JP2013075787A - 光ファイバ用母材の製造方法、及び、光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光ファイバ用母材10Pの製造方法は、MCVD法を用いて光ファイバ用母材を製造する光ファイバ用母材の製造方法であって、ガラス管15Gを回転しながら加熱すると共に、ガラス管15Gの貫通孔H内にガスを供給する工程を備え、この工程の少なくとも一部において、ガラス管15Gの外径が大きくなるように、貫通孔H内を加圧することを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。本実施形態の光ファイバ10は、例えば、シングルモードファイバとされ、図1に示すように、コア11と、コア11の外周面を囲むクラッド12と、クラッド12の外周面を被覆する第1被覆層13と、第1被覆層13の外周面を被覆する第2被覆層14とから構成される。クラッド12の屈折率はコア11の屈折率よりも低くされている。このような、コア11を構成する材料としては、例えば、屈折率を上昇させるゲルマニウム等の元素が添加された石英が挙げられる。また、クラッド12を構成する材料としては、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英が挙げられる。また、第1被覆層13、第2被覆層14を構成する材料としては、例えば、互いに異なる種類の紫外線硬化樹脂が挙げられる。
まず、ガラス管を準備する。このガラス管は、光ファイバ用母材10Pのクラッドガラス体12Pの一部となるため、製造する光ファイバ10のクラッド12と同様の材料とする。準備したガラス管は、必要に応じて、表面の洗浄を行う。
次に、母材製造装置50にセットされたガラス管15Gの内壁をエッチングする。具体的には、チャッキング部55a,55bを回転させることで、ガラス管15Gを軸中心に回転させると共に、ガラス管15Gの長手方向に沿ってバーナ58を往復移動させることで、ガラス管15Gを加熱する。
次にエッチング工程を経たガラス管15Gの内壁にガラス層を積層する。本実施形態においては、ガラス管15Gの内壁に、まず、クラッドガラス体12Pとなるクラッドガラス層を積層し、次にコアガラス体11Pとなるコアガラス層を積層する。
本工程においては、クラッドガラス層及びコアガラス層が積層された後、原料ガスの供給を停止して、バーナ58を往復移動させることにより、ガラス管15Gを過熱する。この加熱により、ガラス管15Gの貫通孔Hが縮小され、貫通孔Hは潰される。
図6は、線引工程P5の様子を示す図である。
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。図7は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。
第1の製造方法においては、第1実施形態の光ファイバ用母材10Pの製造方法と同様にして、準備工程P1と、エッチング工程P2を行う。なお、本実施形態の本製造方法においても、エッチング工程P2において、第1実施形態のエッチング工程P2と同様にして、ガラス管15Gの外径が大きくなるように、ガラス管15Gの貫通孔H内を加圧する。
第2の製造方法においては、第1の製造方法と同様にして、準備工程P1、エッチング工程P2を行い、さらに積層工程P3のクラッドガラス層を第1の製造方法と同様に行う。なお、本製造方法においても、エッチング工程P2、積層工程P3のクラッドガラス層の積層をする工程において、第1の製造方法と同様にして、ガラス管15Gの外径が大きくなるように、ガラス管15Gの貫通孔H内を加圧する。
外径が40mmで、肉厚が2.2mmで、長さが200cmのガラス管を準備した。このガラス管を母材製造装置にセットして、MCVD法によるコアガラス層の積層を行った。MCVD法においては、ガラス管の回転数を20rpmとし、原料ガスの供給側から排出側に、酸水素バーナを50mm/minで移動させて、80回トラバースさせた。このとき酸水素炎があたっている場所におけるガラス管の温度は、約2000℃であった。さらにトラバース中において、ガラス管の外径が一定となるように、ガラス管の貫通孔を加圧した。このときガラス管の最大振れ回り量は、0.64mmとなった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.040%大きくなるようにしたこと以外は、比較例1と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例1のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.1となった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.050%大きくなるようにしたこと以外は、比較例1と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例1のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.2となった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.090%大きくなるようにしたこと以外は、比較例1と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例1のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.2となった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.140%大きくなるようにしたこと以外は、比較例1と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例1のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.15となった。
外径が38mmで肉厚が2.7mmのガラス管を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、コアガラス層を積層した。このときガラス管の最大振れ回り量は、0.51mmとなった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.070%大きくなるようにしたこと以外は、比較例2と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例2のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.15となった。
ガラス管の貫通孔を加圧して、1回のトラバースにおいて、ガラス管の外径が平均0.160%大きくなるようにしたこと以外は、比較例2と同様にMCVD法によりコアガラス層を積層した。このときガラス管の振れ回り量は、比較例2のガラス管の振れ回り量を1とする場合に、約0.21となった。
10P・・・光ファイバ用母材
11・・・コア
11P・・・コアガラス体
12・・・クラッド
12P・・・クラッドガラス体
13・・・第1被覆層
14・・・第2被覆層
15G・・・ガラス管
15L・・・ガラス層
15S・・・スート
20・・・光ファイバ(増幅用光ファイバ)
21・・・コア
22・・・クラッド
23・・・樹脂クラッド
24・・・被覆層
50・・・母材製造装置
51c・・・キャリアガス供給部
51e・・・エッチングガス供給部
51g・・・SiCl4ガス供給部
51s・・・GeCl4ガス供給部
54・・・ガス供給配管
55a,55b・・・チャッキング部
56・・・加圧ガス供給部
57・・・排ガス処理部
58・・・バーナ
110・・・紡糸炉
111・・・加熱部
120・・・冷却装置
131,133・・・コーティング装置
132,134・・・紫外線照射装置
141・・・ターンプーリー
142・・・リール
P1・・・準備工程
P1・・・準備工程
P2・・・エッチング工程
P3・・・積層工程
P4・・・コラプス工程
P5・・・線引工程
Claims (9)
- MCVD法を用いて光ファイバ用母材を製造する光ファイバ用母材の製造方法であって、
ガラス管を回転させながら加熱すると共に、前記ガラス管の貫通孔内にガスを供給する工程を備え、
前記工程の少なくとも一部において、前記ガラス管の外径が大きくなるように、前記貫通孔内を加圧する
ことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。 - 前記工程は、前記ガラス管の内壁にガラス層を積層する積層工程であり、
前記ガスは、前記ガラス層を積層するための原料ガスである
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法。 - 前記ガラス管を加熱する熱源は、前記ガラス管の長手方向に沿って移動しながら前記ガラス管を加熱し、
前記熱源が前記原料ガスの供給側から排出側に1トラバースする間に、前記ガラス管の外径が、0.040%以上0.160%以下大きくなるように、前記貫通孔内を加圧する
ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ用母材の製造方法。 - 前記積層工程の途中からは、前記ガラス管の外径が一定となるように、前記貫通孔内を加圧することを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
- 前記積層工程の途中からは、前記貫通孔内の加圧を行わないことを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
- 前記積層工程の間、常に、前記ガラス管の外径が大きくなるように、前記貫通孔内を加圧することを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
- 前記工程は、前記ガラス管の内壁をエッチングするエッチング工程であり、
前記ガスは、エッチングガスである
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法。 - 前記加圧は、前記ガラス管の前記ガスが排出される側に加圧用ガスを供給することにより行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
- MCVD法を用いて光ファイバ用母材を製造する光ファイバ用母材製造工程と、
前記光ファイバ用母材を線引きする線引工程と、
を備える光ファイバの製造方法であって、
前記光ファイバ用母材製造工程は、ガラス管を回転させながら加熱すると共に、前記ガラス管の貫通孔内にガスを供給する工程を備え、当該工程の少なくとも一部において、前記ガラス管の外径が大きくなるように、前記貫通孔内を加圧する
こと特徴とする光ファイバの製造方法。
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