JP2013075861A - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルボニル基を有する化合物を高い収率で得ることができ、それにより、カルボニル基を有する化合物を得る工程の収率を高め、含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ、重合反応性を有する含フッ素化合物の効率的な製造法の提供。
【解決手段】下記反応式で表される含フッ素化合物の製造。
Figure 2013075861

【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素化合物の製造方法に関する。
含フッ素化合物のうち、含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ重合反応性を有する化合物として、たとえば下式(h−1)および下式(h−2)で表される化合物が知られている(特許文献1および2参照。)。該含フッ素化合物は、重合反応性が高いため、含フッ素ポリマーを製造するモノマーに適しており、得られた含フッ素ポリマーは、フルオロスルホニル基をスルホン酸基(−SOH基)に変換した後、たとえば燃料電池のイオン交換膜材料、触媒層用の電解質材料として好適に用いられる。
なお、本明細書においては、式(h−1)で表される化合物を化合物(h−1)と記す場合がある。他の式で表される化合物も同様である。
Figure 2013075861
Figure 2013075861
含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ重合反応性を有する含フッ素化合物の製造方法としては、下記スキームに示すように、出発原料である含フッ素ビニル化合物(z−2)を酸化して含フッ素エポキシ化合物(a−2)を得る工程;該含フッ素エポキシ化合物(a−2)にカルボニル化合物を反応させてカルボニル基を有する化合物(d1−2)を得る工程;該化合物(d1−2)にヘキサフルオロプロピレンオキシド(以下、HFPOと記す。)を反応させて化合物(g−2)を得る工程;化合物(g−2)を熱分解して、目的の化合物(h−2)を得る工程;を有する製造方法がある(特許文献2の実施例参照。)。
Figure 2013075861
国際公開第2003/037885号 特開2006−290864号公報
しかし、該製造方法のうち、含フッ素エポキシ化合物(a−2)にカルボニル化合物を反応させてカルボニル基を有する化合物(d1−2)を得る工程は、化合物(d1−2)の収率が不充分であった。
本発明は、カルボニル化合物と反応させることにより、カルボニル基を有する化合物を高い収率で得ることができる含フッ素エポキシ化合物を製造することを目的とする。また、それにより、カルボニル基を有する化合物を得る工程の収率を高め、含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ、重合反応性を有する含フッ素化合物を効率的に製造することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、出発原料である含フッ素ビニル化合物を酸化して含フッ素エポキシ化合物を得る工程においては、含フッ素エポキシ化合物の他に副生成物として酸フルオリド化合物が生成し、該酸フルオリド化合物を除去せずに、次のカルボニル基を有する化合物を得る工程を行うと、該工程でのカルボニル基を有する化合物の収率が低下することを見出した。
また、酸フルオリド化合物が残存したままで、さらにその後の工程を行うと、酸フルオリド化合物とHFPOとの副反応により、後工程における目的生成物とは分離が困難な副生成物が生成してしまうことを見出した。
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、下式(z)で表される化合物の酸化反応により、下式(a)で表される化合物を含む混合物を得る工程(i)と、前記混合物にヒドロキシ基を有する化合物(m)を反応させて、前記混合物に含まれ、下式(b)で表される酸フルオリド化合物をエステル化し、カルボン酸エステルに変換する工程(ii)と、前記式(a)で表される化合物と前記カルボン酸エステルを含む混合物から、該カルボン酸エステルを分離して除去する工程(iii)と、を有する、ことを特徴とする。
Figure 2013075861
Figure 2013075861
Figure 2013075861
(ただし、Qは、単結合またはペルフルオロ2価有機基を示す。)
前記工程(iii)を蒸留法により行うことが好ましい。
前記工程(iii)の後に、前記式(a)で表される化合物にカルボニル化合物を反応させて、下式(d1)で表される化合物および下式(d2)で表される化合物の少なくとも一方を含む生成物を生成させる工程(iv)を有することが好ましい。
前記工程(iv)を−30〜0℃で行うことが好ましい。
Figure 2013075861
前記工程(iv)の後に、前記式(d1)で表される化合物および式(d2)で表される化合物の少なくとも一方を含む生成物にHFPOを反応させて、下式(f)で表される化合物を生成させる工程(v)と、前記式(f)で表される化合物の異性化反応により、下式(g)で表される化合物を得る工程(vi)と、前記式(g)で表される化合物の熱分解反応により、下式(h)で表される化合物を得る工程(vii)と、を有することができる。
Figure 2013075861
Figure 2013075861
Figure 2013075861
本発明によれば、カルボニル化合物と反応させることにより、カルボニル基を有する化合物を高い収率で得ることができる含フッ素エポキシ化合物を製造できる。また、それにより、カルボニル基を有する化合物を得る工程の収率を高め、含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ、重合反応性を有する含フッ素化合物を効率的に製造できる。
本発明の製造方法の概要の一例は、下式で表される。
Figure 2013075861
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、化合物(z)の酸化反応により、化合物(a)を含む混合物を得る工程(i);該混合物にヒドロキシ基を有する化合物(m)を反応させて、前記混合物に副生成物として含まれ、式(b)で表される酸フルオリド化合物をエステル化し、式(k−1)で表されるカルボン酸エステルに変換する工程(ii);化合物(a)とカルボン酸エステルを含む混合物から、該カルボン酸エステルを分離して除去する工程(iii);を有する。
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、工程(iii)の後に、化合物(a)にカルボニル化合物を反応させて、カルボニル基を有する化合物である化合物(d1)および化合物(d2)の少なくとも一方を含む生成物を生成させる工程(iv);を有することができる。
また、本発明の含フッ素化合物の製造方法は、工程(iv)の後に、化合物(d1)および化合物(d2)の少なくも一方を含む生成物にHFPOを反応させて、化合物(f)を生成させる工程(v);化合物(f)の異性化反応により、化合物(g)を得る工程(vi);化合物(g)の熱分解反応により、化合物(h)を得る工程(vii);とを有することができる。
なお、上式は、ヒドロキシ基を有する化合物(m)として、式ROHで表される一価のアルコール類またはフェノール類を用いた場合を例示するものである。
また、以下、式(b)で表される酸フルオリド化合物のことを酸フルオリド化合物(b)、式(k−1)で表されるカルボン酸エステルのことをカルボン酸エステル(k−1)と記す場合がある。他の式で表される酸フルオリド化合物およびカルボン酸エステルも同様である。
Qは、単結合または2価のペルフルオロ有機基を示す。
Qが単結合であるとは、Qに隣接して記載された2つの原子、すなわち炭素原子とSOF基の硫黄原子とが、他の原子を介さずに直接結合していることを意味する。
2価のペルフルオロ有機基はエーテル結合性酸素原子を有してもよい。有機基は、炭素原子を1個以上有する基であり、炭素原子を1〜10個有することが好ましく、炭素原子を1〜6個有することがより好ましい。2価のペルフルオロ有機基としては、エーテル結合性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキレン基が好ましい。ペルフルオロアルキレン基がエーテル結合性酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素−炭素結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
以下、各工程(i)〜(vii)について順次説明する。
(工程(i))
工程(i)では、出発原料である化合物(z)を酸化反応させて、化合物(a)を含む混合物を得る。
化合物(z)としては、たとえば下記化合物(z−1)〜(z−6)が挙げられる。出発原料が化合物(z−1)である場合、工程(i)において下記化合物(a−1)が生成する。
CF=CFCFOCFCFSOF・・・(z−1)
CF=CF(CFSOF・・・(z−2)
CF=CFSOF・・・(z−3)
CF=CFCFSOF・・・(z−4)
CF=CFCFCFSOF・・・(z−5)
CF=CF(CFSOF・・・(z−6)
Figure 2013075861
酸化反応は、化合物(z)を酸素ガスと接触させる方法、化合物(z)を次亜塩素酸塩と接触させる方法により行うことができ、反応収率の観点から、化合物(z)を酸素ガスと接触させる方法を選択することがより好ましい。
酸素ガスを用いる酸化反応は、不活性溶媒(たとえば、フルオロトリクロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、ペンタフルオロジクロロプロパン、ペルフルオロシクロブタン)の存在下に行ってもよく、溶媒の不存在下に行ってもよい。反応の温度は、収率と反応選択率の観点から、50℃〜200℃が好ましく、80℃〜150℃が特に好ましい。反応圧力(酸素分圧)は0.03MPa〜20MPaで行うのが好ましく、0.1MPa〜10MPaで行うのがより好ましい。酸素ガスの使用量は、化合物(z)のモル数に対して1〜100倍モル量用いるのが好ましい。また、酸化反応時の爆発を防止する観点から、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系内へ導入することにより、気相部の酸素濃度を希釈して反応させることが好ましい。
次亜塩素酸塩を用いる酸化反応は、次亜塩素酸塩を含む水層と有機層を含む2層系の酸化反応で行うことができる。反応の温度は、収率と反応選択率の観点から、50℃〜200℃が好ましく、80℃〜150℃がより好ましい。さらに水層は相間移動触媒を含むことが好ましい。
次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸セシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カルシウムが好ましく、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムがより好ましい。
相間移動触媒は、次亜塩素酸塩中のカチオンに対する親油性錯化能と有機層に対する親和性とを有する相間移動触媒が好ましく、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩または第4級アルソニウム塩がより好ましく、第4級アンモニウム塩が特に好ましい。
第4級アンモニウム塩としては、式[(X11)(X21)(X31)(X41)N]Yで表される化合物が好ましい。ただし、X11、X21、X31およびX41は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、Yは対イオンであるアニオンを示し、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、水酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンを示す。
第4級アンモニウム塩におけるカチオン部分の具体例としては、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−n−オクチルメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
は塩素イオン、硫酸水素イオンまたは水酸イオンが好ましい。
有機層用の有機溶媒としては、水に不溶または難溶性である不活性有機溶媒が好ましい。不活性有機溶媒の具体例としては、脂肪族炭化水素類(たとえば、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素類(たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、クロロカーボン類(たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン)、クロロフルオロカーボン類(たとえば、フルオロトリクロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン)、フルオロカーボン類(たとえば、ペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、ヘキサフルオロベンゼン)等が挙げられる。
化合物(z)を酸化反応させて得られた混合物には、工程(i)の目的生成物である化合物(a)の他に、副生成物として、酸フルオリド化合物(b)が含まれる。出発原料が化合物(z−1)である場合には、酸フルオリド化合物(b)として、下記酸フルオリド化合物(b−1)が生成する。なお、混合物には、酸フルオリド化合物(b)以外の酸フルオリド化合物も少量含まれる場合がある。また、工程(i)の反応が不十分な場合は、得られた混合物に未反応の化合物(z)も含まれている。
Figure 2013075861
(工程(ii))
工程(ii)では、化合物(a)と酸フルオリド化合物(b)とを含む混合物に対して、ヒドロキシ基を有する化合物(m)を反応させる。該混合物に含まれる酸フルオリド化合物(b)は、化合物(a)よりも化合物(m)に対する反応性が高い。そのため、工程(ii)では、酸フルオリド化合物(b)が化合物(a)よりも優先的に化合物(m)によりエステル化され、酸フルオリド化合物(b)は、カルボン酸エステルに変換される。
化合物(a)と酸フルオリド化合物(b)は沸点が近く、沸点差を利用した分離が困難であるが、工程(ii)において酸フルオリド化合物(b)をカルボン酸エステルへと選択的に変換し、高分子量化することにより、後の工程(iii)において該カルボン酸エステルを化合物(a)から容易に分離して除去できるようになる。
その結果、工程(iv)の収率、すなわち、化合物(a)を基準とした化合物(d1)および化合物(d2)の収率が高まる。その理由は、酸フルオリド化合物(b)に由来する、化合物(a)の副反応が抑制されるためと考えられる。
また、酸フルオリド化合物(b)が残存したままで後述の工程(v)を行うと、酸フルオリド化合物(b)とHFPOとの副反応により、化合物(f)とは沸点が近く沸点差を利用した分離が困難な下記副生成物(化合物(n))が生成する。その点からも、工程(v)よりも前段側の工程(ii)および工程(iii)において、酸フルオリド化合物(b)をカルボン酸エステルに変換し、分離して除去しておくことが好ましい。
なお、前述したように、工程(i)で得られた混合物には、酸フルオリド化合物(b)以外の酸フルオリド化合物も少量含まれる場合がある。その場合、工程(ii)では、少量含まれる該酸フルオリド化合物もエステル化され、次の工程(iii)で除去することができる。
Figure 2013075861
化合物(m)としては、脂肪族アルコール類、芳香族アルコール類、フェノール類が挙げられる。
これらのうちでは、酸フルオリド化合物(b)とのエステル化反応で生成するカルボン酸エステルが化学的に安定で副反応を起こし難く、後述の工程(iii)での分離、除去が容易である点から、第一級脂肪族アルコール類、第二級脂肪族アルコール類、フェノール類が好ましい。
また、化合物(a)と酸フルオリド化合物(b)とを含む混合物はパーフルオロ系液体であるため、該パーフルオロ系液体との相互溶解性が良好であり、エステル化反応の反応性が優れる点からは、融点が0℃以上の化合物(m)が好ましい。融点が0℃以上の化合物(m)は工業的な取扱性が優れる点からも好ましい。
また、化合物(m)と酸フルオリド化合物(b)とのエステル化反応で生成したカルボン酸エステルや、未反応の化合物(m)が、後述の工程(vii)まで残存し、最終的に得られる化合物(h)に不純物として含まれたとしても、該不純物が化合物(h)の重合反応性を低下させない点からは、連鎖移動性の低いエステルを与える化合物(m)が好ましい。
連鎖移動性の低いエステルを与える化合物(m)としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノール、フッ素置換アルコール類が挙げられる。フッ素置換アルコールとしては、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールが挙げられる。
これらのうちでは、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノールが好ましく、メタノールがより好ましい。
化合物(m)としてメタノールを用いた場合、酸フルオリド化合物(b)はエステル化反応により、下記のカルボン酸エステル(k−1−1)に変換される。
Figure 2013075861
エステル化反応に用いる化合物(m)の使用量は、酸フルオリド化合物(b)に対して、0.5〜2当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量がより好ましい。この範囲内であれば、化合物(m)と酸フルオリド化合物(b)とが選択的に反応し、化合物(m)と化合物(a)との反応は抑制される。化合物(m)の使用量が少ないと酸フルオリド化合物(b)の未反応量が多くなり好ましくない。また、化合物(m)の使用量が多いと過剰量の化合物(m)が化合物(a)と反応してしまうことから好ましくない。
エステル化反応の温度は、化合物(m)と化合物(a)との反応を抑制する目的から、−50〜20℃が好ましい。また、同じ目的から、エステル化反応における化合物(m)と、化合物(a)および酸フルオリド化合物(b)を含む混合物との混合も、混合時の液温が上記温度範囲に収まるように制御しながら、該混合物へ化合物(m)を少量ずつ添加して行うことが好ましい。
また、副生するフッ化水素を除去することを目的として、フッ化ナトリウムまたはフッ化カリウムのようなフッ化アルカリ金属類、または脱酸剤等の添加剤を用いてもよい。
(工程(iii))
工程(iii)では、工程(ii)で生成したカルボン酸エステルを分離して除去し、化合物(a)を得る。
カルボン酸エステルを分離して除去する方法としては、化合物(a)とカルボン酸エステルの沸点差を利用した蒸留法;溶解度の差を利用した抽出法;吸着性の差を利用したクロマトグラフィ;などが挙げられ、高い分離度が得られること、溶剤や吸着剤等の廃棄物が出ないこと、工業的生産性に優れていることなどの点から、蒸留法が好ましい。
蒸留法によりカルボン酸エステルを分離して除去する場合、常圧蒸留または減圧蒸留が好ましく、熱による化合物の分解を防止する観点から減圧蒸留がより好ましい。蒸留装置としては、単蒸留のような空塔の蒸留塔、または内部に充填物を配した蒸留塔など、蒸気圧差による分離という目的を達することができればいずれの方法も利用可能である。
また、蒸留により得られた化合物(a)には、沸点が非常に近い化合物(z)が含まれることがあるが、化合物(z)は工程(iv)以降の反応に影響を及ぼさず、また工程(iv)以降の精製過程において容易に分離除去が可能であることから、化合物(z)の混在は工程上問題無い。
(工程(iv))
工程(iv)では、カルボン酸エステルが分離、除去された化合物(a)に、カルボニル化合物を反応させて、カルボニル基を有する化合物(d1)および化合物(d2)の少なくとも一方を含む生成物を生成させる。化合物(d2)は、化合物(d1)の環化二量体であり、カルボニル化合物として式RNCHOで表される化合物(j)を用いた場合には、化合物(d1)から化合物(d2)への二量化の反応速度は大きいため、工程(iv)の生成物には、化合物(d2)のみが含まれ、化合物(d1)は確認できない場合が多い。一方、カルボニル化合物としてベンゾフェノンを用いた場合、工程(iv)では主に化合物(d1)が生成する。
化合物(a−1)に、カルボニル化合物を反応させた場合、工程(iv)では、下記化合物(d1−1)および化合物(d2−1)の少なくとも一方を含む生成物が生成する。
Figure 2013075861
カルボニル化合物とは、−C(O)−構造を1個以上有する化合物である。
カルボニル化合物として、上述の式RNCHOで表される化合物(j)を用いると、工程(iv)の温度を低く設定できることから好ましい。すなわち、工程(iv)では副生成物として下記の含フッ素アミン化合物(c)が生成する。該化合物(c)は反応性が高く、温度が比較的高い条件下ではフッ素イオンを放出することで、化合物(d2)の副反応を引き起こすと考えられ、該条件下では化合物(d2)の収率は低くなる。よって、工程(iv)の温度を低くすることにより、化合物(c)と化合物(d2)との副反応を抑制し、化合物(d2)の収率を高く維持することができる。
カルボニル化合物として化合物(j)を用いた場合、工程(iv)の温度を−50〜20℃とすることができ、反応速度の確保および副反応の抑制の点からは、−30〜0℃が好ましく、−25〜0℃がさらに好ましい。
また、工程(iv)の時間は、0.5時間〜1週間とするのが好ましく、1〜48時間とするのが特に好ましく、とりわけ2〜24時間とするのが好ましい。
なお、工程(iv)の後には、後述のとおり、必要に応じて化合物(c)を減圧留去してから工程(v)を行うが、生成物の生成が終了した後、次の操作(すなわち、化合物(c)を減圧留去する操作、あるいは、工程(v)。)を開始する時点までの間も、その液温を上記範囲内に保持することが好ましい。
Figure 2013075861
化合物(j)および化合物(c)中のRおよびRは、それぞれ独立して、直鎖状または分岐状の炭素数1〜10の有機基である。RとRとは、同じでも異なっていてもよい。また、RとRとは、結合を介して、環を形成していてもよい。また、R、Rは、炭素数が2以上である場合には、炭素原子−炭素原子結合間にエーテル結合性酸素原子を有していてもよい。
化合物(j)としては、N,N−ジメチルホルムアミド((CHNCHO)、N−ホルミルモルホリン等が挙げられる。
カルボニル化合物は、化合物(a)の0.8〜2倍モルを用いることが好ましく、1〜1.5倍モル用いることがより好ましい。
反応は、溶媒の存在下に行っても溶媒の不存在下に行ってもよく、溶媒の存在下に行うことが好ましい。溶媒は、非プロトン性溶媒が好ましく、エーテル系非プロトン性溶媒(たとえば、テトラグライム、トリグライム、ジグライム、モノグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン)が特に好ましい。
工程(iv)の後には、工程(iv)を行った反応器内の温度を前述した工程(iv)の温度の範囲内に維持したまま減圧し、化合物(c)を減圧留去してから、工程(v)を行うことが好ましい。化合物(c)は、蒸留装置を閉塞させる原因物質を生成するため、蒸留装置に移すことなく、このように反応器内において化合物(c)を留去することが好ましい。化合物(c)の留去は、反応系から化合物(c)を除去し終わるまで行うことが好ましい。具体的には、化合物(c)の生成量に対して90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%の量が除去し終わるまで行うことが好ましい。反応系に残存する化合物(c)の定量は、NMR測定やクールオンカラム法によるガスクロマトグラフィー測定により行うことができる。
(工程(v))
工程(v)では、工程(iv)で得られた化合物(d1)および化合物(d2)の少なくとも一方を含む生成物にHFPOを反応させて、化合物(f)を生成させる。なお、前述のとおり、化合物(d2)は、化合物(d1)の環化二量体であり、化合物(d1)から化合物(d2)への二量化の反応速度は大きい。そのため、工程(iv)の生成物は、化合物(d2)のみを含むものであってもよい。また、工程(iv)の反応条件によっては、該工程(iv)の生成物は、化合物(d1)のみを含むものであってもよい。
反応は、フッ化物イオン触媒の存在下で行うことが好ましく、フッ化物イオン触媒としてはAgF、NaF、KF、CsFなどの金属フッ化物や、テトラブチルアンモニウムフルオリドのような有機フッ化物を用いることが好ましい。なかでも、金属フッ化物としてアルカリ金属フッ化物を用いることが好ましく、HFPO付加反応の反応性の点から、CsFがより好ましい。フッ化物イオン触媒は、化合物(d1)および化合物(d2)の合計に対して、0.01〜1倍モルを用いることが好ましく、0.05〜0.2倍モルを用いることが特に好ましい(単量体である化合物(d1)のモル数を基準とする。)。
反応温度は、HFPO付加反応の選択率を高めるため、−50〜50℃が好ましく、−30〜20℃がより好ましい。
また、反応時間は0.5〜24時間が好ましく、1〜12時間がさらに好ましい。
反応は、溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては非プロトン性極性溶媒が好ましく、グライム系溶媒(たとえば、テトラグライム、トリグライム、ジグライム、モノグライム)がより好ましい。また、アセトニトリル、アジポニトリル等の非プロトン性極性溶媒と、グライム系溶媒との混合溶媒も用いることができる。なお、場合によっては、反応後、化合物(f)を蒸留法などで精製してから、工程(vi)を行ってもよい。
化合物(d1−1)および化合物(d2−1)の少なくとも一方を含む生成物にHFPOを反応させた場合、下記化合物(f−1)が生成する。
Figure 2013075861
(工程(vi))
工程(vi)では、6員環構造の化合物(f)の異性化反応により、5員環構造の化合物(g)を得る。
異性化反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては非プロトン性極性溶媒が好ましく、グライム系溶媒(たとえば、テトラグライム、トリグライム、ジグライム、モノグライム)やスルホランが挙げられる。また、アセトニトリル、アジポニトリル等の非プロトン性極性溶媒と、グライム系溶媒との混合溶媒も用いることができる。
異性化反応は、フッ化物イオン触媒の存在下で行うことが好ましく、フッ化物イオン触媒としては、AgF、NaF、KF、CsFなどの金属フッ化物や、テトラブチルアンモニウムフルオリドのような有機フッ化物を用いることが好ましい。なかでも、金属フッ化物としてアルカリ金属フッ化物を用いることが好ましく、異性化反応の反応性の点から、CsFがより好ましい。
異性化反応を溶媒およびフッ化物イオン触媒の存在下で行う場合、フッ化物イオン触媒の溶媒に対する濃度は、0.51〜10モル/Lであることが好ましく、0.55〜8モル/Lがより好ましく、0.6〜3モル/Lがさらに好ましい。異性化反応の反応速度は、フッ化物イオン触媒の溶媒に対する濃度が0.51モル/Lにおいて急激に増大し、また、0.6モル/L以上において再現性よく良好な異性化反応速度が得られ、化合物(g)の収率が非常に大きくなる。10モル/L以下、好ましくは3モル/L以下とすることによって、フッ化物イオン触媒の使用量を抑制でき、該フッ化物イオン触媒によるコストを低減できる。
化合物(f)に対するフッ化物イオン触媒の量は、化合物(f)に対して0.01〜3倍モルが好ましく、0.03〜1倍モルがより好ましく、0.05〜0.3倍モルがさらに好ましい。
異性化反応の温度は、105〜135℃が好ましく、110〜130℃がより好ましい。105℃以上であれば、充分な反応速度が得られ、110℃以上であればより十分な反応速度が得られる。135℃以下であれば、高い選択性で化合物(g)が得られ、130℃以下であれば、より高い選択性で化合物(g)が得られる。その理由は、反応性が高い−SOF基による副反応が抑制されるためと考えられる。その結果、高収率で化合物(g)が得られる。異性化反応の温度は115〜125℃がさらに好ましい。
また、異性化反応の時間は0.5〜24時間が好ましく、1〜10時間がさらに好ましい。
異性化反応後、化合物(g)を蒸留法などで精製してから、工程(vii)を行うことが好ましい。
化合物(f−1)の異性化反応では、下記化合物(g−1)が生成する。
Figure 2013075861
なお、工程(v)および(vi)を連続した一工程で行ってもよい。その場合には、まず、化合物(d1)および化合物(d2)の少なくとも一方を含む生成物とHFPOとを溶媒およびフッ化物イオン触媒の存在下、−50〜50℃で0.5〜24時間反応させ、その後昇温し、105〜135℃で0.5〜24時間、さらに好ましくは1〜10時間加熱する。これにより化合物(d1)および化合物(d2)から化合物(g)を得ることができる。
(工程(vii))
工程(vii)では、化合物(g)の熱分解反応により、化合物(h)を得る。
熱分解反応は、気相反応で行っても液相反応で行ってもよく、反応効率の観点から気相反応で行うことが好ましい。
熱分解反応の温度は、150℃以上が好ましく、200℃〜500℃が特に好ましく、とりわけ250℃〜450℃が好ましい。
熱分解反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、またはガラスビーズが好ましい。触媒の粒子径は、100〜250μmが好ましい。
アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩としては、炭酸塩、フッ化物が好ましい。アルカリ金属塩の具体例としては、NaCO、NaF、KCO、KF、LiCO等が挙げられる。アルカリ土類金属塩の具体例としては、CaCO、CaF、MgCO、BaCO等が挙げられる。ガラスビーズに使用するガラスの具体例としては、一般的なソーダガラスが挙げられる。
なお、化合物(h)の重合反応性は非常に高く、空気との接触や熱により自己重合を起こす。そのため、反応により生成した化合物(h)の重合を防止する目的から、反応系内および/あるいは生成物の捕集器内へ重合禁止剤を添加するのが好ましい。
また、反応後に化合物(h)の精留を行う際にも、蒸留釜や蒸留留分の受け器へ重合禁止剤を添加するのが好ましい。
得られた化合物(h)は重合禁止剤を添加した上、窒素雰囲気下で冷暗所に保管するのが好ましい。
このように重合禁止剤が添加された化合物(h)をモノマーとして重合反応に用いる場合には、反応前に、活性炭やシリカゲル等の吸着剤による処理、あるいは減圧蒸留などの処理により、モノマーから重合禁止剤を除去するのが好ましい。
重合禁止剤としては、パラベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチルベンゾキノン等のキノン類、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール等のフェノール類、フェノチアジン、チオ尿素等の含イオウ化合物類、N−ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ化合物類、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のピペリジン−1−オキシル類、酢酸銅、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン等の遷移金属化合物類、等を用いることができる。
以上説明したように本発明の製造方法は、工程(ii)において、工程(i)で得られた混合物中に含まれる酸フルオリド化合物(b)にヒドロキシ基を有する化合物(m)を反応させて、該酸フルオリド化合物(b)をカルボン酸エステルに変換し、工程(iii)において、該カルボン酸エステルを分離して除去することにより、工程(iv)における化合物(d1)あるいは化合物(d2)の収率を高めることができる。また、それにより、含フッ素脂肪族環構造とフルオロスルホニル基とを有し、かつ、重合反応性を有する化合物(h)を効率的に製造できる。
また、このように酸フルオリド化合物(b)を除去することにより、後述の工程(v)において、酸フルオリド化合物(b)とHFPOとの副反応による副生成物の生成を抑制できる。該副生成物は、工程(v)の目的生成物である化合物(f)とは分離が困難であるため、工程(v)よりも前段側の工程において酸フルオリド化合物(b)を除去することが有益である。
化合物(h)は重合反応性が高いため、含フッ素ポリマーを製造するためのモノマーに適しており、得られた含フッ素ポリマーは、固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性膜、固体高分子型燃料電池の触媒層用プロトン伝導性材料として有用である。また該含フッ素ポリマーは、食塩電解用イオン交換膜、水電解用イオン交換膜、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池のポリマー電解質、イオン交換樹脂等の種々の電解質用途、および固体酸触媒、加湿膜、除湿膜等の材料としても有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
なお、ガスクロマトグラフ分析は、下記構成の装置を用いて実施した。
ガスクロマトグラフ装置:島津製作所製 GC−1700
キャピラリーカラム:アジレント・テクノロジー社製 DB−1301(カラム長=60m、カラム内径=0.25mm、液膜厚み=1.0μm
検出器:水素炎イオン検出器
また、測定結果の表示はガスクロマトグラフ分析で得られる面積%の値を用いた。
[実施例1]
〔1〕工程(i):化合物(a−1)の合成
下記化合物(z−1)を国際公開第2007/013532号パンフレットに記載の方法により酸化し、化合物(a−1)を合成した。
CF=CFCFOCFCFSOF・・・(z−1)
なお、合成後の反応液を19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、化学シフト基準:CFCl。以下の各19F−NMR測定は同条件にて実施。)により分析し、内部標準試料(1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン。以下の各19F−NMR測定における内部標準試料は同物質を使用。)の添加量から定量を行ったところ、化合物(a−1)濃度は57.4質量%、未反応の(z−1)濃度は3.5質量%であった。また、化学シフトδ=10〜30ppmの部分に現れる複数ピークの強度から算出した、副生した酸フルオリド類の濃度の合計は、0.70mol/kgであった。そのうち、化学シフトδ=14.2ppmの部分に現れるピークの強度から算出した酸フルオリド化合物(b−1)の濃度は0.61mol/kgであった。
Figure 2013075861
Figure 2013075861
〔2〕工程(ii)および(iii):化合物(a−1)の精製操作
(1)工程(ii)
攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた10Lのポリエチレン製反応容器に、前記〔1〕記載の方法で合成した混合物(化合物(a−1)混合液(化合物(a−1)濃度=57.4質量%、化合物(z−1)濃度=3.5質量%、副生した酸フルオリド類の濃度の合計=0.70mol/kg、そのうち酸フルオリド化合物(b−1)濃度=0.61mol/kg))の8403gを仕込んだのち、仕込み液を攪拌翼で攪拌しながら反応器を冷媒で冷却した。内温が5℃となったとき、滴下漏斗に仕込んだメタノール(化合物(m))の188.6gを化合物(a−1)混合液へ滴下した。滴下に31分間を要し、その間の混合液温度は4〜8℃であった。滴下完了後、液温を4〜10℃に保ち反応を2時間継続した。反応器を再び冷媒で冷却し、フッ化ナトリウムの744.8gを23分間かけて添加した。添加の間、内温は5〜10℃であった。添加完了後、47分間攪拌を継続したところで反応を終了した。
なお、化合物(m)の使用量は、副生した酸フルオリド類の濃度の合計に対して1.0当量、また、酸フルオリド化合物(b−1)濃度に対して、1.1当量であった。
反応液をガスクロマトグラフにより分析したところ、反応前は10.92%であった酸フルオリド化合物(b−1)量が、反応後は1.10%まで減少しているのを確認した。代わりに、カルボン酸エステル(k−1−1)が15.26%生成しているのを確認した。
反応液を19F−NMR分析したところ、副生した酸フルオリド類に由来する、化学シフトδ=10〜30ppmの部分に現れる複数ピークと、酸フルオリド化合物(b−1)に由来する化学シフトδ=14.2ppmと−76.7ppmのピーク強度が減少し、代わりにカルボン酸エステル(k−1−1)に由来する−77.4ppmのピーク強度が増加した。またH−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、化学シフト基準:テトラメチルシラン。)の化学シフトδ=4.0ppmに、メチルエステルのメチル基に由来するピークが新たに現れた。
(2)工程(iii)
次に、攪拌機、温度計、不規則充填物を充填した蒸留塔(内径3cm×塔長50cm、充填長36cm)を備えた10L4つ口フラスコへ、上記工程(ii)で得られた反応液を移し、150torr(=20kPa)の圧力で減圧蒸留を行った。
蒸留の結果、無色透明の化合物(a−1)精製液の5437gが得られた。
該精製液を19F−NMRによる内部標準法にて定量分析したところ、化合物(a−1)濃度=83.6質量%、化合物(z−1)濃度=5.0質量%、酸フルオリド化合物(b−1)濃度は0.09mol/kgであった。
〔3〕工程(iv):化合物(d2−1)の合成
攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた10Lの4つ口フラスコを、冷媒浴へ備え付けた。フラスコへN,N−ジメチルホルムアミド((CHNCHO、化合物(j))の1245gとのテトラグライムの1719gを仕込み、攪拌しながらフラスコ内液を−21℃まで冷却した。前記〔2〕記載の方法で精製した無色透明の化合物(a−1)精製液の6417g(化合物(a−1)純度=83.6質量%)を滴下漏斗から滴下した。滴下に伴い、反応液は白く濁った。滴下には3.6時間を要し、その間の反応液温度は−21〜−10℃であった。滴下完了後、反応液温度を−10℃に保ったまま20時間攪拌を継続した。反応液をサンプリングし19F−NMR測定により内部標準法で定量分析し、化合物(d2−1)が86%の収率(化合物(a−1)を基準とした収率)で得られていることを確認した。
Figure 2013075861
このようにして工程(iv)を行った後、引き続き、副生成物である下記化合物(c−1)を除去した。
反応液の入ったフラスコを真空ポンプ、真空計、真空調節器に繋ぎ、内温を−11℃〜0℃に制御しながら圧力3〜10torr(=0.4〜13.3kPa)で低沸点成分を留去した。この操作は化合物(c−1)が反応系内から消失するまで継続し、結果として9時間で1387gの低沸成分を留去した。化合物(c−1)消失の確認は、19F−NMR測定によりδ=−101.1ppm付近に現れるピークが検出されるか否かで判断した。その後、3〜5torr(=0.4〜0.7kPa)の圧力において、内温を20℃まで徐々に上げて行き、化合物(z−1)等の低沸点成分も併せて8.5時間留去させた。一連の留去操作による低沸点成分の合計留去量は1867gであった。
留去後のフラスコ残液として、7513gの反応液を得た。そのうち、化合物(d2−1)の含量は4328gであった。
なお、化合物(d2−1)の19F−NMRのデータを示す。
化学シフトδ(ppm):45.4(2F)、24.4(0.54F)、23.0(0.46F)、−81.4〜−85.4(8F)、−112.7(4F)、−121.8(0.46F)、−123.3(0.54F)。
Figure 2013075861
〔4〕工程(v):化合物(f−1)の合成
攪拌機、温度計、ドライアイスコンデンサーを備えた10Lの4つ口フラスコを、冷媒浴へ備え付けた。前記〔3〕記載の方法と同様にして合成した反応液の6479g(化合物(d2−1)含量=3692g)をフラスコに仕込んだ。攪拌しながら冷却し、内温が−25℃になった時点でフッ化セシウムの163.3gを添加した。この操作により内温が−20℃まで上昇した。次に、4つ口フラスコとHFPOガスのボンベを接続し、気相部に導入したHFPOガスがドライアイスコンデンサーによって凝縮されるようにHFPOガスの2346gをチャージした。チャージには4時間を要し、この間の反応液温度は−21℃〜−1℃であった。チャージ終了後、反応液温度を−14℃〜−5℃に保ったまま1.3時間攪拌を継続した。攪拌停止により二層分離した反応液の下層をガスクロマトグラフィーにより分析し、目的の化合物(f−1)の生成を確認した。
このようにして工程(v)を行った後、化合物(f−1)を以下のようにして分離精製した。
反応液を5Lの分液ロートへ移した。橙色透明の上層と無色透明の下層の二層へと分離した。下層を分取し6557gの反応粗液を得た。
次に、攪拌機、温度計、不規則充填物を充填した蒸留塔(内径3cm×塔長50cm、充填長36cm)を備えた5L4つ口フラスコへ上記反応粗液を移し、26torr(=3.5kPa)の圧力で減圧蒸留を行った。蒸留の結果、無色透明の化合物(f−1)精製液の3521gが得られた。精製液を19F−NMR測定により内部標準法で定量分析したところ、化合物(f−1)純度は98.3質量%であった。これより、化合物(d2−1)基準の化合物(f−1)収率は62%となった。
得られた精製液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、化合物(f−1)純度は99.22%であった。また少量の不純物として、化合物(n)に相当する下記の化合物(n−1)が0.09%含まれていた。
なお、化合物(f−1)の19F−NMRのデータを示す。
化学シフトδ(ppm):45.3(1F)、−80.9(1F)、−82.1〜−83.9(7F+0.2F)、−93.3(0.8F)、−112.7(2F)、−113.4(0.8F)、−117.2(0.2F)、−124.5(0.2F)、−127.3(0.8F)。
Figure 2013075861
Figure 2013075861
〔5〕工程(vi):化合物(g−1)の合成
攪拌機、温度計、ジムロート冷却器を備えた5Lの4つ口フラスコを、マントルヒーターへ備え付けた。化合物(f−1)の3024g(純度99.4質量%)とテトラグライムの668gを仕込み、室温で攪拌を開始した。触媒としてフッ化セシウムの131.1gを添加し、マントルヒーターで加熱して120℃で4.8時間反応させた。
このようにして工程(vi)を行った後、化合物(g−1)を以下のようにして分離精製した。
反応器を水浴にて冷却したのち、反応液を5Lの分液ロートへ移したところ、橙色透明の上層と白濁液体の下層の二層へと分離した。下層を分取し2489gの反応液を得た。
次に、攪拌機、温度計、不規則充填物を充填した蒸留塔(内径3cm×塔長50cm、充填長36cm)を備えた5L4つ口フラスコへ上記反応液を移し、20torr(=2.7kPa)で減圧蒸留を行った。蒸留の結果、無色透明の化合物(g−1)精製液の2234gが得られた。精製液を19F−NMR測定により内部標準法で定量分析したところ、化合物(g−1)純度は97.0質量%であった。これより、化合物(f−1)基準の化合物(g−1)収率は72%となった。
Figure 2013075861
〔6〕工程(vii):化合物(h−1)の合成
ガラスビーズが充填された内径1インチのステンレス反応管(流動層型)を310℃に加熱し、反応管の出口の一方には冷却トラップを設置した。冷却トラップの内部には、重合禁止剤として、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(商品名:Q−1301、和光純薬製)を0.02g添加した。あらかじめ該温度に加熱し連続的に気化させた化合物(g−1)と窒素ガスとの混合ガス(モル比5:95)を流通させた。滞留時間は15秒、線速度は2.6cm/秒であった。化合物(g−1)の使用量は105.9gであった。冷却トラップに留出する液体を捕集して化合物(h−1)を主成分とする液を得た。捕集した液体を減圧蒸留して化合物(h−1)を得た。蒸留の際にも、蒸留釜や蒸留留分の受け器に上記重合禁止剤を添加した。化合物(g−1)基準の化合物(h−1)収率は47%であった。
Figure 2013075861
[比較例1] 工程(ii)および(iii)を省略した場合の化合物(d2−1)の合成例
実施例1の〔1〕と同様にして工程(i)を行い、化合物(a−1)を合成した。
なお、合成後の反応液を19F−NMRにより分析し、内部標準試料の添加量から定量を行ったところ、化合物(a−1)濃度は62.2質量%、未反応の(z−1)濃度は1.7質量%であった。また、化学シフトδ=10〜30ppmの部分に現れる複数ピークの強度から算出した、副生した酸フルオリド類の濃度の合計は0.67mol/Lであった。そのうち、化学シフトδ=14.2ppmの部分に現れるピークの強度から算出した酸フルオリド化合物(b−1)の濃度は0.59mol/kgであった。
次に、工程(ii)および(iii)を行わずに、以下のように工程(iv)を行った。
すなわち、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた1Lの4つ口フラスコを、冷媒浴へ備え付けた。フラスコへ95.1gのN,N−ジメチルホルムアミドと131.3gのテトラグライムを仕込み、攪拌しながらフラスコ内液を−26℃まで冷却した。前述のようにして得られた化合物(a−1)642.3g(化合物(a−1)濃度=62.2質量%、化合物(z−1)濃度=1.7質量%、副生した酸フルオリド類の濃度の合計=0.67mol/L、そのうち酸フルオリド化合物(b−1)の濃度=0.59mol/kg)を滴下漏斗から滴下した。滴下に伴い、反応液は白く濁った。滴下には27分間を要し、その間の反応液温度は−26〜−24℃であった。滴下完了後、反応液温度を−21〜−10℃に保ったまま10時間攪拌を継続した。反応液をサンプリングし19F−NMR測定により内部標準法で定量分析し、化合物(d2−1)が75%の収率(化合物(a−1)を基準とした収率)で得られていることを確認した。
[参考例] 工程(ii)および(iii)を省略した場合の化合物(f−1)の合成および精製例
比較例1の操作に引き続いて、副生成物である化合物(c−1)を除去した。
反応液の入ったフラスコを真空ポンプ、真空計、真空調節器、冷却トラップに繋ぎ、内温を−16℃〜−5℃に制御しながら圧力1〜5torr(=0.1〜0.7kPa)で低沸点成分を冷却トラップへ留去した。実施例1と同様にして化合物(c−1)の留去を確認した後、2〜3torr(=0.3〜0.4kPa)の圧力において、内温を25℃まで徐々に上げて行き、化合物(z−1)等の低沸点成分も併せて6.5時間留去させた。一連の留去操作による低沸点成分の合計留去量は280.0gであった。
留去後のフラスコ残液として、588.7gの反応液を得た。そのうち、化合物(d2−1)の含量は279.5gであった。
引き続き、工程(v)を行い、化合物(f−1)を合成した。
攪拌機、温度計、ドライアイスコンデンサーを備えた10Lの4つ口フラスコを、冷媒浴へ備え付けた。上記の方法により合成した反応液の588.7g(化合物(d2−1)含量=279.5g)をフラスコに仕込んだ。攪拌しながら冷却し、内温が12℃になった時点でフッ化セシウムの13.8gを添加した。この操作による発熱は見られなかった。次に、4つ口フラスコとHFPOガスのボンベを接続し、気相部に導入したHFPOガスがドライアイスコンデンサーによって凝縮されるようにHFPOガスの216gをチャージした。チャージには1.3時間を要し、この間の反応液温度は−7℃〜12℃であった。チャージ終了後、反応液温度を−1℃〜12℃に保ち1.4時間攪拌を継続した。攪拌停止により二層分離した反応液の下層をガスクロマトグラフィーにより分析し、目的の化合物(f−1)の生成を確認した。
このようにして工程(v)を行った後、化合物(f−1)を以下のようにして分離精製した。
反応液を500mLの分液ロートへ移した。橙色透明の上層と無色透明の下層の二層へと分離した。下層を分取し633.9gの反応粗液を得た。
次に、攪拌機、温度計、不規則充填物を充填した蒸留塔(内径1.5cm×塔長40cm、充填長27cm)を備えた500mL4つ口フラスコへ上記反応粗液を移し、21torr(=2.8kPa)の圧力で減圧蒸留を行った。蒸留の結果、無色透明の化合物(f−1)精製液の246.5gが得られた。精製液を19F−NMR測定により内部標準法で定量分析したところ、化合物(f−1)純度は94.4質量%であった。これより、化合物(d2−1)基準の化合物(f−1)収率は55%となった。
得られた精製液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、化合物(f−1)純度は98.65%であった。また、この例では、工程(ii)および(iii)を実施しなかったため、不純物として、上記化合物(n−1)が0.58%含まれていた。
[比較例2] 工程(ii)および(iii)の省略に加え、工程(iv)の温度が高い場合の化合物(d2−1)の合成例
実施例1の〔1〕と同様にして工程(i)を行い、化合物(a−1)を合成した。
なお、合成後の反応液を19F−NMRにより分析し、内部標準試料の添加量から定量を行ったところ、化合物(a−1)濃度は62.2質量%、未反応の(z−1)濃度は1.7質量%であった。また、化学シフトδ=10〜30ppmの部分に現れる複数ピークの強度から算出した、副生した酸フルオリド類の濃度の合計は0.67mol/Lであった。そのうち、化学シフトδ=14.2ppmの部分に現れるピークの強度から算出した酸フルオリド化合物(b−1)の濃度は0.59mol/kgであった。
次に、工程(ii)および(iii)を行わずに、以下のように工程(iv)を行った。
すなわち、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた200mLの4つ口フラスコを、氷浴へ備え付けた。フラスコへ14.6gのN,N−ジメチルホルムアミドと20.2gのテトラグライムを仕込み、攪拌しながらフラスコ内液を冷却した。前述のようにして得られた化合物(a−1)99g(化合物(a−1)濃度=62.2質量%、化合物(z−1)濃度=1.7質量%、副生した酸フルオリド類の濃度の合計=0.67mol/L、そのうち酸フルオリド化合物(b−1)の濃度=0.59mol/kg)を滴下漏斗から滴下した。滴下に伴い、反応液は白く濁った。滴下の間、反応液温度は3〜8℃であった。滴下完了後、氷浴にて40分間攪拌を継続したのち、反応器を氷浴から外して室温にて更に2時間反応させた。反応液をサンプリングし19F−NMR測定により内部標準法で定量分析し、化合物(d2−1)が49%の収率で得られていることを確認した。
以上のように、実施例1では、工程(iv)による化合物(d2−1)の収率が86%であるのに対して、工程(ii)および(iii)を省略した比較例1では75%、工程(ii)および(iii)の省略に加え、工程(iv)の反応温度が高い比較例2では49%であった。酸フルオリド化合物(b−1)を除去してから工程(iv)を行うこと、また、工程(iv)を−30〜0℃で行うことによって、高い収率で化合物(d2−1)が得られることがわかった。
本発明の製造方法によれば、高い収率で、重合反応性が高く、含フッ素ポリマーを製造するモノマーに適している含フッ素化合物およびその中間体を製造できる。該含フッ素化合物を重合して得られた含フッ素ポリマーは、燃料電池のイオン交換膜材料などとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 下式(z)で表される化合物の酸化反応により、下式(a)で表される化合物を含む混合物を得る工程(i)と、
    前記混合物にヒドロキシ基を有する化合物(m)を反応させて、前記混合物に含まれ、下式(b)で表される酸フルオリド化合物をエステル化し、カルボン酸エステルに変換する工程(ii)と、
    前記式(a)で表される化合物と前記カルボン酸エステルを含む混合物から、該カルボン酸エステルを分離して除去する工程(iii)と、
    を有する、含フッ素化合物の製造方法。
    Figure 2013075861
    Figure 2013075861
    Figure 2013075861
    (ただし、Qは、単結合またはペルフルオロ2価有機基を示す。)
  2. 前記工程(iii)を蒸留法により行う、請求項1に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  3. 前記工程(iii)の後に、前記式(a)で表される化合物にカルボニル化合物を反応させて、下式(d1)で表される化合物および下式(d2)で表される化合物の少なくとも一方を含む生成物を生成させる工程(iv)を有する、請求項1または2に記載の含フッ素化合物の製造方法。
    Figure 2013075861
  4. 前記工程(iv)を−30〜0℃で行う、請求項3に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  5. 前記工程(iv)の後に、
    前記式(d1)で表される化合物および式(d2)で表される化合物の少なくとも一方を含む生成物にヘキサフルオロプロピレンオキシドを反応させて、下式(f)で表される化合物を生成させる工程(v)と、
    前記式(f)で表される化合物の異性化反応により、下式(g)で表される化合物を得る工程(vi)と、
    前記式(g)で表される化合物の熱分解反応により、下式(h)で表される化合物を得る工程(vii)と、
    を有する、請求項3または4に記載の含フッ素化合物の製造方法。
    Figure 2013075861
    Figure 2013075861
    Figure 2013075861
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