JP2013071854A - 携帯機器用カバーガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板の寸法精度を向上できる携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる携帯機器用カバーガラスの製造方法は、板状ガラスの主表面に、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成するためのレジストマスクとガラスが露出した領域とからなるレジストパターンを形成するパターン形成工程と、露出した領域の板状ガラスを等方性エッチングすることで、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成する形状加工工程と、を含み、板状ガラスの板厚と形成されるガラス基板の寸法との対応関係を予め把握しておき、パターン形成工程では、板状ガラスの板厚に基づいて、対応関係を参照して、形状加工工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるように、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状が調整されたレジストパターンを形成する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明にかかる携帯機器用カバーガラスの製造方法は、板状ガラスの主表面に、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成するためのレジストマスクとガラスが露出した領域とからなるレジストパターンを形成するパターン形成工程と、露出した領域の板状ガラスを等方性エッチングすることで、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成する形状加工工程と、を含み、板状ガラスの板厚と形成されるガラス基板の寸法との対応関係を予め把握しておき、パターン形成工程では、板状ガラスの板厚に基づいて、対応関係を参照して、形状加工工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるように、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状が調整されたレジストパターンを形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯電話やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置の表示画面の保護に用いられる携帯機器用カバーガラスの製造方法に関する。
携帯電話やスマートフォン、PDAなどの携帯端末装置では、液晶などの表示装置を保護するために、表示装置の外側に透明な保護板が配置される。保護板としては、アクリルなどの樹脂が多く用いられているが、樹脂の保護板は撓み易いため、板厚を厚くしたり、表示装置との間隙を多く取ったりする必要がある。
そこで、携帯端末装置の表示装置の保護のためには、ガラス素材からなるカバーガラスを用いることが好ましい。ガラスは、硬度が高いために撓みが少なく、薄型化に寄与することができる。
一般に、カバーガラスは、大きい一枚板の板状ガラスから任意の形状のガラス基板を抜き出し、この抜き出されたガラス基板を加工することにより製造される。板状ガラスからガラス基板を抜き出す方法としては、エッチングを用いた方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、レジストパターンを主表面に形成した板状ガラスをエッチャントでエッチングして、板状ガラスから所望の形状のガラス基板を抜き出している。このようにエッチングで外形を形成することにより、端面はエッチング処理面となって非常に高い平滑性を有し、機械加工では必ず生じるマイクロクラックが生じない。このため、携帯端末用カバーガラスに求められる高い強度を得ることができる。また、機械加工では困難な複雑な形状であっても、エッチングであれば容易に加工することができるという利点もある。
近年、携帯機器の需要増加に伴い、携帯機器用のカバーガラスの需要も急増している。このような背景の下、携帯機器用カバーガラスには、例えば携帯機器の表示画面を保護するために強度を高めるだけでなく、より高い寸法精度も求められている。このような要求を満たすべく、本発明者らは、板状ガラスを等方性エッチングすることで、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成した。しかしながら、形成されたガラス基板は、製品として要求される寸法を満たさない場合があるという問題が発生した。
本発明は、上記の課題に鑑み、ガラス基板の寸法精度を向上できる携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した。まず、板状ガラスの主表面に、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成するためのレジストマスクとガラスが露出した領域とからなるレジストパターンを形成し、露出した領域の板状ガラスを等方性エッチングして、ガラス基板を形成した。その結果、板状ガラスの板厚に応じてガラス基板の寸法が変化することを見出した。さらに検討した結果、本発明者らは、板状ガラスの板厚と、等方性エッチングにより形成されるガラス基板の寸法との対応関係を参照し、板状ガラスの板厚に基づいて、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状を調整することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、板状ガラスの主表面に、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成するためのレジストマスクとガラスが露出した領域とからなるレジストパターンを形成するパターン形成工程と、露出した領域の板状ガラスを等方性エッチングすることで、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成する形状加工工程と、を含む携帯機器用カバーガラスの製造方法であって、板状ガラスの板厚と、形状加工工程によって形成されるガラス基板の寸法との対応関係を予め把握しておき、パターン形成工程では、板状ガラスの板厚に基づいて、対応関係を参照して、形状加工工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるように、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状が調整されたレジストパターンを形成することを特徴とする。
ここで、製品として要求される携帯機器用カバーガラスの寸法は、製品毎に決められている。しかし、板状ガラスの板厚に起因して、形状加工工程で形成されたガラス基板の寸法が変化してしまう。そこで、上記構成では、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状を調整することで、ガラス基板の寸法精度を向上させている。
すなわち、上記構成によれば、等方性エッチングに伴う板状ガラスの板厚とガラス基板の寸法との対応関係を予め把握しておく。そして、この対応関係を参照して、使用される板状ガラスの板厚に基づいて、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状を調整したレジストパターンを形成する。このレジストマスクの幅は、形状加工工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるように調整されている。なお、レジストマスクの幅を調整するためには、例えば、レジストマスクに対応する領域を含むフォトマスクを複数用意し、これらのフォトマスクのうち、レジストマスクの幅が求められる寸法となるような領域を含むフォトマスクを用いて、レジストパターンを形成すればよい。このように、板状ガラスの板厚に起因して生じる等方性エッチングに伴うガラス基板の寸法の変化を、レジストマスクの形状を調整することにより、相殺(補正)できるので、ガラス基板の寸法精度が向上する。
形状加工工程後に、ガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、ガラス基板の中に含まれる一部のイオンを、そのイオンよりも大きなイオン半径である化学強化処理液中のイオンとイオン交換することによりガラス基板を化学強化する化学強化工程をさらに含み、パターン形成工程では、化学強化工程によって変化するガラス基板の寸法に基づいて、化学強化工程後のガラス基板の寸法が、携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるようレジストパターンを形成すると好ましい。この場合には、形状加工工程後のガラス基板の寸法が、化学強化工程で変化することを考慮している。すなわち、等方性エッチングに伴う板状ガラスの板厚に起因して生じるガラス基板の寸法の変化に加えて、化学強化工程におけるガラス基板の寸法の変化に応じて、レジストパターンに含まれるレジストマスクの形状を調整している。このため、化学強化工程を経た後であっても、ガラス基板の寸法精度が向上する。
パターン形成工程では、レジストマスクを複数含むレジストパターンを形成し、形状加工工程では、レジストパターンを用いて板状ガラスを等方性エッチングすることにより、板状ガラスから複数枚のガラス基板を抜き出すと好ましい。この場合には、板状ガラスから抜き出された複数枚のガラス基板の寸法精度を向上できる。
本発明によれば、ガラス基板の寸法精度を向上できる携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態における携帯機器用カバーガラスの製造方法を適用したガラス基板を説明する図である。ガラス基板100は、携帯端末(携帯機器)の表示画面を保護する携帯機器用カバーガラス(以下、カバーガラス)として用いられる。ガラス基板100は、矩形の外形部分102を有する板状であり、ガラス基板100には、製品仕様に応じて例えばマイクやスピーカー用の開口104が設けられている。ガラス基板100は、必要に応じて例えば、印刷等の加飾を施すことでカバーガラスとなる。カバーガラスは、携帯端末の筐体のフレーム等に装着され、表示画面を保護することから、カバーガラスには、強度だけでなく高い寸法精度が求められている。
本実施形態では、カバーガラスを製造する際に、後述する形状加工工程(エッチング工程)でガラス基板の外形寸法が変化することに着目し、ガラス基板の外形寸法が製品として要求される所望の目標寸法となるような高い寸法精度を得ることを目的としている。以下、エッチング工程などを含むカバーガラスの一連の製造システムを説明する。
図2は、本実施形態における携帯機器用カバーガラスの製造システムの機能ブロック図である。制御システム110は、大きい一枚板の板状ガラス120から小片のガラス基板を抜き出した後、化学強化を行い、カバーガラスに用いられる上記ガラス基板100を製造する。製造システム110は、エッチング加工装置130と、化学強化処理槽140と、板厚測定装置150と、レジストパターン形成装置160と、フォトマスク決定装置170と、把握装置180と、第1テーブルを記憶するメモリ190とを備える。
板状ガラス120は、溶融ガラスから直接シート状に成型したもの、あるいは、ある厚さに成型されたガラス体を所定の厚さに成型し、主表面を研磨して所定の厚さに仕上げたものを使用することができる。特に、溶融ガラスから直接シート状に成型した場合には、板状ガラス120の主表面がマイクロクラックのない表面状態を有するため好ましい。溶融ガラスから直接シート状に成型する方法としては、ダウンドロー法、フロート法などが挙げられる。
板状ガラス120としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等が挙げられ、強い圧縮応力を形成できる観点からアルミノシリケートガラスがより好ましい。中でも、SiO2、Al2O3、Li2O及び/又はNa2Oを含有したアルミノシリケートガラスであることが好ましい。Al2O3は、後述する化学強化においてイオン交換性能を向上させるため有用である。Li2Oは、化学強化においてNa+イオンとイオン交換させるための成分である。Na2Oは、化学強化においてK+イオンとイオン交換させるための成分である。ZrO2は、機械的強度を高めるために有用である。
エッチング加工装置130は、アルカリイオンを含む板状ガラス120の主表面に形成されたレジストパターン200(図3参照)を用いて、板状ガラス120を等方性エッチングすることで、カバーガラス形状の小片のガラス基板を抜き出すエッチング工程を行う。レジストパターン形成装置160は、エッチング工程で用いられるレジストパターン200を形成するパターン形成工程を行う。
図3は、板状ガラス120の主表面に形成されたレジストパターン200を模式的に示す図である。レジストパターン200は、図3に示すように、板状ガラス120の主表面に形成されていて、板状ガラス120の主表面が露出した露出領域(図中、白抜き)202と、カバーガラス形状のガラス基板を形成するための複数(ここでは、27個)のレジストマスク(図中、斜線)204とからなる。
以下、パターン形成工程について説明する。図4は、フォトマスクを用いた露光工程を模式的に示す図である。板状ガラス120にレジストパターン200を形成する際には、まず、板状ガラス120の両主表面120a、120b上にレジスト材をコーティングする。レジスト材としては、エッチングする際に使用するエッチャントに対して耐性を有する材料であればよい。一例として、フッ酸を含む水溶液の湿式エッチング(ウェットエッチング)による等方性エッチングで板状ガラス120を食刻する場合には、フッ酸耐性に優れたレジスト材などが用いられる。
次に、フォトマスク300、300Aを板状ガラス120の両主表面120a、120bに沿わせて、レジスト材の両面からUVランプ等の照射装置400、400Aによって光(UV)を照射して露光する。代表的に示すフォトマスク300は、例えばUVを透過可能なガラス板等で構成されていて、銅箔等で形成されUVを遮光する遮光部分(図中、黒塗り)302と、UVを透過する透過部分(図中、白抜き)304とを有する。
レジストパターン200の露出領域202は、フォトマスク300の遮光部分302に対応しており、露光工程でUVが照射されない遮光領域となる。レジストパターン200のレジストマスク204は、フォトマスク300の透過部分304に対応しており、露光工程でUVが照射される露光領域となる。ここでのレジスト材はネガ型であり、露光されると変質し現像液で溶解しないようになる。
露光工程後の板状ガラス120は、現像液に浸漬されて現像される。上記露出領域202は、露光工程での遮光領域であるから、変質せずに残っていたレジスト材が現像液に溶解して形成される。一方、上記レジストマスク204は、露光工程での露光領域であるから、変質したレジスト材が溶解せずに形成される。このようなパターン形成工程により、板状ガラス120の主表面には、図3に示す露出領域202とレジストマスク204とからなるレジストパターン200が形成される。なお、レジスト材は、ポジ型であってもよく、この場合には、フォトマスク300の遮光部分302に対応する領域が露光領域となり、また、透過部分304に対応する領域が遮光領域となるように、銅箔等で形成すればよい。
次に、パターン形成工程後に実施される、エッチング加工装置130によるエッチング工程について説明する。エッチング工程では、ウェットエッチングが行われ、板状ガラス120が等方的にエッチングされる。このため、レジストパターン200の露出領域202では、露出した板状ガラス120の両面から溝が掘り下げられるようにエッチングされ、やがて板厚のほぼ中央部で、板状ガラス120の両面からの溝同士が繋がることによって分離する。なお、ウェットエッチングに使用するエッチャントは、板状ガラス120を食刻できるものであればよい。一例として、フッ酸を主成分とする酸性溶液や、フッ酸に硫酸、硝酸、塩酸、ケイフッ酸のうち少なくとも一つの酸を含む混酸などを、エッチャントとして用いることができる。
本発明者らは、等方性エッチングでは板状ガラス120の板厚が異なると、抜き出されたガラス基板の寸法が変わることに着目した(図5参照)。図5は、等方性エッチングで抜き出されたガラス基板の断面を示す図である。図5(a)および図5(b)では、板状ガラス120がウェットエッチングにより等方的にエッチングされた場合のガラス基板100A、100Bの断面形状をそれぞれ示している。図中、ガラス基板100A、100Bの両主表面に形成されたレジストマスク204a、204bを斜線で示している。ここでは、一種類のフォトマスクを用いた露光工程で形成されたレジストパターンの上記レジストマスク204a、204bの主表面の寸法(主表面方向の幅)を、それぞれLa、Lb(但しLa=Lb)で示している。さらに、ガラス基板100A、100Bの板厚を、図示のようにそれぞれDa、Db(但し、Da<Db)で示している。
ガラス基板100Aの端面は、図5(a)に示すように、中央部に外方に突出した突出部106aを有している。また、ガラス基板100Aの端面には、突出部106aから両方の主表面側に向かって緩やかに湾曲した傾斜面106b、106cが形成されている。なお、主表面との境界、および突出部106aは、半径数十μmの丸みを帯びた形状にすることが好ましい。このような端面形状とすることで、携帯端末装置のフレーム等に当該カバーガラスを装着する際、カジリや欠けが生じることなく容易に装着することができる。なお、ガラス基板100Aの場合と同様に、図5(b)に示すように、ガラス基板100Bの端面にも、等方性エッチングにより、突出部108aおよび傾斜面108b、108cが形成される。
また、ガラス基板100A、100Bの外形寸法は、それぞれ両端面の突出部106a、106a間の距離、突出部108a、108a間の距離で規定される。ここでは、ガラス基板100A、100Bの外形寸法を、図示のようにそれぞれWa、Wb(但し、Wa<Wb)で示している。
ここで、図5に示す等方性エッチングにより抜き出されたガラス基板の寸法が板厚に応じて異なる理由について説明する。この理由としては、板厚が大きいほどガラス基板が分離するまでに時間を要すること、また、エッチング工程では、板厚の大きいガラス基板が確実に分離されるように等方性エッチングの実行時間が設定されていることが挙げられる。
例えば、設定された実行時間で等方性エッチングを行った場合、板厚の小さいガラス基板100Aは分離され突出部が形成された後も、板厚の大きいガラス基板100Bが分離されるまでは引き続きエッチングされ続ける。つまり、エッチング工程では、板厚が小さいほど、突出部が形成されてからエッチングが終了するまでの時間が長くなり、端面の突出部および傾斜面がより多くエッチング処理され、結果的に基板寸法が小さくなる。なお、図5(a)および図5(b)において一点鎖線で示す複数の円弧形状は、等方性エッチングが進行する様子を模式的に示したものである。
ここで、等方性エッチングに伴う板状ガラスの板厚Dと、抜き出されたガラス基板の寸法Wとの対応関係は、第1テーブルとして、図2に示すようにメモリ190に格納されている。また、第1テーブルが示す対応関係は、実施例の表1にて詳述するが、前記の理由から板状ガラスの板厚が大きくなるほど、抜き出されたガラス基板の寸法が大きくなる。なお、上記の対応関係は、レジストマスクの外形寸法およびエッチング条件が一定であることが前提となる。
次に、制御システム110での情報の流れについて説明する。上記第1テーブルを記憶しているメモリ190は、図2に示す把握装置180の要求に応じて第1テーブルの内容を参照させる。把握装置180は、第1テーブルからエッチング工程に伴う板厚Dと基板寸法Wの対応関係を把握する。また、把握装置180は、フォトマスク決定装置170の要求に応じて、第1テーブルの対応関係を参照させる。
板厚測定装置150は、板状ガラス120の板厚を測定し、その測定データをフォトマスク決定装置170の要求に応じて参照させる。但し、板厚測定装置150による板状ガラス120の板厚の測定データ(実測値)に代えて、板状ガラス120の供給元などから板厚の測定データを予め取得してもよく、この場合には、板厚測定装置150は不要となる。
フォトマスク決定装置170は、例えば板厚測定装置150が測定した板厚の測定データに基づいて、第1テーブルの対応関係を参照し、エッチング工程後のガラス基板の寸法が、製品として要求される目標寸法になるようにフォトマスク300の形状を決定する。即ち、フォトマスク決定装置170は、等方性エッチングによるガラス基板の目標寸法からの変動量を相殺するように透過部分の形状(サイズ)が予め調整されたフォトマスク300の形状を決定する。なお、ガラス基板の目標寸法は、例えばメモリ190に適宜記憶させてよい。
レジストパターン形成装置160は、フォトマスク決定装置170で決定された形状のフォトマスク300を用いて、上記パターン形成工程を行い、レジストマスク204の形状を調整したレジストパターン200を形成する。以下、図6および図7を参照して具体的に説明する。
図6は、フォトマスクの一部を拡大して示す図である。ここでは、フォトマスクの一例として、隣接する透過部分304A、304B、304Cをそれぞれ含む3つのフォトマスク310A、310B、310Cを重ねて示している。透過部分304A、304B、304Cは、互いに相似形を保ったまま拡大または縮小された大きさを有している。透過部分304A、304B、304Cの大きさは、上記レジストマスク204(図3参照)の大きさに対応していて、レジストマスク204の寸法を規定する。
図7は、板厚とレジストマスクの形状との関係を模式的に示す図である。ここでは、図示のように、ガラス基板100C、100D、100Eの目標寸法をWo、板厚をDc、Dd、De(但し、Dc<Dd<De)とした。さらに、第1テーブルの対応関係として、板厚Dc、Dd、Deでの等方性エッチングに伴う基板寸法をそれぞれWc、Wd、Weとした。
まず、フォトマスク決定装置170は、板厚測定装置150が測定した板厚Dc、Dd、Deに基づいて、第1テーブルの対応関係を参照する。これにより、フォトマスク決定装置170は、板厚Dc、Dd、Deでの等方性エッチングによる基板寸法Wc、Wd、Weを把握する。
次に、フォトマスク決定装置170は、エッチング工程後のガラス基板100C、100D、100Eの寸法が目標寸法Woとなるように、それぞれの板状ガラスの主表面に形成するべきレジストマスク204c、204d、204eの幅Lc、Ld、Leを算出する。
続いて、フォトマスク決定装置170は、算出された幅Lc、Ld、Leのレジストマスク204c、204d、204eを形成するために必要なフォトマスクを決定する。ここでは、Lc>Ld>Leとなることが分かる。
一例として、図6に示した透過部分304A、304B、304Cによって規定されるレジストマスク204の主表面方向の幅を、それぞれLc、Ld、Leと仮定する。この場合には、フォトマスク決定装置170は、エッチング工程後にガラス基板100C、100D、100Eとなるそれぞれの板状ガラスに対して、フォトマスク310A、310B、310Cを用いることを決定する。
つまり、フォトマスク決定装置170は、板状ガラスの板厚Dが大きいほど等方性エッチングを経て得られる基板寸法が大きくなるので、レジストマスクの形状が小さくなるフォトマスクを選択する。また、フォトマスク決定装置170は、板厚Dが小さいほど等方性エッチングを経て得られる基板寸法が小さくなるので、レジストマスクの形状が大きくなるフォトマスクを選択する。即ち、等方性エッチングによるガラス基板の目標寸法からの変動量を相殺するように透過部分の形状が予め調整されたフォトマスクが用いられる。なお、図6では、3つのフォトマスク310A、310B、310Cだけを示したが、これに限られず、透過部分304A、304B、304Cとは異なる大きさの透過部分を含むフォトマスクを多数(4つ以上)用意し、レジストマスクの形状を所望の寸法にするために用いてもよい。
続いて、レジストパターン形成装置160は、決定された上記フォトマスク310A、310B、310Cを用いて露光工程を行い、上記パターン形成工程を実施する。これにより、エッチング工程後にガラス基板100C、100D、100Eとなる板状ガラスの主表面に、レジストマスク204c、204d、204eの主表面方向の幅がそれぞれLc、Ld、Leに調整されたレジストパターンが形成される。
その後、エッチング加工装置130で等方性エッチングを行うと、図7に示すように、板状ガラスからガラス基板100C、100D、100Eが抜き出される。このガラス基板100C、100D、100Eの寸法Wc,Wd,Weは、それぞれ図示のように、目標寸法Woと一致している。
なお上記では、シート状に成形された板状ガラス(板状シート)の板厚を板状シート単位(全体)の板厚変化と基板ガラスの寸法について示したが、同様なことは1枚の板状シートの中での板厚変化(面内分布)にも適用できる。すなわち、溶融ガラスからシート状に成形する際に、板状シート単位(全体)での板厚の変化が大きい場合は、板状シート単位の板厚変化に対応させてレジストマスク形状を調整すればよい。一方、1枚の板状シートの中での板厚変化(面内分布)が大きい場合、特にその面内分布が各板状シートの中の位置により固有または一定の傾向を持つ場合は、板状シートの板厚変化の面内分布に対応させてレジストマスク形状を調整すればよい。このようにして調整されたレジストマスクは、板状シート単位(全体)の板厚変化に限らず、1枚の板状シートの中での面内分布としての板厚変化に対しても、適宜対応可能となる。
エッチング後には、レジスト剥離が行われる。剥離液としては、例えばKOHやNaOHなどのアルカリ溶液を用いることが好ましい。なお、レジストマスク、エッチャント、剥離液の種類は、被エッチング材料である板状ガラスの材料に応じて適宜選択することができる。
次に、エッチング工程後の小片のガラス基板に対して実施される化学強化工程について説明する。図2に示す化学強化処理槽140は、エッチングによる形状加工工程の後に、板状ガラス120から抜き出されたガラス基板に対して、イオン交換処理により化学強化を行う。化学強化は、ガラスの表層面のイオンをイオン半径の大きな他のイオンと交換することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成し、機械的強度をさらに高める処理である。化学強化は、例えば、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの化学強化処理液を用い、温度300℃〜450℃、1時間〜30時間の処理を行うことにより、ガラス中のLi+イオンを化学強化処理液中のNa+イオンと、ガラス中のNa+イオンを化学強化処理液中のK+イオンと交換する。
化学強化により形成する圧縮応力層は5μm以上あればよい。好ましくは、圧縮応力層の厚みは、35μm以上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上が望ましい。また、ガラス基板を抜き出した後に化学強化を行うことで、ガラス基板の端面も化学強化される。このため、図1に示すガラス基板100を携帯端末装置に装着する際、ガラス基板100の欠けや割れが生じることを防止できる。
化学強化後のガラス基板は、化学強化処理槽140から取り出され、さらに空中と水中で冷却した後、ガラス基板に付着している溶融塩やその他の付着物を取り除くために洗浄され、図1に示すガラス基板100となる。洗浄方法としては、水などの洗浄液で洗い流す方法や、洗浄液に浸漬する浸漬法、洗浄液を流しながら回転するロール体をガラス基板に接触させるスクラブ洗浄法などを利用することができる。浸漬法では、洗浄液に超音波を印加した状態で実施してもよい。その後、ガラス基板100に、必要に応じて印刷等の加飾を施すことでカバーガラスが製造される。
上記説明したように、本実施形態における携帯機器用カバーガラスの製造方法では、板状ガラスの板厚と等方性エッチング後のガラス基板の寸法との対応関係を参照して、板状ガラスの板厚に基づいて、エッチング工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法となるように、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状を調整する。そのために、レジストマスクの形状に対応した領域を含むフォトマスクを決定し、このフォトマスクを用いてレジストパターンを形成した後で、エッチング工程を実施する。よって、板状ガラスの板厚に起因して生じる、等方性エッチングに伴うガラス基板の外形寸法変化を、レジストマスクの形状を調整して小さくできるので、ガラス基板の寸法精度が向上する。
なお、開口寸法に関しても、上記の調整を同様に適用できる。よって、板状ガラスの板厚に起因して生じる、等方性エッチングに伴うガラス基板の開口の寸法変化を、レジストマスクの形状を調整して小さくできるので、ガラス基板の開口の寸法精度が向上する。これに加えて、ガラス基板の外形寸法及び開口寸法の両方を調整することによって、ガラス基板の外周端面と開口の内壁面と間で生じうる外形寸法変化を小さくすることができ、開口の位置のずれが抑えられることから、開口の位置精度が向上する。
上記実施形態では、板状ガラスの板厚Dと等方性エッチング後のガラス基板の寸法Wの第1テーブルの対応関係を考慮して、適切なフォトマスクを用いてレジストマスク204c、204d、204eの主表面方向の幅Lc、Ld、Leを調整したが、これに限定されない。一例として、上記寸法Wに加えて、上記化学強化工程に伴うガラス基板の伸び量ΔWも考慮してよい。
化学強化では、ガラスの表層面のイオンをイオン半径の大きな他のイオンと交換することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成する。この圧縮応力層は、ガラス基板を膨張(伸び)させるため基板寸法は大きくなる。
この伸び量ΔWは、化学強化に伴う化学強化処理条件によって変化する。そこで、化学強化処理条件とガラス基板の伸び量ΔWとの対応関係を示す第2テーブルを用意すればよい。なお、第2テーブルが示す対応関係は、実施例の表2にて詳述する。
第2テーブルは、例えばメモリ190に格納すればよい。この場合には、フォトマスク決定装置170は、第1テーブルに加えて第2テーブルも参照して、フォトマスクを決定する。そして、レジストパターン形成装置160は、決定されたフォトマスクを用いて、レジストマスクの幅を調整したレジストパターンを形成すればよい。ここで、レジストマスクの幅Lは、目標寸法Wo、板厚が異なることによる等方性エッチング後のガラス基板の寸法Wへの影響および、化学強化に伴うガラス基板の伸び量ΔWを用いて求められる。
このようにすれば、等方性エッチングに伴う板状ガラスの板厚に起因して生じるガラス基板の寸法の変化に加えて、化学強化に伴うガラス基板の寸法の変化に応じて、レジストマスクの幅を調整できる。したがって、化学強化工程を経た後であっても、ガラス基板の寸法精度が向上する。
[実施例]
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。ここでは、「例1〜例3」により板状ガラスの板厚とエッチング処理後の基板寸法(基板寸法変動比)との対応関係を求めて、結果を表1に示した。この対応関係を示す表1は、上記実施形態での第1テーブルに相当する。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。ここでは、「例1〜例3」により板状ガラスの板厚とエッチング処理後の基板寸法(基板寸法変動比)との対応関係を求めて、結果を表1に示した。この対応関係を示す表1は、上記実施形態での第1テーブルに相当する。
まず、板状ガラスの板厚を測定し、例1〜例3の3種類の板厚の板状ガラスを準備した。ガラス組成は、62.5〜64.5重量%のSiO2と、13〜15重量%のAl2O3と、5〜7重量%のLiO2と、9.5〜11.5重量%のNa2Oと、5〜7重量%のZrO2とを含むガラス材料を使用した。
上記各板状ガラスの両面にそれぞれレジストを塗布し、1種類のフォトマスクを使用して所定の露光、現像を行って、レジストパターンを形成した。そして、このレジストパターンをマスクとして、ガラス素材をエッチングするエッチング液(フッ酸を含有する酸性溶液)を用いて、各板状ガラスに対してウェットエッチングを行った。ウェットエッチングを行うことで各板状ガラスからガラス基板を切り出し、残ったレジストを除去し洗浄した。
その後、各板状ガラスから切り出されたガラス基板の基板寸法を測定した。この携帯機器用カバーガラスに用いる矩形状のガラス基板での、製品として要求される目標寸法は長辺101mm、短辺48mmである。測定は(株)ニコン製のCNC画像測定システム「NEXIV」を使用した。測定枚数は、例1〜例3ともに各10枚である。表1に結果を示す。
ここで、表1の例1〜例3では、板状ガラスの等方性エッチングによるガラス基板の寸法変化を表すために基板寸法変動比を用いた。この基板寸法変動比は、ガラス基板の短辺寸法を目標寸法で割って得られた値である。この表1に示す板厚と基板寸法変動比との対応関係から、板状ガラスの板厚が厚いと基板寸法変動比は大きくなり、板状ガラスの板厚が薄いと基板寸法変動比が小さくなることが分かる。
続いて、例4〜例6により化学強化処理と基板寸法変動比との対応関係を求めて、その結果を表2に示した。この対応関係を示す表2は、上記実施形態での第2テーブルに相当する。
具体的には、例2の板状ガラスから作成したガラス基板を、化学強化処理液のLi濃度を変えて化学強化処理を施した。つぎに、所定の洗浄を実施した後、ガラス基板寸法を測定した。化学強化処理は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとを混合した化学強化液を約360℃に加熱し上記形状加工後のガラス基板を約3時間浸漬して行なった。化学強化処理液のLi濃度は、イオンクロマトクラフィー(Dionex製 ICS−2000)により測定した。使用した交換カラムはCS−12A、また溶離液はメタンスルホン酸である。基板寸法の測定方法、測定枚数、及び基板寸法変動比の算出方法は、例1〜3と同じとした。結果を表2に示す。
表2の例4〜例6により、化学強化条件(Li濃度)と基板寸法変動比との対応関係が得られた。この対応関係から、化学強化処理溶液のLi濃度が小さいと、化学強化処理による基板寸法変動比(基板寸法の増加率)は大きくなり、Li濃度が大きいと化学強化処理による基板寸法変動比は小さくなることが分かる。
このような表1および表2の結果から、板状ガラスの板厚の差および化学強化工程の化学強化条件の差を調整するフォトマスクを準備し、基板寸法を調整するレジストマスクを作成できることが示された。以下、具体的に説明する。
ここでは、「例7、例8」により、本実施形態での第1テーブルに相当する表1と、第2テーブルに相当する表2とを参照して、フォトマスクの調整を行い、それに伴う効果を検証し、結果を表3に示した。
例7および例8では、ガラス組成およびエッチング処理条件は例1〜例3と同じとした。また化学強化工程は、Li濃度900ppmとし、その他の化学強化処理塩の種類・温度・時間は例4〜例6と同じとした。なお、製品として要求される目標寸法は、長辺101mm、短辺48mm、板厚0.5mmである。
例7では、板状ガラスの板厚を測定し、露光工程では表1を参照して3段階の板厚、さらに、表2の化学強化工程のLi濃度900ppmに対応した合計3種類のフォトマスクを準備し、板状ガラスを板厚により3段階に分けて露光した。
具体的には、板厚0.54mm超、板厚0.46mmを超え0.54mm以下、そして板厚0.46mm以下の3段階に板状ガラスを分けた。3段階に分けた板状ガラスはそれぞれ、表1の0.54mm、0.50mmそして0.46mmおよび表2のLi濃度900ppmの値を使用して準備したフォトマスクを使用し露光した。
使用するフォトマスクは、板厚0.54mm超の板状シートに対しては、表1を照合して板厚0.5mmの板状シート用と比べ、部分基板寸法が(1/1.0018)倍になるようにレジストマスクの主表面寸法(短辺寸法)を調整する。さらに表2を照合して、(1/1.0005)すなわち化学強化による1.0005の伸びを相殺(補正)して(1/1.0005)倍になるようにレジストマスクの主表面寸法(短辺寸法)を調整する。同様に、使用するフォトマスクは、板厚0.46mm以下の板状シートに対しては、表1を照合して0.5mmの板状シート用と比べ、基板寸法が(1/0.9981)倍になるようにレジストマスクの主表面寸法(短辺寸法)を調整する。さらに表2を照合して化学強化による1.0005の伸びを相殺して(1/1.0005)倍になるようにレジストマスクの主表面寸法(短辺寸法)を調整する。
ここで、レジストマスクの主表面の大きさは、完成品のカバーガラスの外形寸法とは異なる。その理由は、上記化学強化によるガラス基板の伸びの影響のほか、前述したガラス基板端面の突出部の形状、さらにレジストマスクがエッチング処理液によりごく僅かにエッチングされること等による。そこで、レジストマスクは、実験により所望の完成品のカバーガラスの外形寸法を得るための主表面の寸法とされる。
さらに上記の例7では、露光後の板状ガラスから現像・エッチング処理(切断)・化学強化工程によりガラス基板を作成し、基板寸法を測定した。測定数は700枚である。
例8では、露光工程では表1の板厚0.5mmおよび表2のLi濃度900ppmに対応する1種類のフォトマスクを使用した。その後、現像・エッチング処理(切断)・化学強化工程によりガラス基板を作成し、基板寸法を測定した。測定数は700枚である。例7および例8の結果を表3に示す。
表3から、例7では、例8に比べて目標寸法48.0mmに対する差分(標準偏差)が小さく寸法精度が高いことが分かる。例7では、上記したように、エッチング工程での板状ガラスの板厚による基板寸法の変化および化学強化工程に伴うガラス基板の伸び量を考慮したフォトマスクを使用することで、レジストマスクの幅が調整されたレジストパターンを形成し、その上で、エッチング工程および化学強化工程を実行した。その結果、例7では、例8に比べてガラス基板の寸法精度が向上していることが明らかとなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
特に、実施例では短辺寸法の測定結果を示したが、このほかにガラス基板の長辺寸法および開口寸法などを必要に応じて測定し、長片寸法および開口寸法のいずれかの寸法とガラス基板の板厚との対応関係に基づいて、フォトマスクの形状を選択してもよい。あるいは、各種寸法を複数組み合わせて、この組み合わせとガラス基板の板厚との対応関係に基づいて、フォトマスクの形状を選択してもよい。
本発明は、携帯電話やスマートフォン、PDAなどの携帯端末装置やデジタルスチルカメラ等の携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面の保護や、携帯機器の筐体に用いられる携帯機器用カバーガラスの製造方法に利用することができる。
100、100A〜100E…ガラス基板、102…外形部分、104…開口、106a、108a…突出部、106b、106c、108b、108c…傾斜面、110…制御システム、120…板状ガラス、130…エッチング加工装置、140…化学強化処理槽、150…板厚測定装置、160…レジストパターン形成装置、170…フォトマスク決定装置、180…把握装置、190…メモリ、200…レジストパターン、202…露出領域、204、204a〜204e…レジストマスク、300、300A、310A〜310C…フォトマスク、302…遮光部分、304、304A〜304C…透過部分、400、400A…照射装置
Claims (3)
- 板状ガラスの主表面に、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成するためのレジストマスクとガラスが露出した領域とからなるレジストパターンを形成するパターン形成工程と、
当該露出した領域の板状ガラスを等方性エッチングすることで、携帯機器用カバーガラス形状のガラス基板を形成する形状加工工程と、を含む携帯機器用カバーガラスの製造方法であって、
板状ガラスの板厚と、前記形状加工工程によって形成されるガラス基板の寸法との対応関係を予め把握しておき、
前記パターン形成工程では、前記板状ガラスの板厚に基づいて、前記対応関係を参照して、形状加工工程後のガラス基板の寸法が携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるように、板状ガラスの主表面に形成されるレジストマスクの形状が調整されたレジストパターンを形成することを特徴とする携帯機器用カバーガラスの製造方法。 - 前記形状加工工程後に、前記ガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、ガラス基板の中に含まれる一部のイオンを、そのイオンよりも大きなイオン半径である前記化学強化処理液中のイオンとイオン交換することによりガラス基板を化学強化する化学強化工程をさらに含み、
前記パターン形成工程では、前記化学強化工程によって変化するガラス基板の寸法に基づいて、前記化学強化工程後のガラス基板の寸法が、携帯機器用カバーガラスに求められる寸法になるようにレジストパターンを形成することを特徴とする請求項1記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。 - 前記パターン形成工程では、前記レジストマスクを複数含むレジストパターンを形成し、
前記形状加工工程では、前記レジストパターンを用いて前記板状ガラスを等方性エッチングすることにより、該板状ガラスから複数枚の前記ガラス基板を抜き出すことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
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