JP2013075637A - ラッププリテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス発生手段にて発生したガスの外部への放出を防止又は抑制できるラッププリテンショナを得る。
【解決手段】ラッププリテンショナ10のプリテンショナ本体12を構成するシリンダ14の一端にはガス収容部材150が取り付けられている。ガス収容部材150を構成する筒状のケース152内には袋体170が収容されている。シリンダ14の他端側からガスがガス収容部材150のケース152に送り込まれると、ガスが袋体170内に流れ込み、袋体170を弾性的に膨らませる。このようにして、シリンダ14の一端へ流れたガスは、袋体170内に収容されるので、ガスがシリンダ14の外部に放出されることがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートベルト装置を構成するラッププリテンショナに関する。
下記特許文献1に開示されているラッププリテンショナはガスジェネレータと称されるガス発生手段内のガス発生剤を燃焼させることで生じたガスの圧力でシリンダ内のピストンを摺動させる。これにより、シートベルト装置のバックルやアンカを引張り、車両急減速時等においてウェビングの張力を増加させている。
特開2007−83835号公報
ガス発生手段にて発生したガスの一部は、シリンダの一端からシリンダの外部に抜け出る。
本発明は、上記事実を考慮して、ガス発生手段にて発生したガスの外部への放出を防止又は抑制できるラッププリテンショナを得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るラッププリテンショナは、車両のシートの下部近傍に設けられて、一端が開口したプリテンショナ本体と、前記プリテンショナ本体の内側に設けられて、前記プリテンショナ本体の一端側へ移動することでウェビングにおいて乗員の腰部を拘束するラップウェビングを間接的にシート下方へ引張るピストンと、前記プリテンショナ本体に設けられて、作動することで発生したガスの圧力で前記ピストンを前記プリテンショナ本体の一端側へ移動させるガス発生手段と、前記プリテンショナ本体に設けられて、前記プリテンショナ本体の前記一端へ向かった前記ガスが内部に送り込まれることにより前記ガスの圧力で膨らんで、内側に前記ガスを溜めておくガス収容手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、車両のシートの下部近傍にプリテンショナ本体が設けられる。このプリテンショナ本体にはガス発生手段が設けられており、このガス発生手段が作動すると、ガス発生手段にて発生したガスがプリテンショナ本体内に供給される。プリテンショナ本体にガスが供給されると、このガスの圧力よりピストンがプリテンショナ本体の一端側へ移動する。このようにピストンがプリテンショナ本体の一端側へ移動するとウェビングにおいて乗員の腰部を拘束する部分、所謂「ラップウェビング」が間接的にシート下方へ引張られ、これにより、ウェビングにより乗員の腰部が強く拘束される。
一方、ガス発生手段にて発生してプリテンショナ本体に供給されたガスがプリテンショナ本体の一端へ向かうと、このガスがプリテンショナ本体に設けられたガス収容手段の内部に送り込まれる。ガス収容手段は内部にガスが送り込まれると、このガスの圧力で膨らみ、少なくとも一時的にガスを内側に溜めておく。これにより、プリテンショナ本体の一端からプリテンショナ本体の外部へ前記ガスが放出されることを防止又は抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係るラッププリテンショナは、請求項1に記載の本発明において、前記ガス収容手段を弾性体により構成し、前記ガス収容手段の内部に供給された前記ガスの圧力で前記ガス収容手段が弾性変形して膨らむ構成としている。
請求項2に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ガス収容手段が弾性体により構成される。ガス発生手段にて発生したガスがガス収容手段の内側に送り込まれると、このガスの圧力よりガス収容手段が弾性変形して膨らみ、少なくとも一時的にガスを内側に溜めておく。このように、ガス収容手段はガスの圧力で弾性変形して膨らむので、ガスの圧力が作用していない状態でのガス収容手段を小さくできる。
請求項3に記載の本発明に係るラッププリテンショナは、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記ウェビングに設けられたタングが装着されるバックル及び前記ウェビングの先端側に設けられた支持部材の何れかの一方と前記ピストンとを繋ぐ連結部材と、前記プリテンショナ本体に形成されて前記連結部材が通過する連結部材通過孔に基端が取り付けられると共に、先端が前記何れかの一方に閉塞された状態で前記何れかの一方に取り付けられて、前記連結部材が内側を通ると共に、前記連結部材通過孔を通過した前記ガスを内側に溜めておくブーツと、を備えている。
請求項3に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ガス発生手段にて発生したガスの圧力でピストンがプリテンショナ本体の一端側へ移動すると、このピストンが連結手段を介してバックル又はウェビングの先端側に設けられた支持部材を引張る。これにより、ウェビングが引張られて乗員の腰部が強く拘束される。
ところで、ピストンにより引張られる連結部材はプリテンショナ本体に形成された連結部材通過孔を通過してプリテンショナ本体の外に延び、バックル又は支持部材に繋がっている。この連結部材通過孔にはブーツの基端が取り付けられており、このブーツの内側を連結部材が通っている。ガス発生手段にて発生したガスが連結部材通過孔を通過すると、ブーツの内側に流れ込む。ブーツの先端はバックルや支持体に繋がった状態でバックルや支持体に閉塞されている。このため、ブーツ内に流れ込んだガスは少なくとも一時的にブーツに溜めておかれる。これにより、ガスが外部に漏れ出ないか、又は、外部に漏れ出るガスの量を効果的に低減できる。
請求項4に記載の本発明に係るラッププリテンショナは、請求項3に記載の本発明において、前記ブーツにおける先端と他端との間に弾性的に伸縮可能な蛇腹状の蛇腹部を前記ブーツに設けている。
請求項4に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ブーツの先端と基端との間に蛇腹状の蛇腹部が形成される。ピストンが連結部材を介してバックルや支持部材を引張ると、バックルや支持部材がプリテンショナ本体に接近する。これにより、ブーツの先端が基端に接近するが、ブーツが蛇腹状に形成されていることでブーツの先端が基端に接近した際のブーツの変形は蛇腹状の部分で主に生じる。このため、ブーツの基端や先端に不用意な変形が生じ難い。しかも、ブーツ内に流れ込んだガスの圧力で蛇腹状の部分が変形することでブーツの内圧が大きく上昇することがなく、ブーツからのガス漏れを防止又は抑制できる。
請求項1に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ガス発生手段にて発生したガスがプリテンショナ本体の外部へ放出されることを防止又は抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ガス発生手段が作動する前の状態でのガス収容手段を小さくできる。
請求項3に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、連結部材が通るプリテンショナ本体の出口を通過したガスが外部に放出されることを防止又は低減できる。
請求項4に記載の本発明に係るラッププリテンショナでは、ブーツ内に流れ込んだガスが漏れ出ることを防止又は抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るラッププリテンショナの側面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るラッププリテンショナが作動した状態でのプリテンショナ本体の他端側を示す図1に対応した側面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るラッププリテンショナが作動した状態でのプリテンショナ本体の一端側を示す図1に対応した側面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るラッププリテンショナの要部であるガス収容手段を拡大した側面断面図である。 袋体の斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るラッププリテンショナを適用したシートベルト装置の正面図である。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一の実施の形態に係るラッププリテンショナ10の構成が断面図により示されている。
この図に示されるようにラッププリテンショナ10はプリテンショナ本体12を備えている。このプリテンショナ本体12はシリンダ14を備えている。シリンダ14は軸方向両端が開口した円筒形状に形成されている。シリンダ14の内側にはピストン16が収容されている。ピストン16はピストン本体18を備えている。ピストン本体18はシリンダ14の一端側(図1の矢印A方向の側)へ向けて漸次外径寸法が大きくなり、少なくとも、シリンダ14の一端側におけるピストン本体18の端部の外周形状はシリンダ14の内周形状に略等しい錐台形状とされている。
シリンダ14の他端側(図1の矢印B方向の側)におけるピストン本体18の端部には外周形状がシリンダ14の内周形状に略等しいフランジ部20がピストン本体18に対して略同軸的に形成されている。このフランジ部20とシリンダ14の一端側におけるピストン本体18の端部とがシリンダ14の内周部に摺接しており、ピストン16はシリンダ14の一端と他端との間を摺動できる。また、フランジ部20の軸方向中間部にはフランジ部20の外周面にて開口したリング状の溝部22が形成されている。この溝部22にはゴム材やゴム材程度の弾性を有する合成樹脂材によりリング状に形成されたOリング(オーリング)24が嵌め込まれている。Oリング24はシリンダ14の内周部に接しており、Oリング24を境とするシリンダ14の先端側と他端側との間がOリング24により封止されている。
一方、シリンダ14の一端側におけるフランジ部20の側方には複数のクラッチ球26がピストン本体18の外周方向に適宜な間隔をおいて配置されている。各クラッチ球26の直径寸法は、シリンダ14の内径寸法とピストン本体18のフランジ部20側の端部近傍におけるピストン本体18の外径寸法との差の1/2以下に設定されており、シリンダ14の一端側から他端側へピストン16が移動した際(すなわち、シリンダ14内を図1の矢印B方向にピストン16が摺動した際)に、各クラッチ球26が慣性でピストン本体18の外周面(斜面)を移動すると、ピストン本体18の外周部とシリンダ14の内周部とにクラッチ球26が挟まれる。
この状態で更にピストン16がシリンダ14の他端側へ移動すると、ピストン16に伴われてシリンダ14の他端側へ移動するクラッチ球26がシリンダ14の内周側から変形させ、又は、シリンダ14の内周部を削る。このクラッチ球26によるシリンダ14の変形又は切削の際の摩擦がシリンダ14の他端側へのピストン16の摺動を規制する。
ピストン16にはピストン16の軸方向両端にて開口した貫通孔28がピストン16に対して略同軸的に形成されており、この貫通孔28を連結部材としてのワイヤ30が通過している。また、ピストン16の一端側にはピース32が設けられている。ピース32には貫通孔34が形成されており、この貫通孔34をワイヤ30が通過している。ピース32のピストン16とは反対側まで貫通孔34を通過したワイヤ30に対しては抜け止めが施されており、ワイヤ30は貫通孔34を通過してピース32のピストン16側へ抜け出ることができない。したがって、ワイヤ30が貫通孔28を通過してピストン16のピース32とは反対側へ抜け出ることが規制されている。
このワイヤ30のピース32が設けられた側とは反対側の端部は、例えば、図6に示される車両のシートベルト装置の一態様である三点式のシートベルト装置36を構成するアンカ部材であり、また、特許請求の範囲で言う支持部材としてのアンカプレート38や、シートベルト装置36を構成するバックル40の各々に形成された筒状の基部42に係止されている。
図6に示されるように、アンカプレート38は車両室内に設置されたシート44を構成するシートクッション46の幅方向一方の側に設けられている。このアンカプレート38にはシートベルト装置36を構成する長尺帯状のウェビング48の先端部が係止されている。ウェビング48の基端側はシート44の幅方向一方の側で車両の天井部近傍に設けられたスルーアンカ50を通過した状態で下方へ折り返されており、シート44の幅方向一方の側で車両の床部近傍に設けられたシートベルトリトラクタ52のスプールに基端側が係止されている。
上記のスルーアンカ50とアンカプレート38との間でウェビング48はタング54を通過している。シート44に着座した乗員56がタング54と共にウェビング48を引っ張ってシートベルトリトラクタ52のスプールからウェビング48を引き出しつつ身体の前方にウェビング48を掛け回し、この状態でシート44の幅方向他方の側に設けられたバックル40にタング54を装着することで乗員56の身体に対するウェビング48の装着状態になる。
この装着状態で、ウェビング48のタング54とスルーアンカ50との間の部分はショルダウェビング48Aとされて乗員56の肩部や胸部を拘束する。これに対して、ウェビング48のタング54よりも先端側(スルーアンカ50とは反対側)はラップウェビング48Bとされて乗員56の腰部を拘束する。
また、図1に示されるように、ラッププリテンショナ10はシリンダ14と共にプリテンショナ本体12を構成するベースカートリッジ60を備えている。ベースカートリッジ60はカートリッジ本体62を備えている。カートリッジ本体62にはシリンダ装着部64が形成されている。シリンダ装着部64には有底のシリンダ装着孔66が形成されている。シリンダ装着孔66はシリンダ装着部64の外面にて開口しており、このシリンダ装着孔66の開口端からシリンダ14がその一端から嵌挿されてベースカートリッジ60にシリンダ14が装着される。
さらに、カートリッジ本体62にはガスジェネレータ装着部68が形成されている。ガスジェネレータ装着部68には有底のガスジェネレータ装着孔70が形成されている。ガスジェネレータ装着孔70はガスジェネレータ装着部68の外面にて開口しており、底部から開口端への向きはシリンダ装着部64におけるシリンダ装着孔66の底部から開口端への向きに対して交差(特に本実施の形態では略直交)している。
このガスジェネレータ装着孔70にはガス発生手段としてのガスジェネレータ72が嵌挿されている。ガスジェネレータ72の内部には着火されることで燃焼して瞬時にガスを発生させるガス発生剤が収容されている。また、カートリッジ本体62にはガス通過部74が形成されている。ガス通過部74は上述したシリンダ装着孔66の底部にて開口していると共にガスジェネレータ装着孔70の底部にて開口している。したがって、シリンダ装着部64のシリンダ装着孔66はガス通過部74を介してガスジェネレータ装着部68のガスジェネレータ装着孔70に繋がっている。
また、上記のガス通過部74の内側には保護筒82が設けられており、ガス通過部74内においてワイヤ30は保護筒82内を通過している。これにより、ガスジェネレータ72にて発生したガスの熱からワイヤ30が保護されている。この保護筒82にはフランジ部84が形成されている。フランジ部84は保護筒82の本体部分よりも外周形状が大きな板状(例えば円板状)とされており、ガス通過部74内に保護筒82の本体部分が設けられた状態でシリンダ装着孔66の底部と対向している。このフランジ部84にはその厚さ方向に貫通したガス通過孔が形成されており、例えば、フランジ部84がシリンダ装着孔66とガス通過部74とを仕切った状態であっても、フランジ部84に形成されているガス通過孔を介してシリンダ装着孔66とガス通過部74とが繋がっている。
一方、カートリッジ本体62のシリンダ装着部64においてガス通過部74を介してシリンダ装着孔66とは反対側にはワイヤ通過孔92が形成されている。ワイヤ通過孔92は一端がガス通過部74に繋がっており、他端がカートリッジ本体62の外面にて開口している。このワイヤ通過孔92の他端の側方にはワイヤガイド部94が設けられている。ワイヤ30はワイヤガイド部94に倣って湾曲してワイヤ通過孔92の他端からワイヤ通過孔92を通過して、ガス通過部74内の保護筒82に入り込んでいる。
また、本ラッププリテンショナ10はガス収容部材150を備えている。図1及び図4に示されるように、ガス収容部材150はケース152を備えている。ケース152は外径寸法がシリンダ14の内径寸法に略等しい(厳密には僅かに小さな)円筒形状とされている。ケース152はシリンダ14の一端側でシリンダ14に嵌挿されている。ケース152においてシリンダ14の一端側の端部にはフランジ部154が形成されている。フランジ部154は外径寸法がシリンダ14の内径寸法よりも大きく、ケース152をシリンダ14に嵌挿した状態でシリンダ14の一端と対向している。
シリンダ14の他端側にはかしめ部156が形成されており、かしめ部156と共にケース152が変形されることでシリンダ14の軸方向へのかしめ部156の変位が規制されている。かしめ部156よりもプリテンショナ本体12の他端側(矢印B方向側)ではケース152にリング状の溝部158が形成されている。この溝部158はケース152の外周面にて開口している。
この溝部158にはOリング(オーリング)160が嵌め込まれている。ケース152をシリンダ14に嵌挿した状態でOリング160は溝部158の底部に密着していると共にプリテンショナ本体12の内周面に密着し、このピストン本体18を介してプリテンショナ本体12の一端側と他端側との間を封止している。また、ケース152におけるシリンダ14の他端側の端部には網状のメッシュシート162が貼り付けられている。
また、図4に示されるように、ガス収容部材150はガス収容手段としての袋体170を備えている。図5に示されるように、袋体170はゴム材やゴム材程度の弾性を有する合成樹脂材によって袋状に形成されており、図3及び図4に示されるように内圧の上昇により膨張するように弾性変形する。図4に示されるように、袋体170の開口端にはリング172が埋設されている。リング172は外周形状が袋体170の開口端の周方向に沿った環状に形成されている。
このリング172は、金属又は袋体170よりも硬質の合成樹脂材によって形成されている。このため、袋体170の開口端近傍部分では弾性変形、特に、開口形状の変形が抑制されている。この袋体170において袋体170が設けられた部分よりもシリンダ14の一端側では、ケース152の内周部に突起174が形成されている。突起174は周方向がケース152の周方向に沿った環状に形成されており、その内径寸法はリング172の外径寸法よりも小さい。
このため、ケース152の貫通方向(軸方向)に突起174とリング172とが対向する。突起174が袋体170においてリング172が埋設された部分に干渉することでシリンダ14の一端側へ突起174の開口端が変位することを規制する。
一方、図1に示されるように、本ラッププリテンショナ10はブーツとしての蛇腹ブーツ190を備えている。蛇腹ブーツ190は基端側装着部192を備えている。基端側装着部192は円筒形状に形成されている。基端側装着部192はワイヤガイド部94に倣って湾曲し、ワイヤ通過孔92の開口端からワイヤ通過孔92に嵌挿されている。更に基端側装着部192の基端側はワイヤ通過孔92を通過して、保護筒82のフランジ部84とは反対側の端部から保護筒82に嵌挿されている。
また、ガス通過部74とワイヤ通過孔92との間にはパッキン収容部194が介在している。このパッキン収容部194にはパッキン196が設けられている。パッキン196は外周形状がパッキン収容部194の内周形状に略等しく、内周形状が蛇腹ブーツ190における基端側装着部192の外周形状に略等しい筒形状に形成されている。パッキン196の外周部はパッキン収容部194の内周部に接しており、また、パッキン196の内周部は蛇腹ブーツ190の基端側装着部192の外周部に接している。これにより、ガス通過部74とワイヤ通過孔92との間が封止されている。
また、蛇腹ブーツ190は先端側装着部198を備えている。先端側装着部198は円筒形状に形成されており、アンカプレート38の基部42(ワイヤ30がバックル40の基部42に係止されているのであれば、バックル40の基部42)に嵌挿されている。
これらの基端側装着部192と先端側装着部198との間には筒状の蛇腹部200が形成されている。蛇腹部200は内径寸法及び外径寸法が長い部位と短い部位とが交互に形成された蛇腹の筒形状に形成されており、その一端から基端側装着部192が連続し、他端から先端側装着部198が連続している。図2に示されるように、基端側装着部192が先端側装着部198に接近すると、蛇腹部200はその一端と他端との間が畳まれるように変形する。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本ラッププリテンショナ10の作用並びに効果について説明する。
本ラッププリテンショナ10では、例えば、車両が急減速状態になったことを車両に設けられた加速度センサ等の検知手段が検出すると、ECUが着火信号を出力する。この着火信号がガスジェネレータ72に入力されると、ガスジェネレータ72内のガス発生剤が着火される。着火されたガス発生剤は短時間で燃焼して、急激にガスを発生させる。
このように発生したガスはガス通過部74に送り込まれ、更に、ガス通過部74を通過してシリンダ14に供給される。このように短時間にガスが供給されることでピストン16よりもシリンダ14の他端側でシリンダ14の内圧が急上昇する。これにより、ピストン16がピース32をシリンダ14の一端側へ押圧しながらシリンダ14の一端側へ摺動する。
ピストン16に伴われてシリンダ14の一端側へピース32が移動すると、ワイヤ30がシリンダ14の一端側へ引っ張られる。ワイヤ30の端部に係止されたアンカプレート38又はバックル40の基部42が引っ張られて移動すると、アンカプレート38やバックル40がシート44の下方へ移動する。アンカプレート38がシート44の下方へ移動すると、ウェビング48の先端が下方へ移動し、これにより、ウェビング48の張力が増加する。これに対して、バックル40が下方へ移動すると、バックル40に装着されたタング54が下方へ移動し、タング54におけるウェビング48の折り返し部分がシート44の下方へ移動する。これによって、ウェビング48の張力が増加する。
このようにしてウェビング48の張力が増加すると、ウェビング48の僅かな弛み、所謂「スラック」が解消されると共に、乗員56の身体に対するウェビング48の拘束力が増し、車両前方への乗員56の移動を防止又は抑制できる。
一方、ガスジェネレータ72にて発生したガスの一部は貫通孔28を通過してピストン16よりもシリンダ14の一端側へ流れる。このようにピストン16よりもシリンダ14の一端側へ流れたガスは、メッシュシート162を通過してケース152の内側に流れ込む。ケース152内に流れ込んだガスは、袋体170の開口端から袋体170に流れ込む。
これにより、袋体170の内圧が上昇すると、袋体170が弾性変形してケース152のフランジ部154側の開口端から抜け出してシリンダ14の外側で膨らむ。この状態では、袋体170がシリンダ14の一端側へ変位しようとするが、リング172の開口端にはリング172が埋設されており、突起174が袋体170の開口端近傍に干渉して袋体170の開口端が突起174を通過できない。しかも、袋体170の開口端近傍が突起174に密着することで、ガスが袋体170の開口端の外側を回り込んで袋体170と突起174との間を通過することが防止又は抑制される。
したがって、ケース152内に送り込まれたガスは、袋体170内に送り込まれ、そのガス圧は袋体170の膨張に寄与する。このように袋体170内にガスが送り込まれ、シリンダ14の一端側へ流れたガスは少なくとも一時的には袋体170に溜めておかれるので、車両の室内にガスが漏れ出ることを少なくとも一時的に防止又は抑制できる。
一方、ガス通過部74とワイヤ通過孔92とはパッキン収容部194を介して連通している。しかしながら、パッキン収容部194に設けられたパッキン196の外周部がパッキン収容部194の内周部に接して、パッキン196の内周部が蛇腹ブーツ190の基端側装着部192の外周部に接している。これにより、蛇腹ブーツ190の基端側装着部192の外周部とパッキン収容部194の内周部との間がパッキン196に封止される。このため、ガス通過部74に送り込まれたガスが蛇腹ブーツ190の基端側装着部192の外周部とパッキン収容部194の内周部との間を通過してワイヤ通過孔92に流れ込むことができない。
これに対して、ガス通過部74から保護筒82のフランジ部84に形成されたガス通過孔を通過してシリンダ14内に流れ込んだガスの一部は、フランジ部84におけるガス通過部74の開口端から保護筒82の内側へ流れ込む。保護筒82内に流れ込んだガスは、保護筒82に嵌挿された蛇腹ブーツ190における基端側装着部192の開口端から基端側装着部192内に流れ込む。
ここで、基端側装着部192は蛇腹部200に繋がっており、蛇腹部200の基端側装着部192とは反対側の端部は先端側装着部198に繋がっている。この先端側装着部198はアンカプレート38やバックル40の基部42に挿し込まれ、アンカプレート38やバックル40に閉止される。このため、基端側装着部192の開口端からガスが蛇腹ブーツ190に流れ込んでも、このガスは蛇腹ブーツ190に少なくとも一時的に溜めておかれる。これにより、蛇腹ブーツ190から外部に漏れ出ることはないか、又は、蛇腹ブーツ190から外部に漏れ出ることが少ない。
なお、本実施の形態ではブーツが蛇腹部200を有する構成であった。しかしながら、ブーツは基端側装着部192と先端側装着部198との間で弾性的に伸縮できる構成であれば、その形状は蛇腹状でなくてもよい。
また、本実施の形態では、袋体170は内圧が上昇することで弾性変形しつつ膨らむ構成であったが、袋体170の構成がこのような構成に限定されるものではない。例えば、袋体170を折り畳んだ状態でケース152に収容し、袋体170内に送り込まれたガスの圧力で袋体170が展開されつつ膨らむ構成としてもよい。
10 ラッププリテンショナ
12 プリテンショナ本体
16 ピストン
30 ワイヤ(連結部材)
38 アンカプレート(支持部材)
40 バックル
44 シート
48 ウェビング
54 タング
72 ガスジェネレータ(ガス発生手段)
92 ワイヤ通過孔(連結部材通過孔)
150 ガス収容部材(ガス収容手段)
170 袋体
172 リング
190 蛇腹ブーツ(ブーツ)
192 基端側装着部(ブーツの基端)
198 先端側装着部(ブーツの先端)
200 蛇腹部

Claims (4)

  1. 車両のシートの下部近傍に設けられて、一端が開口したプリテンショナ本体と、
    前記プリテンショナ本体の内側に設けられて、前記プリテンショナ本体の一端側へ移動することでウェビングにおいて乗員の腰部を拘束するラップウェビングを間接的にシート下方へ引張るピストンと、
    前記プリテンショナ本体に設けられて、作動することで発生したガスの圧力で前記ピストンを前記プリテンショナ本体の一端側へ移動させるガス発生手段と、
    前記プリテンショナ本体に設けられて、前記プリテンショナ本体の前記一端へ向かった前記ガスが内部に送り込まれることにより前記ガスの圧力で膨らんで、内側に前記ガスを溜めておくガス収容手段と、
    を備えるラッププリテンショナ。
  2. 前記ガス収容手段を弾性体により構成し、前記ガス収容手段の内部に供給された前記ガスの圧力で前記ガス収容手段が弾性変形して膨らむ構成とした請求項1に記載のラッププリテンショナ。
  3. 前記ウェビングに設けられたタングが装着されるバックル及び前記ウェビングの先端側に設けられた支持部材の何れかの一方と前記ピストンとを繋ぐ連結部材と、
    前記プリテンショナ本体に形成されて前記連結部材が通過する連結部材通過孔に基端が取り付けられると共に、先端が前記何れかの一方に閉塞された状態で前記何れかの一方に取り付けられて、前記連結部材が内側を通ると共に、前記連結部材通過孔を通過した前記ガスを内側に溜めておくブーツと、
    を備える請求項1又は請求項2に記載のラッププリテンショナ。
  4. 前記ブーツにおける先端と他端との間に弾性的に伸縮可能な蛇腹状の蛇腹部を前記ブーツに設けた請求項3に記載のラッププリテンショナ。
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