JP2013072658A - コンタクトプローブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に均一な厚さのめっき層を容易に形成することが可能なコンタクトプローブの製造方法を提供する。
【解決手段】コンタクトプローブの製造方法は、次の工程を備える。(1)導電性基板上に形成したレジストに対して、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンと、をリソグラフィにより形成することで、樹脂型を得るリソグラフィ工程。(2)樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成し、コンタクトプローブ10とタイバー20とが連結部30で一体化した金属構造体1を形成する電鋳工程。(3)樹脂型及び導電性基板を除去する除去工程。(4)除去工程の後、金属構造体1の表面に電気めっきによりめっき層を形成するめっき工程。(5)めっき工程の後、金属構造体1からコンタクトプローブ10を切り離す分離工程。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面にめっき層を形成するコンタクトプローブの製造方法に関する。
従来、ICやLSI等の半導体チップやLCD等の液晶デバイスといった電子部品の電気的検査に、多数のコンタクトプローブを有するプローブカードが使用されている。検査に際しては、コンタクトプローブの先端を電子部品の電極パッドに接触させ、電子部品から各種データを収集する。
近年、電子部品の小型化・高集積化に伴い、電極パッドの狭ピッチ化が進み、例えば100μm以下のピッチに対応した微細なコンタクトプローブが要求されている。このような微細なコンタクトプローブの製造方法として、リソグラフィと電鋳とを組み合わせたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)法による製造方法が提案されている(特許文献1〜3を参照)。
特開2001−343397号公報 特開2005−127952号公報 特開2008−128882号公報
最近では、コンタクトプローブの摺動性や耐食性等の特性を向上させることを目的として、コンタクトプローブの表面に金(Au)やロジウム(Rh)等のめっき層を形成したい要望がある。しかし、従来、コンタクトプローブの表面に均一な厚さのめっき層を形成する好適な方法が提案されていない。
従来のコンタクトプローブの製造方法では、表面にめっき層を形成する場合、製造した1つ1つのコンタクトプローブをめっき浴に浸漬して電気めっきを行うことが考えられる。しかし、この方法では、コンタクトプローブの角部に電流が集中し、角部のめっき層が厚くなる、所謂エッジ効果が生じるため、全面に亘って均一な厚さのめっき層を形成することは困難である。
また、エッジ効果を低減する改善策として、めっき層を形成する際に、コンタクトプローブの周囲にタイバーを設け、これをダミーカソードとして用いることも考えられが、微細なコンタクトプローブに対してタイバーを設けることは困難である。例えタイバーを設けることができたとしても、コンタクトプローブに対するタイバーの位置を高精度に調節することは困難であり、電流分布を均一化させるダミーカソードとしての効果が期待できないため、めっき層の厚さのばらつきを低減することは難しい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、表面に均一な厚さのめっき層を容易に形成することが可能なコンタクトプローブの製造方法を提供することにある。
本発明は、LIGA法によりコンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成し、この金属構造体の表面にめっき層を形成した後、金属構造体からコンタクトプローブを切り離すことで、上記課題を解決する。
本発明のコンタクトプローブの製造方法は、次の工程を備えることを特徴とする。
(1)導電性基板上に形成したレジストに対して、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンと、をリソグラフィにより形成することで、樹脂型を得るリソグラフィ工程。
(2)樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成し、コンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成する電鋳工程。
(3)樹脂型及び導電性基板を除去する除去工程。
(4)除去工程の後、金属構造体の表面に電気めっきによりめっき層を形成するめっき工程。
(5)めっき工程の後、金属構造体からコンタクトプローブを切り離す分離工程。
この構成によれば、コンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成し、これにめっき層を形成することで、タイバーをダミーカソードとして用いることができる。これにより、コンタクトプローブの角部に電流が集中することを抑制し、電流分布を均一化させることができる。また、LIGA法によりコンタクトプローブの周囲に連結部を介してタイバーを一体に形成することから、コンタクトプローブに対してタイバーを所定の間隔をあけて配置することができ、タイバーを所定の位置に位置決めすることができる。よって、コンタクトプローブの角部においてめっき層が厚くなることを抑制し、めっき層の厚さのばらつきを低減することができ、コンタクトプローブ表面の全面に亘って均一な厚さのめっき層を形成することができる。
本発明の製造方法の一形態としては、めっき工程の前に、金属構造体の表面を研磨する工程を備えることが挙げられる。
この構成によれば、金属構造体の表面を研磨する研磨工程を備えることで、コンタクトプローブを所定の厚さに調整することができる。また、コンタクトプローブの周囲にタイバーが形成された状態で研磨することから、研磨する際にタイバーが支えとなり、コンタクトプローブ表面に均一に力を加えながら研磨することができ、コンタクトプローブに片減りが生じることを防止することができる。これに対し、従来のように1つ1つのコンタクトプローブを研磨する方法では、研磨する際、コンタクトプローブの角部の方が中央部に比べて力がかかり易く、コンタクトプローブ表面に均一に力をかけることが難しいため、コンタクトプローブの角部に片減りが生じ易い。
本発明の製造方法の一形態としては、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンと、を基本パターンとし、リソグラフィ工程において、1つのレジストに対して、複数の基本パターンを連続して形成することが挙げられる。
この構成によれば、1つのレジストに対して複数の基本パターンを形成することで、複数のコンタクトプローブを有する金属構造体を形成することができるため、複数のコンタクトプローブを1度に製造することができ、量産性に優れる。
本発明のコンタクトプローブの製造方法は、コンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成し、これにめっき層を形成することで、コンタクトプローブ表面に均一な厚さのめっき層を容易に形成することができる。
実施例1に係る金属構造体を説明する概略平面図である。 図1に示す金属構造体の一部拡大概略平面図である。 実施例1に係るコンタクトプローブを説明する図であり、(A)は概略平面図であり、(B)は概略側面図である。
本発明のコンタクトプローブの製造方法は、後述するような、リソグラフィ工程、電鋳工程、除去工程、めっき工程、分離工程を備える。本発明のコンタクトプローブの製造方法は、LIGA法を利用する点は従来の製造方法と同様であるが、コンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成する点が異なる。以下、本発明のコンタクトプローブの製造方法における各工程について説明する。
リソグラフィ工程は、導電性基板上に形成したレジストに対して、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンと、をリソグラフィにより形成することで、樹脂型を得る。導電性基板には、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼等からなる金属基板を用いることができる。また、チタン(Ti)、クロム(Cr)等の金属をスパッタリングしたシリコン基板等を用いることもできる。レジストには、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂、又は紫外線(UV)若しくはX線に感受性を有する化学増幅型樹脂を用いることができる。レジストの厚さは、形成する金属構造体(コンタクトプローブ)の厚さに応じて任意に設定すればよく、例えば40μm〜500μm程度とする。
導電性基板上に形成したレジスト上に、所定のパターンを有するマスクを配置し、マスクを介してUV又はX線を照射することにより、レジストに対して所定のパターンを形成することで、樹脂型を得る。ここで、所定のパターンとは、形成する金属構造体の形状に応じたパターンであり、具体的には、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンを形成する。厚さが100μmを超え、高いアスペクト比を有する金属構造体を形成する場合、又は±2μm程度の高精度の金属構造体を形成する場合は、UV(波長200nm)より短波長であるX線(波長0.4nm)を用いることが好ましい。X線の中でも指向性の高いシンクロトロン放射(SR)のX線を用いることがより好ましい。SRのX線を用いるLIGA法は、ディープなリソグラフィが可能であり、厚さ数百μmの金属構造体をミクロンオーダーの高精度で形成することができる。一方、UVを用いると、コスト面でメリットを追求することができる。
マスクは、金属構造体の形状に応じたパターンが形成されており、UV又はX線等の吸収層と、透光性基材とからなる。透光性基材には、X線用マスクの場合、窒化シリコン(SiN)、シリコン(Si)、ダイヤモンド、チタン(Ti)等を用いることができ、UV用マスクの場合、石英ガラス等を用いることができる。また、吸収層には、X線用マスクの場合、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等の重金属又はその化合物等を用いることができ、UV用マスクの場合、クロム(Cr)等を用いることができる。ポジ型レジストを使用する場合、UV又はX線の照射により、レジストのうち露光された部分が変質するため、露光部が現像により除去され、非露光部が残存することで、樹脂型が得られる。一方、ネガ型レジストを使用する場合、逆に露光部が残存し、非露光部が除去されるので、ポジ型レジストの場合とは逆のパターンをマスクに形成する。
電鋳工程は、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成し、コンタクトプローブとタイバーとが連結部で一体化した金属構造体を形成する。金属材料には、例えば、ニッケル(Ni)又はニッケル合金を用いることができ、ニッケル合金としては、ニッケル‐マンガン(Ni‐Mn)合金、ニッケル‐鉄(Ni‐Fe)合金、ニッケル‐コバルト(Ni‐Co)合金、ニッケル‐タングステン(Ni‐W)合金、ニッケル‐パラジウム(Ni‐Pd)合金等を用いることができる。
除去工程は、樹脂型及び導電性基板を除去する。樹脂型は、例えば、ウェットエッチング又はプラズマエッチングにより除去することができる。導電性基板は、例えば酸又はアルカリによるウェットエッチングにより除去する他、機械的に除去することができる。
また、必要に応じて、コンタクトプローブを所定の厚さに調整するため、金属構造体の表面を研磨する研磨工程を備えてもよい。この研磨工程は、後述するめっき工程の前に実施し、上記した除去工程の前に実施してもよい。研磨工程では、金属構造体の導電性基板とは反対側の表面を研磨する。
めっき工程は、上記した除去工程の後、金属構造体の表面に電気めっきによりめっき層を形成する。めっき層を形成する材料としては、目的とする用途や要求特性に応じて適宜材料を選択することができ、ロジウム(Rh)、金(Au)、銅(Cu)等を用いることができる。めっき層をRhで形成した場合、コンタクトプローブの摺動性を向上させることができ、Auで形成した場合、耐食性や半田付け性を向上させることができ、Cuで形成した場合、導電性を向上させることができる。めっき層の厚さも、目的とする用途や要求特性に応じて決定すればよい。
めっき工程では、金属構造体をめっき浴に浸漬して電気めっきを行う。その際、金属構造体に給電治具を取り付けてめっき槽内に配置する。同じ条件で金属構造体にめっきを行っても、めっき槽内の金属構造体の配置位置が変わると、形成されるめっき層の厚さにも影響を及ぼす虞がある。そこで、金属構造体のタイバーに、上記治具を取り付ける位置決め用の孔や切欠き等の位置決め部を形成しておくことが好ましい。これにより、金属構造体の配置位置の再現性を確保することができる。
分離工程は、上記しためっき工程の後、金属構造体からコンタクトプローブを切り離す。具体的には、連結部を切断することにより、金属構造体からコンタクトプローブを分離することで、コンタクトプローブが得られる。
(実施例1)
以上説明した本発明のコンタクトプローブの製造方法を利用してコンタクトプローブを製造し、めっき層の厚さのばらつきを評価した。
この例では、LIGA法によって、図1、2に示すような金属構造体1を形成し、図3に示す形状のコンタクトプローブ10を製造した。コンタクトプローブ10は、図3に示すように、直線状(長さ:約8mm、断面:約35×40μm)をしており、一端(先端)側に検査対象の電極パッドに接触する接触部101を有し、他端側には検査装置に接続される接続部102を有する。
金属構造体1は、次のようにして形成した。コンタクトプローブ10のパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバー20のパターンと、これら両パターンを連結する連結部30のパターンとを基本パターンとし、リソグラフィ工程において、導電性基板上に形成したレジストに対して複数の基本パターンを連続して形成することで樹脂型を得た(図1、2参照)。そして、電鋳工程において、この樹脂型にニッケルからなる層を電鋳により形成し、コンタクトプローブ10とタイバー20とが連結部30で一体化した金属構造体1を形成した。この例では、1つのレジストに80個の基本パターンを形成し、金属構造体1に80本のコンタクトプローブ10を形成した。
また、金属構造体1において、上辺側のタイバー20に矩形状の3つの突片22を設け、各突片22にそれぞれ取付孔220を形成した。取付孔220を有する突片22も、リソグラフィ工程においてパターンを形成し、電鋳により同時に形成した。
次いで、樹脂型及び導電性基板を除去した後、金属構造体1の表面を研磨してコンタクトプローブ10の厚さを調整した。
そして、タイバー20の取付孔220に給電治具を取り付けて金属構造体1をめっき槽内に配置し、市販のロジウムめっき浴に浸漬して電気めっきを行い、金属構造体1の表面にロジウムのめっき層を形成した。この例では、めっき層の目標厚さを0.5μmとした。また、タイバー20に給電治具の取付孔220を設けたことにより、給電治具の取付精度が向上すると共に、めっき槽に対して金属構造体1の配置位置を正確に位置決めすることができ、再現性が向上する。
めっき後、金属構造体1をめっき槽から取り出して洗浄した後、連結部30を切断して金属構造体1からコンタクトプローブ10を分離することで(図1、2参照)、複数のコンタクトプローブ10(図3参照)を得た。
得られた複数のコンタクトプローブの中から任意の3本のコンタクトプローブを抽出し、各コンタクトプローブの先端側の3箇所の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、めっき層の厚さ分布を測定した。ここでは、各コンタクトプローブの各断面(計9断面)において、めっき層の最も薄い部分の厚さ(最小厚さ)と最も厚い部分の厚さ(最大厚さ)を測定した。その結果、全てにおいて、めっき層の厚さ分布は、0.4〜0.6μmの範囲であった。
比較として、LIGA法により実施例1と同形状のコンタクトプローブを複数作製し、各コンタクトプローブの表面に電気めっきによりめっき層を形成した。めっき層の形成は、実施例1と同様にして行い、めっき層の目標厚さを0.5μmとした。そして、実施例1と同様にしてめっき層の厚さ分布を測定した。その結果、全てにおいて、コンタクトプローブの角部におけるめっき層が他の部分に比べて厚くなっており、めっき層の厚さ分布は、0.2〜1.2μmの範囲であった。
以上の結果から、本発明のコンタクトプローブの製造方法によれば、めっき層の厚さのばらつきを低減することができ、めっき層の厚さ部分布を改善できることが分かる。つまり、コンタクトプローブ表面に均一な厚さのめっき層を容易に形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、コンタクトプローブ(金属構造体)の材料や形状を適宜変更してもよい。また、めっき層の材料や厚さを適宜変更してもよい。
本発明のコンタクトプローブの製造方法は、表面にめっき層を有するコンタクトプローブの製造に好適に利用できる。
1 金属構造体
10 コンタクトプローブ
101 接触部 102 接続部
20 タイバー
22 突片 220 取付孔
30 連結部

Claims (3)

  1. 導電性基板上に形成したレジストに対して、コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状のタイバーのパターンと、これら両パターンを連結する連結部のパターンと、をリソグラフィにより形成することで、樹脂型を得るリソグラフィ工程と、
    前記樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成し、前記コンタクトプローブと前記タイバーとが前記連結部で一体化した金属構造体を形成する電鋳工程と、
    前記樹脂型及び前記導電性基板を除去する除去工程と、
    前記除去工程の後、前記金属構造体の表面に電気めっきによりめっき層を形成するめっき工程と、
    前記めっき工程の後、前記金属構造体から前記コンタクトプローブを切り離す分離工程と、
    を備えることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
  2. 前記めっき工程の前に、前記金属構造体の表面を研磨する研磨工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  3. 前記コンタクトプローブのパターンと、その周囲を囲む枠状の前記タイバーのパターンと、これら両パターンを連結する前記連結部のパターンと、を基本パターンとし、
    前記リソグラフィ工程において、1つの前記レジストに対して、複数の前記基本パターンを連続して形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンタクトプローブの製造方法。
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