JP2013077198A - タッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来両立が困難であった色表示性と高い全光線透過率を低コストで達成することができるタッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有することを特徴とするタッチパネル用粘着層である。全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用粘着層であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有することを特徴とするタッチパネル用粘着層である。全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用粘着層であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、色表示性と全光線透過率に優れるタッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネルに関する。
タッチパネルは、携帯用端末、携帯ゲーム機、各種固定端末等のディスプレイ前面に使用されている。近年、環境に配慮した製品開発が積極的に行われているが、タッチパネルあるいはタッチパネルを構成する部材においても、省エネルギー化を目指すことに関心が高まっている。タッチパネルに使用される光学部材において省エネルギーに寄与するものとして、全光線透過率を高めることが挙げられる。全光線透過率を高める方法としては、たとえば、光学部材の裏面(ディスプレイ側)に反射防止層を形成する方法が挙げられる。反射防止層は光学干渉の原理を利用したものであり、高屈折率膜と薄膜の低屈折率膜を交互に1層以上形成させ、薄膜の低屈折率膜を観察面側に配置するものである。反射防止層を形成することにより、光学部材の種類にもよるが、全光線透過率が数%程度向上することが知られている。
タッチパネルの方式は様々であるが、例えば、上下の電極が接触することで入力位置を特定する抵抗膜方式や、静電容量の変化から入力位置を特定する静電容量方式等があり、これらの方式には透明導電膜が使用される。この透明導電膜には、透明性と導電性が求められることから、酸化インジウム錫(ITO)が使用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、透明導電膜として使用される酸化インジウム錫は黄色を呈することから、タッチパネルの色表示性が損なわれる問題を有していた。
この問題を解決するためには上記透明導電膜上に、青色を呈する層を積層することによって、色表示性の問題を解決できる。しかしながら、汎用の色素を用いると、色表示性は向上するものの全光線透過率が低下する問題が新たに生じてしまう。すなわち、色表示性と高い全光線透過率を両立することはトレードオフの関係にあるものである。
この問題を解決するためには上記透明導電膜上に、青色を呈する層を積層することによって、色表示性の問題を解決できる。しかしながら、汎用の色素を用いると、色表示性は向上するものの全光線透過率が低下する問題が新たに生じてしまう。すなわち、色表示性と高い全光線透過率を両立することはトレードオフの関係にあるものである。
そこで、本発明は、従来両立が困難であった色表示性と高い全光線透過率を低コストで達成することができるタッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明は下記の技術的構成により上記課題を解決できたものである。
(1)本発明は、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有することを特徴とするタッチパネル用粘着層である。
(2)全光線透過率が90%以上であることを特徴とする前記(1)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(3)b*値が−6.0〜−0.1の範囲にあることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(4)a*値が−1.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層である。
(5)前記ネオン発光吸収色素が、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、フタロシアニン系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ジチオール金属錯体系、ピロメテン系、ポルフィリン系、から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(6)透光性基体上に、直接又は他の層を介して、前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用粘着型光学フィルムである。
(7)透明導電膜上に、直接又は他の層を介して、前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用光学部材である。
(8)b*値が−0.1〜3.0の範囲にあることを特徴とする前記(7)に記載のタッチパネル用光学部材である。
(9)a*値が−2.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする前記(7)または(8)に記載のタッチパネル用光学部材である。
(10)前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層または前記(7)〜(9)いずれか一項に記載のタッチパネル用光学部材を備えたことを特徴とするタッチパネルである。
(2)全光線透過率が90%以上であることを特徴とする前記(1)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(3)b*値が−6.0〜−0.1の範囲にあることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(4)a*値が−1.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層である。
(5)前記ネオン発光吸収色素が、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、フタロシアニン系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ジチオール金属錯体系、ピロメテン系、ポルフィリン系、から選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)に記載のタッチパネル用粘着層である。
(6)透光性基体上に、直接又は他の層を介して、前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用粘着型光学フィルムである。
(7)透明導電膜上に、直接又は他の層を介して、前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用光学部材である。
(8)b*値が−0.1〜3.0の範囲にあることを特徴とする前記(7)に記載のタッチパネル用光学部材である。
(9)a*値が−2.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする前記(7)または(8)に記載のタッチパネル用光学部材である。
(10)前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層または前記(7)〜(9)いずれか一項に記載のタッチパネル用光学部材を備えたことを特徴とするタッチパネルである。
本発明に係るタッチパネル用粘着層と、透明導電膜である酸化インジウム錫を積層することで、全体として無彩色とすることができるため、色表示性に優れるタッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することができる。
また、本発明を構成する粘着層が、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有するため、高い光透過率を示すタッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することができる。
また、本発明を構成する粘着層が、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有するため、高い光透過率を示すタッチパネル用粘着層、タッチパネル用粘着型光学フィルム、タッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することができる。
<タッチパネル用粘着層>
本発明に係るタッチパネル用粘着層は、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有する。
このような構成をとることにより、上記タッチパネル用粘着層と、黄色を呈する透明導電膜と積層した場合に、無彩色とすることができるとともに、高い全光線透過率を得ることができる。
本発明における全光線透過率は、JIS K7361により測定した値をいう。
本発明に係るタッチパネル用粘着層は、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有する。
このような構成をとることにより、上記タッチパネル用粘着層と、黄色を呈する透明導電膜と積層した場合に、無彩色とすることができるとともに、高い全光線透過率を得ることができる。
本発明における全光線透過率は、JIS K7361により測定した値をいう。
本発明における色はL*a*b*表色系で示したものであり、JIS Z8729−1994に規定される方法によって測定して得られた値である。JIS Z8729−1994の測定方法としては、反射による測定方法、透過による測定方法があるが、本実施の形態では透過で測定した値を用いる。
L*a*b*表色系においては、L*値が明度、a*値とb*値とが、色彩と彩度を表している。具体的には、L*値は0〜100の数値で示され、0に近づくほど暗くなり、100に近づくほど明るくなる。a*値が正の符号であれば赤色の色彩、負の符号であれば緑色の色彩であることを示す。b*値が正の符号であれば黄色の色彩、負の符号であれば青色の色彩である。また、a*値とb*値とも、絶対値が大きいほどその色の彩度が大きく鮮やかな色であることを示し、絶対値が小さいほど彩度が小さいことを示す。
厳密に無彩色とするためには、a*値とb*値をともに0にする必要があるが、本発明における「無彩色」とは、a*値が−2.0〜1.0の範囲にあり、且つ、b*値が−1.0〜3.0の範囲にあるものをいう。
厳密に無彩色とするためには、a*値とb*値をともに0にする必要があるが、本発明における「無彩色」とは、a*値が−2.0〜1.0の範囲にあり、且つ、b*値が−1.0〜3.0の範囲にあるものをいう。
本発明に係るタッチパネル用粘着層は青色の色彩を有するものであり、そのL*値は90.0〜100.0以下の範囲にあることが好ましく、a*値は−1.0〜1.0の範囲にあることが好ましく、b*値は−6.0〜−0.1の範囲にあることが好ましい。
L*値が高くなるほど全光線透過率も高くなる傾向にあるため、L*値は高いほど好ましい。より好ましくは95.0以上、さらに好ましくは99.0以上である。
黄色を呈する透明導電膜は材料、膜厚、製造方法等にもよるがa*値がゼロ付近にあるため、タッチパネル用粘着層のa*値はゼロ付近にあることが好ましい。より好ましい下限値は−0.8であり、さらに好ましい下限値は−0.5である。一方、より好ましい上限値は0.8であり、さらに好ましい上限値は0.5である。
より好ましいb*値の下限値は−3.0であり、さらに好ましい下限値は−1.5である。
L*、a*、b*が当該範囲であれば、黄色を呈する透明導電膜と積層した場合に、無彩色としやすくなるため好ましい。
L*値が高くなるほど全光線透過率も高くなる傾向にあるため、L*値は高いほど好ましい。より好ましくは95.0以上、さらに好ましくは99.0以上である。
黄色を呈する透明導電膜は材料、膜厚、製造方法等にもよるがa*値がゼロ付近にあるため、タッチパネル用粘着層のa*値はゼロ付近にあることが好ましい。より好ましい下限値は−0.8であり、さらに好ましい下限値は−0.5である。一方、より好ましい上限値は0.8であり、さらに好ましい上限値は0.5である。
より好ましいb*値の下限値は−3.0であり、さらに好ましい下限値は−1.5である。
L*、a*、b*が当該範囲であれば、黄色を呈する透明導電膜と積層した場合に、無彩色としやすくなるため好ましい。
本発明に係るタッチパネル用粘着層と黄色を呈する透明導電膜を積層したタッチパネル用光学部材のL*値は80.0以上であり、a*値は−2.0〜1.0の範囲にあり、b*値は−1.0〜3.0の範囲にあることが好ましい。
より好ましいL*値は85.0以上であり、更に好ましくは90.0以上である。
より好ましいa*値は−1.5以上0.5以下である。
より好ましいb*値は0.1〜3.0である。
より好ましいL*値は85.0以上であり、更に好ましくは90.0以上である。
より好ましいa*値は−1.5以上0.5以下である。
より好ましいb*値は0.1〜3.0である。
(ネオン発光吸収色素)
ネオン発光吸収色素は、粘着層に含有させる必要がある。ネオン光とは600nm付近を中心とする光のことをいい、ネオンオレンジ光とも呼ばれる。ネオン発光吸収色素は種類にもよるが、550nm以上620nm以下のネオンオレンジ光を吸収またはカットする性質を有するものである。
ネオン発光吸収色素は、粘着層に含有させる必要がある。ネオン光とは600nm付近を中心とする光のことをいい、ネオンオレンジ光とも呼ばれる。ネオン発光吸収色素は種類にもよるが、550nm以上620nm以下のネオンオレンジ光を吸収またはカットする性質を有するものである。
上記の吸収波長域のうち、570nm以上605nm以下の波長域に吸収極大値を有するネオン発光吸収色素を使用することにより、黄色を呈する透明導電膜と積層した場合に、無彩色とすることができる。ネオン発光吸収色素は、570nm未満および605nm超の可視光領域(約400nm以上570nm未満、605nm超約800nm以下)において光吸収作用をほとんど示さず、570nm以上605nm以下の波長域にシャープな吸収極大値を有するため、高い全光線透過率を発揮することができる。全光線透過率及び各波長における透過率は含有させる色素量に依存するが、粘着層の固形分100質量部に含まれるネオン発光吸収色素が0.01質量部である場合、粘着層単独での透過率は570nm未満の可視光領域における各波長で97.0%以上であり、605nm超の可視光領域における各波長で95.0%以上である。ネオン発光吸収色素を含有させた粘着層単独での全光線透過率は、94.0%以上であることが好ましく、95.0%以上であることがさらに好ましく、96.0%以上であることが特に好ましい。可視光領域における光吸収領域が狭い方が、高い全光線透過率を発揮しやすくなるため好ましい。最大吸収波長の下限値は580nmであることが好ましく、585nmであることがより好ましい。最大吸収波長の上限値は600nmであることが好ましく、595nmであることがより好ましい。好ましい下限値または好ましい上限値のいずれかを有することで、高い全光線透過率を得やすくなるとともに、透明導電膜と積層した場合に無彩色に近づくため優れた色表示を得やすくなる。また、好ましい下限値と上限値の組合せとすることで、より高い全光線透過率を得やすくなるとともに、透明導電膜と積層した場合により無彩色に近づくため、より優れた色表示を得ることができる。
ネオン発光吸収色素を使用することにより、タッチパネル用粘着層は90%以上の高い全光線透過率を得ることができる。また、本発明のタッチパネル用粘着層は95%以上、96%以上の全光線透過率を得ることも可能である。これは、ネオン発光吸収色素は比較的狭い波長域に極大吸収域が存在するからである。一方、ネオン発光吸収色素以外の色素(汎用色素)であっても、600nm付近に吸収極大を有する色素は存在するが、ネオン発光吸収色素に比べ吸収域が広範に及ぶことと吸収作用が弱いため、無彩色を維持した上で全光線透過率を90%以上とすることは難しい。
ネオン発光吸収色素は、具体的には、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、フタロシアニン系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ジチオール金属錯体系、ピロメテン系、ポルフィリン系等が挙げられる。これらの色素は、単独または2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、ポルフィリン系色素(テトラアザポルフィリン化合物)を用いることが好適である。
市販されているネオン発光吸収色素としては、アデカアークルズTY−102(旭電化工業社製)、アデカアークルズTY−14(旭電化工業社製)、アデカアークルズTY−15(旭電化工業社製)、TAP−2(山田化学工業製)、TAP−18(山田化学工業製)、TAP−45(山田化学工業製)、商品名NK−5451(林原生物化学研究所製)、NK−5532(林原生物化学研究所製)、NK−5450(林原生物化学研究所製)、PD−320(山本化成社製)等が挙げられる。
アクリル系ポリマーを使用した粘着層にネオン発光吸収色素を含有させる場合、ポルフィリン系色素(テトラアザポルフィリン化合物)を使用すると色素の劣化が生じにくいため好ましい。
テトラアザポルフィリン化合物としては、下記一般式(1)で表されるものを使用することが好ましい。
ネオン発光吸収色素の添加量は、色素の種類によって異なるが、最大吸収波長での透過率が80%以上になるように添加するのが好適である。
(粘着層)
粘着層は、任意の接着剤組成物または粘着剤組成物からなる層である。具体的にはアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられる。
本発明においては、アクリル系粘着剤組成物を使用することが好ましい。アクリル系粘着剤組成物は、高い全光線透過率が得られやすく、好ましい接着性を得ることができる。アクリル系粘着剤組成物は下記のアクリル系ポリマーを含有することが好ましい。
粘着層は、任意の接着剤組成物または粘着剤組成物からなる層である。具体的にはアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられる。
本発明においては、アクリル系粘着剤組成物を使用することが好ましい。アクリル系粘着剤組成物は、高い全光線透過率が得られやすく、好ましい接着性を得ることができる。アクリル系粘着剤組成物は下記のアクリル系ポリマーを含有することが好ましい。
アクリル系ポリマー
アクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含有することが好適であり、官能基含有ポリマー(カルボキシル基含有モノマーと水酸基含有モノマーとアミノ基含有モノマーとアミド基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーから選択される少なくとも一種)と、前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとを重合させて得られるものであることがより好適である。これらのポリマーの中でも、透明導電膜に直接接する場合を考慮しアルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレート{(メタ)アクリル酸アルキルエステル}モノマーと水酸基含有モノマーとを含有して重合されてなるアクリル系ポリマーを使用することが好適である。アクリル系ポリマーは、粘着層固形分成分100質量部に対し50質量部以上含まれていることが好適であり、60〜99.9質量部の範囲がより好適である。
アクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含有することが好適であり、官能基含有ポリマー(カルボキシル基含有モノマーと水酸基含有モノマーとアミノ基含有モノマーとアミド基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーから選択される少なくとも一種)と、前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとを重合させて得られるものであることがより好適である。これらのポリマーの中でも、透明導電膜に直接接する場合を考慮しアルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレート{(メタ)アクリル酸アルキルエステル}モノマーと水酸基含有モノマーとを含有して重合されてなるアクリル系ポリマーを使用することが好適である。アクリル系ポリマーは、粘着層固形分成分100質量部に対し50質量部以上含まれていることが好適であり、60〜99.9質量部の範囲がより好適である。
アルキル(メタ)アクリレート(アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート)としては、特に制限されないが、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。尚、モノマー成分としてのアルキル(メタ)アクリレートは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらのアクリレートの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレートの単体が特に好適である。アルキル(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系ポリマー100質量部中、1〜100質量%であればよいが、50〜99質量%が好適であり、70〜98質量%が更に好適である。
カルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。また、これらのカルボキシル基含有モノマーの無水物も、カルボキシル基含有モノマーとして用いることができる。
水酸基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル、アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、メタクリル酸−2−グリシジルエーテル等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーと水酸基含有モノマーとアミノ基含有モノマーとアミド基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーは架橋剤との架橋点として作用する。これら官能基を含有するモノマーは0.1〜15質量量%の割合で使用される。架橋点として透明導電膜を腐食しない水酸基含有モノマーが好適に使用される。
アクリル系ポリマーは、公知の重合方法により製造することができるが、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法等が挙げられる。また、重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤などは、公知のものを適宜用いることが可能である。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万〜200万が好適であり、30万〜150万がより好適であり、40万〜120万が更に好適である。
上記アクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が0℃未満であることが好ましく、−20℃未満であれば粘着性は更に良好なものとなるので好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)により測定されるショルダー値である。
アクリル系ポリマーの酸価は0以上300mgKOH/g以下が好適である。
本発明に係るタッチパネル用粘着層と透明導電膜を直接積層する場合は、粘着層を構成するアクリル系ポリマーの酸価が0に近づくほど、透明導電膜を腐食しにくくなるため好ましい。具体的には、1mg KOH/g以下であることが好ましい。1mg KOH/g超であると透明導電膜の導電性または透明性を悪化させることから好ましくない。酸価が0の場合は透明導電膜に接する構成において透明導電膜を腐食しない利点があり、酸価が300mgKOH/g超であるとネオン発光吸収色素の劣化が生じやすくなる。
本発明に係るタッチパネル用粘着層と透明導電膜を直接積層する場合は、粘着層を構成するアクリル系ポリマーの酸価が0に近づくほど、透明導電膜を腐食しにくくなるため好ましい。具体的には、1mg KOH/g以下であることが好ましい。1mg KOH/g超であると透明導電膜の導電性または透明性を悪化させることから好ましくない。酸価が0の場合は透明導電膜に接する構成において透明導電膜を腐食しない利点があり、酸価が300mgKOH/g超であるとネオン発光吸収色素の劣化が生じやすくなる。
任意成分
アクリル系粘着剤組成物は、その他、種々の公知の添加剤を添加することができるが、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す近赤外線吸収粘着層などとしてもよい。本発明に係る粘着剤組成物には、他の近赤外線吸収色素が添加されてもよい。また、色調を調整するため可視光吸収色素が添加されていてもよい。その他、防錆剤が添加されていることが好適である。
アクリル系粘着剤組成物は、その他、種々の公知の添加剤を添加することができるが、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す近赤外線吸収粘着層などとしてもよい。本発明に係る粘着剤組成物には、他の近赤外線吸収色素が添加されてもよい。また、色調を調整するため可視光吸収色素が添加されていてもよい。その他、防錆剤が添加されていることが好適である。
架橋剤
また、アクリル系粘着剤組成物は、架橋剤を含有していることが好適である。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系架橋剤や、イソシアネート系架橋剤が好適である。
また、アクリル系粘着剤組成物は、架橋剤を含有していることが好適である。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系架橋剤や、イソシアネート系架橋剤が好適である。
エポキシ系架橋剤は、エポキシ化合物を含有し、エポキシ化合物としては、例えば、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部、さらに好ましくは0.02〜0.5質量部である。エポキシ系化合物の使用量が0.001質量部未満では、光学フィルムとの密着性や耐久性の点で好ましくない。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート化合物を含有し、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと付加したアダクト系イソシアネート化合物、イソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどを付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートなどが挙げられる。これらイソシアネート系化合物のなかでも、透光性基体との密着性向上の面からは、キシリレンジイソシアネート等のアダクト系イソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜3質量部、さらに好ましくは0.02〜2.5質量部である。イソシアネート系化合物の使用量が0.001質量部未満では、光学フィルムとの密着性や耐久性の点で好ましくない。
粘着層にネオン発光吸収色素を含有させる場合、任意の接着剤組成物または粘着剤組成物に溶剤とネオン発光吸収色素を加えて塗料(粘着層形成塗料)として、透光性基体上にコーティングした後、上記塗料乾燥後、必要に応じて硬化処理(熱あるいは電離放射線)を施すことによって、ネオン発光吸収色素含有粘着層を形成させることができる。
粘着層にネオン発光吸収色素を含有させる場合、粘着層固形分成分100質量部に対して、0.0001質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜1質量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.5質量部である。
下限値未満では好ましいb*値が得られにくくなり、上限値超では全光線透過率が90%未満となりやすくなる。
下限値未満では好ましいb*値が得られにくくなり、上限値超では全光線透過率が90%未満となりやすくなる。
<タッチパネル用粘着型光学フィルム>
上記のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層することにより、タッチパネル用粘着型光学フィルムとすることができる。透光性基体と粘着層は隣接して積層されていてもよいし、透光性基体と粘着層の間に他の層を有していてもよいし、粘着層上に他の層を有していてもよい。また、タッチパネル用粘着層の両面に透光性基体を積層してもよい。
ここで他の層としては、例えば、ハードコート層、偏光層、光拡散層、低反射層、防汚層、帯電防止層、紫外線・近赤外線(NIR)吸収層、電磁波シールド層、接着層(粘着層)などを挙げることができる。
上記のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層することにより、タッチパネル用粘着型光学フィルムとすることができる。透光性基体と粘着層は隣接して積層されていてもよいし、透光性基体と粘着層の間に他の層を有していてもよいし、粘着層上に他の層を有していてもよい。また、タッチパネル用粘着層の両面に透光性基体を積層してもよい。
ここで他の層としては、例えば、ハードコート層、偏光層、光拡散層、低反射層、防汚層、帯電防止層、紫外線・近赤外線(NIR)吸収層、電磁波シールド層、接着層(粘着層)などを挙げることができる。
透光性基体上に粘着層形成塗料を塗布する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
(透光性基体)
本最良形態に係る透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。
これらの各種樹脂フィルムの表面(片面又は両面)に剥離層を設けることもできる。
本最良形態に係る透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。
これらの各種樹脂フィルムの表面(片面又は両面)に剥離層を設けることもできる。
これら透光性基体の透明性は高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用することが好適である。
透光性基体表面に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理などのトリートメント処理、界面活性剤、シランカップリング剤などのプライマーコーティング、Si蒸着などの薄膜ドライコーティングなどを施すことも可能である。
<タッチパネル用光学部材>
本発明に係るタッチパネル用粘着層を、黄色を呈する透明導電膜と積層することで、タッチパネル用光学部材とすることができる。タッチパネル用粘着層と透明導電膜は隣接して積層されていてもよいし、タッチパネル用粘着層と透明導電膜の間に他の層を有していてもよい。
ここで他の層としては、タッチパネル用粘着型光学フィルムで例示したものと同じものを使用することができる。
本発明に係るタッチパネル用粘着層を、黄色を呈する透明導電膜と積層することで、タッチパネル用光学部材とすることができる。タッチパネル用粘着層と透明導電膜は隣接して積層されていてもよいし、タッチパネル用粘着層と透明導電膜の間に他の層を有していてもよい。
ここで他の層としては、タッチパネル用粘着型光学フィルムで例示したものと同じものを使用することができる。
(透明導電膜)
本発明に係るタッチパネル用粘着層により無彩色とすることができる透明導電膜色彩はa*値が−2.0〜1.0であり、b*=0.1〜6.0である。
このようなa*値及びb*値を有する材料としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム錫、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。これらのうち、酸化インジウム錫は単独・単層で上記の色彩を呈する。
本発明に係るタッチパネル用粘着層により無彩色とすることができる透明導電膜色彩はa*値が−2.0〜1.0であり、b*=0.1〜6.0である。
このようなa*値及びb*値を有する材料としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム錫、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。これらのうち、酸化インジウム錫は単独・単層で上記の色彩を呈する。
透明導電膜の膜厚は4〜200nmの範囲が好ましく、特に好ましくは5〜100nmである。透明導電膜の膜厚が4nmよりも薄い場合、連続した薄膜になりにくく良好な導電性を示しにくい傾向がある。一方、200nmよりも厚い場合、ディスプレイに組み込んだ際の色表示性と透明性を両立することが困難となる。
透明導電膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができる。
例えば、スパッタリング法の場合、酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
<タッチパネル>
本発明に係るタッチパネル用粘着層は、透明導電膜を使用したタッチパネルに使用することで、タッチパネルを無彩色に近づけることができる。このようなタッチパネルとしては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等が挙げられる。
また、観察面側に出射する光が無彩色であればよいのであって、タッチパネル用粘着層の積層位置は限定されるものではなく、例えば、観察面側に設けてもよいし、光源側に設けてもよい。
本発明に係るタッチパネル用粘着層は、透明導電膜を使用したタッチパネルに使用することで、タッチパネルを無彩色に近づけることができる。このようなタッチパネルとしては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等が挙げられる。
また、観察面側に出射する光が無彩色であればよいのであって、タッチパネル用粘着層の積層位置は限定されるものではなく、例えば、観察面側に設けてもよいし、光源側に設けてもよい。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
(アクリル系粘着剤の調製)
モノマーとしてブチルアクリレート(427.3g)、エチルアクリレート(171.2g)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(1.5g)を秤量し、十分に混合して重合性モノマー混合物(a1)を得た。次いで、この重合性モノマー混合物(a1)300gと酢酸エチル160gとをフラスコに入れた。また、滴下ロートに300gの重合性モノマー混合物(a1)、16gの酢酸エチル及び0.15gの2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリルを入れ、よく混合して滴下用混合物(a2)を調製した。
モノマーとしてブチルアクリレート(427.3g)、エチルアクリレート(171.2g)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(1.5g)を秤量し、十分に混合して重合性モノマー混合物(a1)を得た。次いで、この重合性モノマー混合物(a1)300gと酢酸エチル160gとをフラスコに入れた。また、滴下ロートに300gの重合性モノマー混合物(a1)、16gの酢酸エチル及び0.15gの2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリルを入れ、よく混合して滴下用混合物(a2)を調製した。
次に、窒素ガスを20ml/分で流通させながら、上記フラスコの内温を95℃まで上昇させ、重合開始剤である2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリル(0.15g)をフラスコに投入し、重合反応を開始させた。そして、このフラスコに滴下ロートから滴下用混合物(a2)を90分掛けて滴下した。滴下用混合物(a2)の滴下終了後、粘度の上昇に応じて酢酸エチルで希釈を行いながら、6時間の熟成を行った。反応終了後、重量平均分子量60万、酸価0mgKOH/gのアクリル系粘着剤a3を得た。
(実施例1)
ネオン光吸収色素PD-320(山本化成社製、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有する)をメチルエチルケトン(以下、MEKという)に溶解し、固形分1%の色素溶液A4を調整した。
さらに、架橋剤としてイソシアネート系硬化剤コロネートL(日本ポリウレタン工業製)をMEKに溶解し、固形分10%の架橋剤溶液B5を調製した。
そして、上記のアクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.015質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合し、粘着剤a1を得た。
ネオン光吸収色素PD-320(山本化成社製、波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有する)をメチルエチルケトン(以下、MEKという)に溶解し、固形分1%の色素溶液A4を調整した。
さらに、架橋剤としてイソシアネート系硬化剤コロネートL(日本ポリウレタン工業製)をMEKに溶解し、固形分10%の架橋剤溶液B5を調製した。
そして、上記のアクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.015質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合し、粘着剤a1を得た。
上記のようにして調製された粘着剤a1をアプリケーターにて剥離PET(リンテック製、商品名:PET38C)に塗工した。塗工時の厚みは乾燥後の粘着剤厚みが25μmになる様に調整した。次いで、80℃のオーブン中にて2分間乾燥させた。この粘着剤aからなる層に剥離フィルム(リンテック製、商品名:PET3801)を貼り合せ、常温で7日間養生させ、実施例1の粘着型光学フィルムを作製した。
実施例1の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
実施例1の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
[実施例2]
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.010質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a2を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2の粘着型光学フィルムを得た。
実施例2の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.010質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a2を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2の粘着型光学フィルムを得た。
実施例2の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
[実施例3]
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.005質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a3を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3の粘着型光学フィルムを得た。
実施例3の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.005質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a3を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3の粘着型光学フィルムを得た。
実施例3の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
[実施例4]
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.002質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a4を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例4の粘着型光学フィルムを得た。
実施例4の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
粘着剤a1のかわりに、アクリル系粘着剤a3 100質量部中に固形分比で色素溶液A4を0.002質量部、架橋剤溶液B5を0.9質量部となる様に添加・混合した粘着剤a4を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例4の粘着型光学フィルムを得た。
実施例4の粘着型光学フィルムは、本発明のタッチパネル用粘着層を透光性基体上に積層したものである。
上記の粘着型光学フィルムに使用した各粘着剤に含まれる色素溶液の種類・量と、架橋剤溶液の量を表1に示す。
<評価1−1>
上記の各粘着型光学フィルムから軽剥離側剥離PETを剥がし、易接着処理光学PET(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4300)に貼り合せた。さらに、各粘着型光学フィルムから重剥離側剥離PETを剥がし、評価試験用の粘着型光学フィルムを得た。
得られた評価試験用の各粘着型光学フィルムに対して、分光光度計(島津製作所製、商品名:UV3150)により透過スペクトル及び色調を測定した。色調はJIS Z8729−1994に準じて測定した。
実施例2の粘着型光学フィルムの透過スペクトルを図1に、各実施例の色調を表2に示した。
図1から明らかなように実施例2の粘着型光学フィルムは、波長570nm〜605nmに吸収極大値を有している。
上記の各粘着型光学フィルムから軽剥離側剥離PETを剥がし、易接着処理光学PET(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4300)に貼り合せた。さらに、各粘着型光学フィルムから重剥離側剥離PETを剥がし、評価試験用の粘着型光学フィルムを得た。
得られた評価試験用の各粘着型光学フィルムに対して、分光光度計(島津製作所製、商品名:UV3150)により透過スペクトル及び色調を測定した。色調はJIS Z8729−1994に準じて測定した。
実施例2の粘着型光学フィルムの透過スペクトルを図1に、各実施例の色調を表2に示した。
図1から明らかなように実施例2の粘着型光学フィルムは、波長570nm〜605nmに吸収極大値を有している。
<評価1−2>
また、上記評価試験用の粘着型光学フィルムをJIS K7361に準じてヘイズメーター(日本電色製、商品名:NDH2000)により全光線透過率を測定した。それぞれの測定結果を表2に示した。
なお測定は易接着処理光学PET単体でベースライン測定をおこなった後、評価試験用粘着フィルムを測定した。
また、上記評価試験用の粘着型光学フィルムをJIS K7361に準じてヘイズメーター(日本電色製、商品名:NDH2000)により全光線透過率を測定した。それぞれの測定結果を表2に示した。
なお測定は易接着処理光学PET単体でベースライン測定をおこなった後、評価試験用粘着フィルムを測定した。
<評価2>
実施例1〜4の各粘着型光学フィルムから軽剥離PETを剥がし、露出した粘着層面をITOフィルム(東洋紡社製、商品名TT115)の透明導電膜面に貼り合せ、さらに重剥離側剥離PETを剥がし、実施例5〜8のタッチパネル用光学部材とした。
得られた各光学部材に対して、分光光度計(島津製作所製、商品名:UV3150)により透過スペクトル及び色調を測定し、JIS K7361に準じてヘイズメーター(日本電色製、商品名:NDH2000)により全光線透過率を測定し、それぞれの測定結果を表3に示した。色調はJIS Z8729−1994に準じて測定した。
実施例1〜4の各粘着型光学フィルムから軽剥離PETを剥がし、露出した粘着層面をITOフィルム(東洋紡社製、商品名TT115)の透明導電膜面に貼り合せ、さらに重剥離側剥離PETを剥がし、実施例5〜8のタッチパネル用光学部材とした。
得られた各光学部材に対して、分光光度計(島津製作所製、商品名:UV3150)により透過スペクトル及び色調を測定し、JIS K7361に準じてヘイズメーター(日本電色製、商品名:NDH2000)により全光線透過率を測定し、それぞれの測定結果を表3に示した。色調はJIS Z8729−1994に準じて測定した。
本発明のタッチパネル用粘着層を使用した実施例1〜実施例4の粘着型光学フィルムは、青色の色彩を有するものであり、且つ、吸収極大が570nm〜605nmの領域に存在するため、高い全光線透過率を達成することができる。また、本発明のタッチパネル用粘着層を使用した実施例5〜8の光学部材によって、a*値が−2.0〜1.0かつb*値が−0.1〜3.0の範囲にあるからより無彩色に近づけることができる。したがって、色表示性に優れるタッチパネル用光学部材及びタッチパネルを提供することができる。
Claims (10)
- 波長570nm〜605nmの範囲に吸収極大を有するネオン発光吸収色素を含有することを特徴とするタッチパネル用粘着層。
- 全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用粘着層。
- b*値が−6.0〜−0.1の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル用粘着層。
- a*値が−1.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層。
- 前記ネオン発光吸収色素が、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、フタロシアニン系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ジチオール金属錯体系、ピロメテン系、ポルフィリン系、から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用粘着層。
- 透光性基体上に、直接又は他の層を介して、請求項1〜5いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用粘着型光学フィルム。
- 透明導電膜上に、直接又は他の層を介して、請求項1〜5いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層が積層されてなることを特徴とするタッチパネル用光学部材。
- b*値が−0.1〜3.0の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル用光学部材。
- a*値が−2.0〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項7または8に記載のタッチパネル用光学部材。
- 請求項1〜5いずれか一項に記載のタッチパネル用粘着層または請求項7〜9いずれか一項に記載のタッチパネル用光学部材を備えたことを特徴とするタッチパネル。
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WO2016186029A1 (ja) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | 積水化学工業株式会社 | タッチパネル用層間充填材料及びタッチパネル積層体 |
EP3232238A4 (en) * | 2014-12-10 | 2018-08-29 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Polarizing plate with transparent adhesive, and touch panel |
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