JP2013191444A - イオン発生装置 - Google Patents

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一寿 清水
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Abstract

【課題】外部空間にイオンを十分行き渡らせることができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】放電電極21と誘導電極22とを有してイオンを発生させるイオン発生素子2と、一端に放出口3bを開口してイオン発生素子2により発生したイオンを放出口3bに導くダクト3とを備えたイオン発生装置1において、ダクト3が内壁側から外壁側に向かって順に配される誘電体層31(第1誘電体層)、金属層32(第1金属層)、誘電体層33(第2誘電体層)、及び金属層34(第2金属層)を有して金属層34により外面を形成され、金属層32は電圧を印加する電圧印加装置6に接続されるとともに、金属層34を接地電位にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオンを発生するイオン発生装置に関する。
従来のイオン発生装置は特許文献1に開示されている。このイオン発生装置はイオン発生素子とダクトとを有している。イオン発生素子はダクト内に面して配され、放電電極と放電電極に対向して配置された対向電極と有する。ダクトは両端が開口し、一端の開口により空気流入口が形成されるとともに他端の開口により放出口が形成される。ダクトの外周には電源に接続された金属帯が周設されている。
イオン発生素子の放電電極に負の電圧を印加するとコロナ放電が生じてマイナスイオンが発生する。発生したマイナスイオンは空気流入口からダクト内に流入した空気流によって放出口へ導かれ、放出口からイオン発生装置の外部に放出される。
この時、イオン発生素子で発生したマイナスイオンによってダクトの内壁が負電位に帯電すると、マイナスイオンがダクトの内壁から反発力を受ける。これにより、マイナスイオンのダクト内の通過が妨げられる。このため、金属帯に所定の正電圧を印加してダクトの内壁を除電し、マイナスイオンがダクト内壁から受ける反発力を低減することができる。その結果、ダクト内でマイナスイオンの通過が妨げられず、イオン発生装置の外部に放出されるマイナスイオン量の減少を防止できる。
特開2008−235228号公報(第4頁、第5頁、図1)
しかしながら、上記従来のイオン発生装置によると、電圧が印加される金属帯はダクトの外面を形成しているため、金属帯の電位状態によっては放出口から外部に放出されたイオンが金属帯に吸着する。従って、イオン発生装置の外部空間(例えば居室など)にイオンが十分行き渡らないという問題があった。
本発明は、外部空間にイオンを十分行き渡らせることができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、放電電極と誘導電極とを有してイオンを発生させるイオン発生素子と、一端に放出口を開口して前記イオン発生素子により発生したイオンを前記放出口に導くダクトとを備えたイオン発生装置において、前記ダクトが内壁側から外壁側に向かって順に配される第1誘電体層、第1金属層、第2誘電体層、及び第2金属層を有して第2金属層により外面を形成され、第1金属層は電圧を印加する電圧印加装置に接続されるとともに、第2金属層を接地電位にしたことを特徴としている。
この構成によると、放電電極により発生したイオンはダクト内を流通して放出口からイオン発生装置の外部に放出される。第1金属層は電圧印加装置により所定の電圧を印加され、第1誘電体層の表面に所定の電位が形成される。第2金属層は接地電位に維持され、放出口から放出されたイオンの吸着が防止される。
また本発明は、上記構成のイオン発生装置において、前記イオン発生素子を前記ダクト内に面して配置し、第1誘電体層の厚さが前記イオン発生素子から前記放出口へ行くほど大きくなっていることが好ましい。
また本発明は、上記構成のイオン発生装置において、前記電圧印加装置の印加電圧を変更可能にすると好ましい。
また本発明は、上記構成のイオン発生装置において、第1誘電体層の厚さを所定の厚さにし、前記電圧印加装置による電圧の印加を行わないことが好ましい。
本発明によると、放電電極により発生したイオンを放出口へ導くダクトが内壁側から外壁側に向かって順に配される第1誘電体層及び第1金属層を有して、第1金属層は電圧を印加する電圧印加装置に接続されるので、放電電極により発生したイオンが誘導電極及び第1誘電体層に回収されないように第1誘電体層の表面電位を設定できる。従って、放出口から外部に放出されるイオン量を増加させることができる。
また、ダクトの外面を形成する第2金属層を接地電位にしたので、放出口から外部に放出されたイオンがダクトの外面に吸着されることを防止できる。従って、イオン発生装置の外部空間にイオンを十分行き渡らせることができる。
本発明の第1実施形態のイオン発生装置を示す側面断面図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の正面断面図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置のイオン発生素子を示す斜視図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1金属層の効果を調べる実験を説明するための図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1誘電体層の厚さが0.1mmの場合の第1金属層への印加電圧とイオン電流との関係図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1誘電体層の厚さが0.5mmの場合の第1金属層への印加電圧とイオン電流との関係図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1誘電体層の厚さが2.0mmの場合の第1金属層への印加電圧とイオン電流との関係図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1誘電体層の厚さ及び表面電位と第1金属層の電位との関係を説明するための図 本発明の比較例のイオン発生装置であって第1金属層を有さないイオン発生装置の正面断面図 本発明の比較例のイオン発生装置であって第1金属層がダクトの内側に配されたイオン発生装置の正面断面図 本発明の第1実施形態のイオン発生装置の第1金属層の効果を示した図 本発明の第2実施形態のイオン発生装置を示す側面断面図
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は第1実施形態のイオン発生装置の側面断面図及び正面断面図を示している。イオン発生装置1は、イオン発生素子2、ダクト3、送風機4、及び電圧印加装置5、6を有している。イオン発生素子2はダクト3内に面して配置され、放電電極21及び誘導電極22を有している。電圧印加装置5は配線5a、5bを介して放電電極21及び誘導電極22に接続され、放電電極21と誘導電極22との間に電圧を印加する。
ダクト3は両端が開口した筒型形状となっている。一端の開口により空気流入口3aが形成されるとともに他端の開口により放出口3bが形成される。ダクト3の形状に特に限定はなく、例えば正面断面形状が矩形形状、円形状、楕円形状、半円形状などでもよい。また、ダクト3内の空気流路面積が空気流入口3aから放出口3bへ行くほど小さくなるようにダクト3を構成してもよい。これにより、放出口3bでの空気の流速を上昇させることができ、イオン発生素子2により発生したイオンを放出口3bからより離れた場所に供給できる。
ダクト3は内壁側から外壁側に向かって順に配される誘電体層31(第1誘電体層)、金属層32(第1金属層)、誘電体層33(第2誘電体層)、及び金属層34(第2金属層)を有している。誘電体層31は例えばポリスチレン、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂等により形成される。誘電体層31はダクト3の最内壁を形成し、ダクト3内に面している。
金属層32は導電性、加工性及び汎用性の高い金属により形成され、例えば銅、アルミニウム等により形成される。金属層32は配線32aを介して電圧印加装置6に接続されている。これにより、電圧印加装置6は金属層32に所定の電圧を印加することができる。また、電圧印加装置6は金属層32への印加電圧を変更可能に構成されている。
金属層32は誘電体層31の外側に配されているため、金属層32は後述の水酸基ラジカルやオゾンに曝されず、腐食しにくくなる。従って、イオン発生装置1の耐久性を向上させることができる。また、放電電極21及び誘導電極22が金属層32に接触することを防止できる。従って、イオン発生装置1の安全性を向上させることができる。
誘電体層33は金属層32、34に挟まれるように形成されている。これにより、金属層32、34間の短絡を防止できる。誘電体層33は誘電体層31と同じ材質により形成されている。なお、誘電体層31とは異なる材質により誘電体層33を形成してもよい。
金属層34はダクト3の外面を形成し、イオン発生装置1の外部に面している。また、金属層34は配線34aを介して接地されている。これにより、金属層34の電位は接地電位(ゼロ電位)になっている。金属層34は金属層32と同じ材質により形成されている。なお、金属層32とは異なる材質により金属層34を形成してもよい。
送風機4は空気流入口3aの近傍に配置され、送風機4の駆動により矢印Sのようにダクト3内に気流が発生する。送風機4としては例えば軸流ファン等を用いることができる。
図3はイオン発生素子2の斜視図を示している。放電電極21及び誘導電極22は支持基板23に設置されている。支持基板23は絶縁性材料により形成される。放電電極21の一端側には針状先端部21aが形成され、他端側には配線5a(図1参照)を介して電圧印加装置5(図1参照)が接続されている。
誘導電極22は貫通孔22aを有する環状の金属板により形成され、配線5b(図1参照)を介して電圧印加装置5(図1参照)に接続されている。貫通孔22a内には放電電極21の針状先端部21aが配置されている。これにより、針状先端部21aは誘導電極22に対向する。
上記構成のイオン発生装置1において、放電電極21に誘導電極22に対して負極性の高電圧(例えば、約−5kV)が電圧印加装置5により印加されると、コロナ放電によりマイナスイオンが発生する。また、放電電極21に誘導電極22に対して正極性の高電圧(例えば、約5kV)が電圧印加装置5により印加されると、コロナ放電によりプラスイオンが発生する。この時、送風機4を駆動させると、イオン発生素子2により発生したマイナスイオンまたはプラスイオンは空気流により放出口3bへ迅速に導かれる。
放電電極21に正電圧が印加されると、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主としてH+(H2O)mから成る電荷が正のクラスタイオンを発生する。また、放電電極21に負電圧が印加されると、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主としてO2 -(H2O)nから成る電荷が負のクラスタイオンを発生する。ここで、m、nは任意の自然数である。放電電極21に正電圧と負電圧を交互に印加して発生するH+(H2O)m及びO2 -(H2O)nが空気中の浮遊菌、居室の壁面等に付着した付着菌、及び臭い成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH22(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝集生成して浮遊菌等や臭い成分等を破壊する。ここで、m'、n'は任意の自然数である。従って、プラスイオンまたはマイナスイオンを発生してダクト3の放出口3bから放出することにより、外部空間内の殺菌、ウイルスの不活化及び臭い除去を行うことができる。
+(H2O)m+O2 -(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'
→ 2・OH+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(2)
+(H2O)m+H+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'
→ H22+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(3)
また、放電電極21に印加する電圧をより高くすると、放電によってイオン発生素子2からイオン及びオゾンが放出される。オゾンの酸化力によって殺菌及び脱臭を行うことができる。なお、複数のイオン発生素子2を設け、一方のイオン発生素子2に正電圧を印加して他方のイオン発生素子2に負電圧を印加してもよい。また、イオン発生素子2に負電圧のみを印加して発生するマイナスイオンによってリラクゼーション効果を得ることもできる。
ここで、例えば放電電極21に正電圧が印加され、誘導電極22に放電電極21よりも低く、かつ放電電極21においてコロナ放電が生じるような電圧が印加されている場合(イオン発生素子2によりプラスイオンが発生する場合)、放電電極21から誘導電極22または誘電体層31に向かうような電気力線が生じる。放電電極21におけるコロナ放電によって発生したプラスイオンは、放電電極21から誘導電極22に向かう電気力線によって受ける力と、放電電極21から誘電体層31に向かう電気力線によって受ける力と、誘導電極22から誘電体層31に向かう電気力線によって受ける力と、空気流によって受ける力との合力を受けることにより移動する。つまり、発生したプラスイオンが移動する方向は上記4つの力のバランスによって支配される。イオン発生素子2により発生したプラスイオンのうち、放電電極21および誘導電極22から誘電体層31に向かう電気力線によって受ける力が支配的であるものについては、イオン発生素子2の近傍の誘電体層31に向けて移動し、誘電体層31に接触する。これにより、イオン発生素子2の近傍の誘電体層31は正電位に帯電する。
イオン発生素子2によりマイナスイオンを発生させた場合には、プラスイオンを発生させた場合と反対に誘電体層31が負電位に帯電する。すなわち、誘電体層31の表面(ダクト3の内側の面)はイオン発生素子2で発生するイオンと同極性に帯電する。なお、本明細書において、誘電体層31の表面とは誘電体層31のダクト3内側の面を示す。
そして、イオン発生素子2によりプラスイオンが発生する場合、放電電極21の放電時間の経過に伴い、イオン発生素子2における誘導電極22の電位よりも高い電位がイオン発生素子2近傍の誘電体層31の表面に形成される。そのため、誘電体層31の表面からイオン発生素子2の誘導電極22へ向かう電気力線の成分の割合が増加する。つまり、放電電極21において発生したプラスイオンが受ける力のうち、誘電体層31の表面からイオン発生素子2の誘導電極22へ向かう力の成分が増加する。その結果、誘導電極22に回収されるプラスイオンの量が増加し、放出口3bから放出されるプラスイオンの量が減少する。
この時、誘電体層31の表面電位の上昇を防ぐように電圧印加装置6により金属層32に電圧を印加すると、誘電体層31の表面から誘導電極22へ向かう電気力線の成分が増加するのを抑制することができる。これにより、誘導電極22に回収されるプラスイオンの量を減少させることができる。従って、放出口3bから放出されるプラスイオンの量の増加させることができる。
一方、誘電体層31の表面電位が誘導電極22よりも低い電位になるとプラスイオンは誘電体層31に吸着される。そこで、誘電体層31の表面の電位が誘導電極22に回収されるプラスイオン及び誘電体層31に吸着されるプラスイオンの量を減少させることができる電位になるように金属層32の電位を設定する。これにより、放出口3bからプラスイオンを効率よく放出することができる。なお、マイナスイオンを発生させる場合も同様な効果を得ることができる。
また、ダクト3の外面を形成する金属層34は配線34aを介して接地されているため、金属層34の電位は接地電位(ゼロ電位)になっている。これにより、放出口3bから外部に放出されたプラスイオンがダクト3の外面に吸着することを低減できる。従って、例えば居室等の外部空間にプラスイオンを十分行き渡らせることができる。また、イオン発生装置1の外面を形成する金属層34を接地電位にしているため、感電等の危険性も低減できる。また、ダクト3の外面への塵埃等の付着も低減できるため、トラッキング現象の発生を防止することができる。なお、マイナスイオンを発生させる場合も同様な効果を得ることができる。
金属層32は誘電体層31、33に挟まれているため、金属層34を省いても感電等の危険性を低減できる。しかしながら、金属層34を省いた場合、金属層32の電位状態によっては誘電体層33に誘電分極が生じ、放出口3bから放出されたプラスイオンが誘電体層33に吸着するおそれがある。そのため、本実施形態では誘電体層33の外側に金属層34を形成し、金属層34を接地電位にしている。
次に、イオン発生装置1を用いて、金属層32の効果を調べる実験を行った。図4は本実験を説明するための図であり、2つのイオン発生装置1及びイオン量測定器10の平面図を示している。2つのイオン発生装置1を左右に並べて配置し、イオン発生装置1の放出口3bから約41cm離れた位置にイオン量測定器10を配置した。イオン量測定器10はマイナスイオンまたはプラスイオンによって発生するイオン電流値を測定する。イオン電流値が高いほど、イオン発生装置1からイオンが多く放出されたことになる。
そして、2つのイオン発生装置1を同時に駆動させた。この時、一方のイオン発生装置1では放電電極21に5kVの正の直流電圧を印加し、誘導電極22に放電時間のDuty比が5%である5〜0kVの負のパルス電圧を印加した。また、送風機4を駆動させてダクト3内に気流を発生させた。これにより、一方のイオン発生装置1の放出口3bからプラスイオンがイオン量測定器10に向けて放出された。
他方のイオン発生装置1では一方のイオン発生装置1とは逆極性の電圧を放電電極21及び誘導電極22にそれぞれ印加した。この時、送風機4を駆動させてダクト3内に気流を発生させた。これにより、他方のイオン発生装置1の放出口3bからマイナスイオンがイオン量測定器10に向けて放出された。
この時、イオン発生装置1の誘電体層31の厚さを0.1mm、0.5mm、2.0mmと変えるとともに、金属層32に印加する電圧を変えて実験を行った。なお、誘電体層31はポリカーボネートにより形成した。
図5〜図7は、誘電体層31の厚さがそれぞれ0.1mm、0.5mm、2.0mmの場合の金属層32への印加電圧とイオン電流との関係を調べた結果を示している。縦軸はイオン電流値の最大値を1.00としたときのイオン電流値の相対値を示し、横軸は金属層32への印加電圧値(単位:kV)を示している。また、黒丸はプラスイオンにより発生したイオン電流値の相対値を示し、黒三角はマイナスイオンにより発生したイオン電流値の相対値を示している。
なお、プラスイオンにより発生したイオン電流値の相対値とマイナスイオンにより発生したイオン電流値の相対値とを比較しやすくするために、マイナスイオンにより発生したイオン電流の結果では、金属層32への印加電圧の極性を逆にして表示している。例えば、マイナスイオンを発生させたイオン発生装置1の金属層32に−1.5kVの電圧を印加したときのイオン電流値の相対値を、印加電圧の極性を逆にした1.5kVの位置にプロットした。同様に、マイナスイオンを発生させたイオン発生装置1の金属層32に2.0kVを印加したときのイオン電流値の相対値を、印加電圧の極性を逆にした−2.0kVの位置にプロットした。
図5〜図7によると、プラスイオンを発生させたイオン発生装置1とマイナスイオンを発生させたイオン発生装置1とでは、金属層32への印加電圧とイオン電流との関係は同様な傾向を示した。すなわち、1つのピークを有する山形となっている。
プラスイオンを発生させたイオン発生装置1において、イオン電流値が最大になったときの金属層32への印加電圧は、誘電体層31の厚さが0.1mmのときは1.0kV、誘電体層31の厚さが0.5mmのときは0kV、誘電体層31の厚さが2.0mmのときは−0.8kVであった。
一方、マイナスイオンを発生させたイオン発生装置1において、イオン電流値が最大になったときの金属層32への印加電圧は、誘電体層31の厚さが0.1mmのときは−1.0kV、誘電体層31の厚さが0.5mmのときは0kV、誘電体層31の厚さが2.0mmのときは0.9kVであった。
図5〜図7によると、イオン電流値が最大になるときの金属層32への印加電圧は誘電体層31の厚さによって変化することが判明した。
図8は、誘電体層31の厚さ及び表面電位と金属層32への印加電圧との関係を説明するための図である。(a)〜(c)は、図5〜図7のイオン発生装置1(プラスイオンを発生)の誘電体層31及び金属層32を示し、誘電体層31の厚さはそれぞれ0.1mm、0.5mm、2.0mmとなっている。縦軸は電位を示している。破線は0kVの電位を示し、一点鎖線は後述の最適表面電位Esを示している。横軸は誘電体層31と金属層32との位置関係を示し、矢印方向がダクト3の内側となっている。
金属層32では内部及び表面の電位はすべて同電位となる。そのため、金属層32の電位を示す線Emは横軸に平行になっている。これに対し、誘電体層31では金属層32側からダクト3内側へ向かって電位は一定の割合で変化する。そのため、誘電体層31の電位変化を示す線Edは一定の傾きを有している。なお、誘電体層31の材質が同じであれば、誘電体層31の厚さが変化しても上記傾きは変化しない。
誘電体層31の表面の電位が最適表面電位Esよりも高くなると、誘電体層31の表面から誘導電極22に向かう方向の電気力線の成分の割合が増加する。このため、放電電極21により発生したプラスイオンのうち、誘導電極22に向かって移動するイオンの割合が増加する。従って、放出口3bから放出されるプラスイオン量が減少する。
一方、誘電体層31の表面の電位が最適表面電位Esよりも低くなると、放電電極21および誘導電極22から誘電体層31の表面に向かう電気力線の成分の割合が増加する。このため、放電電極21により発生したプラスイオンのうち誘電体層31の表面に向かって移動するイオンの割合が増加する。従って、放出口3bから放出されるプラスイオン量が減少する。
以上より、最適表面電位Esは、放電電極21により発生したプラスイオンが誘導電極22に回収されないとともに誘電体層31に吸着されないときの誘電体層31の表面電位と定義できる。そこで、誘電体層31の表面電位が最適表面電位Esを維持できるように金属層32の電位を設定することにより、放出口3bから放出されるプラスイオン量を増加させることができる。なお、マイナスイオンを発生させる場合にも同様に説明できる。
また、イオン発生装置1を製造する際には、金属層32に電圧を印加しながら誘電体層31の表面の電位が最適表面電位Esになるように誘電体層31の厚さを調整すればよい。これにより、イオンを効率よく放出できるイオン発生装置1を容易に製造することができる。
ここで、図5〜図7の結果と合わせて考えると、イオン発生装置1(プラスイオンを発生)において、誘電体層31の厚さが0.1mmの場合(図5、図8(a)参照)、誘電体層31の厚さが0.5mm及び2.0mmの場合(図6、図8(b)、図7、図8(c)参照)よりも厚さが小さいため、金属層32の電位は誘電体層31の表面の電位に影響を与えやすい。そのため、金属層32の電位を最適表面電位Esに近い電位(1.0kV)に設定すれば、誘電体層31の表面電位を最適表面電位Esにすることができる。
一方、誘電体層31の厚さが2.0mmの場合(図7、図8(c)参照)、誘電体層32の厚さが0.1mm及び0.5mmの場合(図5、図8(a)、図6、図8(b)参照)よりも厚さが大きいため、金属層32への印加電圧とこの印加電圧により生じた誘電体層31の表面電位との差が大きくなる。そのため、金属層32の電位を最適表面電位Esと差の大きい電位(−0.8kV)に設定しないと、誘電体層31の表面電位を最適表面電位Esにすることが困難となる。なお、誘電体層31の厚さが0.5mmの場合も厚さが2.0mmの場合と同様に説明できる。
また図6によると、誘電体層31の厚さが0.5mmの場合、金属層32に印加する電圧が0kVのときにイオン電流値は最大になっている。すなわち、イオン発生装置1から放出されるイオン量が最大になっている。この時、金属層32を接地電位にすればよいので、電圧印加装置6による電圧の印加が不要になる。これにより、電圧印加装置6の駆動電力をゼロにすることができる。従って、省エネルギー化を図ることができる。
図9及び図10は比較例のイオン発生装置1A、1Bの正面断面図を示している。なお、誘電体層33及び金属層34の図示を省略している。イオン発生装置1Aのダクト3では金属層32が省かれている。イオン発生装置1Bのダクト3の内壁側は金属層32により形成され、外壁側は誘電体層31により形成されている。すなわち、イオン発生装置1Bでは誘電体層31と金属層32との位置関係がイオン発生装置1と逆になっている。
また、イオン発生装置1、1A、1Bの誘電体層31はポリカーボネートにより形成され、イオン発生装置1、1Bでは誘電体層31の厚さを0.5mmとした。なお、イオン発生装置1A、1Bのその他の構成はイオン発生装置1と同様である。
なお、図4ではイオン発生装置1A、1Bの図示を省略しているが、イオン発生装置1と同様にイオン発生装置1A、1Bをそれぞれ2つ並べて配置して実験を行った。
本実験において、図6の結果を踏まえてイオン発生装置1の金属層32には0kVの電圧を印加した。また、プラスイオンを発生させたイオン発生装置1Bの金属層32には3.9kVの電圧を印加し、マイナスイオンを発生させたイオン発生装置1Bの金属層32には−3.9kVの電圧を印加した。なお、イオン量の測定方法及びその他の実験条件は前述の実験と同様にした。
図11はイオン発生装置1の金属層32の効果を調べた結果を示している。縦軸はイオン電流値(単位:nA)を示している。なお、プラスイオンにより発生したイオン電流値とマイナスイオンにより発生したイオン電流値とを比較しやすくするために、マイナスイオンにより発生したイオン電流値は極性を逆にして表示している。
図11によると、イオン発生装置1ではプラスイオン及びマイナスイオンによってそれぞれ7.4nA、−7.4nAのイオン電流値が得られた。また、イオン発生装置1Aではプラスイオン及びマイナスイオンによってそれぞれ4.6nA、−4.4nAのイオン電流値が得られた。また、イオン発生装置1Bではプラスイオン及びマイナスイオンによってそれぞれ7.1nA、−7.5nAのイオン電流値が得られた。
イオン発生装置1とイオン発生装置1Aとの比較により、金属層32の電位によりダクト内のイオンの通過が妨げられず、放出口3bから放出されるイオン量の減少が防止されることが判明した。
本実施形態によると、放電電極21と誘導電極22とを有してイオンを発生させるイオン発生素子2と、一端に放出口3bを開口してイオン発生素子2により発生したイオンを放出口3bに導くダクト3とを備えたイオン発生装置1において、ダクト3が内壁側から外壁側に向かって順に配される誘電体層31(第1誘電体層)及び金属層32(第1金属層)を有して、金属層32は電圧を印加する電圧印加装置6に接続されている。
これにより、誘導電極22及び誘電体層31にイオンが回収されないように誘電体層31の表面電位を設定できる。従って、放出口3bから放出されるイオン量を増加させることができる。
また、ダクト3の外面を形成する金属層34を接地電位にしたので、放出口3bから外部に放出されたイオンがダクト3の外面に吸着されることを防止できる。従って、外部空間(例えば居室など)内にイオンを十分行き渡らせることができる。
また、電圧印加装置6の印加電圧を変更可能にしているので、イオン発生装置1の製造時に誘電体層31を最適な表面電位に容易に調整することができる。
また、第1誘電体層の厚さを0.5mmにすれば、電圧印加装置6による電圧の印加が不要になる。この時、0kVの電圧を印加する状態または接地状態でも高いイオン放出量が得られる。従って、十分量のイオンを放出できるとともに電圧印加装置6の駆動電力を抑えて省エネルギー化を図ることができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。図12は本実施形態のイオン発生装置1の側面断面図を示している。説明の便宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では誘電体層31の構成が第1実施形態と異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
イオン発生素子2によりプラスイオンを発生させる場合、前述のように放電電極21からの電気力線によってイオン発生素子2近傍の誘電体層31の表面電位は高くなりやすい。一方、イオン発生素子2から離れた放出口3b近傍の誘電体層31では放電電極21からの電気力線はイオン発生素子2近傍よりも少なくなるため、誘電体層31の表面電位はイオン発生素子2近傍よりは上昇しない。
本実施形態では誘電体層31の厚さはイオン発生素子2から放出口3bへ向かうほど大きくなっている。これにより、金属層32に電圧を印加した場合、イオン発生素子2から放出口3bへ向かうほど誘電体層31の表面にかかる電位を大きくすることができる(図8参照)。従って、イオン発生素子2から放出口3bにかけて誘電体層31の表面に形成される電位勾配を緩やかにすることができる。その結果、プラスイオンを一層効率良く放出口3bから外部に放出することができる。なお、マイナスイオンを発生させる場合でも同様な効果を得ることができる。
本実施形態でも第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、誘電体層31(第1誘電体層)の厚さがイオン発生素子2から放出口3bへ行くほど大きくなっているので、イオン発生素子2から放出口3bにかけて誘電体層31の表面に形成される電位勾配を緩やかにすることができる。従って、イオンをより効率良く放出口3bから外部に放出することができる。
第1、第2実施形態においてイオン発生装置1を空気清浄装置に搭載してもよい。ここでいう空気清浄装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、ファンヒ−タ等であり、主として家屋の室内、ビルの一室、病院の病室、自動車の車室内、飛行機の機内、船の船室内等の空気を調整するために用いられる装置である。
また、イオン発生装置1を冷蔵庫に設置してもよい。イオン発生装置1を冷蔵庫内に設置することによって冷蔵室等にイオンを供給できる。従って、貯蔵物や冷蔵室の壁面等の除菌及び脱臭を行うことができる。
また、イオンによって対象物を除電できるので、イオン発生装置1を除電器に搭載してもよい。除電器にイオン発生装置1を搭載することにより、一層多くのイオンを放出することができる。従って、対象物の除電時間を短縮することができる。
第1、第2実施形態では、1個のイオン発生素子2をダクト3内に配しているが、複数のイオン発生素子2をダクト3内に配置してもよい。
本発明によると、イオンを発生するイオン発生装置に利用することができる。
1 イオン発生装置
2 イオン発生素子
3 ダクト
3a 空気流入口
3b 放出口
4 送風機
5、6 電圧印加装置
21 放電電極
21a 針状先端部
22 誘導電極
22a 貫通孔
23 支持基板
31 誘電体層(第1誘電体層)
32 金属層(第1金属層)
33 誘電体層(第2誘電体層)
34 金属層(第2金属層)

Claims (4)

  1. 放電電極と誘導電極とを有してイオンを発生させるイオン発生素子と、一端に放出口を開口して前記イオン発生素子により発生したイオンを前記放出口に導くダクトとを備えたイオン発生装置において、
    前記ダクトが内壁側から外壁側に向かって順に配される第1誘電体層、第1金属層、第2誘電体層、及び第2金属層を有して第2金属層により外面を形成され、
    第1金属層は電圧を印加する電圧印加装置に接続されるとともに、第2金属層を接地電位にしたことを特徴とするイオン発生装置。
  2. 前記イオン発生素子を前記ダクト内に面して配置し、第1誘電体層の厚さが前記イオン発生素子から前記放出口へ行くほど大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 前記電圧印加装置の印加電圧を変更可能にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン発生装置。
  4. 第1誘電体層を所定の厚さにし、前記電圧印加装置による電圧の印加を行わないことを特徴とする請求項3に記載のイオン発生装置。
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