JP2013075933A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム成分と、液状ジエン系重合体と、平均一次粒子径が300nm以下の微粒子酸化亜鉛及び脂肪酸を、前記脂肪酸の融点以上の温度で混合して得られる錯体とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子酸化亜鉛を0.1〜20質量部含むことが好ましい。
前記液状ジエン系重合体の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましい。
前記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
前記空気入りタイヤは、競技用タイヤであることが好ましい。
なお、スチレン含有量は、H1−NMR測定によって算出される。
なお、本明細書において、液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、液状SBRのスチレン含量は、H1−NMR測定により算出される。
なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
CH3(CH2)rCOOH
(式中、rは10〜30(好ましくは14〜18)の整数を表す。)
このような脂肪酸としては、耐ブロー性、耐摩耗性が高い次元で得られるという理由から、ステアリン酸が好ましい。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0質量部(実質的にオイルを含有しない)である。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、N2SA:142m2/g、DBP吸油量:116ml/100g)
老化防止剤6C:フレキシス社製サントフレックス13
老化防止剤224:フレキシス社製ノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
パルミチン酸:和光純薬工業(株)製のパルミチン酸
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子径:1.0μm=1000nm)
微粒子酸化亜鉛1:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−1(平均一次粒子径:100nm)
微粒子酸化亜鉛2:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−3(平均一次粒子径:50nm)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260
液状ポリマー1:サートマー社製のRICON100(液状SBR、スチレン含量:20質量%、ビニル含量:70質量%、重量平均分子量:5000、軟化点:20℃以下)
液状ポリマー2:サートマー社製のRICON100の部分水素添加品(水素添加率60%)下記製造例1で調製
液状ポリマー3:サートマー社製のRICON142(液状BR、重量平均分子量:10000)
液状ポリマー4:クラレ社製のクラプレンLIR30(液状IR、重量平均分子量:29000)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
(水素添加液状SBRの調製)
攪拌翼つきの3Lオートクレーブに、「RICON100(液状SBR)」を80g、10%パラジウムカーボン(東京化成工業(株)製)を5g加え、窒素置換した後、圧力が5.0kg/cm2となるように水素置換して80℃で水素添加反応を行い、水素添加液状SBRを得た。
(錯体の調製)
表1に示す配合処方にしたがい、ヘンシェルミキサーを用いて、ステアリン酸又はパルミチン酸を溶解温度(69〜72℃)以上に加熱し、ステアリン酸又はパルミチン酸が融解したことを確認した後に各種酸化亜鉛を添加した。5分間攪拌混合した後に室温にて空冷することで錯体を得た。
製造例1で調製した微粒子酸化亜鉛とステアリン酸による錯体、酸化亜鉛とステアリン酸による錯体について、FT−IRを用いて錯体の形成を確認したところ、微粒子酸化亜鉛を用いたものでは錯体の形成が確認された(図1)。また、微粒子酸化亜鉛とパルミチン酸でも、錯体の形成が確認された。
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り)。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。なお、比較例4、6はベース練りを2回多く行った。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
(架橋度(SWELL))
得られた加硫ゴム組成物をトルエンで抽出し、抽出前後の体積変化率(SWELL)を測定した。なお、SWELLが小さいほど、架橋のばらつきを抑制でき、好ましいことを示す。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数10Hzの条件下で、40℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率E’及び損失正接tanδ)を測定した。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数10Hzの条件下で、100℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率E’及び損失正接tanδ)を測定した。
なお、40℃における粘弾性試験において、tanδ/E’が大きいほど、初期グリップ性能(低温条件下でのグリップ性能)に優れる。
また、100℃における粘弾性試験において、tanδ/E’が大きいほど、後半グリップ性能(高温条件下でのグリップ性能)に優れる。
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。そして、比較例1の引張強度指数を100とし、下記計算式により、各配合のM300を指数表示した。なお、引張強度指数が大きいほど、耐アブレージョン摩耗性能に優れることを示す。ただし、ブローが発生した場合には、引張強度指数に関わらず、耐アブレージョン摩耗性能は低下する。
(引張強度指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×85
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(DRY路面)を8周走行し、比較例1のタイヤの初期グリップ性能、後半グリップ性能を3.0点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目の(低温条件下での)グリップ性能、後半グリップ性能は5〜8周目の(高温条件下での)グリップ性能を示す。
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(DRY路面)を18周走行した。走行後、タイヤの摩耗外観を観察し、比較例1のタイヤの摩耗外観を3.0点とし、5点満点で評価した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。更に、走行後のタイヤを解体し、トレッド断面のブローの発生度合いを観察し、比較例1を3.0点とし、5点満点で耐ブロー性を評価した。数値が大きいほど耐ブロー性に優れることを示す。
Claims (8)
- ゴム成分と、
液状ジエン系重合体と、
平均一次粒子径が300nm以下の微粒子酸化亜鉛及び脂肪酸を、前記脂肪酸の融点以上の温度で混合して得られる錯体とを含むタイヤ用ゴム組成物。 - 前記錯体において、前記微粒子酸化亜鉛及び前記脂肪酸の合計100質量%中の前記微粒子酸化亜鉛の含有率が、10〜90質量%である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子酸化亜鉛を0.1〜20質量部含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記液状ジエン系重合体の重量平均分子量は、1000〜50000である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記液状ジエン系重合体の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜200質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
- 競技用タイヤである請求項7記載の空気入りタイヤ。
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JP2013075930A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-25 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ |
JP2017179614A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 日本製紙株式会社 | Uv印刷物の脱墨方法 |
JP2018095702A (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-21 | 東洋ゴム工業株式会社 | タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
US10179479B2 (en) | 2015-05-19 | 2019-01-15 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Plant oil-containing rubber compositions, tread thereof and race tires containing the tread |
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