形態を示す斜視図である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図6[1]において図1と同一部分は、同一符号を付すことにより説明を省略する。また、図6[2]において図6[1]と同じ部分は、仮想線で示すことにより説明を省略する。
【0034】
図6[1]のイオン発生装置10aは、金属帯24aを除き第一実施形態と同じである。金属帯24には、隙間241が設けられている。ただし、隙間241の大きさは、除電の効果に影響が出ない程度になっている。
【0035】
図6[2]では、二枚の金属帯24b,24cに分割され、それぞれの金属帯24b,24cにアース線26b,26cが接続されている。この場合も、隙問242,243の大きさは、除電の効果に影響が出ない程度になっている。このように分割することで、金属帯24b,24cを予めダクト部232に合致させた形状に成形しておき、ダクト部232の外周に略1周に渡って金属帯24b,24cを取り付けることが可能となるので、組付け性が向上する。
【0036】
図7は本発明に係るイオン発生装置が取り付けられるルーバアッシの他の例を示す斜視図であり、図7[1]はガーニッシュにルーバアッシを取り付ける前の状態であり、図7[2]はガーニッシュにルーバアッシを取り付けた後の状態である。以下、この図面に基づき説明する。
【0037】
ガーニッシュへのルーバアッシの取り付け方法は車種によって異なっている。大きく分類すると、ガーニッシュの裏面にルーバアッシをボルトオンにて取り付けるタイプ(図2)と、ガーニッシュに形成された吹き出し口にルーバアッシを差し込むタイプ(図7)とがある。
【0038】
本例におけるルーバアッシ39は、ガーニッシュ38に形成された筒状の吹き出し口381に、ガーニッシュ38の表面382から差し込むタイプである。この場合、マイナスイオン発生電極11は、ルーバアッシ39ではなく、ガーニッシュ38の裏面383に突設された吹き出し口381のダクト部381aの内側に、ボルト40を使って取り付けられる。そして、図1と同じように、ダクト部381aの外周に金属帯(図示せず)が取り付けられる。図2及び図7のどちらのルーバアッシでも、同一のマイナスイオン発生電極11、金属帯等を使用できるので、部品の共通化が図れる。
【0039】
なお、本発明は、言うまでもなく、上記実施形態に限定されない。例えば、空調装置は、車両用に限らず、家庭用又は業務用等としてもよい。また、アース体は、金属帯の代わりに、導電性皮膜としてもよい。イオン発生器は、マイナスイオン発生電極の代わりに、マイナスイオン及びプラスイオンを同時に発生させるイオン発生素子を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るイオン発生装置よれば、ダクト内にイオン発生器を取り付け、イオン発生器から吹き出し口までの間にアース体を取り付けることにより、イオン発生器から吹き出し口までの間をアース体によって除電できるので、イオンの通過を妨げる要因を排除でき、これによりイオン発生器で発生したイオンの大部分を室内へ放出できる(請求項1)。
【0041】
イオン発生器からルーバまでの間にアース体を取り付けることにより、イオンの衝突によって帯電しやすいルーバ及びその近辺を除電できるので、室内へ放出するイオン量を大幅に増加できる(請求項2)。
【0042】
絶縁体のダクトに対しても、その外周に導電体のアース体を取り付けることにより、簡単な作業によって容易に除電効果を得ることができる(請求項3)。このとき、ダクトの外周の一周に渡ってアース体を巻き付けることにより、より大きな除電効果を得ることができる(請求項4)。
【0043】
アース体を金属帯とすることにより、どのような形状のダクトに対しても、巻き付けるだけという簡単な作業によって、容易に除電効果を得ることができる(請求項5)。アース体を導電性皮膜とすることにより、導電性塗料の塗布という極めて簡単な方法によって、どのような形状のダクトに対しても、容易に除電効果を得ることができる(請求項6)。
【0044】
アース体を取り付けるだけという簡単な方法によって、室内へ放出されるイオン量を増加できるので、小型かつ軽量が要求される車両用空調装置に好適に用いることができ、しかも車両完成後の後付けも容易である(請求項7)。
【0045】
イオンをマイナスイオンとすることにより、精神安定、疲労回復、集中力向上などに良い影響を与えることができる(請求項8)。
【0046】
換言すると、本発明によれば、次の構成及び効果を有する。
【0047】
《構成》1.表面が導電性を有する金属帯をルーバアッシ側面部に巻き、当該金属帯にアース線を接続することにより、ルーバアッシを除電する。《効果》長時問駆動しても、マイナスイオン放出量が減少しない。取り付けが容易で安価である。複数の機種にも汎用的に用いることができる。
【0048】
《構成》2.金属帯を少なくとも1周以上巻く。《効果》ルーバアッシの全体を均一に除電することができる。ルーバアッシは、非導電性の樹脂であるため、一部分にアースを施しただけでは十分な除電効果が得られないからである。
【0049】
《構成》3.マイナスイオン発生電極の位置とルーバ部との間に、金属帯を設置する。《効果》帯電の原因となるのはマイナスイオン発生電極から発生するマイナスイオンであり、帯電が起こり易いのはルーバ部であることから、当該位置に金属帯を設置すると高い除電効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、金属帯及びマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。
【図2】本発明に係るイオン発生装置の第一実施形態を示す斜視図であり、図2[1]はマイナスイオン発生電極を取り付ける前の状態であり、図2[2]はマイナスイオン発生電極を取り付けた後の状態である。
【図3】図3[1]は図1のイオン発生装置の全体(金属帯等を除く)を示す斜視図であり、図3[2]はインストルメントパネル及びガーニッシュの一例を示す斜視図である。
【図4】車両用空調装置の一例を示す概念図である。
【図5】図1のイオン発生装置の効果を示すグラフである。
【図6】図6[1]は本発明に係るイオン発生装置の第二実施形態を示す斜視図であり、図6[2]は本発明に係るイオン発生装置の第三実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るイオン発生装置が取り付けられるルーバアッシの他の例を示す斜視図であり、図7[1]はガーニッシュにルーバアッシを取り付ける前の状態であり、図7[2]はガーニッシュにルーバアッシを取り付けた後の状態である。
【符号の説明】
10,10a イオン発生装置
11 マイナスイオン発生電極(イオン発生器)
23 ルーバアッシ
231 ルーバ部(ルーバ)
232 ダクト部(ダクト)
24,24a,24b,24c 金属帯(アース体)
26,26b,26c アース線
30 車両用空調装置
Claims (8)
- ダクトを介して吹き出し口から室内へ風を吹き出す空調装置に用いられ、前記吹き出し口から吹き出す風にイオンを乗せて室内へ供給するイオン発生装置において、
前記ダクト内にイオン発生器が取り付けられ、当該イオン発生器から前記吹き出し口までの間にアース電位に保たれたアース体が取り付けられた、
ことを特徴とする空調装置のイオン発生装置。 - 前記吹き出し口にルーバが設けられ、前記イオン発生器から当該ルーバまでの間に前記アース体が取り付けられた、
請求項1記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記ダクトが絶縁体からなり、前記アース体が導電体からなり、当該アース体が当該ダクトの外周に取り付けられた、
請求項1又は2記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記アース体が前記ダクトの外周の一周に渡って巻き付けられた、
請求項3記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記アース体が金属帯であり、当該金属帯がアース線を介してアース電位に保たれた、
請求項3又は4記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記アース体は導電性塗料の塗布によって形成された導電性皮膜であり、当該導電性皮膜がアース線を介してアース電位に保たれた、
請求項3又は4記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記空調装置が車両用である、
請求項1乃至6のいずれかに記載の空調装置のイオン発生装置。 - 前記イオンがマイナスイオンである、
請求項1乃至7のいずれかに記載の空調装置のイオン発生装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |